2020年8月の道北暮らし自然観察日記

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2020年7月の道北暮らし自然観察日記
2020年7月の自然観察を中心とした日記帳

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もくじ

2020/08/01土-2020/08/02日

体調の悪い日は厭世観に襲われる

暑すぎて夜間しか外出していません。自然観察に出かけるのは無理です。

土曜日は体調もかなり悪化して、内蔵の違和感のようなものが再燃して、かなり暗澹たる気分になっていました。

だるくて横になりながら、もし今後病気が悪化するようなことがあった場合、病院でベッドに縛り付けられて生活するのだけは絶対に嫌。苦しまずに死ぬための方法をあらかじめ考えていたほうがいいんじゃないか。

ALS女性が嘱託殺人を依頼したというニュースがありましたが、そんなことになる前に死ぬにはどうしたらいいのか…、いざとなれば、トリカブトが近くに大量自生しているから苦しまずに死ぬことは十分できるはずだ…などなど。

わたしの基底にあるのが、子どもの時から支配されている厭世観である、というのは間違いないと思います。わたしは、そこそこ元気になったとはいえ、解離のもとに生まれついたサバイバーであることに変わりはありません。

わたしが今、森歩きをして、地に足のついたマインドフルな生活を送っているからといって、この世界で生きることを心底受け入れたというわけではありません。生きるのは嫌だし、人付き合いも嫌です。

わたしのような人間は、容易には変われないものです。でも、こんな自分だからこそ生きていける方法を見つけることは可能です。それが、わたしにとっては、自然に囲まれること、森と共に生きることでした。もしそれがなければ、もう死んでいたかもしれません。

今は誰にとっても生き辛い時代だと思います。生きることに意味を見いだせない人や、毎日の恐ろしいニュースに気が滅入ってしまう人は大勢います。あえて将来に関しては思考停止し、刹那的に生きている人も少なからずいるでしょう。

真剣に考えれば、若い今は健康で元気でも、必ず年老いて、恐ろしい病気になって、入院して、手術して、不具の体になって…といった未来と向き合うことは避けられません。

だから、多くの人はあえて目を背けて、そのような未来は他人事だと思いこむことで平静を保ちます。この世が盲目的な淘汰に導かれるだけの神なき世界であるとしたら、滅びゆく未来しかないのですから、なおのことです。

きっとなんとかなるさ、と思って生きている楽観主義者でも、いつかはどうにもできない事態に直面します。楽観主義では乗り越えられないのが病気であり死です。

でも、わたしは何年もの間、すでにそうした恐ろしい状況に直面してきたし、将来どうしようもない状況に追い込まれた場合どうするか、頭の中でシミュレートしました。

わたしは楽観主義者ではなく防衛的悲観主義者です。恐ろしいことから目を背けるのは簡単ですが、真剣に向き合わないことには、漠然とした不安や恐れから解放されません。

かなり思いつめたようなことを書いていますが、夜にサイクリングに行ったら、気持ちがすっきりしたの大丈夫です。たまには、死について真剣に考える機会をもつのも良いことです。おかげでふっきれました。

この世界に希望があるのであれば、それでよい。たとえ病の床でも生き抜くことはできるだろう。しかし、仮に何の希望もないことが明らかになった場合には、死のうと思えば、いつでも死ねるのだ。それならば、その時が来るまで、今を精一杯生きよう。

後ろに逃げ場があると思えればこそ、安心して今を生きることができる。これが今のわたしの結論でした。

あえて婉曲的に書いているので、わかりにくい文章になっていますが、自分用のノートにまとめた限りでは、驚くほどすっきりまとまった完璧な結論だと思いました。生活の目的がとてもシンプルになって、小さなもろもろの悩みから解放されて、生きる意欲が湧いてきました。

日曜日も引き続き夜間まで外出しませんでしたが、昼間は、勉強したり、これまであたためていた話をまとめるたりと、かなり建設的に過ごすことができました。

厭世観と、それに対処すべく身につけた防衛的悲観主義。これからもそれをフル活用していくことになるでしょう。人生を生きるのは楽ではありませんが、できる限り先回りして、苦痛の総量を減らして生き抜きたいものです。

2020/08/03月

暑くて寝れない

夜中の1時に窓を開けっ放しにしているのに室内の気温が26.5℃もあって暑くて寝られない。…と書いておきながら、なぜ26.5℃ごときで暑いと言っているのか自分でも謎。

30℃や35℃が当たり前の都市出身者なのに、道北に住んで2年、気温が26℃を超えるだけで、暑すぎて何もやる気が起こらなくなってしまう。自分がこんなに暑さに弱いとは思いもしなかった。

考えてみれば、大阪や東京にいた頃は、冷房の効いた部屋に閉じこもっていた。温度設定は27℃にしていたけれど、狭い小さな部屋だったから、数値以上によく効いていたに違いない。

自宅以外の場所は、もっと極端な温度管理がされていることが多く、23℃とかザラであった。学生時代は気温30℃でも教室にクーラーは入っていなかったが、結局は体を壊したのだから、暑さに強かったわけではないのだろう。

だから、意外と30℃にもならない道北の夏がこたえまくるのである。それは北海道民が、意外と寒さに弱いのと同じ。

暑い場所の出身者は、冷房に頼りまくっているせいで、中途半端な暑さに弱く、寒い場所の出身者は、ストーブをガンガンに焚いているのが普通だから、断熱が効いていない本州の中途半端な寒さに弱いというパラドックスが生まれる。

北海道は8月かなり暑いという予報だが、週間予報によれば、最高30℃弱、最低20℃以上という夏日はここ数日だけで、そこからは最高25℃以下、最低15℃強という涼しい日が一週間は続くことになっている。本当にそうなるかはさておき。

一般的な傾向として、お盆を過ぎれば、秋の足音が聞こえ始めるはず。夏の暑さを呪うのも、あと1,2週間の辛抱である。…と思いたい。去年はこの時のためにプールがあったが、今年はコロナ予防のため行けない。

この8月は、一番苦手な時期だと割り切って、暑さが過ぎ去るまでダラダラと過ごそうと思います。

日中も暑い。すでに30℃超え

日中は農家のお手伝いに行きましたが、11:30の時点で屋外の気温計がなんと32.9℃でした。帰宅時の17:30でも29℃。日陰で測定される公式の記録とは異なるでしょうが暑すぎる。

これではとても森に散歩に行けないので、暑さのピークが過ぎ去るまで自然観察はお休み。明日からは予報では雨。そこそこ涼しくなるようですが、晴れていて涼しい日はいつ来るのやら。

サラシナショウマやツルニンジンのつぼみがそろそろ咲いているかもしれないので、早く観に行きたい。

今日は畑に咲いていたヒマワリの写真だけ。こういった派手な花はわたしの好みではないですが、フィボナッチ数列と黄金角を思い出させるデザインです。

2020/08/04火

山道でヤブカンゾウが咲いていた

朝からあいにくの雨。日中の最高気温が26℃くらいで過ごしやすかったのは良かったですが、夜中の最低気温が22℃と全然下がってくれません。気温の日較差が大きく、昼は暑くても夜は涼しい道北では非常に珍しい天気です。

雨では森にも行けないので、農家のお手伝いに行って、ひたすらニンニクの皮むきをしていました。頭を使うでも想像力を働かせるでもなく、ひたすら無心で行える単純作業はリラックスできます。

畑になっていたカボチャや、

少し珍しい気がした赤色のマメの花。スイートピーみたい。種類はモロッコインゲンです。

まだ色がついていないけれどアスパラの実も。

農家の人に、夏は食糧が豊富にあるけれど、冬に食糧不足が来たらどうしよう?と話すと、11月はじめに雪の中にダイコンやニンジンやキャベツを埋めておけばいいと教えてくれました。越冬野菜!

うちの庭の畑がちょうど貯蔵庫としていいらしく、盛り土のおかげで水が溜まって凍る心配もないので、冬場もたくさん野菜を食べれるそうです。今年はぜひとも実践してみなくては。

帰り道に、峠を越えるとき、山中の道端にふとオレンジの鮮やかな花を発見。この時期はよくオレンジのユリ(クルマユリとオニユリ)を見かけますが、少し形が違って見えたので停車して確認。

どうやら八重咲きのユリのようで、葉っぱはオニユリやクルマユリのような茎を囲む形ではなく、エゾカンゾウのような根もとから何本か突き出る形です。

もしかして、名前だけ知っていたヤブカンゾウ?と思って、後で調べてみたら合っているぽい。

ヤブカンゾウは、有史以前に中国から入ってきた外来種らしく、ハコベと似たような存在。古来から、日本人には「ワスレグサ」と呼ばれて親しまれ、和歌の題材にもされているらしい。

写真のような八重咲きの花が特徴で、類似種のキスゲやゼンテイカ(エゾカンゾウ)と区別することができるようです。咲く時期もゼンテイカが初夏に咲いてもうとっくに終わっているのに対し、ヤブカンゾウは真夏と遅いですね。

本州では特に珍しい花ではないようですが、道北ではあまり見かけません。そもそもネット上の情報では、分布している地域が本州のみとされていることが多く、北海道にはもともと存在しないらしい。

でも、北海道でも栽培種が野生化したものが咲いていたという報告もあるので、今日見たヤブカンゾウもそれかもしれません。峠道の途中ですが、以前に野生化したエニシダを見つけたのもこの近くなので、もともと人家が近くにあったのかも。

実はヤブカンゾウではなくて、近縁種の八重咲きとかなのかもしれませんが、どこをどう見れば区別できるのかわかりません。

ヤブカンゾウも、初夏に味見したエゾカンゾウ(ゼンテイカ)と同じように若葉やつぼみを食べれるそうなので、ほとんど違いはないのだと思います。

秋の気配。ツリガネニンジンとヤマハギ咲く

昨晩は道北では珍しいくらい土砂降りでした。今週末には熱帯低気圧も直撃するらしく心配。まさか本州を迂回して朝鮮半島からダイレクトアタックしてくるとは…。

今日も雨で、日中は自宅で資料の整理に大忙し。やっと夕方ごろ、小雨になった頃合いを見計らって、近くの公園や河原沿いをサイクリングできました。

家の近くに自生しているヤエザキオオハンゴンソウ(別名ハナガサギク)。ただの無印オオハンゴンソウや、アラゲオオハンゴンソウは、この時期どこでも見られますが、八重咲き種はそこそこ珍しい。園芸植物が野生化したものかも。

どのみちオオハンゴンソウは、北海道の野原を席巻してしまった侵略的外来種なので、きれいな花でも嬉しくありません。植物そのものは何も悪くないのだけど、ここまで繁茂されてしまうと溜め息が出ます。

公園をサイクリングしていたら、早くもヤマハギが咲き始めているのを見つけました。去年もここで観察したのを覚えています。マメ科らしい形の小さなピンク色の花と、3枚セットの葉が目印。

ヤマハギは晩夏から秋にかけて咲く花で、いよいよ秋が近いことを知らせてくれます。気温も月曜の33℃がピークだったようで、これからは揺り戻しながらも徐々に下がっていきそうな雰囲気。

同じく秋を告げる花であるツリガネニンジンも咲いていました。去年はハタザオキキョウと一時期混同していましたが、よく見れば、花のつき方が全然違う。ツリガネニンジンは、直立していれば、鐘がぐるりとついた層が幾重にも重なった塔のよう。

キキョウの仲間ですが、根っこがニンジンに似ているそうです。アイヌ民族は根っこを煮たり焼いたりして食べていたらしい。

若葉は山菜のトトキと呼ばれていて美味らしいですが、公園以外で発見できなかったので食べること叶わず。探していないけれど、川沿いの堤防とかに自生しているのかも?

公園を出て川沿いの堤防を走っていると、ワラビの群生地を発見してしまいました。今年の春は山菜のワラビさえ見分けられなかったのに、今や成長した葉っぱだけでわかるようになっているとは。

個人の土地ではなさそうな場所なので、山菜の時期にワラビ摘みもできそうです。わたしはあまり好みじゃないけれど、ワラビ好きな友達がいるから、採ってあげようかな。来年の春ごろ、まだ世の中が平和だったらの話ですが。

2020/08/06木

ウドとタラノキの花、エゾエンマコオロギ?も

今日もかなり雨空でしたが、雨がやんだ昼過ぎごろを狙って、森の様子を見に行ってきました。前回から一週間も経っているので、ツルニンジンやサラシナショウマがもう咲いてそうで気になっていたもので。

まずは湿地帯の森にほうに出かける。こちらの森のお目当てはサラシナショウマが咲いたかどうか。うかつなことに、ゲイターを家に忘れたので、森の奥までは入らないことにしました。

くだんのサラシナショウマの株は、森の入り口付近にあったので、ゲイターなしでも、さほど虫などの危険を顧みずに確認できました。…が、まだ咲いていませんでした。

サラシナショウマの花期は8から10月らしいので、あと何回か通えば咲いているのを見れるでしょう。どうして近所の森ではこの株以外見つからないのかは謎。

この時期はどこでも見かけるウドの花。こんなにウドあったのかと戸惑うほどどこにでもある。つぼみなのか咲いているのかよくわからないままでしたが、今日じっくり見たら咲いてました。

ひとつひとつの花を拡大してみると、初めて咲いているのがわかります。

ウドの花の写真を撮っていたら、足元で動く黒い虫。急いでスマホを向けてシャッターを切る。次の瞬間には逃げてしまいまましたが、はっきりと1枚だけ撮れました。コオロギです。

たぶんエゾエンマコオロギかな? コオロギの姿を見かけると、いよいよ秋も近いなと感じますね。昔はコオロギなんて気持ち悪くて見れなかったわたしも進歩したものだ。

ウドと同じウコギ科タラノキの花も、あちこちで目立っていました。

下から見上げただけなので、接写することができませんが、こちらはまだつぼみ状態のように見えます。

ウドとタラノキが咲いているということは、同じウコギ科のハリギリも咲いているのでは?と思って探してみましたが、背丈が2-3mくらいの若木には花は見当たりませんでした。

後で調べてみたら、花期はウドやタラノキよりも少し早いようなので、もう花が終わってしまった可能性が。

高いところに咲くことが多いので見逃したのでしょう。ハリギリの成木が多い場所には最近足を運んでいなかったし。こんどその場所に見に行って、実がついていないか探してみようと思います。

オニグルミの実を採取してみた

オニグルミの実がすぐ手の届く位置にぶら下がっていました。もうかなり成熟してそうだったので、思わず採取してしまいました。

ひとつの房にたくさんぶらさがっていて、少し引っ張るだけでボロボロと採れるので、房2つ分だけで、こんなにたくさん。

でも、帰って調べてみたら、本来は、房になっているのを採るんじゃなくて、地面に落ちて皮が腐ってきたのを採るほうが、皮むきしやすくていいんですってね。今の時期に採った場合はネットに入れて土に埋めるなどして皮を腐らせるらしい。

今日撮った実は、しばらく皮が腐るまで放置しておいて、冬ごろに火であぶって剥いてみようかなーと思っています。

ヤマブドウ、ユキザサ、マムシグサの実

ヤマブドウの実が大きくなってきて、目立ち始めました。触ってみたらまだ固い。大量になっている場所は発見できていませんが、ちらほらと見かけるのでね秋に味見くらいはできそう。

ユキザサの実。近隣に群生している他のユキザサは、実が赤く色づく暇もなくボロボロに食べられているのに、なぜかこれだけ実が残っていました。

コウライテンナンショウ(マムシグサ)の実。以前に獣道の奥深くで見つけたトウモロコシのようなマムシグサ。前回の時点では美味しそうにも見えましたが、粒がブヨブヨに大きくなってきて、禍々しさが増してきた…。

頭上を見上げたら木の枝にくっついていた謎の幼虫。渦巻状だったのでカタツムリかと思って写真を撮ったら違った。虫に少しは慣れてきたわたしでも、さすがにこの幼虫の正体を知るために、ネットの海で画像検索しまくる気力はないです。

ツルニンジンとツルリンドウのつぼみの経過

風船みたいで可愛いツルニンジンのつぼみ。ホオズキのようにも見えるから、まさかツルニンジンじゃなくて別の植物の実を誤認してたか?と一応調べてみましたが、ツルニンジンのつぼみで合っていました。

ツルニンジンは、花が咲いてからの姿しか知らなかったので、実がこんなに可愛いとはまったく予想外でした。

もう咲いているのではないかと思っていたツルリンドウのつぼみ。これもまだでした。

春や初夏は植物の成長が早く、一週間森に来なければ見逃してしまう花が多かった気がしますが、真夏から秋にかけてのこの時期は、ゆっくりゆっくり成熟する花や実が多い印象ですね。

ムカゴイラクサの雌花、その他の花々

背丈が小さいほうのイラクサこと、ムカゴイラクサの花を初めて見ました。エゾイラクサのほうは去年も今年も見ましたが、ムカゴイラクサは今年初めて見分けられたので、花も初めて。エゾイラクサよりかなり遅いんですね。

トゲみたいな形だったので、つぼみか何かかと思って後で調べてみたら、これは雌花らしいです。トゲのような部分が雌しべ。

もうすっかり咲き切って、花期も終わろうとしているヨブスマソウの花。

何度も見ているオオヤマサギソウ。上から下まで全部咲いている豪華な状態を見たのは初めて。

とても形のよいキツリフネ。つぼみや実も横にぶら下がっている豪華版。

雑草として森の近くに咲いているマツヨイセンノウ。明治時代に来た外来種。

森の中に咲いていたタンポポ似の花。葉の形からしてオニタビラコではない。もしかしたらヤクシソウ?

上のほうの葉と下のほうの葉(根生葉)で形が違う。根生葉は矢じり状の形。

葉が茎を抱いているかどうかが重要なのだけど、撮ってきた写真では判別が難しいか。

森の中に咲いていてショックだったセイヨウオニアザミ。もともと外来種が入り込んでいる一角だったので仕方ないのかもしれませんが…。何箇所か確実に侵食されている場所があって、在来種が生き延びられるか心配。

  

今年の初ハナイグチ(落葉きのこ)を見つけた!

雨がぱらついてきたし、異様に蒸し暑いので、森の中の道なき獣道を歩いて帰りを急いでいたら、ふと足元にでっかいキノコを見つけて、歩みが止まりました。

キノコにしてはかなり大きい部類だったので、とりあえず写真を撮ろうとかがみこんでよく見たら、まるでどらやきのようなキノコの傘。これは…どこかで見覚えが…。

試しにカメラで傘の裏側を撮ってみたらこれはイグチ! 色からしても間違いない、去年覚えたハナイグチ(落葉きのこ)だ! ということで喜んで採取しました。

テカテカしてぬめりのあるどらやきのような傘で、裏側にはひだがなく、黄色いレモンイエローのスポンジ状になっているのが特徴。軸にはっきりとつばが残っていれば尚良しですが、今回のは傷んでますね。

(追記 : ハナイグチに外見が類似しているキノコとしては、同じイグチの仲間のアワタケ、チチアワタケ、ヌメリイグチなどがあります。どれも一応食べれますが、加熱が不十分だと中毒するようです。つばらしき痕跡があること、傘の裏側がはっきりとした黄色であることから、今回のはハナイグチで合ってると思うのですが…)

石狩振興局のサイトに主な食用キノコが載っています。去年はこのうち、ハナイグチ、ナラタケ、ヌメリスギタケモドキの見分けを練習しました。この三種のほかに見分けられる食用キノコはタマゴタケとノボリリュウタケくらいしかないです。

キノコによる食中毒に注意しましょう!! | 石狩振興局保健環境部千歳地域保健室

ハナイグチは、似ている毒キノコがないので、よっぽどのことがない限り見間違わないはずです。

しかし、こんな夏の真っ盛りにハナイグチが出るものかと首を傾げたので、念には念を入れるべく、帰ってから調べてみました。

すると、ハナイグチが出る期間は8から10月で、他のキノコ類同様、最低気温が15℃を下回ったころに出始め、雨上がりに多いとのこと。採取したのはカラマツ林でしたし、すべて条件を満たしていました。

世間では夏真っ盛りといっても、わたしが住んでいる地域は、今日は最高25℃、最低17℃でした。最低気温15℃以下の日はなかった気もしますが、きっと森の中は平地より寒かったのでしょう。

桜前線とは反対に、キノコ前線は、道北が一番乗り。日本で一番早く、秋の味覚を楽しめる地域。8月初頭に真っ先にハナイグチが現れるのも納得です。

そうか、もう暑い夏は終わろうとしていて、秋が来るんだ! そう思うと元気が出てきました。

採ってきた一本のみの今年初のハナイグチは、傷んでいた部分を取り除いたら、こんなにちょっとだけになってしまった。

でも、お味噌汁の具に入れて食べたら、いかにもハナイグチらしいぬめりと肉厚の食感が、とても美味でした。

今年もまたキノコを食べれるシーズンが来たなんて、なんという幸せ。毒キノコにはくれぐれも気をつけて、慎重にキノコの季節を楽しみたいと思います。

2020/08/07金

温帯低気圧がやってきた日

今日は北海道北部に温帯低気圧が直撃とのことでしたが、うちの地域は、いつもより雨風が強いくらいで、さほど影響はありませんでした。北海道は広いので、北部といえども、ひとくくりにはできないですね。

昼からは雨もほぼやんでいたので森に散歩に出かけました。気温がかなり涼しく、日中でも24℃くらい。森歩きするには理想的でした。

湿地帯のほうの森に出かけてみましたが、特にぬかるみがひどくなっている様子もなく、いつもと同じ感覚で散歩できました。森の中に入ってしまえば、強めの風もまったく気になりませんでした。

途中、以前から倒木が発生している場所を通りましたが、なんとなく倒れている木の本数が増えているような気もしますし、以前からこうだったような気もします。冬になったら雪の重みで完全に倒れて道が塞がれてしまうかも。

そこの倒木にびっとりと生えていた謎の黒いキノコ。カワラタケの黒色タイプなのかな? そろそろ重い腰を上げてキノコ図鑑を購入すべきだろうか。

倒木に巻き込まれて倒れていたオヒョウニレの葉。オヒョウとはアイヌ語に由来し、服の繊維にしていた樹皮「オピウ」が由来。魚のオヒョウとはたぶん無関係。

オヒョウニレは公園にはなく、森の中では巨木か苗木がほとんどなので、これほど立派な葉っぱを近くで観察できる機会はめったにありません。先っちょが5つ股くらい尖っているのは初めて見たかも。

エゾフユノハナワラビの葉が出てきていた

今日見つけて一番うれしかったのは、このシダの葉っぱ。

地面から何本か出ているのを、たまたま見つけて、その形や大きさから、前に図鑑で見たハナワラビでは?とすぐ気づきました。帰宅後調べてみたら多分合っている。一番メジャーなエゾフユノハナワラビかな?

まだ葉っぱ(栄養葉)だけですが、7月以降に葉を出して、9月ごろに花のように見える胞子嚢穂を咲かせるそうです。写真にも微妙に写っていますが、茎の根本のほうに白い芽のようなものが出ていました。たぶんそれが胞子嚢穂になるのでしょう。

他の場所にもたくさん生えるでしょうが、念のため、生えていた場所を覚えておきました。森の中はどこもかしこも似た景色だけど、先述の倒木地帯の直前のカーブの手前です。

別に珍しいシダではないですが、存在を認知できたのが初めてなので嬉しかった。

オニノヤガラとオオウバユリの実の経過

前からずっと観察しているオニノヤガラは、すっかり枯れて、花茎も折れてしまっていました。

花が咲いていた部分には、どうやら実のようなものができていて、裂けて弾けた痕跡もありました。

まだ裂けていない実を採って、中を見てみましたが…

このジェラートみたいなザラザラしたのが種なんでしょうかね? よくわかりません。ランの仲間だから種もかなり小さいということなのだろうか。別の実の中も接写レンズでのぞいてみましたが、やっぱりわかりません。

オオウバユリの実は、かなり膨らんできました。先日までは花のつぼみなのかと見紛うような形でしたが、ようやく実らしい雰囲気になってきました。確か去年初めてオオウバユリの実を見た時はすでにこれくらいの状態でしたね。

低気圧の突風のせいか、シナノキの実も地面にたくさん落ちていました。この森にもシナノキやボダイジュがたくさんありますが、たいていは背が高すぎて花や実は目視できません。花びらや実が落下してきて初めて存在がわかります。

アマチャヅル、ルイヨウショウマ、エゾイチゴの実

前にアマチャヅルの花を見たところを通りかかると、もうすでに丸い実がたくさんなっていることに気づきました。つるつるした表面が見事な球体です。

ウリ科ということで、スズメウリにも似ていて、よく見ればうっすらとスイカのような縦縞が入っているのもまた美しい。

そういえば、写真に撮り忘れましたが、下から見たらニコちゃんマークみたいな模様がついてるんでしたったけ。去年アマチャヅルの実を調べたときにそんなことを学んだようなかすかな記憶が…(笑)

(追記 : 別の日に改めて撮ってみました。真下から見ると、点々が正方形に4つ並んでいます。その周囲には、リング状の筋が入っています。今はあまり目立ちませんが、もっと色づいてくると模様がはっきりするかも。

この模様が角度によっては、ニコニコと笑っているマークのように見える、ということですね。

ちょうど花が散ってすぐの段階の小さな実も写真に写っていますが、よく見てみると、リング状の模様に沿って枯れた花びらと萼がついているのが確認できます。

4つの点々のほうは、どうやら裂けた花柱の痕跡のようです。一般的には4つではなく3つに裂けて、点々も3つらしく、わたしが写真に撮ったのは少し特殊だったみたいですね)

ルイヨウショウマの実は、ようやく色づいていました。メタリックなワインレッドに輝く実がいかにも美味しそうです。食べられないけれど。

近隣には、まだまったく緑色のままのものや、緑から紫に変化する途上のものもありました。ちょうど今この時期、夏から秋への過渡期に色づくようですね。

一方そのころホウチャクソウの実。まだまったく色づく気配がありません。

前にも書きましたが、植物によって、猛スピードで色づいてしまうものもあれば、ずっと緑色のままでゆっくり色づくもの、色づくのを待たずに食べられてしまうものなど、様々あることに気づきました。いったい何が違うんでしょうか。

そもそも、わざわざ色づくのは何のためなのだろう? 熟して食べごろであることを教えるため? だとしたら、色づく前にホウチャクソウやユキザサの実が食べられてしまうのはなぜ? 周囲の環境の色との兼ね合いもあるのだろうか?

そういえば、前にぜんぜん見つからないと書いたエゾイチゴ(ラズベリー)の実も今日はやっと見つけて、今度こそ写真に撮ることができました。今回は写真を撮る前に食べてしまう友人もいないのだ。

今日歩いた場所は、これまであまり通っていなかった道ですが、よく見るとエゾイチゴの群生地のようでした。この株も、かなりの数のエゾイチゴがなった形跡がありましたが、どれもすでに食べられたり腐ったりしていて、無事なのは、このたった1つでした。

他の植物の実がかなり長持ちしている中で、エゾイチゴはこれほど早くなくなってしまうのも不思議。虫や動物たちに大人気のメニューなのでしょうか。個人的にはこの時期だと、酸っぱいラズベリーより甘いクワの実のほうが好きなのですが。

 

2020/08/08土

昨日の低気圧で倒木が発生していた

大したことはなかったと書いた温帯低気圧ですが、いつも通る林道に行ってみたらものの見事に木がなぎ倒されていて、絵に書いたような道路封鎖状態になっていました。通行止めの表示などなかったので、わたしが第一発見者っぽい。

仕方なく、一本道の林道をバックして退却しました。以前に初めてヒグマの子どもを見たのも、ここの林道でした。あまり通る人もいないから、倒木が片付けられて開通するまで数週間かかってしまうかもしれない。

仕方なく、家の周りで自然観察。ヨモギとイタドリがたくさん生えているあたりに、派手な体色のオニグモが巣を張っていました。去年見たキバナオニグモにも似ていますが、そこまで派手ではないのでヤマシロオニグモでしょうか?

腹部側も見ることができましたが…なんというか、怖いのと美しいのとが紙一重の造形ですよね。今はどうしてもまだ苦手意識があるけれど、いつか節足動物を愛でられるようになる日が来るのだろうか。

花がそっくりなハンゴンソウ、アキノキリンソウ、キオン

道端に咲いていて、以前から写真を撮ろう撮ろうと思いながら見過ごしてしまっていた無印ハンゴンソウ。今日やっと見に行くことができました。すでに花はかなり終わってしまっています。

ハンゴンソウの特徴は、この先が4つにも5つにも分かれた葉っぱ。これが死者の魂を呼び戻す手に似ているからハンゴンソウ(反魂草)と呼ばれるようになったという説もあります。

ハンゴンソウと呼ばれる以前は鰹の捕れる時期に咲くからカツオグサと呼ばれていた、という説明をしているページがありましたが、個人的にはそちらの名前のほうが季節感があって好きですね。

そして、この時期、北海道を席巻している侵略的外来種のオオハンゴンソウは、葉がハンゴンソウに似ていて、花が大きいから、そう名付けられました。

しかし、同じキク科とはいえ、ハンゴンソウはキオンの仲間、オオハンゴンソウはルドベキアの仲間なので、花の形はかなり違います。

無印ハンゴンソウの花は、キオンやアキノキリンソウとそっくり。花だけでは見分けがつきません。

 

下の写真は、前に森の中で見かけたアキノキリンソウと思われる花。

アキノキリンソウかキオンか判別に迷いましたが、横から見ると、花が縦に穂のようについているので、アキノキリンソウのほうでしょう。

花はハンゴンソウにそっくりです。

アキノキリンソウ、キオン、ハンゴンソウのよく似ている三姉妹の見分け方は、

(1)たくさんの花が縦に長くついている。穂のような見た目。(総状花序)
→アキノキリンソウ

(2)たくさんの花が横に平べったくついている。ブーケのような見た目。(散房花序)
→ハンゴンソウかキオン

(2)のうち、アキノキリンソウと同じような普通の葉だったらキオン。葉が手のような形に裂けていればハンゴンソウ

植物の細かい分類について読むと、毎回、どの程度まで見分けるべきなのか悩みますが、キオンとアキノキリンソウは別属だし、同属キオンとハンゴンソウも葉っぱが明らかに違うので、これくらいは他人の空似として覚えておくべきかな。

でもやっぱり一番大切なのは、知ることより感じることであり、森の一角で突然キオンに出くわしたときの驚きや、前に見かけたハンゴンソウを見に行くときの親しみといった、愛着の感覚のほうを大事にしたいところです。

(2020/08/16追記 : ハンゴンソウあまり見かけないなぁと思っていたのですが、よくよく見たら、多少自然が残っている道端のやぶに結構な割合で咲いているものですね。葉っぱの形に注目するようになってから、自動車でも気づくようになりました。

森の中ではアキノキリンソウしか見かけないように思っていたら、ありました、ハンゴンソウ。ただし巨大!

写真ではスケール感がわかりにくいですが、ヨブスマソウと同じかそれ以上に大きく、おそらく3mを超えていると思います。日が当たりにくい森の中ではイタドリが4m級だったりと何もかも巨大になりがちですが、ハンゴンソウも例外ではなく、背が高すぎて見当たらなかったようです)

2020/08/09日

折り紙みたいなツルニンジンの花が咲いた

また暑い夏が揺り戻してきました。久しぶりにゆっくり森歩きできたのはいいけれど、暑すぎて集中力が持たず、脱水症状になりそうだったので、早々に引き上げてきたほど。暑いといっても、26℃くらいなんですけどね。

それよりも、夜中に最低気温がまた22℃もあるのが問題か。窓を開けていても、相当寝苦しくなりそうです。ここ2日間ほどの辛抱だけども。

森の中ではついにツルニンジンが咲いていました。去年は花は見たんだっけ? 確か実になってからしか見ていないような…。少なくとも、こんなつぼみの状態から、次々に開いていくところを見たのは初めてで興奮しました。

まるで、折り紙で作った風船のような、若干角張った箱みたいな形の花です。実際、折り紙で作りごたえがありそうな形をしています。キキョウの折り方を応用すれば作れるかも。

横から見た様子。花びらは5枚に裂け、かなり深さがあります。

基本的に、ホタルブクロと同様に下向きにぶら下がって花が咲いているので、花を正面から見るには、下から覗き込むか、手で持ち上げて中を覗く必要があります。

全体的に白をベースとした花で、そこに赤紫色の線が入っています。中心にある雌しべの柱頭は3つに裂けていました。ネットで調べたら、色はもっと濃いのが多く、雌しべも3ら5つに裂けるそうです。

さらに持ち上げて真正面から見てみると、花の一番奥底に、濃い紫色の星型の模様があることがわかります。雌しべの周囲に、花びらの外縁に沿うようにして、雄しべが伸びているのも見えますね。

花のタイプは全然違いますが、内側の模様や構造が、どことなくトケイソウを思わせる面白い形の花です。そういえば子どものころ、花にさほど興味なんてなかったのに、なぜかトケイソウには夢中だったなぁと思い出しました。

ツルニンジンは別名ジイソブ(爺さんのそばかす)と呼ばれ、対応するヒメツルニンジン(バアソブ)があります。名前のとおり、少し小型なようですが、まだ見つけたことがありません。今年はちょうど花期に自然観察できているから見つかるかも?

ツルニンジン(ジイソブ)、ヒメツルニンジン(バアソブ)、そして先日写真を撮ったツリガネニンジン(アイヌ語では「バアソブのおじいさん」と呼ばれる)ともに、アイヌが根っこを食用にしていて、味はバアソブが一番美味しいのだとか。

今はわざわざ食べる気になれませんが、群生地を見つけたり、食糧危機が来たりしたら試してみようかな。若芽と花も食べれるらしく、特に花は相当量が咲きそうなので、2,3個味見してみてもいいかも。

次の写真は、前に見つけた、手の届かない高さに実がたくさんなっているサルナシ(コクワ)の木。やぶの中まで入っていけば、数個は手が届きましたが、まだまったく熟しておらずカッチカチでした。

なぜか森の中で見つけた今年初のツユクサ。一般的に道路脇や空き地などで見かけることの多い花ですが、外来種に侵食されている森の一角で、貴重な在来種代表として咲いてくれていました。午後だったので花はしぼんでいました。

ツユクサも一応、山菜として食べれはしますが、さすがにもったいない。

代わりに、今の時期大量に咲きまくっているゲンノショウコのほうを、お茶にして楽しもうと思って摘んできました。

花が咲いている時期でないとウマノアシガタ(キンポウゲ)などの毒草と見間違いやすいんですよね。下手するとトリカブトと間違うことまであるかもしれないので、他の時期に採る気にはなれません。

そして、やはりこの時期よく見かけるキツリフネ。もう実が成熟していて、触るとパチンとものすごい勢いで爆ぜてしまいました。話には聞いていたけれど、体験したのは初めてだったので、前知識があっても驚いた。

さらに2回目に試したときも、やっぱりびっくりしました(笑) 風船が割れる音とか、いつまで経っても怖いタイプなので。

森の中では、途中、アブかハチのような虫に付きまとわれて、姿勢を低くして逃げなければいけない場面もありました。今までになく長距離をストーキングしてくる虫で参った。また暑さがぶり返したので虫も増えていました。

それでも、オニグルミの木が、あちこちで黄葉しはじめているなど、どことなく秋の気配は感じられました。オニグルミは葉っぱを展開するのはヤチダモと並んで最遅なのに、葉っぱを枯らすのは最速という短距離ランナーなんですねー。

昨日と一昨日の夜は15℃を下回っていたし、低気圧で雨も降ったから、もしかしたらまたハナイグチなど食用キノコが出ているかなと思ったまですが、残念ながら見つかりませんでした。カラマツ林に入っていけば見つかったかもしれないけれど、暑さと虫でギブアップ。

まあ焦らなくても、来週にはもう秋めいてくると思うので、これからの森歩きに期待したいです。

2020/08/10月

オニユリのムカゴ、白花バーベナ・ハスタータ

今日は雨だったので、農家でニンニクの皮むきをひたすら手伝いました。明日もその予定。

そこの庭に今年も咲いていたオニユリ。去年も観察してオニユリはムカゴをつけるのか!と発見したのを覚えています。

花の色、形、うつむき加減の咲き方はいずれねクルマユリとよく似ていますが、葉っぱのつき方が違います。クルマユリはその名のとおり五重の塔みたいに輪になってつく。オニユリは螺旋階段のようにつく。

今年も、葉っぱの付け根にムカゴができていました。食べれるらしいので、明日もらってこようかな?

葉っぱの上にちょこんと載っていた手のひらサイズ…よりもさらに小さな指先サイズのエゾアカガエルと

アマガエル。

クマツヅラっぽい花にとまっていたモンシロチョウ。

クマツヅラによく似た花ではあるものの、葉っぱがクマツヅラではありません。近縁の外来種のアレチハナガサやヤナギハナガサとも花が違う。バーベナの園芸種だろうか。

とか思ってたら、去年の8月のわたしが調べてくれてました(笑) ナイス去年の私。そのときは花の色が違っていましたが、バーベナ・ハスタータという結論。今調べてみたら白花もあるそうなので、白花のバーベナ・ハスタータで合ってるかな。

その去年の記事でも悩んでいたクマツヅラの名前の由来についてもう一度調べてみましたが、なかなか錯綜してますね。

もともと馬のムチに使われていたつる植物がクマツヅラと呼ばれていたのに、そちらは現在ではクマヤナギと呼ばれるようになった。

一方、馬のムチっぽい見た目のこの花が、中国で馬鞭草と呼ばれていて、それが日本でもクマツヅラと呼ばれるようになってしまった、ということか。

しかし、クマツヅラ科の園芸種の名前としても知られている学名のバーベナが、馬鞭草と似ているのも気になる…。

どちらも意味は全然違うので、発音が似ているのは単なる偶然か、それともどっちかがどっちかの後追いで名付けられたのか…。謎が多い植物です。

バーベナ・ハスタータは、ハーブティーとしても味わえるらしく、試しに少し摘んで乾燥させてお茶にしてみました。味は苦味があり、そんなに美味しいわけではありませんが、たまに飲む程度なら個性があっていいかもしれません。

ところで、今晩は、昨日書いたとおり、深夜0時を回った時点で、外気温がなんと24℃もあります。今年の日最低気温としては最高タイ記録だと思います。窓を開けていますが、非常に寝苦しい。

こっちに来て2年ほど経ち、自分の最適気温ゾーンがわかってきたのですが、外気温はマイナス10以上から18℃くらいが適温で、室温は22℃くらいが楽に感じます。

自分でもかなり意外な結果。動いている時間帯はかなり寒いほうが調子がよく、寝ている時間帯はそこそこ温かいほうがいいようですね。室温は低くなると首を頻繁に寝違えるので、20℃はほしいです。

2020/08/11火

ヤブカンゾウのつぼみを食べた。ゲンノショウコ茶も

この前ヤブカンゾウ(別名:ワスレグサ)を見分けてから、わりかしどこにでもあることに気づいたので、試しにつぼみを3個ほど採ってきて茹でてドレッシングをかけて食べてみました。

前に食べたエゾカンゾウ(ゼンテイカ)と同じですね。食感はシャキシャキして、アスパラの先端部分に似ている感じ。若芽や花も食べれるそうですが、一番気軽に食べれるのがつぼみかな、と思います。

花もきれいなので、つぼみを食べてしまうのは少々気が引けますが、咲いて一日で花がしぼむ上に、ひとつの株だけでもかなりの量のつぼみがつくので、少量であれば採って食べるのも十分にありだと感じました。

中華料理では蒸したりゆがいたりしてから、乾燥させて保存し、料理に使うとのことなので、保存食としても役立ちそうです。

先日森で採ってきたゲンノショウコも乾燥させたので、お茶にして飲んでみました。色はかなり黄色っぽくなりますが、味はマイルドで飲みやすい。薬草茶を期待していたので、少し物足りなさも。

ゲンノショウコは、その後、うちの庭にも親戚のアメリカフウロと一緒に生えてきたのを確認しました。もともと人家の近くに生える草で、すぐ採ってきて使えることで有名。これからも時々見かけるたびに摘んで常備しておきたいです。

(追記 : ゲンノショウコ茶は、沸かしたあと、しっかり味が出るまで放置してから飲んだら、もっと薬草茶っぽい好みの味になりました。ヒトリシズカはすぐに濃く出てしまいますが、ゲンノショウコは時間をかけたほうがいいみたいですね)

2020/08/13木

青空に映えるアキアカネ、ミズナラのどんぐり

また涼しくなって秋めいてきました。本州では連日38℃のようですが、道北はもう最高気温が24℃くらい。地元の人たちは、お盆を過ぎると秋になるといいます。

木の枝にとまっていて、青空によく映えていたアキアカネ。

アカトンボの種類を見分けるのはとても難しいですが、参考にしたサイト(オスのアカトンボの名前しらべ)からすると多分アキアカネでしょう。しっぽの先の形状はわからないけれど、羽や胸の模様が一致。

足元にはミズナラのどんぐりがたくさん落ちていました。松ぼっくりも落ちていて、リスがあちこちで食事しているかもしれません。

ムカゴイラクサの花とむかご勢揃い

しばらく雨で森に行けなかったので、久々に晴れた今日は、湿地帯の森のほうに様子を見に行ってみました。目的は、サラシナショウマがもう咲いているんじゃないかということ。

入り口で出迎えてくれたのは、満開に咲いたムカゴイラクサ。きっとムカゴイラクサを満開だなんて表現する人はめったにいないでしょうが、なんと雌花、雄花が同時に咲いて、むかごまでつけているほどの満開っぷりです。

前に観察したときは、雌花しかわかりませんでしたが、この株は明らかにむかごをつけているのが遠目にもわかりました。初めて見るムカゴイラクサのむかご。少しやぶの中に咲いていましたが、これはぜひ近くで見たいと踏み込んで撮りました。

上のほうに穂のように雌花が咲いているのは前回と同じですが、下のほうの茎の葉腋から、雄花が伸びて、所狭しとむかごがぎっしりついていました。全身防備とはいえ、手袋は背抜きなので、イラクサの葉に触れないよう慎重に撮影。

初めて見たムカゴイラクサのむかご。ネットで調べたところでは、食べられない派と食べれる派がいて、どっちかわからない。イラクサハタマバエの虫こぶだとする説もあったけれど、それは葉っぱのほうで、むかごのほうではないと思うんだけど、むかごにも卵を生んだりするのだろうか?

トゲに気をつけながら手でつまむと、ぽろりと取れました。

まあ先人が特に食べていないということは、たとえ食べれたとしても、そんなに美味しいものではない、ということだろうから、見るだけにしておきます。

ウドの花はすでに散って、もう実がなりかけていました。これまで白一色だった花火が、緑や茶色に変わってきて、カラフルになりつつあります。

ルイヨウショウマの実は、先日はワインレッドでしたが、今日実たら、もうプルーンのような黒っぽい深い青色に変化していました。ここまで熟してしまうと、あまり美味しそうには見えないかも。どうせ食べられないけれど。

そしてお目当てのサラシナショウマですが、今回もまだつぼみのままでした。これはかなり進展が遅いから、8月終わりから9月ごろにならないと咲かないかも。ゆっくり付き合いましょう。

先日までこの1つだけしか株を見つけられなかったのですが、同じ道に、さらに2つ、点々とかなり離れた場所に発見することができました。つぼみの成長度合いは前者より少し遅れているようなので、ようやく大きくなってきたから気づけたのかもしれません。

 

死の天使ドクツルタケ発見! &キノコ色々

長雨の後ということで、さまざまなキノコが出ているのを見つけました。まず、一瞬ナラタケかと思ってぬか喜びしたキノコ。

色合いや、中心部の黒い点々はナラタケを思わせますが、傘のふちにあるはずの条線が目立たないので、これはたぶんサマツモドキですね。去年きのこ狩りイベントのとき、さんざん間違えた毒キノコ。

横から採ってみましたが、やはり傘のふちに条線がなく、柄の形もひょろりとまっすぐなので、たぶんナラタケではないでしょう。

ネットで調べても、特にナラタケとサマツモドキの見分けが難しいという意見を見ないのですが、画像検索すると、サマツモドキの老菌はやはりかなりナラタケに似ている気がします。キノコは変化が激しいから、ネットや図鑑だけではダメで、名人に教えてもらったほうがいいと言われるのはこのあたりが所以なのか…。

ホウキタケの仲間も見つけました。無印ホウキタケだったら食用ですが、ハナホウキタケやキホウキタケだったら毒です。

そのあたりの見分けが全然つかない現状のわたしでは、手を出さないほうがいいタイプのキノコ。残念だけど、サンゴのように美しい形状を楽しむだけにとどめましょう。

今日のハイライトはこの真っ白な純白のキノコ。かなり巨大な傘を開いていますが、この形状には見覚えが。あり猛毒テングタケと同じタイプの傘だ。

近くを見ると、幼菌らしきのも見かけました。これまた卵のような形で地面から突き出していて、やはりテングタケの仲間であるタマゴタケの幼菌を思わせる形です。

最大の特徴は、柄の部分に細かく紙細工を折ったレースのような美麗な模様がついていること。その上にある中世の服のジャボのような立派なつばも目立ちます。

これだけ特徴的なのだから、きっとすぐ正体がわかるに違いないと思って、「白くて美しいキノコ」とかいう適当な検索ワードで調べてみたら…

一番に引っかかりました。なんと日本最大猛毒キノコの1つ、ドクツルタケ!! あまりの毒性からついた異名が「死の天使」。

このキノコの存在も相まって、きのこ狩りの素人は白いキノコには手を出すなと言われるほどらしい。食べたら一週間苦しみ続けて死ぬ。即効性のあるトリカブトで死ぬならいいけれど、ドクツルタケでは絶対死にたくない。

ちなみに、これとよく似た形と色で、柄のレース模様がなければ、やはり猛毒のタマゴテングタケらしい。テングタケ系は本当に危険なのが多い…。タマゴタケだけは美味しくて大丈夫と聞くけれど、素人だからタマゴタケさえ採るのに躊躇してしまう。

そのほかに見たキノコ色々。まだ名前がわからないものが多すぎて、まず勉強しないと安易にきのこ狩りできないなと感じます。

柄が太くて傘が反り返っているところはハツタケやチチタケの仲間とちょっと似ている気がするキノコ。上のはシロハツでしょうか?

   

キノコじゃないけれど、粘菌も。前にも見たマメホコリでしょうか。

とても小さなジンヨウイチヤクソウの実

キノコの写真を撮っているときに偶然見つけた極小の花。あまりに小さすぎたので、名前だけ聞いたことがあったアリドオシランの実かな?と思いましたが、後で調べたらどうもイチヤクソウのようですね。

葉っぱは1枚だけ。花も2つだけと、かなり小ぶりな株です。ベニバナイチヤクソウしか見たことがありませんが、この株は色からして無印イチヤクソウのほうか? しかしイチヤクソウは高さ20cmとのこと。これは10cmもないでしょう。

これに相当する大きさのイチヤクソウとしては、名前からしていかにも小さそうなコイチヤクソウという花があるそうですが、花のつき方、葉っぱの形ともに違うように見えます。やはり小さいらしいエゾイチヤクソウも見てみましたが違うように見える。

まだ花が散って日が浅いらしく、実はさほど大きくなっていません。

イチヤクソウは、古くは同じ科に有名な腐生植物(菌従属栄養植物)のギンリョウソウが属していることからわかるように、菌類との協力関係が重要な半腐生植物のようなものらしいです。

よほど条件がいい場所があれば群生するのかもしれませんが、今のところかなりレアな植物という感じがしています。ベニバナイチヤクソウのほうは群生しやすいそうですが、無印イチヤクソウは本当に見かけません。

(追記 : 翌年の6/17に、この同じ花がすぐ近くに群生しているのを確認しました。葉の特徴から、ジンヨウイチヤクソウであることがわかりました)

2020/08/14金

ツクバネソウの衝羽根

昨日と同じ場所を歩いてみましたが、また色々と発見がありました。まず、足元にとても地味なツクバネソウの実を見つけた!

ツクバネソウは花もウミグモみたいな形で独特ですが、名前の「ツクバネ」は実の形状から来ています。丸い大きな実と、その下に垂れ下がった萼が羽根突きの衝羽根のようだ、という名付け。

花を見たころから、実も見てみたいとずっと思っていましたが、全然見つからない。もう存在を忘れてしまっていた今になって見つかったのが驚きでした。さすがに形状からすぐツクバネソウだと気づきました。

その後も探して歩きましたが、このひとつ以外にはまったく見つけられませんでした。

花が咲いている時期にはあれほど目立っていたツクバネソウが、実の時期には全然見つからないのは不思議です。

もう枯れてしまったのか、食べられてしまったのか。はたまた色が地味で気づけていないのか。でも1つだけでも見れてよかった!

ルイヨウボタンの七色の実、マイヅルソウの赤い宝石

この前まで紫と緑だけだったルイヨウボタンの実が、にわかに七色に色づいていてびっくり!!

 

まさかと思って、他のルイヨウボタンも探してみたら、全部七色に色づいていました。てっきりあのまま全部紺色になっていくのだと思っていたら…。

いったいどうしてこんな色になるのだろう? 同じような特徴をもった植物としては、ノブドウが思い当たります。ノブドウもパステルカラーの虹色に色づきますが、ネット情報では虫が入るためだと読んだ記憶がありました。

それで改めて調べてみましたが、ルイヨウボタンについては情報がない。またノブドウについても、別に虫が入っているから色づくわけではない、という情報もあり、情報が錯綜しています。

自然界の研究は、まだまだ初歩的なところですら、全然わかっていなくて、ネット上の情報はもちろん、図鑑の情報ですら鵜呑みにできないんだなぁと感じました。今は知識ではなく体験とか見分けに注力しよう。

マイヅルソウの実ももう色づいていて、赤い宝石のようになっていました。去年もそうでしたが、マイヅルソウが真紅になると確実に秋の気配を感じますね。

ツルリンドウの花。ハエドクソウの実など

森の奥で、ふと目を落とすと、ツルリンドウらしき葉っぱを発見。今まで気にしたことのない株でしたが、もしや今の季節だと花が咲いているのでは?と調べてみたら…

確かに咲いていました! 去年は実だけしか確認できていなかったので初めて見るツルリンドウの花です。赤くて目立つ実にに比べるとかなり地味ですね。

リンドウにしては先がしっかり開いていて、キキョウとかアサガオみたいな雰囲気もあります。

かなり花が終わってきたハエドクソウ。

長い花茎は多肉植物のハオルチアのように、下から順番に花を咲かせるようですが、もうほとんど先端まで咲き終わっています。

すでに花が咲き終わった下のほうの部分は、花だったものが下向きに折りたたまれて実ができていました。この整然とした折りたたみはまるで機械のようでもある。

湿地帯にたくさん茂っているミゾソバにも花が咲いていました。知らなかったのだけど、調べてみたら、ミゾソバも若葉を食べたりお茶にしたりできるらしい。一応ソバの近縁でもあるし。

チシマアザミ?の実もなっていました。近縁であるゴボウの実によく似ています。

 

キノコ色々

そのほか、見かけたキノコ色々。今のレベルでは名前がわからないので、少しずつ調べて覚えたいところですが、素人が調査したくらいでは正解にたどりつけるとは限らないのがキノコの難しいところです。

コケ類に生える超小型キノコということでヒナノヒガサか? 画像検索してみると、よく似たキミズゴケノハナにしては色が薄すぎるが、ヒナノヒガサはこれくらい色が薄いのも存在しているもよう。

倒木のコケの間から生えていたキノコ。ナメアシタケか?

ワタカラカサタケ?の幼菌か。

2020/08/16日

ササに巻き付くツルリンドウ、エゾスズランの実

昨晩は、まるで大阪で経験したゲリラ豪雨のような土砂降りが、ほんの5分ほど降りました。道北でさえ、夕立ちの代わりに、亜熱帯のスコールのような現象が起こるようになってきているのか…。

その後、しばらく雨の予報だったはずが、今日は久々の快晴。カラッと青空が広がったので、湿地帯ではないほうの森に散歩に行ってみました。

気温は日中27℃くらいまで上がって、そこそこ暑かったですが、真夏ほどの日差しではなく、虫の大群も見かけませんでした。森歩きしやすい季節になりつつあります。

ミツバやゲンノショウコなどが咲く森の入り口から、ツルリンドウ、オオヤマサギソウなどが咲く獣道へと。

クマイザサの茎に巻き付いているツルリンドウ。かなりあちこちでこの共生関係を見かけました。

ツルリンドウってこんなにたくさんあったのかと感じるほどに。イタドリと協力しているイケマを思い出します。

エゾスズランは花が終わって、実ができつつありました。

実をひとつ拝借して観察。

これが種? 先日のオニノヤガラもそうでしたが、ランの仲間の種は小さすぎて接写してもよくわからない。

サラシナショウマが咲いていました!

今まで湿地帯の森のほうでしかサラシナショウマのつぼみを見かけていませんでしたが、久々に行ったらたくさんありました。つぼみが成長するまで、存在に気づかなかっただけみたい。

そしてなんと、早くも先んじて咲いている花が1つだけありました。やっと見れたサラシナショウマの花。

そういえば、前にこのあたりで見かけたミヤマニガウリはどうだろう、と思って探していると、ハチに急襲される! 慌てて姿勢を低くして小走りで逃げました。

そうしたら、スマホの接写レンズが外れてどこかに落としてしまったことが発覚。今走って逃げた範囲のどこかに落としたことはわかっていましたが、森の草だらけの地面から見つけられるのか…。

これはダメかもなーと半ばあきらめながら逃げた道を戻り、足元をしらみつぶしに探していたら、思ったよりも楽に見つかりました。よかった。

そしてちょうどハチに追われて逃げていた近くに、ミヤマニガウリの葉っぱも発見。よくよく見てみたら、花が咲いていました。ウリ科だけあって、大きさも形も先日のアマチャヅルとよく似ています。

後ろに写っている黒い背景みたいなのはわたしの手です。それほど花が小さいということ。無事に発見できたレンズで接写もしてみましたが小さすぎてボケてしまい、うまく撮れませんでした。

その近くで見つけた謎の面白い形の実。アスタリスク(*)マークみたいな。引っ付き虫みたいに運ばれるタイプかな。

周囲を調べてみると、葉の形や別の花から、ノブキの実だったことが発覚。そうか、どこかで見たことある気がしていましたが、前にノブキを調べたときに写真を見かけたのか。

どうでもいいけれど、森を歩いていて、昔好きだったDSのゲームの世界樹の迷宮みたいだなぁ、と思いました。あのゲームは今思えば樹海の雰囲気をうまく演出していて、だから好きだったのかもなぁと。

一歩ずつ周りを見回しながら迷宮のような森を歩いて、ハチに遭ったら全力逃走して、ヒグマに出くわさないよう獣避けの鈴を持ち歩いて、採集ポイントで素材探して、さしずめ一層(地元の森)と二層(湿原)だけ周回しているレンジャーか。

ヌスビトハギとオニルリソウの長い花穂

道のど真ん中に咲いていたピンク色の花。長い花穂からハエドクソウかと思いましたが…

近づいて見てみると葉っぱが3枚セットで、明らかにハギの葉です。そして非常に小さな花も、確かにマメ科特有の形をしていてハギの花でした。

でも、公園でよく見るヤマハギではないので、去年、この森で実だけ見つけたヌスビトハギか! と気づきました。後で調べてみたら合っていた。こうして答え合わせが進むのが楽しい。

しばらく歩いていて、やはり道ばたに見つけた細長い花穂をつけた花。全容を撮った写真は背景に同化してしまって少しわかりにくいけれど、ヤナギのように細長い葉をしています。

花はすでにほとんど終わっていて、イガイガした引っ付き虫のような実がたくさん並んでいます。

先端のひとつだけ花が咲いていたので撮ってみましたが…

青いケシを思わせるような澄んだブルーです。でも何の花か全然わからない。

仕方なくGoogle Lens先生に頼ってみたところ、どうやらオオルリソウか、その親戚のオニルリソウのようです。オオルリソウは北海道にないので、消去法でオニルリソウですね。

ムラサキ科の花ということで、言われてみればワスレナグサやキュウリグサとよく似ていますね。

オオルリソウとの違いは、「オニ」のほうが茎が毛深いことで、確かに撮った写真にも毛が目視できるくらい写っています。

イガイガした引っ付き虫のような実がなっている長い花穂といえば、キンミズヒキもそんな見た目に変化していました。こちらは球形ではなく、クラッカーを爆ぜさせたような形ですね。キンミズヒキのパーティー会場。

ツルニンジンは早くも実に

前にツルニンジンの花を見たところに行ってみたら、なんともう実になっていました。五角形のヒトデ型で平べったい、とても面白い形の実。去年も実になってから何度も見ました。

こんなに早く実に?と思いましたが、花のほうを見てみたら…

花の底に実の模様が見えているので、これって、筒状の花びらが取れたら、そのまま実になるんですね。なんという省エネ構造。

ふと目を落とすと、スギナに露がたくさん降りていました。

接写してみると、宝石のようにキラキラして輝いていました。

キノコ色々

今回も謎のキノコとか色々。そのうち名前がはっきりわかる日が来ると願って載せておきます。

チャワンタケ類の幼菌にも似ているけれど、形がチャワン型ではなくヘラ型なので違うか。ピロネマキン科のウスベニミミタケか、ヒメキクラゲ科のニカワジョウゴタケにも似てる気がするけれど…おそらく後者か。

たぶんキツネノカラカサ。先日見た幼菌が大きくなるとこうなるのかな?

今日もよくわからない謎の幼虫と出会いました。こういう時って多分、何の植物の上にいたかを記録しておきべきなんでしょうね。食草のほうから調べたら、簡単に名前が判明しそう。

で、じゃあこの葉っぱは何なのか、ということになるのですが…、なんだろう? 写真からはキンミズヒキのような気がするのですが、それを食草とするチャマダラセセリの幼虫には見えない。葉っぱの種類が違うのでしょうか。ちゃんと見ておけばよかった…。

それにしても、最近、まともな文章が書けない。一年前?くらいまでブログで記事書きまくっていたとは思えないほど、文筆能力が低下して、自然観察日記ですら、写真メインでお茶を濁す始末。

解離が消えるとともに、才能のようなものも全部どこかに飛んでいって雲散霧消してしまった…。自然観察を楽しめる日々はとても楽しく満足だけど、自分が何の取り柄もない普通の人になってしまったようで寂しい。もはや本を読む気力もなく、文章を書く能力もない。

今までが相当無理して、命を削る代償として能力を得ていたのだろうと思うけれど、いざそれがなくなってしまうと、本当にこれで良かったのだろうか、と思いが拭えない。

2020/08/17月

イナゴ?バッタ?

今日は大阪の友達と久しぶりにビデオ通話。せっかくだから屋外でこちらの風景を見せてあげたいと思い、近くの大きな公園まで出かけました。

友達によると、大阪は外出できないとのこと。コロナではなく猛暑のせいで。それに比べると、暑いとはいっても30℃は越えない道北はやはりかなり楽なのか…。暑いけど。

公園で見たもの色々。

まるで図鑑に載っている写真のようにはっきりと撮れすぎてしまったバッタ。バッタは足に耳がありますが、それすら判別できそうなほどはっきりくっきり。でも調べたところ、バッタじゃなくて、エゾイナゴの長翅型かも?

バッタとイナゴの違いも知らなかったのですが、1つの違いは、バッタは近年話題になっている大量発生(相変異)を引き起こす種が多いのに対して、イナゴと呼ばれるタイプのバッタは相変異を起こさないのだとか。

日本でも、19世紀の開拓初期の北海道でトノサマバッタが蝗害を引き起こした歴史があるので、今後異常気象によって歴史が繰り返されないか心配です。もし発生したとしても冬には駆逐されるので一夏限りになるとは思うのですが…。

一方のイナゴは、相変異は引き起こしませんが、この見た目のやつを食べるんですね…。恐ろしい。虫に慣れてきたわたしでも、手袋なしで手づかみはできません。

トチノキ、シナノキ、ボダイジュの実

この公園にはトチノキの巨木があるので、ビデオ通話を終えた後、見に行ってみました。案の定、栃の実が鈴なりで、壮観でした。

ここのトチノキは、下の方の枝まで実がなっていて、ごく至近距離で花や実を見れるのがすばらしい。なんなら、すでにたくさん実が落ちているので、持って帰ることだってできます。

でも、栃の実は、非常に灰汁が強いことで知られていて、食べるためには、ややこしいアク抜きの過程をこなさなければならないそうです。

このサイトによると、3日流水にさらした後、1ヶ月も天日干しするらしい。さらにひとつずつ皮を剥いて、また水にさらして、一週間灰の中で寝かせて…と大変! とち餅は食べたいけれど、素人ができる範囲を超えています。

でも、考えてみれば、稲や麦だって、本来、食べれるようになるまで、栽培、収穫、脱穀、精製といった、ややこしい過程を経ているんですよね。現代社会のわたしたちは最終形態になったものを買って利用できていますが、食べるというのは手間がかかって当然のものなのです。

それから公園を歩いていると、シナノキとオオバボダイジュの両方があることに気づきました。今までここにボダイジュがあることを知らなかった。同じ仲間だけど、大きさやゴツさが違う両種。どちらも実がなっていたので、大きさを比較してみました。

まず、女性的と言われるシナノキの実。葉も小さければ、実とそれについている羽(苞葉)も小さい。わたしの手の指くらいの長さしかなく、全体的に小ぶりです。

一方、男性的と言われるオオバボダイジュの実。形は同じなのに、明らかに大きくがっしりしていますね。

この大きさの違いを知っていれば、森の中で落っこちている実だけを見つけても、どちらの実か判別できそうです。森の中ではシナノキもボダイジュも背が高すぎて、枝についたままの花や実を間近に見れることはめったにないので。

ヤマハギの花、イケマ(ガガイモ?)の実

ここの公園で、去年も見つけたヤマハギの花が咲いていました。…と思ったら、どうも、こちらのサイトの説明からすると、仲間のミヤギノハギかもしれません。葉っぱの形がヤマハギよりも尖っています。

森の中ではヤマハギは見かけず、先日撮ったヌスビトハギしか見ていないので、この公園のヤマハギ(ミヤギノハギ)は植えられたものなのかも。特に手入れされているようには見えませんが、もともと園芸用に植えられて、そこから広がって定着したとかかな。

秋の七草の筆頭にも挙げられ、日本古来から和歌に詠まれて愛されているハギですが、花はとても地味です。ヌスビトハギもそうでしたが、ルーペを使って、やっと、はっきり形がわかるくらい小さい。

つくづく、昔の日本人は、今のわたしたちなら見落としてしまうような小さい花にも目ざとく、繊細な感性を備えていたのだなぁと感じます。わたしも森歩きを始めてから、園芸用の派手な花より、小さく目立たない原種の花のほうが愛らしく感じるようになりました。

帰りにもうそろそろ実ができているかもしれないと思い、イタドリの群生にたくさんイケマのつるが巻き付いているところに行ってみました。すると、もうすでに、ゴツゴツした見た目の、こんなに大きな実がつるにぶら下がっていました。

なんか実と葉っぱがガガイモっぽい? 花が咲いているときに確認した限りでは、このあたりに咲いているのは明らかにイケマでしたが、ガガイモが混ざっていた可能性もある?

どちらにしても、また冬になって、割れた実の中に詰まった種を飛ばして遊ぶのが楽しみです。にしても、あのくす玉のような集合花から、どうやってこんな形の実ができるのかは、謎のままでした。途中経過を観察できなかったのが悔やまれる。

帰り道の夕焼け。いい星空が見れそうです。

2020/08/18火

ホオノキの実でお茶を作りたい

友達の家のホオノキ木になっていた実。かなり大きくなってきましたが、まだ色づいてはいません。今年はアイヌ式のホオノキ茶を飲みたいので、実が落下したら保管して乾燥させてほしいとお願いしておきました。

こちらのアイヌ民族博物館の資料に、ホオノキとチョウセンゴミシのお茶の作り方が詳細に書いてあったので、今年はぜひとも、その両方に挑戦してみたいと思っています。

アイヌのお茶は、先日のヒトリシズカ(イネハム)がとても好みだったので、期待大です。ほかにエゾイソツツジは今のところ高層湿原でしか見ていないので無理そうですが、ナギナタコウジュ(セタエント)は道端で発見できたら、お茶にしたいところ。

2020/08/19水

ムシトリナデシコにキアゲハ

日中の最高気温が30℃に迫り、夜中になっても、24℃もあって、ほぼ熱帯夜です。雨が降る前で湿気もじめじめしていて、とても過ごしにくいです。

体調が、今シーズン最悪レベルに悪く、慢性疲労症候群に戻った感じです。今までの経験則からすると、数日経てば回復するはずなので、今は辛抱するしかありません。

常人ほど健康ではないので、おそらく季節の変わり目のようなジェットコースター的な変化に弱いように思います。また、以前無関係かと思いましたが、今日は奇しくも新月です。月齢は関係がないわけではなく、体調が悪化しやすい多因子のひとつなのかも。

こういう時は外出したほうがいいので、サイクリングには出かけましたが、むわっとくる気持ち悪い暑さで参ってしまいます。フラフラして立っているのもやっとです。

庭にはキアゲハが訪問して、ムシトリナデシコの蜜を吸っていました。

明日以降いきなり涼しくなって最低気温が11℃まで下がるようですが、来週はまた暑さが今日のように揺り戻す予報です。しばらくは厳しい気候が続きそうですが、夏の終わりまでもう少しの辛抱です。

2020/08/20木

涼しくなって元気回復。サラシナショウマ開花

異様な暑さだった昨日と一転、かなり涼しくなったおかげで元気です。どうやら北海道全域で同じ傾向のようで、札幌なんて昨日34℃もあったらしいですね。道理でわたしも体調を崩すわけだ。

今日はうってかわって、最高22℃、最低10℃くらい。日中は少し雨も降っていましたが、とても過ごしやすく気持ちがいいので、あちこちうろうろして何回もサイクリングに出かけました。

どうやら、わたしの耐熱性能は20℃くらいまでで、それより高くなると人生を呪い始め、30℃を超えると錯乱しはじめるようです。逆に一番快適なのは0℃からマイナス10℃くらいですね。今日は涼しいけど、それでもまだ暑く感じるので。

大阪に住んでたころは自分がこんなに暑さに弱いとは思ってもみなかった。今は涼しいからいいけれど、来週はまた連日30℃が続くそうなので、もう一回死にそうです。

今日はまず雨がちらつく中、近くの森に、例のサラシナショウマのつぼみの様子を見に行きました。雨の日は音が聞こえにくくて、クマとの遭遇率が上がってしまうと聞くので、入り口近くにある株を確認するだけにしました。

ずっと前から写真に撮っていたほうは、以下のとおり、まだつぼみのまま。なんともマイペースで焦らしますね。

一方、茂みの奥のほうに、すでに満開と思しきサラシナショウマも見えたので望遠レンズで撮ってみました。近くまで行ってみたかったですが、雨が降ってる日に藪こぎするのは辛いので、また数日後に改めて見に来たいと思います。

(8/22追記 : 後日、もっと花が咲き始めたので、別の場所でも撮ることができました。

 

つぼみの時は、ほとんど存在に気づかず、サラシナショウマって珍しいものなのか、と思っていたんですが、咲き始めてみると、あちこちにあるものなんですね。花も接写してみました。

2020/08/25追記 : ずっと観察し続けていたこの場所のサラシナショウマもついに咲いていました。

正直なところ、そんなに特徴的な花でもなく、よくあるブラシ状の花の一種に思えます。補中益気湯の材料だと知らなければ、ここまで愛着は湧かなかったでしょうね。ずっと見守っていただけに開花は感慨深いです)。

その近くの、やはり森の入り口付近で見つけたツルニンジン。この場所にあるのは知りませんでした。特徴的な4枚セットの葉っぱが視界の端に見えたので、もしや咲いているのではと探したら花がついていました。

しかし、どうも、このツルニンジン、前に写真を載せたものより、かなり大きさが小さいように感じました。試しに手が写った写真も撮ってみましたが、写真で比較した限りでは、小さいのかどうかわからず。指の長さと比較できる写真とかがなければ難しい。

もし、大きさが一回り小さいようなら、ツルニンジン(ジイソブ)ではなく、ヒメツルニンジン(バアソブ)の可能性があります。一般的なバアソブの花の模様とは異なって見えますが、模様は変異が多いそうなので、決め手にはなりません。

葉っぱに毛がない「つるっ禿げ爺さん」がジイソブと言われますが、毛の有無は確認してませんでした。写真にかろうじて写っている限りでは毛は確認できないので、ジイソブの小さめの個体にすぎないのかも。

一番確実な見分け方は種の形ですが、今はまだ花の時期なので確認できません。秋頃覚えていれば、実を割って種を調べてみたいところですね。

秋を告げるエゾミソハギとノコンギク、晩夏のヒマワリ畑

久しぶりに町の中を自転車で走っていたら、去年も同じ場所で見かけたエゾミソハギが咲いていました。溝の中から咲いている「ミソ」ハギなので、とりわけ印象に残っていました。

語源としては禊に使われたハギという説と、溝に生えるハギという説があるそうです。ミソハギという名ですが、秋の七草のハギとは無関係のミソハギ科に属しています。ハギと同じ時期に咲く同じような色の花だから、こういう名付けなのかな?

遠くから見ると、一ヶ月くらい前に咲き始めて、今もちらほら残っているヤナギランと区別がつきません。花期が少しずれているのが違いのひとつですが、近くで見れば、花の形が明らかに違うので区別できます。

ヤナギランは花びら4枚で、濃い紫色の萼があり、白い雄しべも目立つのに対し、エゾミソハギは花びら5枚で、萼や雄しべが目立つこともありません。ムラサキツツジみたいな花ですね。一年ぶりに溝から力強く咲き出る姿を見て旧友と再会したような温かい気持ちになりました。

さらに走っていくと、道端に懐かしい紫色の菊を発見。たぶんノコンギクでしょう。これも去年調べましたが、違いがよくわかっていなくて「いずれヨメナかノコンギク」状態です。

「ヨメナは花(鼻)の下が長い」とか言われますが、そんなに長くは見えないのでノコンギクか。また「嫁には毛がない」というか、ヨメナの葉は無毛だとされますが、そこまでは確認してませんでした。雨だし。

(追記 : 後日、別の場所で見たもっときれいなノコンギク。

葉は毛がないように思いましたが、ざらつきがありました。花の下は比較的短い気がする。そして、中央の黄色い部分(筒状花と舌状花の冠毛)がけっこう長めでそば立っているように見えるのでノコンギクで合ってるかな)。

いずれにしても、ノコンギクといえば、去年、さまざまな花が咲く夏から秋にかけての季節の大トリを飾った最後の花のひとつだと記憶しています。この紫色の花が咲き出したのだから、もう今年も紅葉が近いでしょう。

それからしばらく郊外を走っていたら、見事なヒマワリ畑を発見しました。どこかの農家さんがヒマワリを栽培している畑地のようです。

今年は名寄のヒマワリ畑もコロナで植え付けしておらずそば畑になっていると聞いていますが、家の近くでこんな立派な一面のヒマワリを見れるとは。一種類だけの花畑は好みではありませんが、そんなわたしでも思わず立ち止まって見入るほど壮観でした。

川辺に咲くシロバナワレモコウの花、ゼンテイカの実

最後に川の土手の近くを通って帰ることにしました。目当ては、初夏に葉っぱだけ発見したナガボノシロワレモコウ(長穂の白ワレモコウ)です。秋に咲く花だと読んだので、ノコンギクが咲き始めたなら、もう咲いているかも?と思いました。

河原はまったく草刈りがされていないので、イタドリやフキが林のように生い茂っていて、とても入っていける雰囲気ではありませんでしたが、確かナガボノシロワレモコウの葉っぱはかなり手前にあったはず。

土手の上から見回してみると、セリ科の植物の背の高い花や、イネ科の植物の穂に混じって、見慣れない白い花をつけたひょろひょろした穂が、たくさん立ち並んでいることに気づきました。

もしやあれがそうでは?と草むらに入っていくと、確かにワレモコウのような花! ワレモコウに似ているけれど、白くて、妙に長い。確かに名前のとおりです。

花はちょうど咲き始めの時期だったようで、上の写真のような満開のものはめったになく、ほとんどが、下の写真のように、つぼみをたくさん残していました。先から順番に咲いていくんですね。ヤナギの花みたいにも見える。

ナガボノシロワレモコウは、氷河時代に日本各地の分布した、というようなことが書かれているほかには、特にこれといって情報もない花。自然観察を初めると、情報のない植物がとても多くて、まだまだわかっていないことが多く、きっとまだ知られていない有用植物も身近に眠っているんだろうなと思います。

ここの河原は、初夏に山菜採りで、ゼンテイカのつぼみを採って食べた場所でもありました。そのゼンテイカたちは、今はすっかり実をつけていて、来年また花を咲かせてくれそうです。

2020/08/21金

3度目の正直! ついにヒグマを写真に収めた

7月、8月とそれぞれヒグマを目撃しながら、ドライブレコーダーが不調だったり、レコーダーのSDカード容量が足りず上書きされたりして、映像記録が残っていない、という悔しい思いを繰り返しましたが…

今朝、自動車で、少し山奥の道路を走っていたら、はるか前方の道路の右端に、何か茶色い動物を目視。とっさに、クマだ!と気づいたので、あらかじめこんなこともあろうかと用意してあった望遠レンズ付きスマホで撮影に成功しました。

曇っていたせいか、影が地面に落ちてなくて、どうにも合成画像っぽさが残念。とっさに連写した数枚をアニメーションにしてみた下のGIF画像のほうが臨場感があるかもしれない。

ヒグマにしては、大きさはかなり小さく、子グマだったのではないかと思います。親グマの姿は見当たりませんでしたが、わたしが通りかかるより前に、すでに左に渡った後だったのかもしれません。

上の写真を撮ったあと、急いでビデオモードに切り替えてみたのですが、もう子グマは道路の左側へ消えてしまっていました。カメラが間に合っただけでもよくやったし、4枚連写して、1枚だけでもピントが合っていたのは奇跡的。

思えば、最初の遭遇のときも子グマでしたが、車を即座に停止させてカメラを構えようかと迷っているうちにいなくなってしまい、望みをかけたドライブレコーダーも故障中でした。

今回はドライブレコーダーなど信用せず、自分で撮るという選択をしてよかった。後続車が気にならない場所なので、すぐに停車しても問題ありません。カメラと心の準備ができているかだけ。

今回は子グマだったので、2回目に見た巨体のヒグマに比べるとインパクトは薄いですが、そもそもヒグマに遭遇すること自体が珍しい中で写真まで撮れたのは驚きです。

しかも3ヶ月で3回、そのうち2回が子グマとかどうなってるの? もしかすると、6月が冷夏だったせいで、食糧が少ないから人里に出てきているとか、深刻な理由がなければいいのだけど。

ヒグマを見るたびに毎回書いていることですが、もちろん、車に乗っているのでなければ、撮影なんてできません。野生動物、ことにヒグマの怖さはいつも意識しておく必要があります。

また、わたしは写真家を目指しているわけでも、SNSやブログで友だちに写真を自慢したいわけでもない。だから、写真が撮れた撮れないにこだわるのはよくないと思っています。インスタ映えを狙った自撮り写真で落下死するようなことにつながりかねない。

今回はほとんど誰も走らないような道路だったので、野生動物が現れるかもしれないと思って望遠レンズ付きスマホも準備していましたが、いつもそうできるわけではない。

それに、過去3回のヒグマ目撃の経験を思い返すと、最初の2回は記憶にしっかりと映像が刻まれているのに、スマホを構えていた今回は、一番いい瞬間を目視していないので、今ひとつ印象に残りませんでした。やっぱり自分の目で見たほうが心に残りますね。

そういえば今日、森の中の林道を走っている時に、おそらくエゾフクロウと思しき鳥が飛んでいくのを目撃しました。車の前方の遠いところをしばらく飛び続けて、枝から枝へと飛翔したのち、右側の樹海へと消えていきました。

はっきりと顔を目視できたわけではありませんが、一瞬見えた頭が丸かったこと、茶色と灰色が混じり合ったような色で、大きめの体だったことから、おそらくエゾフクロウか他のフクロウの仲間だと思いました。フクロウは夜行性のものが多いので難易度が高そうと思っていたところだったので、興奮しました。写真には撮れなかったけれど、初遭遇がはっきり印象に残りました。

写真に撮るのもいいけれど、自然を身体感覚で味わうという本来の目的を逸脱しないようほどほどに。今後もバランスに注意して、自然観察を楽しみたいです。

そのほかに見た生き物。

牧場の牛。

茶色いキリギリス? 細かい種別がよくわからない…。工業デザインみたいなかっこいい形。

ルリハムシかハンノキハムシと思われるメタリックブルーの極小の虫。

絶品タマゴタケが経験したことのない美味だった

今日、森を歩いている時に、入り口付近で発見したこれ。

思わず、うわっタマゴタケだ!と声に出してしまいました。

去年も二度ほど家の近所で見かけたタマゴタケ。しかし、まだ自然観察の日が浅かったこともあって、猛毒キノコとの見分けも必要なタマゴタケは、怖くて手を出すことができていませんでした。

だけど、今回のタマゴタケは、見るからに絶品。まだ幼菌で、傘がツボに収まっている状態。これほど新鮮な生まれたてタマゴタケを見かけたのは初めて。どこからどう見ても新鮮な産みたて卵。

宮崎県のマンゴーとか、海のパイナップル ホヤを思わせるような、いかにも美味しそうな色でもある。タマゴタケについての知識がなければ、毒々しいとも感じるんでしょうが、なまじ知識があると、美味しそうとしか思えない。

この時点で、わたしがタマゴタケについて知っていることと言えば、猛毒ぞろいのテングタケの仲間でありながら、唯一食べれる絶品キノコだということ。

また近縁種にキタマゴタケがあること、そして猛毒のタマゴタケモドキやベニテングタケとの区別が必須だということくらいでした。

その知識からすると、これは8割型、食べれるタマゴタケのような気がする。でも、それでは到底、毒キノコとの見分けが十分とはいえない。キノコは100%確信が持てない限りは食べてはいけない。

だけど、あまりにも美味しそうなこのタマゴタケ。この機会を逃したくないと思い、とりあえず、採取して家に持ち帰ってから、残り2割の疑念を払拭すべく、徹底的に調べることにしました。

地面から顔を出している卵のようなキノコを、両側からすくい上げるように引っこ抜く。

思ったより地中に埋まっている部分が多いんですね。全体の半分くらいが埋まっていて、引っこ抜くときキュポンッと、気持ちいい感触がありました。しかし見れば見るほど美味しそうにしか見えない。

帰宅後、タマゴタケについてできるだけ多くの情報を調べつつ、しっかり観察してみることに。

まず、タマゴタケの特徴の1つである傘の条線(溝線)。傘のふちに近い部分に、はっきりとした縦線が並んでいなければなりません。

まだ幼菌なので、傘がしっかり開いた老菌ほど条線はくっきりしていませんが、こうして光を当ててみると、間違いなく溝がついていることがわかります。

もしこの条線がなければ、(特にキタマゴタケの場合は)、猛毒キノコのタマゴタケモドキの可能性が高いので、絶対に食べてはいけません。

次に、下についているツボの部分(ここは食べない)を剥きとって、柄の色を確認します。タマゴタケなら、柄は黄色のはずです。

うん、確かに黄色。もし柄が白色だったら、毒キノコのベニテングタケ(白いイボイボが取れた個体)なので、絶対に食べてはいけません。ベニテングタケはタマゴタケモドキと違って食べても死なないそうですが、危険は危険。

(ところで、タマゴタケは通常、柄に模様があるのが特徴のひとつとされるが、この個体では確認できなかった。調べてみたら、セイヨウタマゴタケは模様がないし、国産でも模様がないのはちらほら存在していて個体差?があるらしい。成長途上で現れるという説も)

最後に、タマゴタケは半分に一刀両断して、中の様子も調べてみます。ネット上にも、幼菌を両断した画像がよく載せられているので比較してみましたが、大丈夫そうです。

この画像で確認できますが、傘の内側のひだが黄色なのも鑑別のポイント。もし白色だったら、(特にキタマゴタケの場合は)、タマゴタケモドキなので危険。

基本的に、タマゴタケはそんなに見分けにくいキノコではなく、初心者でも採取しやすいと言われています。同じテングタケの仲間に超猛毒があるので、注意を要するだけで、ちゃんと知識があれば大丈夫なはず。

猛毒キノコにしても、見分けにくいのはタマゴタケモドキだけで、タマゴタケモドキの傘は黄色なので、傘が赤から橙色グラデーションの個体(無印タマゴタケ)だけ採るようにして、傘が橙色から黄色グラデーションの個体(キタマゴタケ)はスルーするようにすれば、まず問題ない。

それでも不安なら、上でやったように、傘のふちに条線があることと、傘の内側のひだが黄色いことを確認すれば、タマゴタケモドキではないと断定できる。

同じ赤から橙色グラデーションの毒キノコにはベニテングタケがあるものの、普通はイボイボの有無で識別できるし、もしイボイボがない個体の場合でも、柄の色で簡単に識別でき、そもそもベニテングタケは致死性ではない。

こうして色々と確かめてみましたが、タマゴタケで間違いなさそうだったので、嬉々として料理に進みます。

タマゴタケは、なんと非常に珍しい生食できるキノコらしい(他にはマッシュルームなど数点のみ)ので、刻んでから、まず生で味見してみました。

傘の部分と、柄の部分で食感が違うとされていますが、確かに柄は普通のマッシュルームと同じようなコリコリした感じ。しかし傘はゆで卵の白身のようにプルンプルンとした食感。これは美味しい。

料理のレシピとしては、オムレツ、炊き込みごはんなど、色々紹介されていますが、初回なので、シンプルにバター焼きで。チャイブと混ぜてみました。

さっそく傘の部分を一口味わってみると…

もうこれが絶品も絶品。今まで食べたことのない摩訶不思議な食感。前述のようにゆで卵の白身っぽい柔らかな弾力性があるのですが、ミルフィーユのごとく二層構造になっているかのような、トロットロな食感です。

旨味成分が凝縮されているだけあって、バターと溶け合って実に幸せな味。伝説によれば、カエサルなどの古代の支配者がやみつきだったとされるキノコですが、その気持ちもよくわかる。舌が肥えているだろう現代人にとってさえ絶品。

ブログなど調べていると、キノコに詳しい人たちが、毒キノコの「タマゴタケモドキ」について、あまりタマゴタケに似ているとは思えないのに、この名前はおかしい、と口々に書いていましたが、わたしは昔の人の名付けがわかる気がする。

まず、昔の人もタマゴタケは絶品だとよく知っていた。森で探す時は卵のような形を目印にしていた。

イボイボがついていたらベニテングタケなので採らなかったが、たまにイボイボが取れているベニテングタケに当たってもお腹を壊して幻覚を見るくらいで済むので問題なかった。

また、同じように卵のような形でも、白いものは、超猛毒のドクツルタケやタマゴテングタケなので、経験則から絶対に採らなかった。

しかし、赤から橙色のグラデーションのタマゴタケと似ている、橙から黄色のグラデーションのキタマゴタケは、毒性もなくタマゴタケと同様に食べれるので、普通に「タマゴタケ」として採取されていた。

ところが、北海道など日本列島の一部地域にだけ、キタマゴタケとそっくりな猛毒キノコがあり、今までの経験どおりタマゴタケを採取していたら死人が出た。ということで、そのキノコはタマゴタケモドキと名付けられた。

食用タマゴタケにキタマゴタケも含めた場合、一番危険性が高いのは、明らかにキタマゴタケに類似したタマゴタケモドキになるから、タマゴタケに似て非なるもの、という名付けがされた。

というような由来ではなかろうか。キノコ専門家からすると不満かもしれないけれど、一般人の名付けの基準はあくまで食べれるかどうか、ではないだろうか。真相は知らないけど。

ほかの人も言っていましたが、最初に食べる時はすごく緊張したけれど、ステップアップできた気分です。非常に美味だったので、今後も見かけたら、生死を賭けた博打にならないよう、鑑別には十分に注意して採ってみようかと思います。

そのほかに見た名称不明キノコたち。

この腐ったリンゴの皮みたいなのは、去年も調べたドクベニタケかな? 改めて調べると、ベニタケ科の類似キノコがやったらめったら多いようだけど。

傘に特徴的に輪状の模様が刻まれているこのキノコは…、年輪状の模様(環紋)がはっきりしているから、ハツタケとかキチチタケあたりだろうか。ニオイワチチタケやチョウジチチタケの可能性も。今のレベルでは同定できない。

以下は今のところ謎キノコ。わかったら名前追記したいけれど、ほとんどは傘しか撮ってないから無理かも。キノコに詳しくなりたかったら裏側や柄も撮らないとダメですね。

 

猛毒トリカブトの花が群生していた

今年もエゾトリカブトの紫色の花がたくさん咲き始めました。猛毒なのに、咲いているところにはこれでもかと群生していますね。

マルハナバチ?のような昆虫がしきりに蜜を吸っていましたが、これほどの猛毒でも虫は大丈夫なようです。ただしハチが集めたトリカブトの蜜を人間が食べると有毒なので、養蜂家はトリカブトの開花期は外すらしい。

見事にトリカブト、つまり平安時代の烏帽子みたいな形をした花です。

葉っぱを確認。さすがにこれほど大きくなったらヨモギと実間違うことはない。でも変異が多いらしいので要注意。この形だとゲンノショウコと間違えかねないので、花を確認することは大事。

葉っぱの裏側は葉脈が目立つものの、すべすべしていて毛はありません。ヨモギとの明らかな区別点。

すでに先のほうには小さな青唐辛子のような実がたくさんなり始めていました。

高層湿原に咲いていたホロムイリンドウ

高層湿原に出る途中にあったホロムイリンドウのつぼみと花。はじめのうち見かけるのはつぼみばかりでしたが…、

もう少し成長して、青く色づいているものがあって、リンドウだとはっきりわかりました。

そして日当たりのいい場所ではたくさんすでに開花していて、見頃を迎えていました。透き通るような濃淡のブルーが味わい深いです。

湿原では、ほかにタチギボウシの実や、

エゾゴゼンタチバナの真っ赤な実も見つけました。

何かの実だろうけど正体がわからなかった実もいろいろと。

このマキビシみたいなのはいったい…? 特徴的なのて、以前何がここに咲いていたか思い出せばわかりそうなものですが…。

思い当たるのはトキソウくらいしかないのだけど、さすがに違うか…?

次のは形からして、コバノトンボソウかホソバノキソチドリなどのラン類か。

湿原の風景。矮性のアカエゾマツを逆光で撮ると、映画の舞台みたいな壮大な風景。

沼に浮かぶ水草のミクリが、まるで画家がキャンバスに刻んだタッチのような味わいで、絵画のようにも見える風景。

初めて見たコモチミミコウモリとミヤマタニタデの花

森を歩いていたら、今まで見たことのない謎の花がありました。どうやら白い花のつぼみ…?

いったい何だろうと思いましたが、どうもこの葉っぱに見覚えがあるような…。形だけはサンカヨウの葉っぱにも似ていますが、特徴的なのは茎を抱く托葉のようなものがあることです。

でもこれは托葉じゃなくて、葉っぱ本体とつながっている翼のような気がする。こういう葉っぱの構造しているのはヨブスマソウとかイヌドウナで、そういえば山菜シーズンに見分けに苦労したやつがあった。

そうかタマブキか!

後で調べたところによると、無印タマブキは葉柄に翼がなく茎を抱かないと書いてあったので、近縁種のコモチミミコウモリの可能性がありそうです。これまたややこしい名前。

環境省のサイトによると、なんと北海道の道北あたりにしか分布していない、かなりレアなローカル植物のようです。

咲いている個体も見つけましたが、確かにヨブスマソウとよく似た地味な花。同じキク科のヨモギとも似ている、いわゆる筒状花(中心の地味な花)だけで舌状花(花びらのような部分)がない形状。

驚いたのは、まず春の山菜の時期にはヨブスマソウとの見分けに注意していたタマブキなのに、今の時期には全然違うこと。ヨブスマソウは2m、3mになっているのに、これは1mくらいか。同じ仲間とは思えない。

次に、茎の付け根に、サザエみたいな貝殻型のむかごらしきものをたくさんつけていたこと。タマブキってむかごを作る植物だったの!?と調べてみたら、確かにそうらしい

そもそもタマブキの「玉」ってむかごのことなんだとか。全然知りませんでした。今回見たのはタマブキの近縁のコモチミミコウモリだと思いますが、その名前も、むかごを作るタイプのミミコウモリ、という意味です。

また山菜採りの時期になると、タマブキとヨブスマソウの見分けを意識すると思いますが、もしかしてタマブキだと思っていたのが、コモチミミコウモリだったのだとすると、なおのこと採取しないよう気をつけたいと思いました。

もう一つ、道中で見つけた、非常に小さい花。このとおり、葉っぱも含めて、手のひらの中にすっぽり収まってしまうほどの小ささです。

花の接写写真。

手がかりが少なくて、いったいどうやったら名前がわかるのかと途方にくれて、いつものようにGoogle Lens先生に頼ったら、いともあっさりと正体を突き止めてくれました。ミヤマタニタデだそうです。

前に見つけた、クリオネのような形のピンクの花をつけるタニタデの近縁種で、どちらもミズタマソウ属ですが、大きさがあからさまに違います。

タニタデもほんの数十センチしかない足元の草花でしたが、ミヤマタニタデはそれに輪をかけて小さすぎる。10cmあるかも怪しい大きさで、やはり極小で知られるアリドオシランかと疑ったほどでした。

花の形は、言われてみれば無印タニタデに似ている気もしますが、小さくて地味なのでわかりにくいです。どちらも花びらは2枚、萼片も2枚なので、なんとなくクリオネの両手のように見えるんでしょうね。

コシアブラの若木?

次の写真は、帰りに見かけて、はたと立ち止まってしまった若木の葉っぱ。

まるでトチノキのような掌状複葉。すぐ思い当たったのはトチバニンジンだけれど、これどう見ても木ですよね。

このあたりにはトチノキは自生していない。ならばトチの葉っぱみたいな木って何があったっけとしばし立ち尽くして考えて、ひらめきました。これもしかしてコシアブラじゃないの!?

 

帰宅後調べた感じでも、やはりコシアブラのような気がする。似たような葉っぱをもつのは同じウコギ科のエゾウコギ、ケヤマウコギくらいですが、どちらも幹にトゲがあるはず。でもこれはトゲがなくすべすべでした。

いや、まさか、近所にコシアブラが本当にあったとは。山菜の時期にあれほど探し歩いたものの見つからないから、道北には自生していないんじゃないかと決めつけていたほどでした。

でも、これほど目立つ葉っぱの木なのに、全然見かけないのはどうしてだろう。この周囲にも、親木らしいのは発見できませんでした。ウコギ科といえば、ハリギリ、タラノキ、ウドばかり。いったいなぜなのか。

今年も見れたダイモンジソウ、エゾゴマナの花

滝のそばの岸壁には、今年もダイモンジソウが咲いていました。

見事な大文字。同じユキノシタ科の仲間に「人」の形のジンジソウもあります。

そういえば去年この時期にミソガワソウも見たなと思い出しましたが、今年は今のところ発見できず。

オーソドックスなエゾゴマナ?っぽい花もありました。地味な白色とはいえ、似ている花が軒並み黄色とか紫色なので、一周回って目立っている気がします。

セリ科のややこしい花たち。ヨロイグサとセンキュウ類

北海道に住んで自然観察していると、どうあがいても逃れられないのがセリ科のりややこしい巨大植物たちの見分け。1mから4mくらいの大きさで、どれも同じような花をつける。

ざっと大きなくくりにまとめる挙げると、

■巨大セリ科…オオハナウド、エゾニュウ、アマニュウ、エゾノヨロイグサ、エゾノシシウド、オオカサモチ。

■山の中で見る小型から中型セリ科…ミヤマセンキュウ、オオバセンキュウ、カラフトニンジン、エゾボウフウ、トウキ、ミヤマトウキ、マルバトウキ

■ニンジン系…シャク、ノラニンジン、ヤブニンジン、危険な有毒植物のドクゼリ、ドクニンジン

あたりでしょうか。ほかにもハマボウフウとかウイキョウ類とか、挙げたらきりがないけど。

これをさらに、大きさ、時期、葉の形、花びらとか総苞片の有無などを覚えて区別していくしかない。でもここ道北では、セリ科植物を覚えれば、かなりわかるものが増えてくるので初心者登竜門的存在でもある。

一年目はオオハナウド、エゾニュウ、ノラニンジンなど町の中にもたくさん生える有名どころを押さえましたが、森や山に行ってみると、もっとマイナーで謎なセリ科が多すぎる。

今回も幾つか見つけたので整理してみました。

立派なドーム状の花をつけているエゾノヨロイグサ。似ているエゾニュウは、花が盃状にせり上がってつくことが多いのが、見分けるポイントのひとつ。

エゾニュウの勢い余った派手すぎる爆竹のような花もいいけれど、エゾノヨロイグサのドーム状のこんもりした花も、くす玉のようで美しい。

何よりの違いは葉っぱ。セリ科のこの系統の植物は花はとても似ているけれど、葉っぱで区別できます。エゾノヨロイグサは、先端の葉っぱ(小葉)がほぼ完全に3つに分かれていますが、エゾニュウはボタンの葉みたいにくっついています。

しかし、セリ科には他にも見分けにくい花と葉が色々あって混乱させられる。

エゾノヨロイグサも葉だけ見るとオオバセンキュウに似ているけれど、葉っぱが節々で(イタドリとかクワみたいに)ジグザグに曲がるのがオオバセンキュウらしい。上の写真はまっすぐなので、ヨロイグサで合ってるはず。

次の花は、サイズはかなり小さめで大きくても1m以内。茎も細くて頼りない。セリ科植物のラインナップの中では、ニンジン系と並んで小型に属する。

葉っぱの形からすると、おそらくミヤマセンキュウか。ミヤマセンキュウは、40から80cmと小型で、シダのような葉っぱをつけるのが特徴。確かにメシダの仲間のような葉っぱをしています。

このシダ状の葉っぱはエゾボウフウと非常によく似ているそうですが、エゾボウフウは花の総苞片(花の下についている長い突起)がないそうです。この写真だとわかりにくいですが、突起らしいものを確認できるので、ミヤマセンキュウのほうが可能性高そう。

ミヤマセンキュウ属の類似植物のカラフトニンジンとかだったらもうわからない。根っこの匂いで判別するらしいけれど、ややこしすぎる。

いわゆるセンキュウ風呂に使われるのは、無印センキュウらしく、オオバセンキュウやミヤマセンキュウは使われないと書かれていましたが、葉っぱを揉んでみると、とても不思議な香りがしました。一般的なセリ科のようなセロリ臭ではなくて、薬草っぽい香り。

では、次の枯れているセリ科は何だろう? 大きさは1m以上あって中型。花は枯れているけれど、エゾノヨロイグサみたいな見事なくす玉状ではない感じ。

左右対称に切れ込んでいるもものの、中心でしっかりつながっている、こんもりした葉っぱ。知ってるセリ科の中ではヤブニンジンに最も似ているけれど、大きさはも時期も全然違う。いったい何だろう?

大きさ的にはオオサカモチあたりが怪しいのだけど、葉の形状が少し違うような、似ているような…。本当にセリ科の大型植物の世界は難しい。

(追記 : 7/20に見たのと同じものかもしれません。エゾボウフウの可能性がありますが、1mあるとするとエゾボウフウにしては大きすぎます。きちんと測ったわけではないので、印象より小さいか、別のセリ科の可能性もあります)

シダ植物。ヒカゲノカズラとマンネンスギの花など

前回も撮ったけれど、ヒカゲノカズラの花(胞子嚢穂)が一斉に立ち上がっていてとても豪華でした。

ズームして撮ってみると、まだウロコ状の構造は開いておらず、胞子を飛ばしてはいないようです。胞子嚢穂とは、シダ植物でいうところの花で、要するにツクシのことですね。

湿原のほうでは、やはりヒカゲノカズラの仲間である、マンネンスギも、胞子嚢穂をつけていました。どちらも同じ科だけあって、花はそっくりです。

去年はじめてヒカゲノカズラを見たときは、巨大なスギゴケのお化けのツルみたいで、これはいったい何だろうと驚いたものですが、もうすっかり顔なじみです。

この非常に密なレースのような葉っぱは、おなじみのエゾメシダかな?

少なくともソーラスの形はメシダ系であることを示している。

シダの観察が久しぶりすぎて、茎の下のほうの鱗片を確認するのを忘れてしまいました。もし根もとに黒っぽい鱗片があればミヤマメシダかもしれません。

次のはかなり小型のシダ。葉の大きさは手のひらよりも小さく、10cm強か。

羽片の特徴は、先が尖っておらず、丸みを帯びていること。また裏側のソーラスは褐色で丸い点々。

図鑑を簡単に見た限りでは、イヌシダの可能性が一番高いかな。イヌシダは毛が多いから犬に例えられたとされている。

でも葉の形がイヌシダより丸みを帯びているように思うし、写真では羽軸以外に毛がないように見えるので、違うかもしれない。

サイズと裂片の形、ソーラスの形からするとウサギシダにも似てる気はするけれど、葉全体の形は違う…。

図鑑をパラパラとめくりながら、そういえば昨日、オクヤマシダもしくはシラネワラビみたいな葉っぱもみかけたなぁと気づきました。一番の下の羽片の根もとの葉が妙に大きいのが目に止まったけれど、写真を撮る余裕がなかった。

まだまだ奥深いシダ植物の道。今年は少なくとも興味を抱いたというレベルにすぎないけれど、大きな一歩のはずです。

可愛らしい秋の実り。ミヤマニガウリ、ヤマブキショウマ、ハナヒリノキetc

ミヤマニガウリの花と膨らみ始めた実。先日花は見つけましたが、今日見たらもう実が大きくなりはじめていました。というかこれでもう最大の大きさなのかも?

葉っぱがスズメウリとかカラスウリに似ているということで、実も似ているのかと思っていたら、かなり違うホオズキみたいな形の実でした。強烈な苦味があるらしく、毒ではないにせよ試食ははばかられます。

エゾイラクサのビーズ細工のような実。去年も見つけて調べたのをよく覚えています。思えば、わたしが初めてイラクサを見分けたのは葉でも花でもなく、実が手がかりになったからでした。

観葉植物のグリーンネックレスにもどことなく似ている実で、シャラシャラとした質感が美しく、とても目立ちます。かといって触ると危険ですけども。

ヤマブキショウマの編み込まれた麻縄のような実。今年は見つけられませんでしたが、もし花が似ているトリアシショウマが近くにあったとしても、お互いに実は全然違うそうです。

あの白いふさふさした花穂から、こんなにゴツい麻縄のような実の束ができるとは思いませんでした。

ハナヒリノキの和菓子みたいな実。実を見てすぐ、コヨウラクツツジと同じツツジ科だろうと思い、生えていた場所からハナヒリノキだと気づきました。

あの地味な黃緑色の花から、こんなに可愛らしい虹色グラデーションの実がなるなんて驚かされます。柔らかいこしあんで作られた和菓子にこんな形のがあった気がする。美味しそう。

ツバメオモトの瑠璃色の実。

言われてみれば正面から見たツバメの顔に似ているか? (参考までのGoogle画像検索結果)

サンカヨウのすっかり熟しきった余り物?の実。前に来たとき味見してみたら甘くて好みの味でしたが、さすがにここまで熟してしまうと、果たして美味しいのだろうか。

樹木の実も色々。オオカメノキ、ミヤマハンノキ、マタタビetc

オオカメノキの実と紅葉。

たぶんこれもオオカメノキだと思いますが、実をつけていない個体の中には、早くも真っ赤に色づいているものもありました。

さらに、もう冬芽も準備してありました。

緑の葉っぱの中にちょこんとオレンジ色の冬芽がある様子はなかなか見ものでした。また冬に探すのも楽しみ。

ミヤマハンノキの実。

この木は、実はいかにもハンノキでしたが、葉っぱがどう見ても、普段家の近所で見ているハンノキ(ケヤマハンノキ)の葉っぱではなかったので、混乱しました。

ケヤマハンノキであれば、もっと葉のふちがガタガタしています。シナノキのようなほぼハート型の葉っぱなので、そこから類推して、同じカバノキ科のウダイカンバでは?と一時は思ったのですが、やっぱり実の形はハンノキっぽい。

困って樹木図鑑を調べたら、なんとハンノキの仲間で、亜高山帯に自生するミヤマハンノキというハート型の葉っぱをもつ種類があるんですね。おかげでまたハート型の葉っぱの木のレパートリーが増えて見分けが面倒になってしまった(笑)

木の実といえば、マタタビの実もたくさん見つけました。無印マタタビかミヤママタタビかはわかりませんでしたが。

まだ実が熟すのは時間がかかりそう。手で触ってみても硬かったです。

途中で見つけた、ものすごい立派な地衣類がついている樹皮。まるでキャベツのような、青々とした立派な地衣類がこびりついていて、豊かな生態系を構築していたので、思わず立ち止まって見入ってしまいました。

なんて素敵な地衣類の世界! いつかは、地衣類とコケ植物の世界にも足を踏み入れなければと思ってはいますが、今年はシダとキノコの世界にちょっと足を踏み入れたくらいが限界そうです。

2020/08/22土

ウワミズザクラの実が甘くて美味でした

昨日は盛りだくさんだったので、今日は作業をこなしつつ、ゆっくりしていました。

夕方ごろ散歩に行ったら、近所のウワミズザクラに実がたくさんなっていて、ちらほらと黒く熟しているのも混じっていました。

確か食べれると聞いていたので、ひとつだけ味見してみました。黒く熟した実は、指を触れると柔らかく、ぽろりと取れました。

食べれるけれど、美味しいものではない、と聞いていたので、さぞかし酸っぱいか苦いのかな、と覚悟していたら、意外なことにとても甘かった!

果肉の部分がちょっとしかなく、中に大きな種が入っているので、あまり食べごたえはありませんが、ヤマグワの実といい、コクワの実といい、野生の樹木ならこれくらい味わう部分があれば十分でしょう。

期待値が低かったせいか、少ない果肉でさえ、思いのほか肉厚に感じられました。

これくらい美味しいのなら、さぞかし食べたことのある人も多いのでは?と改めて調べてみたのですが、ホワイトリカーで果実酒にする(論文まである)とか、東北では塩漬けにされ、杏仁子と呼ばれて利用されている、といったテンプレ情報以外がなかなか見つからない。

ツキノワグマが大好きだとか、鳥がよく食べるといった話はあるので、まずいものじゃないとは思うんですが。特にクマが好むということは、コクワの実と同じように甘いということなのかもしれないし。

SNSまで範囲を広げて調べてみたら、実を食べてみて甘酸っぱくて美味しかったという感想が散見されたので、同じような意見で安心しました。実は別の樹木を勘違いしていたとかなくてよかった。

一番おもしろかったのは、ロシアの文化で、エゾノウワミズザクラ(ロシア名「チェリョームハ」)の実をおやつにしたり粉に挽いて黒パンに混ぜたりして、積極的に活用されてきた様子。

やっぱり利用している人たちはいるんだなぁと知れて嬉しかったです。うちの近所のウワミズザクラはたまに実を採っておやつにするくらいかもしれませんが、今日の経験で一気に親しみがわきました。

ところで、いつものアイヌ民族のほうは、樹皮を煎じてお茶にしてたとか。樹皮だったり根っこだったり、アイヌはいつも一段上の玄人な使い方をしますよね(笑)

2020/08/24月

ヒメヒオウギズイセンの花、エゾスズランの実

今日は農家のお手伝いで、ひたすらニンニクの皮剥きしていました。来年ぶんの種にするニンニクだそうです。

ニンニクを解体なんて、料理のときに普通にやってる簡単なこと、と思いがちですが、これだけの量をむこうとすると、かなり大変でした…。やってるうちに慣れはするけれど、指の関節が痛くなりそう。

でも、考えてみたら、スーパーで打ってる剥かれたナッツとかクリとかって、誰かがこうやって剥いているんですね。発展途上国の安い賃金で働いている労働者かもしれない。本来手仕事というのはこんな地道なものなのだとわかるいい経験です。

その帰りに、道端で見つけたヒメヒオウギズイセン。去年もよく見かけた外来種。確か名前の由来の変遷がとてもややこしかった記憶。

その近くにあった謎の実。

わからなかったので、Google Lensで調べたら、なんとスズランでした。確かに周囲にある葉っぱはスズラン。園芸植物のドイツスズランかな? こんな可愛い実がなるなんて知らなかった。

2020/08/25火

カバイロツルタケ?とかフジウスタケとか

また蒸し暑くなって調子がよくないけれど、今日を逃せば、週末まで最高気温が30℃を超えそうだったので森に行ってきました。

ちょっとだけ見て帰ろう、と思っていたので、ヨモギを摘んで虫除けにするのを怠ったら、非常識すぎる数の虫の群れに付きまとわれました。推定数十匹はいそう。ゆっくり写真なんて撮れない。

ちょっと面倒だったけれど、ヨモギを摘んで揉んで手袋にこすりつけると効果てきめん。顔網の周囲には相変わらずたかってくるけど、手の周りには寄ってこなくなり、写真を撮りやすくなりました。短時間で効果が切れるけど。

今日の森の中は、おもにキノコ観察が中心になりました。

まず、あちこちで見かけたテングタケ科のツルタケっぽいキノコ。

色が少し茶色っぽいのでカバイロツルタケか? もしカバイロツルタケだったら食べれるキノコです。でも柄が白く見えるので、無印ツルタケのような気がします。下の写真は別の場所の個体。

下から見上げた角度の写真も、こちらだと、柄に色がついているようにも見える…。

下から見たところでは、つばがないので、よく似た毒キノコのタマゴテングタケモドキ(ややこしい名前)やツルタケダマシではなさそうですが…。何ぶんまだまだ知識が足りないのでわからない。

やはり、写真だけ撮ってきての同定は難しい。標本採取してきて家でスケッチしながら調べるくらいの気持ちじゃないと。

その近くには幼菌らしきものもありました。上下にまだ卵の殻が見えます。この幼菌のほうを見れば、やっぱり樺色の傘をしているようにも思えます。見分けるポイントがまだよくわかっていない。

前回「死の天使」を見かけたところに行ってみると、今日もたくさん出ていました。ドクツルタケ。純白で柄のささくれとスカーフのようなつばも視認できるので、間違いないですね。

おそらくその周辺に確認できた白いキノコも、ぜんぶドクツルタケかと思います。傘が開いていない幼菌もありましたが柄の模様からして死の天使の子ども。

下の写真の左のは柄にささくれ模様がないようにも見えるので、もしかするとシロタマゴテングタケの可能性もありますが、どちらにしても超猛毒。

次に見つけた面白いキノコ。中心部がくぼんでいて、パリパリした焼き菓子の衣ような鱗片がたくさんついています。たぶんオニウスタケかな? (追記 :北海道のキノコ図鑑によるとフジウスタケのようでした )

中心部に指を入れてみました。写真で見るより実物はとても美しく、海の中にあるテーブルサンゴのように見えました。

次のはチチタケかな、と思ったけど、色が薄いからキチチタケか? 同心円状の環紋も少し見られるし。

以下は今の知識ではまだ見分けがつかないもの。

 

とりあえず、ちょっとでも分かるようになりたいと思って、今日、北海道キノコ図鑑をネットで購入しました。あんまり評判のいい本がないから、どこまで調べられるか不透明ですが。

一番いいのは、本よりも実地で教えてくれる名人みたいな師匠を見つけることなんだろうな、と思います。だけど、そんな知り合いはいないし、このコロナ下では現実的ではないでしょう。山菜や樹木と同じく自己流で頑張ります。

笹魚(ササウオ)見つけた!

森の中を歩いているときに、ふと足元に謎のウロコ状の物体を発見。まるでタケノコのようですが、地面の下ではなく、クマイザサの茎の途中から突き出ていました。

昔、熱帯の植物でヘリコニアとかバンクシアとかを見ていたころ、似たような形状の植物があったような気もするけれど思い出せない。でもこれは、そうした特殊な植物ではなく、見慣れたクマイザサと関係のある何かです。

帰ってからGoogle Lensで調べてみたら、関連画像に類似した写真が出てきて、「ササウオ(笹魚)」と呼ばれる虫こぶだとわかりました。ササウオタマバエという虫が、クマイザサやチシマザサなどに作る住居なんですね。

笹魚と呼ばれているのは、昔は、これがイワナに変わるなんていう伝承があったからだとか。江戸時代にちゃんと調べてた人がいて、そうではないことが確かめられたとありました。

虫こぶといえば、2週間くらい前?の写真ですが、ヨモギの茎に立派な虫こぶができているのも見かけました。はちきれんばかりに膨らんできて、瓜のようになっています。

こちらの説明によると、ヨモギマルフシミバエの虫癭なのだろうか? 虫こぶを見つけるたびに、聞いたこともないような名前の虫が出てきます。

いわゆる「ショウジョウバエ」「マルハナバチ」みたいなメジャーな名前ではなく、虫こぶを作ることに由来した、ミズナラメウロコタマバチ、ササウオタマバエ、ヨモギマルフシミバエのような名付けがされているのが不思議でたまらない。

Wikipediaの項目さえもないこれらの虫について、いったい何がわかっているのだろうか、虫こぶを作るという生態以外で、自然界の中でどんな役割を果たしているのだろう。あまりに知らないことが多すぎます。

チョウセンゴミシの実、カラフトイバラのローズヒップなど

森のあちこちで実をつけている。ルイヨウボタン。先日見た時は、色とりどりの七色の実になっていて驚きましたが、今日見ると、全部ブルーベリーのような紺色に変わっていて、また驚きました。コロコロ色が変わりますね。

葉っぱはそろそろ終わりかけなのか、オオニジュウヤホシテントウ?の群れに食われていましたざっと見ただけで5,6匹はいましたね。

前にチョウセンゴミシの実を見たところを通りかかると、先日まで黃緑だったのが、ちょっとずつ色づいてきてレインボーになっていました。

今年は、5種類の味がランダムで現れるというチョウセンゴミシの実を生食で味見してみたい。また、アイヌのやり方にならって、乾燥させてお茶にしてみたいと思っているので、真っ赤に色づくのがとても楽しみです。

帰り道、土手の斜面にあるカラフトイバラ(ヤマハマナス)のローズヒップもすっすり色づいていました。去年も実を見たし、花の時期にも観察して、たぶんカラフトイバラだと思っているのですが…

無印ハマナスだと、実の形は横に幅広の楕円形になります。この写真の実は、楕円形にもみえますが、たぶんほぼ球形だと推測して、無印ハマナスではなく、ヤマハマナス(カラフトイバラ)だとみなしていました。

葉っぱの感じも、無印ハマナスなら、もっと葉脈が目立ってテカテカしているはずですが、この株の葉はもっと柔らかそうに見えます。

近くで観察できれば、はっきり判別できますが、斜面の上のほうにあるせいで、望遠レンズで撮ることしかできません。身近で見つけたカラフトイバラ?らしき株はこれのみなので、比較もできないのが難しいところです。

そのほか、森の中の湿ったところで繁茂していた謎のシソ科。

側面から見たところ、イラクサと同じように葉腋に花?つぼみ?をつけているのがわかりますが、イラクサ特有のトゲはありません。これはもしかすると、食用可能な山菜アオミズなのか?

北海道にも分布しており、花期は7-10月、湿ったところに多いとのことで条件は一致している気がします。一度採取してきて、特徴をじっくり調べてみたほうがいいかも。

ちなみに、有名な山菜の青ミズとはまったく別の植物。一般に青ミズと呼ばれているのは同じイラクサ科のヤマトキホコリで、そちらは見たことがありません。

山菜の青ミズ(ヤマトキホコリ)と、植物としてのアオミズは別物ですが、どちらも食べることはできるという、なんともめんどくさくややこしい関係にあります。

次の写真も、謎の三出複葉の草。Google Lens先生はアメリカセンダングサではないかとのたまいますが…、時期的には確かに? わたしは花がないと区別できません。

2020/08/26水

「オートディスペンサー付き検温サイネージ」

歯医者のために、久しぶりに道北の中心都市名寄まで遠出したのですが、思ったよりコロナ対策がされていてびっくりしました。

脇の下に挟まなくても顔に当てるだけで体温がわかる計測器とか殺菌された水で手洗いを誘導されたり、医者やスタッフはフェイスシールドも完備だったり。名寄でこれだから、大都市では日常なのかもしれませんね。(田舎者感)

まあ利用者側のわたしとしても、この時期に都市に出かけるのは怖かったので、それくらい徹底して対策を講じてくれていたおかけで、ちょっとばかりホッとしました。

道の駅にもなんだか仰々しい体温測定&手の消毒ができる機械が設置されていて、目を丸くしてしまった。

「オートディスペンサー付き検温サイネージ」なんて訳のわからない横文字並べても、誰も意味をつかめないでしょ。

ほとんど誰も真面目に使っていなかったのが寂しかった。なおわたしは入店せずに帰ったので使い心地はわかりません。

うちの家にはテレビなる物が存在しないのですが、歯科の待合室では延々とワイドショーが流されていて、異常気象だのコロナの後遺症だのと恐怖があおられていました。ずっと家のこもってテレビを見てる人とか不安だろうな。

わたしも基礎疾患持ちですから、感染は命取りになると思っています。めったに都市には出かけず、食材の買い物さえ宅配ですませていて、おかずは農家の友人のところか森から調達しています。

体調は都会に住んでいたころよりましであるとはいえ、ここ最近、また身体性フラッシュバックらしき謎の身体症状の頻度が増えているのが心配です。この時期の寒暖の差の激しい気候のせいで不安定になっているだけだといいのですが。

明日から2日間、気温は30℃を超え、夜中も20℃以上が続く予報です。おそらく、これが最後の真夏日で、それ以降は涼しくなると思われるので、踏ん張りどころですね。

夜は生ぬるい気温ですが、秋の虫たちが大合唱しています。ざっと聞いただけでも最低10種類くらいはいそう。カンタン、エゾエンマコオロギ、スズムシ、キリギリスくらいしか知らないので、この時期に虫の音の種類も覚えたいところ。

2020/08/29土

道北も異常気象

昨日一昨日と、最高気温32℃で、夜中も20℃を超えたままの暑い日が続きました。一転今日は、最高25℃、最低は12℃まで下がるという、秋らしい過ごしやすい日です。

この2日を乗り切れば、もう秋が来る、と信じていたのですが、なんたることか、来週もまた、週末に30℃超えの日が続くという恐ろしい予報に唖然としました。

例年、お盆の時期(8月半ば)を過ぎれば秋めいてくるのが道北で、長くとも8月いっぱいで夏日は終わるものですが、今年は9月に入っても夏日があるという異常気象です。

思えば、冬は降雪量が少なく、春は2週間早くやってきて、夏は冷夏でなかなか始まらず、かと思えば、初秋になって暑いとか、意味不明な天候の1年でした。今年の冬は雪が降らないとかありそうで怖い。

6月に冷夏だった影響か、森の植物の実のなり方が、どうも悪いような気がしてなりません。

ヤマブドウの房は小さく、チョウセンゴミシもめったに見かけず、去年あれほど多かったマイヅルソウの実も激減していて、何か奇妙に感じます。

イヌエンジュなんか実どころか花さえ咲かせない。(調べたら一帯で咲かない年というのがあるらしい)

単にまだ2年しか道北に住んでいないわたしの杞憂だったらいいのですが、今年やたらとヒグマを目撃するのも、山の食べ物が不足しているからではないかと心配になります…。

ひどい体調不良。森に出かけるまでは

ここ数日、暑さのせいか、以前の慢性疲労症候群が再燃したかのような体調の悪さでした。この8月は、体調の悪い日が多く、このまま以前の体調に戻ってしまうのではないかという不安も首をもたげるほどでした。

そんな中、今日は朝から雨もぱらついていましたが、とても涼しく小雨だったので、この機会に森の様子を見に行ってきました。

こんな体調では、森に行っても、すぐ帰ってくることになるかもしれないと思っていましたが、驚いたことに…、というかいつものようにと言うべきか、森の中を20分くらい歩いているうちに、かなり回復してきて、息がしやすくなり、腹部の圧迫感も解消し、足取りが軽やかになってきました。

毎度のことながら、いったい森にはどんな力があるのだろう、と不思議に思うほどの効果です。そもそも、十年以上、どんな治療法を試しても改善しなかったわたしの慢性疲労症候群が、目に見えて楽になったのは、森に来たからでした。

この病気は治ったわけではないので、数日森に行かず、以前のような引きこもり生活をしているだけで再発してしまうのでしょう。それから逃れるためには、毎日のように足しげく森に通うしかない。ヘンリー・ソローみたいに森に住めたら一番なのですけれど。

森の中はかなり涼しく、汗をかくこともなく、今の季節だったら、何時間でも入り浸っていられそうです。事実、たぶん2時間くらいはうろうろしていたかと思います。

残念ながら、目新しいニューフェイスの植物は、何も見当たりませんでした。もう草花の盛りを過ぎた秋だから仕方がないのか、それともわたしの観察眼がにぶっていただけなのかはわかりません。

それでも、以前から観察していた植物たちの変化は感じ取れました。まず、森の入り口のほうに咲いていたツルリンドウは、もうすっかり花が閉じてしまっていました。

よくよく見ると、しぼんだ花の中に、うっすらと赤いものが透けて見えます。もう赤い実が結実しているようです。この赤い実を去年見つけ、はじめてツルリンドウという植物を知ったのでした。

不思議な形の実をつけた植物もありました。葉っぱからして、たぶんこのあたりに息長く咲いていた黄色い花のキンポウゲ、キツネノボタンではないかと推測しました。

でも帰ってきてから、キツネノボタンの実を調べると、もっとイガイガが多くて、典型的な引っ付き虫よろしく、くす玉のような球形になっているようでした。上の写真でいうと、白く光っている実より、その左の中央付近に写っている実のほうが典型的なのかな。

でも、わたしは、こちらの白い花のような実のほうに目が惹かれてしまって、そちらばかり撮っていました。Google Lens先生に尋ねても、やっぱりキツネノボタンだと出るので、名前自体は合っていると思うのですが。

ウドは黒っぽい実がなりはじめて、白い部分と色づいた部分とかまばらに混ざりあっていました。色とりどりの花火が上がっているようにも見えるこの時期のウドが一番好きですね。

ウドと同じウコギ科のタラノキのほうは、ようやく、白い花が満開といったところです。同じ科の同じような花でも、少し遅い。一方、やはり同じウコギ科のハリギリはまったく花も実も見ていません。

森の中では雨風を感じませんが、歩いているうちに天候が荒れてきたのか、あちこちでバキッ、ボキッという音がし始めました。

そしてついにわたしの頭の上で大きな音がしたので、何事かと飛び退いたら、そこへ1m以上ある折れた枝が降ってきて、肝を冷やしました。帽子をかぶっているので直撃しても怪我はなかったでしょうが、危険な大きさです。

帰り道を急いでいると、またわたしのすぐ後ろに50cmほどの枝が降ってきて思わず震えました。大きくはないけれど、垂直に直撃したら痛そう。

何より、雨風がきつくなってきたら、こちらの音や匂いがかき消されかねないので、ヒグマと遭遇する危険も出てくるでしょう。レイチェル・カーソンは雨の日の森ほど美しいものはないと言いますが、このあたりでは雨の日は森に入らないのがセオリーなのです。

もっとあちこち探検したい気持ちに後ろ髪を引かれましたが、何事も引き際が肝心。今日の森散歩はこれまで、と決めて、急ぎ森を出ることにしました。ショートカットになるかと思い、膝丈くらいまであるミゾソバで覆われた湿地帯を通る。

ところどころ、ミゾソバの束が誰かに踏みつけられて道ができていましたが…、たぶん2週間くらい前にわたしが通った足跡か? わたしの足跡を察知したカエルたちが右に左にジャンプして逃げていきます。

帰り道の途中でツユクサも見ました。森の中で見かけることはめったにない草地の花ですが、たまに、一輪だけ森の中で見かけることがあります。雨露に濡れた青い花びらはその名のとおりみずみずしい。

森を出ると、かなり激しい夕立ちが降りはじめていました。今の今に降り始めたばかりだとは思いましたが、やはり森の奥にいると、雨や風の変化はあまりわからないものです。

ダニチェックしてみたところ、ダニはいませんでしたが、引っ付き虫をたくさんお持ち帰りしてしまうところでした。さっきのキツネノボタンやノブキなど、大小さまざまな実が衣服にくっつく季節ですね。

森に出口では、真っ赤に色づいたスモモの実がたくさん地面に落ちていました。

上を見上げてみると、まだ木についているスモモもすっかり赤く色づいていますね。これって梅酒みたいに漬けたらおいしいのかなぁ?

家に帰ってしばらくは体調も改善したままでしたが、スマホを見たり、こうしてパソコンでブログを書いたりしているうちに、また体調が悪くなってきました。これはもう、病気の悪化を抑えて延命したければ、毎日できる限り、森に通い続けるしかないですね。

今日見かけたキノコ

最低気温が下がらない暑い日が続いたせいか、キノコはあまり出ておらず、知っている食用キノコも発見できませんでした。

キノコ図鑑を買ったのにやはり名前がわかりませんが、今日見かけたキノコを載せておきます。いつか見分けられる日を願って。

先日も見たニカワジョウゴタケか?

いつものドクベニタケとか類似ベニタケ類の何かか。

2020/08/30日

夏枯草の群落、やっと青くなったホウチャクソウの実など

今日もとても涼しい。最高気温が20℃以下。このまま秋に突入してくれれば嬉しいのだけど、無常にも天気予報はまた夏が戻ってくることを告げています。いったいいつまで残暑厳しいのだろう。

森に出かけると、入り口にたくさんさ咲いていたウツボグサの花穂が枯れて別名「夏枯草」らしい見た目になっていました。でももう秋だし、まだ咲いている真っ最中のもあったし、あまりこの地域のウツボグサは夏枯れしない。

森の湿地帯は、昨晩の雨でかなりぬかるんでいましたが、もう歩くのも慣れたものです。ぬかるみにはまらないよう、最小限のダメージで湿地帯を抜けました。

その奥にたくさんあったホウチャクソウ。ここを通るたびに実をチェックしていましたが、ずっと黄緑色のまま。もう色づくこともなく消えてしまうかと思っていたら、ついに藍色に色づいていました。実がなってから色づくまでのスピードは本当に様々で、ホウチャクソウは特に遅い部類に入ります。

色づいたからといって、ツバメオモトやマイヅルソウのように宝石みたいな息を呑む美しさではありませんが、ずっと見守ってきただけにちょっと嬉しい。

次の写真は前に撮ったのと同じ場所のツクバネソウの実。なぜかこの実以外に見つけられません。いくつかの植物は今年は実りが非常に少ない気がして心配です。スモモなどは普通に実っていましたが、

今回の写真は、前回よりも全体像が入っているので、実の下の萼片が下に垂れて、羽根突き遊びの衝羽根のようになっているのがわかりますね。また、葉っぱも4枚だから、クルマバツクバネソウではなく、無印ツクバネソウだとわかります。

たぶん前回写真に撮ったときは、虫が大量発生していて、落ち着いて立ち止まって観察する余裕なんてなかったんだと思う。今日は一応顔に網はかぶっていましたが、なくても大丈夫そうなくらい虫が少なかったです。また今週末には増えそうだけど。

森の中ではなく、道端でたくさん見かけるアブラガヤの実。花穂の色や香りが油っぽいことからきた名前だそうですが、なんとなくわかりますよね。油で揚げたお菓子みたいな色だ。イネ科(カヤツリグサ科)はこの時期でないと見分けがつきません。

ハナワラビの胞子嚢穂

先日葉っぱだけ見つけて興奮していたエゾフユノハナワラビ。早くも胞子嚢穂が立ち上がっていました。花とみなした場合、まだ咲いているわけではなくつぼみの状態でしょうか。今の時期になってみると、そこそこ見かけますね。

シダ図鑑で見かけて、こんな植物もあるのか!と魅せられたので、こうして実物に相まみえることができて、とても嬉しい。だけど、珍しい植物ではないので、きっと今までも身近にあったのに注目したことが一度もなかっただけでしょう。

手の大きさと比較してみるとこんな感じ。かなり小さめなので、存在を意識していなければ、見過ごしてしまう。

胞子嚢穂を接写してみると、ウミブドウみたいなプチプチした集まりです。胞子を飛ばすころになると、これが変色して破れるのかな。

今日見かけたキノコ

今日はあちこちでキノコを見つけましたが、わたしの知識の範囲内での食用キノコは見つけられませんでした。

イヌセンボンタケと思われるキノコ。前に見たのと同じ切り株に生えていました。なにかの広葉樹の切り株だということか。

先日見かけたフジウスタケ。こんなに大きく傘が開いていました。

最初見たのがこの段階だったら、フジウスタケだと同定できなかったと思う。あの独特のイガイガした突起も、開ききってしまえば目立たなくなります。折り紙のミウラ折りみたいなものだったのだろう。

場所を覚えていたから、あのときのフジウスタケだとわかったのが幸い。キノコは幼菌と老菌で全然姿が異なることも多いので、こうしてキノコの一生の初めと終わりを見たことで、フジウスタケに関しては今後見分けやすくなりそう。

キノコに関しては、他の植物以上に、こうやって場数と経験を積んで、少しずつ覚えていくしかないんでしょうね。

ウロコタケの仲間っぽい大量発生していたキノコ。

ドクベニタケ、チシオハツ、ニシキタケ、ニオイベニハツ、ヤブレベニタケあたりのベニタケ科の何かでしょうか。(似たようなキノコの名前はここに羅列されていた)

次のは、傘が鮮やかな赤色をしていて、柄も少し赤っぽい気がするから、ドクベニタケではなくチシオハツかもしれない…?

次のはチチタケに似ているような気がするが、こんなに黒い点々が気があるものなのだろうか。黄色っぽいからヒロハチチタケか? キチチタケかもしれないけれど、どちらにせよ乳液を見ればわかるはず。次見かけたらひだを傷つけてみようか。

(追記 : そもそもチチタケは広葉樹林性なので違うかもしれない。一応、この森は混交林でオヒョウのよう広葉樹も多いが…。それよりも、環紋がはっきりしていないので、アカチチモドキのような別物の可能性も)

今日特に多く見かけた、表面がゼラチンのようにぬめっていて、若干緑がかって見えるキノコ。アイタケやクサイロハツほど緑っぽくはない。モエギタケ?って開くとこんな色になったりするのかな。

 

わかるようでわからないシメジっぽいキノコ。

いかにも毒がありそうな白いキノコ。根もとから折れていました。

つばがないので、ドクツルタケやシロタマゴテングタケではない。つばがない白いテングタケっぽいキノコのうち、食用になるシロフクロタケなら、ひだが肉色になるらしいけれど、少なくとも上の写真では白に見えるから違う。

単純に、つばが落ちて消失したシロタマゴテングタケかもしれない…。

次のはまたシメジっぽい何か。けっこううまく写真が撮れた気がするのに、それでも名前にたどりつけないのがキノコである。

まんじゅうっぽい形なので、チチタケとかクサハツあたりの幼菌か?

シワタケ? ではないような気がするけどなんだろう。サガリハリタケか?

 

やっぱり手持ちの図鑑がわかりにくくて、絵合わせ程度でしか調べられないから同定できない。絵合わせだったら、Google Lensで十分なので、特徴を入力してフローチャートのように調べられるツールがあればいいのだけど。

植物観察がけっこう軌道に乗っているのは、Google Lens先生の有能さに依るところが非常に大きいので、それが通用しないキノコ、虫、コケや地衣類となってくると、とたんにわたしの観察眼の甘さが露呈して何もわからなくなってしまいます。

観察眼の甘さというか、読解能力の弱さなのかも。図鑑を読んでも、特徴を言葉で説明されたところで、全然頭に入ってこない。図鑑とか論文はわたしの頭では読めない。

SFの世界になってしまうけれど、ちょっと細胞を採取するだけでDNA分析して種類をその場で同定してくれる機械とかほしくなってしまうほどキノコは難しい。厳しい。

サラシナショウマに来ていたシロオビクロナミシャク。

道路脇のキタキツネ。全然逃げないものだから、横に車を停めて、延々と撮ることができました。最終的にはこちらが根負けして帰ってきました。精悍な顔立ちと警戒心の乏しさからして、今年育った若ギツネかも。

2020/08/31月

ミョウガとアスパラの花

今日は農家のお手伝いで先日からのニンニク割りをやっと終わらせました。手がかなり疲れた。

今ちょうどミョウガが採れるということで、初めて体験させてもらったミョウガ摘み。ミョウガというとそうめんの薬味にしたり、忘れっぽくなるといった俗信が知られていたりしますが…

まずミョウガの葉っぱというのを初めて見た。背丈より高く生い茂っていて、笹ヤブを思わせます。(wikiには40-100cmくらいとか書いてあるがもっと高い) そしてこのヤブの中の足もとに…

なんとミョウガの花が咲いていました! クロッカスのように地面から直接顔を出しています。こんな背丈が高い草なのに、花は地面に咲かせるなんて不思議。足元に咲くからには、這うタイプの虫が受粉するんだろうきっと。

そして、この花のつぼみ状態のものがミョウガなので、花を摘んでみると、

下のほうはミョウガです。なんとも不思議な感じ。花が咲く前のものを食べるのが一番おいしいですが、これくらいなら咲いていても食べれるようです。ミョウガは薬味として唯一無二の食材ですよね。

近くではアスパラガスの花も咲いていました。去年、アスパラの真っ赤な実は見たけれど、花は初めて見たような気がする。花だと言われないと気づかないほど小さくて地味。

サイズ的にはオオバタケシマランあたりのメンダコ型の花と同じかもしれない。可愛らしいと言いたいところだけど、野生で見るならともかく、畑で見ると、地味すぎて、それ以上の感想が出てこない。

このあと、野菜と一緒にカエルをお持ち帰りしてしまったようで、家の中で飛び跳ねていました。外に返してあげたいけれど、家の中で行方不明になってしまわれた…。そのうち出てきてくれるといいのですが…。

8月のまとめ

やはりいちばん苦手な真夏の8月は辛かったです。やっと8月が終わるというのに、9月上旬も最高気温30℃超え、最低気温20℃の日がちらほらある始末。

過去の道北のデータを見てもこんなことはかつてありませんでした。今年もシベリアやラスベガス、イラク、欧州など、各国で異常気象が報道されましたが、確実に日本を取り巻く気候もおかしくなっています。

森の中でも、確認できた範囲では、マイヅルソウ、ツクバネソウ、ヤマブドウ、チョウセンゴミシ、エゾイチゴなど、一部の植物の実りがかなり悪いように思えます。6月が不自然に寒かったせいで、虫媒による受粉に失敗したのかもしれません。

今年の冬はいったいどうなるのか。よもや道北でさえほとんど雪が降らない、といった異常に見舞われないか、今からとても心配です。

世界情勢は相変わらず混乱していますね。わたしは9月くらいに何か起こるんじゃないかと前に書いていましたが、もう予想は無意味だとわきまえ知りました。ただ辛抱強く次の展開を待つようにしたいです。

自然観察は、記事の文字数を見ると、5,6,7月がすべて8万字台だったのに、8月は5万字台まで落ちていて、調子の悪さが数字にも如実に現れました。それでも体調不良のわりには、かなり楽しめたほうではないでしょうか。

楽しみにしていたツルニンジンやサラシナショウマの花をバッチリ見れたこと、ハナイグチやタマゴタケを食べれたこと、3度目のヒグマを目撃して写真も撮れたこと、など楽しいこともたくさんありました。

来月は、上旬はまだ暑そうですが、さすがに中旬以降は秋めいてくるでしょう。わたしの好きな季節がやってきたら、できる限り外に出かけて、森の空気を楽しみたいと思います。

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2020年9月の道北暮らし自然観察日記
2020年9月の自然観察を中心とした日記帳

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投稿日2020.08.02