峠を越えて Beyond the Steep Hill


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日が当たらない暗い道
行く手をふさぐ岩のかべ
じめじめ生えるキノコたち
枯れた曲がり木 通せんぼ

ぼくらが迷い込んだ山
なんて険しい道だろう

どこまで行っても暗い陰
ぼくらのほかに だれもいない
心細くなったけど
励まし合って手を握り
先へ先へと行ったんだ

すっかり疲れてのどかわき
家が恋しくなったころ
岩と岩の隙間から
まぶしい光がきらめいた

どんなに輝く宝石も
この景色にはかなわない

いつの間にかぼくたちは
険しい峠を越えたんだ

険しい峠の山道を越えたところに広がる大地の絵を描きました。

険しい山道を描きたくて

また期間が空いてしまって、一ヶ月ぶりの絵になってしまいました。しかも10月中に描こうと思っていたら、月が変わってしまって、なんと10月は絵を一枚も描けなかったという異常事態に…(^_^;) 

けれども、10月は絵についての考察のほうの記事をわりと書けたので、そんな時もあるさと割り切ることにします。文章が書けるときって、かえって絵は描けなかったりするんですよね…。

そんな10月の終わりに重い腰を上げて描き始めたこの絵は、険しい峠を越えた先に広がる美しい大地をイメージしました。私生活のほうで、ちょっと心境の変化があって、そのときに浮かんだイメージをそのまま形にしたものです。

本当は、これとは別に、二、三枚描きたいイメージを温めていたのですが、突然浮かんだこのイメージのほうを優先しました。やっぱりアイデアに勢いがあるうちに描くのが楽しいなと思います。旬のものを生かすといいますか。

この絵で目指したのは、手前の丘の荒れ果てた風景と、遠くの大地の虹色の景色との対比です。暗く険しい山道を登っていったら、不意に目の前が開けて、息を呑むような美しい風景が広がっていた…。そんなシーンを描こうと思いました。

じつはこの絵、登場人物を誰にするか、少し悩みました。最初は、手前の山道をもっとホラーな雰囲気にしようと思っていて、前回の竜の背 で解禁した骨が散らばっているようなおどろおどろしい道にしようかと。そうすると、ダークファンタジーなので、「ゆめまな物語」にはそぐわない。

では、竜の背と同じく「空花物語」で描けばどうだろう、となるのですが、遠景は虹色にしたいので、虹色を使わないようにしている「空花物語」の雰囲気にも合わない。

それなら、「ふたりの時間」カテゴリで描こうかと思って、下描きをはじめました。「ふたりの時間」では、これまでも夢とも現実ともつかない雰囲気の絵を描いていて、木洩れ日のステンドグラス あたりは高熱でうなされているときに見た三途の川っぽいイメージを描いたものだし、おどろおどろしいけど美しい絵にはぴったりかな、という気もして。

ところが、下描きで人物まで描いたときに、これは、「ふたりの時間」のような幻想的な絵ではなくて、山を乗り越えていく冒険の絵だ、と気づいて、やっぱり「ゆめまな物語」の双子と猫に冒険させたほうがしっくりくる、と思いました。ここまでくると、完全に個人的感覚の世界ですね(笑)

それで、「ゆめまな物語」らしくするため、手前の峠をやたらとおどろおどろしくダークにするのはやめて、老木やらキノコやらで暗く険しい雰囲気は出しました。これくらいの描写なら森のとびらとか闇路の明かりなど、「ゆめまな物語」の過去作でもやったことがある範疇かなと。

闇路の明かり Warm Lights of Dark Night
暗い森をランタンの明かりをたよりに

なぜか最近、暗い雰囲気の絵を描きたくなってしまうのですが…(笑) 前作みたいに、あんまりダークな絵を描いても、だれもわたしにそんな絵は期待してないと思うので、ほどほどにとどめておきます(^_^;) どうしても暗い絵を描きたくなったら、また「空花物語」でやるということで。

4年前の絵のリメイク!?

ところで…最近のわたしの絵ではよくあることですが、この絵も、むかーしに描いた絵とよく似ています。描く前は意識してはいなかったのですが、まだアナログ時代に描いた勇気を出してのリメイクのような感じになりました。当時の画材は、アナログのパステルと色鉛筆でした。

勇気を出して Working up Our Courage
岩山を乗り越えていく男の子と女の子

2012年11月の絵ですから、かれこれ4年ぶりのリメイクという形になりました。さすがに4年も経っていると、絵の表現の仕方はかなり変わりましたが、知らず知らずのうちに似た絵を描いてしまうあたり、本質は変わってないというか、アイデアがワンパターンというか…(笑)

4年前の絵のほうは、色がおとなしめですが、これはもともとは派手だったのを、パソコンで処理するときに、バランスを考えて色褪せさせたものです。当時は、遠景と近景を描き分ける技術などなく、配色が本当に苦手だったので、全体的に色を地味にしてごまかしていたんですね。これはこれで良い気もしますが。

構図はずいぶん変わって、4年前は縦の高さ重視でしたが、今回は斜めの奥行き重視に。なにげに、完全に縦方向に用紙を使って描いた絵は、わたしの作品の中では多分4年前のこの絵しかないんじゃないかな。本当は用紙を縦に使った高さを強調した絵はもっと描いてみたいのですが、いつも斜めの構図の誘惑に負けてしまいます…(笑)

意識していなかったとはいえ、アナログ時代の絵を今の描き方でリメイクできたのは、感慨深いものがあります。忙しかったり、余裕がなかったりする中でも、絵を描きつづけててよかったなーと。

次も…一応アイデアはあるので、できるだけ早いうちに、次回作を描きたいところです(^_^;)