まぶしい日差しに目を細め
窓を大きく開けるなら君にだって見えるはず
憩いに満ちたあの景色さわやか涼気が流れ込み
空は澄み切るどこまでも激しい嵐は過ぎ去って
渦巻く雲は もはやない鳥の歌声うららかに
子どもたちが遊んでる暗い夜は過ぎ去って
新しい日が始まったねえ見えるかい あの景色
窓を開けばすぐそこさ窓は外から開けない
鍵は中から開けるもの君のその手で開くなら
きっと未来が見えるはず
お父さんとお母さんが窓を開けて、子どもたちとネコとキリンが遊んでいる平和な風景を見ている絵を描きました。遊ぶ双子とネコを優しく見守るイラストです。
■キリンのいる風景
今回、珍しくキリンのいる風景を描きたいと思ったのは、最近見た動画に、家の二階の窓を開けると、キリンの首から上の姿が見えているシーンがあったからです。なんだか面白いなあ、と思ったので、ちょっとアイデアをお借りして、自分らしく大幅にアレンジしました。
いつもゾウばっかり描いているので、キリンの絵は、珍しいと感じるかもしれませんが、これまでも何回か書いています。具体的にはわたしたちの星、きっと届くから、新しい朝のうた、一周年!、森のどうぶつパレードの5作で、いつもゾウとセットで出てきていましたね。単独で描くのは初めてかもしれません。
キリンの大きさは5mくらいだそうで、2階の窓からちょうど顔が見える感じです。5mというと翼竜のケツァルコアトルスと同じくらいだそうで……これではキリンが大きいのか翼竜が大きいのかよくわかりませんね。
キリンは、1日の20分~1時間くらいしか寝ないらしいです。驚きのショートスリーパー。14時間も寝る、ぐうたらなネコとは大違いですね笑。
キリンをはじめ、動物に関する何だかよくわからない面白い話はキリンと暮らす クジラと眠る という本をどうぞ。
■窓は内側から開くもの
詩のテーマになっている、「窓は外から開けない、内側から開くもの」というのは、心の窓とか心のドアについての話でよく聞くたとえです。心の窓とか、心のドアとかは、取っ手は内側にだけついていて、外側からは開けないとよく言います。
つまり、だれかの心を開くために、外からノックすることはできても、本当に心を開いてくれるかどうかはその人次第であって、親や友だちでさえ無理やり外から開くことはできないという意味です。
この絵では、人生の嵐に絶望して、窓をかたくなに閉めてしまった人が、明るい未来に向かって、もう一度窓を開けるかどうか、という内容と絡めてみました。
比喩的な意味での激しい嵐に見舞われると、怖くなって、ずっと雨戸を閉めたままにして閉じこもってしまう人がいます。嵐が去って、風向きが変わっても、そのままです。どうせまた嵐が来るから、閉めたままにしておいたほうがいい、と思うのかもしれません。その気持ちもわかります。
だから、せっついたり、無理やりこじ開けたりするのではなく、自分で窓を開けられるよう、支えることができたらなあ…と思うのです。
今回の絵で工夫した点は、光が差し込む様子を表現したかったので、コントラストを工夫して、外は明るく、内側は暗くしたことです。また、窓を題材にした絵ですが、あえて窓の上側の枠は描かず、画面外に配置することで、開放感を強調しました。
また、もともとアイデアのきっかけになった動画は実写で、キリンもただぼーっと立っているだけでした。しかし、うちの子たちの世界観に合った絵にするにあたり、キリンや子どもに生き生きとした動きが感じられるように描いてみました。
コントラストと動きの両方で、家の中の二人と、家の外の子どもたちとが対象をなすように描いたつもりです。楽しい雰囲気の中に、憩いを感じていただければ幸いです。