2020年9月の道北暮らし自然観察日記

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2020年8月の道北暮らし自然観察日記
2020年8月の自然観察を中心とした日記帳

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もくじ

2020/09/01火

今ごろ咲いていたセリの花

いつもの習慣で窓を開けたまま寝たせいで、今朝の寝覚めは最悪、非常に体がだるかった。10℃くらいまで冷え込む日に窓を開けたまま寝るのは自殺行為でした…。

多少寒くても、虫の音が聞こえるほうがリラックスできていいかな、と思ったのですが、気温変動を甘く見てはいけませんね。でも明日からまた最低気温が高くなるので調節が難しい。

体調は悪かったですが、ここ2日ほど最低気温が10℃付近まで下がったので、もしかしてハナイグチが出ているのでは?と期待してカラマツ林に出かけてみました。

まず、森の入り口の渓流沿いに見慣れない花を発見。どうもセリ科の花のようですが、背丈がとても低い…。これってもしやセリそのもの!?

セリという植物を見たことがなかったわたしは、春に咲いていたセリ科のセントウソウという花をセリと勘違いしましたが、葉っぱの形が全然違うと学びました。

セントウソウの葉は先っぽがギザギザに裂けますが、本家のセリの葉は、あまり細かく裂けません。同じセリ科の山菜のミツバが、別名「ミツバゼリ」と呼ばれるように、葉の形はミツバの葉とよく似ています。

今日見たこの花の葉っぱは、一枚一枚はたしかにミツバの葉っぱのような形です。ちぎって匂いを嗅いでみると、ミツバと同様、セリ科らしい爽やかな香りがしました。ドクゼリではなさそうなので、たぶんセリなのでしょう。

花の写真もアップで撮ってみましたが、とても長い雄しべが目立っていることからしても、やはりセリの花のように見えます。やがて雄しべが落ちて、雌しべの柱頭が長く突き出すらしい。

セリというと「春の七草」として有名なので、てっきり花も春に咲くと思っていました。だからこそ春に咲いていたセリ科セントウソウをセリだと勘違いしたのですが、意外にも、本家セリが咲くのは7から8月だそうです。

今は9月1日なので、微妙に花期がずれている気もしますが、他に候補らしき花が思い当たりません。てっきり道北にはないものかと思っていたのに、夏の終わりに、意外な場所でセリに遭遇するとは面白いものです。

ハナイグチがたくさん出てた!

さて、出かけてきた目的はハナイグチでしたが、森に入ってすぐ、入り口近くのポイントに、早くも大量のハナイグチを発見!

この場所はじつは、ちょうど1ヶ月ほど前の8月初めに今季初のハナイグチを発見した場所でもあります。やっぱりあのときのハナイグチは集団の中でも特にそそっかしい個体だったようだ。

カラマツ林のやぶの中の狭い場所なので、ちゃんと全体像を見れませんでしたが、もしかすると菌環(フェアリーサークル)状に生えていたのかもしれませんね。

写真にも写っているように、幼菌が大半でしたが、しっかり傘が開いたどらやき型のハナイグチが2つほどあったので、判別は容易でした。

傘の裏側を見ると、ひだはイグチらしいスポンジ状。色ははっきりとした黄色。そして、幼菌を見ると、膜状のつばの痕跡も明らか。石狩振興局のサイトの説明と照らし合わせても、ハナイグチであることは間違いなさそうです。

前回のときにも書いたように、ハナイグチと特に似ているキノコとしては、チチアワタケ、ヌメリイグチなどがありますが、しっかりつばが確認できるからチチアワタケではないし、柄の色や模様からヌメリイグチでもなさそうです。

どのみちこれらのキノコは、いずれもしっかり加熱して食べれば食用可なので、初心者にも比較的安全ですね。(チチアワタケは軽い中毒の例もあるそうだけど)

まだかなり小さいのは明日以降に残しておいて、そこそこ傘が開いたのを7本ほど収穫してきました。スライスしたじゃがいもと一緒に焼いたら、旨味が出て美味しかったです。

そういえば、森の中に、こんなにスパッときれいに割られたオニグルミの実が。

どうやら、ネズミは殻をかじって穴を開けるのに対し、リスは真っ二つに割るらしいので、これはシマリスかエゾリスが食べた跡なのでしょう。以前にカラマツの実のエビフライも見たし、やはりこの森にもリスはたくさんいるようです。

2020/09/03木

暑すぎて頭痛がひどい

植えてもいないのに、去年のこぼれ種から、庭にカボチャができました。

本日は最低気温で気象庁の統計ベスト10入りしているにもかかわらず、最高気温は31℃。道北らしい極端な寒暖差のため、自律神経がついていけず、頭痛がひどい。

(そういえば、去年もこの時期、非常に体調が悪かった記憶があるので、何かの花粉症かもしれない。去年は、ヨモギ・ブタクサを疑ったが、古い検査記録を見たところ、それらのアレルギーはないとのことだった。しかし他の何かのアレルギーではないかと思える)

でも、二日前に見つけたハナイグチの残りを採取したかったので、マツの人工林にでかけました。一度寒くなったからか虫はほとんどいないし、人工林とはいえ景色もすばらしいのですが…

いかんせん暑い。暑くてフラフラして、熱中症で倒れそうだったので、ハナイグチを探すだけにとどめて、すぐ帰ってきました。森林浴は体にいいけれど、暑くなければ、という条件付きだということを思い知りました。

肝心のお目当てハナイグチは、先日見かけた場所に15本くらい生えていたので、傘が少し開いているものを中心に10本弱採取してきました。暑すぎて朦朧としていたせいで、生えている姿を写真に撮るのを忘れたので、料理前に撮ったものを載せときます。

このあとお味噌汁の具にして美味しくいただきました。

今のところ、なぜかこのスポットだけハナイグチがたくさん沸いて出ているのみで、他のカラマツの根もとには1本だけしか見つかりませんでした。もっとやぶの中まで探せばきっとあるんでしょうけどね。

このスポットは、先月初頭にはもう生えていたくらいなので、そそっかしい早生のハナイグチが多めなのかもしれません。

帰り道、トドマツ林で見かけた黄色いまんじゅうのようなキノコ。いったい何の幼菌だろうか。図鑑をパラパラめくったところでは、こんな色をしているのはウコンハツ、キサマツモドキ、ヒメアンズタケあたりでしょうか? 幼菌の写真がないとわからない。

カタツムリ2匹。

ヤマブドウが不作な一方で、サルナシは豊作です。他の森でもこれくらい豊作なのだとしたら、ヒグマたちも好物にありつけそう。でも触ってみたら、まだ固くて食べごろまで一ヶ月くらいありそうでした。

ツルニンジンの花はもうすっかり消えてしまって、いくつか実ができているのみでした。さらっと見た限りでは、あれほど花が咲いていたのに、実はちょこっとしかなかったように思えました。

森の地面にびっしり生えていたゲンノショウコは、そろそろ花も終わりかけで、実になっていました。この不思議な形の実がピロピロっと剥けたら、ゲンノショウコの別名ミコシグサらしいお神輿っぽい姿になります。

せっかくだから、ゲンノショウコも少し摘んで帰って、干しておくことにしました。ものすごく暑くてフラフラだったけれど、ハナイグチをおかずにゲンノショウコのお茶も楽しめて幸せです。

この暑さは予報によると、なんとあと一週間も続く見込み、しかし新潟では40℃を記録したといいますし、沖縄・九州には猛烈な台風が迫っています。

もはや30℃が一週間続くことくらいささいなことなのかもしれません。道北はまだ、そこそこ普通の生活を営めていることに感謝すべきなのか。

2020/09/06日

家の前のネジバナは種に、森のネジバナは巨大に

あまりに暑くて、昨日と一昨日は家で作業していましたが、家にいるのも暑すぎるので、今日は森に出かけることにしました。

完全装備でなければ森はさほど暑くないはずだけど、気温が上がると虫が増えるので、完全装備が必要というジレンマ。

それでも、いくら真夏でも最高気温30℃の道北は、まだなんとか我慢できる範囲。自然の多いところでも、四国とか東京郊外に引っ越さなくてよかった。あっちはヤマビルもいるから尚のこと夏は森に入れなさそう。

さて、出かけるときに、ふと家の前の草地にネジバナが大量に群生していたことを思い出したので、見に行ってみました。一ヶ月くらい前に、ざっと見渡した限りでも20本は優にありそうなほど生えていた場所。

7月ごろ、3本ほど並んで咲いていたことを日記に書きましたが、何のことはない、ちゃんと観察してみると、庭一帯に大量に生えていたのでした。

今日見に行くと、すっかり花は終わって、実ができていました。今まで花のシーズンにしか目を留めていなかったので、実を見るのは初めての経験。

他にも穂のような花や実をつけているヒメスイバなども混じっていましたが、ネジバナは花と同じように、実も螺旋状に巻いてついているので、すぐに判別できました。

大量に群生しているので、まだ花が咲き終わってすぐのものや、

実が膨らんですぐの、まだ青々としているもの。

実がついてからしばらく経って、枯れて茶色になっているものなど、様々な段階を観察できました。

この水気を失って茶色くなったものを、指でもぎとって、手のひらの上でつぶしてみると、中から種らしきものがたくさんこぼれてきました。20倍ルーペで撮って、やっと視認できるレベル。

詳しく観察しているサイトによると、0.3mmくらいの大きさらしいので、顕微鏡でないと観察できませんね。道端に雑草のように生えているとはいえ、さすがラン科の植物です。

こうして、ネジバナの実や種も見れて、今日もよい経験ができたと満足していたのですが、そのあと、森を歩いているときに、かなり奥のほうのキノコ地帯で、謎のピンク色の花を見かけました。

全体像を撮ると、どうしてもピントが合わなかったので、一枚目はぼけていますが…

草丈40cmくらいはあるでしょうか。今までに見たことがない珍しい花ではないかと思って近づきました。花も大きいので、前に見たオトメイヌゴマあたりを思い出しましたが…

よくよく見てみると、花が螺旋状に巻いている! 今回のは左巻き(S巻き)ですね。ということは、なんとネジバナだったのか!

去年も庭で大きめ(おそらく30cm弱)のネジバナを見かけて、妙に大きくて印象に残ったというのに、それをさらに上回るサイズ。

しかし、あまりに大きいから、「オオネジバナ」とでも名付けられたネジバナ亜種があるのか調べてみましたがありませんでした。その代わり、ネジバナの花穂は10~40cmになるという情報を発見。最大サイズのネジバナだったんですね。

サイズが大きいから、花も見応えがありました。ちょうど、同じ森で見かけた、オオヤマサギソウ(40~60cm)やエゾスズラン(30~60cm)などのラン科を観察しているのと同じ感覚で写真を撮れました。

ネジバナの花って、こんないかにもランの仲間らしい形をしていて、唇弁も白いフリル状になっていて、可愛らしい造形だったのだ、と初めて気づきました。いつもはねじ巻きが特徴に地味な花くらいにしか思っていなかったのに。

こちらの角度だと、側花弁が白っぽいネコ耳みたいになって愛らしい。

森の中では日光を求めて伸びるのか、ヨブスマソウやイタドリがやたらと巨大化するイメージがありますが、まさかネジバナもこんなに大きいとは。ネジバナの場合は日光は関係ないので、共生菌が元気なのだろうか。

色鮮やかで美しいヒメベニテングタケ

今日も暑いにもかかわらず、キノコをたくさん見かけました。相変わらず名前はほとんどわかっていませんが、メモ代わりに写真を残しておきます。暑くて虫がまた大量発生していたせいで、念入りに観察することはできませんでした。

まず、何をおいても記録しておきたいのがこのハイビスカスのような色合いと質感の派手なキノコ。おそらく、ヒメベニテングタケではないかと。

まず、色合いと形からして、タマゴタケに似ている感じもしますが、サイズがかなり小さめでした。高さは10cmくらいだったでしょうか。

小さいキノコなので、その場ではテングタケ科だとは思わず、とても色がきれいなキノコなので帰ったら名前を調べてみよう、という印象しかありませんでした。

しかし帰宅後、改めて写真を見てみると、混乱しました。

Google Lensで調べると、まず候補に出てきたのはヒイロベニヒダタケでしたが、写真のキノコは傘に条線があり、柄につばがついているので、色合いはともかく形状が合いません。

次の候補は、タマゴタケとベニテングタケ。言われてみれば、写真だとサイズ感がわからないため、タマゴタケに似ているように感じてしまう。しかしサイズはタマゴタケの2分の1以下だったように思います。

調べるうちに候補に出てきたのが、ヒメベニテングタケ。手持ちの北海道キノコ図鑑には載っていませんでしたが、ネット情報によると北海道にも分布しているらしい。

ヒメベニテングタケなら、無印ベニテングタケと同様、傘にイボイボがあるか、その痕跡が残っているはずです。しかし無印ベニテングタケのようなはっきりした白いイボイボではなく、傘と同じような色の鱗片だとされていました。

言われてみると、確かに上の写真の1枚目では、傘の中央付近にうろこ状の模様があります。もしタマゴタケならもっとツルリとしたスベスベ肌なので、やはりこれはヒメベニテングタケではないだろうか。

ヒメベニテングタケは学名はAmanita rubrovolvataというそうですが、それで英語のサイトの写真を調べたら、今日撮った写真と酷似しているので、これに関しては間違いないでしょう。

それにしても、ヒメベニテングタケは、写真だけで見ると、時々、非常にタマゴタケに似ているように見えるものがありますね。しかも毒キノコなので、タマゴタケと間違えて採る危険がありそうに思う。

それでも、タマゴタケ関連の記事で、全然、区別すべき毒キノコとして挙げられているのを見ないのは、キノコ採り名人が実物を見れば、サイズ的に違いが明らかで、区別するまでもないからなのかもしれません。

でも、わたしみたいなキノコ狩り素人は、サイズ感のイメージがそこまで確立されていないので、多少小さくても、似ている要注意キノコとして書いておいてくれたほうが安心できるのに、と思いました。

今後タマゴタケを採る時には、最重要の区別として猛毒タマゴタケモドキ、次いでベニテングタケとヒメベニテングタケとの区別を忘れないようにしたいものです。

キノコ観察をしはじめて、傘の裏側はもちろん大きさも大事だと気づいたので、もう少し涼しくなって本格的に観察できるようになったら、ものさしと置き鏡を持ち歩くようにしたほうがいいかもしれませんね。

それだけでなく、地上に生えていたか、樹木から生えていたか、広葉樹林か針葉樹林か、何科の樹木だったか、あたりまでしっかり観察しないと同定が難しい。もはや推理小説の域なので、手がかりは多いに越したことはない。

昔のわたしも含め、まず樹木の種類すらわからない人が大半だと思いますが、木がわからなければキノコはわからない。先に樹木を見分けられるようになっていることは大前提。

難易度でいえば、

花 ☆
花のない時期の草 ☆☆
樹木 ☆☆
イネ科 ☆☆☆
シダ ☆☆☆
コケ・藻類 ☆☆☆☆
キノコ・地衣類 ☆☆☆☆☆

という感じで難易度が上がっていく気がする。まだ☆3つでさえ敷居の高さを感じているというのに、星4つや5つに太刀打ちできるようになるのはいつになることか。

その他のキノコいろいろ

そのほかのキノコたち。

今日、森の入り口の湿地帯でたくさん見かけたキノコ。よくあるタイプだと思うのだけどわからない。改めて写真で見ると、ツルタケにも似ている感があるけれど、実物のサイズはそんなに大きくなく、薄くて弱々しかったので違うはず。

近くに傘が十分開く前っぽい個体もあったけれど、形状からしても、下につぼがないことからしてもツルタケではない。

次のは非常に小型のキノコで指2本ぶんくらいの高さしかなった。ワタカラカサタケの幼菌か? 傘の表面が割れる前で、つばも脱落する前?

しかし傘の中央部分が白一色なのか気にかかる。そういう個体もあるそうだけど、ネット画像だとコナカラカサタケモドキにも似ている。しかしモドキというのに、無印コナカラカサタケがわからない謎。

次のは切り株に生えていたものですが、おなじみのイヌセンボンタケか。

これも切り株に群生して生えていたもの。クヌギタケ属の何かだろうか。ネットで絵合わせしたところではアクニオイタケが近い?

森に出かけるたびにけっこう頻繁に見る、オレンジ色の耳状のキノコ。写真一枚しか載せませんが、大量にありました。前にも調べたとおり、おそらくニカワジョウゴタケか。(海外ではアプリコットジェリーと呼ばれているっぽい)

針葉樹林の地上に発生するとのことで、確かに条件は一致。ブログで食べている人がいたけれど、図鑑によって食べれるかどうか表記に違いがあるらしく、今のレベルでは尻込みせざるをえない。

次のは、妙にささくれがひどくなっているけれど、ドクツルタケの老菌?

ボロボロになってはいるけれど、テングタケ科の形と、服についているジャボのようなつば、そして柄の独特のささくれは確認できます。

チチタケっぽい雰囲気のキノコ。それっぽいことまではわかるようになってきたが自信が持てないから食べられない。

柄は上から下まで同じ太さ、柄の色は傘の色より少し薄い、と一応チチタケの条件は満たしている気がする。今後こそひだから乳液が出るか試してみたかったが、虫だらけでゆっくり立ち止まって観察する余裕がありませんでした。

木の根もとに何本か密集していいた、傘の表面が亀の甲羅のようにひび割れていて、傘が開いていないキノコ。柄もささくれが強くて特徴的。

いかにもわかりやすそうなキノコだったので調べてみましたが、今ひとつ同定できず。おそらく菌類が感染して奇形になってしまったタケリタケでしょうか。

次の写真のキノコは、いかにもベニタケ科の〇〇ハツという名前がついてそうな反り返った形状。傘の縁の模様がとても目立ったので、もしかしたら名前がわかるかもと思って写真に撮りました。

軽く絵合わせ程度に調べた感じでは、こういう縁の模様になるのは、オキナクサハツというキノコらしい。しかし、オキナクサハツは、柄に特徴があって、褐色の地に、黒っぽい点々があるとのこと。

褐色の地までは合っているけれど、これって斑点がある? あるようにも見えるし、単に柄の細かい凹凸が影になっているようにも見える…。このへんが実物を手元で観察しないとわからない部分ですね。

もしオキナクサハツではなかった場合、傘の模様がこんなふうに割れるキノコが他にあるのかどうかはわからない。

次の写真はすぐに判別できるのはホウキタケの仲間だということ。左に写っている黄色っぽい塊は、ヒナアンズタケの幼菌にように見える。

ホウキタケの種類が全然見分けがつきませんが、例えばヒメホウキタケなどはトドマツやトウヒ林に発生するらしく、ヒナアンズタケもトドマツ林内に発生するので、この二種類が並んで生えていても不思議ではなさそう。下の写真もすぐ近くに生えていたホウキタケっぽいもの。

いかにも特徴的でわかりやすそうなキノコなのに、全然わからない大きめのキノコ。傘がなめらかで条線がないのが特徴か。経験を積めばもこういうキノコが何物なのかわかるようになるかもしれない。

初めて見かけたミズヒキの花

暑さと虫に追われながらも、それなりに楽しんで歌いながら森の中を歩いていたら、前にハエドクソウを見かけたあたりに到達。もうすっかりハエドクソウは実になってしまっていたのだけど、その近くに見慣れない花が。

長い花穂に小さな花が点々とついている外見から、まずハエドクソウかと思ったけれど、ハエドクソウのようなギザギザした縁取りのシソっぽい葉っぱではない。

そうか、ならヌスビトハギあたりかな、考え直して、もう一度葉を見るけれど、三昧セットのハギの葉でもない。

はたと葉をじっくり観察すると…

なんだこの不思議な模様の入った葉っぱ。どの葉にもこのV字型の模様があるのを確認するに及んで、どうやらわたしの知らない未知な植物だと気づきました。最近新しい花を全然見かけないものだから、未知との遭遇はわくわくします。

何よりまず、せっかく花があるんだから、花の特徴を調べるべきなのですが、咲いているのか咲いていないのかわくわからないつぼみ状の花ばかりで、あまり手がかりになりません。じっくり見ようにも虫が大量にたかってくるし。

それでもまあ、全身フル装備なので、虫の猛攻に耐えつつ、できる限り観察して、写真に撮ってきました。それを手がかりにGoogle Lensで調べましたが、イヌタデとか出てくるだけ。やはり完全な花の写真がないと難しいのか。

そう思っていた矢先、候補にミズヒキなる植物が出てきたことに気づく。キンミズヒキなら知っているけれど、まさか無印ミズヒキがこれなんてことある?

調べてみたら、見事に葉の模様が一致。ミズヒキだとわかりました。この模様がない種類もあるようですが、今回は模様があったおかげで同定が楽でした。

そういえば、キンミズヒキを調べたときに、キンミズヒキはバラ科だけれど、無印ミズヒキはタデ科の全然違う植物だと書いた覚えが。まさか無印のほうにも出会えるとは、そのときは思いもしませんでした。

そのときの日記を読み返してみたら、どこ情報かしらないけれど、「もともと、花穂を水引に見立てたタデ科のミズヒキという花があり、キンミズヒキの花はそれに似ている」なんて書いていましたが、実物を見ると、どこが似ているのかまったくわかりません。

ミズヒキの花は、今日見た状態はつぼみらしく、ちゃんと四弁の花らしい形に開花するようです。それでもキンミズヒキの花とは比べ物にならないくらい小さく、ハエドクソウとかヌスビトハギのほうがよほど似ていると思います。

いずれまた花が咲いたところを見てみたい気もするけれど、広い森の中で、たまたま一箇所に咲いているのを見つけただけなので、再発見できるかどうかは怪しい。全然珍しい花ではなく道端に咲くそうなので、また違う場所で花を見ることになりそう。

黒光りするウダイカンバに心躍る

森を歩いているとき、ふと木立の奥の黒光りする樹木に目が留まりました。

他の樹木とは明らかに異なる包帯をグルグル巻きにしたような横向き線が連なる樹皮。黒光りする木肌。間違いなくウダイカンバ!

北海道にはシラカバに代表される横線の樹皮が特徴的なカバノキ科の樹木がいくつかあります。オーソドックスなシラカバ、少し標高の高い場所にあるダケカンバ、そして森の奥に多いこのウダイカンバ。

ダケカンバは赤みがかった樹皮が、ウダイカンバは黒みがかった樹皮が特徴ですが、こんなクロガネのように黒光りするウダイカンバはそうそう見かけたことがないので、かっこよくて見惚れてしまいました。

ズームで撮ると、葉っぱがハート型にくぼんでいるのがわかるので、葉の形からもウダイカンバだとわかります。シラカンバやダケカンバの葉は三角形で、ハートのようなくぼみがありません。

ウダイカンバは別名マカバ、アイヌ語でも真のカンバの木と呼ばれ、高品質な木材は広く利用されてきました。この立派な黒光りする木を見れば、真のカンバと呼ばれるのもわかるというものです。

森の中を歩いて、いろいろな樹木を見分けられるようになってくると、それぞれに親しみがわいて、季節ごとに会いに行くのが楽しみになりますね。

以下はそのほかに見たもの。

まずおなじみトリカブトの花。ですが、じつはこの森で見かけるのは初めてだったりします。森の中の遊歩道脇に、たった2株だけひっそりと咲いていました。きっと道なき道に入っていけば、あちこちに咲いているんでしょう。

かなりパンパンに膨らんだエゾスズランの実。妙に柱頭が長く残っているような気もしますが、それ以外は他の場所で見たエゾスズランの実と同じ形状をしているので、合っていると思うのですが…。

前に見つけた笹魚を再発見。2週間前に見たときより、もっと色が黒くなって彼かけています。触ってみたら、見た目と違ってぶよぶよしていて、中に虫が棲んでいるんだと思うと、なんだか気持ち悪かった…。虫には悪いけど。

チョウセンゴミシの実はかなり色づいてきました。赤みを増してきたせいか、今まで気づかなかったような場所にも実がなっているのがわかりました。全体的にかなり不作っぽいけれど、わたしが味見するぶんには問題なさそう。

森の出口の風景。とても清涼感のある清々しい景色でした。暑かったですが、今日も森に出かけてよかったです。

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アルバム整理しました

9月に入ったので2020夏のアルバムを更新終了し、秋のアルバムを作成しました。

夏のアルバムは6月から8月の夏季に撮った写真にキャプションをつけ、厳選して収録しましたが、あまりの数の多さのせいで、かなり時間がかかってしまいました。

自然観察については、まだまだわからないことだらけ、やりたいけれどできていないことだらけ、という印象なのですが、写真の整理を通して、経験した分量を思い返すと、我ながら頑張ったという気になります。

以前のアルバムでは、写真の順番も同じ植物ごとなどに並び替えしていましたが、今回の分量では無理そうなので、時系列順そのままになっています。

去年の夏はほとんど自然観察できませんでしたから、実質、初めての夏のようなものでした。見知らぬ生き物との心躍る出会いばかりで、暑さや虫の多さもそれほど苦にならず楽しめたと思います。今となってはどの写真もよい思い出です。

夏のアルバム(2020年6月~8月)
2020年の夏に撮った、道北の身近な自然の写真アルバムです。

新しく作った2020秋のアルバムは、9月から11月にかけて更新の予定です。気温的には9月に入ってもまだ真夏なのですが、今週末から急激に冷え込むと思われるので、すぐ秋めいてくるでしょう。

秋のアルバム(2020年9月~11月)
2020年の秋に撮った、道北の身近な自然の写真アルバムです。

2020/09/07月

水辺のススキとカンガレイをじっくり見た

昼間は家にいると暑すぎて、だからといってクーラーをかけるのも嫌なので、公園に出かけてビデオ会議に参加しましたが、やはり暑すぎて熱中症になりそうでした。

公園の池のまわりを散歩していると、水辺にススキらしき植物の穂を見つけたので、近づいて観察してみることにしました。じっくり調べてみるまでは、本当にススキなのかわからない。もしかするとオギかもしれない。

乾燥した山地に生えるのはススキのみですが、水気のある場所ならオギとススキのどちらも生えている可能性があるそうです。今回は池のそばなので区別が必要。

はっきりと区別するには、ルーペで花穂の先を拡大するしかありません。花の先端にノギ(芒)という鱗片の突起があればススキ。ノギがなければオギです。(ややこしい)

明らかにノギらしき棒がついているのでススキのようですね。ほかにもススキとオギの違いはいくつかあるらしいですが、一番見分けやすいのがこのポイントでしょうね。

近くまで見に行けないような場所に生えているなら、叢生(まとまって生えている)かどうかといった外見から推理しないといけませんが。

これまで植物に全然興味がなかったわたしでも、秋の白い穂のイネ科といえばススキ、というくらいは知っていましたが、よくよく調べてみるとそんな単純ではなかったのでした。

イネ科は本当にややこしくて難しい。それから池のまわりを歩いていると、とても不思議な形をしたイネ科植物を発見。

似ているのばかりのイネ科でも、これくらいユニークな特徴があれば正体がわかるだろうと思って写真を撮ってきました。

剣のような葉っぱ?の中腹から、にょきっとハリネズミみたいなのが突き出てている…。

植物って見れば見るほど変な形のものが見つかるけれど、これはまた最近見た中ではとびっきりおかしな形。

帰ってGoogle Lens先生で調べてみると、すぐ判明。どうやらカンガレイという名前のようです。寒ブリとか寒ヒラメの仲間の海の幸? 姿も変だが名前も変だ。

よくよく由来を調べてみたら、この草はイネ科ではなくカヤツリグサ科のイグサの仲間で、カンガレイを漢字で書くと「寒」い時期に「枯」れた茎が残る「藺」草、というネーミングだそうです。

類似した種にサンカクイというのがあって、そちらは三角の藺草の意味。花の柄があるかないかで見分けられるそうですが、今日見たのは柄がないように見えたのでカンガレイのほうで合ってるのかな?

茎のハリネズミが突き出している部分より上にある、剣みたいな形をしたものは、茎の延長ではなく苞葉だそうです、昔の人は、サンカクイにもあるこの苞葉をサギの尻刺しに見立てたのだとか。

さて、この奇妙な形の茶色いハリネズミというかドリルの集まりみたいなもの。

これはカンガレイの花にあたる、小穂と呼ばれるもの。葉っぱは退化して鱗片状になっており、一本だけの茎から直接花が突き出しています。

ネット上の写真を見ると、最初はトウモロコシの雌花みたいに、緑色で白いひげが出ているようです。それが熟すと茶色くなるということなので、今日見たのは、もう花が咲き終わって実になった姿のようですね。

今年は全然観察できなかった水辺の植物やイネ科とカヤツリグサ科。まだまだ不思議なことだらけだよ、という一端を垣間見させてもらった気分になりました。1年ほど自然観察したといっても、まだ一歩を踏み出したくらいにすぎません。

公園には、ものすごくたくさん実をつけたシナノキも数本ありました。遠くから見ると、苞と実の色が目立ちすぎて異彩を放っていました。

同じ公園のイヌエンジュは、花さえ咲かせない不作ですが、シナノキは豊作。今年は7月は冷夏、8月からいきなり猛暑になりましたが、それがこれらの樹種の明暗を分けたのだろうか…? 森の植物も豊作不作の差が激しい気がします。

2020/09/08火

砂利に生える雑草コニシキソウ

今日は先日に引き続き、歯医者のために都市部へ遠征。ついでに建物のメンテナンスなどの仕事も少しこなしてきました。

幸いなことに、道北地方は、東京発端のコロナ第二波も無事に乗り切ったようです。Go Toキャンペーンの旅行者や、お盆の時期の帰省者由来の初感染者が出るのではないかと戦々恐々としていましたが、2週間経っても音沙汰ないので大丈夫そうです。

それでも、歯医者は厳戒態勢でしたし、人々は車の中でさえマスクをつけているのを見かけます。いまだに士別市以北で感染者ゼロなのは、人口密度が低い地方であるのはもちろんのこと、一人ひとりのこうした頑張りが実を結んでいるのでしょうね。

相変わらず気温は30℃を超える酷暑で、車を運転していても暑いし、車を降りて屋外を歩いているとさらに暑い。建物や駐車場の点検だけでもかなり疲れました。もともと大阪東京にいたころのわたしはどうやって生きていたんでしょうね。

ふと目に留まった駐車場の砂利の隙間から生えている草が、面白い葉っぱだったので、調べてみることにしました。どうやら、ニシキソウという植物の仲間のようです。

ニシキソウの名の由来は、茎の赤色と葉の緑のコントラストにちなんで「二色草」と呼ばれたことから。美しい「錦」に例えたという説もあるそうですが、特段珍しくもない小さな草にそこまで美を見出すとは考えにくい気がします。

ニシキソウの仲間には、外来種のオオニシキソウ、コニシキソウ、シマニシキソウ、ハイニシキソウなどがあるそうですが、シマニシキソウは西日本以下に分布しているらしいので除外。オオニシキソウ、ハイニシキソウも北海道にはなさそう。

最も多いとされる外来種のコニシキソウは、葉に赤色の斑が入っていることが多いそうで、今回見たものとは異なっています。

ニシキソウの仲間の見分け方を詳しく解説したサイトによると、葉に斑が入っていない場合もあるとのことで、実に毛がなく、茎もほぼ無毛であれば無印ニシキソウだとのことですが…

ルーペを持っていなかったので、これくらいの倍率が限度。さて、毛が生えているのかいないのか。茎は少し毛が生えているように見えますが、ニシキソウも多少は生えているらしいから区別できない。

と思ってさらに調べてみたら、在来種であるニシキソウは北海道以外の全国に分布しているのに対し、外来種のコニシキソウは北海道含む全域に分布しているとの情報が。

ということは、コニシキソウの斑なしタイプでしょうか。どちらにしても北海道にとっては外来種ですが、広がりが早いのはコニシキソウで間違いないでしょうから、道北に生えているのもそちらでしょう。

今回見たものは、場所的にもう二度と観察する機会はないでしょうが、ニシキソウの仲間は雑草として家のまわりにもたくさん生えているはずなので、今度見かけたら、実に毛が生えているか確かめたいと思います。

2020/09/09水

やっと夏が終わる

朗報。たぶん今日で、今年の夏も終わりです。

先月、早くも秋が来たかと思ったら、まさかの夏本番が9月にやってくるという予想外の展開にしてやられましたが、今度こそ終わるはず。

天気予報によれば、明日以降、最高気温は20℃前後になり、ぶり返しも見られません。まさか9月下旬に30℃に戻るなんてことは、いくら異常気象でもないでしょう。地球の公転運動までおかしくなっているわけじゃないし。

それにしても、今日まで真夏。明日からいきなり秋という極端な気候。

世間ではアメリカコロラド州デンバーで、37℃から2℃に急変したという異常気象がニュースになっていましたが、最高気温30℃から、いきなり最高気温一桁まで急変する道北もなかなかです。道北の場合はいつものことですが。

そんな今年の夏最終日と思しき今日は、友達数人とビデオ通話しているときに、面白い話を聞きました。

まず、ある友人は、家の前ではじめてトカゲを見たとのこと。かなり尾が長かったというので、とっさに、カナヘビでは?と反応してニホンカナヘビの写真を見せてみましたが、どうも似ているけれど違うらしい。

かといって、イモリやヤモリは北海道にはいないはずだし、別にしっぽも長くない。さすがにエゾサンショウウオを見間違えたわけでもないだろうし…。

調べてみたら、ニホントカゲの亜種、ヒガシニホントカゲというものが北海道にもいるらしい。画像検索して見てもらうと、確かにこれだ!とのことでした。そんな生き物がこのあたりにもいるんですねー。

もう一人の友人は、飼い猫が先日、耳としっぽのないネズミを仕留めて持ってきたとのこと。でもネズミは生きていて、ひとしきり家の中を元気に走り回った後で、屋外へと消えていったそうです。

それを聞いて、またもや咄嗟に、モグラの仲間のトガリネズミじゃないの?と言うわたし。自分で見たこともないくせに存在を知っているのは、いつぞやに調べたうちの自治体の植生調査資料のおかげです。それに生き物バージョンも軽く目を通したので。

画像検索でトガリネズミを見せたら、確かに顔はこれだけど、しっぽの有無が違うということでした。たまたましっぽがないトガリネズミだったのか、それとも別の種類の何科なのか…。いろいろ知らない生物が潜んでいるものですね。

ちなみにその調査資料によると、うちの地域に棲んでいるトガリネズミは、カラフトヒメトガリネズミ、エゾトガリネズミ、オオアシトガリネズミの三種らしい。

そのほか、ネズミは、ミカドネズミ、エゾヤチネズミ、エゾアカネズミ、カラフトアカネズミ、ヒメネズミ、ハツカネズミ、ドブネズミ、クマネズミあたりがいるそうです。どれも全然見分けられませんけれどね。

道北は野生動物がとても多い地域とはいえ、そんなに頻繁に見かけるものではありません。存在は知っていても、見たことのない動物はたくさんいます。ヒグマを見たことのない人も多いし、わたしはモモンガの巣の場所は知っていても、本体を見かけたことはない。

だから、こんなふうに、思いがけず人目に触れる場所に動物が現れると、驚きや感動をもってつい誰かに話したくなるもの。

野生動物のうち、哺乳類、爬虫類、両生類あたりは種類もかなり少ないので、そんなに見分けるのも難しくない。ややこしいのはカナヘビは蛇ではなく、トガリネズミは鼠ではない、といったことくらい。

わたしももっと、野生動物の気配に敏感になって、一度はそうした身近にいる生き物を目にしてみたいものです。

少し公園に立ち寄って見かけたもの。

ネグンドカエデの実。

その同じネグンドカエデの葉についていた、謎の虫のタマゴらしきもの。

ニオイヒバの実。冬になると茶色くなって、折り紙のバラの花のような形に割れている姿を目にしますが、今はまだ種を飛ばす前の段階ですね。

2020/09/10木

今冬はラニーニャらしい

予報どおり、道北もようやく涼しさが戻ってきました。今回は、向こう10日程度の予報によると、再度暑さが揺り戻すことはなさそうです。

せっかく涼しくなったのに、今日はビデオ会議が2つ入っていたし、明日は農家のお手伝いということで、森に出かけての自然観察は土曜になりそうです。涼しくなってから二、三日経ったほうがキノコが出ているはずだから、まあいいか。

ニュースによると、ラニーニャ現象の発生が確認されたとかで、今冬は冷え込みが厳しくなるという予想も。

前回発生したのは2017年の冬、つまりわたしが引っ越してくる前年だったので、どの程度影響があるのかは未経験です。統計を見る限りは、北海道は気温は低めか並、降水量は少なめの可能性が高いか。また雪が少ないとしたら残念。

今年ここまで、自然観察日記はそこそこ好調な一方、記事を書いたり、絵を描いたりといった従来の創作は、全然やる気が出ません。本も読めていない。やっぱりもうかつてのような能力は戻らないのかな、と思います。

あのころは、慢性疲労症候群という必要に駆られていたから本を読み、記事を書いて考察する必要があった。どこにも居場所がなかったから創作する必要があった。

でも今や、体調は小康状態になり、森に自分の居場所を見出したので、創作も考察も読書も必要がなくなってしまった。森に出かける楽しみはあれど、それ以外はどうでもよくなってしまった。

また、わたしはもともと他人に期待しないタイプですが、コロナを契機に、以前にも増して、人間社会への忌避や厭世観が強くなってしまった。何かを成し遂げようとしても無駄だという虚無を感じてしまいます。

特にこの世界で実現したい夢や期待は無いから、余生を楽しく森と自然の中で過ごせたらいいな、という気持ちだけで、何もやる気が起きないです。

苦労して何かを新しく創り出すことに何の意味があるというのか。いずれ消えるものに時間をかけるより、森を歩いて、知らないものに触れて、ただ今という瞬間を味わうことができたら、それでいい。

知識や研究はむなしい。確かなのは今ここにある感覚だけ。デカルトの「我思う、故に我あり」は間違いだと現代科学で証明されていて、正確には「我感じる、故の我あり」なのだから。

知識偏重の人生から、いきなり感覚偏重の人生に鞍替えしてしまって、自分でもひどく極端だとは思うのですが、今の正直な感じ方がこれなのだから仕方ない。いつかもう少しバランスの取れるときがやってくるのだろうか…。

2020/09/11土

冬の保存食ビン詰めトマトを作った

今年は友人の畑でトマトが豊作だったので、ビン詰めの保存食にしました。今年は変な気候のせいで、森でも畑でも、豊作と不作の作物の差が激しいのかも。

トマトの種類は2種類。サンマルツァーノという煮込むと甘みが出る料理用のトマトと、料理用だけど生で食べても美味しいシシリアンルージュ。

トマトは水分が多いので、2つに切って煮込むだけで、水を加えなくてもスープ状になります。トマト100%のスープはすばらしいうまみ。

ビンを煮沸消毒したり、ビン詰めにした後に蓋を少し緩めて加熱することで空気抜きして真空にしたりと、実用的な知恵をたくさん教わりました。

トマトを入れたビンを煮沸すると、蓋の隙間から空気がポコポコと出てきますが、あまりたくさん出すぎないように微調整しながら加熱。

最後にあつあつになったビンを冷ますと、蓋の中央が心なしか凹むので、内側が真空パックされたことが確認できます。

これが冬の保存食。涼しいところに保管しておいて、ひとつずつ蓋を開けては、さまざまな料理に使えるといいます。去年の冬、ひのトマトソースで作ったラザニアをいただいたけれど、絶品でした。

ハマナスのローズヒップもまた新しく摘んできました。かなり傷んでいるのが多くて、ジャムにはできそうにないので、お茶にして飲みます。

ローズヒップのお茶はビタミンCっぽい酸味が特徴。でもわたしは酸っぱいのが少し苦手なので、てんさい糖を入れて飲みますが。

夕焼けもとてもきれいでした。

2020/09/12土

マムシグサやツルリンドウが色づき、カラハナソウ咲く

やっと久しぶりに森に出かけることができました。昨日あたりから涼しくなったので、ハナイグチなど食用キノコが出ていることを期待しつつ。

道中で見かけたマムシグサの実、今年も毒々しく色づきましたね(笑)

森に入ってみると、とても涼しく爽やかでした。虫もほとんどいなくなっています。でも、途中で、地面付近を低空飛行しているスズメバチを見かけたので、まだまだ顔網は必須。油断するとひどい目に遭いそうです。

ふと地面を見ると、赤や黄の色とりどりの落葉。サクラやシラカバあたりの葉がすでに落ちはじめているようです。

森の入り口に実っている貧相なヤマブドウの実。ようやく色づいてはきましたが、触ってみるとまだ固いし、熟す前にボロボロになってしまいそう。今年のヤマブドウはひどく不作ですね。

やはり入り口の付近に咲いていたツルリンドウは、真っ赤な実になっていました。思えば去年は、この段階になってから初めてツルリンドウを発見したんでしたね。

去年の真冬にも青々としているのを見かけたこの謎のコケ。トドマツの樹皮にマンジュウのような塊になってくっついていました。

調べてみたら、その名もダンゴゴケとかキビマダンゴゴケというものがあるそうですが、これは違うものかな? せめてルーペで観察してくるべきだったな。

あれだけ開花を楽しみにしていたサラシナショウマは、いつの間にか花が散って実に。

トリカブトとかレイジンソウを思わせる形の、小さな豆やトウガラシのような実ですね。

何度も撮っては写真を載せているマイヅルソウ。今年はあまり見かけませんが、宝石のような実があまりにつややかで美しいので、ついつい、毎回写真に撮ってしまいます。

去年もたくさん花を見かけたカラハナソウ。同じ場所に今年も群生していました。

またもや今まで見たことのない場所でトリカブトの株を発見。意外とあちこちで見かけるだけに山菜シーズンは誤食に注意。

逃げ出す哺乳類、固まる両生類

森に向かう途中、道のど真ん中に立ち止まっているシマリスを見かけましたが、スマホに望遠レンズを装着するのに手間取ってしまって写真には撮れませんでした…。やはり常に装着しておかないとダメだ。

その後、森の中で、クマイザサに巻き付いているカラハナソウの葉を見かけて、もしかすると花が咲いているかな、と思って近づくと、突然、ガサッという大きな音がして、びっくりして飛び退く。まさか野生動物と遭遇?と焦りましたが…

どうやら、葉っぱの上の大きなカエルがたてた物音だったようです。5cmは超えているだろうの大きさで、このあたりで見かけるカエルの中ではビッグ。しかもこの体色、今まで見たことがない。いったい何者?

道北にはそもそもニホンアマガエルとエゾアカガエルしかいないはず。後で調べたところでは、体色が変化している迷彩色タイプのアマガエルのようでした。初めて見た気がします。

そのあと、別の場所で、エゾアカガエルらしきカエルも撮ることができました。撮るだけなら、そのへんにいくらでもいますが、葉っぱを抱きかかえるように静止して可愛かったもので。

どちらのカエルにしても、いったん動きを止めると、こちらがカメラを至近距離まで近づけても全然逃げようとしませんね。

リスやクマなどの哺乳類が、常に動いていて、すぐに逃げ出すのと対象的。ポリヴェーガル理論でいうところの、哺乳類で優位な逃走反応と、両生類や爬虫類で優位な固まり反応との違いを実地で観察しているんだなぁと思い、感慨深かったです。

見つけたキノコ

森に入って早速、先日ハナイグチを採った場所に行ってみましたが、一本も出ていませんでした。さすがに前回で採り尽くしてしまったのか…? 早生っぽいタイプの菌なのかもしれない。

その近所のカラマツ林も歩いてみましたが、こんな小さなハナイグチ幼菌っぽいのがひとつ生えていただけでした。つばもしっかり残っていて、とてもかわいい。

その代わりに、カラマツ林には、こんな白いキノコが大量発生していました。

そこそこよく見かけるタイプに思えますが、いったい何だろう?

そこからさらに進んだ先にある、このキノコも同じものだろうか?

図鑑で調べたら、絵合わせ程度ですが、ホテイシメジの可能性。確かに、どちらの写真でも、横から見ると、柄の下のほうが膨らんでいます。

ホテイシメジだとしたら、お酒を飲まない人にとっては食菌ですが、さすがにこんなお粗末な見立てでは食べることはできませんね。

その知覚に転がっていた謎のイグチ。。幼菌ですがねすでに根もとから折れてしまっていたので、手にとってみました。

カラマツ林に生えていて、傘の表は茶色っぽい色で、裏のスポンジ状の部分が白っぽいのってなんだろう? ヌメリイグチかシロヌメリイグチでししょうか?

幼菌にしては、スポンジ状の網目の孔が妙にはっきりしているので、アミタケっぽさも感じますが、つばがはっきり確認できるのでアミタケではありません。

幼菌だけれど、すでに地面から抜けて折れていた。せっかくだから持って帰ってきて、食べれそうなら食べてみればよかったが、そこまで頭が回らなかった。

そのあと、別のカラマツ林に差し掛かったところで、ハナイグチも次々と発見。

幼菌はほとんど見当たらず、傘が開ききっているのが多かった。傘の裏側が汚れすぎているものは泣く泣く捨てました。採りにきたのがおそすぎた感がありますね。タイミングが難しい

それでも、料理する時にしっかり塩水で虫出しして、スポンジ状の部分を切り取って、ジャガイモと一緒に焼いて食べたら弾力性のあるトゥルトゥルな食感が素晴らしかったです。

続いて見つけた、とても色鮮やかで美しいキノコ。見かけた場所はトドマツも多い場所だったので、サマツモドキでしょうか?

しかし、サマツモドキなら倒木や切り株から出ているはずなだけど、違うのだろうか…。

そういえば、前回キノコを観察したとき、サイズも記録しようと書いたのを思い出しましたが、ものさしを持っていない。できる限り持ち物は少なくしたいので、スマホの計測アプリで代用してみることにしました。

けっこうしっかりと測れます。多少誤差は出てしまうでしょうが、大まかな大きさを測れればいいから、この機能で十分なのでは? 8cmなら、サマツモドキとしては標準的な大きさといえそう。

その近くにあったノボリリュウタケ…? ではなくアシボソノボリリュウタケ。本家ノボリリュウタケに比べて小さいし、柄が裂けていないから別物だとわかります。食べれるかどうかは不明らしい。

次に見つけたのは、とても立派で美しいキノコ。ヒトヨタケの仲間でしょうか?

柄にささくれがあるから、ザラエノヒトヨタケか? と安直に考えましたが、図鑑に記載されているよりも、かなり大きいように思えます。学名Coprinopsis lagopusで調べると、そこそこ似ている写真もありますが…。

ヒトヨタケとは、一夜にしてドロドロに黒いインクのように溶けてしまう生態から名づけられたそうです。ザラエノヒトヨタケだとすると、この写真では円錐形に開いていますが、やがて反り返り、それから溶けるようです。

いまだに、ネット上の写真で見かけるような、溶けている真っ最中のヒトヨタケは見たことがありませんが、意識していないだけなのかも。せめてまずはヒトヨタケは見分けられるようになりたいけれど、これは本当にヒトヨタケだったのか…?

次に見つけたのは、アセタケ属とかイッポンシメジ属っぽい、中心が尖っているキノコ。たくさん群生していました。

シラカバ林で見かけたことだし、オオキヌハダトマヤタケ(ややこしい名前)の群生か? でもなんか傘の外周部の白っぽい縁取りが違うような気がするのだけど…。

アセタケの仲間は非常に種類を同定するのが難しいらしく、素人目にはそもそもアセタケなのかすら不明です。

次のはチチタケの幼生っぽいキノコだけど、柄が白いからチチタケではなさそうか。

ホコリタケ。写真に写っているとおり、奥の一本が折れていたので、指で胞子を飛ばして遊びました。

いつものベニタケ科の何か。

2020/09/13日

ジャガイモを埋めて越冬させる

越冬野菜にするために収穫して乾燥させたジャガイモを埋める方法を教えてもらいました。道北で越冬野菜といえば、和寒町の雪の下キャベツが有名ですが、地域に根付く知恵がとても勉強になります。

方法は、水が入って凍結しないように、地面に少し盛り土し、その上に網に入れたジャガイモを載せるそして、土の壁の厚さが20cmくらいになるように埋めていく。

最後に、雨が降って上から水が染み込むのを防ぐため、てっぺん部分にだけ、ビニールシートなどをかぶせる。ワラむしろなどでも良い。全体を覆うと通気性が悪くなるので、あくまでてっぺんだけ。飛ばないようにシートを固定しておく。

雪が降りはじめたら、埋もれても場所がわかるように、目印の棒などを立てておく。そして、冬場に食料がなくなったら、スノーシューなどを履いて一袋ずつ取り出して食べる。といった方法。

越冬野菜は、ジャガイモのほかに、キャベツ、大根、人参など、いろいろな野菜で試せるようなので、今後もやり方を見て教わりたいと思っています。(積雪寒冷地帯の越冬野菜と貯蔵法も参照)

そのあと枝豆の収穫。枝豆が実はダイズだったことも知らなかった。

よく見ると、理科の授業で習った根粒菌が根っこにたくさんついているのがわかります。つくづく学校で知識を教わるだけでは何の意味もないのを実感します。

大きくなりすぎたズッキーニ。

ベニバナインゲン(花豆)も収穫しました。先月見たモロッコインゲンも赤い花でしたが、こちらも赤い花が咲くいんげん豆。

パリパリに乾燥したさやを割ると、中から、まるで碁石のような白と黒と、マーブルのすべすべした豆が出てきました。およそ食べ物とは思えないさわり心地。

【気になったニュース】

なんか話題になっていたし、わたしもいつか自分の森がほしいなぁと思っていたので。

本当に覚悟してる? プライベートキャンプ場のための森林購入(田中淳夫) – 個人 – Yahoo!ニュース

言っていることはわからないでもないけれど、全然目的が違うから、ここに書いてあることがデメリットとはほとんど思いませんでした。

全然キャンプなんてしたくない。それよりも自分で自由に歩き回れる森があればいいという認識。かえってほとんど草刈りされていない森が好み。野生動物や虫対策なんて普段からしているし。

確かに草刈りされた道があったほうが入りやすいけれど、わたしが普段歩いている森でも、1年に一回、自治体が草刈りするだけで十分なので、個人でもやろうと思えば問題なさそう。

唯一気になったのは、土砂崩れで人の土地に迷惑をかけたら損害賠償になる、という話だけですね。それも道北の場合、森の立地によると思う。畑や道の真横でない森なんていくらでもあるので。

わたしの友人の中に、2人森を所有している人がいますが、何も手入れなんてやってないし、それでも山菜シーズンに入ってみると、ギョウジャニンニクがわんさか採れたりして実にすばらしいです。

かえって手入れをして草刈りなんてしたら、そこから侵略的外来種が入ってくるから、かえって最小限の道しか作らないほうがいいと思う。

そのうちの一人は、森持っているけれど、別に使わないから、ほしいんならあげるよ、と冗談なのか本気なのかわからないことを言ってくれるのですが…(笑)

まあ上の記事に書かれていたデメリットとは別に、わたし自身の体調や体力が常人レベルほどにないので、森を所有するとしたら、それが一番のネックでしょうね。

2020/09/14月

高級キノコの親戚ヤマドリタケモドキだろうか?

湿地帯のほうの森の入り口付近で見つけた、立派な太いキノコ。

下からのぞいてみると、なんとイグチの仲間だと判明。

大きさを計測したところ、こんな感じ。傘は8cmくらい、丈は15cmくらいありそうです。

調べてみたところ、どうやら、イタリアでポルチーニと呼ばれている高級食材キノコの仲間のヤマドリタケか、ヤマドリタケモドキのように思えます。

詳しいサイトによると、ヤマドリタケは傘に光沢があるのに対し、モドキのほうはビロード状で光沢が少ないとのことから、このキノコはモドキのほうかなと思います。

柄の網目模様に関しても、ヤマドリタケは模様が柄の上から途中までなのに対し、モドキは下から上までびっちりとついているそうですが、その点からもこの写真のキノコはヤマドリタケモドキに近いです。

近縁に有毒のドクヤマドリがありますが、そちらは柄が白っぽくてつるんとしているとのこと。今回のは柄に網目模様が確認できるのでドクヤマドリではないでしょう。

しかし、ヤマドリタケモドキにしては妙に黄色っぽい気もするので、もしかしたら、近縁種のキアシヤマドリタケというものなのかもしれない…。だとしたら、無印に比べて旨味がないそうです。

ヤマドリタケなるイグチとはこれがほぼ初対面で、全然詳しくないので、今回のはさすがに食べれるとしても手は出せませんでした。

もっと探索したかったけれど、とてもめずらしいことに、林業関係者の方が一人、仕事で来ていたので、もうひとつの森のほうに移動することにしました。

柄が髄状のナラタケ?

もう一つの森に到着して、獣道を歩いて奥まで入っていきます。森を整備するのだとしたら、これくらいの細い道だけでいいのにな、と思います。あまり広範囲に草刈りすると外来種に侵食されてしまう。

足元に見慣れない実のついた植物をたくさん見かけましたが、よく見てみると、この葉っぱはミツバですね。

随分長い間咲いているなと思っていましたが、ついに実を結んだようです。セリ科の花にしては地味だし、実はまるでイネ科の穂のような形なんですね。食べようと思えば、まだ葉っぱを摘むことは十分可能そうです。

特にあてもなく森にやってきて、何をしようかと迷いましたが、先日この森で見たヒトヨタケらしきキノコがどうなっているかを確認しに行ってみました。

すると、やはり、どこにも痕跡が見当たりません。ヒトヨタケの名のとおり、すでに溶けてしまったのでしょうか。それともわたしが見つけられなかっただけでしょうか。

その代わりに、途中の苔むした倒木から、ナラタケのようなキノコが大量に生えているのを見つけました。

この群生の仕方はいかにもナラタケだし、傘の中心に黒いささくれた粒点が確認できるし、傘の外周には条線もあります。

近づいて見てみると、柄につばがあるのも確認できました。いささか黒い粒点が不明瞭なものがあったり、柄のつばが消失したりしているものもありましたが、群生全体としてはナラタケで合っているだろう、と少し拝借して帰ったのですが…。

家に帰って、茎を折ってみたところ、内部が空洞になっている中空なのが引っかかりました。ナラタケは中実のはずだし、似ている毒キノコは茎が中空のことが多い…。

ナラタケと同じく食用になるナラタケモドキだと柄は中空ですが、その場合、柄につばがないはずなので謎。

ひとつでも怪しい点があれば、野生のキノコは食べないほうがいいので、泣く泣く諦めました。

ナラタケに類似した毒キノコとしては、猛毒のコレラタケや、ドクササコがあって、どちらも柄が中空なのが特徴のひとつ。

ドクササコは北海道では確認されていないし、傘の外周に条線もなく、朽木ではなく地上から生えるので区別は容易なはず。

問題はコレラタケで、なぜか北海道キノコ図鑑には載っていませんが、近年、砂川市で中毒が発生していました。

ごみやおがくずなどから生えることが多いものの、朽木からも発生するとのこと。傘は湿ると条線が現れますが、乾いていると条線が見えなくなるようです。今回のは普通に条線があったのでコレラタケではないはずだが…。

後でナラタケについての詳しい資料を見ると、どうやら、必ずしも柄は中実ではなく、種類によっては中空だったり(ヤチヒロヒダタケ、コバリナラタケ)、髄状だったりする(クロゲナラタケ)とされていました。

そう言われてみれば、今回のキノコは、中空ではなく髄状ですね。ということは、クロゲナラタケあたりの、柄が髄状になっているタイプだったのでしょうか?

だとしても、中央の黒い粒点が少なめだったので、確証に欠けてしまう。こういう時は、やはりもっと詳しい専門家の意見を仰ぎたくなりますね…。

でも慎重すぎるに越したことはないので、今回は食べなくてよかったと思います。何度も何度も繰り返し観察しているうちに、見分けられるようになってくるでしょうから、今回は「ナラタケっぽい」とわかっただけでよしとしよう。

山菜採りにしたってそうだけど、食べれるものの特徴を知るより、まず身近にある注意すべき毒をもったものを把握しておくほうが安心できるような気がします。そこそこ評価の高い「日本の毒キノコ」という図鑑を購入してみようかな。

タマゴタケを見つけたけれど老菌だった…

せっかく森に出かけてきたのはいいけれど、あまり体調がよくなかったせいで、いろいろと準備不足。厚手のインナーを着てきたせいで汗をかいてしまうし、キノコを採って入れる袋も忘れてしまった。

しまいに雨も降ってきたので、急いで帰ることにしましたが、森の曲がり角で、ひときわ鮮やかなキノコが視界に入りました。

タマゴタケだ!

はじめて見た成菌タマゴタケ。でも頻繁に図鑑などで目にしてきたので、すぐさま同定できます。間違いない。

とても美味しそうに見えたので、早速採ってみましたが…

裏返してみるとボロボロでした。1日か2日、採るのが遅かった感じ。ひだもズタボロだし、柄もダンダラ模様なのか傷みなのかわからないくらい傷だらけ。もう役目を終えて後は朽ちるばかりの老菌だったようです。

でも根もとから折ってしまったし、仕方ないので、まだ残っているかもしれない胞子を飛ばすのを手伝ってあげるべく、森を出るまで手に持って歩きました。

途中で見つけた、とても小さなホウキタケ。たぶんニカワホウキタケでしょう。

見た目はどこからどう見てもホウキタケの仲間なのですが、ホウキタケ属ではなく、アカキクラゲ科らしいです。同じような鮮やかなオレンジ色をした、さまざまな形のキノコが含まれている科のようです。

サイズはほんの数センチ。写真だけで見ると、ハナホウキタケにも似ていますが、そちらは高さ20cmくらいになるそうなので、大きさが全然違うんですね。

雨足が強くなってきたので、急いで帰るところでしたが、またチチタケの仲間らしいキノコも見つけました。環紋の模様がはっきり見えます。

下からのぞくと、チェダーチーズのような黄色っぽい色の柄とひだでした。 傘はキチチタケっぽいのに、柄の色が濃すぎる気もします。やっぱり同定は難しい。

2020/09/15火

秋らしくなってきた森

久しぶりに登山して湿原に行ってみました。そろそろ涼しくなってきたと思いましたが、19℃でも暑かったです。

登山道から見渡す景色は、すっかり秋らしくなってきました。おもにダケカンバが黄葉してすでに落葉しはじめています。ほかはヤマザクラ、オニグルミ、そして樹木ではないけれどイタドリなどが色づいています。

もう枯れゆく植物ばかりになって、見るべきものがほとんどないと感じてしまう登山道。その中で、ぎっしり実が詰まったサラシナショウマがひときわ目立っていました。

今の時期に探したい植物というと、シソ科のハーブのナギナタコウジュなのですが、いまだにどこに自生しているのか発見できていません。林道沿いなどにあると言われますが、9-10月に咲くらしい花を目印に探すしかありません。

とてもカラフルなバッタ!と思って写真を撮りまくりましたが、後から調べたら、前に見たヒメギスの色違いだとわかりました。ヒメギスの緑色タイプと茶色タイプ、両方いました。

登山道は秋になってクッションになる植物のかさが減ったせいなのか、夏よりもゴツゴツして歩きにくく感じました。湿原まで登ってもあまり見たいものがないので、来年の夏は近所の森歩きだけでいいかなと思ったり。

こんがり狐色の冬毛に生え変わってきたキタキツネも帰り道で見かけました。ほかにシマリスが横切るのも見たけれど、「あっリス!」と声を出したら驚いてすぐ逃げてしまいました(笑)

湿原で見かけた実り

湿原に到着すると、ヤマドリゼンマイの葉が黄金色に黄葉していました。シダも黄葉するのは知らなかった。

足元には目立たないけれど、ツルコケモモ(クランベリー)の実がたくさん。

エゾゴゼンタチバナの実は、おいしいからかほとんど野生動物に食べられてなくなっていましたが、ひとつだけ実がぎっしりついているのを見つけました。

オオバスノキ?か何かのツツジの仲間の実。ブルーベリーみたいに、先が割れて花瓶のような形になっているので、ツツジの仲間だとわかります。

近くで見るととてもかわいい。

黒く色づいた実もあったので、赤い実はまだ色づいている途中で、これから黒く熟していくのだとわかりました。

どれも食べれる実ばかりだと思いますが、残念ながら、湿原の植物は保護されているので味見できません。カラフトあたりではもっと身近に生えている収量の多い植物なのかもしれませんが、ここ道北では希少植物です。

ホソバナライシダなど、シダ植物いろいろ

登山道入り口で見かけたエゾフユノハナワラビ。

大きさも測定してみましたが、テングタケの仲間くらいの大きさですね。シダとしては極小。

メシダの仲間らしいシダ。後で詳しく調べて追記する予定。

ソーラスの膜が破れて、中の胞子嚢がむき出しになっていました。アップで撮るとちょっとグロテスク。

茎についている鱗片は、よくあるかつお節っぽい色。

次の写真は、今日初めて見分けることができたホソバナライシダ。ナライとは木曽の地名とのこと。三角形に分岐して張り出した葉っぱがとても目立ちます。

一番奥の羽片だけ極端に大きく、三出複葉のように見えるのが特徴。

裏のソーラスは見当たりませんでしたが、もっとたくさん葉をめくったら見つけられたのかな。

茎の下のほうにはかつお節っぽい鱗片がまばらについていたので、ホソバナライシダと同定する助けになりました。

こちらはオシダの仲間か?

上に遠景で写していた、黄葉したヤマドリゼンマイの葉。

登山道で見かけた名も知らぬキノコやテングタケなど

登山道で見かけたキノコ。去年はここでナラタケをわんさか見つけたのですが…。

しばらくこの地方では雨が降っていないのか、すっかり地面に生えているコケは乾燥していて、沼も干上がっていました。そのせいでキノコはほとんど見つからず、寂しい登山道でした。

まんじゅう型の何かのキノコの幼菌。何の種類かわからない。

黒光りしている焦げ茶色のキノコ。去年このあたりで食べれるシメジを教えてもらって採ったけれど、これももしかしてシメジの仲間…? 下に見えているひだ状の黒いのは別のキノコかな。

そのひだ状のキノコと同じものかもしれない、近くにあった黒いキノコ。一見、動物の糞に見えるような色だったので、触って詳しく調べようという気になれなかった…。

色だけならカラスタケ、エナガクロチャワンタケなどに似ているけれど、どういう構造なのかわからない。

ほかにもいつものベニタケの仲間らしいキノコがちらほらと生えていましたが、わたしの今の知識ではベニタケ類は全然見分けがつかないので、写真も撮らずにスルーしてしまいました…。

帰りに寄った公園で見つけた、とても立派なテングタケ。イボイボがゴージャス。イボが硬そう、つばが取れている、ということからすると、もしかするとイボテングタケなのかもしれない。

傘の肉が割れて真っ白な中身が見えていました。とても肉厚で、もし食べれたら美味しそうだなぁと思うけれど、ベニテングタケの10倍の毒と聞くので、触れることすら恐ろしく思えてしまう。

いつものサイズ計測。傘が10cm、高さは15cmくらいでしょうか。遠くからでも視認できて、かなり大きいと感じましたが、テングタケとしては少々小さめのサイズなのかな。

その近くの草むらにあったしわしわしたキノコ。てっきりイグチか何かの老菌かと思いましたが…

傘の裏側を見たら、これはもしかしたら去年も見たカノシタ? でもカノシタだったらもっと白っぽいはず…、と一瞬迷いました。

でも、よくよく写真を拡大してみると、カノシタみたいな絨毛突起っぽいひだではなく多角形の孔のひだのようですね。やっぱりイグチの仲間です。あまりに古い老菌だからパッと見の形が崩れていただけでしょう。

2020/09/16水

マインドフルネスによる条件付け反応の解消

最近考えていたことのメモ。条件付け反応のアンカップリングについて。

トラウマ、恐怖症、嫌悪、偏見、中毒など、人が陥る有害な反応の多くは、条件反射、および条件付け反応と呼ばれる、よく知られた仕組みによって生じている。

条件付け反応は、わたしたちの生活のあらゆる面でごく普通に起こっているものであり、それなしで人間は生きることができない。

わたしたちが日々無意識のうちにこなしている行動は、いずれも条件付けによって無駄な労力なしに行われている。もしも、あらゆる行動の前に、毎回毎回、次は何をしようか、などと考えなければならなかったなら、どれほど不自由だろうか。

しかし、この条件付け反応は、繰り返される体験や、一度限りの衝撃的な体験によって、無意識のうちに習得され、無意識のうちに発動するがゆえに、わたしたちにとってプラスに働くこともあれば、マイナスに働くこともある。

マイナスに働いてしまう最たるものがトラウマであり、恐怖症や嫌悪や偏見や中毒なのである。

たとえば、虫が苦手な人の場合、虫の姿を見るという体験と、それに対する恐怖や嫌悪という反応とが、条件付けされてしまっている。脳の中で、それら2つの異なるニューロンが、ヘッブの法則によって結びついてしまい、同時発火する。

本来、虫そのものの外見に、わたしたちの脳に直接、恐怖や嫌悪を催させる要素はない。しかし、幼いころの経験や、繰り返される反復学習を通して、望ましくない条件反射が成立していて、無意識に拒否反応を示してしまう。

人種、宗教間の偏見なども、これと同様の条件付け反応であり、無意識のうちに、自分でも意識しないレベルで、拒否感の条件反射が引き起こされる。

食べ物の好き嫌いの味覚嫌悪もこれと似ている。味覚嫌悪の場合、ただ一度の不快な体験が、強固な拒否感の条件反射を形成するが、これは程度の差こそあれ、トラウマのPTSDと同じである。

中毒や依存症の場合、この条件付けの形成には、報酬経路も関与している。ドーパミンは条件付けを強化する役割を持っていると言われるが、何らかの行為の結果、ドーパミンが放出され、快感を覚えると、そのたびに条件付けが強化される。

こうした望ましくない条件付けを解消するために必要なのは、立ち止まってクールダウンするスキルである。たとえば、依存症の場合、10秒我慢して待ってみるようにと勧められることがある。

それよりもっと具体的なのは、いわゆるマインドフルネスであろう。今この瞬間の感覚をあるがままに感じるよう努め、意識を今ここに引き戻すことによって、気持ちを冷静にならせ、自己を客観視できるようになる。

たとえば、もう一度、虫嫌いの人のことを考えてみよう。通常、その人は、虫を見かけるたびに、すぐ無意識のうちに嫌悪感という条件反射を起こしてしまう。無意識のうちに刺激が反応を引き起こすのだ。

しかし、マインドフルネスを習得して、今この瞬間で「立ち止まる」ことを覚えるとどうだろうか。虫を見たとき、今この瞬間の感覚に意識をつなぎとめ、ただありのままを感じるようにする。

虫の姿かたちを、ありのままに、先入観や過去の感情抜きに認識するように努めれば、必ずしも、それが恐怖を引き起こすようなものでないことに気づくだろう。虫という概念が一種のゲシュタルト崩壊を起こすこともある。

(わたしの場合、従来は虫が苦手なのに、森の中などで虫を見るとさほど怖くない理由を環境のおかげだと説明していたが、もしかするとそうではなく、森の中だとマインドフルネスが強化されているからかもしれない)

個人的に、この体験は、絵を描く人、ことに絵を模写する人はイメージしやすいのではないかと思う。絵を模写するときには、描き写す絵の意味や印象のスイッチをオフにする必要がある。

普通なら、絵を見たとき、美しいとか、鮮やかだ、といった印象を、すぐに、無意識のうちに条件反射として感じるものなのだが、模写するときにこれを感じてしまっては、必ず狂いが出てしまう。印象派の絵画が象徴しているように、もし「印象」のままに描けば、実物とかけはなれたものができてしまうのだ。

これはつまり、虫を見た場合に、条件付けされた「印象」のままに反応すれば、虫が実際よりはるかに気持ち悪く見えたり、大きく誇張されたりして、頭の中でイメージが歪曲されてしまう、ということと同じである。

それで、絵を模写する人は、模写するあいだ、対象の意味や印象を頭から締め出すことにする。その代わり、画板の上に乗っているピクセル単位の画素に神経を集中させる。周囲の色の印象に影響されないよう、ありのままの色を拾う。

同じように、全体の位置関係にしても、絵全体のイメージや印象を意識して模写してしまうと、必ずずれや狂いが生じる。それで、印象を抜きにして、あたかも数学の幾何学的な作図であるかのように、(たとえばた鉛筆を定規にして長さを測ったりしつつ)、位置関係を描き写していくのである。

印象は条件付け反応によって引き起こされるものなので、必ず誇張や歪みが入り込んでいる。マインドフルネスを実践するときは、印象を抜きにした、ありのままの感覚を読み取るようにしなければならない。

恋に夢中になる、というのも、ドーパミン性の条件付け反応の一種だといえる。特定の異性を見るたびに、ドーパミンが放出され、快感を得る報酬回路との結びつきが強化され、「恋は盲目」状態になる。

だが、もしここで、マインドフルネスを実践し、相手の人物のありのままの姿を見るようにすれば、盲目的な無意識の条件反射をとどめ、冷静な判断を下すことができる。

立ち止まって今ここにとどまるようにすれば、すでに条件付けされてしまった強烈な印象抜きに、相手の行動をありのままに判断できる。また相手の外見に惹きつけられているとしたら、立ち止まって、模写の時のようにして相手の顔を見れば、外見はいずれは朽ちてしまう有機物の集合にすぎないことを思い出せるだろう。

その上でなお、相手のことを好ましく感じられる要素を見つけられるのであれば、条件付けされた盲目の印象ではなく、冷静なありのままの観察に裏打ちされた、まっとうな恋だということになろう。

恐怖症や偏見を克服するためには、まず、意識を今ここにつなぎとめ、怒涛のごとく感情を押し流そうとする条件付け反応に流されないように、いわゆる錨のような役割を果たすマインドフルネスの習得が先決である。

無意識のうちに流されてしまっては元も子もない。なんとしてでも、まずは今ここ、この瞬間に立ち止まって足を踏ん張ることが大切である。

手の指先に注意を集中したり、足と地面の接地面に意識を向けたり、風や空気が顔に振れる感覚を意識したり、どんな音が聞こえているか注意を向けたりして、今この瞬間の感覚を感じる必要がある。そうすれば、脳の前頭前皮質や島皮質のスイッチがオンになる。

一般には、呼吸に意識を集中するよう指導されることがあるが、人によってはかえって不安定になることもある。呼吸にこだわらず、自分にとって利用しやすい。今ここの感覚を見つけることが大切だ。

「感覚を感じている自分をイメージしてしまう」という落とし穴にも注意が必要である。わたしの場合、たとえば手や足の感覚に意識を集中していると、いつの間にか、架空の手足を空想して、それが架空の感覚を感じようとしているイメージに入り込んでしまうことがある。これはマインドフルネスとは正反対の解離である。

もともと不快感の強い身体感覚を錨にしようとすると、意識が飛んでしまう。わたしの場合、それを防げる身体感覚は音に意識を集中することだった。人によって、どの感覚が、ありのままの今この瞬間の体験に意識を向けやすい錨になるかは違う。

その今この瞬間の感覚を強固な錨として、自分が苦手とする何らかの感覚をありのままに客観的に見つめるようにする。もし途中で、怒涛のごとき条件反射に飲まれそうになってしまったら、錨となる今ここの感覚を再び意識することによって、流されないようにしがみつく。

ヘッブの法則が示すとおり、同時発火するニューロン同士の条件付けはどんどん強化されていくが、同時発火しないニューロンの条件付けはやがて薄れていく。

望ましくない条件付け反応に陥りそうになるたびに、マインドフルネスを意識して、今ここに自分をつなぎとめ、無意識のままに反応してしまうのを遮るようにすれば、やがて少しずつ条件付けは薄れていく。

最初のうちは、怒涛のごとき流れに抵抗するだけで精一杯かもしれないが、繰り返し繰り返し意識的に抵抗していれば、ニューロンの結びつきが書き換わっていく。一番辛いのは最初のうちだけだ、ということだ。

条件付けは人が生存のために発達させる強固な仕組みだから、それを解消するのはたやすくない。だから、これほどトラウマや依存症や偏見が蔓延しているのだ。

もし道に迷ってしまったら、マインドフルネスに立ち返ることだ。抵抗しても流されてしまうのは、ひとえに船を大地につなぎとめる錨が弱いからにほかならない。今この瞬間にもっとしっかりと、もっと長時間とどまれるようになれば、流されることは減っていくはずだ。

また、ドーパミンは条件付け反応を強化すると書いたが、一方で、オキシトシンは条件付け反応を破壊するという説を読んだことがある。女性が妊娠や出産を機に、それまでのライフスタイルや習慣を一変させることができるのはそのためかもしれない。

だとすると、オキシトシンの働きが弱い愛着障害者が、望ましくない条件付けの問題を抱えやすいことの説明もつく。この場合、安心できる自分の居場所を見つけ、腹側迷走神経の働きを強めることも、望ましくない条件付けを解消するのに重要なステップといえるだろう。

2020/09/18金

今日は農家のお手伝いで、トマトの茎を解体しました。

この夏ずっと豊作の実りを生み出してくれたトマトですが、そろそろ店じまい。最後の収穫をしてから、茎を細かく切り分け、来年の肥料にします。

ちょっと可哀想な気もしますが、一年草が冬がくるにつれて枯れるのは自然のことわり。過度な擬人化はやめておきましょう。自然のサイクルにそって土に返り、また新しい植物を芽生えさせて地球は生きているんですから。

道中では、ヤマザクラがとても鮮やかに紅葉していました。ツタやモミジに先立って、赤く色づく葉の一番乗りです。

2020/09/19土

高級食材ノボリリュウタケ食べた!

夕方ごろまで用事で外出していたので、日も傾いた16時にやっと森へお出かけ。夕方以降に森に入るのはよくないのだけど、すぐに帰ってくるつもりで。昨日雨が降ったから、キノコを見ておきたかった。

そういえば、外出先からの帰り道、初めて道路を横切るエゾリスを見ました。普段よく見かけるのはシマリスばかりだったので、少なくとも至近距離でエゾリスだと判別できたのは初めてでした。

パッと道路を横切っただけの一瞬の姿だったので、写真には撮れませんでしたが、人間の目はカメラより高性能なので、しっかりと目視できました。

さて、いつもの森では、ハナイグチが出そうなカラマツ林を二箇所歩いてみましたが、新しいものは残念ながら見当たりません。

その代わりに、カラマツ林のあいだを結ぶ混交林で、アシボソノボリリュウタケを発見。

だけど、アシボソノボリリュウタケでは食用にならない。無印のほうのノボリリュウタケがほしいなぁと思って歩いていたら…

今年初のノボリリュウタケ発見!

鞍の部分はアシボソノボリリュウタケとも似ていますが、裂けるチーズのごとく、独特の裂け目が入った柄の部分を見れば、ひと目でノボリリュウだとわかります。

去年は2回見ただけで、食べるまではいかなかったけれど、今年はしっかり前知識を得て準備万全なので、もちろん採取します。

サイズは6cmくらいしかないか。少し小さめだけど、鞍が褐色に変わってきているので、これ以上はあまり成長しないはず。明日以降来たとしても再発見できる自信がないし。

ノボリリュウタケはそのユニークな形ゆえに、比較的見分けやすいキノコ。白いのと黒いのがありますが、どちらも加熱すれば食べれます。

同じノボリリュウタケ科(※今はフクロシトネタケ科に移されたらしい)には、シャグマアミガサタケという猛毒キノコが存在するものの、そちらは春に出るキノコなので、間違えないでしょう。似てるとはいってもかなり形が違うし。

その仲間で、秋に出るヒグマアミガサタケ(別名トビイロノボリリュウ)もたぶん毒なので、そちらのほうは、より見分けに気をつける必要があります。しかし、鞍の形が似ているだけで、色といい、柄の形といい、かなり違うので、知識として知っていれば、大丈夫そうです。

画像を調べたところによると、ヒグマアミガサタケ(トビイロノボリリュウ)の幼菌は、上記のアシボソノボリリュウのほうに酷似しているようです。どのみちアシボソは食毒不明なので、採らないのが正解ですね。

ノボリリュウタケを見分ける際は、(1)鞍を含め、全体的に白っぽいか黒っぽい。(鞍だけ色が濃いのは違う)、(2)柄がちゃんと裂けるチーズしてる。(ちょっと凸凹してるくらいはNG)、の2点をしっかり確認することにしましょう。

今日採ったノボリリュウタケは、帰ってから、ニンニクで味付けしてバター炒めにしました。フランス料理っぽい?盛り付け。

あまりに少量しかなかったので、ぜんぜん期待せずに食べましたが、一口食べて驚くほどの絶品!

味は特になくて、料理の仕方によるそうですが、ノボリリュウタケの美味しさは食感にありました。今まで食べたキノコの中で最も弾力性があって、歯ごたえ十分。鶏のささみみたいな感じ。

うちは病気になって以来、ほとんど菜食中心なので、肉はめったに食べませんが、もしノボリリュウタケを人工栽培できるようになったら、ベジタリアンには朗報かもしれません。これほど美味しかったら鶏肉なんていらない。

こんな少量でも、はっきり美味しさが感じられるなんて、さすがヨーロッパでは高級食材として取り扱われているだけのことはあります。

ちなみに、去年10/7に、同じ森で目撃していたノボリリュウタケ。改めて見ると、去年見たほうがグロテスクというか立派というか。特に柄の部分の発達が著しい。

サイズは測っていませんでしたが、けっこう大きかった記憶があります。10cmを超えていたかもしれない。去年も今年も見つけたということは、また歩いていると発見できるかもしれませんね。

猛毒タマゴタケモドキ初確認

さて、森歩きのほうに話を戻しますが、ノボリリュウタケを発見したのは、この前タマゴタケの老菌を見た場所です。

今日もタマゴタケないかなーと見ていたら、

ありました。しかもわんさかと見つかりました。

しかし、写真のとおり、どれもこれも老菌ばかり。無理すれば食べられないこともないだろうけど、できたら、もう少し新鮮なタマゴタケを食べたいのでスルー。どうしていつもタイミングが悪いのか…。

でも、老菌があるということは近くに幼菌も…、とすぐそばに目を落としてみると…

なんだこれは…。黄色いタマゴタケという時点で、警戒心が掻き立てられる。なぜなら、食用に適したキタマゴタケか、猛毒タマゴタケモドキかのどちらかだから。

そして、この写真のは、どうやら傘に条線がないように見えるので、たぶんタマゴタケモドキではないかと…。

タマゴタケの群生のすぐとなりにタマゴタケモドキが生えているというだけで、背筋が凍る思いでした。黄色いのはスルーして、さらに条線などの特徴を確認していれば間違えないはずだけど、それでも怖い。

しかしながら、これほどタマゴタケやらタマゴタケモドキやらがぼこぼこ生えているということは、さらに一帯を探せば、新鮮なタマゴタケも当然あるのでは?

確かにちょっと森の奥を見ただけで、テングタケ科らしきキノコの成菌が目に入ります。探す価値はありそう。

だけど、もういつの間にか、時間が17時近い。今の時期の日の入り時刻は17:30なので、太陽がすっかり傾いてきて、森の中まで差し込んでこなくなりつつありました。

それこそ、タマゴタケモドキに条線があるかないかもはっきり見えないくらいだったので、急いで帰路につきました。これからは野生動物の時間。人間は早く退散しないと。

森を出るころには、プルキニエ現象が発動するほどまでに、森の中の色合いがぼやけてきていて、かなりギリギリの時間帯だったと思います。森の外に出てしまえばまだ明るいのですが、こんなに違うものなんですね。

今日はほんの短時間の森歩きだったけれど、はじめてノボリリュウタケを食べれたし、タマゴタケの群生地も発見できたので、とても有意義でした。また探検しに来たいです。

2020/09/20日

巨大ノボリリュウタケを見つけた!

今日は午前からずっとオンラインビデオ会議の予定でしたが、Zoom疲れのため、重要度の低い午後の予定は参加を取りやめて、昨日と同じ森に出かけました。

少し雨がぱらついていましたが、レイチェル・カーソンの言うとおり、雨に濡れて霧がかった森はとても美しい。

昨日調べることができなかったタマゴタケ地帯を、明るいうちに、もっとよく調べたいと思いました。

その地点に到着したら、昨日見つけたタマゴタケモドキの背丈がかなり伸びていました。一晩にしてキノコが地面から立ち上がる…、ポタワトミ語のプポウィーを彷彿とさせる成長具合です。

昨日までは見えなかった柄の皮膜が破れたささくれが、いかにもタマゴタケモドキらしい。怖い。

その付近には、昨日見つけたタマゴタケ老菌がたくさん生えているので、もっと若いキノコがないかと、奥のほうまで目を凝らしますが、タマゴタケらしきものは見つかりません。

その代わり、かなり斜面の奥のほうに、白いぐにゃぐにゃしたものが見えた。ノボリリュウタケです! しかもここか見て判別できるなんて、かなり大きなサイズだと思われる。

そのノボリリュウタケが生えているのは、斜面を少し登った上の、シダ植物が群生してジャングル化している場所だったので、いったいどうやって登ればいいのか、しばし考えあぐねる。

幸いなことに、今日も、全身を覆うツルツルした素材の服を着ていて、帽子も顔網もフル装備なので、藪こぎすることは可能。ということで、目印になる木を覚えておいて、斜面が緩やかな場所からシダ植物をかきわけて向かうことにしました。

もともとわたしは、汚れるのが嫌いで神経質なので、クモの巣や謎の植物だらけの藪の中に分け入っていくのは抵抗がありましたが、秋になって虫も減っているので、なんとかなるでしょう!

意を決して道なき道を回り込んでたどりつくと、確かにノボリリュウタケ!

昨日載せた、去年10月に見た大きめのノボリリュウタケに匹敵するがっしりした柄。反り返った鞍も含めて見れば、さらに大きくて立派。まるで地面からそびえたつ大樹のようにも見えます。

早速根もとから引っこ抜いてみたところ、これほどの大きさ。昨日の写真と比較すると、2倍以上あることがわかります。これは食べごたえありそう。

図鑑によると、ノボリリュウタケのサイズは5~13cmとあったので、昨日のが最小サイズ付近だったのに対し、今日のは最大サイズだということになります。巨大な魚を釣り上げた釣り人のような気分になります。

だけど、巨大な魚を釣って殺してしまうのは可哀想に思えるのに対し、キノコの場合は、大きくなって胞子を飛ばしたら後は朽ちゆくだけなので、むしろ採らないのはもったいない。

少し鞍の部分が傷んでいたので、あと一日遅かったら、もう採ることはできなかったでしょう。素敵な森の恵みに感謝です。

昨日と同じように料理してみたところ、昨日よりも食感が柔らかくて、鶏肉っぽさが増していました。ただ、わたしの好みとしては昨日のプリプリした弾力性ある歯ごたえのほうが好きかな。

野菜とか魚と同じで、大きければそのぶん美味しいとか、食べごたえがある、というわけでもないようです。小さくても身が引き締まっていることもある。でも昨日のも今日のも、どちらもとても美味しいノボリリュウタケでした。

ホウチャクソウ、クサソテツ

と藪の中を歩き回っているときに、とてもきれいなホウチャクソウを見つけました。双子の実もしっかり色づいていました。

ずっと観察していても、ぜんぜん実が色づかなかったホウチャクソウ。似たような張っばのアマドコロやユキザサが、とっくの昔に実が熟して枯れてしまった後に、こうして深みのある青に色づくことを知りました。

こういう出会いもあるから、汚れるのを承知で密林の中を歩き回ったのも無駄ではなかった、と思えます。

春にたくさん山菜コゴミを採りに行った地点を通ったら、枯れかけている胞子葉がたくさん見つかりました。コゴミが成長した姿、シダ植物のクサソテツです。

クサソテツの葉っぱってこんなに巨大になるものなんですね。てっきりオシダかと思っていたけれど、よく見たら、クサソテツでした。

コケの朔

チョウセンゴミシの実がすっかり赤くなっていて、つまんでみると柔らかく熟しているようでした。

去年撮った写真と比較しても、今年のチョウセンゴミシは明らかに不作なので、森の動物たちのために残しておきたく思い、ほんの3つだけ味見しようと拝借しました。

チョウセンゴミシ(朝鮮五味子)の名のとおり、味にばらつきがあり、食べるごとに味が違うと聞きますが、今日採ったのは、果たしてどんな味なのか…。

…酸っぱい!

まるでビタミンCの塊のような酸っぱさで疲労回復しました(笑)

そのほか見つけたキノコ

そのうち調査して追記予定

 

頻繁に見かけた白いキノコ。傘に丸い輪っか状の膨らみがある。

ツガサルノコシカケ?

すばらしいテングタケ。

まるで伝説のコロボックルのように、フキの葉を傘にして雨上がりの森の片隅に佇んでいました。

イボイボの部分は触ったら柔らかくてブヨブヨしてました。イボテングタケならこれがもっと硬いのかな?

 

 

 

投稿日2020.09.01