じっくり絵心教室のビンス先生のレッスンのプレイ日記。今回は基本コースのレッスン4「タマゴ」とミニレッスン4「オレンジ」、ともに絵具を用いたレッスンです。いつものように、授業の要点や感想、わたしの絵とそのタイムラプスと動画などをまとめています。
どちらのレッスンも写実が非常に厳しい難関でした。特にタマゴは、いまのわたしの全力を出しきってみました(笑)
基本コース レッスン4「タマゴ」
基本コースのレッスン4の題材は「タマゴ」。見ての通り、非常に複雑な形状です。
画材は絵具。なかなか癖の強い絵具で複雑なタマゴを描くということで、ここまで5回にわたって続いてきた基本コースの静物画のトリを務めるにふさわしい難関レッスンだと思います。
授業ノート
■光の当たり方をよく観察する
今回は、「光」に関係したレッスンです。画家にとって光の性質を理解して、よく観察するのは大事だとのこと。
確かに、光源の位置とか、ハイライトの場所とか、そうした点をよく観察して描くだけでも、リアリティが大きく違ってきますね。光のメリハリの利いた絵を描くのは難しいですが、それを習得すると、一気に絵が活き活きとしてレベルアップするように思います。
お皿の真ん中の部分を「見込み」と言うそうです(笑) そんなの知らなかった!! 「縁」と「見込み」の関係をよく理解しておくことがお皿を立体的に描くポイントだとのこと。
■光の性質
「光」に関係するレッスンということで、ビンス先生の物理学講義も始まります。(笑)
反射・吸収・透過。反射しているのは白色光の成分のうち、目に見えている色、吸収されているのは、その逆の見えなくなっている色ですね。そして透過は、光の透明感を出すときに大切ですが、絵に描くとなると、特に表現の難しい部分ですよね。
■反射光の映り込み
近くにある物体は、反射光の影響で、互いの色が映り込むという話。これはとても大事だけど、すぐ忘れてしまいます。たとえばテーブルに置いたトマトには、テーブルの色が映り込みますし、逆にトマトの赤色もテーブルに映り込む、ということは、最初の入門レッスンでも学びましたよね。
つまり、物体に用いる色は、そのまわりの別の物体や影などを描くときにも用いる必要があるということですね。絵の全体に同じ色を循環させれば統一感が出ると言われますが、それはこの映り込みによって、実際に同じ色がそこかしこに反射していることも関係していそうですね。
■色温度
そしてついに出てきた色温度の講義!! 新絵心教室のときの「橋」のレッスンで学んだ色温度による「進出色」「後退色」の知識は、その後、わたしの絵にものすごく影響を与えてくれました。
要するに、暖色系は前に飛び出て見えて、寒色系は後ろに引っ込んで見える、ということです。わたしの絵は、虹色のグラデーションを用いることが多いので、手前に暖色系のものをたくさん配置して、そのままグラデーションしながら、奥に寒色系を置くことで、遠近感を表現することが非常に多いです。
「橋」のレッスンでは、ビンス先生が手前の橋を実際よりもかなり赤っぽく描くんですよね。よく空気遠近法で、遠くのものは青みがかった色で描くよう言われますが、その逆に、近くのものは、赤みを強調するといいんだ!ということを学べたのは目からうろこでした。
暖色と寒色を組み合わせた絵画として、フランク・ウェストン・ベンソンの絵も紹介されていました。これも手前が少し暖色系で、遠くは寒色系になっていて、すごく爽やかな色使いですね!
ビンス先生のお手本
ビンス先生のお手本は、なんと、これまで最多の7ステップ!! 本当に難関レッスンです。
特に技法などはなく、それぞれを塗ってなじませているだけなのですが、なにしろ題材の形状が複雑なので、7ステップもかかるんですね。
わたしの絵
わたしの絵はこんな感じ。
動画はこちら。
もう、今のわたしの全力を注ぎ込みましたとも!! ビンス先生が描き込まないようなところも、ひたすらじっくり観察して、特にタマゴのつややかさは、全身全霊を込めて表現しました(笑)
絵具のレッスンは、以前に画材コースの「マルメロの花」で、かなり苦労しましたが、ようやく、使い方がわかってきました。絵具は色々な描き方ができるだけにかなり複雑なシステムみたいです。
とにかく、色を混色しながら、お目当ての色を作って塗っていくアナログ感が本当に楽しいですね!! 最初はとっつきにくく感じましたが、ようやっと魅力がわかってきました。筆の使い分けもけっこうできるようになりました。
使い慣れると、ほかの画材では不可能な繊細な表現ができますね!
■絵具ツールの使い方(暫定版)
基本的には、水をあまり含ませない絵具で、厚く塗り重ねていき、何もついていない筆でなじませるのがいいようです。そうすれば、あらゆる色を作れる絵具だけに、相当多様で豊かな表現ができますので。
ベタッと塗る下塗りのときは、上の方にある平筆を使いますが、塗り重ねて描き込んでいく過程では、下の方の細筆が中心です。なじませるときは丸筆も使います。
そして、微妙な光の映り込みなどを塗り重ねたいときに、はじめて絵具にたっぷりと水を含ませ、上薬をかけるみたいに、丸筆などで軽く塗り重ねます。すると、絵の表面に軽く透明の膜がかかったような表現になり、透明感が表現できます。
問題は、なじませられるときとなじませられないときの違い。どうも、絵具を塗り重ねすぎるか、顔料が乾燥してしまうか、どちらかの条件でなじませられなくなるみたいです。最初は時間経過かと思ったのですが、最初のほうに描いた場所でもなじませられる部分があったので違うようでした。この条件はまだよくわかっていないです。
まだ全貌を理解するには時間がかかりそうですが、楽しくなってきたので、これからも絵具のレッスン頑張ります。
基本コース ミニレッスン4「オレンジ」
基本コースのミニレッスン4は「オレンジ」。
これまた絵具のレッスンです。レモンのときもそうでしたが、表面のでこぼこが難関。
授業ノート
■暖かい光には冷たい影がある
クロード・モネは、暖色の光の影は寒色になり、寒色の光の影は暖色になると気づいたそうです。これはまったく知らなかったです…! 光の吸収と反射の関係でそうなるのかな? 詳しくはわかりませんが、ものすごい大切な話に思えます。
絵を描くときにこのことを理解していたら、色のメリハリをつけやすくなりそうですね。わたしの絵は暖色系の温かいのが多いので、あえて影にはちょっと寒色を混ぜることで、絵が生き生きしたりするかも。
それに、人間もけっこうそんなところがあるなぁーとしみじみ考えてしまいました。すごく温かい人柄の人が、過去に辛い影を持っていて、そのおかげで思いやり深かったりしますし、逆に、何事もなく温かく育ってきた人が、他の人には冷たく感じられたりもします。
人間もどこかで、成長し、円熟するにつれて、寒色と暖色のパランスをとるようになるのかもしれませんね。
■やりすぎない(笑)
わわわ!! 完全にお見通しされてる!!。
この前も、表現として消しゴム使うのが納得いかないとか言ってたらお灸を据えられましたし、ビンス先生、ほんとにわたしのことよくわかってますね(笑)
まぁ、新絵心教室のときから3年以上、ビンス先生の教室にまめに通っている生徒なので、当然といっちゃ当然かも(笑)
ビンス先生のお手本
ビンス先生のお手本は6ステップ。
さっそく、さっきの説明で出てきた、暖色のオレンジの影に寒色を混ぜる、というステップがありますね。しっかり実戦して覚えておきたいと思います。
わたしの絵
わたしの絵はこんな感じ。
動画はこちら。
ビンス先生の言いつけ通り、描き込まなくてよかったー(^^)
…いえ、本当に(笑)。テーブルクロスの模様など、かなり適当に描きました。 ビンス先生のお手本の絵よりは各所描き込みましたが、細部はかなり手を抜いています。
テーブルクロスの表面は、ビンス先生はなぜかほぼ一色で描いていますが、よく観察すると、オレンジの色が反射光で映り込んでいるので、けっこうカラフルにしています。
オレンジの表面のでこぼこは、適当ながらも、それなりに描き込みました。レモンのときは、色数が少ないパステルだったのでやたらと大変でしたが、絵具だと自由な色を使えるので、表面のでこぼこを描くのは全然難しくなかったです。要するに、ちょっとした色の違いをまだらに描けばいいだけなので、色作りが自由なら簡単ですね。
このレッスン4、ミニレッスン4で、基本コースの静物画は終わりです。次からは、ついに風景画!! 長かったですねー。静物画も楽しかったけど、やっぱり風景画には及びませんね。次回からがとても楽しみです♪
おまけ:ビンス先生の絵や名言いろいろ
今回もビンス先生の一枚絵や名言などを収集しました。けっこう内容の濃いレッスンで、全部は載せきれないので、ある程度厳選しています。かなり色々ありますね!
なんという名言…。普通の言葉に思えて、「今日は」ではなく「今日も」と言うあたりに、ビンス先生のお人柄を強く感じます。シンプルながら、なかなか口にできない言葉ですよ。ビンス先生がいかに心穏やかに、毎日を楽しんで過ごしているかがわかります。わたしもこう言えるようでありたいな。
ビンス先生は、家の庭や鶏小屋もご自分で作ったらしいです。こうやって自分の手で生活を組み立てて、自由に創作し、自給自足しているからこそ、さっきの「今日も」につながるんでしょうね。満ち足りた生き方、という感じがします。
うっとりして見とれてしまうような、色温度の説明イラスト。こんなに美麗な絵が、なんと、たった二言の間しか表示されないんですよ! なんて贅沢な背景絵の使い方…! じっくり絵心が延期されたのは、背景絵を描きまくっていたからかもしれません(笑)
うちのネコもそろそろ宇宙デビューでしょうか(笑)
ビンス先生、それ違う!! トーストに足りないのは、そっちのベーコンじゃないですから!! ちょっと笑えないネタですし!!
オレンジの話をするのに、わざわざこんなすごい一枚絵を持ちだしてくるビンス先生すてきです(^^) 暖色・寒色のレッスンなだけあって、寒色の背景に、暖色の船がものすごく映えた、すばらしいお手本絵ですね!
ビンス先生の好きな言葉だそうです。「活気」や「大胆さ」という意味だとか。
確かにビンス先生の絵って、描き込んで上手く魅せるリアルな絵ではなく、大胆な筆遣いとメリハリの利いた、本物の画家らしい絵なんですよね。緻密に写真のように描くのではなく、ときには荒々しく、ときには繊細に、感情がこもっていると思います。わたしにはなかなか真似できないといつも思います。
これで今回のレッスン4の授業ノートは終わりです。次回はレッスン5「草原」「牧場」です。
▽絵心教室の記事の一覧はこちら