夜のとばりの散歩道
ランタン片手のきみとぼく海の香りを運ぶ風
寄せては返す波の音夜闇を照らすランタンに
海の青さが透き通る水音跳ねた方向に
しぶき飛び散り現れた物珍しく顔を出す
興味津々いるかたちあらどうしたのいるかさん
お話聞かせてくれるかないるかは歌を歌い出し
浜辺が耳をそばだてる二人は目を閉じ心地よく
物語に溶けいった
夜の浜辺で、ランタンの光にイルカたちが集まっている絵を描きました。
このイラストは、元になった体験があります。以前にある水族館に行ったとき、夜になると、外にあるイルカプールが青くライトアップされて、ランタンを手に持って近くまでいくことができました。すると水しぶきを上げてイルカたちが近寄ってきてくれるのでした。
とてもロマンチックな体験で、いつか絵に描こうと思ったものです。絵では、水槽では殺風景ですから、どこかのリゾート地のような雰囲気にしました。描く題材は決まっていたのに、浜辺や海の描き方がわからず苦労しました。
今回の絵では、その性質上、光の効果を強く出す技法が求められました。一見難しそうですが、レイヤーがあるデジタルのイラストはこういったことが得意です。
この絵も、ほとんど昼間に近い色合いで背景を描いて、色付きのフィルターをかぶせて夜らしくしています。そしてランタンの周辺だけフィルターを消せば、明かりが表現できるというわけです。
こうした技法を活かして、今度はキャンプファイヤーなども描いてみたいなと思っています。
明かりをテーマにしたイラストはこれまでも路地裏の冒険など沢山書いてきましたが、どこか心が落ち着く魅力があります。夜の水族館はとても幻想的だったので、また機会があったら行ってみたいです。