2020年10月の道北暮らし自然観察日記

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2020年9月の道北暮らし自然観察日記
2020年9月の自然観察を中心とした日記帳

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もくじ

2020/10/01木

可憐なスイレンの花と、紅葉したニシキギの実

今日は遠方の友だちとビデオ通話。公園に出かけて風景を見せてあげましたが肌寒かったです。15℃もあるのに寒いだなんて!

道北で暮らしてみてわかった不思議なことは、真冬より春や秋のほうが体感的に寒いことです。身体が慣れていない、ということもあるのかもしれませんが、おそらく雪がないからでしょう。断熱効果のある雪が積もるまでが寒い。

公園では池に可憐なスイレンの花がたくさん咲いていました。セイヨウスイレンかな。真夏ごろにも咲いていたのに息が長いですね。今が一番多く咲いていて美しいかもしれない。

水辺に生えるガマ、カンガレイ、アシ、ススキなど、イネ科やカヤツリグサ科の穂もとても風情がありました。そういえば今夜は中秋の名月だった。

公園に植栽されている木々のうち、ひときわ紅葉が目立ったのはニシキギです。その名の由来からして、紅葉の美しさを錦に例えたとのことですが、確かにこれに勝る紅葉は、このあたりではなかなか見られません。

実もたくさんつけていますが、ほとんどは殻が割れていません。でも、同じ仲間のマユミやツリバナが割れていたことを思い出して、もしすると…、と探してみたら、割れて真っ赤な中身が出ている実もありました。

となると、やはり同じ仲間のツルウメモドキも…、と想像が膨らみます。ツルウメモドキは、この公園ではなく、わたしの家の裏あたりに生えているので、また改めて見に行ってみたいと思います。

今日はこの後、日が暮れないうちに、森に出かけてゆっくり歩き回りたいと思っていたので。

シロヌメリイグチならぬクロヌメリイグチ…?

森に出かけてみると、15時でも、なんとなく薄暗く感じます。一昨日は、16:30ごろに急いで森に入ってシロヌメリイグチを採ってきましたが、見えなくなるギリギリでしたからね。日がかなり短くなりました。

公園では肌寒かったですが、身体を動かしていると暑い。着込んでいた服をかなり軽装にしてから、森に入ることにしました。

森の入口近くの獣道。最近、ハナイグチをよく採取していたあたりに、シロヌメリイグチらしきキノコが、いくつか生えているのを見つけました。

少し倒れている個体があったので、確認のために手に取って、傘の裏側を確認してみたのですが…

スポンジが黒い!

写真は明るさを編集したため、褐色に見えますが、森の中は薄暗かったので、ほとんど黒に近い色合いに見えました。

てっきりシロヌメリイグチだと思っていたので、しばし唖然としてしまって、スポンジがこんな黒い色をしているイグチなんてあったっけ?と考えました。

ハナイグチより少し白っぽい傘の色といい、傘のふちから伸びているつばの痕跡といい、ほとんどシロヌメリイグチの特徴を満たしているのですが、傘裏のスポンジの色だけが違います。

そのあたりにあった、他の類似キノコも、傘の裏を撮影してみましたが、やはり黒っぽくみえる…。

管孔が黒いイグチっていったい何だろう? 帰って調べなければ、と思いました。

ところが、調べてみたら、ウラグロニガイグチとか、オニイグチ、オニイグチモドキくらいしか見つからない。しかしどれも全体的に黒いので、今日見たキノコではない。調べ方が甘いのだろうか。

Google Lens先生の類似画像検索機能でも、それらしきものが出てこない。というより、やっぱりシロヌメリイグチじゃないの?って言われる。いったいどういうこと?

もしかしたら、今後もっと調べているうちに結論は覆るのかもしれませんが、今のところ行き着いた答えは、やっぱりこれもシロヌメリイグチではないのか? というところでした。

というのは、シロヌメリイグチって、別名クロヌメリイグチと呼ばれることもあるとか。

まず、傘の色ですが、幼菌のときは褐色で、成長すると白っぽくなるらしい。しかし傘が乾いてくると、やっぱり黒っぽく見えたりするとも書かれていました。

(でも、基本的にハナイグチとかヌメリイグチのような、どら焼き色っぽい有名な食用イグチと比べて白っぽいから、シロヌメリイグチと呼ばれているのだと思う。確かに文字通りの白ではないけれど、それら他のイグチより白っぽくはある)

次に、傘の裏側のスポンジの色も、最初は白かグレーっぽい色なのに、やがて褐色に変化していくという…。

ということは、今日見たのは、変色した後のシロヌメリイグチ…、もといクロヌメリイグチなのだろうか?

おそらく数日前のハナイグチとシロヌメリイグチが大発生したときに出てきた菌なので、確かにもう幼菌ではないし、ちょっと傷んできているはず。だから色が黒っぽくなってしまっていたのかもしれません。

今のわたしなら、たくさんキノコを見慣れてきたおかげで、たとえ裏が黒っぽくても、「このキノコはシロヌメリイグチっぽいな」と納得できるのですが、去年のわたしだったら、頭が沸騰しそうになっていたかも。

傘が白っぽくても茶色っぽくてもシロヌメリイグチ。スポンジが白っぽくても黒っぽくてもシロヌメリイグチなんて言われたら、じゃあどうやって見分ければいいの? やっぱりキノコは訳がわからない! って思いそうですから。

だけど、たくさん見てきた今では、なんとなくシロヌメリイグチっぽいというのがわかるし、その上でつばの有無など細かい特徴も確認して、やっぱりそれっぽいと思えるようになるのが不思議ですね。

…と、ここまで書いておきながら、実はシロヌメリイグチではなく別のキノコだった、という結論になる可能性も残っているのでなんとも言えませんが。

どのみち、裏が黒っぽく変色していたら、新鮮なシロヌメリイグチではないので採らないほうがいいかもしれませんね。

相変わらず、ノボリリュウタケはボコボコと発生していました。小さいのや朽ちかけているのは採らないようにしましたが、それでも立派なノボリリュウタケが5本も!

ノボリリュウタケは食感が大好きなので嬉しい。そのほか、いつものアカモミタケ群生地から、よさげなものを2本、あとハナイグチの幼菌を2本ほど厳選して収穫してきました。状態のいいのだけ選べるのは贅沢なことです。

採ってきたキノコは豆と一緒に炒めて美味しくいただきました。食べながら、これは美味い!と感じるのはやっぱりノボリリュウタケですね。弾力性のある食感がたまらない。もちろん、アカモミタケやハナイグチからも旨味成分が出ているんでしょうね。

日本特産キノコ、ミヤマタマゴタケを見つけた!

森の少し開けた斜面の、トドマツの根もとに生えていた、異様な存在感を放つテングタケ科のキノコ。

サイズは計測アプリでは20cm超え、目視ではもう少し大きく、30cmものさしと同程度あるように思いました。

計測アプリは、森の中で使うと距離感がうまく反映されないので、小型、中型、大型を区別して記録するための、おおまかな目安のつもりでしか使っていません。

イボテングタケと同じくらいの大型キノコでしたが、イボは見当たらず、痕跡さえありません。後ろに幼菌が控えていましたが、そちらにもイボはないので、雨で洗い流されたわけではなく、もともとないことがわかります。

柄のささくれと、ジャボ状のつばの主張が激しく、ドクツルタケを思い出させる鳥肌モノです。

幼菌の傘を見て、まず思い出したのは、これまで写真でしか見たことがなかった、ミヤマタマゴタケです。ミヤマタマゴタケは、本家タマゴタケの色違いのようなもので、傘が薄茶色なのが特徴。

もしミヤマタマゴタケなら、食用にしている人もいると聞きます。でも、このテングタケ科は、よく似ているのに猛毒、という例はたくさんあるので、条線の有無、つばの有無、柄の模様などで、しっかり区別しなければなりません。

帰宅後調べてみたら、ミヤマタマゴタケは、もともとミヤマドクツルタケと呼ばれていたこともあるらしい。今回見たキノコが、傘の色以外、つばや柄の部分がドクツルタケに酷似していることと合致します。

ほかに薄茶色の傘を持つテングタケの仲間としては、ツルタケ、ツルタケダマシ、タマゴテングタケモドキ、コテングタケ、コテングタケモドキがあります。(ひどく名前がややこしい)

ツルタケはつばがないから違う。ツルタケダマシとタマゴテングタケモドキは形状自体は似ているけれどサイズが小さいから違う。(このツルタケダマシとタマゴテングタケモドキは互いに酷似しているらしい)

コテングタケもやはりサイズが小さいから違う。他方、コテングタケモドキは、比較的大型になることもあるらしく、一番似ているような気がしないでもない。

大きな違いといえるのは、傘の周辺の条線。ツルタケ、ツルタケダマシ、タマゴテングタケモドキは、はっきりとした長めの条線がある。(このため、条線に限れば、はっきりした条線を持つこれらの種のほうがタマゴタケに似ている)

反対に、コテングタケ、コテングタケモドキは条線がない。(ドクツルタケも条線がない点で、これらと似ている)

では、ミヤマタマゴタケはどうなのかというと、これらの中間らしい。一応条線はあるけれど、ごく短いとされる。今日見たキノコはどうだったかというと…、

どうでしょう? よくよく見ないとわからないほど目立たないけれど、確かに条線があるように見えます。でも、ツルタケやタマゴタケなど、はっきりした条線を持つ種と比べれば、明らかに目立たない短い条線のように思えます。ミヤマタマゴタケらしいといえます。

また、(あまり決め手にはならないものの)、ツルタケ、コテングタケモドキ、ミヤマタマゴタケは混交林に生えるのに対し、ツルタケダマシ、コテングタケ、タマゴテングタケモドキは広葉樹林性だとされていました。

わたしがいつも観察しているのは混交林なので、やはりミヤマタマゴタケの可能性が高いということになります。

このように、つばや柄の外見、サイズ、条線、生育環境という証拠がいずれも、ミヤマタマゴタケの特徴と合致しているので、おそらくミヤマタマゴタケで合っているでしょう。

そもそもねミヤマタマゴタケを実際に見た人のほとんどが、その異様な特大サイズに言及しているので、わたしの第一印象も「でかい!」だった時点で間違いなさそう。

なんとミヤマタマゴタケは日本特産のテングタケ科のキノコであり、限られた都道府県でしか確認されていないため、研究も進んでいないそうです。だから、食毒に関しても、確かなことを言える人がいないという状況。

ミヤマタマゴタケを食べている、という人が現実にいて、特に中毒になったという報告はないので、たぶんタマゴタケと同様、食べれる種類なのだろう、とは思います。

だけど未知の点が多い以上、よほどのことがない限り、食べないほうがよさそうです。姿かたちも立派なので、目で見て楽しむぶんにとどめ、食べるのはいつもの鮮やかなタマゴタケにとどめておきたいと思います。

ヘビノネゴザ再び? それともミヤマヘビノネゴザ?

森の中の斜面で見つけた謎のシダ。

葉っぱの長さは50cm未満くらいで小型~ぎりぎり中型。

特に三出複葉に見えたりはせず、オーソドックスなシダの形をした葉っぱ。裂片の形はメシダの仲間っぽさがあるけれど、裏面のソーラスは見当たらない。羽片に葉柄はない。円陣を組まずに山肌から垂れ下がるように生えている。

軸は黄緑色。根もとのほうにだけ、茶色っぽい鱗片がついている。以上が、このシダ特徴。これに当てはまるシダは何か?

まず、斜面に垂れ下がって生えていたことから、イワトラノオ、トラノオシダについて考えました。先日この近くでイワトラノオは見ています

でも、裂片の形が全然違います。なんというか、この2種類はアヒルの手みたいな形の裂片。それに、どちらも茎に鱗片がない。サイズも30cm以下くらいなので、今回のシダは大きすぎる。

メシダっぽい葉っぱといえば、最も多いのは、エゾメシダ、ミヤマメシダ、オオメシダですが、この3種類は巨大なので違います。

では、葉っぱが似ている中型のメシダである、イヌワラビ、サトメシダ、コシノサトメシダはどうか。これら3種はすべて羽片に柄があるという特徴を持っているので違います。

となると小型メシダのいずれかか。小型メシダ3種のうち、イワイヌワラビは裂片の形が全然違う。ヘビノネゴザか、ミヤマヘビノネゴザのどちらかということになる。

ミヤマヘビノネゴザは茎の軸が紫色を帯びるらしいので違う。すると、消去法で無印ヘビノネゴザではないか、ということになります。

先日見たヘビノネゴザに比べると、葉っぱがおとなしい感じもしますが、それはソーラスがないからでしょう。先日のヘビノネゴザは裏にびっしりソーラスをつけていたので、葉が表から見てもデコボコしてツヤがありました。

しかし、ヘビノネゴザにしては羽片の先があまり尖っていない。また下の写真からわかるように、下部の羽片がはっきりと短いという特徴があり、葉柄が短く、明らかに胴長短足。この3つの特徴は無印ヘビノネゴザにはないもので、ミヤマヘビノネゴザに類似しています。

葉の軸が紫色がかるという特徴のみ除けば、他の特徴はミヤマヘビノネゴザに当てはまります。

ネットで調べてみると、ミヤマヘビノネゴザの葉の軸は、明らかに紫と呼べるものもあれば、ほとんど黄緑色で、かすかに赤みがかっているレベルのものもあるようでした。

ヘビノネゴザ、ミヤマヘビノネゴザは図鑑では30cmの小型とされていましたが、ネット上の情報ではヘビノネゴザは30~80cm、ミヤマヘビノネゴザは20~50cmくらいの幅があるらしく、今回のシダの大きさと一致しています。

どちらかというと、ミヤマヘビノネゴザのほうが小型ですが、今回のシダは大きいほうの葉でも50cm未満、隣に生えている小さいほうの葉は30cm未満に見えました。正確に計測したわけではありませんが、サイズ感もミヤマヘビノネゴザに近いです。

というわけで、現時点での結論としては、このシダは、ミヤマヘビノネゴザで、たまたま葉の軸がほとんど赤みを帯びていない個体じゃないか?というあたりに落ち着きますね。

もしまた見る機会があれば、本当にそれで合っているのかどうか改めて観察したいところですが、だいたいの場所はわかれど、再発見できるかどうかは自信がありません。

トドマツの根もとにショウゲンジ?ではなかった…

トドマツの根もとに大量に湧き出ていたキノコ。いったい何だろう? かなり特徴ははっきりしていて、見る人が見ればわかりそう。もしやこれは有名な食用キノコのショウゲンジでは?

もしショウゲンジだとすれば、大量に群生していることだし、採って食べてみたいのだけど、どうすれば確実にそうだと見分けられるのか…?

まず、ショウゲンジの別名はコムソウ(虚無僧)と呼ばれるらしいが、確かに虚無僧のかぶる笠にそっくり。傘の色は黄土色。図鑑の写真の中には、傘の中心部の色が薄いものもあり、今回見たキノコとよく似ている。

傘は最初は虚無僧型ながら、後にはテングタケ科のようにほぼ平らに開き、放射状のしわが現れるらしい。もう少し様子を見て確認するのがいいかもしれない。

ひだは白っぽい色から褐色に変化するとのこと。今回は観察できていない。これも色の幅が広く、あまり当てにできなさそう。

柄は傘より淡い色で、上から下まで寸胴体型。縦に入る微細な模様があるとのことで、特徴がよく合致している。柄の中身は中実、つまり空洞がない、というのは採った後に確認する手がかりになりそう。

柄には膜質の指輪のような白いつばと不完全なつぼもあるとのこと。つぼはともかくとして、つばは明確に確認できる。

さらに、ショウゲンジは針葉樹林性で、ハイマツ、トドマツ、アカエゾマツなどの林内地上に現れるとのこと。今回はトドマツの根もとなので合致。

というわけで、調べた限りでは、ショウゲンジの特徴に非常によく似ています。ショウゲンジは似た毒キノコがないともされているので、かなり確率は高そう。

改めて成長の様子を観察してみて、本当にショウゲンジっぽい、ということになれば、ぜひ食べてみたいですね。

(追記 : 経過観察したところ、ニセフウセンタケの可能性が高いと結論しました)

今日のキノコ。アカヤマタケ、カラマツチチタケ?、クリタケモドキ?等

そのほかに見つけたキノコ色々。

まず、広葉樹が立ち並んでいるあたりの草地に生えていた鮮やかなキノコ。まるでタマゴタケみたいな傘の色ですが、大きさはごく小さく、傘はとんがり帽子で、つばはありません。

色を頼りに調べてみたところ、ヌメリガサ科のアカヤマタケというそうです。

同じ科の似た色のオオアカヌマベニタケは、柄が真っ赤なことで区別できます。同じ科のミイノベニヤマタケも色が似ていますが、傘のてっぺんの突起がなく、傘の形が丸みを帯びたり平らになったりするようです。

細かい種類があるらしく、食用にできるものもあれば、有毒のものもあるらしい。わざわざこんなに小さなキノコを採って食べようとは思えないし、外見が美しいので、見るだけで十分に楽しめますね。

次のは、前々からカラマツ・トドマツ林あたりで頻繁に見かけるこのキノコ。アカチチモドキではないか、と前に書いたものです。今日は傘が落ちているのがあったので、よりしっかりと観察することができました。

色や形状はチチタケにそっくりなのですが…

真上から傘を見ると、チチタケ属の特徴である、環紋がはっきりしていません。そもそもチチタケは広葉樹林性なので、ここには生えません。

裏側のひだを見てみると、(明るさの調整に失敗して色が飛んでしまっていますが)、傷ついたひだから乳液が出ているようには見えません。この後、傘の一部を折ってみましたがやはり乳液は出ませんでした。これまで調べた時と同様。

ということは、これはチチタケに見えてチチタケではない何か。チチタケモドキとか名前がついてそうなキノコ。

だから、アカチチモドキかなぁということになりました。図鑑によると、特にトウヒ類(このあたりだとエゾマツ)林に発生しやすいそうですが、各種針葉樹林に生えるというので、カラマツ・トドマツ林にあっても別におかしくはない。

しかし、あまりに情報が少ないので、こんなに頻繁に見るキノコなのか?という疑問は生じます。また、まったく乳液が出ないわけではなく、じつは透明色だという記述も。

カラマツ林に生えるチチタケ類似のキノコというと、他にカラマツチチタケがありますが、こちらは環紋があるとのこと。でも、調べてみたら、かなり外見は似ていますね。

カラマツチチタケは、白色の乳液を出すものの、量がかなり少ないとされているので、見逃してしまうのかもしれません。幼菌でないと乳液が出なかったと書いている方もいるので、こちらの可能性も高いかもしれません。

さらに、傘の大きさについて調べてみたら、アカチチモドキは4~10cm、カラマツチチタケは2.5~5cmとのこと。今回見たキノコは3cmほどの小型なので、カラマツチチタケのサイズのほうが近いです。

次のも、この近くにあったキノコ。中心が黒いシメジっぽいキノコ。カラマツ林にはカラマツシメジというキノコが生えるそうですが、図鑑の色だともっと黄色いので違うのか。サイズ的には近いけれど。

こちらも近くにあった小さなキノコ。タヌキみたいな色だと思ったけれど、帰ってから写真で見てみると、思ったより赤い。ベニタケの仲間だったのかも。暗い林床だから色がわかりにくい。

白っぽい小さなキノコ。傘の中心にアセタケやフウセンタケを思わせる突起があるのが特徴。シロトマヤタケの変種のウスムラサキアセタケか? 暗くて思うように写真が撮れません。

いつもの森に落ちているどら焼きことハナイグチ。いかにも美味しそう。傘が開いていたので採りませんでしたが、これくらいなら十分に許容範囲だと思います。

先日見つけた、タマゴタケモドキ(タマゴテングタケ?)の2世。1世より小さいですが、立派なテングタケ科らしい形に育ちました。やはり条線はないので、食菌のキタマゴタケではなく、猛毒のタマゴタケモドキのほうですね。

これまたたくさん出ていたキノコ。クリタケの仲間に見えますが、猛毒のニガクリタケがあるので油断できません。何かの根っこについているようですが、近くにこれといって木は見当たらず、少し離れたマツ類の根かもしれません。

ナメコとかセンボンイチメガサと近縁のモエギタケ科っぽい雰囲気ですが…。柄につばがなく、少しざらついているのが手がかりになりそうです。

クリタケにしては色が薄いし、ここは広葉樹林ではない。もう少し色が薄く、混交林に生えるとされる毒菌のニガクリタケか、食菌のクリタケモドキのいずれかか? 色合いからするとクリタケモドキが一番近いように思うけれど…。

最後に、10日前に見たのと同じものだと思われる冬虫夏草の仲間サナギタケ。まだとても綺麗なままの姿を保っていました。下にある昆虫の死骸がよほどごちそうなのでしょうか。他のキノコよりはるかに長生きです。

2020/10/02金

謎のシダたち。トラノオシダ? ホソバシケシダ? オウレンシダ?等

少しは自然界に詳しくなった、と思ったころに、いつも自信を打ち砕かれます。一昨日、近況をまとめるブログの記事を書いたことで、自分が新しい環境で成長したかに思えて、少々自信過剰になっていました。

ところが、今日も森に出かけてみると、やはり、全然わからないものだらけだとすぐ気づきます。特にシダとキノコ。本当にわからない。

シダのほうは、種類はそんなに多くないので、これまで見たものをしっかり覚えていれば、もっと分かるはずなのですが、残念なことに記憶に定着していません。まだまだ回数が、そして経験が足りていません。

キノコは次々に新しいものが目に入ってきて、きりがありません。ひとつ名前を覚えたところで、10の知らないものが見つかるので、自分が少しずつでも前進しているのかどうかさえ、わからなくなってきます。

しかし、わたしはまだ自然観察を初めて1年と少しなのです。昔を思えば、知らないものに気づけるようになっただけでも進歩です。本当に知らない人は、自分が知らないということにさえ気づけないのですから。

あとは、驕らず焦らず、地道に観察と調査を繰り返していくしかないのでしょう。それが実を結ぶのは「3年先の稽古」かもしれないし、もっと先かもしれない。

でも人間の作ったものと違って自然界は不変です。最新のアプリについて学んでもわずか数年で消えていきますが、自然界にあるものは、わたしの人生程度の年月では変わらないでしょう。コツコツと積み重ねて学ぶ価値があります。

森のトドマツ林あたりの足元に生えていた小型のシダ。30cm未満程度の大きさ。

葉っぱの裂片はメシダっぽい形。羽片に葉柄はない。茎は根もとのほうは紫色っぽくなっていて、わずかに鰹節状の鱗片がついている。葉っぱの裏にはソーラスは見当たりませんでした。

あまり確証がないのですが、これも昨日見たのと同じミヤマヘビノネゴザ? 葉柄が紫色で鱗片がある、という特徴については、 昨日のものより、よりミヤマヘビノネゴザらしいです。

しかし、裂片の形が、少し丸みを帯びて感じられること、最下部の羽片が短いとはいえ、そんなに特徴として目立っていないことは、あまりミヤマヘビノネゴザらしくない。同定の自信はありません。

よく見ると、足元にはほかにも小型シダが並んでいます。少なくとも三種類のシダがあるように見えます。左から、(1)裂片が細かく裂けているシダ、(2)全体が三角形のように広がっているシダ、そして右のほうにある(3)葉先が丸みを帯びているシダ。

このうち(2)は前に調べたミヤマワラビなので、今回は(1)と(3)について考える。

(1)裂片が細かく裂けているシダ。

裂片がアヒルの足みたいな形(ほかにもっと意味が通じそうな比喩があればいいのですが)に裂けている。羽片の柄はほぼない。

裂片の形からして、たぶんトラノオシダでしょうか。サイズも10cm前後なので、極小シダのひとつであるトラノオシダと一致しています。最下部の羽片の大きさとか、軸もしっかり観察しておけばよかったのですが。

次は(3)葉先が丸みを帯びているシダ。

裂片の先は少しだけギザギザがある。羽片に柄はない。羽片の先は尖っておらず丸みを帯びている。下の方の羽片が少し短いが、全体的に上から下まで同じような大きさ。軸は緑色。

小型で、なおかつ羽片の先が丸みを帯びたフォルム、ということで、かなり候補が絞られそうなものですが…、最もそれっぽいのはホソバシケシダでしょうか。「シケ」は湿気の多いところに生えるの意味。

次は、もう少し歩いていった先で見つけた中型のシダ。これも先ほどのトラノオシダみたいに裂片が細かく裂けていますが、より不規則に裂けているし、サイズが大きめ(30cm超?)なので違う種類のはずです。

葉をよく見ると、羽片に少しだけ柄があるのが手がかりになりそう。また、軸を見てみると、根もとに至るまで毛がありませんでした。

たぶん葉の激しい切れ込みからすると、オウレンシダでしょうか。キンポウゲ科のオウレンの葉に似ているという名づけだそうですが、そのオウレンも葉っぱの切れ込みが色々で、あまり参考になりません。

続いて、これも葉が激しく裂けているシダ。

かなり大きく成長して間延びしているものと、小さくて葉と葉の間がぎっしり詰まっているものが隣接していますが、同じ種類なのでしょうか。

ミヤマシケシダやミヤマイタチシダのように、普通の葉(栄養葉)は地面を覆うように伸びて羽片の間隔が狭く、胞子葉はほぼ直立して羽片の間隔が広い、というシダが複数種あるようなので、その仲間かも。

しかし、今回は大きいほうを観察してみましたが、ソーラスのようなものは見つかりませんでした。胞子葉ではなかったのか…?

羽片の裂け方が激しく、3回羽状複葉といってもいいのかな、というくらい裂けています。

軸は黄緑色。下のほうにはかつお節状の鱗片。

サトメシダかと思いましたが、サトメシダは3回羽状複葉でも、ここまで激しく裂けてはいないようです。

オクヤマワラビに似ていますが、そこそこ珍しいシダらしいので、果たしてこんなに身近にあるものなのだろうか? それとも一般的なメシダ類が弱って枯れてきたらこんな姿になるのかな? 全然わからない。

しかし、本家本元のメシダはこっちだと思う。確かに3回羽状複葉ではあるけれど、葉の隙間が少なく、もっとびっしり埋まっている印象。

裂片は先のほうだけ少し裂けている、よくあるメシダらしい形状。

裏面には、白い包膜のついた三日月型のソーラス。破れて中の胞子嚢が見えている。

サイズは50cmくらい。メシダにしては少し小さいように気もするけれど…。

だからやはり、さっきのは、単に枯れているとかではなく、あのような形状の葉っぱのシダなのだと思います。でも見れば見るほどわからなくなって、自信が失せてくる…。頭が痛くなってきたのでこの辺にしておきます。

今日見つけた食べれるキノコ。カラカサタケも初確認

時間があったので、最近あまり歩いていなかった方面に出向くと、あちこちに大量のシロヌメリイグチが群生していました。でも、もう大きくなりすぎたブヨブヨの老菌だったので採ることはかなわず。

先日のハナイグチ大発生の日に一緒に出てきたシロヌメリイグチだったのでしょう。あの日、こちらのルートにも採りにきていれば収穫できたはずですが、どのみち食べきれなかったでしょうから構いません。

シロヌメリイグチばかり見かけるので、もしかしたら、ハナイグチは誰かが採りにきた後なのかも?という疑問も湧きました。でももう少し進むと普通にハナイグチの老菌の群生もあったのでたまたまかも。

ほとんどすべて時期を逸した老菌でしたが、ごくまれに幼菌が見つかったので、食べれそうなハナイグチを2本、シロヌメリイグチを3本持って帰ることができました。

初めて見たカラカサタケ。食用キノコらしいが、似た毒キノコが色々あるので、鑑別が肝心。とても特徴的な傘の模様、テングタケの仲間のような出で立ち。でもすらっとして極端に細く感じる柄のキノコでした。

区別する必要があるのは、マントカラカサタケ(食毒不明)、ドクカラカサタケ(毒)、オオシロカラカサタケ(毒)の3つか。

マントカラカサタケはその名のとおり、マントのようなつばがついているけれど、これはリング状なので無印カラカサタケのほう。

オオシロカラカサタケはもともと南方の毒キノコで、最近北上してきたものの、北海道には来ていない。もとより都市部に生えるので、こんな森の奥地にはいなさそう。

写真で見る限り、傘の色はもっと白く、柄はもう少し太く滑らか。今回見たキノコのように足が細い印象はなく、タマゴタケとかテングタケみたいな体型のようです。

ドクカラカサタケは、別名コカラカサタケというらしく、少し小さめ。大きくても、高さ傘幅ともに10cmくらいらしい。そもそもこれも傘の色が白っぽく、あまりカラカサタケに似ているように見えない。そして多分北海道にはないらしい? 北海道キノコ図鑑に記載がない。

詳しい見分けのポイントが、ここの記事で書かれていましたが、やはり傘の地の色が茶色で、ひょろりと背が高く、柄にだんだら模様があったら無印カラカサタケと見ていいようですね。

今回見たものは、少し小さめのサイズかもしれませんが、カラカサタケでほぼ間違いないでしょう。もし食べるとなると、さらに念には念を入れた確認が必要ですが、意外に判別しやすく採取しやすい食用キノコかもしれません。

いつもと違う場所で見つけたアカモミタケ。環紋、ひだの色、オレンジ色の乳液も確認できたので、持って帰って食べました。アカモミタケとアカハツは、今後どこに生えていても見分けられそうになってきました。

今まで見た中で最も巨大なノボリリュウタケ。これまで鞍も含めて巨大なのは時々見つけましたが、鞍が小さいのに柄がこんなに長いのっぽさんなノボリリュウタケは初めてです。20cm弱ありそう。柄がおいしいので食べごたえ抜群。

いつものタマゴタケ地帯に、まだ幼菌の双子タマゴタケを発見! ぜひ食べたいけれど、サイズが小さく見えました。地面に埋もれているせいなのか、本当にちいさいのか。数日様子見です。

今日のキノコの収穫。またまた大好きなノボリリュウタケがたくさん採れたので、とても美味しかったです。初めて見つけた場所のアカモミタケからも良い出汁が取れました。ハナイグチとシロヌメリイグチのぬるぬるさも良かった。

今日のキノコ。(後で調査予定)

これはシダ? それともセリ科の葉っぱ?

謎のキノコ

白い貝殻を思わせる謎のキノコ。タマチョレイタケ科のヤキフタケとかオオチリメンタケあたりに似ている。しかし裏が茶色っぽいところが違うか。

ベニタケ科の何かだが、ひだが白いのに対し、柄に少し色がついているのが区別点か。クサイロアカネタケが怪しいと思ったが、北海道きのこ図鑑に載っていないので、よく似た別のベニタケ科の何かっぽい。

謎のキノコ

フウセンタケの仲間っぽい黄色い傘の小さなキノコ。

キシメジ科のサクラタケか。ムスカリンが含まれることがわかって有毒に分類されたというが、しっかり加熱すれば食べれるという話もあるけれど食べないのが無難。でもはっきり言って、ほとんどすべてのキノコは調べれば何らかの有毒成分は出ると思うし、食品添加物だらけの加工食品よりましな気はする。

横から見た姿がホテイシメジを思わせる。

謎のキノコ

ここまで後回し。

 

前から時々見かける、白いでこぼこした傘のキノコ。そこそこの大きさはある。前にオトメノカサやシロヌメリガサでは?と言っていたキノコですが、そうではなくて、オシロイシメジじゃないだろうか?

成長した傘は貝殻のようにも見える凹凸があります。柄につばはありません。オシロイシメジで調べると、似ている画像もあれば、そうでないものも。手持ちの図鑑の画像はなんとなく似ています。

もしオシロイシメジだとしたら、薬品のような独特の匂いがあるとのこと。匂いを確かめたことはないので、今度見かけたら確認してみたい。よく見かけるキノコですが、残念ながら有毒だそうです。

続いては昨日見たショウゲンジらしきキノコの群生から程遠くないところに生えていた謎のキノコの幼菌。まだ薄い皮膜に覆われている時点でそこそこ大きく、なにより柄がとても太い。

この柄の太さからすると、もしかしたら、ヤマドリタケ(ポルチーニ)の仲間でしょうか? まだ傘の裏側の様子が見れないので、イグチなのかわからない。後日改めて見に行ってみたい。

昨日見たミヤマタマゴタケをもう一度観察。また少し大きくなっていました。採取したわけではなく、柄をつかんでサイズを確かめているだけです。

後ろに控えている第二号のほうも背が高くなってきました。でも、地面を見ると、見事なタマゴの殻が残っていますね。どこを見ても美しくて立派で惚れ惚れとするキノコらしいキノコです。

コケに生える極小キノコ。7月に似たようなキノコで、多分ヒナノヒガサと思われるものを見つけていますが、こちらはキミズゴケノハナかもしれません。(無印ミズゴケノハナはもっと赤いので「黃」ミズゴケノハナのほう)

傘や柄にシスチジアと呼ばれる微毛が生えているのがヒナノヒガサ。傘にナラタケみたいに細かい鱗片があるのがミズゴケノハナ。頑張ってルーペで撮ろうとしましたが、明るさが足りないのが、全然ピントが合いませんでした…。(しっかり撮ってくれているサイトにリンクしておきました)

仕方なく通常の写真を切り抜いて拡大してみましたが、微毛はないように思えます。傘の中央になんとなくささくれみたいなものが見える気もするので、キミズゴケノハナのほうが可能性高いかな。

自信がないキノコは食べず。ナラタケ?とショウゲンジ?

今日も出てきていたナラタケっぽい何か。いつもと全然違う場所に出ていましたが、確認したら近くに広葉樹はたくさんありました。この森で出てくるナラタケ似のキノコは決まってこの種類です。

以前に何度も、ナラタケではないかと思って採取しているキノコですが、毎回確証が得られなくて、食べるに至ったことがありません。

気になってしまうポイントは2点。地面の草地から生えることと、軸が中空に近いということ。

柄にはしっかりつばが確認できるので、やはり中空とされるナラタケモドキではありません。

改めてじっくり調べてみたところ、数あるナラタケと総称されるキノコのうちの、ワタゲナラタケではないか、と感じました。情報は少ないですが、画像検索したところでは他のナラタケより見た目がかなり近い。

ナラタケ類についての資料によると、ワタゲナラタケは雑木林、人工林の腐植土や草地に生えるということで特徴が一致。柄の内部は海綿状とのことで、中実ではないものの、完全に中空ではないということ。

たとえナラタケといえど、しっかり同定できなければ、食べる気にはなれません。今後ナラタケを食べたいと思ったら、100%の自信を持って見分けられるようにならなければ。

ナラタケと呼ばれるキノコにはさらにたくさんの種類があるので、一つずつ写真を見て確認したほうがいいかも。どこかにまとめられているといいのだけど。

そして、これもまだ少し自信がないショウゲンジらしいキノコ。改めてじっくり観察してきたところ、ひだは褐色を帯びていることが判明。ネット上で見たショウゲンジの画像のひだの色とおおよそ一致。

昨日も書いたとおり、柄がまっすぐで、縦線が入っているところもそっくりです。白い指輪状のつばも。

傘は少し開いてきましたが、ショウゲンジの特徴とされるしわが寄ったような傘かと言われると、典型的ではないと感じます。

一番気になっているのが傘の色み。中心部が薄くて外周部が濃いというのは、確かにショウゲンジの特徴として見られますが、外縁に白い縁取りがあるのが謎です。ネットで見る限り、こんな縁取りがあるショウゲンジはほぼ見られません。

端っこのを一つ採ってみました。つばがありませんが、すぐ隣に生えていたものはつばがついていたので脱落したのでしょう。つばが取れやすいのもショウゲンジの特徴ではありますが…。

持って帰って、軸を切ってみたところ、中実と言っていいのか悩むような断面。スポンジ状?

確証が持てませんね。これは食べずに庭の養分になってもらいました。

せめて、この特徴さえあればショウゲンジで間違いない、と確認できるような部位があればいいのですが、見分けについての情報が少なくて決め手がありません。

まだ観察の経験値が足りないようなので、今回は食べるに至らなくてもいいと割り切って、老菌になるまで継続観察してみたいと思います。

(追記 : さらに調べたところ、この白い縁取りは、もともと傘を包んでいた外皮膜の名残で、ニセフウセンタケやフタイロニセフウセンタケの画像で確認できます。つばの取れやすさも特徴の一つらしいので、このキノコはニセフウセンタケだろう、と結論しました。食毒不明とされているだけで猛毒ではなさそうですが、慎重に判断するようにして正解でした)

乾燥したオオウバユリの実、紅葉したアカバナ

最近シダとキノコのことばかりで、めっきり普通の植物の話題が減りましたが、そちらも着々と冬支度を整えているようです。

森の中では、オオウバユリの実が、すでに乾燥して割れていました。中からみっちり詰まったマスプロダクツのような端正な種がこぼれ落ちそうになっています。いつ見ても、すばらしい造形だなと思います。

もう少し乾燥して朽ちてきたら、去年のように実を振って種を飛ばして遊んでみたいです。

アカバナの葉っぱが色づいているのも見つけました。当初は、ピンク色の花から、アカバナというなんとも投げやりな名前がつけられたのかと思っていましたが、そうではなく葉が美しく紅葉するからだそうです。ニシキギと同じですね。雑草みたいなものなのに鮮やかに紅葉するという点では確かに目を引きます。

アカバナというとこの細長い棒状の実もまた面白い。去年初めて見つけたとき、不思議に思ってとても印象に残りました。写真に写っているアカバナの棒状の実のうち、ひとつだけ裂け始めているのが写っています。

バナナのように皮が縦に裂けて、白いクモの巣のような繊維に包まれた種が飛んでいく姿は、森の中でも道路脇でもよく目立つ秋の風物詩です。

2020/10/04日

トドノネオオワタムシ(雪虫)が飛び始めました

森を歩いていたら、白い綿毛のようなものが浮遊していました。もしかして、と見回すと、あちらにもこちらにも。トドノネオオワタムシ、通称「雪虫」が飛び始めたようです。

動画ではうまくピントが合わず、詳細な姿がわかりませんでした。試しにふわふわと飛んでいる雪虫を手のひらの中に捕まえてみようと思って、軽く包みこんだのですが…

手のひらを開けてみると、無残にも死んでいました…。とてもショック。虫を擬人化しすぎるのはよくないとはいえ、こんな無防備にフワフワ飛んでいる虫を殺してしまうとは…。人間と仲良くなりたいのに力加減ができなくて殺してしまう巨人になった気分…。

ハエのような頑丈な虫と比べて、はるかに衝撃に弱いことがわかったので、次はうまく誘導して、草に止まらせることに。後から調べたら、わざわざ無風の日に飛び立つほど弱いらしい。申し訳ない…。

手を近づけると風圧で離れていく傾向があるので、上から覆いかぶさるように手を近づけて、下へ下へと誘導して、葉っぱに止まってもらいました。そこをルーペで撮った写真。

はじめて、トドノネオオワタムシの姿を確認できました。飛んでいる姿ではわかりませんが、腹部に綿毛があることを除けば、普通の羽虫らしい姿なんですね。

このあと、飛び立つかな、と思って、葉を揺すってみましたが、必死にしがみついて微動だにしません。やはり風や衝撃がない時を見計らって飛ぶということなんでしょうね。いろいろと可哀想なことをしてしまいました。

トドノネオオワタムシはその名のとおりトドマツの根を住みかとする虫。でもそれだけではなく、ヤチダモの葉も住みかとしていて、トドマツとヤチダモの間を飛んで移動します。

白い綿毛をまとって集団で飛ぶ様子が雪のように見えるため、また集団移動から2週間くらい経つと初雪がみられることが多いため、別名「雪虫」の愛称で親しまれています。

簡単に書きましたが、実際の生態はもっと複雑極まりないもので、いろいろなサイトで解説されています。

昆虫学者の河野広道によって解明され、映画も作られたとされていますが、一次情報が見つからず、詳しいことは不明。インターネットって聞きかじりの情報ばかりが広がるので文献にあたらないと駄目ですね。

こんな小さな虫の複雑な生態を、よくぞここまで解明したものだ、と昔の博物学者たちには頭が下がります。虫だけでなく、キノコにしても、他の様々な生き物にしても。

地元の友達に動画と写真を送ってみると、わたし以外にも、2人ほど雪虫を目撃している人がいました。森だけでなく、公園や住宅街でも飛び始めているようです。

去年は、森の中で、それこそ粉雪のような大群が飛んでいる姿を目にしましたが、今日はまだそこまで多くはありませんでした。雪虫が飛び始めたら初雪も近いと言われますが、今年はいつごろでしょうか。早ければ10月中に降るのかもしれません。

森は紅葉して見通しも良くなってきた

今年は植えていないのに、庭でカボチャとジャガイモが育ちました。去年コンポストに捨てた残り物が発芽したようです。こぼれ種から作物が育つというのは聞いたことがありますが、植えていない作物を収穫できるとは。自然界とは本来そういう仕組みなんですけどね。

近所のトドマツにからみついたツタ?ヤマブドウ?の赤いネックレス。道路を走っていると、高い木に絡みついたツタやヤマブドウの見事な赤さが目立ちます。この時期は、イタヤカエデの紅葉はまだですが、この他にはサクラ、ヤマモミジ、オオカメノキなどが紅葉の担当です。

眼を見張るような黄色に色づいたヤチダモ。この時期はやはり街路樹のイチョウはまだなので、黄葉の担当はヤチダモが一番ですね。ほかにもシラカバやオニグルミなども黄色く色づいていますが、ヤチダモほど見事な色ではない。

あまりに黄葉が美しいので、最初はなんの木だろうと不思議に思いましたが、遠目にも黒っぽい実がたわわに実っているのがわかるので、ヤチダモだと判明しました。周辺の地面にもヤチダモの実が落ちていました。

その後、森に出かけた時に、カラマツやトドマツの間を飛んでいたミヤマカケス。羽の色からすぐに気づきました。イタドリやヨブスマソウなど、背の高い植物が枯れてきて、森の中でも見通しがよくなってきましたね。冬はまたバードウォッチングの季節です。

森の地面にたくさん落ちているハリギリの落ち葉。「テングのうちわ」として有名なヤツデの親戚。ヤツデはこのあたりにはないけれど、ハリギリもヤツデもウコギ科で葉っぱの雰囲気はよく似ています。

ハリギリの落ち葉が地面を覆い始めると、もう秋も深まってきたなと感じます。

今日のシダ。リョウメンシダ、ミヤマワラビ?、ホソバナライシダ

葉の切れ込みが激しくレース状になっているシダ。前々から気になっているもの。葉の切れ込みが激しいシダは多いですが、サイズが50cmを超える大型のシダとなると、全然わかりませんでした。

小羽片の形を拡大してみると、メシダよりもはっきりと深く切れ込んでいます。

しかし今回はちゃんとソーラスを確認できました! 明らかにメシダの仲間ではないことを示す、不思議な形のソーラスです。いったいこのシダは何者なのか―

葉っぱの裏全体にソーラスがついていたわけではなく、下のほうの羽片だけでした。表からみると、下の写真のように、裏にソーラスがついている部分だけ、葉っぱの表面がデコボコしているので、存在がわかります。

軸はほとんど毛がなく、下のほうにだけ、茶色い鱗片がわずかに確認されます。これほど特徴をバッチリ観察したから、今日こそは正体が判明するはず!

下の写真も同じような雰囲気のシダ。歩いているとやはり気になるのか、別の場所で撮っていました。

帰って調べてみたら、リョウメンシダという名前だと判明しました。よく見かけるけれど、同定できたのは初めて。葉の裏表がわかりにくく、どちらから見ても立派なので、リョウメンシダと言うらしいです。

オシダ科カナワラビ属のシダということで、芽生えの時点ではワラビっぽい握りこぶしを突き上げたような形をしているようです。

ワラビのように三つ股ではないので、区別はたやすいですが、春にワラビっぽいのにワラビでない芽があれば、イヌワラビ、ミヤマワラビなどのほかにリョウメンシダの可能性もありそうです。

北海道では、リョウメンシダはほとんど日本海側に分布しているらしい。わたしが住んでいるのは日本海側でもオホーツク海側でもなく真ん中あたりなので、リョウメンシダの分布域の境界あたりのようです。

北海道には、ほかのカナワラビ属としては、シノブカグマというシダがありますが、ソーラスのふちや、軸の鱗片が黒いことから区別できるようです。同じような切れ込みの激しい葉っぱの大きめのシダを見かけたら思い出したいところ。

さて、次のシダは、地面にたくさん生えているミヤマワラビに似ているのですが、サイズが違う。ミヤマワラビは葉の大きさ(葉柄除く)は10cmほどと明らかに小型なのですが、このシダは30cm前後。また足元ではなく斜面から生えている。

外見上の特徴としては、全体の形はミヤマワラビに似ていますが、葉の先っぽの羽片が急に短くなっていることがわかります。これはイヌワラビの仲間の特徴。

葉柄にはごく短い薄茶色の鱗片がついている。そして、羽片に柄がないこともわかる。

ミヤマワラビと葉全体の形が似ていて、先のほうの葉っぱはイヌワラビっぽい。この2つの特徴を持ったハイブリッドなシダは、図鑑を見る限り、ヤマイヌワラビかカラクサイヌワラビの二種類のみ。葉身のサイズも30cmくらいと一致。

しかし、この両者は羽片のふちが少しギザギザ。しかも軸がどちらも紫色で鱗片がないらしい?。さらに、イヌワラビの仲間は羽片に柄があるのも特徴。これらの特徴は、このシダには見られない。

ということは、結局、イヌワラビ系ではないので、イヌワラビっぽい特徴をもった大きいミヤマワラビ、としかいえない。シダは雑種を作ることが知られているので、何らかの中間的なものなのかも。手持ちの北海道シダ図鑑に載っていないシダかもしれないので、現時点での結論は保留。

次の写真は、前に湿原に登ったときに見たホソバナライシダによく似ています。

一番下の羽片が大きいので、三出複葉っぽく見える幾つかのシダのうちのひとつ。特に、最下部の左右の小羽片が長いので五角形に見える。五角形になるのは、ホソバナライシダ、オクヤマシダ、シラネワラビ、イタチシダの仲間など数種類に限られる。

葉身のサイズは20cm強。葉身の長さが40cm以上になるとされるホソバナライシダとしては妙に小型すぎる気がします。でも葉の切れ込みが激しいので小型のオクヤマシダとは思えない。

ソーラスは橙色のつぶつぶ。葉の形が類似しているシラネワラビやオクヤマシダも似ているので区別点にならない。

軸は、根もとのほうに少しだけ薄茶色の毛がある程度。シラネワラビやイタチシダ類は、もっとはっきりと鱗片がつくようなので除外できそう。

ということで、たぶん小型のホソバナライシダかな? シダの種類は大まかには見分けがつくようになってきましたが、細かい区別はまだまだ難しいです。

今日のキノコ。カレエダタケモドキ? キヌメリガサ、オシロイシメジ等(後日調査予定)

謎の小さな白いキノコ。トドマツの根もとに生えていました。特徴的なので、調べたら同定できそう、と思っていたら、図鑑をパラパラめくっているだけで判明。カレエダタケもしくは近縁のカレエダタケモドキのようです。

無印は混交林に生え、ホウキタケやサンゴのような細かい分岐が目立つのに対し、モドキのほうは、トドマツやヨーロッパアカマツの林に生え、枝分かれが少ないとのこと。どちらとも言い難いですが、モドキのほうかなぁ…。

この前ミヤマタマゴタケが2本生えていた地帯に行ってみたら、奥に3本目が出ていました。

それにとどまらず、すぐそばには、ミヤマタマゴタケが4本もはえている場所がありました。いつの間にかミヤマタマゴタケの群生地帯になっています。はっきり食べれるとわかっていれば採取できるのに…。

前から何度か見ては、頭を悩ませているタイプのキノコ。

謎の黄色い小さなキノコがぽつりぽつりと。色と形からしてキヌメリガサの幼菌かと思います。傘が1cmほどと小さすぎる気もしますが、もう少し成長して傘が開けば、3~4cmという図鑑の記述どおりになるのでしょうか。

この前、大きなイグチの幼菌ではないか、と思っていた膜をかぶった謎のキノコですが、予想外の成長を遂げていました。大きいキノコであることは確かですが、イグチではない。何者? 大型のフウセンタケの仲間か?

しかも、前回見かけた2本だけでなく、近隣に大量発生していました。大きめのキノコがボコボコと出ているさまは壮観。

なんと、トドマツ林の根もとが崩落してできた空洞の下にまで生えてきていました。

地中に生えるキノコとは面白い。厳密には土の中に生えているわけではなく、露わになっている場所に生えてるだけですが、根っこの間から見えているという構図が、地中を覗き見しているようで神秘的。

あまりにもキノコ然としたキノコで、これといったユニークな特徴がないせいで、種類は全然わからず。

次の写真は、ショウゲンジかと思っていたキノコのその後。やっぱり同定のネックになっていた傘が、全然ショウゲンジっぽくないですね。ショウゲンジらしいしわがなく、ニセフウセンタケ、フタイロニセフウセンタケなどを思わせる白い縁取りがある。

ホコリタケ? しかし弾力性があって固い。幼菌の時は固いと読んだことがありますが…。後から調べるとホコリタケ(キツネノチャブクロ)ではなく、タヌキノチャブクロのようです。

キツネノチャブクロ(ホコリタケ)は表面に細かいトゲトゲがあって、地上から生えるのが特徴。一方タヌキノチャブクロは朽木から生えるとのこと。確かに地面に落ちた枝から生えていました。

そして、キツネノチャブクロにしてもタヌキノチャブクロにしても、食べることができるのは、この弾力性のある幼菌の時点だそうです。だからといって食べてみるにはかなり勇気がいりますが…。

カラカサタケはもう老菌になっていて「ニギリタケ」の遊びができませんでした。

アカモミタケかと思って採ったらひだが白くて違いました。そもそもトドマツ林ではなく、カラマツと他の広葉樹のところ。

傷つけると白い乳液が出てきたものの、少量だったので食用キノコとして有名な無印チチタケではなさそう? 確証が持てないので食べることはできません。

オシロイシメジ?ではないかと思っているキノコの群生を今日も見つけました。

普段は、生えているキノコを抜いて観察したりはしませんが、今回は大量に生えていたし、ずっと謎なキノコなので、傷んでいるのを採って調べてみることにしました。

傘の表面はマット加工されたような光沢のない純白。裏側のひだもほぼ同じ色ですが、わずかに黄みがかって見えるか。

つばはない。ひだは垂生、柄は中空。図鑑によるとオシロイシメジの柄は中実とのことで矛盾しますが、ネット調べてみたら、幼菌の時は中実、成長すると中空になるらしい。調べたのは老菌なので、中空でも不思議ではありません。

まあ、最初から気になっていた中心部が一段盛り上がっている傘の形状が、オシロイシメジの特徴のひとつだそうだから、これで間違いないでしょう。

昔は食用だったそうですが、軽い中毒例があって毒キノコの分類になってしまったそうです。見分けやすいだけに、食べれないのが残念です。

以下は、タマゴタケと今日の収穫。先日の双子タマゴタケはそこそこ成長して傘が開き始めていましたが、もうすでに虫食いが多かったので、収穫させてもらうことにしました。

まだもう少し傘が開いたほうが、胞子を飛ばしてしまえて、タマゴタケにとっては都合がいいのだろうけれど、そこまで待ったら傘がぼろぼろになりそう。せめて歩きながら胞子散布に協力させてもらいます。

その脇に、もうひとつ新しいタマゴタケが出てきているのも見つけました。3枚上の全体像の写真にも写っています。こちらのタマゴタケは、まだつばが破れたばかりで、これから傘が開く段階なので、今日は採らずに成長を待つことにします。

2本のタマゴタケに加えて、道のど真ん中に生えていて、(主にわたしが)踏んでしまいそうなノボリリュウタケも幾つかあったので、少し小さめでも採ってきました。

タジン鍋で蒸し焼きキノコ料理になりました。

公園に大量のキノコ。アカヤマドリも!

夕方には、久しぶりに近所の公園に寄ってみました。気分転換にちょっとだけ散歩しようと思っただけなのに、キノコがあちこちに大量発生していて、いつの間にかキノコ観察に。

まず公園のシラカバ林にあった謎のキノコ。横から見ると、かなり管孔が膨らんだイグチの仲間だとわかります。後で大量に見かけたアカヤマドリよりサイズはかなり小さいので、何か別のイグチでしょうね。キッコウアワタケあたりが少し似ているか。

シラカバ林の中に生えていた、チチタケの仲間っぽい形をしている謎のキノコ。環紋ははっきりしておらず、乳液は確認していません。薄い赤みを帯びていることからチギレハツタケかニセクサハツあたりでしょうか。候補が多くて難しい。

庭園樹として植樹された二針葉マツらしき木の林に出ていた謎のキノコ。傘を裏返すとイグチだとわかりました。もしかすると、シロヌメリイグチの老菌かもしれない。この前調べて判明した、クロヌメリイグチとでも言うべき代物。

ここでもタマゴタケ。去年もこの公園でタマゴタケを見かけたことがあったので、意外ではありませんでしたが、森の中に限らず、どこでも生えるものなんですね。ありがたく森で収穫したタマゴタケに加えて、これもいただきました。都会の公園と違って、全然汚くなさそうだし。

そのすぐ近くには、イボテングタケの群生。先日もこの公園で巨大イボテングタケを見かけましたが、まさかこんな次から次にボコボコと後続が出てきているとは。

こんなに大所帯のイボテングタケの一家がそろっていたので、成長段階もさまざま。ずっと見たかった幼菌の赤ちゃんイボテングタケもあってラッキーでした。大きく成長した威容もかっこいいですが、幼菌のぷくぷくした感じも可愛い。

そして、二針葉マツ林の奥にある混交林地帯に大量に生えていた謎の巨大イグチ。網タイツが確認できるので、恐らくヤマドリタケ、つまり食用ポルチーニの仲間。

ずっしりと重くで巨大。赤茶色のひび割れた傘、黄色のスポンジからすると、アカヤマドリの可能性が高そう。食べてみたかったけれど、これだけ管孔が開いて反り返ってしまったら、もう虫などが入り放題だから無理ですね。

その近くにあった、少し色の違う巨大イグチ。アカヤマドリに比べると無彩色寄りの色ですが、同じキノコなのか別の種類なのか、もう少し調査しないとわかりません。

イグチの仲間でも、ドクヤマドリ、バライロウラベニイロガワリ、アシベニイグチ、ニガイグチ、ウツロイイグチ(文献によって異同あり)、との見分けを覚えて、いつか食べてみたい。

他のキノコ好きの人たちのブログを読んでいたら、わたしのように森に入るのではなく、公園で観察していて衆目が気になる、と書いている人がよくいます。公園でもキノコがそんなに生えるのかぁ、と思っていましたが、確かにたくさんあるものですね。

森の中では一度しか見かけたことがないアカヤマドリが大量発生しているし、イボテングタケやタマゴタケは普通に生えているし。

キノコの中には大自然の森の中を好む種もあれば、都会が好きな種もいて、都会好きのドクアジロガサとかオオシロカラカサタケが公園に生えて食中毒の原因になっていると読んだことがあります。この公園に関しては、すぐ近くに山や森があるので、どのあたりまで都会的なのかはわからないけれど。

簡単なキノコ観察なら、森に出向かなくても公園で事足りる感じ。今日見た範囲も、この公園の10%も歩いていないので、一日探検しても飽きないくらいはキノコが生えていそうでした。わたしはノボリリュウタケが食べたいから、基本は森に出かけると思うけれど(笑)。

2020/10/05月

名寄の紅葉、アズキナシの実、草木染め展

道北の中心都市の名寄に用事で出かけることになりました。人口3万人都市なので、交通量も多く、緊張します。ふだん一時間走っても信号機がひとつもない、という道も多いので、都会を運転する時は気を遣う。旭川や札幌は一生無理でしょう。

空き時間に公園を散歩。名寄は名寄公園、サンピラーパーク、浅江島公園など、きちんと整備された自然豊かな公園がたくさんあります。

虹色に色づいたナナカマドの紅葉。細長い羽状複葉と、真っ赤な集合果から、すぐに見分けることができる馴染み深い木です。

たぶんエゾヤマザクラなどのサクラの仲間だと思われる紅葉した木々の並木道。道北の紅葉は、そろそろ見頃かもしれません。イタヤカエデやイチョウが色づくのはまだですが、その時期になると他の木々はピークを超えてしまって寂しくなります。

広葉樹の林の中の遊歩道。まだ青々とした葉っぱも多く、落ち葉も少なめですね。

名寄公園の池。セイヨウスイレン?に埋め尽くされていました。スイレンも悪くはないけれど、自生種が繁茂している池が見たい。

公園で見かけた、謎の実。なんの樹木だろう?と思いましたが、並行する葉脈がよく葉っぱからしてアズキナシ、別名ハカリノメだと気づきました。

ナナカマドの単葉バージョンのような木で、特に冬芽がそっくりですが、ナナカマドほど花が咲き乱れないので、実もそんなに集合してつかないようです。ネット上で画像検索すると、もっとたくさん実がなっている写真もありましたが、ナナカマドほどびっしりではない。

名寄公園の近くの北国博物館(読みは「ほっこく」らしい)で、無料の企画展「名寄の色図鑑~草木染めとキノコ染め~」が開催されていました。全然他のお客さんはいなくて密になりそうもなかったので、ゆっくり楽しめました。

かなり面白い内容で、身近なアキタブキ、オオイタドリ、スギナ、オオハンゴンソウなどをはじめ、なんとキノコを使った染め物もありました。驚いたことにキノコは種類が多いので、量を集めることができれば、どんな色でも染めることが可能だそうです。

中でも興味深かったのは、アカヤマドリの話で、「公園などでよく見られ、お大きなものではかさの直径が30cmに達する。2020年は名寄公園で大発生した」と解説されていました。

やはり、昨日、地元の公園で見かけたのは、アカヤマドリか、その他のヤマドリタケの仲間、つまり高級食材ポルチーニの親戚だったようですね。公園に発生しやすいとはノーマークでした。来年からは注意して探したいです。

帰り道では前方に虹が出ていたので、停車して撮ってみました。雨が降ったりやんだりの不安定な気候の今は、虹が出やすい季節。一昨年引っ越してきたときも、去年も、そして今年も、虹がよく現れます。

2020/10/06火

智恵文沼で見つけたクサレダマの実と水草ヒシ

昨日に引き続き、今日も名寄に出る用事があって、とても疲れました…。日が暮れるのが早く、帰りの時間にはもう薄暗くなっていましたが、せっかくここまで来たので、智恵文沼に寄ってきました。

天塩川の護岸工事でできた三日月湖のひとつ。春にはハクチョウが飛来することも。今はカモの仲間が泳いでいました。都会の湖とは思えないほどきれいで、目立ったゴミもなく、とても気持ちいいスポット。近くだったらもっと頻繁に来たいようなところ。

すでに薄暗く、逆光ぎみだったのでほぼシルエットのみですが、2枚目の写真はユニークなツートンカラーから、キンクロハジロのオスだとわかります。

 

岸辺に生えていた謎の実。今まで見たことがありません。でも、葉っぱを見ててみると、なんとなく見覚えがある。

この葉っぱで、今まで実を見たことがない身近な植物…、クサレダマか!と調べたところ当たりでした。シダやキノコに比べて候補が少なくて楽だ。

クサレダマ(草連玉)は、オカトラノオの仲間の黄色い花ですが、総状花序のトラノオほど花が密につかず、まばらな円錐花序です。だから、実の付き方もまばらな円錐の形ですが、薄い赤い実がなるとは知りませんでした。普通に家の近所にもあるから探してみようかな。

そして、今日の大発見は、沼の水面を覆っていた水草の葉っぱ。アイヌ植物誌に掲載されている見かける植物のうち、まだ観察できていない唯一のカテゴリが水草。今年は森ばかりで、沼や川に行きませんでした。

雑な知識から、自生している水草といえば、スイレンの仲間のヒツジグサやコウホネ、そして食材として有名なヒシあたりがあることを知ってはいました。智恵文沼をびっしり覆っていた水草は、葉っぱの形から、明らかにヒシだとわかります。

葉っぱの形は見事な菱形。そもそも菱形の「ひし」は、この植物の葉っぱか実の形に由来しているそうです。

疲れていたので、あまり真剣に観察しませんでしたが、どこかに花や実がついていたかもしれない。写真には写っていないように見えますが、今の時期なら実ですね。ヒシの実はクリのような味がするアイヌの食材だというから食べてみたかったけれど。

2020/10/07水

今日のシダ。ワラビの紅葉、クジャクシダ、シシガシラ等

オンライン会議など、いろいろ用事がありましたが、午後早くに時間を見つけて森に出かけました。先日見かけたタマゴタケがそろそろ成長したはずなので、残っているようなら採ってこようと。

出かけた時は晴れていましたが、今の季節の天気は変わりやすい。すぐに雨がちらついてきました。ヤッケを着ていたので少々の雨はしのぎながら探索しましたが、やみそうになかったし冷えてきたので、お目当てのキノコだけ見つけて早々に引き上げてきました。

短い時間だったけれど、それなりにシダとキノコの実りある観察ができたので、写真と感想を載せておきます。

まず、森の入り口付近のワラビの群生地にて。なんとワラビの葉っぱが紅葉していました。

写真ではわかりづらいですが、現地で見ると、かなり赤っぽさが目立ちます。ヤマドリゼンマイが黄葉していた時にも驚きましたが、紅葉するシダ植物もあるなんて!

紅葉や黄葉というと、いわゆる比較的新しい顕花植物特有のものかと思っていましたが、そうではないらしい。恐竜時代にも色づいた葉が美しかったのかな、と思いを馳せました。当時はイチョウの仲間が全盛だったはずだし。

今日発見して一番嬉しかった植物はこのクジャクシダ。山肌を観察しながら歩いていたら見つけました。

名前も形も写真を見て知っていましたが、こんな小さいとは思いもよらず。全道各地に分布しているはずなのに、今まで発見できなかったのはサイズ感が狂っていたせいでした。

クジャクシダの最大の特徴は、この鳥足状複葉っぽく見える二股分岐を繰り返して広がっている葉。厳密には鳥足状複葉の形とは違うのですが、それでも鳥足状複葉のマムシグサなどの葉の広がり方と似ているな、と感じます。こういう見分けやすい葉っぱが大好き。

次の写真は、初めて見るような気がして撮ったシダ。もしかして岩や木に貼り付くデンダの仲間?と思ったのですが、葉裏にソーラスがないし…。

帰宅して調べてみたら、たぶんシシガシラのようです。前に登山道で見かけたことがありましたが、あのユニークな胞子葉がないので気づかなかった。

このような一回羽状複葉のシンプルな葉っぱをしたシダは、岩や樹皮から垂れ下がっている小型のシダならデンダの仲間ですが、地面から生えている場合は、道内ではシシガシラとヤマソテツのどちらかのようです。

シシガシラとヤマソテツはどちらも、とても似たあのユニークな胞子葉を出しますが、栄養葉(普通の葉っぱ)のほうを見れば、区別は容易。羽片のふちがギザギザしていたらヤマソテツ、今回のように丸みを帯びていればシシガシラ。

次は先が急に細くなっていることが、ひと目でわかる特徴的な形状りのシダ。

このようなわかりやすい特徴を持っているのは、主にイヌワラビの仲間のようですが、イヌワラビ系は羽片に柄があるようなので、この写真のシダは違う。葉っぱ全体の形も、軸の下のほうまで小さな葉をつけている点はイヌワラビらしくない。

軸に鱗片はなく、葉のサイズは30cm以下と小柄。

困ったことに、図鑑に載っているシダの中に、これに当てはまりそうな種類が見つかりません。形だけで言えば、毛の生えていないクマワラビ感もありますが、他の特徴は全然違う。

こうなってしまってはもうお手上げ。似ているのを混同することはよくあれど、候補すら見つからないのは初めてです。

次の写真は今まで見たことのないシダかな、と思って撮ってみたのだけど、改めて写真で見ると大きめのコタニワタリのような気がする。葉の根もとの形状をしっかり撮るべきでしたね。

このような複葉になっていない葉っぱ一枚のシダは、木や岩に生えていたらホテイシダやシノブの可能性がありますが、地面から生えていてこんなに毛深いのは、道内ではコタニワタリのみのようです。

時々生えているゼンマイ。まばらに確認できたのは数本だけなので、春に山菜として食べれるほどの量は群生していないようです。一見シダには見えない面白い形の葉っぱを見つけて、あっゼンマイだ、と楽しむくらいか。

今日のキノコ。キヌメリガサ?、シロヌメリガサ?等

よく見かけるタイプのアシナガタケっぽい小さなキノコ。でもキシメジ科の類似した別のキノコかもしれない。

宮殿のてっぺんのような形をしたかわいらしいキノコ。ネットで調べてみたら、オオウスムラサキフウセンタケの画像に傘の形も柄の下のほうの綿状の菌糸も酷似しています。

サイズは調べていませんが、高さ5cmくらいだった気がするので一致。ただし図鑑の画像とは全然似ておらず、成長段階によってかなり印象が変わります。

この前も見かけた、キヌメリガサではないかと思しき黄色い頭のキノコ。柄は前回よりも伸びていましたが、傘はまだ開いていません。成長が遅めのキノコなんでしょうか。

キヌメリガサはカラマツ林によく出るキノコだそうですが、見つけたのはトドマツ林でした。一応のところ、他の種類のマツの林でも出るそうですが、同定が合ってるかどうかはもうしばらく成長を見守るべきか。

もしキヌメリガサだったら食べれるとのこと。図鑑に「晩秋のカラマツ林の代表的な食用キノコ」と書いてあり、そろそろ秋も終わりだなと感じさせられました。

新しく大量発生していた白いキノコ。群生しているだけあって、様々な成長段階のものがみれました。最初はまんじゅう型ですが、キノコらしい形に成長して反り返って開くらしい。

同じヌメリガサ科に、黄色い傘のウコンガサというキノコもあるそうですが、こちらは成菌になると白く変色するらしい。

そして、もう少し進んだ場所に、こちらは白いキノコの幼菌が大発生していました。幼菌の形はさっきのキヌメリガサと似ていますが、白いのでマッシュルームの群生みたいに見えます。サイズもそのくらい。

キヌメリガサと似ていて白い、ということは、もしかすると「シロ」ヌメリガサなのでは?と安易な考えで調べてみたら、確かによく似ている。ミズナラなどの広葉樹やトドマツ林などで生えるということも一致。

こちらはキヌメリガサと比べて、すでに傘が開いているものもちらほらとありました。下の写真では、柄の上のほう、傘の付け根あたりにささくれがあるのが確認できます。これがヌメリガサ科の特徴のひとつなのだそうです。

サイズは傘の直径5cmくらいはありそう。キヌメリガサに比べると一回り大きいです。図鑑でも3~7cmと書いてあったので、大きさからしてもシロヌメリガサで合ってそうですね。

一応キヌメリガサ同様食べれるそうですが、幼菌のころは毒のあるシロトマヤタケと見間違いやすいので、成長して柄の上部のささくれを確認したほうが確実のようです。触らなかったのでぬめりは不明。

例のショウゲンジかなと思っていたキノコ。傘に特有のしわが確認できなかったので、いったい何なのかわからないまま老菌になってしまわれた。のちにニセフウセンタケだろうと判明しました。

先日、土の下も含めて、一帯に大量発生していた謎の大型キノコ。柄の太さから幼菌時の段階ではヤマドリタケの仲間?と思いましたが、全然違ったあのキノコ。たぶん大型のフウセンタケの仲間だと思いますが…。

あまりに大きくなって自重で倒れていたものがあったので、手に採ってよく観察してみました。ずしりと重みがあって、柄もぎっしり中身がつまっていそうな感触があります。

ひだは破れていましたが、特に乳液が出ている形跡はありませんでした。傘は反り返って開いて、環紋や条線はなし。調べて種類がわかればいいのですが…。

タマゴタケがあちこちに数本出ていました。下の写真は今まで見たことのない場所に生えていた小型のタマゴタケ。近くにもう一本ありました。採るかどうか迷ったけれど、傘は開いているし、これ以上大きくなりそうもないのでいただきました。

この前双子のタマゴタケの横にあって、まだちいさいので採らなかったタマゴタケ。すっかり傘が開いて、そろそろ胞子も飛ばしたかな、と思って採取しました。虫食いはあれど、傘の裏はきれい。今日のタマゴタケ収穫は計3本となりました。

驚いたのは、柄に「だんだら模様」が確認できたことです。何気にこの道北で採れたタマゴタケの中では初めてでした。

このあたりのタマゴタケはだんだら模様ができないものだと思っていたら、できる個体もあるんですね。成長する時にできる肉割れのようなものではないか、と言われているのを読んだことがありますが…。

たくさん新しく幼菌が出てきたアカモミタケ。今日も成菌を4本ほどいただきました。トドマツ林のあちらこちらに顔を出していたので、もうしばらく採れるかもしれません。

アカモミタケの群生地に混じって生えている猛毒タマゴタケモドキっぽいキノコの3世代目。しかし最初に比べると2本目、3本目は小さくなってきました。可食のほうのタマゴタケも、最近出てくるのは小さいから、シーズン終了間際になると小型化するんでしょうか。

そして! 今日はついにサルナシ(コクワ)の実が熟していました!

高所にたわわに実っているサルナシの木ですが、低い枝に数個だけ手の届く実がありました。触ってみると、そのうちの一つが柔らかくなって熟していました。

去年もサルナシの実は食べましたが、自分で見分けて採取したのは初めて。そもそも去年サルナシだと言われて渡された実はマタタビだった可能性があるので、もしかすると食べるのも初めてなのかもしれない。

半分に切ってみると確かにキウイらしい断面でした。キウイの原種はサルナシではありませんが、近縁の中国の植物シナサルナシ(オニマタタビ)から、ニュージーランドで品種改良されたそうです。

食べてみると、食感はキウイですが、ほとんど酸味がなく、ジューシーで甘い! キウイよりこっちのほうが好みです。これだけ甘いなら、甘党のクマが大好きなのもよくわかる。

今日採った場所はクマが採りにきた形跡がないので、やはり人間のテリトリーだと思って警戒しているのかな。奥山のほうにサルナシの木なんてたくさんあるから、わざわざ人里近くまで出てきて採る必要もないのだと思いたいです。

2020/10/09金

深山の紅葉が見頃でした

久しぶりに湿原ふもとの山まで出かけました。天気が悪かったので高層湿原までは登りませんでしたが、ふもとを歩くだけでも、色とりどりの紅葉が楽しめました。ヤマザクラの紅葉は散っていましたが、他の木々は今が見頃か。

そういえば、わたしが北海道って美しいな、と最初に感じたのが紅葉の景色でした。学生のころ、修学旅行で秋の北海道に来て、たぶん支笏湖だったかの紅葉が、息を呑むほど幻想的で美しかった。

今日の沼の紅葉はそれを思い出させるような鮮やかさ。さらに霧も出ていれば、あのときの湖の紅葉の風景そのままだったでしょう。

でも、修学旅行のときとは違って、今は旅行で観光地に来ているわけではない。ここに住んでいるのだから、何度でも、心ゆくまで極上の紅葉を楽しむことができます。

色づいた木々の間に覗く滝を楽しむことも。

この写真の複雑なゴチャゴチャ感が、息づく生命の多様性を感じさせて最高に好きです。名前をあげて数えたら、十指にはとても収まらないほどの植物が、このたった一枚の写真に写り込んでいる。

縦に撮った構図も、空が写っていていいかも。

近くにヒグマがいるかもしれない、と警戒しながらも、滝のそばに座って、轟々と流れる水音を聞いていました。紅葉が舞い散る川辺で穏やかな時間を過ごしていると、世間で起こっている恐ろしいことや悲しいことがただの悪い夢であるかのように思えます。こんな時間がずっと続けばいいのに。

帰り道では、パラパラと降っていた雨があがり、晴れ間に巨大な虹がかかっていました。深山の森のそばでは、信じられないほど平和で美しい悠久の時間が流れています。

道ばたのユウゼンギク、ミネカエデの黄葉、オオカメノキの紅葉など

少し時間を戻して、道中や、湿原のふもとの森を散策している時に見た植物いろいろ。

まず、道中の道端に咲いていたユウゼンギク。運転していると、道の両脇に紫色の目立つ花がぽつりぽつりと咲いているのに気づき、車を停めて写真を撮りました。

ノコンギクにしては紫色が濃すぎるし、花びら(舌状花)も細く感じるので、おそらく名前だけ知っていたユウゼンギクのほうだろうと思いました。一度気づくと、家の近所の町中にも咲いているのがわかるようになりました。

湿原のふもとの森で見つけた赤い実。葉っぱや実の形からして、ツツジ科かスイカズラ科の何かだろうか。楕円形の小さな葉で、ふちに微細にギザギザがあることからして、前にも見たことのあるオオバスノキじゃないかと思います。

エゾヤマザクラの紅葉はもう散っていましたが、代わりにオオカメノキの素晴らしい紅葉と、青く色づいた実がよく目立ちました。

オオカメノキの実は、まだ葉が緑色をしているころは真っ赤ですが、秋が来て葉が燃えるように紅葉すると、入れ替わるかのように青黒く熟します。

そしてそのころになると、冬も雪の中で目立つオレンジ色の冬芽が伸びて、来春の準備を整えています。春、夏、秋、冬と、4色を見事に使い分ける季節感豊かな木だとわかりました。

黄葉したツルアジサイが巻き付いた木。ダケカンバ? 他のよく見かけるツル植物である、ツタやヤマブドウが真っ赤に紅葉している中、ツルアジサイは黄色く色づくのも、色の住み分けが感じられて調和がとれています。

ミネカエデが黄金色に染まっているのも、あちこちで見かけました。都会人なのでモミジやカエデというと紅葉の印象が強かったのですが、こんなに立派な黄色一色になるカエデがあるとは。

調べてみると、ミネカエデは黄色、近縁のナンゴクミネカエデは赤色に色づくそうですね。どうしてそんな違いがあるのか不思議。ここは日本国内でも北方ですから、ミネカエデというと黄色一色になるようです。

冬芽もあったので撮ってみました。カエデ類は、芽が対生になるという特徴から冬芽ですぐ見分けがつきますが、ではどのカエデなのか種類を細分化しようとすると苦労します。

ミネカエデのは、やはり近隣に多いヤマモミジと同じほっそりした冬芽ですが、ヤマモミジのような白いハカマ?がついていないことで区別できます。またイタヤカエデの仲間も多いですが、あちらの冬芽はもう少しずんぐりむっくりしている印象。

雨が降ってきたので急いで帰っているときに見かけた、見覚えのない三出複葉の紅葉。一応写真に撮っておいたものですが、後で調べてみたら、ツタウルシだったのかもしれません。どこから葉が出ているのかも観察できていればと悔やまれます。

帰り道でマタタビの実を発見したので、ひとつぶ摘んでいただきました。味はサルナシ(コクワ)に劣ると言われますが、わたしの大雑把な味覚ではわかりませんでした。どちらも普通においしい。葉っぱの雰囲気からしてマタタビと判断したけれど、じっくり調べたわけではありません。

去年食べて酸っぱい思いをしたゴゼンタチバナの葉は、道中でたくさん見かけましたが、実は全然ついていませんでした。やっとのことでたった一粒見つけましたが、こんな貴重な実をいただくわけにはいきません。

クロノボリリュウタケ発見! (追記:ノボリリュウタケの毒性について)

ヒカゲノカズラの群生地のまわりに、さまざまなキノコが出ていました。このキノコは菌環を作っていたもの。種類はまだ調べてない。

天然のハタケシメジ。去年詳しい方に教えてもらったのとまったく同じポイントに出ていたというそれだけの理由で判別できました。まっさらな場所に生えていハタケシメジを自分で見分けることは今のレベルではできません。

何より驚いたのはこれ。まるで金属のような黒光りする光沢のクロノボリリュウタケを見つけました。それも一本だけでなく、その一帯に大量に群生していて、気をつけて歩いていないと踏んづけそう。

大量に出ていたし、幼菌もいっぱいあったので、そこそこ大きなのを何本かいただきました。ノボリリュウタケとしてはまだサイズが小さく、採り頃は数日後かなと思いましたが、毎日見に来れる場所ではないから妥協。家の近くはシロノボリリュウばかりなので新鮮。

すぐ近くにあった、上から見ただけでは混同しそうな黒いキノコ。Google lens先生によると、古くなって黒く変色したアカヤマタケかもしれない。

クロノボリリュウタケの幼菌。踏まないよう気をつけて歩いたつもりですが、大量にあったので、たぶん幾つも踏んづけてしまったことでしょう。

収穫させてもらった少し成長したクロノボリリュウタケ5本。同じ場所のクロノボリリュウタケでも、傘の色には個体差がありますね。うちの近所のシロノボリリュウも色白なのから褐色のものまで幅広いし。鳶色でなければ大丈夫。

いつものようにジャガイモと一緒に炒めていただきました。色は違えど、食感はノボリリュウタケそのもの。ささみ肉のような歯ごたえが美味しいです。

(※わたしの手持ちの北海道きのこ図鑑では、ノボリリュウタケは、白も黒も同じように食べれるとされています。しかし、ネット上の情報によると、黒のほうは食不適になっている図鑑もあるそうです。またWikipediaではなぜか鞍の部分だけ食用とされています。

ノボリリュウタケは、猛毒のシャグマ/ヒグマアミガサタと同じ毒成分であるギロミトリン(ジロミトリン)が微量含まれていることが明らかになっています。

しかし、フィンランドでは、ノボリリュウタケよりはるかに多くギロミトリンを含むシャグマアミガサタケが、伝統的に食用とされていて、煮沸、乾燥させて食されています。

生食すれば中毒すると言われるのは、ギロミトリンの毒性のためですが、生食で中毒するのは、ノボリリュウタケだけでなく、ほとんどの食用キノコがそうです。生食できるのはマシュルームとタマゴタケ幼菌くらい。ギロミトリンは10分煮沸か10日以上の乾燥で分解されるので、一般にノボリリュウタケは加熱すれば食べれるとされています。

しかし、単に加熱すれば良いというわけではないらしく、ギロミトリンは分解された後、モノメチルヒドラジンという成分に変化します。このモノメチルヒドラジンもまた、発がん性が疑われているので注意が必要です。

幸い、水に非常に溶けやすく、沸点は87℃と揮発性も高いので、煮沸した水を捨ててから改めて洗う、乾燥させた場合は水にしばらく浸してから茹でて洗う、などで無毒化できるようです。そもそもノボリリュウタケに含まれている量はシャグマアミガサタケよりはるかに少量です。

諸外国で広く食され、きちんと成分が調査され、無毒化の方法もわかっているので、近年毒性が判明したスギヒラタケのように、毒キノコかもしれないのに、漠然と食されているようなキノコよりは安全ではないかと思っています。

ギロミトリンの含有量が少なめのシャグマアミガサタケが人工栽培されただけで歓迎されていることを思えば、それよりさらに含有量が少ないノボリリュウタケは、フィンランド式の方法で無毒化すれば、十分に食用に足るのではないでしょうか。

それに、発がん性でいえば、市販の冷凍食品やファストフード、スナック菓子などにも、もっと怪しい添加物が大量に含まれています。果物や野菜には残留農薬、肉類には残留抗生物質も含まれます。必ずしも、スーパーで売られているから安全、野生のキノコだから危険というわけではありません。何を食べる場合にも、知識と分別ある判断が必要です。

ノボリリュウタケの白と黒で違いがあるのかは不明ですが、手持ちの北海道きのこ図鑑にしても、ネット上の体験談にしても、日常的に食している人はいるようです。色には連続性があるので、それほど違いがあるとは思えないのですが、気になるようなら白いのを採るのが無難かもしれません。

キノコの毒性の考えたについては、ハイイロシメジについてのこちらの記事に共感しました。マイケル・ポーランも書いているとおり、自分でよく調査して、食べるか食べないかを判断する能力が現代人には必要だと思います)

今日のシダ。クサソテツ、ヤマイヌワラビ、オクヤマシダなど。

いかにもヘビノネゴザっぽい形をしたシダ。手尺で測ったところ、サイズは30cmほどです。

葉っぱの裂片の先はとがっていてギザギザしているのでメシダ科のヘビノネゴザの特徴に合っています。

今回は葉裏にソーラスも確認できました。図鑑で調べたところ、ヘビノネゴザのソーラスと完全に一致。ソーラスが見つけられれば、同定がぐっと楽になりますね。最近ややこしいシダばかり見てたので、スパッとわかるのは嬉しい。

軸は緑色。下のほうに黒褐色の鱗片。

ミヤマヘビノネゴザだと軸が紫色だとか、下部の羽片がはっきり短いといった特徴がありますが、この写真では確認できません。ということで無印ヘビノネゴザですね。とても同定が楽だった。

次は、ほとんど一回羽状複葉で、羽片に切れ込みがあまりの見られないシダ。早くも一昨日勉強したことが役立つ時が来ました。このようなシダはヤマソテツかシシガシラかのどちらかです。

ヤマソテツとシシガシラに特有の、細い葉っぱのユニークな胞子葉も立っていたので、やはりそのどちらだとはっきりわかります。

ヤマソテツとシシガシラを見分けるのは簡単。ヤマソテツは羽片の先が尖っていて縁にもギザギザがある。クサソテツは羽片の先が丸く、縁も滑らか。

ということで、これはクサソテツのほうですね。自信を持って見分けられるシダがあると嬉しくなります。

次は、軸が黒いシダ。

裂片がギザギザしていて、軸が黒いとなると、ミヤマヘビノネゴザかな?と一瞬思いましたが、葉っぱ全体の形を見るに、ヘビノネゴザっぽくありません。ヘビノネゴザならもっと下のほうの葉っぱが短くなって流線型(紡錘形?)に見えるはず。

ソーラスも確認できました。先が急に細くなっているように見えるので、イヌワラビの仲間の可能性が高い。

根もとの軸の写真はピントが合っておらずぼやけていますが、紫色をしていて鱗片がないことが、なんとなくわかります。

これらの特徴からするに、たぶんヤマイヌワラビでしょう。

道の脇の斜面に生えていたクジャクシダ。一昨日初めて認識したクジャクシダですが、一度サイズを把握してしまえば、狙って探すことができますね。

手の大きさとの比較からわかるとおり、一昨日見たクジャクシダよりは大型で、20cmくらいはあります。それでも小さいし、そんなに頻繁に生えているわけではないので、注意深く探さないと目立ちません。

次は、三出複葉のように見えるシダで、最下部の左右の小羽片が大きく発達しているタイプ。ホソバナライシダ、イタチシダ、オクヤマシダ、シラネワラビなどの類か。イタチシダの類は道北にはなさげなので除外。

葉の裏側にソーラスは見当たりませんが、ぽつぽつと白い毛のようなものが葉脈の上に見えます。たぶんこれは、ホソバナライシダとオクヤマシダなどで見られる袋状の鱗片というやつなのでは? これが見つかればシラネワラビは除外できる。

軸は薄い黄緑色で、鱗片らしきものはあまり見当たりません。

ということで、ホソバナライシダかオクヤマシダということになります。どちらもよく似ているものの、ホソバナライシダのほうが大型で、レース状の切れ込みが激しく、軸の根もとに鱗片が多いのが特徴か。

とすると、このシダは切れ込みはマイルドで、軸にも特に鱗片が見られないから、オクヤマシダかな、という結論になります。もしそうだとしたら初めて見つけたシダですね。

おそらく、この次の写真も同じオクヤマシダでしょう。最下部の左右の小羽片が大きくせり出していて、葉の切れ込みはさほど激しくない。

そして軸の根もとにあまり毛はない。さっきのシダと特徴が一致しています。

いかにも奥山という秘境でシダ観察をしていたので、オクヤマシダがあちこちに生えていてもおかしくありません。

次の写真は極小のシダ。サイズ的にはイヌシダっぽいか? 光沢があるのは雨で濡れているから。イヌシダなら白い毛が密生する。

葉の裏。イヌシダだと犬さながらの白い毛が密生しているらしいですが、そんなものはない。でも図鑑では、イヌシダ以外に似ている候補が見つからない。しかもネットで見ると、イヌシダの葉の切れ込みが多様すぎて謎が深まるばかり。

水辺に生えていたシダ。大きさや葉っぱ全体の形は、ヘビノネゴザっぽい。でも裂片の先が丸みを帯びていて切れ込みがなさそうなところが違う。

葉柄はわら色で、わずかに鱗片がついている。

あまり自信がないけれど、湿気のある場所に生えているし、ミヤマシケシダなのかな? ネット上では細かい毛が生えている画像が多いですが、それはウスゲミヤマシケシダのほう。これは毛が少なく小さい無印ミヤマシケシダのほうかなと思いました。

これも川辺に生えていたシダ。いや、シダ? 改めて見ると、なんだかシダじゃなくてセリ科の葉っぱにも見える。

手尺で測ったところ、葉身のサイズは15cmくらいと小型。

ソーラスは確認できず。じっくり見ると、葉脈に細かい毛が生えています。

円陣は組んでいないものの、そこそこ密集して生えていて、軸には特にこれといって毛や鱗片は見当たりませんでした。

茎が途中で分岐しているわけでもないしシダだろう、と決めてかかっていましたが…、本当にシダなのか? なんだか自信がなくなってきました…。セリ科の葉ってどんな生え方をしてたっけ?

次のシダは、オシダっぽい葉ながら、かなり小さいので何だろう?と思い写真に撮りました。手との比較しかしていませんが、葉身の長さは30cmくらいでしょうか。ソーラスは確認できず。

特徴的だったのは、軸に白っぽい産毛みたいなのが生えていたことか。そもそも大きさからして違うけれど、軸の毛からしても、オシダ、カラフトメンマ、クサソテツ、イヌガンソクなどは候補から除外できそう。

軸の下のほうのも鱗片というより茶色い毛のようなものがついている。

オシダの仲間のような丸い葉、軸の細かい毛、小さめのサイズなどからすると、候補としては、前にも見たことがあるオオバショリマでしょうか。オオバショリマは「小型のクサソテツ」に見えると書いてあったのでそれっぽい。

軸にはもっと白い毛がびっしり生えていると確実なのですが、ネット上の写真を見ると、これくらいまばらなものもあります。

サイズも大きければ葉柄含め1m以上ですが、小さければ50cmくらいもあるようです。葉身だけなら30cm程度でもありうるのかな、と。

次は、そこかしこで見かけたジュウモンジシダ。なんとなく葉の裂け方が見慣れないシダのように思えて、つい目が惹かれるのですが、いざ観察してみると、葉の付け根に左右に張り出す十文字型の小葉を見つけて、ああジュウモンジシダか、となる。

でも、たくさん見つけたおかげで、初めてジュウモンジシダのソーラスも観察することができました。

葉っぱの形ですぐわかるので、ソーラスを頼りに同定することはなさそうですが、ホソバナライシダなどと似た、点々のソーラスなんですね。

ここに来るたびに毎回観察しているヒカゲノカズラ群生。地面付近から見上げるような構図で撮ると、ペルム紀の森はかようだったのか、という気になりますが、同じヒカゲノカズラ科だっただけで、当時の種(フウインボクなど)の形とは違うみたいですね。

ヒカゲノカズラの花(胞子嚢穂)。まるでイネ科のようなギザギザの鱗が開いていて、胞子を飛ばしているようでした。

地面を張っていたスギゴケの親玉のようなシダ。ヒカゲノカズラに似ていますが、葉の雰囲気はスギゴケに似ているということでスギカズラですね。しっかり探せば胞子嚢穂もあったのかもしれないけれど、気づきませんでした。

普段出向かない山奥でシダを観察すると、地元より種類が豊富で楽しい。ここで得た知識をもって地元を探索すると、今まで気づかなかったシダに気づけることもあるので、それもまた楽しい。

ここに来るたびに、願わくば一日中ゆっくりとシダばかり観察していたいな、と思うのですが、体力の限界や、日没までの時間、ヒグマが出るかも、といった諸問題に阻まれて、腰を落ち着けて観察する余裕がないのが残念です。

ここ最近、心がけているのは、ある場所で観察したスキルが、他の場所でも使えるようになってこそ本物だということ。例えば、いつも決まった場所に生えている山菜を採るのはたやすいけれど、他の場所に生えていてもそれだとわからなければ本当に知識が身についたとはいえない。

その意味では、今日は初めて歩く場所でも、クロノボリリュウタケを見つけて採取し、マタタビの実を見つけて口に含み、クジャクシダを見つけて嬉しくなったので、かなり進歩していると思います。

一方、ホンシメジはまだ見分けることができないので、前と同じ場所に生えている個体しか識別できませんでした。ミネカエデも、この森だからわかっただけで、他の場所でも花の時期以外に判別できるかというと難しい。

願わくば地元の森をこれからもずっと歩きたいとは思いますが、自治体の都合によって、いつか入れなくなることもあるかもしれません。そのような場合に、道北であれば、どこの森を歩いても役立てられる知識やスキルを、今のうちに身に着けておきたいと切に思います。

2020/10/10日

川沿いをサイクリングして紅葉を楽しんだ

快晴のサイクリング日和。天塩川の支流沿いを自転車で走りました。往復合わせて15kmくらいでしょうか。去年、紅葉の時期に川沿いを走ってみたら、とてもすがすがしかったので、今年もぜひ行きたいと思っていました。

天塩川沿いに出るまでの町はずれに、見かけない真っ赤に紅葉した草をみつけました。アカバナかと思わせる色ですが、葉っぱは3枚セットで全然違います。

よく見たら、まだ花が残っていて、その特徴的な形からアメリカセンダングサだとわかりました。アメリカセンダングサが紅葉するなんて知らなかった。さながら赤いエーデルワイスです。

天塩川沿いの堤防は、山々の木々が色づいていて絶景でした。自然の姿を残している混交林が多いからこそ、この錦織のような色とりどりの紅葉と黄葉が楽しめます。山のふもとに植林された、針葉樹しかない人工林の味気なさとの対比が際立ちます。

川沿いは、ドロヤナギやヤマナラシ、ヤナギの木々が豊かで、非常に細い若木から、数十年生きてきただろう大木まで多種多様でした。今年は川沿いはほとんど探検しなかったので、いつかこうした木々も観察してみたいですね。

河川敷にふと目をやると、2mはあろうかというキクイモの群生が花を咲かせているのに気づきました。葉が互生しているのでキクイモモドキではないですね。

河川敷なので、個人が所有している土地ではなさそう。おそらく野生化したキクイモが繁殖したものなのでしょう。山菜採りのつもりで掘りに来てみるのもいいかも。

ところどころに架かっている橋から眺める天塩川支流の力強さはすばらしい。治水のために護岸工事をしてあるとはいえ、都会の川にはないような荒々しさがみなぎっています。

サイクリングしているうちに、いつの間にか日が暮れてきて、太陽のそばに幻日が出ていました。右側のみの幻日で、左側は目を凝らしてもそれらしきものはありません。さほどくっきりしておらず、写真に撮っても今ひとつわかりにくいですね。

日が傾いてきたので道を引き返しましたが、気づかないうちにかなり遠くまで走ってきていたようす。夕暮れ時になると、河川敷にキツネの姿が見えたり、道をネズミが横切ったりして、野生動物の気配も増えてきました。木立ちの上にはミヤマカケスがとまってギャーと鳴いています。

夕暮れの川の様子もまた絶景でした。ずっと見ていたくもなりますが、早く帰らないと家にたどりつきません。

家についたころには、もう暗くなるギリギリの時間帯、トワイライトゾーンでした。サイクリングに出かけた時間はまだ暖かかったのに、帰宅するころには気温が10℃を下回っていて、肌寒いほどでした。

夜になると、気温は5℃以下まで落ち込みました。今後の予報も同じくらいの最低気温が続き、いつ氷点下になっても不思議ではありません。去年と一昨年は初雪が11月でしたが、今年はもう少し早いのかも。

日暮れまで走って、まるで遊園地を閉園時間まで楽しんだかのような気分。秋の紅葉を満喫できたサイクリングでした。

2020/10/11日

アーティチョークの花、ホオノキの実

今日は農家のお片付けの手伝い。マメとトマトの支柱を解体したり、カラカラに乾燥した大豆を収穫したりしました。ビニールハウスの中はまだまだトマトが元気で、アーティチョークの花も咲いていました。巨大な紫色のアザミですね。

ヨーロッパでは野菜としても親しまれているアーティチョーク。去年試しに食べてみましたが、分解するのが大変だし、食べれる場所もほんのわずか。味と触感はサトイモのようでした。

最近熟したというホオノキの実も3ついただきました。この時点で見ると、エキゾチックな美しさのある実です。トゲトゲが南国のフルーツっぽくもあります。

実を食べることはできませんが、乾燥させて煎じれば、アイヌ伝統のお茶を楽しむことができます。

乾燥させたホオノキの実は黒くなって表皮が割れ、写真にも少し写っている中の真っ赤な実が目立つようになり、グロテスクな見た目になります。それでもお茶は香り高い逸品らしいので、どんな味なのか今からとても楽しみです。

今日の夕焼けが素敵。花嫁のヴェールのような薄い巻雲をまとって、淡く優しい光をたたえていました。

2020/10/12月

地面に生えた手のような地衣類ツメゴケ

やっと先週の金曜日に観察したシダの写真をじっくり調べて、コメントをつけ終わりました。それなのに、今日も森に出かけてきたら、カメラロールが謎のキノコとシダの写真であふれてしまって、果たしてどうしたものか。

森を歩くのは楽しいし、新しいものを発見するのも楽しいけれど、それを図鑑で調べて、難解な植物用語と格闘して、同定までこぎつけるのは非常に疲れますね。でもそこをちゃんとこなしていかないと、いつまでも森が知らないものだらけになってしまうので、怠るわけにはいきません。

まずはとりあえず、すでにわかっている範囲だけ、日記に記録しておくとしましょう。

森の入り口あたりから、すぐに何種類ものシダを見つけてしまい、ひとつずつ細かく観察して撮影して、入り口から動けなくなってしまいました。奥地に探検に行かなくても、まだまだすぐ身近なところにわからない植物がいくらでもあります。

シダに混じって、何かの朽ち木に、こんな謎めいた植物が生えていました。キノコかと思わせる色彩ですが、顔を近づけて観察すると、もっとペラッペラの和紙のよう。地衣類の仲間だとすぐわかります。それぞれのサイズは指くらい。

さらに拡大して撮ってみました。後ろに、何かのコケの朔も写っていますね。今年はキノコとシダに取り掛かっていますが、おいおいと地衣類とコケ植物も調べていかなければ、やることはいくらでもあります。

黒い和紙状の葉の先端に、この不思議なオレンジ色のカバーのようなものがくっついています。一見するとブヨブヨしてそうですが、実際のところは和紙のような本体の延長にすぎません。だから別方向から見ると…、

中は空洞になっていて、一枚の紙のような葉が巻いているだけだとわかります。さらにその巻かれている部分の内側を拡大してみると、何やら黒い点々のようなものが見えます。

果たしてどうすれば正体を知れるだろう、と考えあぐねましたが、そこはデジタル時代の文明の利器、いつものGoogle Lens先生で類似画像検索を試すと、すぐにそっくりな画像が出てきました。

英語のサイトでしたが、peltigeraという学名の地衣類の仲間だと判明。それを頼りに日本語の情報を調べると、「ツメゴケ属」と呼ばれていることがわかりました。本当にGoogle Lens先生は便利すぎる。

地衣類はコケではありませんが、その多くは何とかゴケという名前がついています。これもその例に倣っていますが、外見を「ツメ」に例えたのは完璧な名づけに思えます。

さっき書いたとおり、この地衣類の突起部分のサイズは、ほとんど指と同じくらいなので、オレンジ色の部分はまさしく爪のようです。

このオレンジ色の爪は、裸子器と呼ばれる胞子を作って飛ばす部分。ややこしいので、地衣類における花に相当するもの、というくらいに覚えています。しっかり勉強している人から怒られそうですが。

地衣類は、それぞれユニークな子器をつくって繁殖するらしく、子器があれば同定しやすくなります。こりツメゴケも、子器がないシーズンに見れば、ただの黒い和紙のようで何なのかわからなかったかも、このあたりも被子植物における花とよく似ていますね。

ツメゴケはあくまで属名で、細かく区別すると、もっと様々な種に分かれるようですが、そのためには裏側の色や脈も確認しなければならないそうです。地衣類の完璧な同定には顕微鏡が必要になることもあるらしいので、今は高望みせず、ツメゴケの仲間とわかっただけでよしとします。

その後、しばらく進んだところで、シラカバの倒木に発生しているマメホコリも見つけました。オーソドックスなよく見る粘菌です。というか他の粘菌は全然まだ知らない。粘菌も、いつか図鑑を買って、もう少し詳しくなりたいと思っている分野です。

そのあと、森の中に入って、チョウセンゴミシの実を少しだけ収穫しました。昨日ホオノキの実について調べていたら、チョウセンゴミシの実もお茶にすると書いてあったので試してみたくなりました。

ホオノキもチョウセンゴミシも、実を乾燥させればずっと貯蔵しておくことができ、好きなときに煎じてお茶を楽しめるそうです。

今年はどこもかしこもチョウセンゴミシの実りが悪いので、もらうのは少量だけにとどめておきました。半分は動物たちのために残しておかなければならない。それが森の掟。半分どころか1/3も採りませんでしたが、お茶一杯分はあるでしょう。

いつものキノコ地帯では、先週水曜日に予想していたとおり、トドマツ林に大量にアカモミタケが発生していました。晩秋にピークを迎えるキノコなのでしょうか。今日の夕飯の分だけ採りましたが、まだたくさん残っていたので明日も来たいです。

これまでボコボコ出てきていたノボリリュウタケは、今日は1本のみしか目につきませんでした。よく探せばあったでしょうが、これまでは探さないでも見つかるほど気前よく出ていたキノコだったので、そろそろ店じまいの雰囲気です。

タマゴタケも一本だけ見つけましたが、写真のとおり、傘がかなりボロボロになっていたので採らずにおきました。先週水曜もそうでしたが、傘が完全に開ききっていない若い菌でも虫食いが多いところをみると、虫たちも美味しいことをよく知っているんですね。

今日の収穫。チョウセンゴミシの実を少しと、たくさんのアカモミタケ。アカモミタケは柔麺に入れて、旨味のある出汁をいただくことができました。料理の写真は撮り忘れてしまった…。

今日のシダ。サトメシダ?、ホソイノデ、サカゲイノデ等

森の入り口付近で、あっちにもこっちにも気になるシダを見つけてしまい、全然先に進めなくなってしまいました。夏場は近場にこんなに豊富な種類があるなんておもってもみなかった。他の植物が枯れる秋ならではの発見。

まず一つ目。羽片と羽片の間隔がスカスカなシダ。通常の葉(栄養葉)は間延びせず、胞子嚢をつける葉(胞子葉)のみ間延びするミヤマシケシダのようなタイプのシダか、と見当をつけていましたが、帰って写真を確認すると違った。

葉身のサイズは40から50cmほどと中型からやや大型。葉の切れ込みは2回羽状複葉。下のほうは3回羽状複葉の部分も。

葉っぱ全体の形としては、羽片の先がとがる、最下部の羽片が特に短くならない、といった特徴が見られます。

裏側をめくってみると、ソーラスが確認されます。ソーラスの形はわかりにくいけれど、メシダ類に多い三日月型か。

この間延びした葉のすぐ右隣に、間延びしていない葉がありました。そちらにソーラスがなく、胞子嚢をつけない葉(栄養葉)であることがわかれば、最初の推測の信憑性が増したのですが…、

ソーラスありますね。白く光って目立たないので、現地で観察したときはソーラスがないものと思い込んでしまいましたが、家で写真を拡大してみるとソーラスが写っていた。よって、栄養葉とは別に間延びする胞子葉を出すタイプのシダではない。

どちらの葉も、軸は赤っぽく、ほとんど無毛。ところどころ細かい鱗片が確認できました。

結局、何のシダなのかわからない。ソーラスがメシダ形、羽片の間隔がスカスカ、一番下の羽片がほぼ縮小しない、というのはサトメシダっぽいけれど、サトメシダは軸が赤紫にはならないはず。

しかし、裂片の切れ込みの形は、手持ちの図鑑のサトメシダの亜種コシノサトメシダによく似ているので、やっぱりその近縁かもしれない。

調べてみたら、サトメシダでも、イヌワラビと混じった雑種があり、オオサトメシダと呼ばれていて、軸が赤っぽいらしい。でもこれがそうなのかは不明。同定しているサイトを見ると、もっと細かくソーラスの形を調べたりしていて、まだまだ観察が甘いな、というのを痛感しました。

2つ目のシダ。改めて写真を整理している時に見たら、上の1つ目のシダとよく似ています。当然すぐ近くで撮ったので、同じ種類のシダかもしれません。2~3回羽状複葉でスカスカに見えます。

サイズは30cm強。さっきのより少し小さいけれど、さっきのシダも大きめのと小さめのとが並んでいたので、個体差の範疇でしょう。

そして、今回はもっとくっきりソーラスが写っていました。やはり同じシダでしょうね。

そしてまた、軸は下のほうのみ赤っぽく、鱗片はほとんどありません。

確証は持てないけれど、やはりサトメシダによく似ているので、サトメシダの雑種ではないか、というところにしておきます。

3つ目のシダ。丸みを帯びた裂片が一回羽状複葉で並んでついている葉。サイズは10cm未満ととても小さい。シンプルな形状ながら、見たことがないような気がしました。

葉の裏には点々がついているけれど、ソーラスではなさそう。虫の卵とかかも。

よほど気になっていたのか、別の場所でも、気づかずに同じようなシダの写真を撮っていました。

調べてみると、これらは以前に観察したトラノオシダのようです。トラノオシダは胞子をつける葉とつけない葉を出し、つけないほうの葉はサイズが小さく、裂片の切れ込みも少ないので、一回羽状複葉に見えるようです。

言われてみれば、上の写真のシダはどちらも、葉の下のほうの羽片は、わずかに二回羽状複葉になっていて、トラノオシダらしさもあります。

4つ目のシダ。これもよく見る小さなシダ。

これこそトラノオシダかと思ったのですが、トラノオシダの羽状複葉は、羽片の先のほうが裂けずに尖るのに対し、このシダは羽片の先もしっかり裂けて、アヒルの足のように広がっています。

サイズも5cmと、トラノオシダよりもさらに小型でした。裂片の形からするとイワトラノオかな?

5つ目のシダ。光沢のある硬そうな葉なのに、かなり虫食いが目立つ。

葉の裏側。ソーラスはありませんが、葉脈がはっきりと見えます。また裂片の先に、細かいトゲのような毛がついています。

軸は上から下まで、細かい鱗片が密生しています。

近くで撮った、たぶん同じ種類のシダと思われる写真。葉っぱ全体の形としては、下のほうほど羽片が短くなってはいますが、極端に小さくなったり、せり出したりする羽片はありません。

拡大すると、やはり、裂片の先に、ノギ()のような毛がついているのが見えます。

サイズは、葉身のみで20cmほどと小型でした。

上の個体と同じく、軸は上から下まで鱗片が密生しています。

サイズ感は一致しませんが、おおよその特徴は、ホソイノデと一致しています。葉が硬く光沢があること、軸に毛が密生すること、裂片のギザギザ部分にノギがつくこと。下のほうの羽片が縮小すること。

イノデの仲間の特徴として、裂片の基部が耳状に張り出すというのがありますが、それはあまり目立っていないかも。言われてみればそうかも?程度。でも図鑑の写真もその程度だから、やはりホソイノデが一番可能性が高いでしょう。

6つ目のシダ。ロートを作っていて、軸が毛深く、裂片は丸みがある。オシダっぽく感じるのだけど、オシダにしては小型だから違うか?

裂片の形は、ほぼ丸みを帯びていてギザギザはない。イノデ類のような耳たぶ状の突起もない。軸から葉裏に至るまで、全面が毛深い。これらの特徴はオシダとしか思えない。

しかし、この写真からわかるように、羽片と羽片の間隔が広い。オシダならもっと間隔が狭く、このようなはっきりとした隙間は見られないらしい。

オシダの近縁種で、羽片と羽片の隙間が開くのはカラフトメンマ。しかし、カラフトメンマはオシダほど毛深くなく、軸の鱗片はまばらという特徴があるので、そこが一致しない。

オシダとしても、カラフトメンマとしても典型的ではなく、さらに小型という、よくわからないシダ。成長不良の雑種?と思いたくなるけれど、調査が甘いだけかもしれません。

7つ目のシダ。斜面から垂れ下がっていた、かなり巨大な葉のシダ。オシダを思わせる大きさと毛深さがすぐ見てとれます。

軸には細かい毛が密生。羽片の付け根の裂片が、耳たぶ状に張り出している形なので、イノデの仲間でしょう。さっきのホソイノデと同じく、裂片にノギも確認できます。

ソーラスはオシダと同じような粒状の丸い形。

全体的に毛深いですが、軸の根もとの裂片はさらに剛毛です。

最初の2枚の写真からは、下のほうの羽片の長さが判別しづらいですが、特に短くなっていないように見える? だとしたら下のほうの羽片が縮小するホソイノデは除外できそう。

これらの特徴からして、おそらくサカゲイノデでしょう。軸の裏側の毛が逆毛になっていればサカゲイノデ、そうでなければナワシロイノデですが、雑種もあるらしいので、厳密に区別する必要はないかも。

8つ目のシダ。上のサカゲイノデのすぐ隣に垂れ下がっていた、同サイズ帯の巨大なシダ。しかしこちらは切れ込みが激しく、3回羽状複葉です。

隣のサカゲイノデに比べると毛は薄く、軸の根もとでさえも、小さな鱗片がまばらについているだけです。(ところで後ろに写っている小さなシダは小羽片の先が尖っているのでトラノオシダかもしれない。4つ目のイワトラノオだろうと同定したシダと比較すると、似ているけれど違う)

切れ込みが激しい大型シダ、という点でもうわかったようなものですが、このカエルの卵みたいなソーラスを見れば確定的。リョウメンシダですね。

9つ目のシダ。全体が五角形をしていて、最下部の左右の羽片が特に大きいシダ。サイズは手尺で20cmくらいと小型。

軸は根もとのみ鱗片が密生していました。

形状からして、最近何度か観察しているホソバナライシダ、オクヤマシダ、シラネワラビなどのいずれかでしょう。時間がなく、裏側を撮っていなかったので、これ以上の鑑別は無理。

10個目のシダ。紅葉して枯れかけていた、そこそこ大型のシダ。枯れているだけかもしれないけれど、軸は全体的に黒っぽい。

下のほうの羽片は3回羽状複葉に切れ込んでいました。

軸は根もとまで赤みを帯びていて、鱗片はまばら。

軸が全体的に黒みを帯びていること、先端の羽片が急に短くなっているようにも見えることから、ヤマイヌワラビかもしれない。帰り際だったので、あまりじっくり観察する余裕がありませんでした。

今日のシダ観察はこれで終わり。調べている最中は楽しくて、何十枚も写真を撮ってしまうのですが、いざ帰ってきて種類を調べようとすると地獄を見ますね…。まだまだ観察眼も甘く、シダのことが全然わかってないのを痛感します。この努力が三年後くらいに実ればいいのだけど。

今日のキノコ。アカチチタケ、ウコンガサ、クリタケの仲間?等

カラマツ林の、以前ハナイグチが出ていたあたりで見かけた謎のキノコ。これも後で大量に観察したヌメリガサの仲間なのだろうか? しかしどう見てもカラマツ林特有のキヌメリガサではない。

カラマツ林に生えていた赤いキノコ。たぶんアカチチタケのような気がする。傘の裏側の写真がうまく撮れなかったので確実とはいえません。摘み取って白い乳液が出るか調べれば確定できそう。 味は辛く食用に向かないとのこと。

トドマツの根もとのキノコ。中央部に突起があって、色はタヌキっぽい配色。アセタケ科のクロトマヤタケかなと思ったが、 柄が白っぽく太いので違う気がする。ウラベニガサ科かもしれない。

キヌメリガサかな?と思っていたキノコを、改めてじっくり観察してみました。キヌメリガサならカラマツ林ですが、ここはほぼトドマツ林。また色が成長とともに白くなってきているので、同じヌメリガサ科の別種ウコンガサかもしれません。

ウコンガサは、傘も柄も、白い地に黄色い鱗片が密生していると書かれていますが、幼菌を確認する限り、確かにそのような特徴が見受けられます。

大きくなったものは白くなっているのも特徴と一致。黄色い鱗片が落ちてしまって、地の白さが目立つようになるのでしょうか。傘のふちなどは黄色さが残る、とも書かれていましたが、それも確かに観察できます。

傘裏側。ウコンガサのひだはあまり密ではなく、柄に対するつき方は垂生だと書かれていました。確かにそのようにも見えます。また、柄の上方にささくれがあるのも、ヌメリガサ科の特徴だとされていました。

しかし、ヌメリガサ科は、成長すると傘はほぼ平らに開くとのこと。このキノコはかなり中央が盛り上がっていて、水平に開いている個体が見つかりません。

クリタケの仲間かな? 恐ろしいニガクリタケかもしれない。見分け方はまだ全然調べていないのでわからない。

謎のキノコ。さっきのヌメリガサと同じ仲間?

こちらのほうは、ほぼ水平に開いている成菌がちらほらとありますね。やはりヌメリガサ科の何かであることは間違いなさそう。シロヌメリガサかキヌメリガサかウコンガサかクサヌメリガサか…? ウコンガサは北方系の種であまり見られないと書いてあったのにこんなに群生する? 道北だからか?

前にショウゲンジかと見立てていたキノコはもう朽ちかけています。結局、同じフウセンタケ科のニセフウセンタケではないかということになりました。

ニセフウセンタケから数日遅れて大量に出てきたこの大きなキノコも正体がわからないまま。何らかのフウセンタケ科のキノコだろうとは思う。マンジュウガサとかにも似ているけれど…。

何かの切り株に大量発生していた白い小さめのキノコ。クヌギタケの傘が開くとこんな感じになる? 拡大してみると、傘の周囲に薄く条線は見える。

白い極小キノコ。シロホウライタケとかそのあたりか。

2020/10/13火

今日もアカモミタケ目当てに、昨日と同じ場所にお出かけ。森の入り口近くのシダ地帯でじっくり観察したい気持ちはあったけれど、まだ昨日のシダとキノコの写真さえ整理できていないのだからとぐっと我慢する。

でも、エゾフユノハナワラビのオレンジ色に色づいた胞子嚢穂が美しかったので、つい写真を撮ってしまう。名前がすでにわかっている植物ならいいのだ。名前がわからず調べないといけない植物や菌類の写真を撮りすぎると地獄を見る。

緑色のときはウミブドウみたいでしたが、オレンジ色に熟すとまさに「花」という印象を受けます。熟すというより、シダのソーラスのように表面の膜が破れているとかなのかな? ルーペで観察してみないことにはわからない。ルーペでも倍率が足りないかもしれない。

昨日のクリタケの仲間っぽいキノコのそばに、傘が開いたものと思しき個体も見つけました。

ここのサイトの説明を見る限りは、柄にささくれが確認できることからして、猛毒ニガクリタケではなく、無印クリタケっぽく感じられますが、危ない橋は渡らない。というか、クリタケモドキとかニガクリタケモドキもあるというのに、そのあたりの知識がまだ全然ないし。

謎の真っ黒なコケの胞子体の朔。キハダなどの実が枝ごと地面に落ちて黒ずんでいるのかと思って、かがんで確認してみたら、全然違った。

もともと黒いのか、枯れかけているから黒いのかもわからない。少なくとも「黒い胞子体 コケ」で画像検索しても何も見つからなかったから後者か?

朔の開口部にくっついている、この白いものは何?  朔の蓋が取れて中から出てきたもの? コケや地衣類はいまだ未知の領域。来年以降の課題。

なんといつも歩いている森にもクロノボリリュウタケが出るとは! でも先週別の場所で見たクロノボリリュウタケほど黒光りした光沢がなく、白と黒の混血のような気がする色合い。

今日採ったキノコ。あまりに大量に採れたせいで、クロノボリリュウタケまで収穫する余裕はありませんでした。クロノボリリュウタケの周囲にも、黒いのや白いのが大量に出ていて、まだまだ採れそうな雰囲気。昨日、ノボリリュウタケのシーズンは終わったとか書いたのは早計だったようです。

こんなにたくさん、ノボリリュウタケやアカモミタケが採れました。ノボリリュウタケのサイズは、過去最高の匹敵するものも多数あり、驚かされました。

ヌメリガサ科なのか、それが問題なのだ

さて、今日も気になった、例のヌメリガサ系のウコンガサっぽいキノコ。トドマツ林の地面から所狭しと萌え出ています。

傘が白いものと黄色いものの二種類を見かけますが、幼菌の時はレモン色で、大きくなるにつれ、黄色が抜けて白くなっているように見えます。そうした変色性はウコンガサの特徴。

傘が黄色いまま大きくなるものは見かけないので、キヌメリガサではありません。また、キヌメリガサは主にカラマツ林に出ますが、見つけたのは、ほぼトドマツ林の場所でした。

よって、見かけたキノコのうち、成長とともに変色していったものはウコンガサ、幼菌の時から白く見えるものは、やはりトドマツやエゾマツ林に出るシロヌメリガサの可能性があります。

いずれにしても、ヌメリガサ科に属するキノコであり、食用とされています。でも白いキノコは怖いという訓戒もあるので、幼菌の時から白いキノコはとりあえずスルーして、黄色から白に変色していく、ウコンガサっぽいキノコに照準を合わせることにしました。

じっくり観察するために、成長段階の異なる3つを採取してきました。本当にウコンガサなのかどうか確かめないことには食べることはできない。

大きな手がかりは、前にも書いたこの柄の上方にあるささくれです。このささくれはヌメリガサ科のキノコ特有のものだ、と解説しているサイトがありました。でも、他にそのような情報源はないので、どの程度役立つ手がかりなのかは不明。

匂いは特に変わったところはなく、市販のキノコと同じような菌臭。ヌメリガサヌメリガサ科の中でも食毒不明とされるクサヌメリガサではなさそう。

…と言いたいのだが、クサヌメリガサの匂いってどんな匂いなんだろう? クサヌメリガサの情報がネット上にあまりに少なくてわからない。クサヌメリガサは広葉樹林か草地に生えるとされているので、その時点で違うとは思いますが。

中心から真っ二つに切って、内部も確認してみました。

柄は中が詰まった中実。ヌメリガサは基本的に中実のものが多く、たまに中空とされているので、それらしくはあります。

しかし、ひだの付き方が気になります。ヌメリガサのひだは一般的には垂生とされていますが、今回採ったキノコのひだは直生に見えます。調べてみたら、中には、垂生~直生と書いているサイトもあったので、さほどかけ離れているわけではありますが、典型的とは言い難い。

幼菌時の姿、傘の色の変化、柄の上部のささくれ、柄の内部が詰まっていること、などはいずれも、これがヌメリガサ科のキノコであることを示していて、最も可能性が高いのはウコンガサではあるのですが、確証が持てません。

キノコは100%確実だと判断できれば食べますが、99%だと食べるわけにはいかない。先日のショウゲンジしかり、これさえ確認すれば間違いない、という決め手に欠けるキノコは、初心者には難しい。

豊富な知識のある熟練者は、たとえ決め手となる手がかりがない種でも、他のキノコの候補を除外していけば、同定につながるのでしょうが、わたしは他のキノコの幅広い知識がありません。

ウコンガサやキヌメリガサに似ている毒キノコがあるのかどうか、何を除外すればいいのか、という知識が足りない。

ネット情報だと、多少似ている毒キノコとして挙げられているのはニガクリタケくらいでした。さすがに色も違うし、地面から生えていたし、中実だったのでニガクリタケではない。

ヌメリガサ系のキノコ(オトメノカサ、シロヌメリガサ、キヌメリガサ、ウコンガサなど)は、ハナイグチと同じほど広く食されているキノコなので、きっと見分けがあまり難しくなく、似ている毒キノコもないのだろう、とは思うのですが、やはりもう1%の確信がほしい。

今回は、傘がひしゃげている老菌は採ってきたものの、最も典型的な形である、傘が平らに開いた成菌は確認していません。それを見つけて採ってきて、再度、全体の形やひだの形状などを確認できれば、同定に一歩近づけるかもしれません。ということで今回は食べないでおきました。好奇心は猫をも殺すのだから、慎重すぎるくらいでちょうどいい。ほかに見分けるのが簡単で、美味しく食べられるキノコがあるんだから、ヌメリガサ科については、もう少し経験値がたまるまで保留にすべきかもしれない。アカモミタケとノボリリュウタケは、しっかり加熱して炒める。まったく水を加えていないのに、アカモミタケから旨味成分の汁がにじみ出てきました。その旨味成分の汁ごと、スパゲッティの麺と絡めていただきました。味付けは塩とオリーブオイル。山盛りのキノコの味と食感がふんだんに楽しめる、とても贅沢な秋の食卓になりました。 アカモミタケは旨味成分を出してくれるぶん、その抜け殻がぼそぼそした食感になってしまうのだけど、食感が最高級品のノボリリュウタケで補われているおかげで十分に美味しく感じられます。

そのほかデザートに?採ってきたサルナシ(コクワ)の実とヤマブドウの実。ヤマブドウについては後述。ヤマブドウはとても酸っぱくゼリーのような食感、サルナシはほんのりと甘いシャリシャリした食感でした。

ヤマブドウ、チョウセンゴミシ、ホオノキの実を採りました

森の帰り道は、いつもは通らない道を迂回してみました。家のすぐ近所ですが、目的がないとあまり通ることのない道です。以前通ったのは、春の山菜採りのころだっけ。それが今や、こんなに美しい混交林の紅葉が広がっているとは。

色とりどりの多様性に富んだ山を見ると、いつかあの中を歩いてみたい、あの頂上に登ってみたい、なんて感じるようになりました。きっと見たこともない植物やキノコを発見できるんじゃないか、とわくわくしてしまいます。自然林が残っている深山なら、ウリノキなんかもありそう。

途中で、道路脇の木に絡みついている立派なヤマブドウの葉を見つけたので、実があるかもしれないと確かめてみると、

確かになっていることはなっていましたが、どの房もひどい不作でした。やはり薄々気づいていたとおり、今年はヤマブドウの実りが悪いようです。家の近所の森を含め、数箇所で確認しましたが、どこの房もこれくらいまばらです。

そのあと、チョウセンゴミシの実を探しに、家の近くの湿地帯の森に久々に入りました。ここ最近は、ノボリリュウタケやアカモミタケが次々と採れるほうの森に入り浸りでしたので。

こちらの森では、数週間前に、赤くなったチョウセンゴミシを木立の間から見かけた記憶があったので、少しは採れるに違いないと思っていました。しかし、いざその林に入ってみると、チョウセンゴミシがあるわあるわ。

今年はチョウセンゴミシの実は不作気味かと思っていたのですが、ある場所にはあるものなんですね。あっちにもこっちにも赤い実が!と目移りするほど実っていたので、何房かいただいてきました。

チョウセンゴミシと、その近くにあったマムシグサの実。どちらも色はよく似ているのに、かたや可食で薬用にもなり、かたや到底食べることのかなわないシュウ酸カルシウムの塊です。実のなり方が全然違うので間違うことはないでしょうが。

収穫したチョウセンゴミシの実は、干し器に入れて、しわしわになるまで乾燥させます。どんな味のお茶になるのかは来月以降のお楽しみ。改めて見るとちょっとしか採っていませんが、今年は味見程度のつもりなので。

こちらは日曜にもらったホオノキの実3つ。まだまだ乾燥させるには時間がかかりそう。家の近くの森のホオノキにも、乾燥して黒ずんだ実がなっているのが見えましたが、高枝切りばさみでもなければ採れそうにありませんでした…。

さっき自転車で走りに出たら、気温は5℃。もう冬服が必要です。そして今日は、久々に見る満天の星空でした。オリオン座がもう見える高さまで上がってきて、懐かしい昴、すなわちプレアデス星団の姿も目にできました。

眠いので、あまり星を眺めずに近くを一周しただけで戻ってきましたが、着実に迫る冬の足音が聞こえた夜のひとときでした。

2020/10/15木

あられ降る中をサイクリング

今日は雨が降っていて、用事もあったので、自然観察には出かけませんでした。

小雨になったころに近所を一周するサイクリングに出かけましたが、まだ陽の高い時間にもかかわらず、気温が7℃しかありませんでした。

とても寒いので、真冬の服装で出かけましたが、この同じ服装で、マイナス20℃くらいまでは乗り切れるのが不思議です。やはり雪が積もってしまうと断熱材になって、体感的には、それほど寒く感じなくなります。

走っている途中で、雨が顔に当たって少し痛かったので、立ち止まって手の平に受け止めてみると、雨ではなくあられでした。すぐに雨に戻りましたが、もう空の上層では氷点下なんですね。

おりしも七十二候によれば、そろそろ霜が初めて降る「霜始降花」の頃合いです。今週か来週には初霜が降りそうな気配で、今年の農業も終わりを告げそうです。

【気になったニュース】

つる植物の特異な「葉の温室」 91歳の自然ボランティアが発見 山形 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

今年、近所の森などで見つけた植物だけに興味深かったです。名前を知って見分けることくらいはできるようになったけれど、ここまでしっかりと観察するには至っていないので、もっと見る目や感じる力を培いたいですね。

2020/10/16金

チョウセンゴミシの様子を見に行く

今日は一日中 小雨でしたが、明日、友だちをチョウセンゴミシの群生地に連れていきたいと思っているので、まだ残っているか下見に行ってみました。気温一桁なので寒いですが、動いていると暑いので軽装がちょうどいいくらいです。

チョウセンゴミシは、森の中の道がない場所に群生していますが、もう植物の勢いが弱ってきたので入っていくことができます。

枯れ枝や倒木だらけの空間をひとしきり歩いてみたところ、多くはないものの、そこそこ実っている感じ。ひとつの株に数個の房しか見当たらないので多くは採れませんが、味見くらいは大丈夫でしょう。

特に、倒木に巻き付いて、アーチ状に生い茂っている幾つかの株は、株そのものが大きいからか、かなり実りがよく、数個程度の房なら採っても良さそうに見えました。

最近この森の奥に行っていなかったので、そのまま少し探検。今までフキやシダに覆われていた道も入っていけそうだったので、探検してみたくはありましたが、ヒグマが出ると言われている方角なので、無理はしませんでした。

足元のシダを幾つか観察して写真に収めるだけで引き返す。

帰り道、別のルートで回り道をしたら、木の根もとに見慣れた赤いキノコを発見。アカモミタケ? でもこれはトドマツ林限定では? と上を見上げたら、そこにあったのは紛れもないトドマツでした。混交林だからたまにトドマツも生えているんですね。

さらに周囲にはノボリリュウタケが3本、アカモミタケもあちらこちらに見つかりました。嬉しくなって採りましたが、キノコ狩りの予定がなかったので、袋も籠も携帯していない。両手で持てるだけにとどめて、それ以上はあえて探さずにまっすぐ帰りました。

やはりトドマツの根もとに、アカモミタケではないけれど形が似ているキノコがありましたが何だったのだろう? もっと白っぽく、肌色に近い色合いでした。詳しくは次の項にて。

そのあと、これも明日掘ってみようかと思っていた、ツチマメ(ヤブマメ)とキクイモの場所を見に行ってみました。

残念ながら、ツチマメはすでに枯れていて痕跡がわずかしか残っていません。手持ちの園芸用スコップで掘ってみましたが、土が硬くて思うように掘れない。キクイモも、道路脇の斜面なので、掘ろうとしたら本格的にスコップを入れなければならず、目立ってしまいそうだったのでやめました。

やはり、道路脇とかではなく、森の中とか、もう少し落ち着いて掘れそうな場所で見つけなければ難しいか。ツチマメは浅い場所にあるらしいのですが、そもそも根もとがどこにあるのかがわかりにくかった。いつか再挑戦したいけど、明日は無しですね。

今日のシダとキノコ。リョウメンシダ、ミヤマメシダ?

雨が降っていたこともあり、あまり長居せず、すぐ引き返しましたが、観察したシダとキノコの写真を数点。

まずリョウメンシダ。サイズは30cmくらいと中型。

3回羽状複葉で細かく裂けていて、葉がそれなりに大きく、ソーラスも特徴的なのですぐわかる。

のだけど、一番下の羽片の付け根にある左右の小羽片が大きくなる、というホソバナライシダみたいな特徴が、このシダにもあることに初めて気づいたので、写真を撮っておきました。

次はエゾメシダっぽい葉っぱ。上のほうの羽片が急に縮小している様子はないので、イヌワラビ系列ではなく、普通のエゾメシダの仲間だと思われる。サイズも50cm超と大きい。

ソーラスもメシダっぽい。小羽片に柄がないのもエゾメシダの特徴。

気になったのは、柄の根もとにある鱗片がかなり黒っぽく見えたこと。

図鑑によると、エゾメシダとミヤマメシダはよく似ているけれど、「葉柄が葉身の半分以下と短く、葉柄に光沢のあるねじれた鱗片がつく」のがミヤマメシダの特徴。写真の倍率が不十分で確定しにくいけれど、もしかしたら、ミヤマメシダのほうだったかも。

今日のキノコ。天然エノキタケ? キハツダケ?

続いてキノコ。まず何かの広葉樹らしい枯れ枝にくっついていた滑らかなキノコ。軽く調べてみましたが正体不明。

まさか天然エノキタケ? 栽培物のエノキタケとは似ても似つかないけれど、別名ナメタケとも呼ばれる図鑑のエノキタケの写真とはよく似ています。

表面のぬめりだけ見るとナメコ?とも思いますが、天然ナメコの柄はほぼ白です。一方、天然エノキタケは、ひだはクリーム色、柄は黄褐色から黒色とのこと。確かにこのキノコはそんな色に見える。確実な同定はできないので採りませんが。

写真だと大きく見えますが、指と比較するとこんなに小さい。2~3cm程度のサイズです。エノキタケの傘は2~8cm、ナメコだと3~8cmとのこと。

次は、先に書いた、トドマツの根もとにあった肌色のキノコ。アカモミタケと外観がよく似ていて、柄のでこぼこが見受けられるのもそっくり。でも色が明らかに薄い。

採っていないので、乳液が出るのかどうかは不明ですが、少なくとも横から見た限りでは、傷ついたひだの部分にも、これといって乳液がにじんでいるふうではありません。

老菌になったものは、ぶよぶよと傘が広がって、サイズも10cm以上と、かなり多く見えましした。

あとで改めて調べてみようと思いますが、これまたなんとなく、正体にたどり着くのが難しそうな気がする…。いい加減、小学館のキノコ図鑑とか、種別に調べられる別の図鑑も購入しておきたいとは思うのですが、もうキノコシーズンも終わりだから、来年でもいいかな、という気持ちに揺れています。

(追記 : 後日改めて調べて、キハツダケではないか、という結論になりました)

2020/10/17土

友人相手のネイチャーガイド。ナンバンハコベとベニテングタケも見つけた

今日は珍しく4人で森に入りました。普段は単独行動が好きだし、コロナの配慮も面倒なので一人歩きがほとんどですが、たまには友人と歩くのも悪くない。お互いずっとマスクしていたのが多少うっとうしくはうありましたが。

チョウセンゴミシの群生地に実を摘みに行く

トドマツ林でアカモミタケとノボリリュウタケのキノコ狩り

カラマツ林でハナイグチ探し

友人所有の高枝切りばさみでヤマブドウを採って味見

同じく高枝切りばさみで森の中のコクワの実を採取

という大自然満喫スケジュールで楽しみました。

残念ながら、ちょうどその時刻に通り雨が降りましたが、友人たちは雨ガッパを着ていたし、バイタリティあふれる道北暮らしの人たちなので問題なし。

雨の日は音や匂いがかき消されがちな静粛性から、ヒグマとの遭遇が気になりますが、大勢なら物音も大きいから問題ない、と判断して雨の森歩きを楽しみました。少なくともタフさでいえば、みんなのほうがわたしより体力あるし。

レイチェル・カーソンは、雨の日の森はとても美しいと言っていたけれど、確かに濡れた草木は色が鮮やかになって、燃えるような紅葉、落ち葉の絨毯に彩られていました。

道中、ワラビ、ゼンマイ、ウド、ハリギリ、タラノキ、ハナワラビ、ツルリンドウ、ツメゴケ、ユキザサ、ホウチャクソウなども適宜紹介しつつ、そんじょそこらのネイチャーツアーよりも内容は濃かったかもしれない。

いつも歩いている森でも、友人と歩くと、思いがけない発見もあるもので、今まで気づかなかった場所にコマユミが自生しているのを見つけました。ニシキギみたいな実で、翼はなかったのでたぶんコマユミでしょう。写真は撮り損ねましたが。

また、今まで見たことのない謎の黒っぽい実を発見しました。実の色や形だけならばツクバネソウっぽさがありますが、がくや葉の形はまるで違うので、どうやら今まで見たことのない植物のようです。

今日のガイドツアー?で、キノコ類を除けば、これは何?と訊かれて答えられなかった唯一の植物。あとでGoogle Lens師匠に訪ねたら、ナンバンハコベ(ツルセンノウ)だと一発で回答してくれました。

「ナンバン」とついていますが、日本に自生する在来種。花の形が不思議でエスニックなことから、異国風の、という意味でそう名づけられたようです。ネットで画像も見ましたが、これはぜひ花が咲いている時期に見たかったなぁ。

広義にはナデシコ科なので、花びらの裂け方はハコベと似ていますが、ハコベ属ではなくナンバンハコベ属。この近辺では一属一種で、他に類のない面白い花。花のふくらみ方は、別名ツルセンノウのとおり、雑草のマツヨイセンノウなどを思わせます。

花や実を包み込む星型のがくが特徴的。実の季節には、星型の台座に丸い宝玉が載っているようにも見えて、高級な雰囲気があります。

葉っぱはよくある楕円形で対生。あまり目立つ特徴がなく、花や実の時期でないと見分けづらい。しかしながら、他のツル植物は面白い葉っぱをしているものが多いので、その地味がかえって見分けるポイントになりうるか。

そして今日のハイライトは、超有名な毒キノコ。マリオのスーパーキノコのデザイン元にもなったとされる、ベニテングタケを見つけたこと!

遠目にはタマゴタケのように見えて近づいてみたら、どうも雰囲気が違う。

傘の周囲の条線があまり目立たない。でも立派なジャボ状のつばがあるからテングタケ科ではあろうけど…、とそこまで考えたとき、傘に白い断片が散らばっていることに気づく。

以前にヒメベニテングタケは見たことがありましたが、これはそこそこ大きく、小さめのタマゴタケと同程度のサイズはあったので、無印ベニテングタケでしょう。ヒメベニテングタケと違って、イボもちゃんと白っぽいし。

噂には聞いていたけれど、雨が降るとベニテングタケ特有のあの白いイボが取れてタマゴタケに見える、というのは本当だったのだ! 柄の色を見れば、タマゴタケは黄色、ベニテングタケは白なので、イボが取れても見分けはつきますが、確かに一見だまされそうになりますね。

ちょうど、通り雨がやんできて、森の中にも太陽の光が差し込んできたところだったので、こんなすばらしいベストショットが採れました! なんと神々しくみずみずしいことか。

帰り道では、トドマツなどの混交林のあたりに、一面に白いニョロニョロみたいなキノコが生えている場所もありました。

分岐しているのもあったから先日見たカレエダタケか?とも思いましたが、一本立ちしているのがほとんどだったので、前から名前だけ知っていたシロソウメンタケかもしれない。食べれるそうですが、小さすぎて食べごたえなさそう。

そして、前々から何度も 日記に 書いていた、あのサルナシ(コクワ)の大きな木。たわわに実っているのに、高い場所すぎて採れませんでしたが、友人が高枝切りばさみを貸してくれたおかげで収穫できました!

大量に実っているうちのほんの一部をいただいただけで、まだまだ採れそうな高さのものも、高枝切りばさみでも届かない高さのものも、たくさん残して帰ってきましたが、それでも500gほどの量がありました。

これで念願のコクワの実のジャムを作れる! ずっと地元に住んでいる人から、コクワやヤマブドウのジャムを作った話を聞かされていて、いつか自分も、と思っていましたが、こんなに早くチャンスが巡ってくるなんて!

チョウセンゴミシの実、ホオノキの実、コクワの実、そしてアカモミタケ、ノボリリュウタケ、ハナイグチをみんなで分け合って帰路につきました。なんて充実した楽しい森歩きだったのだろう。

みんなで歩くと、個人的な観察をしたり、写真を撮ったりができないので、やはり普段は一人で森を探検して、知識と経験を蓄えることが大切。でも、たまには、一シーズンに一度くらいは、こうして他の人を案内して、知識を役立てるというのも楽しいかもしれませんね。

2020/10/18日

コクワ(サルナシ)の実をジャムにしました

昨日採ってきた500g弱のコクワの実をジャムにしました。

まず洗ってから、コクワの量に対して30%ほどの重さの砂糖をまぶします。そのまま、1日置くと、水分が出てきます。

それから、皮ごと粗くつぶします。コクワの実は小さくて、皮を剥くのは難しそうだったので、皮の食感も楽しむことにしました。純粋に野生のもので、農薬などかかっている心配はないので、皮を食べても大丈夫。

次いで、そのまま火にかけてかき混ぜます。もともと実の水分が出ているので、煮詰めながら水分が減るのを待ちます。粉寒天を小さじ1くらい加え、とろみがつけば火をとめます。

最後に、レモン汁を小さじ1程度入れて、冷やして完成。

色や見た目はキウイのジャムですね。食感は、細かい種がプチプチしていて、皮はあまり気になりません。

味は生で食べたときにも感じたとおり、キウイより甘く、酸味と甘味が程よいバランスです。甘みは砂糖のせいかもしれませんが、もともとの味もあると思う。ヒグマの好物だというのもよくわかる美味しさでした。

キハダの実を収穫できた!

去年からずっと探していたキハダの木。地元の人からは、このあたりではもう見かけないよ、なんて言われながらも、冬にたくさん観察できた若木の冬芽から、キハダの木は決して少なくないはずだ、と信じて探していました。

先月には、森の中で、地上に落ちていたキハダの実を見つけ、その近くにキハダの巨木が何本かあることも発見しました。キハダの木が存在しないのではなく、森の中の木々は背が高すぎて、実っているのが見えないだけだ、と考えていました。

でも、それ以外に、普通の自動車道路沿いにも、実がはっきり視認できて、もしかしてキハダの木なのでは?と去年アタリをつけていた木がありました。今日思い出して行ってみたら、実が鈴なりでした!

記録をたどってみたら、去年の10/15の日記にそのことを書いていました。なんと1年前! 計画していたわけでも、示し合わせたわけでもないのに、自分でも驚くほどいいタイミングで思い出して見に行けたものです。

当時は日記に写真を載せていませんでしたが、たぶん今日と同じような光景を見たのでしょう。

そう思って、Google photoの過去写真をあさってみたら、去年のキハダの写真を見つけました。今年よりもずっと葉が多いですね。そのおかげで経験がなくてもキハダではないかと推測できました。(去年10/15の日記にも写真を掲載しておきました)

去年は、キハダの実の実物を見たことがありませんでした。でも今年は、森で拾って手もとで見たし、イベントに参加したとき、味見だってさせてもらいました。だから、どんな実なのかはっきりわかっています。

キハダの実は、ミカン科にしては小粒で小さく、サンショウに似ています。色は最初は緑で、次第に黒に変化します。何よりの特徴は、緑色のときの実を見れば、小さくてもミカンだとわかることでしょう。表面のボコボコした凹凸がミカンそっくりです。

今回は、実物を知っているだけでなく、昨冬に野鳥観察のために買った望遠レンズもある。望遠レンズでズームして撮ってみると、確かにキハダで間違いなさそうです。

これがキハダの木だとすると、樹皮は特徴的なコルク質のはずです。でも、遠くから見た限りでは、いかにもキハダらしい、と感じるほどボコボコしているようには見えませんでした。

かなり近づいて観察すれば、言われてみればキハダだ、とは思うのですが、樹皮を頼りにキハダ探しをするのは難しそうです。見慣れればまた違うかもしれないので、今年の冬はもっと樹皮を観察して、樹木を見分けられるようになりたい。

せっかくキハダの木を見つけたし、特に人家の近くでもない山の上の道路脇なので、ぜひとも実をもらって帰りたい。

そう思ってイタドリとクマイザサの茎が乱立するやぶの中に入ってみましたが、すぐ近くにあるように見えて近づくのが大変。しかもやっと木の下にたどり着いたのに、実がなっている枝はわたしの頭上かなり高くでした。

これはダメか…、とあきらめてやぶから出てきて、帰ろうとした矢先、じつはその周辺にも、キハダの木が幾つも群生していることに気づきました。あちらにも、こちらにもキハダの木がたくさん!

そして、そのうちの一本は、道路のすぐ横に立っていて、一番下の枝の高さも2mほどと比較的低い。枝を折らないよう気をつけながら、森歩き用のステッキを引っ掛けて引き寄せると、キハダの実を房を3つほど採ることができました!

確かにキハダの実! ひとつだけ残っている緑色の実は、まるでミカンのようなでこぼこがあるのがわかります。ずっと自分で収穫して食べてみたかったから嬉しい!

乾燥させて使う香辛料だから、3房もあれば友達にあげたり、料理に使ったりだってできるでしょう。これが数え切れないくらい たわわに実るキハダって考えてみればすごい木なんですね。

時刻はもう夕方。牧草地の向こうに沈んでいく夕陽に、キハダの木のシルエットがよく映えました。

思いがけない収穫に、とても嬉しくなって帰途につきました。昨日コクワを収穫できたのも嬉しかったけれど、キハダまで採れるなんて。今年の採集生活はとても充実しています。

森の風景。ミドリハコベ?とオヒョウニレの樹皮

今日の森の風景。今年は比較的暖かい秋が続き、まだ霜が降りていないためか、紅葉を長く楽しむことができています。温暖化と暖冬傾向のせいだとすれば、手放しに喜べはしないのですが。

大きめのハコベ。花の直径は指の太さとの比較からして1cmくらいでしょう。ハコベはルーペで見ないと造形がわからないほど小さい種類もよく見かけるので、1cmでも大きいと感じます。

茎は全体が緑色で、花びらはほぼ完全に裂けていることからすると、在来種のミドリハコベか。(ハコベの仲間の区別点が載っているサイト)

妙にユニークな形の葉があって、これは何だったっけと首をかしげました。Google Lensで調べてみたらクサノオウの葉でした。言われるとわかるけれど、花がないからわかりませんでした。まだまだ経験不足。

見事に黄葉したオヒョウの木。今は葉で見分けがつきますが、冬になって葉が落ちたらわからない。冬芽も低い位置にはない。だから樹皮で見分けられるようになりたいと思い、観察してみました。

オヒョウは正式にはオヒョウニレだから、ハルニレの親戚なのですが、樹皮の雰囲気はかなり違っています。ハルニレが目の細かい縦のひび割れで、いかにも絵に描くときの典型的な樹木の幹っぽいのに対し、オヒョウは鱗のようなひび割れ。

木材に詳しいサイトの説明でも、ハルニレは「縦にやや深い割れ目」と書かれているのに対し、オヒョウは「縦に浅裂し下側からめくれるようにはがれてくる」とありますね。言葉ではわからないので、数を見て覚えるしかない。

森の樹木の樹皮のうち、すぐ区別できるのはもちろんシラカバ、ヤマザクラなど、横に裂ける包帯が巻かれたような樹皮の木たち。細かい区別は難しいですが、大まかには分類できます。

縦に裂ける中では、比較的見分けやすいのはハリギリとシナノキ。ハリギリは樹皮の模様が螺旋状に巻いているような雰囲気があり、シナノキは割れ目が浅くて小綺麗な印象。(やはり言葉にするとわかりにくすぎるから見て覚えるしかない)

ひび割れがごつい樹皮は、ミズナラだったり、オニグルミだったり、イタヤカエデだったり、ヤナギだったりして、まだ樹皮だけではそれぞれの見分けがつきません。

自然界の造形は、樹皮の裂け方しても、シダの葉の裂け方にしても、明らかにパターンがあるのに、「とがっている」とか「丸い」とか程度の語彙ではカバーしきれません。フラクタル指数とかで表現すればコンピュータで再現できるのかもしれないけれど、人の頭では無理。

だから、何度も見て映像記憶のパターンとして覚えるしか、見分けられるようになる方法がありません。自然界のパターンに親しむには、ひたすら森を歩いて、自分の目で見るという経験を積むこと。それ以外に近道はなさそうです。

(追記 : 翌々日に大木が立ち並ぶ広葉樹林に出かけたところ、わたしがこれまで見てきた幹の知識では、樹種を見分けるのにほとんど通用しないことがわかりました。ハリギリとシナノキが見分けやすいと書きましたが、大木になるとイメージと違う樹皮でした。

やはり樹皮は成長とともに変転するものと考えて、樹形、冬芽、葉からの推測のほうが確実そうです。巨木になると、どれもほとんど見えない高さなので、望遠レンズでの観察が必須になります)

コブシとホオノキを比較。葉と冬芽から

森の入り口付近で見つけた若木。葉っぱは、いわゆる倒卵形と呼ばれる形で、根もとは細く、先のほうが太い卵型です。このあたりはホオノキが群生していることを知っていましたが、どうも雰囲気が違います。

ホオノキは、葉っぱは互生で互い違いにつきタイプではあるものの、枝の先のほうに、ほぼ輪状になってつく偽輪生という傾向があります。でも、この葉っぱは、輪状になってはおらず、ただ互い違いについているだけです。

幸いにも、もう冬芽が出ているので、何の若木かはすぐにわかります。この書道に使う小筆のような冬芽は、コブシの木です。去年の冬に覚えた冬芽の知識が、また役立つシーズンが来ましたね!

一方、やはりその近くにはホオノキの若木もたくさんありました。ホオノキとコブシは同じモクレン科モクレン属なので、必然的に似てはいますが、葉の大きさや付き方は若木のころから違いがはっきりしています。

同じように倒卵形の葉ですが、コブシよりもサイズが大きい。そして枝の先のほうに、輪になるようについていて、その中心からペーパーナイフのような形の冬芽が飛び出しています。

今の時期はまだ葉が残っている上に冬芽も樹皮も観察できて、一番ハードルが低く、樹木の見分けがしやすいかもしれません。

今日のシダ。ホソイノデとワラビのソーラス

円陣を組んでロートを作っている毛深いシダ。オシダにしては小さいし、裂片がとがっているので、たぶんイノデの仲間のようです。

ソーラスは丸い粒状ですが、裂片の先は鋭く尖って、ノギのように突き出しているので、オシダではないことがわかります。

葉の表面や軸は上から下まで毛だらけです。

軸の根もとも、毛だらけで、大きめの鱗片もついています。

無難に北海道全域に多いホソイノデかな? 上の写真で、軸の下のほうの羽片が短くなっていることもホソイノデの特徴。サカゲイノデなど、北海道に自生する他のイノデなら、下のほうの羽片は短くならないそうです。

キハダを採りに行った場所で見かけた謎の小さなシダ。

あまり見たことのない裂片の裂け方に見えましたが、道路のふちなんかに珍しいシダがあるとは思えない。

葉の裏側を見ると、裂片のふちが巻いていて、そこにソーラスがついているようです。こうしたタイプのシダは図鑑で見た記憶があります。

軸は下のほうまで無毛。

ふと目を上げてみると、近くに紅葉したシダが群生していました。あれ?これはワラビ…、ということは?

謎のワラビは、成長不良だったのか、芽が出た時期が遅かったのか、他のワラビに比べてはるかに小さく、紅葉もしていない、不思議な小さなワラビでした。

ワラビというと、大きく成長したものしか見ていなかったので、小型すぎてわかりませんでした。ワラビだとわかってみれば、葉の形もソーラスも、なるほど確かにそうだ、となるんですけれど。

今日のキノコ。チシオタケ?、キナメツムタケ? キハツダケ?等

また正体不明のキノコが盛りだくさんで調べる気力が湧かない

おそらく広葉樹と思われる枯れ木のうろの中に群生していたキノコ。切り株に群生するキシメジ科っぽいキノコ。この写真に酷似しているので、チシオタケかな?と思いましたが、傷つけて血のような液が出ればそうらしい。

枯れ木のコケの間に生えていたキノコ。下から見ると短い柄がありますが、つけ根に輪っか状の線(盛り上がったつば)が見えるので、毒キノコのツキヨタケかもしれない。

もしツキヨタケだとしたら、真夜中にぼぅっと光っているのかもしれないけれど、森の奥なので、とてもじゃないけれど真っ暗になってから行くことはできません。今のわたしの経験値では。

倒木に群生していたキノコ。そこそこ大きい。適当に絵合わせしただけですが、もしかするとキナメツムタケ?

キナメツムタケは、広葉樹林の地上また朽ち木に発生。ひだは柄に直生、つばはなく、サイズは3~8cmということで、一応特徴は合っているように見えます。可食とのことですが、さすがにもっと決定的に見分けられるようにならないと採れない。

次は、シラカバ倒木に群生していたキノコ。サイズは小さく密集している。黄色っぽい色からするとニガクリタケのようにも見えます。ニガクリタケは混交林の枯れ木、切り株に発生するらしく状況は一致しています。

次は倒木に生えている平たい大きなキノコ。色や形、大きさからすると、ヒラタケのような気もします。でも、このたぐいの幹に生える半円形のキノコにどんな種類があるか全然知らないので確証は持てず。

下から見ても柄が目立たない。ヒラタケだったら、もっとはっきりした柄がついているのでは? 写真の撮り方の角度が悪いのだろうか?「形は図鑑のように一様ではなく、開いた傘が大きく波打つなど変形したものが少なくない」とのことなので、素人目には見分けるのが難しい。来年以降の課題。

次の写真は、上から見ると枯れ葉のようですが…、

横から見ればキノコだとわかる。枯れ葉に擬態しているかのようなウスタケ老菌ですね。フジウスタケか無印ウスタケかは不明。無印のほうが黄色が濃いらしい。前に見たのと同じ場所に生えていたので、すぐに見分けられました。

レンガタケ。こちらも、前に見たのと同じ場所にまた生えていました。

前回から大量発生していた白っぽいチチタケ属のキノコ。トドマツ林に群生するが、アカモミタケより色が薄く、肌色程度のほんのりした赤み。環紋はほぼない。乳液は白い。

図鑑と絵合わせしたところではトビチャチチタケあたりが怪しいか? …と思っていましたが、さらに調べて、キハツダケかな、と思いました。キハツダケはトドマツ林内に発生しやすいとの記述があったので、たぶん合っているでしょう。

老菌はかなり大きい。トビチャチチタケは大きくても10cm、キハツダケは15cmになるらしいので、サイズ感はキハツダケのほうが近い。

キハツダケにしてもトビチャチチタケにしても環紋はほぼないとのことで、外見はどちらにも当てはまりうる。

ひだの色も、キハツダケ、トビチャチチタケともに白からクリーム色とのことで、決め手にならない。

乳液は白で少量。もしトビチャチチタケなら この白い乳液が空気に触れると紫色に、キハツダケなら青緑に変わるとのこと。そこまで時間をかけて観察しなかったので不明。そもそも目で見て紫と青緑を区別できるのだろうか…。

キハツダケなら可食ながら苦く、トビチャチチタケなら食不適で辛いらしい。どのみち、積極的に採って食べるものではなさそうです。

きれいな薄紫色のキノコ。ウスムラサキアセタケとかだろうか。

こちらは白い小さなキノコ。柄の上部にささくれがあるので、最近見かけるシロヌメリガサかな?

ホウキタケ?にしては妙にずんぐりむっくりしていて、きれいに枝分かれしていない。

またトドマツの根もとにショウゲンジっぽい謎のキノコが出ていました。前回とは全然違う森で距離も離れているのに、同じようにトドマツの根もとに出ています。

やはり前回同様、外皮膜の痕跡が傘の外周に白く残っています。

手持ちの図鑑で、この特徴が記されているのは、ショウゲンジと同じフウセンタケ科に属するニセフウセンタケでした。「トドマツ、ミズナラ等の林内地上に発生」という特徴は一致。

前回は、幼菌時につばが残っていることから、ショウゲンジではないか、と考えていましたが、ネットで調べてみると、ニセフウセンタケも「つばは上部につき、消失しやすい」とのこと。これだ。手元の図鑑にはこの情報が欠けていたのだ。

写真に撮ってコントラストを強くしてみたら、傘にショウゲンジの特徴である放射状のしわがあるように見えます。でも肉眼ではほとんど確認できないので、ショウゲンジではないでしょう。前回もこれが確認できないから、ショウゲンジだとみなさなかったのでした。

コケむした大木の根に寄り添うさまは絵になります。

これも最近よく見るキノコ。中心部だけほのかに橙色に染まる。シロヌメリガサやウコンガサほど小さくはない。先日カラマツ林の中で見たキノコと同じでしょうか。

下のように、トドマツの根もとに群生していました。

2020/10/19月

ズミの実、ツチスギタケモドキの菌環、アメリカハナノキの紅葉

用事に名寄市に出たので、また浅江島公園に寄ってきました。よく整備されていて、色とりどりの紅葉も楽しめる、かなり気持ちの良い公園。

都市部なので騒音が大きかったり、整備されすぎていて探検の楽しみがなかったりする部分はありますが、名寄まで来て疲れたときに休むには十分です。

目を疑うほど豊かに実ったズミの木。ズミはソメイヨシノにも匹敵する大量の花を咲かせ、開花期には木全体が真っ白になりますが、わずか一週間ほどで散ってしまいます。あれだけ花が咲けば、これほどの実もなるということか。

ズミはサクラと同じバラ科の木なので、実の雰囲気はサクランボ(ミザクラ)にも似ています。酸味が強いから酸実(ずみ)と呼ばれていますが、ジャムや果実酒にすれば食べれるようです。この実は公園の木だから採れませんけれど。

公園の芝生には、あちらこちらにオレンジ色のキノコが生えていました。菌環(フェアリーサークル)になっているところも。

よく見ると、スギタケっぽいささくれがあります。ツチスギタケモドキでしょうか。本家ツチスギタケは見たことがなく、モドキのほうばかり目にします。そもそも本家が北海道に分布しているのかもわからない。どのみち猛毒ではないものの、食不適とされることが多いようです。

35年ほど前にカナダからもらったのを育てたと書いてあったレッドメープルの木。同じ種類の木にもかかわらず、紅葉の度合いが異なり、まだ緑の葉ばかりのもの、黄色いもの、赤いものが並んでいて、全部合わせて虹色になっていました。不思議。

カナダでしかもメープルとついているのだから、サトウカエデのことかと思ったら、全然葉が違いました。カナダの国旗にあしらわれたサトウカエデの葉ではなく、ウリノキやウリカエデを思わせる三裂の葉です。

調べてみると、レッドメープルとは別名アメリカハナノキ、ベニカエデ、アカカエデなどと呼ばれている木。

日本に自生している無印ハナノキのほうは、今年の日記にも登場しました。アメリカハナノキも無印ハナノキに似た赤い花を春に咲かせるそうです。ハナノキの見頃は短くてタイミングが難しいですが、来春、覚えていたら見に来たいですね。

ほかの木々も色とりどりに装っていて見どころばかりでしたが、少し気になって立ち止まったのがこのカエデ。

イタヤカエデもそろそろ色づいてきたか、と思ったのですが、この葉はイタヤらしくない。イタヤは裂け方がもう少し少なく、葉の質も厚紙みたいに波打っていた気がする。ということは、と冬芽を探してみると…、

ヤマモミジとかハウチワカエデらしい冬芽でした。たぶん、この木はヤマモミジだったんですね。いまだに樹木の見分けは苦手だけど、「なんとなく違う気がする」という感覚が鋭くなって、その裏付けを調べる知識も身につけばいいな、と感じる経験でした。

見つけた色とりどりの落ち葉の色相環。同じように葉を散らせる木々なのに、これほどバリエーションがあって、形も色も葉を散らす時期さえもさまざまで、同じ種でさえ多様な個性があるのが不思議です。人間もそうだと思えば、みんな違うことこそが自然界では当たり前なのだろうけれど。

2020/10/20火

メギ、ツルウメモドキ、コブシの実

久しぶりに家の裏の公園を散歩しに行ったら、色々な実りが色鮮やかでした。去年は、雪の中でこれらの実が鮮やかに映えているのを見たんでしたね。

まずはメギの実(バーベリー)の低木。トゲトゲなので触るときは注意。全体にベルベリンという毒を含むものの、種類によっては、完熟した実は食べることができるらしい。

いつものツルウメモドキ。今年はニシキギ、コマユミ、マユミ、ツリバナと、近隣に自生するニシキギ科を全部見て比較できましたが、ツルウメモドキの実は色のコントラストが特に美しい。この仲間は、実が食べられないので、見て楽しむに特化していますね。

コブシの木の実を観察しようと思って木を見上げたら、前来たときはあったはずの実がどこにも見当たりません。もう落ちてしまったのか?と地面の草地を見渡すと、あちこちに落ちていました。

すでに裂開して赤い実が顔を出しています。昨日書いたようにホオノキと同じモクレン科ですが、木だけでなく実も小型ホオノキといった感じですね。最初はグロテスクな気もしましたが見慣れると美しく感じるものです。

昨日ホオノキとコブシの冬芽のうち、葉芽を載せましたが、それだけでなく、コブシの花芽もすでに出ていました。葉芽が書道の小筆ならば、花芽は大筆のようないでたちです。どちらもふさふさの毛皮のコートをまとっています。

立ち並ぶコブシのうち、枯れた幹には謎のキノコが出ていました。こういう幹につく系のキノコはまだ全然知らないのですが、ムキタケかヒラタケか猛毒ツキヨタケか。

撮った角度が悪く、微妙にわかりませんが、軸の付け根にリング状のつばが見えるような気もしないでもないので、毒キノコのツキヨタケかもしれません。でもツキヨタケって主にブナ科に出るとされているので違うかも。

もしツキヨタケだったら、夜中に光っているのを見てみたいところですが…。

カツラの巨木の森へ

今年はなかなか霜が降りず、美しい紅葉が続いているので、今まで行ったことのない森に出かけてみることにしました。場所は西興部村の宮の森。しっかりトレイルが整備されているらしい。

道中見かけた下川町一の橋の剣岳。ほぼ広葉樹林の山なのでしょうか。緑色の常緑樹がなく、全体がオレンジ色に染まっていて、インパクトがありました。この付近には似たような植生の山がちらほらとあって紅葉が最盛期でした。

そして、西興部村の宮の森。誰も登山者はいませんでしたが、しっかりと草刈りしてある道が山の上まで続いていて、さすが観光地! と思いました。いつも歩いている地元の森はゲイターなしでは歩けませんので(笑)

かといって、草刈りされすぎて森らしくなくなっているということもなく、落ち葉で彩られたふかふかした道を歩いて、大木の立ち並ぶ自然林の森を歩き回ることができます。

この森の魅力のひとつは、カツラの大木が立ち並んでいること。案内板によれば樹齢150年から300年と思われるらしい。森全体に、カツラ特有の甘い焦がしキャラメルのような香りが漂っています。

カツラの巨木の写真。あまりに背が高くて、通常のモードだと収まりきらず、パノラマ画像で上下に長く撮ってみました。おかげで明るさの調整が微妙ですね。

写真だとどうしても大きさが伝わらない。隣に生えている笹やぶが、人間の腰くらいの高さがあることから比較できるでしょうか。

いつもの計測アプリも使ってみましたが、うまく木の幹に反応してくれなかったので、地面の長さを撮ってみました。何本もまとめて生えている株立ち状ですが、全部まとめて直径を測れば、2mから3mあるということ。

トレイルはそこそこ長く、頂上の展望台まで20分くらい。さらにそこから奥へ道が伸びていて、全部歩こうとすれば1時間以上はかかるでしょう。

展望台から見た西興部村の景色。特徴的なオレンジと深緑の配色の公共施設のため、場所を明示しなくても、道北住みの人ならすぐに場所がわかってしまう町並みです。

トレイルには、さまざまな広葉樹の解説もかかげられていて、歩くだけで勉強になります。しかし幹を見ても、全然木の名前と一致しなくて、自信がみるみる失われます。やはり幹から樹種を当てるのは無理そう。

とてもいい山だとは思うけれど、あまりに町が近すぎて、延々と消防署の車の町内放送が聞こえていたのは興ざめでした。廃品回収車の声なんかも聞こえるんだろうな。

けれども、人里に近いから安全というわけでもなく、最近ヒグマが出たとの看板がトレイル入り口に立てられていました。実は夏頃も来ようと思っていたんですが、ヒグマ出没で封鎖されていたので、今の時期になってしまいました。

西興部村自体が、相当山奥にある自治体なので、町に近いと言っても、普通にクマの生息地なんですね。それを言ったら、うちの近所も同じで、ヒグマが何度も目撃されているので、どっこいどっこいなのですが。

初めて見たウリノキとツタウルシの葉と冬芽

この森に来たかったのは、自生しているウリノキが簡単に観察できると知ったからです。植生調査書によればうちの近所にも自生しているはずなのですが、たやすく行ける場所にはなさそうでした。遊歩道沿いに生えているのは貴重。

トレイルを登っているときは気が付きませんでしたが、帰りにふと、見慣れない葉っぱの木が立ち並んでいるところを通りかかりました。まるでウリカエデやハナノキみたいな三裂した葉。すぐに、これがきっとウリノキだ!と気づきました。

念のため冬芽も観察。丸い葉痕の中心に、尖った芽が出ている珍しい形の冬芽で、既存の知識の範囲では、プラタナス(モミジバスズカケノキ)の似ているように感じました。帰って調べてみたらウリノキで合っていた。

今年は花は見れなかったけれど、この時期でなければ冬芽を見られなかったでしょうから、これもまたいい経験になりました。

ウリノキの開花時期は6月らしいので、来年はそのころに見に来れたらいいなと思っています。一本だけでなく、たくさん立ち並んでいて、実が落ちたような果柄も見られたので、時期さえ合えば花が見れるでしょう。

帰りにふもとで見つけたツタウルシ。真っ赤な三出複葉が、地面を這っていました。これも近所ではあまり見かけないので、ここで発見できて嬉しい。

念のため冬芽を撮ってきましたが、これも図鑑で調べたらツタウルシの冬芽で合っているようですね。山吹色の猫の爪みたいな小さな芽が、つるに沿って、互い違いに突き出していました。

ビョウダケとアラゲコベニチャワンタケ

トレイルの途中で、何かの枯れ木の切り株に出ていた極小の色鮮やかなキノコ。色からして、マメホコリなどの粘菌かと思いましたが、顔を近づけてよく見ると、形が全然違ったのでルーペで接写してみることにしました。

上の写真だとそこそこサイズがある切り株に見えてしまいますが、本当はこんなに小さい。極小キノコです。

黄色いほうは、Google Lens先生によればビョウタケだそうです。ビョウタケの「ビョウ」は画鋲などの留め具、金属製のスタッドのことらしい。

図鑑だと直径1~3mmで、秋に枯れた広葉樹に出現するとされているので条件も合ってそうです。wikiによると、胞子まで見ないと区別できないそっくりさんがいるようなので、確定はできませんが。

そして鮮やかなオレンジ色のほう。マメホコリみたいな球形かと思っていたら、なんと拡大したらお皿のような形で、しかも縁に毛が生えているではないですか! まるで食虫植物ハエトリグサのようでもある。

この不思議なキノコは、アラゲコベニチャワンタケという名前だそうです。縁の黒いのが荒毛なのね。諸外国ではまつ毛にちなんだ名で呼ばれているそう。

妖しい見た目に反してね特に毒はないそうですが、小さすぎるので鑑賞を楽しむほうがいいでしょう。

今日のシダ。サカゲイノデ?

トレイルには、おもにリョウメンシダとジュウモンジシダを中心にさまざまなシダが群生していました。その中で、少し気になったのは、この大きめのシダ。

ソーラスは粒状でオシダの仲間のようですが、裂片の先が尖っているのでオシダではなくイノデでしょう。そして、下のほうの羽片が小さくなってはいないので、ホソイノデではなさそうです。

茎の裏の剛毛が逆毛になっていればサカゲイノデ。触ってなでてみましたが、どちら向きに生えているのか区別できませんでした。目で見た限りでは逆毛だっているような気がしたのでサカゲイノデとしておこう。

アマチャヅルの実、クロフネツツジの実など

アマチャヅルの実。すっかり青黒く変化し、がくや花柱がついていた痕跡が、金色の模様のように際立っています。

シダに混じってたくさん地面から生えていた、この小さなセリ科っぽい葉はなんだろう? 前にシダかと思って撮ったら違っていたのと同じ種かもしれない。

なぜか今の時期に小さめの葉っぱの背の低いイラクサが繁茂していました。葉は対生なので、エゾイラクサの第二世代なのでしょうか?

ふもとに映えていたこれは何の葉っぱだろうか。葉が輪生状についている低木。実の形からして、ツツジの仲間の何かだと思うのですが…。

図鑑で調べてみると、枝先に葉が輪生状につくツツジは種類が多く、区別しにくい。オーソドックスなヤマツツジは葉先が尖るので違う。

葉の形が似ているのはクロフネツツジという中国・朝鮮原産のツツジ。別名ツツジの女王と呼ばれ栽培もされているとのこと。葉が5枚輪生状につき、先が尖らないところがそっくりです。若い枝に腺毛が生えるという特徴も一致しているか。

帰り際、車内に迷い込んだトドノネオオワタムシの写真が撮れました。手で触れてしまうと前に失敗したようにつぶしてしまうかもしれないので、ドアを開けて、息を吹きかけて外に出してやりました。

冬めいてきた星空

スカッと晴れた好天だったので、夜はいつもの星空観察スポットに行ってみることにしました。途中、道路脇に光る目を見つけましたが、体型からしてエゾタヌキのようでした。キツネと違って夜行性なので、ほぼ夜中しか見ないレアな生き物です。

星空ポイントはいつものように真っ暗。人工的な明かりは何もありません。頭上にはくっきりと天の川が流れていました。

地平線付近は遠くの都市の明かりも見えますが、それでもかなり光害は少ない印象、冬は雪に光が反射して必然的に空が明るくなってしまいますが、雪のないこの時期はまだ真っ暗な夜空を楽しめるのでしょう。

冬の星座もすでに現れていて、時間的にぎょしゃ座やプレアデス星団が目立っていました。オリオン座が登るのはもう少し遅い時間か。鮮烈な流れ星が視界を横切りましたが、もしかすると明日ピークのオリオン座流星群と関係があるのかな。

闇の中から古い扉がきしむような鳴き声が、しきりに山にこだましていました。どこかの牧場のウシの鳴き声でしょうか? それとも別の野生動物?

帰りに気温を見ると、23時で0.7℃。おそらく夜更けから朝方にかけて氷点下まで冷え込むでしょう。朝起きたら、今季初の霜が降りているかもしれません。

翌朝気象記録を見ると、明け方に氷点下3℃くらいまで冷え込んだことがわかりました。昨日まで元気に花を咲かせていた庭のキンレンカがすっかりしなびていて、初霜も降りたようです。いよいよ冬の序章が幕開けです。

2020/10/22木

やはりウコンガサなのか?

あまり時間がなかったけれど、予定の合間を縫って、森を散歩。前回から少し日が空きましたが、大量発生していたヌメリガサ科と思しきキノコたちが、ちょうど最盛期を迎えていました。意外と成長が遅いキノコのようですね。

まず、カラマツ林とトドマツ林の境界に生えていたこのキノコ。中心部だけほのかにオレンジ色に色づいているタイプ。傘は老菌になると条線が現れてくるようでした。

ひだは垂生。柄につばはない。

ピントがあっていませんが、柄の断面は詰まっておらず、ぼそぼそしています。

結局のところ、いまだに何のキノコなのか不明。でも、ヌメリガサ科のキノコの写真を見ていると、傘の中心だけオレンジ色のものがあったりするので、実は近縁種なのかもしれない。

本題のほうは、この大量発生しているキノコ。写真で見ると、やはり上のキノコと色の付き方が似ている気もします。上のキノコは中心がオレンジ色ですが、こちらは黄色です。

この黄色い部分は、細かい鱗片のようになっていて、ウコンガサの特徴と一致します。ウコンガサは、幼菌のころは傘全体が黄色ですが、大きくなると、傘のふちなど一部のみに黄色い鱗片が残るとされているから。

より傘が開いてきたもの。柄にはささくれが目立ちます。ヌメリガサ科は柄の上のほうにささくれがあると言われますが、これは全体にあるようにも見えます。あるいは柄がもっと長く、土の中にまで伸びているのかもしれませんが。

さらに傘が開いたもの。つばは柄に垂生で付いているのが確認できます。前回採取したときは、直生ぎみだったため同定に疑問符がつきましたが、成長しきると垂生になっていくものなのかも。

そして、これくらい傘が開いた老菌になると、最初に載せた、中心がオレンジ色のキノコとそっくりになってきます。最初のキノコも、一週間以上前に撮影したときは、もっと傘が丸かったし、色みが違うだけで同じキノコな気がします。

今年は食べるまではいかなさそうだけど、もう少し経験値を積んで、ヌメリガサ科のキノコを確実に見分けられるようになったら、来年の秋には食べれるレパートリーが増えるかもしれません。もう一冊別のキノコ図鑑を買って、違う角度から勉強したい。

 

その後、トドマツ林の斜面を横目に見ながら歩いていたら、大きなノボリリュウタケが見えたので、まだ生えているものなんだ、と感心して、斜面を登って採りに行ってみました。

そうしたら、一本どころではなく、あっちにもこっちにも。寒くなってきたからか、柄が乾燥して干物っぽさが出ている気はしましたが、そもそもが干して保存して食べるようなキノコだから問題ない。

今日はもうキノコなんてないかな、と思ってキノコ用のカゴを持ってきていなかったので、比較的傷んでなさそうなのを厳選して手でわしづかみ。その後もアカモミタケを見つけて、手に持ちきれなくなってしまいました。まだこんなにあるものなのか。

いつものようにジャガイモと一緒に炒めて食べてみましたが、特に劣化した感じもなく、いつもどおり美味しかったです。アカモミタケのうまみも、ノボリリュウタケの食感も最高でした。今秋はキノコを満喫しつくしています。

【気になったニュース】

ついに稚内でコロナ第一号が出てしまいました。宗谷地方でいえば、稚内から程近い利尻島でも春に一人出ているので、初めてではありませんが、徐々に近づいてきているのが気がかりです。

道内の1日あたりの感染者数も増加してきています。ここまで感染者ゼロですが、いつ陥落してもおかしくないので気を引き締めないと。

2020/10/23金

ドロノキの冬芽、メマツヨイグサのロゼット、キクイモを掘る

朝からずっと雨。この長雨は四日間も続くらしい。霜が降りてからというもの、めっきり山々の紅葉が色褪せてしまいましたが、この雨をもって今年の紅葉シーズンは完全に終わりを告げそうです。

夕方ごろ、雨がやんだので、近所の川沿いをサイクリングしてきました。もうすっかり葉を散らしているこの木々は何でしょうか。

一番右にある1本は、太い枝ばかりで小枝がない樹形から、オニグルミだとすぐわかります。左側の2本は、すくっとまっすぐ一本立ちした樹形が特徴。ハコヤナギの仲間のドロノキかヤマナラシか、といったところに候補が絞られます。

さらに冬芽を見てみると、

鉛筆の先のように細長く尖った柿色の冬芽。このことからドロノキだと確定。確かヤマナラシは、もう少しぷっくりと丸みを帯びた冬芽のはずだから。

今冬もこうやって冬芽や樹形を観察して樹種を推理するのが楽しそう。少しずつ感覚を思い出してきました。

堤防の上の地面を覆うコケとともに点在して生えていた謎のロゼット。かなり頻繁に生えていたので、よく知っている草のはず。もしかしたらオオバコか?と思いましたが葉の形が全然違った。

Google Lens先生のお世話になると、なんとメマツヨイグサのロゼットだと判明しました。いつも見慣れている姿とあまりに違いすぎて、目を疑ってしまった。

メマツヨイグサといえば、草丈50cm以上になる縦に伸びるタイプの草。花が散ったオクラのような実をつけ、秋や冬になっても茶色いドライフラワーのようになって目立つものだから、まさかこんなロゼットを作るとは思いもしなかった。

調べてみるとメマツヨイグサは二年草で、このロゼット状の葉は一年目のもの。これで冬越しし、次の年に急激に伸びて花と実をつけ、一生を終えるらしい。こんなに身近な植物でも、まだまだ知らない側面があって面白い。

その近くに、野良キクイモの群生を発見。民家の畑のふちなどに、野生化したキクイモをよく見かけますが、きっと誰も気に留めてないだろうとはいえ、人の土地のものを引っこ抜くのはためらわれます。

でも、今日発見したのは小さな川の堤防に生えているもので、自治体が管理している土地でしょうから、引き抜いてもいいでしょう。たくさん群生している中から、2本ほどを根もとから手で抜いてみましたが…、

確かに芋があった! でも小さい!

芋があったことからして、キクイモモドキではない。しかし芋が小さかったので、イヌキクイモと呼ばれているタイプの種かもしれない。でも、手で引っこ抜いたから、大きな芋は土の中に取り残されただけなのかもしれない。

また日を改めて、スコップを持ってきて掘ってみないとなんとも言えませんね。本家キクイモにせよ、イヌキクイモにせよ、別にどちらでも食べれるそうなので、この小さな芋はありがたくいただくことにします。

ヒヨドリを撮れる季節になってきた

そのあと、公園を歩いていたら、ヒヨドリの群れがヒーヨヒヨヒヨと鳴いて大移動しているのを発見。ヒヨドリは一年中いるはずの留鳥ですが、夏真っ盛りのころは、木々に隠れてしまって全然見かけませんでした。

同じ地域でも、町中から山の中へ季節移動しているのかもしれないし、もっと局地的な渡りみたいな移動もしているのかもしれない。

これくらい葉が少なくなると、木の枝にとまっているヒヨドリもよく見えますね。頭の冠羽まではっきりと見えるから識別も容易。今年こそはクマゲラを見たいなぁ。

2020/10/24土

キクイモをたくさん掘って、オニグルミの実を洗う

今日も雨が降ったりやんだりなので、近所を自転車で散歩しました。

昨日の野良キクイモ群生地にもう一度足を運び、またスコップを使わず手で抜いてみたところ、大きな芋が多数見つかりました。イヌキクイモではなく、本家キクイモで合っていたようです。

キクイモの群生。写真に写っているもののみならず、辺り一帯に群生しています。キクイモが群生しているのはここに限ったことではありませんが、明らかに私有地でなさそうな場所の群生はそこそこ珍しく貴重です。

キクイモは上のほうの葉は互生、下のほうの葉は対生とされていますが、その特徴にしっかり当てはまっています。芋を作らないキクイモモドキは、上から下まですべて対生だそうです。

昨日掘った茎の横のものを、手で引っこ抜いてみたら、立派な芋がついていました。やはり、引き抜く時に土の中に取り残されがちなだけで、大きな芋も普通に埋まっているようです。

どうせもうすぐ枯れてしまうのだし、次々に茎を引っこ抜いてみると、あるわあるわ。たくさん収穫できました。これだけ採っても、群生の1/10さえ採っていないません。絶対誰も知らなそうな場所だし、来年以降も十分に収穫できそうです。

また少し天気が悪くなって、風が強まってきたので、風よけのために、道路脇のカラマツ林の中に入ってみる。すると地面にこんな黄色い小さなキノコが。きっとこれこそがカラマツ林に生える晩秋の可食キノコ、キヌメリガサに違いない。

しかし、サイズが小さすぎて、量も少なかったので、わざわざ採って食べようという気にはなれませんでした。なぜかこの辺りは、キヌメリガサよりウコンガサのほうがはるかに出やすいようなので、そっちを見分けられるよう訓練したほうがいい。

森のふちを覆い尽くすチシマザサに混じって生えていた謎の5枚セットの葉。最初、こんなところにコシアブラが!?とぬか喜びしましたが、ウコギ科の木のように直立してはいない。

葉っぱは、3出複葉から5出複葉。頂葉だけ葉柄が妙に長い。

しかし何よりの特徴は、茎にも、葉の裏さえも、トゲトゲがたくさんあること。

5出複葉で、トゲトゲしているところまでは、コシアブラの仲間のエゾウコギやケヤマウコギを思わせますが、よく見ると、すべての葉が5枚セットではなく3枚セットのもあり、何より枝の伸び方が全然ウコギっぽくありません。

帰宅後調べてみたら、おそらくクロミキイチゴ(ブラックラズベリー)という北アメリカ産のベリーの仲間のようです。頂葉だけ葉柄が長く、最下の2枚は葉柄がないという特徴も一致しています。

どうしてこんな場所にブラックラズベリーがあるのか? 本物の森ではない場所なので、誰かが植えたものか、あるいは野生化したものなのかもしれません。

掘ったキクイモを洗うついでに、前に採ってきて土に埋めておいたオニグルミの実を掘り出して洗いました。

もう皮は朽ちかけていたので、すぐに中身を取り出せましたが、洗う水がまたたく間に真っ黒に。さすがは草木染めの染料になるだけのことはありますね。もう少し寒くなったら、炙って殻を割って食べてみようと思います。

今年食べた山の幸まとめ(山菜、実、キノコなど)

そろそろ秋の実りとキノコのシーズンも終わりで、これ以上新しい収穫はなさそうなので、今年食べた山の幸をまとめてみました。抜け落ちているものは後々思い出したら追加します。

(五十音順)
■葉や花
・食べたもの
アキタブキ
ウツボグサ(茶)
ウド
エゾイラクサ
エゾエンゴサク
エゾゼンテイカ
エゾニワトコ
エゾノリュウキンカ/ヤチブキ
エゾマツ(コーディアル)
エゾワサビ
オオイタドリ
カキドオシ(茶)
カタクリ
キバナノアマナ
ギョウジャニンニク
クサソテツ/コゴミ
クサフジ
クルマバソウ(コーディアル)
ゲンノショウコ(茶)
タラノキ
チシマアザミ
チシマザサ
ツルアジサイ
トウバナ(茶)
ニセアカシア(コーディアル)
ニリンソウ
ハリギリ
ヒトリシズカ(茶)
フキノトウ
ミツバ
ヤブカンゾウ
ヨブスマソウ

・発見したが食べなかったもの
アオミズ
エゾイソツツジ(茶)
エゾニュウ
エゾヨモギ
オオハナウド
オドリコソウ
キンミズヒキ
シャク
セリ
ツリガネニンジン
ツリバナ
ツルニンジン
ツユクサ
ノブキ
ハコベ
ハンゴンソウ
ヒシ
マユミ
ヤマドリゼンマイ
ヤマブキショウマ
ユキザサ
ワラビ

■根
・食べたもの
エゾノリュウキンカ/ヤチブキ
オオウバユリ
キクイモ

・発見したが食べなかったもの
オニノヤガラ
ツリガネニンジン/トトキ
ツルニンジン
ヤブマメ(地中果)

■実
・食べたもの
エゾノウワミズザクラ
エンレイソウ
キハダ
サルナシ
サンカヨウ
チョウセンゴミシ
フサスグリ
ホオノキ(茶)
マタタビ
ヤマグワ
ヤマブドウ

・発見したが食べなかったもの
エゾゴゼンタチバナ

■きのこ
・食べたもの
アカモミタケ
クロノボリリュウタケ
シロヌメリイグチ
タマゴタケ
ヌメリスギタケモドキ
ノボリリュウタケ
ハナイグチ

・発見したが食べなかったもの
アカヤマドリ
ウコンガサ
オシロイシメジ
カラカサタケ
ナラタケ

ざっとこんなところ。食べたものだけ数えると53種、時期が違う、100%確実に同定できないなどの理由で食べなかったものは34種類です。2年目にしてはかなりの成果ではないでしょうか。野草さえ食べたことなどなかったのに、飛躍的な進歩です。

もちろん、山野のものを食べるときは、食毒をきちんと確かめて、類似種を区別した上で、慎重に採るようにしているので、食べたもの以上に、他の植物にも詳しくなったということです。

見ての通り、来年以降の課題もたくさん残っているので、状況の許す範囲で、これからも観察や調査を重ねて、知識と経験の幅を広げていきたいと思います。

2020/10/25日

裏の山が初冠雪

裏の山に雪が積もりました。平地では1日中雨でしたが、山は雪になっていたようです。標高1000m未満の比較的低い山です。

近くの山が冠雪してから、平地に降るまで1週間か2週間くらいだったかな? そろそろ冬タイヤに替えたほうがよさそうですね。

サルナシとヤマブドウの樹皮

林道を走っていると二匹のキツネが遊んでいました。なんとなく小さめに見えたので、今年生まれの子ギツネの兄弟だったりするかも? 警戒心は強く、こちらの車が見えると動きを止め、さらにゆっくり近づくと、まだ遠いのに逃げてしまいました。

その後、小雨が降っていましたが、森の中を少し散歩。イタドリなどの背の高い草が枯れたので、今まで入ったことのない林に足を踏み入れる。トドマツと広葉樹の混交林のようです。

ふと足元を見ると、大量のサルナシの実が落ちているのに気づく。横に太い形からして、たぶんマタタビではなくサルナシだと思いました。

このあたりにサルナシの木があるのだろうか、と見回したところ、ツル性の樹木がとても多い地帯だと気づく。でも、すでに葉が散っていて、どれがサルナシなのか、マタタビなのか、はたまたヤマブドウなのか、区別できませんでした。

以前は、ツル性の太い樹木で、樹皮がパリパリとめくれているのは全てヤマブドウだと判断していましたが、それは間違いでした。「サルナシ 樹皮」「ヤマブドウ 樹皮」で調べると、どちらもパリパリした樹皮です。

そういえば、こんな質感の焼き菓子があったけれど何だっけ、と調べてみたら、本高砂屋のエコルセというお菓子だった模様。なんと「エコルセ」とは、フランス語で樹皮を意味するらしい。イメージどおりですばらしい。

それにしても、サルナシとヤマブドウをどうやって見分ければいいのか。葉っぱがある季節なら簡単ですが、冬はどうしよう? 冬芽があればわかるけれど、たいてい高い位置にあるので、樹皮しか観察できないことが多いでしょう。

調べてみたら、ありがたいことに、サルナシとヤマブドウの樹皮を比較してくれているサイトがありました。そこの画像によれば、どちらも「エコルセ」的な感じではあるものの、ヤマブドウのほうが色が濃く、縦に長く裂ける傾向があるようです。

今日足を踏み入れた一帯は、びっくりするほどツル性の樹木が多く、あっちにもこっちにも、見れば見るほど曲がりくねって湾曲した太いツルが絡みついた木ばかりでした。

しかし、サルナシの実がたくさん落ちていた場所の近くの木を見上げても、実がついていた痕跡は見つかりませんでした。はるか空高くまでツルが伸びているので、地上10m以上の場所で実をつけていたのかもしれません。

足元に散らばっている落ち葉からヒントが得られないか調べてもみました。たとえば下の写真で大量のサルナシの実とともに落ちている、葉柄が赤く葉身が波打っている葉は、いかにもサルナシらしく感じました。

かなり高い場所に実がなると思われるので、落葉前に来ても、実が採れる保証はなさそうです。地面に落ちている実は、雨だったこともあってか、もうブヨブヨしていて、さすがに採って食べるのははばかられました。

でも、これだけサルナシが落ちていることからすれば、1本や2本以上の群生かもしれないので、葉がある時期に見に来る価値はありますね。

その後、高枝切りばさみで実を採ってジャムを作ったサルナシの木の様子も見に行ってみましたが、まだまだ実はたわわでした。こちらの木から十分に採れるのだから、わざわざ森の奥まで採りに行くメリットはないかも。

それに、こちらに木にまだこれだけ実が残っているということは、森の奥のほうの木も落ちていない実を視認できてもいいはず。それが見当たらないということは、高枝切りばさみでも届かない場所にしか実っていなかったのかもしれません。ヒグマでも届かない、鳥たちの領域なのかも。

その森の中に生えていた、とても柄が長いキノコ。とても安易な同定だけど、これこそアシナガタケではないでしょうか。

ネット情報によると、柄に条線があるかないかが大事なポイントらしい。わざわざ柄なんて撮っていませんでしたが、昨今のスマホのカメラの解像度はすごい。後からデジタルで拡大してもなんとなくわかるものです。

無理やりズームなので、あくまで薄っすらとですが縦に線が入っているように見えるので、アシナガタケでしょうか。もしこの線がなければニオイアシナガタケだそうです。そこまでして同定すべきものなのかはわかりませんが…。

森の中にばっさりまるごと落ちていたタラノキの複葉。さすが思い切りがよい。もう紅葉の時期も終わりですね。

帰りに、先日見つけたキハダの木が群生している場所を通って、実を追加でいただきました。前に見つけただけで4本くらいまとまって生えていましたが、さらにその周辺に数本見つけた豊かなキハダ地帯です。

かなり癖の強い香辛料なので、たくさん採っても消費できないか、と思っていたのですが、どうもお茶にして飲むという選択肢があるらしい。

お茶にすればどんな香辛料でもマイルドで飲みやすくなるでしょう。明日、いくらか友だちに分けてあげようと思っています。キハダなんて知っているだろうか。

2020/10/26月

味噌作りに出かけ、秋の生き物たちに出会う

今日は友だちと、畑で採れた大豆から自家製味噌作りをしてきました。風通しのよいほぼ屋外といえる納屋で、フェイスガードを装着しながらの作業です。

道中でまず、立派なツノを持ったオスのエゾシカと遭遇。畑の刈り残しをむしゃむしゃと食べていましたが、写真を撮っていると、こっちをチラ見してゆっくり森へ帰っていきました。なんだか悪いことをしてしまったかも。

友人宅は田園地帯の真ん中にありますが、近くの畑には、ハクチョウが飛来しています。越冬のためロシアから帰ってきて、東北以南へ向かう中継地です。畑に白い大群でたむろしていて、鳴き声もかまびすしいので、すぐに存在がわかります。

頭上を飛んで、そのままV字編隊で、夕陽に向かって飛んでいきました。おそらく近くのねぐらにしている沼へと向かったのでしょう。

ハマナスの低木の茂みがとても騒がしいので、見に行ってみると、小さな鳥が集団で枝葉の隙間からさえずっています。ズームして撮ってみると、ごく普通のスズメでした。

そして、電線の上にも、何やら小さな黒い鳥が群がっています。カラスほど大きくありません。こちらも何だろう?と思ってズームで撮ってみたら…、

白い目元に白い腰、黄色いくちばし、ということでムクドリの大群でした。調べてみると、この時期に大群を作るのは、親と巣立った子の混成で、胸から腹にかけての色が薄いのが若鳥だそうです。

小さいといっても、スズメより一回りは大きく、ハトよりは小さい。高い電線に集団で留まっていたので、同じような姿を見慣れているカラスとの比較で小さく感じたのでしょう。

ムクドリは北海道では基本的には夏鳥で、冬の寒い時期には南に移動するとのことですから。親子ともども集まって、雪が降る頃に出発しようと準備していたのかもしれませんね。

味噌は無事に完成。豆すり機(ミンサー)があったので、とても楽でした。あとは半年以上発酵させれば、食べれるようになります。たくさん作ったので1年以上もつでしょう。

通り雨も降りましたが、うっすらと虹が出て、帰るころには、すばらしい夕焼けでした。

2020/10/27火

高い木にくっついているヤドリギ。地上からでも赤い実がたくさんなっているのがわかりました。花も見たかったところだけど、葉っぱが多い時期には姿が見えにくいので今年は気づきませんでした。

びっちりソーラスがついたトラノオシダを見つけました。トラノオシダはよく見かけるごく普通のシダだけど、胞子嚢を見たのは初めて。これまで観察した個体はなぜかソーラスがなかった。

先日のサルナシの幹。改めて見てみると、色が黒くなく薄茶色なので、やはりヤマブドウではなくサルナシなのでしょう。

森の中に乱立している謎の黒い草本。写真だとサイズが伝わりませんが、人間の背丈より高く、てっぺんに白い綿毛をつけています。いったいここに何が生えていたっけと考えてみたら、ヨブスマソウだとわかりました。確かにキク科だから花は綿毛に変わるのか。今年はヨブスマソウの芽生えから最終形態まで見れました。

謎の黄色いキノコ。背丈が足りないけれど、前にタマゴタケモドキが何度も出てきた場所に近いので、これもそうなのかもしれない。おそらく堆積物の中に柄が埋まっているのでしょう。

 

投稿日2020.10.01