一部機能を切り出した絵心教室スケッチから二年の時を経て、楽しみにしていたWiiU「じっくり絵心教室」がようやく…ようやく、発売日を迎えました!!
絵心教室というのは不思議なソフトで、わたしのまわりの絵描きさんたちは、ほとんどすべて絵心教室が縁で知り合った人たちばかりなので、なんだか感慨深いです。そもそも、「新絵心教室」「絵心教室スケッチ」がなかったら、わたしは絵を描いていなかったので、このサイトだって存在していないはずなのです。
まだレッスンは始めていなくて、「絵心教室スケッチ」と比較した「じっくり絵心教室」の新機能や改善点をおおまかに調べていました。そのあたりの点、つまり、じっくり絵心教室とはどんなソフトなのか、ということをこの記事で紹介したいと思います。
※追記 : 保存枚数と動画の長さが間違っていたので修正しました。
保存枚数 ×無制限→◯本体は30枚、SDカードは120枚。ただしSDカード差し替えを考えれば無制限。
動画の長さ 1、2、5分のいずれか→1、2、4分のいずれか (これは電子説明書が間違っていたっぽい)
もくじ
絵心教室スケッチからの引き継ぎは無し
まず最初に、「じっくり絵心教室」を買われる方の中には、従来のWiiUダウンロードソフト、「絵心教室スケッチ」のユーザーが多いかと思います。
「絵心教室スケッチ」を持っていると、その値段分(411円)だけ「じっくり絵心教室」のダウンロード版が値引きされますが、この二つは、完全に別ソフト扱いです。
そのため、「絵心教室スケッチ」のソフトが更新されて、「じっくり絵心教室」になるのではなくて、「じっくり絵心教室」を買っても「絵心教室スケッチ」のソフトのアイコンは残ったままですし、絵心教室スケッチのメニュー画面のレッスンなどの項目はおそらく永遠にComing Soonのままです。
Soonと言いながら2年も経ってしまって、なおかつ更新されないとは…(笑)
そのように別ソフト扱いなので、「絵心教室スケッチ」に保存していた絵のデータも、どうやら、「じっくり絵心教室」には引き継ぎ・移行できないみたいです。
これから説明しますが、保存データの扱い方とか、画材ツールの使い心地とかが根本から違うみたいなので、本当に絵のデータも別形式なのかもしれません。
レッスンは三種類
今までの「絵心教室スケッチ」はフリーペイントだけでしたが、「じっくり絵心教室」はもちろんレッスンがあって、ビンス先生から丁寧に絵の描き方を教えてもらうことができます。
「じっくり絵心教室」のレッスンは、かねてから伝えられていたように3種類のコースからなっています。
「基本コース」は、イントロレッスン1つ+レッスン6つ+ミニレッスン6つ。
「応用コース」は、レッスン4つ+ミニレッスン8つ。
「画材コース」はレッスン5つ。
というわけで計30レッスンです。
「基本コース」と「応用コース」は、レッスンをこなしていくことで、順番に残りのレッスンが解禁されていく仕組みです。
「画材コース」は、5つの画材それぞれの使い方を学べるようになっていて、最初から全5レッスンが解禁されているので、どれからでもプレイできます。とりあえず「画材コース」から始めて、画材の使い方に慣れるのもいいのかも。
30個のレッスンそれぞれの内容が知りたい方は、発売前に海外版の情報をまとめてしまったので、以下の記事からどうぞ。
画材の種類
「絵心教室スケッチ」は、鉛筆、色鉛筆、パステルしか使えませんでしたが、「じっくり絵心教室」は、いろいろな画材が増えて、ユーザーインターフェースの機能も強化されています。
鉛筆
まずはこれまでもあった鉛筆。
クエッションマークをクリックすると、上のように、それぞれの画材の名前が表示されます。
色鉛筆
次は色鉛筆。
カラーサークル機能が追加されています。詳しくは後述。
また、おそらく描き心地が少し変わっているものと思われます。
パステル
次にパステル。これも今までと同じ画材です。
しかし、これもやはり色鉛筆と同様、描き味が少し変わっているかもしれません。
下の写真は、左(一枚目)が「絵心教室スケッチ」右(二枚目)が「じっくり絵心教室」。同じ紙、同じ色を選んで、色鉛筆とパステルさらさらと試し書きしたものですが…
見ての通り、なんだか描き味が全然違うように見えます。特に感じたのが、色鉛筆の細いので描くと、やたら薄くなっていたこと。もちろん塗り重ねると濃くなるのですが、描き心地はけっこう違うと考えてよいかもしれません。サッピツの機能も大幅に変更されていて、特に色鉛筆では色が落ちるので使いづらくなっています。
また、同じ紙を選んだつもりですが、紙の性質もおそらく違っていると思うので、もしかすると、上の写真の描き味の違いは、それも影響しているのかもしれません。
木炭
次に新画材である木炭。
結局のところグレースケールの絵を描く画材なので、それほど今のところ魅力を感じていないのですが…。。
セーム革など耳慣れない画材が含まれていますが、後述する用語集を見れば、どんな画材なのか解説されています。
絵具
そして、3DS版から改良された、絵具。「じっく絵心教室」の目玉画材ではないでしょうか。
なんといっても、絵具は、好きな色を自由に作ることができます。これまでの「絵心教室スケッチ」の色鉛筆、パステルだと、色数が限られていたので、不満を感じている人も多かったようですが、ようやく自由な色を作れます。といっても作り方は非常にアナログなので、やはり使いにくいという人はいるでしょうが。
絵具は、上の写真のように水の量を4段階変えられます。また筆につける絵具の量も3段階調節できます。そのおかげで、絵具の厚みやかすれ具合など、多様でリアルな表現が可能になっているようです。
お絵描きツールとしての新機能いろいろ
画材が増えたり変わったりしただけでなく、お絵かきツールとしての機能やユーザーインターフェースもかなり変わっています。
紙の種類
まず紙の種類は、絵具用のキャンパスが増えました。
それだけでなく、さっき書いたように、それぞれの紙も変わっているのではないかと思います。少なくとも、「絵心教室スケッチ」の紙の選択画面では、こんなに紙質の違いが表現されていなかったはず。
ズームは三段階に
「絵心教室スケッチ」のズームは二段階でしたが、「じっくり絵心教室」では三段階になりました。
以下の写真は分かりやすいようにグリッドを表示しています。
まずは×1倍。標準の大きさ。
続いて×2倍。「絵心教室スケッチ」のズームと同様?
そして最大の×4倍。拡大しすぎじゃないのか、と思うくらい拡大してますね。ここまで拡大されてもかえって困るような…。 細かい絵を描き込みたい方はぜひ頑張ってください(笑)
一回のみ「元に戻す」「やり直す」機能
3DSの「新絵心教室」では、アナログ重視だったので、アンドゥ機能がなく、「絵心教室スケッチ」でもその路線を踏襲していました。
しかしその後、ミーバースの手描き投稿や、ポケモンアートアカデミーに、一筆だけアンドゥできる機能が導入された流れで、「じっくり絵心教室」も一筆だけ「元に戻す」「やり直す」機能が追加されています。時代の流れには逆らえなかった感じでしょうか。わたしは便利でいいと思いますが。
カラーサークル機能
さきほど色鉛筆やパステル、絵具の画面にあったカラーサークル機能。
これは、テレビ画面に表示したお手本画像の色と、今選択している画材の色とを比較するためのカラーサークルです。自由に色を選べるカラーサークルではないことに注意。しかし絵具では自由に色づくりできるので、参考写真と色を比べてより正確な色に近づけるときなどに役立つと思われます。
ボタン操作によるショートカットキー
絵心教室シリーズのゲーム機ならではの利点として、ボタン操作によるショートカットキーがあります。これは利き手でペンを持ちながら、もう片方の手で十字キーなどのボタンを操作して、ツールを開いたり拡大縮小したりできるとても便利な機能。
「じっくり絵心教室」のショートカットボタンは、「絵心教室スケッチ」と似ているものの、機能追加により、少し変わっている部分もありますね。
定着・乾燥は今までどおり
「絵心教室スケッチ」は画材を変更するときに定着させる必要がありました。
今回もそれは同じです。定着させると、消したりぼかしたりできなくなるので、擬似レイヤー機能として使えます。
参考画像
テレビに映す参考画像は、いろいろなものが用意されています。
用意されている一枚絵を選ぶこともできます。これはパッケージのネコですね。
あるいは360度見渡せるパノラマ写真から、好みの場面を切り取って使うこともできます。
そして、SDカードに入っている画像も使えます。ただしあらかじめサイズ合わせが必要。
また、後述するように、ミーバースでの他の人の絵をSDカードに保存できるので、それを参考画像として表示することもできます。
絵の保存とエクスポート
「絵心教室スケッチ」では、12枚しか絵を保存できないので、多くの人が涙を飲んで過去絵を消してきましたが、今回ようやく、保存制限がなくなり、エクスポート機能が追加されました。
保存枚数
以下の写真のように、フリーペイント、レッスンそれぞれを、本体かSDカードに保存できます。
容量次第ではありますが、レッスン絵とフリーペイント絵それぞれ、本体は30枚まで、SDカードは120枚まで保存できます。もちろんSDカードを差し替えれば事実上いくらでも絵を保存できます。
ただし、次に触れる点ですが、コマ割り動画データ込みでの保存のようなので、ただの画像よりも必要な容量はけっこう大きいです。画材などにもよりますが、レッスン絵はだいたい一枚が10MB前後になりました。
JPEGでエクスポート
絵のデータはJPEG形式での書き出しに対応しており、サイズは1080×1920ピクセルです。これまでミーバースを通して絵を保存していた人の場合は、450×800ピクセルなので、約5.8倍になります。
注意点として、今までどおり、インポート機能はありません。つまり、一度書き出しした画像を再度取り込んで修正したり、別ソフトやアナログで描いた下書きに絵心教室で着色したりはできません。
メイキング動画投稿
絵のデータは、コマ割りメイキング動画のデータと一緒に保存されていて、ゲーム内であれば、自由に動画を閲覧できるようです。公の場に投稿したい場合は、You Tubeを使うので、Googleアカウントが必要です。動画の長さは、1分、2分、4分から選べます。
こんな公式メイキング動画も来ていました。
【お知らせ】どうぶつの森のデザイナーが、Wii Uソフト『じっくり絵心教室』で森の仲間たちの絵を描いてみました。 https://t.co/ggh8J8tg8q
— どうぶつの森 (@doubutsuno_mori) November 12, 2015
その他の機能
最後に、そのほかのいろいろな機能について。
ギャラリー機能
描いた絵は、3DS版と同様、仮想ギャラリーに飾れます。
仮想ギャラリーは、なんだかいい雰囲気のアトリエの中を自由に歩き回れます。
こんな感じで、壁に飾るスペースが用意されているので、保存した画像を選んで展示します。
同じ本体を使っているユーザー同士で共有できるキャンバスも一つ。Wiiの伝言板みたいなものでしょうか。
ミーバースとの連動
ミーバースのコミュニティとの連動機能も強化されています。
まず投稿機能。
投稿するときにタグ付けできます。
タグは自由に作れるわけではなく8種類だけなので、特に意味はない気もしますが。
また、ミーバースの絵心教室コミュニティの絵を読み込んで、ゲーム内から閲覧することも。フォローしている人の絵のみを並べることも可能です。ここでは他の人の絵をJPEG画像としてSDカード保存することができ、絵を描く時の参考画像として選んだりもできます。サイズは450×800。
ただしコメント投稿などはコミュニティに行く必要があるようです。
用語集
絵を描いているときに、用語集を閲覧できます。
たとえばさっきの木炭ツールの中にあったセーム革の解説はこんな感じ。美術用語や、画家の名前なども、そんなに多くないとはいえ、ちょっと解説されていますので、豆知識程度には役立ちそうですね。
オプション
その他オプションで、BGM・効果音などの音量や、テレビ画面とゲームパッドの色の相違の微調整、お絵かきツールを開くボタンを右に置くか左に置くかなど、ちょっとした設定の変更ができるようです。
じっくり絵心教室 いよいよ開校
というわけで、おおまかな見学は終わったので、そろそろ、じっくり絵心教室のレッスンを始めたいと思います。久しぶりにビンス先生と会うのがとても楽しみです。
わたしはけっこう数少ない3DS新絵心教室の全レッスン卒業した人の一人だと思うので、時間はかかると思いますが、今回のじっくり絵心教室も、頑張って全レッスン制覇したいと思います。
またレッスンを進めたら、それぞれの感想記事など上げる予定です。
▽レッスンの感想記事など絵心教室の記事の一覧はこちら