今夜も旅立つときが来た
ぼくらの果てなき冒険へ毎晩とても楽しみな
物語の時間だよ父さん本を広げたら
不思議な世界の戸が開く優しい声の父さんは
ぼくらを旅路にいざなっていつの間にか気づいたら
ぼくらは見知らぬ国にいた世界を駆ける大冒険
奇跡と勇気の物語疲れて眠くなってきて
母さん恋しくなったならぼくらはそろそろ寝る時間
父さんそっと本閉じた続きはきっとまた明日
あったかふとんが待っている
お父さんとお母さんに物語の読み聞かせをしてもらっている子どもたちの絵を描きました。
■読み聞かせと想像力
今回、物語の読み聞かせの絵を描いてみたのは、友だちの家族から、そんな感じの絵を描いてみては?と依頼されたからです。結果的に、あとで書くように一年前の絵のリメイクになったのですが、いい経験になりました。
物語の読み聞かせというと、なんだか今の時代では古臭いように思えてしまうかもしれませんが、子どもの社会性や想像力を伸ばすのに役立つということがわかっているそうです。何より、近年少なくなりがちな親子のコミュニケーションの機会となるので、子どもの愛着が育まれ、精神面で安定させる効果もあるのだとか。
今の子どもたちは、小さなころからスマートフォンに親しんでいたり、テレビを見る時間が多かったりします。スマートフォンやタブレット、テレビが悪いというわけではなくて、それらもうまく使えば役立つのですが、中には、それらを子守代わりに使っている親もいます。子どもにそれらを与えておけば一人で遊んでいてくれるから楽だというわけです。
でも、子どもが本当に必要としているのは親子で過ごす時間だと思うのです。そのために、特にお父さんが率先して、子どもと家族で過ごす時間を作って、一緒に遊んだり、物語を読んで聞かせたりしてあげるのは、とても大切だと思います。
テレビやYouTubeの動画は確かに子どもの注意を引きますが、映像として完結しています。対照的に、読んで聴かせる物語というのは、子どもの想像力を刺激して、イメージを思い描く力を育むそうです。
前に天才の脳科学―創造性はいかに創られるか という本(天才児教育の本ではないですよ)を読んだとき、文字媒体のハリー・ポッターなら、読んだ子どもみんなが、「自分のハリー」を思い描けるけれど、映画のハリー・ポッターには、もう思い描く余地がない、と書かれていたのが印象的でした。
わたし自身、子どものころは、いろんな絵本や物語を読んでもらいましたし、学生時代もひたすら本を読んでいたので、それが今の想像力につながっているのかなーと思って親に感謝しています。
友人のところの家族も、お子さんにすくすく育ってもらいたいとの願いをこめて、この絵をプレゼントしようと思います。
■1年ぶりのリメイク
今回の絵は、昨年7月に描いた、本を読むって楽しいね!のリメイクです。
今見てみると、ずいぶん絵の雰囲気違いますね―(笑) 本を読んであげているポーズはほとんど同じなので、比べると、この一年の変化がよくわかりますね。特に上達したとかいうわけでなく、タッチが変わったのだと思います。
前回は、用紙を横向きに使った絵だったので、今回は、親子のポーズはほぼ同じながら、構図は斜めに変えてみました。
前回の絵で周りにどうぶつたちを描いたのは、じつは何を描けばいいのかよくわからなかったという事情が…(笑) 当時は、描くものが思いつかなかったら、とりあえずどうぶつを描くことで乗り切っていたので。
今回は構図を斜めにしたおかげで、上にほうに十分なスペースが空いたので、色んな物語の絵を描き込むという構成にしてみました。友人のリクエストもあってこの場面にしましたが、昔の伝説とか映画に詳しい人なら何の絵か分かるかな? まぁ何となく雰囲気が伝われば幸いです。
絵の背景を分割して複数の場面を描き込むというのは、多分、今までにやったことがないです。思い出はいつもきみとが少し近いけれど、あれは基本となる単一の背景に写真の形で埋め込んだだけですからね。
背景を分割して複数のシーンを描くのを今までしなかったのは、絵の統一感が失われると思ったからです。複数の場面を描くということは、それだけ使う色のトーンも分けるということなので、一枚の絵としての色の統一感がなくなってしまうのではないかと。
実際、今回の絵は、確かに色の統一感に欠けていると思います。ごちゃごちゃしていますし、グラデーションの連続性もない。でも、意外と楽しげな雰囲気にまとまったので、これはこれで良かったかなーと思います。
絵を描く立場としては、背景を分割する絵には苦手意識がありますが、絵を見る立場としては、お得感もあってけっこう好きなので(笑) いい経験になりました。
今月はこれで二枚目ですが、今月後半は別のことで忙しくなる予感…。 無事に絵を描けたらいいのですが。