創造的な作品を描きたいなら少なくとも10年は続けよう


造的な絵を描きたいと思いますか? 自分オリジナルの芸術作品を創るのが夢でしょうか。もしそうなら、少なくとも10年は書き続けることが必要でしょう。

偉大な作品の前には必「10年の沈黙」がある。そう教えてくれるのは、究極の鍛錬という本です。

10年の沈黙

カーネギーメロン大学のジョン・ヘイズ教授は、76人の作曲家を選び、500以上の作品を調査しました。すると、次のような法則が見られました。

作曲を始めて最初の10年やそこらの間は、こうした傑作も外部の人間が注目するものはほとんど一切何も生み出してはいなかった。ヘイズ教授は、この長くどうしても必要になってしまう期間を「十年の沈黙」と名づけている。何か価値のあるものを生み出すにはこの十年の沈黙がどうしても必要となる。(p214)

画家を対象とした調査では、少し期間は短縮されますが、同じ傾向が見出されたといいます。

百三十一人の画家を対象とする同様の調査でも、ヘイズ教授は同じパターンを発見している。準備のための期間はやや短く、六年だった。しかしそれでもこの六年間という期間は、天才ピカソをもってしても破ることが不可能と思われるほど意味のある期間だった。(p214)

ハーバード大学のハワード・ガーナー教授も、さまざまな偉人について研究したところ、同様の10年ルールを見つけて驚きました。

この調査を通じ、十年ルールが実際にあることに驚かされた。四歳で始めれば十代でピカソのように巨匠と言われるようになるかもしれない。思春期の後半になってようやく活動を始めたストラヴィンスキーのような作曲家やマーサ・グラハムのような舞踏家は二十代の終わりになるまで頭角を現すことはなかった。(p215)

こうした事実は何を意味するのでしょうか。

あらゆる場合において、優れた作品を生み出すには、持って生まれた才能より、長く努力する期間が必要である、ということです。創造的な活動で価値ある作品を作り出すには、地道な努力が不可欠なのです。

「才能がない」とすぐにやめる必要はない

絵を描き始めてありがちなのは、最初の数ヶ月、早いと数日ぐらいで、「自分には才能がない」と投げ出してしまうことです。何ヶ月か努力したものの、やはり伸び悩んでしまい、絵を描くことをあきらめてしまう人は多くいます。

しかしここで思い出すべき重要なポイントがあります。天才ピカソを始めとする、そうそうたる画家たちでさえ、最初の6年から10年の間は、華々しい作品は描けなかったという点です。絵のうまい人は、天才的と思える人でさえ、最初からすばらしいものが描けたわけではないのです。

もう一度ここでピカソの例を引用しましょう。

ピカソの「アビニヨンの娘たち」は、衝撃的な作品であり、絵画の歴史を変えたと言われます。しかしこの作品は、古代におけるイベリア彫刻や、アフリカと南太平洋の原始美術、セザンヌやマティスの絵など、さまざまな既存の美術を嗜んだ末にやっと創られたものであることがわかっているそうです。やはり、地道な努力の果てに創りだされたものなのです。

絵画という専門分野で何年にもわたり研鑽を積んで熟練してきた芸術家が、時間をかけて吸収し、育て上げてきた諸要素を見事なまでに新しい形で組み合わせ、洗練した結晶として作り上げたものがピカソの「アビニヨンの娘たち」なのだ。(p221)

「偉大な創造的業績は先例なく突然生じるもの」なのではなく「過去の創造物の上に新たな創造物は成り立っている」ことがわかります。(p220,223)

どんな傑作も、いろいろな先人たちの作品をじっくり見て吸収し、長年絵を描き続けた末にやっと描く機会が訪れます。

もちろん、偉大な画家ほどの業績を挙げようとすれば、のんびりと10年間描き続けるだけでは不十分であり、積極的に鍛錬する必要があります。その点は前の記事で書きました。

しかし、少なくとも10年間続けるなら、その趣味を楽しみ、周りの人にいくらか注目される程度の腕前は身に付けられているでしょう。

あなたは今、絵を描き始めてどれくらいになりますか? 才能があるかどうか思い悩むより、地道に続けることを目標にしてみるのはいかがでしょうか。

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