うららかなる古城のほとり。さわやかな風が草原を走る穏やかな昼下がり。
男の子と女の子は、湖のそばの木陰に、イーゼルを立てて絵を描いている、白いおひげのおじいさんを見つけます。
「あら素敵な絵を描いていらっしゃるのね!」。女の子が声をかけると優しくほほえむおじいさん。「お二人も描いてみますか?」。どこからともなく画板を取り出します。
女の子はやる気まんまん。早速、絵筆がキャンバスを踊ります。お姫さまはもちろん絵だってたしなむのです。
「じっくり絵心教室」の基本コース修了記念
この絵は、「じっくり絵心教室」の基本コース修了記念として描きました。それで、いつも使っているPainterではなく、「じっくり絵心教室」の絵具ツールを使って描いた初めてのオリジナル絵ということになります。
レイヤーなどの便利機能がないアナログなソフトで、色づくりも絵具のチューブから色を出して混ぜるという手間のかかる作業ですが、描いていて、これがまた楽しいのです。
「じっくり絵心教室」発売前は、レッスン絵だけ描いて、オリジナル絵は、これまでどおりPainterで、と思っていました。でも実際描いてみると、なかなかどうして、油絵っぽい味わいも出て、描き心地もリアルです。
もちろん、やっぱりPainterのほうが、自在に表現できるので、そちらがメインというのは変わりませんが、油絵風の作品を描きたいときには、こちらを使って新鮮な気持ちで描くのもいいかも。あるいは、現在水彩メインで使っているPainterで、この機会にアクリル絵具を解禁して練習してみるのもいいかなーと思ったり。
題材は、最近、コラボ作品に引っ張りだこ(笑)の空花物語を選びました。古城などの中世ファンタジーの世界観が、絵心教室の雰囲気や、ビンス先生のイメージとよく合うような気がして。ゆめまな物語とのコラボは、応用コース修了のときにでも。
レッスンで学んだことを実践!
「じっくり絵心教室」の基本コース修了記念絵ということで、各レッスンで学んだ技法やポイントを、幾つか早速、実践してみました。
(1)キアロスクーロ
草原の色合いは、光が当たっているところとそうでないところで、かなりコントラストを変えてみました。レッスン3で学んだキアロスクーロ(明暗)をしっかり出してメリハリのある表現を目指しました。
(2)補色
空花物語のテーマ色は、ハナの髪色や服でもある赤紫です。レッスン3では、補色をアクセントとして置くことで、絵が引き立つ、ということを学んだので、草の色を、テーマ色の補色にあたる黄緑色で塗ってみました。あえて緑ではなく、黄緑色にしたことで、絵の色相に統一感が生まれたのでは?と思います。
(3)三分割法
構図は、いつもの斜めの構図ではありますが、レッスン5で学んだ三分割法を意識して、古城などの風景は、三分割した一番右のエリアにおさめてみました。これまでも多用しているタイプの使い古しの構図でも、比率を意識して描くと、印象が少し変わりますね。
(4)空気遠近法
レッスン6で学んだいつもの空気遠近法も、奥の風景の彩度を落とすことで、取り入れました。風景画には必須なので、工夫した点というほどではないですけれど。
(5)雲の描き方
最後に、レッスン6で学んだ雲の描き方も導入してみました。描き方としてはミニレッスン5の絵に近いかも。いつもは、単発で浮いている雲を描きがちなのですが、今回はもくもくと広がっている雲を描いてみました。何気にこれまであまり描いたことのない表情です。
今回の絵の制作過程のYou Tube動画(1分)はこちら。BGMはとっておきのスタッフロールの曲を設定してみました。
今回初めて取り入れたものも多くありますから、やはり時々こうして絵の技法を基礎から学び直すのはとても大切ですね。ぶだん好きなように描いているだけに、基礎を訓練する機会も必要です。まだ応用コースが残っていますから、そちらも頑張って取り組んで、修了のあかつきには、またオリジナル絵を描きたいと思います。
「じっくり絵心教室」のレッスン絵についてはこちらの記事にまとめていますので、よかったらご覧ください。
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