発売したら始めようと思っていた「じっくり絵心教室」のプレイ日記。「授業ノート」という形で、各レッスンごとに、覚えておきたいと思った部分と、わたしの描いた絵をタイムラプス動画付きでまとめていきます。
まず初回は、基本コースの入門レッスン「トマト」と、レッスン1「りんご」、ミニレッスン1「木」です。
もくじ
基本コース 入門レッスン「トマト」
最初は、基本コースのイントロレッスンである「トマト」。
今回の画材はパステルです。
はじめての方にオススメ、とあるとおり、WiiUじっくり絵心教室の操作方法を、手取り足取り教えてくれるレッスンとなっています。
トマトなんか、簡単すぎると思う人もいるでしょうし、わたしもそう思っていたんですが、なかなかどうして、奥が深いというか、観察眼がとても鍛えられるレッスンであり、絵心教室の最初にふさわしいと思いました。
授業ノート
ここからはビンス先生の授業のうち、覚えておきたいと思った部分をまとめています。
■明るさの変化を正しくとらえる
トマトの質感を表現するには、色調の変化を適切につけることが大事で、ふさわしい明るさの色を使っていれば、グレースケールにしても立体的に見えるとのこと。
■ハイライトで質感を表現する
トマトの質感を表現する大切な要素の一つは光の反射のハイライトをしっかり描くこと。ハイライトの入れ方によって、質感の印象が変化する。
■反射光も忘れずに
上から光が当たってできている目立つハイライトだけでなくて、テーブルに反射した光が映り込んでいる下の方の反射光も忘れずにと。これはけっこう大事だけど、よく忘れてて、毎度ビンス先生に指摘されて思い出します。
ハイライトは、目立つからつい大きく描き込みがちですが、控えめに使ったほうがバランスが崩れない、というのも、いつも教えてもらってますね。
先生のお手本
今回の先生のお手本は4ステップ。
まず輪郭を描いて、ベースとなる色と影を塗って、最後にハイライトを加えるといういつもの順番ですね。この順序、あたり前のように思いますが、絵心教室するまでは知らなかったので、ビンス先生に叩きこまれた気がします(笑)
わたしの作品
というわけでわたしも描いてみました。
ちなみにわたしの絵は、ただレッスン通りに描くと、だれの絵かわからなくなってオリジナリティがないので、にゃんたすとサインを描き入れるつもりです。
タイムラプス動画(1分)はこちら。
■観察眼が鍛えられる
たかがトマトと思って甘く見てましたね。色調の変化とか、ヘタの部分の構造とか、じっくり観察しないと描けないです。このトマトをどう描くかで、その人がどの程度しっかり観察できているかがわかるのではないでしょうか。入門レッスンといえど侮れません。
■サッピツの使い心地の違いについて
苦戦したのがサッピツの使い方。「絵心教室スケッチ」とは完全に別物の使い心地ですね。動画の最後のほう、影をぼかすのに手こずってあきらめているのがわかるかと(笑)
「絵心教室スケッチ」のサッピツは、デジタルのぼかしツールと大して変わらないかわりに、一定以上ぼかせない、ぼかし限界のようなものがあるというクセのあるツールでした。でも、色は均等に混ざるので、アニメ絵とか描かれる方は重宝していたのではないかと。
それに対して、「じっくり絵心教室」のサッピツは、ぼかし限界がなく、白色を引きずってしまう現象が起こって使いにくいです。アナログ感を重視しているんだろうか…。アナログのサッピツは昔使ったことがありますが、どんなのだっかは忘れました(笑)
結果として、これまで「絵心教室スケッチ」を使っていた人は戸惑うと思いますが、均一に混ざりにくいぶん、アナログっぽい味わいが出るという意味では、かえって手描きらしくなったと思います。
なぜ「絵心教室スケッチ」と「じっくり絵心教室」が別ソフトなのかなーと思っていたんですが、描き味がぜんぜん違うから、「じっくり絵心教室」に慣れない人は今までどおり「絵心教室スケッチ」でフリーペイントしてね、という意思表示なのかもしれません。
というわけで、今回も入門レッスンからけっこう歯ごたえがあって楽しいです。
基本コース レッスン1「りんご」
続いては、ようやくメインレッスン。基本コースのメインレッスン1は「りんご」です。確か過去の絵心教室でもありましたよね?
今回の画材は色鉛筆です。
授業ノート
■絵の歴史
まずは絵の歴史の講義。ルネサンス以前は細部にこだわる絵だったのが、ルネサンス以降、レオナルド・ダ・ヴィンチの明暗やフラ・アンジェリコの透視図法が取り入れられて、リアルな絵になったという話。
■最初の下書きの正確さが大事
下書きの時点で、しっかり対象の比率を捉えて描いておくと、あとあと歪みが出なくて済む。絵心教室の場合はグリッドがあるから、それを使えば、かなり正確に描けます。グリッドなんていうと、セコく感じそうですが、過去の画家たちも、手作りの木の枠のグリッドを作ってたのだとか。ちなみにわたしはよく美術の生徒がやってるペンで大きさを測るというのをやってます。
■中間の明度の色から塗る
これも意外と知らなくて、ビンス先生に教わったことですが、下塗りのときは中間の明度の色を塗って、あとで暗いところ→明るいハイライトの順に描き込んでいく、という順番がいいらしいです。絵心教室で学んで以降は、わたしもそうすることが多いですね。
■スフマートとは
線や境界を描かない厚塗りっぽい描き方を「スフマート」というそうです。前にも聞いたような気がするけれど、すっかり忘れてた(笑) 前にこのサイトで、線で描く絵と面で描く絵の違いを説明したことがありますが、面で描く絵のほうですね。日本だと「没線画法」(もつせんがほう)がスフマートに相当するのかな?
■影には二種類ある
前に3DSでも教えてもらった点ですが、今回のほうが整理されていてわかりやすいかも。前は、光源から離れてできる影と、光源が遮られてできる影、といった説明だった気がするのですが。
■明暗のとらえ方
これはビンス先生から耳にタコができるほど聞かされたことですね(笑) どこが影になっているか、どこが暗くてどこが明るいかがわからなかったら、目を細めて観察するとわかるよ! というテクニックです。
■ハッチングとは
今回は、いろいろな表現のうち、線でハッチングする方法を試すそうです。マンガなどではおなじみですよね。
先生のお手本
今回の先生のお手本は3ステップ。
輪郭→影→ハイライトといういつもの順序ですが、今回は色鉛筆のハッチングなので、質感を出すのがけっこう大変そう。
わたしの作品
というわけでわたしの絵。
タイムラプス動画(1分)はこちら。
■自分なりの表現
ビンス先生の絵よりも、かなり濃く描き込みましたね。どのあたりを中間の明るさとみなすかの違いだと思います。お手本そのままに描いても面白くないので、いつも自分らしさは出すようにしています。
レッスンで使える色は少ないので、にゃんたすを描くのにけっこう苦労しました。フリーペイントで後で編集できるんですが、あくまでレッスンで使った画材のみで表現するほうが味が出ると思ったので。
■色鉛筆と紙質の描き心地
「絵心教室スケッチ」と違って、色鉛筆の色の乗りが薄くなっている気がします。その分、薄めから濃い目まで表現の幅が広がっていますね。濃くべったり塗りたいときはパステルを、ということかな。
紙のほうはどの紙が選択されていたのかはわかりませんが、「絵心教室スケッチ」にはこんなにテクスチャが出る紙はなかったです。かなりアナログっぽい雰囲気が出ていいですね。
基本コース ミニレッスン1「木」
最後は、基本コース ミニレッスン1の「木」。
今回の画材は鉛筆。「木」というか「盆栽」ですね。
授業ノート
ミニレッスンではありますが、最初にいろいろと木の絵についての説明がありました。
クロード・モネの木の絵の紹介。
こちらもクロード・モネの木。いろんな表現があるみたいですね。
木は絵の練習にぴったりの題材とのこと。確かにそうですねー。画家にしてもマンガ家やイラストレーターにしても、木の表現って、みんなそれぞれ違うことが多いので、個性が出る部分だと思います。
同時にこれという正解がないから、自分なりのスタイルを見つけるまでは苦労する部分でもあるかも。わたしも最近ようやく木を描くスタイルが固まってきました。
先生のお手本
先生のお手本は5ステップ。
今までミニレッスンって、最初に解説とステップが表示されてあとは投げっぱなしだったように思うんですが、今回は、ステップごとに区切ってありますね。ちょっとした違いだけど、確かにこのほうが、ほったらかしにされているように感じなくて安心感があるかも。
わたしの作品
わたしの絵はこんな感じ。
タイムラプス動画(1分)はこちら。
■コントラスト不足
ビンス先生の絵と比べると、ハイライトが少ないですね。 というのも、ビンス先生がいつも使う消しゴムで消すという手法が苦手で…。消しゴムって太いので、消し跡が目立ってしまう気がして、どうも使う気にはなれません(苦笑)。ビンス先生は消し跡も表現の一環に落とし込んでいると思いますが。
こうやって比べると、ハイライトを大胆に出しているビンス先生の絵のほうがインパクトがあるので、やっぱり自分はまだまだだなぁ…思います。コントラストが不足してしまうのは、昔からずっと治らないわたしの悪い癖です。今回は6Bの鉛筆まで持ちだしてけっこう頑張ったんだけどな―(笑)
おまけ:ビンス先生の絵や名言いろいろ
絵心教室というと、じつは隠れた楽しみ方として、背景の一枚絵を鑑賞する、という点があります。3DS「新絵心教室」のときも思ったんですが、ほんの一言二言のために挿入される背景の一枚絵が美しいものばかりで、目を奪われることが多いです。
作者は特に触れられていませんが…もしビンス先生の手描き作品という設定だったらいいなぁ…ということで、「ビンス先生の一枚絵」という形で、一部のみスクリーンショットを撮ってみました。
また、ビンス先生の味わい深い名言も楽しみのひとつなので、そちらも収集します。
入門レッスンの夕焼け。雄大な景色で、なんだか優しい気持ちになりますね。
入門レッスンのトマトの絵。補色としてトマトの赤色がアクセントになっていて、質感とみずみずしさの感じられる絵です。
入門レッスンの紅葉の絵。色の三原色の説明のところで、赤色にちなんで表示されます。外国でも縁起がいいんでしょうかね?(笑)
レッスン1の最後に出てくる鮮やかなイチョウ?の木。黄色を基調としつつも、赤や緑、青も散りばめた虹色みたいな色使いがすごく好きです。
ミニレッスン1の冒頭に出てくる嵐の中の木。写真に近い雰囲気で、リアルさと迫力を感じる絵ですね。雷雨の音が聞こえてきそう。
これはぜひビンス先生名言集に追加したい名言。
正しい方法や間違った方法はなく、人それぞれの表現があるのです。
忘れがちだけど大切なことですよね。
最後にゴッホのちょっとした名言。ゴッホのひまわりや星空、ターナーの荒れる海、モネの太陽の光のように、絵に感情をこめて表現するように、というアドバイスでした。絵って、確かに題材選びや筆遣い、色使いに感情が乗りますよね。
今回の授業ノートはこれでおしまいです。今後はレッスンとミニレッスンのセットで更新していけたらと思います。基本コースがこれを含めて全6回、応用コースが全4回、画材コースが1回になるかな。ゆっくりペースですが、タイトル通りじっくり楽しんでいきたいと思います。
次回は基本コースのレッスン2「カラーリリー」、ミニレッスン「ブーツ」です。
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