2021年6月の道北暮らし自然観察日記

長文なので、各項目に飛べる目次、右上に表示されるトップに戻るボタン、各ブラウザのページ内検索を活用して、必要な部分をお探しください。

先月・翌月へのリンク

2021年5月の道北暮らし自然観察日記
2021年5月の自然観察を中心とした記録
2021年7月の道北暮らし自然観察日記
2021年7月の自然観察を中心とした記録

>道北暮らし自然観察日記の一覧に戻る

もくじ

2021/06/01火

ウド採取、ギョウジャニンニクのつぼみなど

外出のついでに友人宅に寄って、去年から約束してあったウドを届けることにしたので、出かける前に森にウドを探しに行きました。

何人かに届けるので16本ほど採取しましたが、一箇所から採らないように、3分の1しか採らないように注意しました。

途中、ワラビの群生地を通りかかりましたが、なぜか一本だけしか見当たりませんでした。もう成長している頃なので、今年は生えないのでしょうか。ワラビは採取する気がないとはいえ不思議。

その近くに、去年クジャクシダを見た場所があるので、探してみたら、今年も小さなクジャクシダが生えてきていました。この調子で群生してくれると面白いのにな。(と考えていたこの頃は、翌日に巨大クジャクシダの群生を見つけるとは思いもしないのだった)

その同じ山肌に生えていた謎の葉っぱ。小さな単葉が密生していました。このような葉の植物がまったく思い当たらないので謎。後日また観察してみたいけれど、草が多くなってから再発見できるかどうか。

(追記 : その後6/13に再度観察しましたが依然として正体不明です)

昨日謎のシダだと思っていたものは、改めて近くを調べてみたら大きいバージョンと思われるシダがあり、ソーラスもついていました。多分小型のエゾメシダだったようです。

森の中で見つけた小さなガ。Google Lens先生によるとニワトコドクガという名前のようです。確かにニワトコの木はたくさんあります。…ところが、調べてみると北海道には分布しない?

改めてもう一度Google Lensで調べてみたら、ミミモンエダシャクというのもそっくり。ハルニレやオヒョウニレが食草らしく、上の写真の背景にも写っています。たぶんこちらが正しい。

Google Lensが間違っていたというより、ミミモンエダシャクを間違ってニワトコドクガだと同定しているサイトがあるようですね。両者は似ているとはいえ、模様の位置が違います。

このガを撮ろうとしてカメラの電源をつけようとしたら軌道しない。もうバッテリーが切れたの?と思ったら、なんと底の蓋が開いて、バッテリーパックが消え去ってしました。森の中にバッテリーを落としてしまった!

さすがにもうこれは見つからないと思いました。歩いた道はわかっているとはいえ、森のうっそうと茂った葉の中に落ちた小さなバッテリーを発見できるのか。新しいのを注文して買うしかないのでは?

でも、一応引き返して探してみることにしました。時間がなかったので、早足で一度だけ見てみるつもりで。

考えられる場所としては、山肌の上のウドを採るためにジャンプしてよじ登ったところ。激しい動きをしたから、そのとき落ちたのかも。

しかしてウド地帯まで来たら、確かにそこに落ちていました! ジャンプした場所かまでは確かめなかったけれど、その周辺でした。本当に見つかるなんて驚きです。

今まで森では、タオル2枚、カメラ用接写レンズ、手袋、そして今回のバッテリーパックと何度も落とし物をしていますが、不思議なことに全部発見てできています。注意力があるのかないのか。

少なくとも森で何か捜し物をするときの観察力はかなりのものでしょう。落とし物であっても植物であっても。

急いで森を歩いたので汗をかきましたが、無事に時間どおり友人宅に行き、ウドも届けて回ることができました。ウドを食べるのは2年ぶりととても喜んでくれました。

友人宅のイチョウの葉が芽吹いていました。

ホオノキもつぼみが現れて、もうすぐ咲きそう。

ギョウジャニンニクのつぼみ。

ビニールハウスのルッコラの花。葉も花も食べれます。

レタスの葉にひそんでいたエゾアカガエル。

ヤマブキショウマの群生地を発見!

帰りに車でイラクサ採りなどした林道に寄って、ウドが生えていないか探しました。

秋にこの林道でたくさんウドの花を見た覚えがあるので、ウド採りのスポットとして目をつけていたのですが、これまで一本も混みつけていません。確実な場所を覚えていなかったこともあるけれど、周囲の草丈が高くてわからかないのだと思われます。

ここの林道には以前ガイドさんにウダイカンバだと教えてもらった木が生えています。確かに葉を見てみたらハート型をしています。

でも幹がシラカバっぽくて、わたしだったらウダイカンバだと気づかないでしょう。この写真の幹の下のほうはウダイカンバらしく見えますが、冬に森の中でウダイカンバだと思った木は全体がそのような樹皮でした。

林道脇はかなり自然度が高く、オオウバユリもタラノキもマムシグサも生えているのに、なぜかウドが見つからない。

目を皿のようにして、注意深く探しながら運転していると、林道の終わりあたりに、ついに見つけた! 道路脇の側溝の向こうの山肌のようなところに、数本が固まって生えていました。

よく見ると、その上の手の届かない場所にも何本かあるので、3分の1ということで2本もらいました。朝に16本も採ったのに、友達5人に配ってすっからかんになってしまって、わたしも食べたかったので嬉しかったです。

そして、驚いたのが、その周辺がヤマブキショウマの大群生地だったこと。

こんなに生えているのに今までノーマークでした。今まで渓流のそば、滝のそばなど群生地はたくさん見つけているけれど最大規模。

芽出しの時期に食べると非常に美味しい食感なので、ぜひ覚えておいて、来年春に探したいです。

個人的な場所のメモ。林道のシャクの群生地側から入って、右側に階段のような構造がある場所の手前の左側の山肌。イラクサを採る場所よりも手前。

サイクリングで見つけたヤマナラシのつぼみ、クロミサンザシの木

帰ってから、長時間の運転で疲れていたので、サイクリングしてエネルギーを発散。夏至が近いので、8時ごろまで明るいため、まだまだ自然観察を楽しめます。引っ越してきた当初は夜中ばかりサイクリングしていたのに、すっかり明るいうちに走る健康的生活になりました。

秋にキクイモを掘った河川敷の堤防を走っていると、河原でのんびりしていたキツネと目が合って、驚いて走って逃げていきました。

立ち止まって夕日を背に振り返るキツネの神々しいこと。

去年この道の地面に赤みを帯びたロゼットが生えていて、なんだろうと思ったら一年目のメマツヨイグサでした。二年目の今年はロゼットからたくさん花茎が立ち上がって、花を咲かせようとしています。

ヤマナラシの木の枝に止まっていたニュウナイスズメのオス。ヤマナラシの花のつぼみ?らしきものも写っています。初めて見るのでなんだろう?と思いましたが、樹皮を確認したらヤマナラシでした。

先月、イラクサ、オドリコソウ、オオアマドコロ、クサソテツなどを採取しまくった河川敷の様子。もはやとても入れない密林に。

クサソテツがたくさん葉を開いているのもわかります。わたしが採ったとき、こんなに見つからなかったことからすると、思ったより時期遅れの採取場所のようです。他で取り逃しても10日後くらいまで採れそう。

堤防の上は舗装されていないので草が生え放題。どうせやぶには入らないと思って上半身は軽装で、手袋もしていなかったので、ダニが大丈夫か心配でした。しかも左右に1m級に成長したエゾイラクサの壁があり、もしバランスを崩して突っ込んだら大変! かなりスリリングなサイクリングです。

堤防の上に茂っていた謎の葉。

よく見ると、葉先が三つ股に分かれていて、外来種オオハンゴンソウだとわかります。この河川敷はかなり原生植物が残っているのですが、それも春だけのこと。夏以降は外来種が繁茂する棲み分け方になっています。

河原のうっそうとした密林の木を見ながら走っていたら、シラカバ、ヤナギ、ニワトコに混じって、サクラのような花を咲かせている木が。

立ち止まって望遠で見ると、なんと絶滅危惧種のクロミサンザシでした。こんな河川敷にも普通に自生しているくらい、ここでは一般的な木なんですね。

帰り道、アカエゾマツの並木についに芽が出ていたので試しにひとつむしって味見してみました。

エゾマツにはあまり似ておらず、トドマツのような薬品味がして、苦みがありました。後味は爽やかでしたが、アカエゾマツはシロップに向いていないかも。そのうち葉っぱの味でマツが見分けられるようになったりして。

今日採ってきたウドの天ぷら。2本だけですが、十分美味しかった。自然の恵みに感謝です。

2021/06/02水

ルイヨウボタン、オオバタケシマランの花

もう絶対咲いているはずのルイヨウボタン。しかし、一番近い群生地が、湿地帯のぬかるみの先にあるので、見に行く気になれないでいました。

もう一つ知っている場所はウドの群生地の奥で遠いですが、またウドを食べたかったので、山菜採りをかねて見に行ってみることにしました。

森の中の獣道。熊鈴を目一杯鳴らしながら歩きます。

この道の途中が、去年、この森で唯一オオバタケシマランの実を見たところ。その時まで、オオバタケシマランはこの森にはないと考えていました。

しかし、今年、新芽の時期から観察したことで、意外と多いことが判明。特に、ユキザサのような形で、茎が葉を貫通しているような見た目の葉は全部オオバタケシマランだと分かってからは、すぐ見分けられるようになりました。

今日も発見したのでめくってみたら、すでにオオバタケシマランのつぼみが。

咲きかけているのもありました。

去年の時点では、オオバタケシマラン、ユキザサ、オオアマドコロ、ホウチャクソウを見分ける手段は花か実を見るしかなく、どちらもないものはお手上げでした。

でも今年は山菜採りで特徴を調べたおかげで、どの季節でも判別できます。食べることを目的に調べると、本当に詳しくなれますね。

道中、エンレイソウの花は、ほぼすべて実になっていました。まだ小さい実です。

普段と違う少しぬかるんでいるルートを通ってみました。エゾアカガエルが大量発生するところです。今日も何匹か見かけましたがまだ少ない。

周辺のシダを観察しながら歩いていると、道の真ん中にタラノキの幼木が生えていました。木質化した茎はあるので2年目? 立派な葉を開いています。場所的に生き残れそうにはないですが。

目当ての場所まで行くと、狙い通り、ルイヨウボタンの花が咲いていました。もう傷んでいる花びらもあるので、一週間くらい前から咲いていたのかな、と思いました。

この六角形の面白いデザインの花が好きです。なんとなくレンコンを思わせるような中央部の造形です。

前に調べたように、見た目がそっくりなアメリカルイヨウボタンは「ブルーコホシュ」と呼ばれ、ネイティブアメリカンのハーブとして利用されてきました。

しかしブルーコホシュは安全性に疑問点があること、アイヌはルイヨウボタンを利用していなかったことも考えると、近縁種だからといって利用はできなさそうです。

ネイティブアメリカンは、キンポウゲ科のブラックコホシュというハーブも利用していて、その近縁種がルイヨウショウマやサラシナショウマです。しかしこちらも、特にアイヌの利用例がないので、同じようには使えないと思っておくのが無難そうです。

今日は午後から予定がありましたが、2時間の余裕があったので、かなりの距離を歩いて、森の中を一周して帰ってきても、15分前に間に合いました。

今日のシダ。巨大クジャクシダ、イワイヌワラビ?、イワガネゼンマイ、ホソバナライシダ等

たくさんシダを観察したのでその観察記録。

秋にゼンマイの葉を見つけた場所だったので、芽がないか探しましたが、見つかりませんでした。数が少ないので仕方ない。その代わり、面白いものがたくさん。

まず、今年もまた出会ってしまったこの謎のシダ。去年10/3に見つけて、謎だった小型シダ。今回もサイズは10cmくらい。しかし、他の特徴をたくさん観察できました。

葉の形は羽片の先が尖っていない独特の形。この形状から、ホソバシケシダかイワイヌワラビではないか、という話になっていました。

しかし前回同様、一番下の羽片が短いので、ホソバシケシダは否定されそうです。

葉裏には特にソーラスはなし。茎の下のほうにはわずかに鱗片があります。

去年は撮りそこねていた裂片の拡大写真。去年の写真では、もしかすると超小型のホソイノデ?という疑惑が浮上しましたが、拡大写真を見ると、裂片にノギがないので疑惑は払拭されました。

これらを総合するに、やはりイワイヌワラビの可能性が高いように感じます。こちらのサイトの羽片の拡大写真とふちの形がそっくり。確認されていないだけで北海道各地に分布しているのでは?という見解もありました。

次は葉身が三角形で3回羽状複葉のシダ。背景と同化していてわかりにくいですが。

はじめサトメシダっぽいと思ったのですが、最下羽片(画像だと一番上)の基部の下向き小羽片がハの字になっていて大きく、葉身全体の形は三角形というより五角形です。サトメシダだとここが逆に小さくい。

裂片を見てみると、

裏側には袋状の鱗片が確認できました。この時点で、よく見るホソバナライシダだとわかりました。オクヤマシダもよく似た形状で袋状の鱗片もありますが、裂片の先がノギ状なはずだから違う。

ホソバナライシダはよく見かけますが、葉っぱがしっかり展開する前は、こんなにスカスカで隙間が空いているように見えるんだ、というのが意外でした。

次はイワガネゼンマイ。イワガネソウかもしれないけれど、めったにないそうなので、たぶんイワガネゼンマイのほう。

特徴的な葉っぱなのですぐ見分けがつきますが、これまでもっと奥地でしか見たことがなく、この森にはないと思っていたので、これもまた意外で嬉しい発見でした。

次のは胞子葉の近くから生えた大きなシダ。胞子葉の形からして、クサソテツ(ガンソク)かイヌガンソクなのですが、春にさんざん山菜採りしたクサソテツっぽい茎ではないので、イヌガンソク。

非常に立派で巨大な2回羽状複葉の葉。

軸に毛があるのが特徴。毛深いほうが「イヌ」ガンソクだと覚えることにしています。

一方こちらが本家ガンソクことクサソテツ。大きさは同じくらいの2回羽状複葉。すっかり大きく成長しました。

確かにイヌガンソクに似ていますが、茎を見ると、山菜コゴミの特徴たる凹みが確認できます。山菜のときも大きくなってからも、茎を見れば判別は容易だったのですね。

根元に近い側のほうが、凹みが強く、コゴミの時そのままの印象です。全体的に毛はなく、根元に鱗片をまとっているだけです。

その近くで巨大な漏斗を形成していた別のシダ。

ほぼ3回羽状複葉で、裂片の先は丸みを帯びています。つまり、メシダやミヤマメシダではなさそう。

軸は緑色で、下のほうに大きなかつお節っぽい鱗片。クサソテツに似た色合い。

おそらくオオメシダであろう、と思いました。メシダと似ているものの裂片の形が異なっていて、山菜採りの時期からコゴミ(クサソテツ)に似ている色ですが、軸にコゴミのようなくぼみがありません。

今日一番驚いたのがこれ。巨大なクジャクシダの群生。ぬかるみ地帯をぬける手前、コゴミを採った場所の少し手前に、コゴミやオオメシダに混じって生えていました。

今までクジャクシダといえば、この森では昨日見たような小型のものしか見ておらず、他の場所でもせいぜい手のひらサイズでした。なのにこの巨大さ。

シダ観察を初めたころ、クジャクシダが全然見つからず、なぜだろうと思っていたところで手のひらサイズのを見つけ、こんなに小型だったのか、どうりで見つからないはずだ、と思ったものでした。

しかしこのクジャクシダは、当初わたしがイメージがしていたレベルの大きさで、クサソテツやイヌガンソクとも引けを取らないレベルです。

その背丈も驚くべき高さで、下の写真のとおり、軸だけで40から50cmはあります。図鑑の写真だと軸は20cmくらいなので、異常に大きく感じました。

いったい何年物のクジャクシダの株なのだろう? これからも刈られたり枯れたりせずに生き続けてほしいです。

最後に帰り道で見つけたヤマイヌワラビ。ソーラスができていました。細長い三日月型のソーラスですが、メシダよりもスマートで曲線美が感じられます。

 

エゾスジグロシロチョウ、ミヤマカラスアゲハが飛び交う

森の中で見た昆虫いろいろ。

非常にホタルっぽい虫。一瞬しか撮れず、解像度も甘いのでホタルなのかわかりませんでしたが…。近所にもホタルがいるはずですが、夜中にヒグマが出るような川沿いを歩く度胸はありません。

ゴミムシの仲間? 朽木を食べるキマワリにも似ているけれど、背中の上部(首?)が2つに割れているのでナガゴミムシのほうが見た目が近い? 北海道にも色々な種類がいるようです。

アザミの葉に止まっていたエゾハルゼミ。よくツルアジサイやアザミに止まっている気がするのは何か意味があるのでしょうか。どこにでも止まるだけ?

エゾスジグロシロチョウ。前に調べた覚えがあるなと思ったら、去年も6/3に見ていました。季節の正確さってすごい。モンシロチョウと競合し、比較的森などに住んでいるらしい。コンロンソウなどアブラナ科を食草にするようです。

ミヤマカラスアゲハ。引っ越してきた当時から同じ場所付近で見かけるのですが、今年は高性能望遠カメラのおかげで、初めて写真に残せました。ミカン科が食草らしいので、近くに知らないキハダの木がありそう。

ミズナラ雌花、エゾゼンテイカ、トチノキ、アズキナシの花など

夕方に近所の公園や川沿いをサイクリングしてきました。橋から見下ろした小川の様子。冬は川のすぐそばまで降りていけますが、今はジャングルのようで、ヘビがいそうな雰囲気。

ミズナラの雌花。初めて見ましたが、非常に小さくて目立たない花です。雄花は垂れ下がるので目に入りますが、雌花はどんぐりのできる枝の先端を意識して観察して、2度見してようやく気づくレベル。サイズが極小で花とは思えません。

数日前から咲いていることは知っていたけれど、やっと写真に撮れたトチノキの花。去年は下枝まで大量に花をつけていましたが、今年は裏年なのか、上のほうに少しだけでした。

エゾゼンテイカが開花。つぼみもそろそろ採取して食べていいかも。

アズキナシの花も咲いていました。クロミサンザシと似ているけれど、葉や樹皮が全然違います。別名「ハカリノメ」は葉っぱのくっきりした葉脈か、樹皮の白い点が由来のようですが、どちらも確認できました。

ハリエンジュも若葉が芽生えて、つぼみもつけていました。まだ若々しい小さな葉ですが、二週間後くらいには満開に。

ミズキは、葉は完全に展開して、つぼみが準備万端。

池のほとりで見つけたガマの葉? 花がない時期に見るのは初めてなので、葉だけでは区別がつきません。しかし触ってみると、ベルトのような厚みと質感で、様々な用途に使われてきたのも不思議ではありません。

もう池にカモなんていないだろう、と油断して近づいたら、5羽くらいいたようで、接近に気づいて飛び去ってしまいました。人間に狩猟されてきた鳥だからか、警戒心がとても強いです。

採取したウドとウワミズザクラのつぼみを食べる

サイクリングの途中で見つけたウワミズザクラのつぼみ。花がもう満開なので時期遅れかとも思いましたが、ギリギリつぼみが残っていたのでいくつか採取。

新潟などでは杏仁子と呼ばれ、ウワミズザクラのつぼみや未熟果が塩漬け、醤油漬け、天ぷらなどで食されているとのことで、食べてみたいと思っていました。花が先終わった後の未熟果でもいいので急ぐ必要もなかったのですが。

森の中で採ってきたウドと一緒に天ぷらに。

ウワミズザクラのつぼみは苦味があるものの、クマリン特有の桜餅の香りが楽しめました。ちょっとした料理のアクセントにいいかも。

2021/06/03木

キツネは夏毛に。ダイコンソウをお茶にできるか試す

20℃を超えて暑いです。暑すぎて体調不良になりかけたので、林道でダイコンソウを摘むだけで帰ってきました。都会にいるころはクーラーに頼っていたので、20℃を超えるともう辛いです。

なぜダイコンソウかというと、アイヌがダイコンソウを風呂に入れて神経痛の薬にしていたということを知って調べてみたら、なんと食用になり、ハーブとしても使えると知ったからでした。

「水楊梅」という生薬としても知られているそうで、腎臓病や膀胱炎に効くらしく、いつもそのへんが調子悪いわたしにうってつけかもしれません。

海外ではセイヨウダイコンソウが「ゲウム」というハーブで知られているようで、画像検索してみたら、ダイコンソウという名前から連想される田舎っぽいイメージとは正反対の、垢抜けたオシャレな花でした。

いま身近に咲いているのはカラフトダイコンソウなので、同じように使えるのかは分かりません。でも、特に毒もなさそうだし、アイヌが利用していたのは確かそうなので、一度ハーブティーにしてみることに。

森に行って採ってこようと思ったら、途中で通りかかった林道に普通に生えていたので、何本か採ってきました。乾燥させてからお茶にしてみる予定です。

茎の途中から切ったので、ダイコンのような根生葉は採るのを忘れました。そっちを探したほうがよかったのだろうか…。暑くてゆっくり考えられませんでした。

ダイコンソウは茎全体に粗い毛があり、手袋をしていても、採取するときにチクチクしました。痛みのあるトゲではないですが、たわしのように触り方によってはチクチクする感じ。

この林道は在来種が多く、かなり自然豊かな場所に見えますが、一部にキバナオドリコソウと、ラミウム・マクラツムが繁殖していました。どちらもここでしか見ないので、誰かが捨てたんでしょうか。困ったものです。

昨秋、この林道にたくさんウドが生えているのを見て、今年採ろうと思って、目を皿のようにして探していましたが、全然見つけられませんでした。でも今日、やっと見つけられた!

ウドを探せ?

写真で見ると本当にわかりづらい。現地で見てもわかりづらい。でも確かに生えていたのです。上の写真にはウドがたぶん5本くらい写っています。一部を拡大してみる。

相当じっくり探してたら見つかるけれど、たぶん、誰も気づいていない。

道北にはこのように、人知れずウドが群生して、夏以降花や実のころにようやくわかる場所がたくさんあります。スピード出しすぎで景色も見ない人が多いから、特に道路脇は気付かれにくいです。

道端でぼーっとしていたキタキツネ。止まって写真を撮っても逃げませんでした。ついに夏毛に生え変わったのか、スマートになって精悍な顔つきです。暑い夏がすぐそこまで来ています。

暑すぎるのでずっと家の窓を開けていましたが、夜になると10℃を下回るくらいに冷え込みます。日中暑くても、夜は涼しいのが道北のいいところです。夏場は以前のように夜のサイクリングを再開するのもいいかも。

2021/06/04金

「森の聖者 自然保護の父ジョン・ミューア」読書メモ

100%雨なので読書します。

■序章
世界一の容積のジャイアントセコイアや、世界一の樹高のレッドウッドはカリフォルニアにある。ジャイアントセコイアの容積は、5ルームの家が40軒建ち、運ぶには30連結の貨物列車が必要なサイズ。冬に国立公園をクロスカントリースキーで歩いて回れるというのが羨ましい。うちならスノーシューだ。(p13-15)

■第一章
父ダニエルと3人の子どもたちは、1949年2月、スコットランドの港町ダンバーから、新天地アメリカの「ウィルダネス」へ向かう船に乗った。父はディサイブル教会に改宗し、伝道するために急に決断した。母と数人はダンバーに残った。(p21-28)

ウィルダネスとは、人為のまったく及んでいない「手つかずの原生自然」という意味。(p116)

■ジョン・ミューアは1938年4月、長男として生まれ、ダンバーの自然の中で遊ぶのが大好きだった。父は狂信的で厳格で、学校も虐待的だったが、自然の中で遊ぶことで乗り切ることができた。(p29-33)

■45日もの航海の末、親子はニューヨークに到着し、ウィスコンシン州に入植した。ヒッコリーの林、草原、湖、湿原がある土地だった。

「突然、私たちは無垢な荒野に飛びこみ、心あたたかな自然の洗礼を受けたのだった。これ以上の幸せが果たしてあっただろうか。私たちは、実はこのウィスコンシンの地で、そのときは気づいていなかったが、ずっとすばらしい授業を受けていたのだ。それは、あらゆる野生の授業であり、愛の授業であり、私たちを魅惑する授業だった。そこには、鞭などなかった。ああ、素敵なウィスコンシンよ!」(p38-39)

■他の家族を呼んだ後、開墾、畑仕事、除雪などは重労働で、しかも父の狂信性のための問題があったが、ジョンは聖書から反論することができた。当時の入植者は考えなしに土地を開拓し破壊していたが、ジョンは10代のころでさえそれを守ろうとした。(p42-46)

■第二章
父は反対したが、ジョンは農業発明品の才能で一躍有名になり、ウィスコンシン大学で学ぶようになった。そこでジーン・カー夫人など重要な人脈を培ち、父の監視がある家では得られない知識や交友関係を得て、エマソンやソローの書籍も読んだ。地質学や植物学などを学び、博物学的知識を身に着けた。(p29,45,50-55)

■1860年、南北戦争が勃発。徴兵制度も始まったため、戦争に参加したくないミューアはカナダへの旅を計画し、植物採集の放浪を始めた。ウィスコンシン大学には2年在籍しただけで、「ウィルダネス大学」に転籍したと書いた。先にカナダに逃れていた弟のダンと合流し、オンタリオ州では宅ようになった。

ある意味、コロナ禍で社会の喧騒から離れて森に入り浸ったわたしと似ている。(p55-59)

■インディアナポリスで働いているとき、ヤスリの端が右目に入ってしまい、両目が見えなくなってしまった。しかし眼科医の懸命な治療で徐々に視力は回復した。

1867年、29歳のジョンは「残りの人生は、神が再び与えてくれた視力を無駄にせず、“神の発明による自然”のなかで送ろう、と決意した」

持ち物は、コンパス、地図、植物標本とガイドブック、着替え、新約聖書、ミルトンの失楽園、ロバート・バーンズ詩集、少々のお金と日誌。

以前にも何かの本で読んだエピソードだ。そのときは、ジョンがただの信心深い人だと感じたが、実際には、厳格な宗教に束縛された子ども時代を生き抜き、深く考えて自分なりの信仰を見いだした人だったのだ。(p61-63)

■ジョンは人手の入っていない原生林を歩き、野宿しながら1日40キロも旅した。戦争の被害を見たり、ゲリラの危険に直面したり、解放された奴隷と接したりした。インディアナポリスからフロリダ半島まで、1000マイルウォーキングルートだった。(p6,64-65)

■計画ではアマゾンへ向かうつもりだったが、メキシコ湾岸シーダーキーでマラリアにかかり、キューバより先に進めなかった。かえってそれによって命を救われた。南米を諦めざるをえなくなり、船で気候の良いカリフォルニアに向かって、シエラネバダ山脈と出会った。(p67-69)

■第三章
ジョン・ミューア初めての著書「はじめてのシエラの夏」によると、カリフォルニアの中央渓谷には春と秋、花のある季節とない季節という2つの季節しかない。(p71-74)

「私はその山中に10年間過ごして、荘厳な光の満ちあふれる中で喜び、驚き、身を浸し、氷の峰々のあいだに旭日の光を見、樹木と岩と雪に降りそそぐ真昼の陽光と茜色の夕映えの光を見、虹色のおびただしい水煙を上げて落下する無数の滝を見てきたが、〈光の山脈〉はなお依然として、私が見てきたどの山脈にも増して、荘厳な美しさを湛えていてるように思われる」。ー「山の博物誌」(p74)

■15万都市サンフランシスコに到着したミューアは、商業主義に塗り固められた醜悪な町に魅力を感じず、4月上旬の最も美しい時期にパチェコ峠に到達、ヨセミテ渓谷へ向かった。長らく山のない場所で過ごしてきたミューアにとって、予想を超える偉大な山々だった。

ヨセミテは1864年(ミューアが来る4年前)に世界最初の自然公園に指定されていて、のちの国立公園の前身となっていたが、まだ自然保護の重要さは理解されていなかった。

ヨセミテのマリポサグローブで、ジャイアントセコイアの森を発見し、そこを保護することが使命だと考えるようになったガレン・クラークと出会った。肺を患い、医者に六ヶ月の命だと宣告されていたが、山にこもったら常人よりはるかに健康になり、96歳まで公園監視官として生きた。

二人は一緒に山々を歩いて親交を深め、ミューアの健康もすっかり回復した。(p75-85)

■ミューアはスネリング村の畑で農作業や羊飼いの仕事に従事するようになった。夏には、シエラネバダの高原で放牧し、植物や地形を研究できた。このとき山脈が氷河でできた証拠も見つけた。

彼にとって一番幸せな時期で、「その山々に描かれた広大な原稿の一ページを解読するために、私は喜んで一生を捧げたい」と書いている。(p85-94)

■このキャラバンの旅を通してシエラネバダ山脈に魅了され、ときどき出会うインディアンからも自然との共生について多くを学んだ

「インディアンのように、私たちはシダ植物とユキノシタ属の植物の茎、ユリの鱗茎、マツの樹皮などから澱粉を抽出する方法を知るべきである。私たちのこういった分野での教育は多くの世代においてひどく軽視されてきた」(p97-99)

■第四章
1869年、ミューアは牧場を後にして、ヨセミテ渓谷のハッチングスホテルで働くことになった。ハッチングスはヨセミテ渓谷への最初の白人旅行者であり、探検記を広め、それに触発されてやってきた一人がガレン・クラークだった。

ハッチングスの妻エルビアとその母フローランサは、インディアンの文化に造詣が深く、伝承や自然観にも精通していた。(p108-114)

■ミューアは氷河説への確信を深めるようになり、カー夫人の励ましや、彼女の勧めでやってきた著名な人々との交流を経て、地殻変動説を主張するホイットニーと闘うことにした。

ミューアを支持したル・コンテ教授は「ミューアは……最も情熱的に自然を愛する男である。彼は、今の(ヨセミテでの)生活の自由の喜びに心から浸っているようである。おそらく彼は、町の生活や文明の利器に囲まれたいかなる種類の生活であっても、やつれ果ててしまうだろう」と書いている。

ミューアは65もの残存氷河も発見したが、反対勢力はかたくなで、生涯中には決着がつかなかった。(p117-132)

■第五章
1871年、33歳のミューアのもとに、哲学者また詩人でもある68歳のエマソンが訪れた。「人間は自然と緊密な関係を保っているときと、何ものにも頼らずに純粋に己の内なる本源によって立つときが最も崇高である」という思想家だった。

しかし、彼の弟子たちには自然の美しさがわからず、一緒にキャンプすることは叶わなかった。ミューアは自然を知らないばかりか好きでさえもないコンコード超絶主義者たちに幻滅したが、エマソンという人物には改めて尊敬の念を抱いた。(p138-144)

■ミューアのもとには、「常に必要なときに必要な人物がいて、必要なときに必要な状況があった」。時代が彼を求め、後押ししていた。

やがて書くことによって収入を得られるようになり、イギリスの著名な科学者ジョン・ティンダルから最新の測定機器も贈られ、調査に集中できるようになった。

登山道具もなかったが、標高4010メートルの最高峰、マウントリッターに頭頂した初めての人となった。山から山へと、谷から谷へと飛び移る仙人のようだった。(p145-155,186)

■親しくなった同年齢の画家ウィリアム・キースの勧めでついに4年ぶりに下山し、下界を案内されたが、固いアスファルトや、町の匂いや人ごみに疲れ果て、2週目には山に逃げ帰ってしまった。

そして、ガレン・クラーク、植物学者アルバート・ケロッグ、画家ビリー・サイムスとともに、シエラネバダ山脈全域踏破の1600キロの旅に出かけた。キングス川地区のセコイアの巨木の森に出会ったが、たいへんな勢いで破壊されていることに危機感を抱いた。(p153-161)

■第六章
ミューアは自然保護の本を書くために、自らの意思で下山した。カー夫人の紹介で、後の妻になるストレンゼル博士の娘ルイーと出会った。

ミューアは疲労感に襲われ、10ヶ月ぶりにヨセミテ渓谷に戻ったが、山が自分を呼んでおらず、よそ者のようだと感じられた。それで、自分自身のためではなく、人々に自然を知ってもらうために生涯をかけようと思うようになった。

冬のあいだはサンフランシスコのスウェット家に滞在するようになり、家族のような人間関係に恵まれ、文才も伸ばしてもらうことができた。自然破壊の現状について聞かされてショックを受け、自然保護の政治運動に乗り出すことになった。(p163-183)

自然を愛する人には政治嫌いが多いが、自然保護のために嫌いな分野に取り組むことを決意した。(p239,259)

■第七章
ミューアは40歳のときにルイーと結婚し、アラスカ探検にも出かけた。二度目の探検のときのキング牧師の飼い犬スティキーンとの決死の冒険は、アメリカでも最もポピュラーな犬物語として知られている。

父の死に目に会うために故郷に戻ったときは英雄として歓迎された。父も死の直前には優しくなっており、和解することができた。

結婚後はストレンゼル博士の農園経営に没頭し、執筆や自然保護活動から遠ざかり、げっそりしていった。しかし妻ルイーの配慮と励ましで、「美しいカリフォルニア」という自然研究書に寄稿する仕事に参加することにした。(p185-206,208)

■第八章
執筆のために13年ぶりに旅をすると、ヨセミテ渓谷はすっかり様変わりし、過去親しんだ森がもうなくなっていることにショックを受けた。

そして高級雑誌の編集長ロバート・アンダーウッド・ジョンソンの助力を得て、ヨセミテ渓谷を国立公園とする計画を練り始めた。

反響はとても大きく、内務長官ジョン・ノーブルがジョン・ミューアのファンだったこともあり、1890年にヨセミテ国立公園が発足した。制定はイエローストーン国立公園より遅いが、前出のように母体となった州立公園は早い。また自然保護ための国立公園としては初。森林保護区や国有林の制定も進展した。(p207-217)

■神経性胃炎とインフルエンザにかかり、医者から責任は自分でとってくださいと言われながらもアラスカに療養に向かったが、見事に回復してしまった。(p202)

■市民レベルの自然愛好家団体も次々と現れ、1892年にはシエラクラブが創設され、54歳のジョン・ミューアが初代会長となった。既得権益の林業、牧羊業などが国立公園を減らそうと画策したが、シエラクラブの奮闘で阻止された。(p218-219,230)

シエラクラブは、世界で初めての闘う自然保護団体だった。(p259)

奇しくも、イングランドのナショナル・トラスト運動は、1895年で、シエラクラブから3年遅れだった。(p264)

■ミューアは幸せな家庭を築き、2人の娘ワンダとヘレンに自然との関わり方について教える毎日だった。(p199-200、219-220)

はじめての著書も書き上げ、いつもルイーが最高の読者として出版前の点検を担った。(p222)

■ニューヨーク、スコットランドへの旅では生きた伝説の人として歓迎され、ラルフ・エマソン、ヘンリー・ソロー、ワーズワースなどの家・墓にも立ち寄った。そして44年ぶりのダンバーを訪れた。(p221)

■1901年、セオドア・ルーズベルトが大統領になった。彼はスポーツハンターで、自然破壊と共に鳥獣がいなくなっていくのを憂いていて、ブーンアンドクロケットクラブという自然保護活動をしていた。

大統領になると国立野生動物保護区を制定し、ジョン・ミューアに個人的な手紙を送って、ほとんど2人きりで、3泊4日、ヨセミテでキャンプした。深い友情で結ばれ、互いに尊敬し合う間柄になり、ルーズベルトは国立記念物を制定するなど自然保護に尽力した。(p228-235,241)

ルーズベルト大統領、カリフォルニア州知事パーディ、鉄道王ハリマンなどそうそうため面々がミューアとシエラクラブの味方についていたため、ヨセミテ渓谷とマリポサの森の国立公園への編入も成功した。(p237-239)

■65歳のミューアは、大統領とのキャンプを終えてすぐ世界一周に出かけ、1904年4月には日本も訪れているが、特に記録は残っていない。(p236)

74歳の時には、ずっと昔からの夢だったアマゾンとアフリカにも出かけて精力的に植物採集して歩いた。(p247-248)

■1905年の妻のルイー、1909年の親友のウィリアム・キース、1913年のジョン・スゥエットなど、大切な人を次々と失い、自身も衰え、ダム建設許可の法案にも敗れたミューアは、疲れをみせるようになった。

1914年、第一次世界大戦が始まり、娘たちの計画で出かけた鉄道旅行中に肺炎で亡くなった。7冊の著作のうち4冊は晩年に書かれたもので、「アラスカの旅」が遺稿になった。死後に日記や論文などがまとめられ、さらに5冊出版された。(p253-254)

■全体の感想
前から気になっていたジョン・ミューアについて、たまたまAmazonでこの本がおすすめに出てきたので読んでみました。本人が自伝を書いていれば一番よいのですが、なさそうだったので、日本人の方が書いた伝記ということに。

相当な才能と体力に満ち溢れたエネルギッシュな人で、不幸な少年時代を才覚によって乗り越え、時代の後押しもあって、成功した物語、という印象でした。単なる一人のナチュラリストではなく、自然保護の父とまで言われる理由がよくわかりました。

とはいえ、あまりに活動力に満ちあふれていること、子どものころから自然に親しんできたサラブレッドのような暮らしをしていたこと、政治活動にも活発に携わり、著名人との関係も深かったことなどから、あまり親近感は感じられませんでした。

自分とはかけ離れた聖人のようなイメージです。タイトルにもあるように、著者が「森の聖者」としてミューアをなかば偶像視しているせいだったのかもしれません。

彼の生涯のおおまかなストーリーはわかるものの、彼自身の人となりや考え方が今ひとつ伝わってこないため、共感しにくいところがあります。特に感銘を受けて記事にまとめたい、と思う部分もありませんでした。そのあたりを知るには、彼の著書を読むべきかもしれません。

レイチェル・カーソンやビアトリクス・ポターの伝記では、本人の肉筆が手紙などから頻繁に引用されていたのに、この伝記ではミューア本人の言葉はほとんど引用されていないので、彼の人間味がほとんど伝わってきませんでした。

ちょうどWikipediaを読んでいるような本。淡々として客観的で、情報は知れるけれど、心揺さぶるエピソードはありません。これまで色々な本でつまみ食いしてきたような魅力ある話を知りたいという面では肩透かし気味でした。

また、この本では、彼の政治活動がもたらしたものが称賛されていますが、著者の思惑とは裏腹に、読めば読むほど、むなしさや徒労感を感じます。彼ほどの偉大な人が自身の幸福を犠牲にして自然を守ろうとしても、その結果が今この世界なのであれば、果たして労苦の価値があったといえるのでしょうか。

総評として、ジョン・ミューアの生涯を概観したい場合にはとても役立つ本です。しかし、他の多くの伝記の例に漏れず、本人の肉筆ではないため、ある程度、後代の評価や解釈の影響を受けて物語化されている部分があるように感じました。

雨だからといって、家に引きこもっていたら、途端に慢性疲労症候群っぽい体調になってきて困りました。夜にサイクリングに行くと楽になりましたが、簡単に以前の状態に戻ってしまいます。明らかに体調の改善は外部環境に依存しています。

2021/06/06日

湿原付近の草花。ショウジョウバカマ、ヒメゴヨウイチゴ等。ツリバナも開花

美深の仁宇布に行って、植物観察したり、山菜採りしたり、滝を見たりしてきました。

なんの花だろう、と思ったけれど、葉っぱの形から、クローバーのような葉っぱから、ミヤマカタバミだとわかりました。正確には、北海道に分布しているのは葉が小型のコミヤマカタバミのようです。

まだ咲いていたエゾイチゲ(ヒロハノヒメイチゲ)。高度が高めの山奥なので、まだスプリングエフェメラルがあれこれ咲いていて、春にタイムスリップした気分になれます。

葉っぱが細いほうの無印ヒメイチゲも咲いていました。ほかにエゾノリュウキンカやエゾエンゴサクなども。

まだまだ小さいギョウジャニンニク。今年はもう十分採ったので、これ以上は採取しませんでした。でも後日来て葉っぱが大きくなったものがあったら欲しいかも。

こうして並べてみると、ギョウジャニンニクに似てないこともないオオバタケシマランの若葉。赤い斑点の入ったハカマがあるせいで、葉が開いていない場合は遠くかに見たら誤認するかもしれません。

でも、どちらかというと、オオバタケシマランの新芽は同じユリ科のオオアマドコロやユキザサに似ています。それなのに、山菜図鑑などで似ている植物として名前が挙がらない不思議。

オオバタケシマランには毒はないと思いますが、新芽を食べることができるという文献は見かけません。茎の毛がまばらだという特徴がわかっていれば間違うことはありませんが…。

ページが消えていたのでキャッシュですが、エキサイト辞書の「タケシマラン」に「ヨーロッパではオオバタケシマランの葉を咳止め用のうがい薬を作るのに用いる。また液果や若い根は食用とされる。漢方では中国産のS.simplexを竹林消(ちくりんしよう)と呼んで,滋養・健胃・鎮痛および止咳(しがい)剤に用いる」との記述はありました。

まだ残っていたツルリンドウの赤い実。雪の下から出てきたのでしょう。葉っぱが残っているので見分けがつきます。

まだほとんどがつぼみで、咲いているのはわずかだったサンカヨウ。

雨の翌日でしたが、期待していた透明花はありませんでした。そもそもほとんど降らなかった様子。来週も雨予報がないので、今年も透明花は難しそう。

ちらほらと咲き始めていたショウジョウバカマ。

そして、ショウジョウバカマに止まっていたルリシジミと思われるチョウ。

激流の滝付近など、複数の場所で見かけた5枚セットの葉っぱ。

じっくり中央部の茎を見ると、鳥足状複葉ではないのでアマチャヅルではない。(wikiには鳥足状と書いてありましたが、図鑑には掌状とありました。もし鳥足状だとしてもアマチャヅルやヤブガラシほど明確ではないと思います)

おそらくヒメゴヨウイチゴでは?と思って周囲を探してみたら、花を咲かせてみました。

申し訳程度に白い花びらがついているだけで、すぐに散ってしまい、中央の果実になる部分だけになっているのがほとんどでした。

同じく激流の滝付近で見たミヤマエンレイソウ。花期の終わりごろなのか、ピンクがかった雅やかな姿でした。

帰宅後、そろそろ時期的に咲いているかも、と思って見に行った家の近所のツリバナの花。まだつぼみばかりでしたが、ちらほらと咲いていました。

確か引っ越してきて一年目にツリバナの花を見たのもここでした。当時の写真はブログに上げていなかったかも。写真の撮り方も悪かったと思うので、今回新しく撮れてよかったです。

マユミの仲間なので、そっくりな花ですが、唯一5弁でほんのり赤みがかっているのが和菓子のようで可愛らしいと思います。(属が違うツルウメモドキも5弁ですが)

家のまわりでは帰化植物のコウリンタンポポも咲いていました。いよいよ夏です。

樹木いろいろ。ミヤマハンノキの花、キハダのつぼみ、アカミノイヌツゲの実等

上に載せたコヨウラクツツジやツルシキミ?やヒメゴヨウイチゴも分類としては樹木ですが、以下はより樹木らしいものをまとめておきます。

シラカバなどカバノキ属らしい花をつけていた謎の木。もしかすると、未だ見たことのないヤシャブシではないかと期待しました。 

上の写真の雄花の上にある小さな雌花の拡大。雄花は黄色っぽく、雌花は赤っぽい。

まだ残っていた冬芽の形状。先が尖っていて、ケヤマハンノキやシラカバ、ダケカンバなどではないことがわかります。

樹皮の様子。横に点々と木目が入っていてハンノキの若木に似た樹皮です。

出てきたばかりの若葉。ふちのギザギザは少なめ。

帰ってから調べてみたら、花の特徴からミヤマハンノキだとわかりました。そういえば去年もここで葉と実を見かけました。

花や冬芽を確認できたのは初めてです。地元に多いケヤマハンノキは赤みを帯びた花なので、随分と印象が違います。

今回は違いましたが、ヒメヤシャブシも黄色い雄花、尖った冬芽でよく似ています。ヒメヤシャブシは雌花の色が黄緑っぽいので違うとわかりました。

次は謎の冬芽と芽。赤い冬芽で2つに割れて芽が出ています。

中から出ているのは羽状複葉。ここで見たものを思い出す限り、おそらくホザキナナカマド。図鑑で見ると、無印ナナカマドとは違い、先が尖っていない丸い赤い芽である点も一致していました。

今年も咲いていたコヨウラクツツジ。仏像が身につけるヨウラクに似ているとあるが、調べても細かい意匠でよくわからない。

実のように見える壺型の花がとてもかわいい。近隣の花だとオクエゾサイシンの形にも似ています。実になるとメギの実のようなしずく型になるようです。

越冬したと思われる赤い実。葉っぱからするとツルシキミでしょうか。しかしツルシキミの葉はこんなに葉脈がはっきりしていないので違う気もする…。 でも他に候補が見つからない。

これも越冬したと思しき謎の赤い実。アカミノイヌツゲ? だとすれば初めて見ました。しっかり確認しませんでしたが、写真の右上につぼみが写っているようにも見えます。

葉の前方のふちにわずかに鋸歯が入るところがそれらしい。

高さ2mくらいに成長する低木とされますが、そこそこの大きさだったので合致しています。

オガラバナ(ホザキカエデ)の若葉とつぼみ。いつも咲いている時期以降しか見たことがない気がするのでつぼみは新鮮。

激流の滝の展望台のすぐ横にあった謎の木。葉を観察したところ、対生で羽状複葉だったので、ニワトコ、ヤチダモ、キハダのいずれかだと考えました。初めて見るキハダのつぼみ?

樹皮の様子。地衣類も多くついているためか、特にキハダっぽいとは感じません。

帰ってから調べてみると、たぶんキハダのつぼみで合っていたようです。そもそも道北には奇数羽状複葉の対生の木が上に挙げた3種類しかないので、消去法で考えればほかにありません。キハダの花は見たことがないので、今年こそ見てみたいものですが…。

次は家のすぐ近所のヤマナラシのつぼみ。先日ニュウナイスズメが止まっている枝とつぼみを撮りましたが、ここでもたくさん花が咲きそうです。

滝の風景、アオダイショウ、エゾシカの群れ

松山湿原もゲートが開いていたので途中まで登ってみましたが、雪渓に行く手を阻まれて登頂できませんでした。

昨冬が豪雪だったせいか、例年より雪解けがかなり遅く、ふもとまで雪が残っているほどでした。

ということは雪が残っている湿原が見れるかも?と思ったので、ぜひ登頂したかったのですが、雪渓を少し登ってみたら盛大に滑って滑落しそうな恐怖を味わったので、やめておきました。

杖をもっていたのでしっかり刺して固定しながら登ればいけたでしょうが、元慢性疲労症候群のわたしにそこまでの体力と自信はありません。ヒグマもいつ出るかわかりませんし。

仕方ないのでふもとの雨霧の滝を見に行きました。奥の女神の滝も見てみたかったのですが、車が停まっていて先客がいるようだったので遠慮しました。暑くてかなり疲れてきていたし。

雨霧の滝の前の大きなエゾニュウの葉が食べられた痕跡があって、このあたりにもきっとヒグマがいるんだろうなと思いました。

物足りないので、激流の滝に寄って帰ることにしました。今までタイミングが合わず、初めて訪問できました。車ですぐ目の前まで行けるので楽でした。ヒグマの心配なく気楽に楽しめるのがいいですね。

滝? といえば滝ですが、周囲の柱状節理のような岩盤の形が見応えがありました。またヒメゴヨウイチゴやヒトリシズカの群生、上に載せたキハダのつぼみなども見ることができたので、寄ってよかったです。

帰り道の道中で、道路に落ちていたアオダイショウ。轢かれなければいいのだけど。あるいはキツネに食べられそう。

キツネは道中で4匹ほど見ましたが、運転席に寄ってくるのが多くて辟易しました。マナーの悪いトラックの運転手などに餌付けされたのでしょうか、可哀想。わたしが住んでいる近所のキツネなら、すぐ逃げていくのに。

帰宅後、家の近くのツリバナの花を見に行った帰りに牧草地で見かけたメスのエゾシカ4頭の群れ。動きがシンクロしてこちらを見つめてくるのが面白かったです。道路を横断してて山へ消えていきました。

今日のシダと地衣類。シラネワラビ、ヨコワサルオガセ確認

全体が五角形ぽいシダ。少し縦に長いこと、裂片にノギがあること、裏側に袋状の鱗片がないことから、シラネワラビと思います。

裂片のノギがあるので、ホソバナライシダではありません。オクヤマシダかシラネワラビ。

裏側に袋状の鱗片がないので、ホソバナライシダとオクヤマシダではありません。ということで消去法でシラネワラビと同定しました。

軸には褐色の鱗片がたくさんついていました。

謎のシダ。ヘビノネゴザかと思ったものの、普通にエゾメシダかも。

ヘビノネゴザにしては裂片のギザギザが甘い。かといってエゾメシダならもっと3回羽状複葉のように切れ込んでいそうだけど…。

去年ヘビノネゴザかも、と思ってよく間違えていたミヤマベニシダは、裂片の先がノギ状になっていないから違うはず。

あまりはっきりしないソーラス。包膜の縁が細かく裂ける、という表現がこれを指すとしたら、やはりエゾメシダか。この写真の裂片は切れ込みが深いのもエゾメシダっぽい。

軸はわら色でまばらな鱗片。

次も謎のシダ。小型でしたが改めて見てみると上と同じものかも?

シダの見分けは未だに基本的なところが甘いわかっていません。数を重ねないことには経験値が貯まらないので、地道に頑張りたいです。

これはシダではなくオオバセンキュウ。てっきりセンキュウ風呂に使えるのだと思っていたら、センキュウはセリ科ハマゼリ属、オオバセンキュウはセリ科シシウド属で別物なのだそうです。残念。

存在は知っていましたが、初めて見つけた地衣類ヨコワサルオガセ。確か道東のほうに多いのだったか。

マツの木などに絡みついていました。空気中の水分に頼って生きている種で、霧の多い場所に着生するそうです。環境の変化に敏感な汚染の指標となる地衣類の一つ。

拡大してみると、タケのような節が入っており、ヨコワサルオガセだと確認できました。実際は節ではなくひび割れているだけだそうです。

エゾワサビ、チシマザサ、ヤマブキショウマ、ヤマドリゼンマイを食べる

今日採取してきた山菜は、エゾワサビ、チシマザサ(ネマガリダケ)、ヤマブキショウマ、エゾマツの芽。

仁宇布は季節が遅いので、エゾマツの芽はまだ出たばかりで、シロップ用に十分採取できました。ヤマブキショウマも同じく、新芽ではないものの、まだ若い葉をたくさん採れました。

地面を覆っていたエゾワサビ。カキドオシに似た、ふちにギザギザの入った腎形の葉っぱ。まだ咲いていませんが、多数の花が集まったつぼみがついていることで、アブラナ科のエゾワサビだとわかりました。

じっくり見ると、カキドオシの葉より、ふちのギザギザがかなり激しいです。

去年エゾワサビを採った時は、もう花が咲いていたので葉も茎も硬く、食べられませんでした。今回はまだ咲く前なので、その場で新鮮そうな葉をひとつ食べてみたら、柔らかく野菜と遜色ありませんでした。味は少し苦味がある程度。

ところで、エゾワサビは根っこがワサビのような味がしてピリッとくるそうです。前から一度試してみたかったので根茎を掘り出してみました。

頑張って掘る必要があるかと思いきや、意外にも根っこは非常に浅く、ゆっくり茎を引っ張って地面から剥がすようにするだけで、根茎までついてきました。

非常に小さい根っこ。小指くらいの太さで、緑色を帯びています。山菜図鑑の写真で見たことがなければ、違う植物と間違えたかと思ったことでしょう。

帰宅後茹でて食べてみましたが、ピリッとした辛さはわかりませんでした。かろうじて、ちょっと刺激があるかも?と感じるくらい。それより、カリコリした食感が美味しかったです。

そして、地面からにょっきり出ていたタケノコ…もといササノコ。松山湿原の近くの林道でタケノコ採りをしている地元の人たちがいたので、もう出ているのかなと探してみたらありました。

ちょっと探しただけでこんなにゲット! 食べることができるのは先端部分だけなので、大量に採らないとほんのちょっとになってしまうのですが、季節を味わうだけならこれで十分です。

家に帰ってから、急いでネマガリダケを下処理。皮を剥いてから茹でます。皮のまま焼いて食べてもよかったらしい。

しいたけと一緒にホットプレートで焼いて食べてみました。下のほうは硬くて筋がありましたが、先端部分はコリコリした食感で美味しかったです。

最後にヤマドリゼンマイ。

芽出しの状態は初めてだったので、何のシダだろう?と思いましたが、毛の特徴からすぐにヤマドリゼンマイだと直感しました。茎に生えている鱗片ではなく、茎を覆う綿毛なのがゼンマイの特徴で、指でこすると簡単に取れます。

初めてだったので、特に考えもなしに、コゴミと同じように採ってしまいましたが、男ゼンマイ(胞子葉)と女ゼンマイ(栄養葉)があり、女ゼンマイだけを採らなければなりませんでした。

先に長く伸びているのが胞子葉のことが多いので、背丈の低い芽を採るようにすれば、栄養葉が採れます。下の写真のように、毛を取り払ってみると、胞子葉(右)は黒くてもこもこしているという違いもあります。

茎の綿毛をすっかり取り除いてから、重曹を少し入れた水で茹で、軽く絞って水を切って干します。時々手で揉んで繊維を柔らかくすると良いそうです。

後日、ほんの数日でここまで乾燥してカラカラになりました。

しかし水に一晩漬けると、このとおり復活。山菜そばに入れたら、カリコリした歯ごたえがあって美味しかったです。

2021/06/06

ミズキ、ホオノキ、シウリザクラが開花、シロオビクロナミシャクが蜜を吸う

隣の家が朝から電動草刈り機で騒音を立てていたので、あまりよい目覚めではありませんでした。

庭の草刈りなんて鎌で十分だし、そのほうが花を残して選別できるのに、機械で根こそぎ刈る人や、ひどい場合は除草剤を撒く人もいて嫌になります。手作業で刈ったうちの前だけ、トキシラズ(ヒナギク)の花畑になっています。

友人の畑にマメの支柱を作る手伝いにいきました。道中、湖の近くを通りすぎた、横目で見ると、大きめの鳥がいて、なんだろうと思った次の瞬間、子どもをたくさん連れているのが見えました!

子ども連れのカモだ! と思って、慌てて車を停めてバックしましたが、母ガモが警戒して逃げてしまって、子ガモたちも親を猛スピードで追って逃げていきました。逃げる子ガモたちの隊列をかろうじて動画に撮れましたが、決定的瞬間は逃してしまいました…。

茶色っぽいカモだったのは覚えていますが、親ガモの姿を撮れなかったので、何の種類かもわかりません。とても残念。

畑仕事はアーチを立てて網を張って、腕を高く上げての作業が多くて疲れました。それでも慢性疲労症候群がひどい時期はドライヤーで髪を乾かすことさえできなかったので、元気になったものです。

友人宅のホオノキは人知れず花を咲かせていました。とても高い位置にしか咲いていなかったので、葉の隙間から花びらが見えるだけでした。去年は手の届く高さに咲いていたのに。

去年、ミズキの開花を見つけたスポットに立ち寄ってみたら、今年も咲いていました。段々になった枝いっぱいにつぼみをつけて、順に咲きだしているところでした。

固まって咲く集合花なので、遠くから見ると、この時期に咲くナナカマド、アズキナシ、クロミサンザシと似た外見です。

驚いたことに、そのミズキのすぐ後ろに、隠れるようにしてシウリザクラが咲いているのを見つけました! 去年1本だけ見つけたので、これが2本目のシウリザクラ。

そのあと、もう一箇所、去年見つけた道路脇の森のシウリザクラも探しに行ってみたら、やはり咲いていました。こちらは柵を乗り越えれば手が届きます。

(個人的な場所のメモ : 右手に視界が開ける場所を通り過ぎてから、登り坂の途中、左カーブを曲がってすぐの右手。すぐ手前に下る脇道への分岐がある)

どちらも人家の庭先のような場所ではないため、自生のシウリザクラだと思われます。しかしエゾノウワミズザクラと同じく、本数がかなり少なく、めったに見つけられません。

すでにエゾノウワミズザクラとウワミズザクラが散った後の6月上旬に咲くことから、シウリザクラの花を区別できることがわかりました。まだ先のほうはつぼみのため、あと一週間くらいは咲くでしょう。

雄しべが長くていかにも「ブラシ」っぽく見えるウワミズザクラと、花が大きくて雄しべもまったく目立たないエゾノウワミズザクラとの中間の見た目です。

そして葉っぱの付け根がハート型にくぼむことが多いことも識別の参考になります。

2本目のシウリザクラには、シロオビクロナミシャクが何匹か寄ってきていました。蜜を吸っているようで、近くでたくさん動画が撮れました。

シロオビクロナミシャクは毎年見るガですが、いつも森の中で、ツルアジサイなどの近くに見かけるので、シウリザクラの蜜を吸っているのはとても意外でした。

近くにブドウの葉があって、花芽が出ているのを見つけました。開花は6月と図鑑にあるので、もうすぐ地味すぎる花が咲き始めそうですね。

帰りに家の近所の林道に寄って、この前発見したスポットでウドを4本採ってきました。もう背丈が伸びてきたので、そろそろ最後のウドかもしれません。写真を撮り忘れましたが、ウドは天ぷらそばにすると美味しかったです。

その近くの山肌に、大量のクジャクシダとヒトリシズカが生えているのを見つけてびっくりしました。

クジャクシダは、先日の巨大株よりは小さいですが、十分に大きいといえるサイズ。

ヒトリシズカは秋に下草が枯れてきて、まだ葉が残っているようならお茶にするために採取してもいいかも。

現状はまだ実が未熟ですし、背丈の高い草が多すぎて、かなり覚悟がなければ入れません。すぐ近くにヒグマの痕跡が多い場所なのもリスクが多いです。

2021/06/07火

ウリノキはつぼみ。クリンソウが満開

前からウリノキの花を見たいと思っているのですが、近所では発見できていません。植生調査によると自生はしているようなのですが、かなり奥山なのでしょうか。

仕方がないので、唯一自生を知っている西興部宮の森に行ってきました。開花時期は5-6月とされるので、そろそろ咲いているかもしれない、と想定しました。

森の入り口の神社の階段には、大量のリスのエビフライが落ちていました。植林されたヨーロッパトウヒの松ぼっくりのようです。

地面にはミツバが敷き詰められていて、ワスレナグサらしい花も白、水色、ピンクの三色が咲いていました。

試しに白花をアップで見てみると、なんとカギ状毛でした。ということは在来種のエゾムラサキかもしれません。

ピンク花のほうも、カギ状というほどではありませんが、毛が立ち上がっています。交雑種や園芸品種かもしれません。

今まで勘違いしていましたが、毛先がカギ状になっているかどうかで区別できるわけではないようです。ワスレナグサの毛はカギ状毛ではなく圧毛、伏毛、短毛だとされていて、おそらく毛が立ち上がっていないのだと思います。

神社の境内のそばにはホオノキが咲いていて、比較的低い枝を望遠で採ったら、中心部の花柱がうまく映りました。のちのち実になる部分です。

途中、ビビッドカラーな赤紫色の花がたくさん咲いていて、あまりの派手さから、てっきり園芸品種が野生化しているのだろう、と考えました。

しかし、さらに進んでいくと、クリンソウの生息地を保護しているとの立て看板がありました。これがクリンソウ! 最も大型のサクラソウ科らしく日本の野生の花とは思えない。

名前は知っていたけれど見たのは多分初めてです。明らかに9より多くの花が咲いていますが、ニリンソウのような一輪、二輪の意味ではなく、仏閣の「九輪」に似ているという意味だそうです。

登山道はきれいに草刈りしてありましたが、クリンソウだけは刈ってしまわないよう注意深く残されていました。

一方、一箇所だけ生えていたこの黄色い花は、園芸品種のプリムラ、通称プリムローズでした。

去年ウリノキ並木を見つけた場所を探しながら登ってみると、カツラの巨木の向かいに並んでいるのが見つかりました。葉っぱが特徴的なので、すぐにわかります。

しかし残念ながら、花はまったく咲いておらず、小さなつぼみがついているだけでした。明らかに来るのが早すぎたようです。

非常に小さいもつぼみなので、改めて花の大きさを調べてみたら、たった3cmくらいのようでした。もっと大きいフニーバオバブみたいな花だと思っていたから意外。写真だとサイズ感がわかりませんね。

今日見たつぼみはまだ1cmくらいでしたから、咲くのは1週間から2週間後くらいでしょうか。いつ見に来たらいいか迷います。

途中で見たコタニワタリの若葉。

アマチャヅルの芽出し。

おそらくミヤマオダマキのつぼみ。

シウリザクラの木も何本か見つけました。これまで2本しか見たことがありませんでしたが、この森には、確認できるだけで3本以上ありました。しかも相当な巨木で見事でした。

そのままてっぺんまで登っていったら、もう少しで展望台、というところで、茂みの中から、イノシシのような妙な唸り声が聞こえて驚いて後ずさりました。

頭上ではカラスが騒がしく鳴いていたので、一瞬カラスの巣に近づいて威嚇された?と思いましたが、いやいやカラスが唸り声を出すわけがないと思い直しました。

ヒグマの唸り声なんて聞いたこともないけれど、北海道にイノシシはいないし、この森は去年、同じころにヒグマが出没して閉鎖されていたのを覚えています。展望台は諦め、下手に刺激せず帰ることにしました。

今日、森の入る前に、わたしの知り合いの樺太から引き上げてきたおばあちゃんに聞いたことですが、子どものころは、森に入ると普通にヒグマの姿が見えていて、バケツを叩きながら歩いたそうです。

今の人たちは、ヒグマがいるかもしれない、というだけで異常に怖がって駆除しようとしますが、昔はヒグマはいてあたりまえ、しっかり対策していれば大丈夫、という認識だったんですね。

それもこれも、昔の人は森に入るのが普通だったのに、今の人は都市部で暮らして森に寄り付かず、森のこともヒグマのことも何も知らずに生きているからだと思いました。人種偏見もそうですが、人は知らないものを恐れるのです。

帰り道、山の奥から響いてくるアオバトのサイレンのような声を耳にしました。今年の初アオバトです。いつか姿を見たいと願いながら、声だけしか聞いたことのない森林の鳥の一つです。

クルマバソウ、ヒトリシズカの葉、エゾカンゾウ(ゼンテイカ)のつぼみ採取

帰宅後、近くの森に行って、クルマバソウを採取しました。まだまだクルマバソウのシロップを作れます。今週は気温が30℃に迫る日もあるようで、暑い夏が来る前に美味しい飲み物を十分にストックしておきたいです。

森の風景はかなり鬱蒼として、原生林の密林のような近寄りがたい雰囲気になってきました。虫も多くてストレスですが、この時期の森の見た目はかなり好きです。

もうボロボロになっているオクエゾサイシンの葉。エゾヒメギフチョウの幼虫が食べた痕でしょうか。

そろそろ実がついているかと思い、花を探してみましたが、外見が大きく変化したようには見えませんでした。花びらのようなものは萼なので、形は変わらずとも内部に種ができているのでしょうか。

足元のニリンソウを丸々としたガの幼虫?が食べていました。うっかり踏んでしまいそうな場所にあったので、茎からちぎって、道の脇のニリンソウ地帯に移してやりました。

道中に生えているヒトリシズカの群生は、すでに花が終わって、なかには実が落ちてしまったものもありました。それで、実がついていないか軸しか残っていないものを選んで、葉をたくさん採取してきました。

アイヌの伝承では7~8月に採るとのことでしたが、もう実が終わったものなら構わなさそうだし、わたしの好きなお茶なので、ちょくちょく摘んで量を集めたいと思います。

ユキザサの群生が満開で、暑い初夏の森に清涼感をもたらしてくれています。

道にかぶさって遮る竿のようなオオアマドコロの茎には、かわいい花がたくさんぶら下がっていました。

やっと咲いていたエゾレイジンソウの花。つぼみから咲くまで長かった気がします。日記をたどってみたら5/18にはつぼみがあったのに、25日くらいかかって咲いたんですね。

いつの間にか、ムカゴイラクサの葉が大量に生えてきて、地面を覆っています。

かなり巨大なミツバの葉。もちろんもっち小さいミツバもたくさん生えていたので、採って帰って定番の卵とじにしました。

林道に生えていたキンポウゲ。ピンぼけ写真ですが、葉っぱが3裂の3出複葉に見えるので、こちらのサイトを参考にするにハイキンポウゲでしょう。

帰りに近所の堤防にエゾカンゾウ(エゾゼンテイカ)を探しに行ってみると、ちょうどたくさん咲いているところでした。

毎日少しずつ咲く花なので、食べごろのつぼみがたくさんあります。中華料理の高級食材の金針菜とほぼ同じものです。

いくらか採取してきて、茹でてサラダに混ぜるなどして食べました。やっぱり美味しい。でも茹ですぎると独特の食感がなくなるので注意。

もともと金針菜とはこれを茹でるか蒸すかして乾燥保存したものだそうなので、次回試してみたいです。

2021/06/08火

マダニの猛攻で森に入れず。ヤマブキショウマのつぼみ

雷雨予報でしたが、雨上がりに涼しかったので森に行ってみました。しかしスパッツを忘れてしまって、不安な気持ちで茂みの中に入っていきます。

そうしたら、マダニの猛攻! ほんの数歩歩くたびにマダニが1匹ズボンに付く始末。スパッツを履いているならまだしも、ズボンと長靴だけでは心もとない。10匹以上もの最多記録のマダニの前になすすべなく、入り口で引き返してきました。

なんとなく、今日の森は歓迎してくれていない感じ。マダニには大歓迎されていたのかもしれませんが…。

入り口でつぼみが膨らんだヤマブキショウマの写真だけ撮りました。

その後、近所の堤防をサイクリングしてみましたが、特にこれといった発見はありませんでした。河原に生えるイヌエンジュの白い若葉がよく目立っていました。この時期は本当に美麗。

あまり人が立ち入らない、原生植物が残っている河川敷で、なおかつアクセスのいい場所を開拓したいのだけど、なかなか見つかりません。

2021/06/09

エゾサンショウウオの群れを見つけた

7℃まで気温が下がった昨夜から一転、今日は25℃を超える夏日で、焼け付くような暑さでした。九州では猛暑日だったとか。今や20℃を超えるだけで暑いのに、昔のわたしはどうやって生き延びていたのだろう。

森に出かけるも、またもや帽子を忘れるというミス。いい加減持ち物チェックリストを再作成したほうがよさそうです。

一度家に取りに帰って、近所の湿地帯の森のほうへ。途中の道路で、茂みの向こうからキツネがこちらを覗いていました。

湿地帯の森のほうでは、林道を歩きながら、ユキザサの花を愛でたり、ヒトリシズカの葉を摘んだり。ここのところ毎日、去年採ったヒトリシズカの茶葉でお茶を淹れて飲んでいて底をつきそうなので補充できてありがたい。

去年チョウセンゴミシの実を摘んだ茂みを通りかかると、今年もよく咲いていました。実がたくさんなりそうです。

帰りに、森の入り口にある池を何気なく覗いてみたら、もうエゾサンショウウオの卵はなくなっていました。孵化したのが泳いでいないだろうか、と水面に近づいてみると…

いた! エゾサンショウウオがたくさん! 大人のエゾサンショウウオもいれば、

まだ手足の生えていないエゾサンショウウオの幼生も。

これまで3年、この池を何度も見ていたのに気づきませんでした。なんといってもサイズが小さい。遠くから見ると、小魚がいるようにしか見えません。望遠カメラが大活躍。動画も鮮明に撮れました。

すぐ近くにいても、気づいていないものってまだまだあるんだろうなぁと感じました。環境破壊が進む中でも、元気そうに健気に暮らしているエゾサンショウウオを見れて心が和みました。

金針菜を採りに行って、タチギボウシ群生地を発見

夕方ごろ、河川敷のエゾカンゾウ(エゾゼンテイカ)群生地に行って、かなり多めにつぼみを摘んできました。咲きかけなので黄色いですが、花も可食なので問題ないでしょう。

まだまだ一帯に咲いていますし、他に採る人もいないので大丈夫でしょう。中華料理の金針菜と同様、茹でて乾燥保存してみるつもりです。

エゾゼンテイカ群生地のやぶをかき分けて歩いていたら、思いがけないところに、見覚えのあるこんな葉っぱを発見。まさかギボウシでは?

これまで、野生のタチギボウシというと、採取不可の湿原でしか見たことがありませんでした。山菜としてよく採取されていることを思えば、もっと身近にあるはず、とは思っていましたが、そうか河川敷にあったのか。

ギボウシも自生種から園芸品種まで様々ですが、この葉っぱは自生種で合っているのでしょうか。それとも、どこかの庭から逸出したもの?

花の時期は7-8月らしいので、その時期に見に来ようと思います。もし自生種のタチギボウシであれば、来年春に、山菜ウルイとして採取してみたいですね。

周囲には、こんな小さな白い花がたくさん咲いていました。

何の花かわからなかったので調べてみたら、オオヤマフスマでした。そういえば、去年もウド採りの時期にたくさん見ましたね。地味な花なので忘れてしまっていました。

近くに咲いていた低木の花。

見慣れない黄色い花ですが、まだ残っている冬芽を確認したら、どこかで見たことあるような…。

おそらく去年河原で見たアキグミ? 砂防用に植栽されたもののようです。

河川敷は、去年ほとんど寄りつかなかった未知のフィールドなので、発見がたくさんあります。やはり草やぶになっていて、そうそう奥まで入っていけないので、探索は進みませんけれど。

夜はほぼ新月で快晴だったので、星空を見に行きました。雲やPM2.5がないことは確かめてありましたが、夏至が近いせいで、20:30ごろやっと一番星が出てくるほど暗くなるのが遅く、なかなか星が鮮明に見えませんでした。

山奥に車で向かって、いつもの星空スポットについてもまだ星がぼやけていましたが、しばらく待っていると満天の星空になりました。

西の空には春の大三角、東の空には夏の大三角。今が春と夏の境目であることを星座が物語っています。

ランタンを手に星を眺めていると、足元の暗闇の中をなにか白っぽいものが横切りました。

何かいる! ライトを向けるとキツネでした。夜目が利くからかいつもより強気で、なかなか逃げようとしません。音を立てたり、威嚇したりして、ようやく去ってもらうことができました。本当は野生動物と仲良くしたいけれど、そうもいかないのが残念です。

キツネとの遭遇ですっかり慌ててしまい、星空の写真は撮り忘れてしまいました。また新月に近い晴れた日を見つけて、星空を楽しみたいです。

2021/06/10木-2021/06/11金

炎天下30℃。ニンニクの芽摘みなど頑張る

連日の30℃超えという非常に暑い二日間。

最高気温が32℃、夜も気温が下がりきらず、最低気温が19℃、というのは、道北にしては一年で最も暑い気温に匹敵します。

6月の時点でこれほど酷暑なら、本格的な夏が到来するとどうなってしまうのでしょう?

さすがに30℃超えの日は森に入るのを躊躇します。明日からしばらくは、いったん気温が落ち着くので、天気が良ければまた森歩きを楽しめそうです。

木曜は仕事の割当があったので、昼間に出かけるのは最小限で、河川敷をサイクリング。金曜は炎天下でニンニクの芽摘みや土運びなど肉体労働。

ニンニク畑の一部を摘み終わっただけですが、それでも芽が何百本とありました。うちだけでは食べ切れないので、近隣の友人や隣の家に配りました。写真の芽は配ったものを別にしたうちの分。切って冷凍保存します。

今年は肉体労働がかなり多いので、持病の腰痛やアキレス腱の謎の痛みなど体のあちこちがきしんでいます。それでも、慢性疲労症候群の状態からこれほど動けるようになり、頼りにされるくらい働けることを喜ぶべきなのでしょう。

2021/06/12土

メギとツルウメモドキの花。コブシとフサスグリの実

雨が降ったり止んだり。止んでいる時に森に行けばよかったのだろうけれど、雨上がりはマダニが多そうで躊躇。それくらいでためらってしまうあたり、農作業の疲れなのだと思います。体のあちこちが痛い。

妥協案として近くの公園に散歩に。

去年の日記でも同じころに咲いて、散りかけていたメギの花。写真で見ると可愛らしい花ですが、実物は小さすぎます。

やはり同じ時期に咲いていたツルウメモドキ。満開なのにそうは見えない地味すぎる花。去年撮った写真と同じく、アリがたかっていました。地味でも問題ないのはアリが受粉するからなのかな。

エゾイラクサの花。…というかつぼみ? まだ垂れ下がっておらず、白い細かい花も見えません。

コブシの花はすっかり散って、まだ親指くらいの長さしかない実ができ始めていました。

野良フサスグリも花が散って実がたくさん。今年もカリンズを収穫できるかも。

2021/06/13日

生き物たちが多すぎる夏の森

晴れていたので久しぶりにしっかりと森歩きしてきました。気温は26℃。かなり暑いですが、まだなんとか大丈夫。

森の中の景色は、どこを切り取っても青々として美しかったです。見るだけならば。実際に歩くとなると、腰丈くらいの草が生い茂っていて、マダニや毛虫やカエルも多く、真冬以上に骨が折れます。

マダニはフキなどの葉っぱの上で待ち構えていて(クエスティング)、葉っぱが揺れるとジャンプして飛びついてきます。杖で進行方向の葉っぱをあらかじめかき分けるようにすれば、あまり飛びつかれずにすみます。

足元ではカサカサと草を震わせながら、エゾアカガエルが移動しています。見つけたら杖で追い立てて逃げてもらうようにしていましすが、この大きなカエルは微動だにせず固まる防衛に頼っていました。

地面の枯れ葉の色と同化しているので、さっき動いていたのを見ていなければ、気づくことができません。先日のアオダイショウもそうでしたが、逃走してくれないせいで、踏んでしまいそうで怖いです。

毛虫もたくさん葉っぱについています。倒木がある場所で木の枝をくぐって顔を出したら、目の前の葉っぱに大きな毒々しい模様の毛虫がいて慌てました。

虫や生き物全般が極度に苦手だったわたしが、よくこんな場所を歩いているな、と思わずにいられません。所変われば人も変わるのです。

最近は、自動車を運転していると、道路を横断しようとするアオダイショウや毛虫をよく見かけます。発見できた場合は避けられますが、いつか轢いてしまいそうです。

ミミズもそうですが、なぜ灼熱のアスファルトを渡ろうとするのでしょう。悪いのは生き物の行動圏を道路で分断してしまった人間なのですが。

ほかにも、あちこちに大きな虫の死骸が落ちていました。死骸といっても、まだ朽ちていなくて、美しさと気持ち悪さと儚さの入り混じった感情が湧き上がります。

コテンと死んでしまっかのような立派なトンボや、

咲き始めたオオハナウド?(現地で確認し忘れた)の上に落ちて、まるで弔いの花に包まれているかのように亡くなったエゾハルゼミ。

ほかにもたくさん、生きている虫も死んだ虫もいましたが、慣れてくると精密機械のように見えてきます。全身フル防備で覆っているから言えることですが。

しばらく歩いてウドの群生地を通りかかると、草の中に大きな動物のフンが! おそらくヒグマのものでしょう。

ヒグマの痕跡を見たら引き返せとは言われますが、このまま進むと森から出る帰り道なので、Uターンするわけにもいかず、熊鈴を鳴らしながら慎重に進みました。

ここは山菜採りでウドをたくさん採った場所だし、秋には相当な量のキノコ狩りをした場所です。にも関わらず、こんなにヒグマとニアミスしているとは…。しっかり対策して出会わないよう気をつけるほかありません。

特に怪しい物音などもせず、無事に森を抜けての帰り道。運転していると道端に二匹のキツネがいて、のんびり座っていました。近くまで行くと逃げてしまいましたが、夏毛のスマートな姿を撮らせてくれました。

ちょっと森歩きしただけで、圧倒されるほと多くの生き物たちと出会います。人間だけがこの世界で暮らしているのではなく、大きな生態系の中で生きていることを実感します。

初夏の森の中で見た植物。ヤマブキショウマ、ヤマブドウ、エゾイチゴの花など

その森歩きの中で見た植物いろいろ。

まず入り口の渓流沿いに咲いていたヤマブキショウマ。前に若葉やつぼみの写真を撮ったのと同じものです。地味ながら花穂を咲かせていました。

引きで撮ると咲いているのかつぼみなのかわかりませんが、接写してみると、確かに極小の花が咲いているのがわかります。

去年も6/25に気になっていたこの若木。この時期にあちこちで見かけます。奇数羽状複葉で、先端に赤みを帯びた若葉が出ていることが特徴です。

去年の時点では冬芽からヤチダモであろうと推測していました。今年は冬芽の芽鱗?の部分が残っていたので、はっきりヤチダモだとわかりました。ヤチダモの若木がいかに多いか気づきます。

ヤマブドウの花も咲いていました。雄しべがないので、雌花と思われます。不作だった去年よりずっと雌花をよく見かけるので、今年は実りがいいかもしれません。

わたしの背丈ぐらいまで大きくなったチシマアザミのつぼみ。

ヤマグワの雌花が実になりかけているのを見つけました。道沿いの生えるため、毎年、簡単に摘んで食べることができていましたが、今年は高いところにしかなっておらず、採るのに苦労しそうです。

こんなに大きくなったワラビ。写真だとわかりにくいですが、葉を持ち上げて上向きにすると、わたしの背丈を超えるほどです。

スミレの閉鎖花。

ズダヤクシュは実に。毎年、春の満開のズダヤクシュがきらめく林床を見るのが好きでしたが、今年はほとんど見ないまま季節が過ぎてしまいました。

ネコノメソウ。実が弾けて猫の目になっています。

エゾイチゴの花。やはり咲いている数はそんなに多くないので、今年も実をたくさん摘むことは難しそうです。花の咲いていないエゾイチゴの若木は地面を覆い尽くすほど生えているのですが。

葉が成長したタラノキとウド。人間による捕食圧を切り抜けて成長することができた姿。タラノキは昨冬エゾシカの樹皮剥ぎにも遭っているので、よく無事に生き延びてくれました。

わたしが唯一確認しているミヤマザクラに実がなっていました。葉の形状や、実のなり方が違うので、エゾヤマザクラやアズキナシなどではないことが、この写真だけでもわかります。

エゾレイジンソウの実。まだ花が残っていますが、下のほうから順次実になっていました。

マタタビのつぼみ。写真には写っていませんが、葉っぱの先が白くなっていたのでサルナシではなくマタタビです。

今月1日に見つけたやはり正体不明の植物。改めて見に行くと、他の植物とは違って、まったく成長していませんでした。

葉を一つだけちぎって、どのような形状なのか確認してみました。すると、細い葉柄がついているだけの貧弱な葉でした。

この山肌は色々なシダが生えているところなので、これももしかするとシダの仲間では?と考えました。図鑑を調べたところ、ミツデウラボシによく似ています。

本来ミツデウラボシは細長く成長して先端が3つに裂けますが、北海道では大きくならないので、単葉のような形になるそうです。

しかし、ミツデウラボシは一般的には道北に分布していないことになっています。葉裏にソーラスもなく、ミツデウラボシの葉の表面にある葉脈のような線もないため、別の植物でしょう。

謎のキノコ。ナヨタケの仲間?

非常にもろく、触ると折れてしまいました。柄の内部は中空でした。図鑑を軽く調べた限り、チャムクエタケモドキというキノコに多少似ていますが、はっきりとは同定できません。

クヌギタケとかアシナガタケを思わせる小さな細長いキノコ。今持っているキノコ図鑑は生える場所ごとに整理されていますが、こうしたキノコの場合、形状や科ごとに整理された図鑑がほしくなります。

満開のツリバナ、今年初サイハイランなど

ここからは別の場所をはしご。

オオハナウドのつぼみ。もう咲いているものも。

満開のツリバナ。ほんのりとした赤みが映えたいい写真が撮れました。虫に食われて葉がボロボロですが、花は可憐に咲き乱れていました。

今年初めて見ることができたサイハイラン。ツリバナを見た池沿いに何本か生えていました。アイヌが根茎をおやつにしていたくらいなので、本来あちこちに普通に生えているものなのでしょう。

そのまわりにたくさん生えていた極小の白い花タニギキョウ。

道路沿いにたくさん咲いていたハコベ。

続いて湿地帯の森に出向き、クルマバソウを摘みました。ここの森にサイハイランが多いのですが、今の時期に湿地帯の森に入るのは大変なので、今日は入り口だけ。

入り口そばの池のエゾサンショウウオの群れ。

ヒトリシズカの実。実がもう落ちているものは、歩きながらちょっとずつ葉を摘ませてもらっています。

最後に近所の公園で。

今年はつぼみをつけていたイヌエンジュ。去年はこの一帯で全然咲きませんでしたが、今年は花を見れそうです。

花が散った後のナナカマドの実。

6/2にここに来たとき、池のまわりにガマの葉が生えていることに気づきました。今日はそれを少しちぎって、こちらのサイトを参考に断面を確認してみました。このような強度を高める構造をリブ構造と呼ぶそうです。

そろそろ咲き始めそうな池のセイヨウスイレン。

池の周りに生えていたハイキンポウゲ。

三出複葉で区別できます。もし三出複葉でなかったら、ちょっとレアなエゾキンポウゲです。

公園樹のニシキギの花。マユミとコマユミの花にそっくりです。葉はマユミより小さくコマユミと同じです。枝に翼があることからニシキギだと区別できます。

池沿いのイネ科に止まっていたイトトンボ。

レンゲツツジの蜜を吸っていたミヤマカラスアゲハ。

今日の収穫物。ダイコンソウのお茶も飲んでみた

森の地面に生えていたミツバ。あまりに暑いし、虫も多くて、マダニが心配で地面にしゃがめないし、採り始めたことを後悔しましたが、夕食分はなんとか摘みました。

ヒトリシズカ。冬にお茶を楽しむため、歩きながら、ちょくちょく摘み集めています。

クルマバソウ。暑い夏のお供のシロップはいくらあっても足りません。

先日採ったカラフトダイコンソウが乾燥したので、お茶に淹れて飲んでみました。味は特になく、青臭い香りがするだけのお茶でした。積極的に採るほどのものではないかも。

干していた金針菜も乾燥しました。保存しておいて、そのうちまた料理に使ってみます。

2021/06/14月-2021/06/15火

異常に忙しい。ハリエンジュが咲き出し、トクサの芽が伸びる

通っている農園の人が帯状疱疹になってしまって、仕事が増えました。ニンニクの芽摘みのほか、支柱を建てたり、防草シートを張ったり、色々やっています。明日は腕が筋肉痛で死んでいるかもしれません。

そのほかにも、建物の管理の仕事で外壁を清掃したり、運転免許の初回更新があったり、オンラインでレッスンの司会をしたりといった予定も重なりました。合間の時間は、自動車の運転で長距離を移動しているので、てんてこ舞いです。

明日も明日で予定が入っていますし、その次の日も…。でも一日中予定が入っているわけではないので、スキマ時間を見つけて森に行けるかもしれません。うまく時間とリソースをやり繰りしたいです。

自動車に乗っているとき、あちらこちらで、ハリエンジュの白い花がつぼみになって、場所によってはもう咲いているのを見かけました。

去年、ハリエンジュの花でシロップを作ったら、フルーティーな香りで美味しかったので、今年も作りたいと思っていました。しかし、残念ながら目をつけていた木は、上のほうにしか花を咲かせませんでした。

できれば、虫が入る前のつぼみの時期に花を採りたいので、採るとしたら今なのですが、こうも疲れていては、採れそうな木を探すのは至難の業。今年も無理な気がします。

また、去年の日記を見ていたら、そろそろトクサの新芽が出るようだったので、お茶にするために探してみました。幸い、畑のそばにたくさん出ていたので、用事のついでに採ることができました。

トクサ茶は効能からしても、おそらく、トクサ科トクサ属のスギナ茶と同じようなものだと思っています。昨冬、成長したトクサを少量採取してお茶にしてみましたが、特に味も香りもありませんでした。

それで、若々しい色の新芽の時期に、改めて試してみようと考えていたのでした。成長したトクサは深緑ですが、若いトクサは萌黄色で、みずみずしい印象を受けます。

触ってみると、特に柔らかいということはなく、砥石のようなザラザラしたトクサそのものです。単に色が違うだけで、味や香りなどというものは、どのみち無いのだろうな、と思います。

採取したトクサは、ロケット鉛筆のごとく分解してから干してみることにしました。とても維管束植物とは思えない形と質感で、人工物と言われても違和感がありません。本当に奇妙なシダ植物です。

トクサを採っている時に近くに止まってくれたシオカラトンボ。…ではなく、シオヤトンボらしい。尾が太く短いこと、そして羽の上端にある縁紋が褐色であることから区別できます。

畑のあぜ道に生えていた外来種の花。誰も気に留めないほど小さなサイズですが、接写レンズで見ると、なかなかに美しい花でした。

ナデシコ科ウシオツメクサ属のウスベニツメクサ。

タチイヌノフグリ。確かにこれに比較すると、オオイヌノフグリは「オオ」といえるか。もともと在来種?のイヌノフグリがあるそうですが、本州以南かつ数も減っているそうなので見たことがありません。

昨日点検に行った建物の裏手の河川敷に咲いていた外来種。シソ科のアジュガと呼ばれるハーブで、和名はセイヨウジュウニヒトエという雅やかな名前です。

草ぼうぼうの河川敷に咲いていて、どう見ても誰かが植えたものではなく、どこからか逸出して野生化したものだから、ハーブ用に採ってもいいかも。採る前に刈られそうですが。

ところで、今使っているニコンのカメラは、レンズの蓋をストラップのようにぶら下げる構造なのですが、写真を撮る時にブラブラ動いて非常に邪魔でした。

そこで、蓋の背面にマジックテープをつけて、蓋を外している時はカメラの底に貼り付けられるよう改造してみました。これでカメラの扱いが少しは快適になるかもしれません。

2021/06/16水

公園にアミヒラタケ

やはり疲れがひどかったので、近くの公園を散歩しただけ。それでも面白い発見はありました。

もう感想して褐色になったハルニレの実。去年は花どころか実も見なかったと思うので、少しだけしか花の咲かない裏年だったのかもしれません。今年は見事な満開だったので気づけました。

たぶん冬にミヤマイボタの冬芽ではないか、と書いた低木。残念ならありふれたマユミだったようです。

バイカウツギのつぼみ。葉っぱもしっかり確認しました。三行脈が目立つ葉っぱで、ふちに申し訳程度のギザギザがあります。

エゾヤマザクラの実が赤色づきました。もっと熟して黒っぽいのもありましたが、残念ながら、渋くて食べることができません。

ウワミズザクラの実が熟すのはまだこれからです。

ネグンドカエデの実。裏年などというものはないのか、観察を初めてからの3年間、毎年子沢山です。

そのネグンドカエデの根元に生えていた謎のキノコ。色は目立ちませんが、手のひらくらいのサイズの、かなり大きなキノコです。

下から覗いてみると、驚いたことにひだではなく管孔だったので、イグチの仲間のようだと分かりました。

管孔は黄色みを帯びているように見えますが、これは日当たりの加減によるもので、下から接写してみると白かグレーのようでした。

夏に広葉樹の根元に出るイグチで、管孔が黄色っぽいというといったい何でしょうか?

表面のささくれはキノボリイグチを思わせますが、この木はカラマツではなくネグンドカエデです。キッコウアワタケも表面がひび割れるようですが、質感が似ていません。

さらに調べるうちに、イグチでなくても、傘の裏が管孔になっているキノコがあることに気づきました。木に付着するサルノコシカケなどの多孔菌キノコがそうで、

特に多孔菌目サルノコシカケ科タマチョレイタケ属のキノコの管孔はイグチとよく似ています。タマチョレイタケの仲間は、傘の表面がささくれ状になりやすいことも、見つけたキノコと一致しています。

そもそも、このキノコ、現地で観察した時、柄がないように見えました。写真に写っている柄のようなものは、キノコではなく木の一部だと思います。

この仲間のキノコは北海道には、タマチョレイタケ、ハチノスタケ、アミヒラタケ、アミスギタケ、オツネンタケモドキなどがあるそうです。

このうち、特に表面がささくれだっているのはアミヒラタケで、ネットで画像検索しても、今日のキノコとよく似ているようです。初夏に発生し、管孔が白っぽいことも一致。

幼菌なら食べられるそうですが、これはもう成長しているので無理ですね。

近くの公園を散歩しただけでしたが、面白いものを見つけることができて満足です。

2021/06/17木

鬱蒼とした湿地帯の森を歩く

今日は午後時間があったので、暑い中にも関わらず、密林探検に出かけてきました。気温は25℃くらいで、まだ涼しいほうですが、虫だらけの中をサバイバルする重装備なので非常に暑いです。

今の時期に湿地帯の森に入るのは、わたしでもためらいます。気合を入れて覚悟を決めないと奥まで入れません。今日は体力気力ともに回復していたので、その覚悟がありました。

マダニやカエルを遠ざけるため、杖で先に茂みをかき分けながら進みます。傘のような巨大なフキの葉に行く手を塞がれても、果敢に進んでいきます。

鬱蒼とした湿地帯の森を歩きながら、どうしてこんな大変な思いをしてでも森を歩きたいのだろう?と考えました。

フルマラソンに参加する人や、ロッククライミングする人のようなものでしょうか? 大変ではあるけれど、それを上回る喜びがあるということ。

森の景色は、どこを切り取っても、信じがたいほど荘厳で神秘的でした。

 

これほど現実と写真のギャップがある風景もなかなかないでしょう。もちろん現実も美しいですが、防護服なしで虫の猛攻をしのぐのは不可能です。

虫はたくさんいますが、落ち着いて観察するほどの気力はありません。それでも、博物学者を目指すなら、虫のことも知らないといけないので、ちょっとは写真も撮ります。

とても大きな目が印象的。Google Lensによるとハナアブの仲間のようです。

今日も、実の落ちたヒトリシズカの葉を摘みながら歩きました。まだ実がついているものですが、なんと二段になっている珍しいヒトリシズカがありました。

写真だとわかりにくいので、茎の部分を拡大。上段は通常どおり4枚に分岐していますが、下段は2枚に分かれています。

5/27に1枚余分に葉がついているヒトリシズカを見つけましたが、まさかさらに1枚多いものを見つけるとは。

もともとヒトリシズカは4枚の輪生ではなく、2枚ずつの対生の葉が2つあり、その間隔が狭まって、輪生のように見えています。ということは、年季の入った株では、2枚セットが3つやさらに多く増えることもあるのかもしれません。

エゾノリュウキンカは実が弾けていました。そういえば去年、掘り返して根っこを食べてみたのは今ごろだったかも。

ルイヨウボタンは花が散り、ティーに乗ったゴルフボールのような実がなり始めていました。

カラフトダイコンソウの花は見事な引っ付き虫のボールに。

この森にもサイハイランが点々と咲いていました。10株以上は見かけましたが、群生しているわけではないので、根っこを味見するかは迷うところです。

別のランのノビネチドリは、花が散って別人のような姿になっていました。一瞬なんだこれは?と悩んで、消去法でノビネチドリだと思い当たります。

カンスゲも実ができていました。この常緑の長い葉が秋になると目立つので、これは何だっけ?と首を傾げた記憶がありますが、カンスゲだったのですね。

なんだか奇妙な形のちいさな三出複葉の葉。黄緑色だったので目立ちましたが、周囲にはもっと大きな葉もあり、おそらくオオハナウドでしょう。

湿地帯には背丈の低い黄色いキンポウゲ科の花が咲いていました。葉が3枚セットなので、たぶんキツネノボタンでしょう。

改めて写真を撮って花を見てみると、ダイコンソウとちょっと似ている? 実物を見慣れると全然違うのですが、花を頼りにダイコンソウを探すような場合、キンポウゲ科の黄色い花は色もサイズも似ている毒草なので気をつけるべきかもしれませんね。

森の中では信じがたいほど多くの鳥の鳴き声のオーケストラが響き渡っていましたが、まったく姿を発見できませんでした。特にウグイスとツツドリの声がすぐそばから響いていたのに、どれほど目を凝らしても姿を見れなかったのは残念です。

その後、帰り道で、キョッキョッと鳴く大型の鳥を一羽だけ見つけました。オオアカゲラです! 一度見失うともう発見できないと思ったので、逆光にも関わらずカメラを向け、少しだけ動画に撮れました。

オオアカゲラは、冬場はとても簡単に見つけられる鳥です。それなのに、今の時期は背景と同化していて見分けられないことに驚きました。気づけたのは完全に偶然でした。オオアカゲラでこれなら、もっと小さな鳥は到底見つけられないでしょう。

ジンヨウイチヤクソウの群生地発見!

去年の夏8/13に、一本だけイチヤクソウを見かけた道がありました。また発見できるかもしれないと期待して、その道を通ってみました。

すると、思いがけないことに、イチヤクソウの群生を見つけてしまいました。これだけ森歩きをしていて、家の近所で初めて見つけた群生地です。

そもそも、わたしの居住地周辺では、ほとんどイチヤクソウ類を見かけません。仁宇布でベニバナイチヤクソウの群生は見たことがありますが、わたしが普段歩いている森では、ベニバナイチヤクソウとこのイチヤクソウを、去年ただ一輪ずつ見かけただけでした。

去年の時点では、これはコイチヤクソウだろうか、と考えていました。しかし今回は花の咲いている時期に発見できました。さらに葉の特徴から、ジンヨウイチヤクソウという種類だと判定できました。

ジンヨウイチヤクソウは、その名のとおり、葉が腎臓のような形をしており、さらに白い線が入っていることから、簡単に区別できます。

花はちょうどつぼみから咲き始めた時期で、小ぶりながら可愛らしい姿をたくさん楽しむことができました。

花はこのように雌しべが一本だけ長く、ほかに小さな雄しべがたくさん寄り添っています。

指のサイズと比べると、その小ささがわかります。ひとつひとつの花は指先よりも細いのです。その造形を楽しむには接写レンズが不可欠です。

熊鈴を鳴らしながら、マダニに気をつけて森の中を歩いていましたが、この時は地面にかがみ込むこともいといませんでした。虫の大群が飛び交っていましたが、その脅威を上回る興奮がありました。

場所は案外に森の入り口に近い、トドマツの根元でした。こんなに身近なところに群生しているのであれば、気づいていないだけでもっと咲いているのでしょうか。

ご丁寧にも、このトドマツには、ヒグマの爪痕という目印がついていました。ヒグマが徘徊しているような場所で、かがみ込んで小さな花を観察していると思うと薄ら恐ろしくなりますが、今さら改めて言うようなことでもありません。

2021/06/18金

アヤメ畑にいたウサギ

畑仕事に行くとき、ドイツアヤメが植えられている草地のそばを自動車で通りかかると、横目になにか見えたので、とっさに車を停めて写真を撮りました。

自分でも毎度のことながら、よく気づけるものだと思いますが、エゾユキウサギです。毎年ドイツアヤメが咲いている場所なので、今年もそろそろ咲いているかなと見てみたら発見しました。

望遠カメラで撮ってみるとはっきり。顔しか見えませんが、間違いなくエゾユキウサギです。

今年の目撃は二度目。一回目は河川敷でフキ採りをしていたときに突然茂みから逃げていったので、写真には残せませんでした。

キツネは頻繁に見かけますが、ウサギは警戒心が強いので、冬毛夏毛ともにめったに目撃できません。夜中に自動車で走っているとたまに見かけますが、写真を撮れるのは珍しいです。

このあと、ちょっと目を離したすきに、文字どおり脱兎のごとく逃げていき、姿を消してしまいました。いつも出会いは一瞬。記憶だけでなく記録にも残せたのは幸いでした。

農作業はトマトの支柱建て、ニンニクの芽摘み、レタスの定植、カモミールの花摘みなどでした。ある程度体力がついて、忙しく働けることが嬉しいです。

空は快晴。遠くの空に巻雲が伸びていました。田園地帯の景色は、森がすっかり切り払われていて好きではないですが、この全天に広がる青空は見る価値があります。

もこもこの猫が歩いているみたいで可愛かったので撮ってみた毛虫。まさか毛虫を可愛いと思う日が来ようとは、という思いです。

意外なほど歩くのが速く、ときどき道路を横断しているのを見かけます。自動車に乗っている時に見つけることも多く、轢かないよう気をつけています。同じくよく道路を横断しようとしているアオダイショウよりは小さいので避けやすいです。

2021/06/19土

庭に咲く帰化植物いろいろ。チャイブ(エゾネギ)の花も

庭にしばらくヒナギク(トキシラズ/デージー)が咲き乱れていましたが、ニューフェイスも増えて賑やかになってきました。外来種ばかりなのが残念ですが、もはや仕方ないので、帰化植物と呼んで在住権を尊重してあげましょう。

タンポポが咲き終わった後はブタナの季節。ブタナも食べれる野草だとは聞きますが、タンポポコーヒーやスギナ茶と同様、あまりに身近に生えすぎていてありがたみが薄いため、なかなか試す気になれません。

コウリンタンポポ。引っ越してきてすぐのころは、見たこともない美しい紅蓮と朱色の花に惹きつけられたものですが、今や繁殖力が強すぎて悩ましい存在です。

ツルマンネングサ。もともと多肉好きのわたしにとって、セダムが雑草として自生しているというのは驚きでした。これも繁殖力が強く次々と増え広がりますが、ぷくぷくした葉っぱは可愛らしいものです。食用にできるそうなので、そのうち試したいです。

エゾノギシギシ。エゾノとついていますが外来種です。普通なら草刈りしてしまうのですが、なんとなくオオイタドリと一緒に残しておいたら、そろそろ花が咲きそうです。

シロツメクサとムラサキツメクサ。食用になるほか、ハーブとしても利用できる優れものだそうですが、やはりあまりに身近に多すぎて、ありがたみが少ない花。大量にあるものほど利用すべきなのでしょうが…。

オオバノアカツメクサ。アカツメクサかと思いきや、明らかに葉も花もサイズが大きくて、当初いったいなんだろうと思って調べた記憶があります。葉が大きいぶん草丈が高くなりやすく、花を咲かせる前に高確率でわたしに刈られます。

チャイブ。前に住んでいた人が庭に植えていたようで隣の庭まで逸出しがちです。若葉や花を食べることができるので、草刈りせずに残してあります。

近縁種に在来のアサツキがあり、夏に休眠するという違いがあります。一方チャイブは別名セイヨウアサツキといい、外来種のような印象を受けますが、さらにもう一つの別名ではエゾネギと呼ばれており、どうも在来種のようです。

山菜図鑑では、アサツキ=エゾネギとされていましたが、ネットで調べてみると、チャイブ(セイヨウアサツキ)=エゾネギで、アサツキはチャイブの変種だとされていました。

つまり、北海道に昔から自生するとされるエゾネギはチャイブのことで、別に外来種ではないようです。アサツキもチャイブの変種にすぎないため、ほぼ同じものと見ていいでしょう。

ということは、庭にチャイブが生えているというのは、庭に山菜エゾネギが生えているようなものなので、お得な感じがします。栄養価も高いそうなので、花を咲かせて種をつけたら刈り取ってハーブティーにしようかと思っています。

初めて見たミツバウツギ、いろいろなキノコ

午後は時間があったので、またウリノキを見に行きました。前回つぼみを見たのは6/7。花期は図鑑やネットによると5~6月とされるので、さすがにもう咲いているはず。

気温はなんと15:00でも10℃ほど。びっくりするくらい涼しく、虫も全然いないので、実に森歩き日和でした。

脇目も振らずウリノキの在り処に向かいましたが、なんとまだ咲いている花は一つもありませんでした。つぼみのサイズも1.5~2cmくらいで、一般に説明されている3cmには及びません。

しばらく歩くうちに、もう少し標高が低い場所でもウリノキを見つけましたが、そちらはそろそろ咲きそうなつぼみをしていました。それでも、一足早く咲いている花は見つかりませんでした。

いったいいつ頃咲くのか、いよいよわからなくなってきました。花期5~6月と言いながら、ここは日本列島の最北地域。6月末ごろ滑り込みで咲きそうな予感です。来週なら咲いているでしょうか…?

道沿いは満開のオオハナウドがぎっしり群生していました。珍しい花ではないとはいえ、これほど群生して「花道」を作っていると圧巻です。写真ではその迫力を表現できないのですが。

保護されているクリンソウは、まだ豊かに咲いていましたが、そろそろ下のほうから順に咲き終わりつつありました。クリンソウが2週間以上咲いているのなら、ウリノキも多少時期がずれても咲いていてほしいものです。

山道に咲いていたオダマキ。色も紫だし、おそらく在来種のミヤマオダマキだと思われます。園芸品種や外来種との違いは主な違いは色と大きさのようですが、かなり似ているようで色と生息地以外で区別できる気がしません。

たまたま並んでいたトチノキ(手前)とホオノキ(奥)。よく似た大きな葉が紛らわしいことで知られます。

しかしトチノキは掌状複葉(つまり一枚の葉)なのに対し、ホオノキは輪生(つまりたくさんの別々の葉)です。つまり、トチノキは一枚の葉なので、葉の付け根を見たらつながっています。ホオノキは別々の葉なので、葉の付け根を見たら葉柄があって分離しています。

先日、5枚葉や6枚葉のヒトリシズカを見つけましたが、いずれも二段重ねになっていて、4枚の輪生(厳密には輪生ではないが)の下の段に、葉が1枚か2枚出ていました。

しかし今日はなんと、5枚が輪生のようになっているヒトリシズカを見つけました。謎は深まるばかりです。

ヒトリシズカやヨブスマソウが群生する山道沿いに一本だけ見つけた見慣れない白い花をつけた木。

見たことのない姿でしたが、対生で白い花だったことから、名前だけ知っているイボタノキ、ミヤマイボタあたりだろうか、と思って写真だけ撮りました。

帰ってから調べてみると、イボタは全然違う細長い花でした。ハシドイの仲間だそうで、花も4弁です。

一方、この白い花は5弁。Google Lensに頼って調べてみると、ヒメウツギとのこと。しかし困ったことにヒメウツギは北海道には存在せず、ウツギも道南にしかありません。

いったいなんだろう…と頭を抱えましたが、念のため撮っていた葉の写真から、ミツバウツギだとわかりました。ミツバウツギは全国に自生しているそうです。

名前からすると近縁種のようですが、ウツギとヒメウツギはアジサイ科なのに対し、ミツバウツギはミツバウツギ科なので全然違うものです。しかし花の形がよく似ています。

春の若葉は山菜として食されるとのことで、山菜図鑑にも載っていました。せっかくなら家の近所で発見したかったところです。

そのほかに見つけた謎のキノコなど。(あとで調べて追記したい)

 

絶滅危惧種ランのサルメンエビネと出会った!

そして、今日一番驚いたのが次の花。…実は今日は、衝撃的な初体験ばかりで、一番を決めるのは難しいのですが、希少さからいえば、これが一番といって差し支えないでしょう。

山道の脇にひっそりと咲いていた謎の花。最初、もう枯れかけているのだと思いました。くたびれた葉っぱに、形が崩れたように見える花。

葉っぱはバイケイソウに非常によく似ていますが、バイケイソウよりさらにシワが多くヨレヨレしています。バイケイソウはもっと巨大になってから花をつける長寿な草なので、別の植物であることは明らかです。

花については、ラッパスイセンのような花が枯れたものに見えました。中央にラッパのように突き出た副花冠があって、それが彼かけて垂れ下がっているのだろう、と考えました。

しかし、もっとよく観察してみると、やがて、これは今が満開の状態の花だと分かりました。奇妙な垂れ下がっているような部分を正面から写真に撮ると、整った形に様変わりします。この複雑な形状は、おそらくランでしょう。

ぽつんと咲いている姿と、ラッパスイセンのような派手な花のせいで、逸出した園芸品種かと思いましたが、もしランだとすると菌類と共生するので、在来種かもしれません。

期待を胸に、帰ってからGoogle Lensで調べてみると、なんとサルメンエビネという希少ランだと判明しました。

エビネ(準絶滅危惧NT)は名前だけ知っていた有名なランですが、サルメンエビネは、それよりさらに珍しい(絶滅危惧IB類 EN)らしいです。

これまで見た絶滅危惧種は、北海道レッドデータブックを調べてみたところ、

■絶滅危惧 IA類CR…クロミサンザシ
■絶滅危惧IB類 EN…オジロワシ、オオワシ、サルメンエビネ
■絶滅危惧Ⅱ類 VU…クリンソウ、ミコアイサ
■希少種R…エゾゴゼンタチバナ、オクエゾサイシン、エゾライチョウ、オオジシギ、コハクチョウ、マガン
■留意種N…カタクリ、オオアカゲラ

のようでした。まさかクロミサンザシが一番珍しいとは…。普段歩いている森の、特に冬しか入れない地帯にたくさん生えているのが嘘のようです。

オオワシ、オジロワシをはじめ、身近な多くの野鳥がレッドデータブックに載っているのも驚き。いかに自分が自然豊かな場所に住んでいるか、いつも見ているものが当たり前でないか、痛感させられます。

カタクリとオオアカゲラが留意種なことも驚き。オオアカゲラは今日も見ました。カタクリは春の味わいとして毎年数本だけ摘んでいますが、これからはやめとこう。

そして今日見つけたサルメンエビネは、オオワシと同じレベルの絶滅危惧種! クロミサンザシが身の回りにたくさんあるせいで、今まで見た植物で最も珍しいものとさえ感じられます。

まさかそんなに珍しいものとは思っていませんでしたが、複雑で精巧なデザインに惹かれて、たくさん写真を撮っておいてよかったです。もう二度と出会えないかもしれません。

下のほうの枯れた葉をめくってみると、まるで気根のような根が倒木にまとわりついていました。これが名前の由来になっている海老根なのでしょうか。

枯れ葉があるということは、何年も同じ場所で花を咲かせ続けている株なのかもしれません。エビネが絶滅しかかっているのは、残酷な盗掘者のせいなので、これからも誰にも見つからず無事に生き延びてほしいです。

コバノイチヤクソウとベニバナイチヤクソウも少数発見

帰宅したら16時前でしたが、まだまだ歩き足りないので、近所のいつもの森へ。

明後日が夏至ですから、今は20時くらいまで明るく、まだまだ余裕で森歩きできます。こんなに気温が涼しい絶好のチャンスを生かさない手はありません。

森の斜面を意気揚々と登っていくと、カラマツ林のあたりにたくさん鳥が飛び交っていました。わたしのすぐ前にササやぶに止まったのが見えたのでカメラを向けてみると…、

アオジのメスでした。珍しい鳥ではないので少し残念ですが、夏に森の中で鳥を撮れるのは貴重です。姿を見せてくれたことに感謝です。

オオウバユリの花茎が、そろそろあちこちで伸びる準備を始めていました。

エンレイソウの実はかなり膨らんできましたが、熟すにはもうしばらくかかりそうです。

今ごろ出ていたユキザサのような芽。茎に毛がないので、おそらくホウチャクソウですが、普通なら咲き終わっているはずの今になって芽が一本だけ出ているのは謎。

晩春にオドリコソウの群生地だと思って見ていた登り坂は、コンロンソウの群生地でもありました。どこでも生える植物ですが、もし来年、若芽のコンロンソウを食べようと思うなら、ここで採るのもいいかも。

クルマバツクバネソウは、実が膨らみかけているように見えました。

クルマバソウがそろそろ咲き終わるとともに、オククルマムグラの花が咲き初めていたので、違いを説明する時のために写真を撮ってきました。

上から見ると似ていますが、横から見れば、クルマバソウは漏斗状の形で縦に奥行きがあるのに対し、オククルマムグラは平べったいので全然違います。(詳しくはブログのクルマバソウの項を参照)

ズダヤクシュの種を上から撮ると、美しい花冠のようなリングに見えます。

数日前にはつぼみだったはずのマタタビの花も咲き始めていました。残念ながら雄花なので、ここに実はなりません。

今年もアワフキムシが巣を作る季節になりました。

さて、今日驚いた大発見の2つ目。それは、家の近所のこの森で、なんとコバノイチヤクソウとベニバナイチヤクソウを見つけたことでした。

一昨日書いたように、これまでイチヤクソウの類は、ほとんど見つけていません。

まず、無印イチヤクソウは一度も見たことがありません。

ジンヨウイチヤクソウは、去年一度だけ見つけて、一昨日その近くを探したら、狭いながらも数十本は生えている群生地を見つけました。

ベニバナイチヤクソウは、去年、この森でつぼみをひとつだけ見つけましたが、次に来たら、もう発見できませんでした。

しかし、ジンヨウイチヤクソウの例に倣って考えるとすれば、意外と近くに群生地があるのではないでしょうか。去年見た一輪は、その群生地から飛ばされてきたものでは?

そう思ったので、去年と同じ坂道をじっくり探しながら登っていくと…、見慣れない花のつぼみを発見!

しかしこれはベニバナイチヤクソウではありません。ジンヨウイチヤクソウでもありません。帰宅後調べてみたら、おそらくコバノイチヤクソウでした。

無印イチヤクソウの可能性もありますが、後述するベニバナイチヤクソウよりサイズが小さく、ジンヨウイチヤクソウと同程度でした。葉も円形で小さいので、たぶんコバノイチヤクソウでしょう。

周囲を見回してみると、道の端っこに10株強がつぼみをつけていました。群生地と呼ぶにはあまりに少なすぎます。なお悪いことに、遊歩道上なので、踏まれるか刈られるリスクが高いです。

そうなってしまうのは仕方ないにしても、わたしはせめて花が見たい。よく観察すると、10株強のうち1つだけ道の脇にそれて生えていたので、きっと1株は生き残って花を見せてくれるでしょう。

そして、ほかにもイチヤクソウが群生していないかと、その周囲を調べていると、思いがけない発見がありました。なんとベニバナイチヤクソウも咲いていたのです。

去年ここでベニバナイチヤクソウのつぼみを見たのは幻ではなかった。今回は間違いなく咲いている様子を確認できました。やはりここにつぼみがあったのは偶然ではなかったのです。

けれども、このベニバナイチヤクソウは道に咲いている上、たった4株しかありませんでした。とても群生地とは言えません。もしかすると近くに別の群生地があるのかもしれませんがわかりませんでした。

ベニバナイチヤクソウのサイズは、先ほどのコバノイチヤクソウや、一昨日のジンヨウイチヤクソウより一回り大きく目立ちます。

コバノイチヤクソウがまだすべてつぼみだったのに対し、ベニバナイチヤクソウはほとんど咲いているようでした。普遍的な傾向であれば、ジンヨウイチヤクソウと花期が同じ、ということになります。

ここ数年、全然見つけられなかったイチヤクソウの仲間を、立て続けに3つも見つけたせいで、とても興奮しました。全国的には珍しいものでなくても、わたしの地域ではめったに見ないので、発見できるだけで嬉しいです。

あわよくば、数本だけでなく、何百本と生える本物の群生地を見つけて、一度はハーブティーを楽しみたいのですが、いったいどこに咲いているのやら。

ついに目撃! 電子音で鳴くツツドリは意外と長細かった

帰り道、上に書いたクルマムグラやズダヤクシュを観察しながら、草の生い茂った道を下っていると、かなり近くからツツドリの鳴き声が響いてきました。ポポ…ポポ…というあの電子音のような声です。

いつも声は聞こえど姿は見えない鳥ですが、これは近いぞ、もしかすると今日こそ姿を見ることができるかも、とかすかな期待を抱きました。

少し歩くと、明らかに真上からツツドリの声が響いてくるポイントがありました。頭上はカラマツ林で、秋に地上20mもの高さにエゾリスを見つけた場所です。

今は秋と違って、カラマツの若葉が生い茂っていますが、カラマツは比較的葉と葉の隙間が大きく、他のうっそうとした森ほど見通しは悪くありません。

頭上から響き渡る大きな電子音を聞き、今すぐ近くに見たことのない鳥がいるのだ、という意識が強まります。

頑張って上を見上げ、樹冠のフラクタルの間に鳥の影を探しますが、全然見つけられません、しばらく目を凝らしたものの、片鱗さえつかめなかったので、やっぱり夏の森で鳥を探すのは無理だ、と諦めて歩き出しました。

するとその時、はるか頭上に何か細長いシルエットが見え、初めて見るにもかかわらず、ツツドリだ!と確信しました。しかしわたしが見つけたまさにその瞬間、ほぼ同時に向こうもわたしに気づき、飛び去ってしまいました。なんと警戒心が強いのだろう。

千載一遇の好機を逃してしまったことを残念に思いましたが、ついにツツドリの姿を目撃できたことに胸が躍りました。

ツツドリはわたしがイメージしているよりはるかに細長く大きな鳥でした。カラスよりも大きく、トビと同じくらいの大型鳥に感じました。

(ところが後で調べると、カラス55cm、トビ65cmに対し、ツツドリはたった33cmしかなく、キジバトと同サイズのようです。森の中ではとてもそうは見えませんでした。

人間は真上方向に対して奥行きを感知しづらく、大きさを錯覚してしまうからかもしれません。その上、ツツドリが妙に長細いため、カラスやハトと同じ体の幅だと脳が仮定して、全長を大きく見積もってしまったのでしょう)

写真には撮れなかったけれど、姿を見れただけで十分、と思って帰ろうとしたとき、またツツドリが鳴き始めました。声からすると、まだ遠くには行っていないようです。

再度チャンスが舞い込んできたか?と気を取り直して下っていた道を引き返し、カラマツの樹冠を見上げて、もう一度ツツドリの姿を探し始めました。

すると…、

いた!

後で写真で見たら、我ながらよくこんな小さなシルエットを発見できたものです。ツツドリの声がよく響いていたおかげです。それに、自動車を運転しながら道路を横断する毛虫が見えて避けられるわたしの目は伊達ではないということです。

しかし問題はカメラを構えて間に合うのかということです。いつもその間に逃げられてしまうからです。

操作する手が焦ります。肉眼では姿が見えるのに、カメラの画面越しで探そうとすると、全然見つかりません。焦りながらも冷静に、目印になる枝を探して逆算して丁寧に場所を割り出します。

幸い、今回はツツドリはわたしに気づかないようで、全然逃げることもなく、朗々と鳴き続けていました。最初と違って、ツツドリの真下ではなく、何本か横の木の下から枝葉ごしに見つけたのがよかったのかもしれません。

カメラのピントも全然合わずに焦りましたが、ツツドリは待っててくれました。おかげで、1分30秒もの長きにわたり、環楽器のように鳴き声を響かせる様子を撮ることができました。

鳴き声を聞き始めてから3年目にして、ついに撮れたツツドリの姿です。

しばらく撮っていても動く気配がないので、もう少し撮りやすい場所に移動しようかと動いた瞬間、ツツドリは気配を察知して飛び去ってしまいました。

そういえばオオワシの時もそうでした。かといって、こちらが動かなければ、ずっと同じ場所で佇んでいそうです。カメラの電池とわたしの腕が保ちません。こんな時はどうすればいいのだろう?

飛び去ったツツドリは、何本か奥の木の枝に止まりましたが、すぐにまた飛び立って、森の奥へと去っていき、鳴き声は聞こえなくなりました。

この夏の時期は、いつもツツドリの声が響いているように感じますが、真下に居合わせるチャンスなどめったにありません。このチャンスを見事射止めることができて最高の気分でした。

でも、じつはこの道は、ヒグマの棲息圏内なのです。秋には頻繁にフンが落ちていました。今日は幸い、ヒグマの痕跡はありませんでしたが、そのような場所で熊鈴がを降る手を止めて、一心不乱に鳥を撮影するのはリスキーでした。

夏場はどうしても熊鈴を振って歩くしかないので、クマだけでなく鳥も逃げてしまいがちです。夏鳥をもっと撮りたいのは山々ですが、たとえ鳥が逃げてしまうにしても、普段は熊鈴を優先するようにしたいです。

森を出たところで、今度は景気よく木をドラミングする音が聞こえてきました。かなり大きめの音なので、もしかするとクマゲラ? しかしそんな幸運が続いていいのか?という思いがこみ上げます。

もう道路沿いなので、ヒグマの危険もありません。落ち着いて道端の林の中を眺め、ドラミングの主を探します。

今日のわたしの目は相当に研ぎ澄まされていたのか、すぐにかすかに動く黒っぽい姿を見つけました。肉眼ではどのキツツキかわかりませんでしたが、カメラを向けるとオオアカゲラのオスでした。

さすがに、クマゲラまで見れてしまうという幸運はありませんでしたが、オオアカゲラとて希少種らしいので、こうして見れるのは幸せです。ドラミングだけでなく、羽繕いのユニークな仕草も見せてくれました。

片足さえ引っかかっていれば、足で首をかこうが平気なんですね。重力を物ともしない身軽さが羨ましいです。

動画の最後に遠くに響くアオバトの声が入っています。次はぜひそちらを見たいけれど、擬態色のため難易度は高そうです。

今日は本当に満足度の高い一日でした。初夏にしてはとても涼しい森歩き日和だっただけでなく、初めてのミツバウツギ、絶滅危惧種サルメンエビネ、2種のイチヤクソウ、そしてツツドリまで見れてしまいました。

とても素晴らしい場所に住み、得難い経験をさせてもらっていることに、感謝の気持ちが深まりました。

2021/06/20日

引き続き寒い日。ワクチン接種申し込みはがき来たる

引き続き、最高気温が11℃の寒い日でした。6月末にもかかわらずストーブがついています。でも、最初に道北旅行に来た三年前の7月も気温が一桁だったので、よくあることです。

せっかく涼しいので森を探検したかったですが、昨日の写真を整理したり、体を休めたりする必要がありました。雨も断続的に降っていたので、近所をサイクリングするだけにしました。

町内のメインストリートの道路脇に植えられていた低木。今まで気に留めたこともありませんでしたが、もうすぐ花が咲きそうです。つぼみの形状と葉の形からするとイボタノキかも?

帰りに近所でハリエンジュが咲いている場所を偵察してきましたが、高い場所は満開なのに、手の届く場所には花がありませんでした。今年は残念ながらハリエンジュのジュースは飲めなさそうです。

公園ではミズキの花もまだ咲いていました。

遠くの山々には雲がかかっていて霧が出ているようです。いかにも寒そうな景色。

急な寒さのせいか、どっと疲れが出て、夜には睡眠麻痺が再発しました。ストーブのせいで乾燥して寝苦しさも感じます。無理はしないほうが良さそうです。

高齢者の順番が終わり、わたしにもワクチン接種案内のはがきが届きました。特に考えを変えるような事情がなければ、7月には予約を取れそうです。副反応は怖いですが、感染した場合の恐ろしさよりはるかに軽いので、意を決して受けるつもりです。

2021/06/21月

よく晴れた湿原の絶景

昨日からの流れで、まだ比較的気温が低く、最高で20℃だったので、6/6以来の松山湿原に山登りしてきました。それでも道中は暑く、今年はもう秋に涼しくなるまで登らないと思います。

山道から見た遠くの山並みの風景。よく晴れ上がっていて、初夏の青々した山と森も映えて絶景でした。

60倍望遠レンズのおかげで、遠くの函岳の気象レーダまで見えます。函岳はまだ登ったことがありませんが、車で登れるそうなので、いつか時間がある時に行ってみたいです。

登頂直前に雪渓が道を塞いでいる場所がありました。6月も末になって、まだ雪が残っているとは驚きです。幸い、チシマザサのやぶが雪を食い止めていたおかげで、少し回り道すれば労せず雪渓を超えることができました。

やっと登頂できた10ヶ月ぶり?の湿原の風景。ワタスゲが満開。道中ど違って、風の流れが爽やかで、とてもすがすがしく、疲れが癒やされるように感じました。

ところが。

のどが乾いたので水を飲もうと思ったら、水筒がない!  ふもとに忘れてきたのです。このままでは脱水になるので、天空の湿原を楽しむ余裕もなく、慌てて来た道を引き返しました。

とても残念だった上に、脱水に近い状態で山道を歩いたので、かなり体が疲れ、のちのち尾を引くことになりました。20分くらいで下れる低山だったからよかったものの、本格的な登山で同じ間違いをやらかさないよう気をつけねばなりません。

その近辺では、まだチシマザサのタケノコを採ることができました。もう成長しすぎているものもあれば、まだ採り頃といえるものもありました。

帰ってすぐ下処理。

たくさん皮むきするうちに気づいたのですが、皮が茎と一体化して剥けないような場所は硬くて食べられません。それ以外は、視覚的に硬そうに見えても、かじってみれば大丈夫なことが多いです。

下のほうの節は硬くて食べられませんが、節と節の隙間は十分食べられることもあります。

細かく刻んだ後は、カリコリした美味しいタケノコご飯に炊いていただきました。

山道は登るにつれて春にタイムスリップする

湿原までの道中の山道で見かけた植物たち。行きは余裕があったので、かなりゆっくり進みながら、豊富な在来種を楽しみました。

上に登れば登るほど季節がタイムスリップし、下のほうではもう散っていた花が咲いていたり、スプリングエフェメラルがまだ春を告げていたりするのが面白かったです。

ふもとで一斉開花していたゴゼンタチバナ。

エゾアジサイのつぼみ。

大量に咲いていたミドリニリンソウ。探すまでもなく、あっちにもこっちにも。ミドリニリンソウは一つ一つ姿が違って味わいがあるので、これまですべて写真におさめていましたが、今回は多すぎたので断念。

エゾワサビの花。去年は花の写真を撮らなかったようで、やっと先日書いた山菜の記事に花を載せることができました。

おそらく初めて見たと思われるエゾノヨツバムグラ。ムグラっぽい見た目なのに、葉が4枚葉の輪生で、ピンクのつぼみがついていて、いったい何だろう?と疑問でした。

帰って調べてみたらエゾノヨツバムグラという植物。花は白く咲くようです。

ヒヨドリバナとヨツバヒヨドリ、クルマバツクバネソウとツクバネソウの関係と同様に、クルマムグラにも輪生のクルマムグラと、四枚葉だけのヨツバムグラがあるということのでしょう。

サンカヨウの実。透明花を見たいと思っていましたが、雨が全然降らないまま実になってしまいました。

少し登ったところのサンカヨウはまだ咲いていましたが、近日中に雨が降る予報もないので、今年は一度も透明にならないでしょう。

ミネカエデの花。

オガラバナ(ホザキカエデ)の花。

名前が似ているホザキナナカマドも葉をたくさん見つけましたが花は見かけませんでした。調べたら7~8月開花とあり、無印ナナカマドよりかなり遅れるようです。

今となっては懐かしき早春のエゾレイジンソウのつぼみ。

ヤマブキショウマのまだ伸びていないつぼみ。長い花序が特徴ですが、最初はこんなに短いんですね。別の植物かと思って二度見しました。

レンプクソウの花。

オオバタケシマランの花。

ミヤマエンレイソウ。

まだ咲いていたツバメオモト。残念ながら、今年は雨が少なかったので、サンカヨウとともに透明花は見れず。

ほかにも、まだエゾノリュウキンカが咲いていたり、(採りませんが)山菜として採れそうなギョウジャニンニクが群生していたり、もはや下界では過ぎ去った優しい春の空気感がありました。

中腹を過ぎたあたりから、高山性の植物もちらほらと現れました。

いつも名前を忘れるパラボラアンテナ、ツマトリソウ。

湿原手前に咲いていたショウジョウバカマ。

オオバタケシマランの葉っぱにいた立派なイモムシ。何かのガの幼虫かな?

アジサイの葉に止まっていたコメツキムシ。

チシマザサの茎にくっついていたタケカレハと思われる虫の繭。中にさなぎがいるそうです。

実をつける樹木いろいろ

ふもとでは実をつけていたオオカメノキ。

これもサンカヨウと同じく、ちょっと登ればまだ咲いていました。

オオバスノキの花。赤だけでなく白もあり、1~3つセットくらいでベルのように吊り下がっています。今年は実をぜひ味わってみたいので、秋に見つけるのが楽しみです。

コヨウラクツツジの実。ほとんど花は散っていました。花の時は下向きなのに、実になると上を向く不思議。しかも図鑑をみるかぎり、実は緑色のままのようで、花のほうがよほど実らしい。

エゾスグリの花。うちの裏にも勝手に生えているフサスグリ(カリンズ)の在来種バージョン。花は色も形も違いますが、実はほぼ同じ見た目で食用になります。

道中あちこちで見つけた葉に赤みを帯びたツツジ科と思われる低木。

今年のつぼみと、去年の乾燥した実が残っていました。おそらくハナヒリノキ? 葉の先端が赤みを帯びているのは、まだ萌え出て間もない若葉だからのようです。

イチゴの花だと思われるものの、葉っぱが手のひら型で見覚えのない種類。なぜか図鑑に載っていませんでしたが、Google Lensに頼ったらホロムイイチゴらしいと分かりました。海外ではクラウドベリーとして知られているとか。

6/6に来た時から気になっていた謎の赤い木の実。よく見ると大量に生えています。前回の推測どおりアカミノイヌツゲと思われます。

日本全国に分布する本来のイヌツゲは黒い実なのに対し、本州中部以北のアカミノイヌツゲは赤い実です。

葉脈が一本だけ見える光沢のある葉っぱで、ふちにわずかにギザギザがあるのが特徴。

今日のシダ。シノブカグマ発見! ヤマドリゼンマイ、オオバショリマ、ヤマソテツ等

自然豊かな山奥に来る楽しみの一つは、普段見られないさまざまな種類のシダが自生していることです。道北はシダの種類は多くありませんが、観察できる機会は多く、初心者として経験を積むのにうってつけです。

毎年ここで見かけるヒカゲノカズラ。胞子嚢穂が立ち上がり始めていて、さながら花が咲く前のつぼみのようでした。

ヤマドリゼンマイの胞子葉。少し前に山菜として芽を採ったこともあるヤマドリゼンマイですが、もうこんなに巨大に葉を開いていました。シダの成長はあっという間です。

芽の段階で異彩を放っていた男ゼンマイは、オレンジ色の胞子葉に成長しました。

女ゼンマイは栄養葉になります。葉はクサソテツ(コゴミ)やイヌガンソクなどと似た、シンプルな裂片の2回羽状複葉。胞子葉がなければ何のシダかわかりにくそうです。

シラネワラビ。オシダと共に最も見る機会が多いシダとされていますが、なぜかわたしは観察機会が少ないです。普段歩いている森で全然見かけませんが、リョウメンシダなどと間違えてスルーしているだけかも。

オクヤマシダと似ている、と図鑑には説明されていますが、オクヤマシダが五角形なのに対し、シラネワラビはもっと葉が縦に長く、リョウメンシダのほうに似て見えます。

ソーラスは円形に巻いていますが、視力検査のランドルト環のように隙間がありますいます。

裂片の先端はのぎ状になって尖っています。これがオクヤマシダに似ているポイントですが、後述のとおり、オクヤマシダは袋状の鱗片もあるので間違えません。

軸にはちょっとだけ鱗片がついています。

続いて大量に群生しているオクヤマシダ。わたしが普段歩いている森では見ないので貴重な観察機会です。

上述のとおり、シラネワラビと似ているとされがちですが、葉が五角形なので、どちらかというとホソバナライシダのほうが似て見えます。

軸がかなり長く、葉そのものより長い柄になっています。鱗片は少しついています。

裂片の先がシラネワラビと同じく、のぎ状になって尖っています。しかし、葉裏に点々と袋状の鱗片がついているのでオクヤマシダだと区別できます。

ちなみにホソバナライシダも葉全体の形が五角形で、袋状の鱗片があり、ソーラスも似ていますが、裂片の先がのぎ状になっていないことで見分けられます。

おそらくオオバショリマだと思われる白い毛深いシダ。白い毛深いシダは他にハクモウイノデがありますが、北海道にはごくまれにしか存在しないので違うでしょう。

図鑑によると、オオバショリマは黄褐色の鱗片とされていますが、白い毛が多いという情報あります

ホソイノデなど芽出しの時に白っぽく見えるシダは他にもありますが、オオバショリマは接写レンズで見ても明らかに真っ白な鱗片が密生しています。

ただ手でこすってみたら鱗片が落ちたので、成長とともに減るのかもしれません。ネット上の写真を見ても、成長した大きな葉の場合、鱗片が少ない写真が多いのはそのせいかも。

近くにあった、すでに開いている葉。鱗片が少なく見えます。ヤマドリゼンマイやクサソテツのようなあまり特徴のない2回羽状複葉。

そもそもショリマ(ソロマ)はアイヌ語でクサソテツを指す語だったらしいので、似ているのは当然かもしれません。

ところがなぜかショリマはヒメシダの別名になってしまい、ヒメシダ科の中でも大型のこのシダがオオバショリマと呼ばれるようになりました。しかし本来のショリマであるクサソテツよりは小さいという矛盾が生じてしまっています。

イヌワラビ?と思われるシダ。あまり自信がありません。北海道の分布は道央以南と図鑑に書かれているからです。かといって、ヤマイヌワラビのような紫色の軸ではありません。

写真を後から見ると、なんとなく最下羽片が一番長いようにも見えます。だとすればサトメシダやコシノサトメシダの可能性もある?

下のほうの裂片には軸があります。

ソーラスはイヌワラビを思わせるスマートなハの字。

軸は完全に緑色で鱗片がついています。

近くにあった芽出しの状態のもの。イヌワラビの仲間に多い葉の展開の仕方に見えます。経験値が足りないため、これ以上は不明。

謎の小型シダ。小さなヤマソテツ?

そして今日初めて同定できて嬉しかったシノブカグマ。葉柄に黒褐色の鱗片が密生するカッコいいシダなので、前々から気になっていました。分布図からしても、近所にあるだろうと期待していました。

オシダ科カナワラビ属とのことで、リョウメンシダと近縁。

そのせいか、葉全体の形はとてもよく似ています。上の写真の右上にかろうじて写っているように、最下羽片の下向き(写真では上向き)第一小羽片が長い点がリョウメンシダと同じ。

しかし、リョウメンシダがいかにも柔らかい「紙質」の黄緑色の葉なのに対し、シノブカグマは「革質」の深緑の葉で、明らかに力強い雰囲気があります。

裏面のソーラスもかなり違っていて、赤茶色で目立ちます。

写真ではわかりにくいですが、図鑑によると、葉裏にあるソーラス以外の点々は袋状の鱗片らしいです。

最大の特徴は、軸に密生する赤茶色の鱗片。図鑑では黒褐色となっていますが、個人的には毛深い赤毛の男性を思わせます。

その近くにはとても毛深いワラビのような形をした、シノブカグマの芽がありました。「カナワラビ属」という名前だけあって、芽出しはワラビに似ているということなのかもしれません。

そこで思い出しましたが、この芽は、家の近所の森で5/20に見たの毛深いワラビのような芽とよく似ています。

改めて写真を確認してみると、リョウメンシダにしては毛深すぎ、シノブカグマにしては色が薄いように見えます。オシダ科の近縁の何かの芽だったのかもしれません。

しかし、リョウメンシダでも毛深い芽の写真がありました。また、シノブカグマの生息地である「山地の林内、特に針葉樹林下」に当てはまる場所なので、シノブカグマだった可能性もあります。

残念ながら、当該の場所は、今はもう密林のようになってしまっていて、春先にしか侵入できません。

毎年、ここに来て見るのを楽しみにしているヤマソテツ。簡単に見分けられるシダなので親しみやすく、いかなも中生代を思わせるデザインのとりこになります。

ちょうど葉が開き始めた頃合いだったので、カメレオンのような渦巻きフィドルヘッドを思う存分に堪能できました。

この細いくねくねした葉は魚の骨のような形の胞子葉。

近所の森には、形や特徴が少し似ているシシガシラが生えていますが、そういえば芽出しの様子は観察できませんでした。図鑑の写真だと、特に芽出しが似ている様子はありませんが、赤みを帯びてきれいなので見てみたかったです。

2021/06/22火

キハダの花、ホオノキ、ヤマグワの実、モズの地鳴き

昨日は一時的に脱水状態になって山下りしたせいで、ものすごく疲れました…。なのに、今日は今日で農作業が待っている。灼熱のビニールハウス内で働かなければなりません。

かなり疲れていましたが、動いているうちに、多少元気が戻ってきたのはよかったです。ニンニク花芽摘み、トマトの吊り下げ、レタスの定植などを頑張りました。

冬に作ったシイタケ原木の保管所。まだキノコは生え始めていません。

友人宅のホオノキの花はもう散って、実が大きくなり始めていました。今年も熟した実をぜひお茶にして飲みたいです。

帰りに夕日がきれいなスポットに寄ってみました。

ひっそりとキハダ並木がある場所ですが、キハダの花はもう散って、ほとんど実に変化しかけているように見えました。

ところが、調べてみたら、キハダの花は雌雄異株で、これは雄花のようです。確かに雄しべが見えます。では実のように見えるのはいったい?

こちらのサイトによると、おそらくつぼみか、花弁が開いていない雄花なのかもしれません。

一方、あとで写真を見てみると、雄しべのない花もありました。

上記サイトの説明からすると、こちらは雌花でした。上の写真の雄しべが落ちた後、この実のようになるのだと思っていましたが、雌雄別々の花だったようです。

秋に実を採った枝の低い木にも花があって、花弁が剥がれて中の子房?が見えているのが多く、若干、実に変化しているように見えました。

てっきり、もう花が散って実になりかかっているという認識で見ていたのですが、改めて図鑑を調べると6~7月に開花とされていました。

ということは、上の写真の雄花はつぼみまたは開花期で、下の写真の雌花も、花が散って実になりかけているわけではなく、もともとこういう形の花なのです。想像以上に地味な花でした。

キハダの並木のすぐ下には、丈の低いヤマグワの雌株もありました。こちらはもう完全に実に変化して、これから熟そうとしています。

上空をオオジシギがしきりに飛び回っていて、ズビャークズビャークとけたたましく鳴いています。

それとは別に、ジジジジジというくっきりとした声が木立から聞こえてきます。水揚げした魚がはねるようにビチビチビチという音にも聞こえるほど、明瞭で鋭い鳴き声です。

素早い動きの鳥で、視界に入るとすぐ逃げてしまいますが、一瞬だけ動画に撮れました。

後で調べてみると、久しぶりのモズでした。モズの地鳴きがあんなに迫力のある音だとは。また一つ勉強になりました。

スカッと晴れ上がった空に沈む夕日は、斜陽にもかかわらず力強く光り輝いていました。昨日は夏至でしたから、今が一番、太陽の力が満ち満ちている時です。

もう7時前ですが、そうとは思えないくらい明るい。夕日が沈むところまで見たい気持ちもありましたが、疲れ果てているので無理せず帰りました。

庭にできていたイチゴ。とても美味しく熟しますが、採れる量に対し、栽培スペースを広く取りすぎるので、来年は作らないかも。

途中の道路脇で少量だけ採取できたハリエンジュの花。なんとか一度はシロップの味見ができそうです。

ということで、ハリエンジュのシロップ作成。

ところがなぜか肝心の香りがしない。去年みたいに煮込んで香りを飛ばしてしまったというわけではなく、摘んだ時から香りがしませんでした。

でもシロップに桃のような味はついている謎。味は美味しいからまあいいけれど。

まだつぼみ状態の房もあったから、香りを放つ前の状態だったとかでしょうか? でもハリエンジュ自体は一週間くらい前から各所で咲いているので、遅かったならともかく早すぎるのは意外です。

トクサの新芽も乾燥したのでお茶にしてみました。

お湯を淹れると、黄色っぽい色が出ます。味はかすかにあるような無いような。ほとんど特徴がありませんが、不味いことはなく、気軽に飲めるようなお茶で、そこそこ好みです。

2021/06/24木

クモキリソウ開花、コバノイチヤクソウは咲かない

先週頑張りすぎたからか、もしくは今週になって気温が上がっているからか、ここ数日ずっと体調が悪いです。

でも、体調が悪い時に家にこもっていたら余計悪化するのが経験からわかっているので森歩きに行きました。気温は25℃弱あるのでかなり暑い…。

ヤマブドウの雌花。今年は実が多そう。

エゾイチゴも咲いている花がかなり多いので、これもまた実り多い年かもしれません。多いというより、去年があからさまに少なすぎただけだと思いますが。

湿地のコケ地帯を歩いているとき、今日も突然動く大きなエゾアカガエルに驚かされました。

クモキリソウがいつの間にか開花。つぼみすら気づいていませんでした。去年の日記によると、6/30に開花しているのを見つけていますね。

まだ上部はつぼみで、下のほうから順に咲き始めています。

緑色で目立たないですが、接写で見ると、ランらしい形をしていて、かなり好きな花です。

先日見つけたコバノイチヤクソウはまだ咲く気配なし。咲く前に株が消えそう。すでに5株しか見当たらなくなっていました…。ベニバナイチヤクソウの花は全部消えてしまいました。

場所が場所だけに、人に踏み荒らされるかシカに踏み荒らされるか時間の問題。この一帯はエゾシカの通り道になっていて、足跡が地面をえぐっています。

周囲にベニバナイチヤクソウやコバノイチヤクソウの群生地があるのかもしれない、と思って、ササやぶの中に入って少し調べてみましたが、一本たりとも見つけられませんでした。

いったいこのイチヤクソウの花々はどこから現れたものなのだろう…。全国的にみれば、イチヤクソウは決して希少な花ではなく、見渡す限りの群生地さえありますが、わたしの行動範囲内では希少種です。

帰り道。ルイヨウショウマもつややかな実をならせていました。

写真に撮るのを忘れましたが、トクサの新芽をかなりたくさん摘んできました。昨日トクサ茶を飲んでみた感じ、普通に美味しかったので。

トクサの芽は手で引っ張るだけでスポンと抜けるし、植物らしからぬ棒状なので束ねて片手で持ち歩きやすく、ハサミや袋を持参していなくても簡単に採取できるのが強みです。

初めてのウサギシダ群生! イヌガンソクの胞子葉

去年初めてクジャクシダを発見した山肌の端っこに群生していた見慣れないシダ。今まで気に留めていませんでしたが、他のシダとは違って見えます。

葉全体は五角形っぽい形で、かなり小さい。それに当てはまるシダで、今までこの森で見たことがあるのは、ホソバナライシダのみ。もしオクヤマシダなら、この場所では新発見。

しかし、葉の形は五角形というより三角形では? 三出複葉にも見える展開の仕方。それに、何より葉の裂片の形状が、ホソバナライシダやオクヤマシダではない。これは新種かも!と胸が高鳴ります。

裂片の拡大。オクヤマシダのようなのぎ状の鋸歯も、ホソバナライシダのような裂け目もありません。そして両者の特徴である袋状の鱗片もありません。これは今まで見たことのないシダで間違いない。

暗くてわかりにくいですが、手で触れているのが葉柄の軸。葉そのものと同じくらいの長さがあります。オクヤマシダでも同様の特徴がありますが、すでに見たとおり、オクヤマシダではありません。

小さい三角形のシダで三出複葉状、というのは以前にシダ図鑑で見たことがあるウサギシダの特徴です。帰ってから、かなり確信を持って調べてみたら、特徴が一致!

近隣に自生しているらしいことは分布図から知っていましたが、実際に発見できたのは初めて。とても嬉しかった!

近縁にイワウサギシダというシダがありますが、そちらは葉身が面長で、縦に間延びしたような形だそうです。今回のはスマートな三角形なので無印ウサギシダでしょう。イワウサギシダも少し少なめながら、近隣に自生してはいるそうです。

てっきり三出複葉状の左右の羽片を、ウサギの耳にたとえてウサギシダと呼ばれるのかな、と思っていました。しかし調べてみると、葉が枯れて落ちた後の葉柄の断面が、ウサギの口の形に似ていることが由来なのだとか。マイナーすぎて恐ろしい。

ほかに気になったのはイヌガンソク。葉は超巨大に成長。

それと比べると胞子葉が小さすぎる! クサソテツも似た胞子葉を出しますが、葉と比べた大きさの比率がもっと大きいです。

しかしイヌガンソクの胞子葉は、見た目ほど小さいことはなく、手を添えてみると、下手な中型シダくらいのサイズはあります。つまりイヌガンソクの栄養葉が巨大すぎて、胞子葉が小さく見えてしまっているだけです。

この胞子葉は去年のもので、本年度の胞子葉はその下から芽生え始めているところでした。ヤマドリゼンマイなど胞子葉が先に伸びるシダもあれば、イヌガンソクのように後から伸びるシダもあるんですね。

全体から比べると非常に小さく見える本年度の胞子葉の芽も、手を添えてみると、普通のシダのフィドルヘッドと同じくらいの大きさはあります。

巨大な葉っぱで、葉がシンプルな2回羽状複葉(つまりオシダやクサソテツに似ている)、そして葉裏にソーラスがなく、前年度や本年度の胞子葉があれば、クサソテツかイヌガンソクの二択。

そして茎が毛深く、茎の内側にクサソテツの特徴である凹みがなければ、イヌガンソクだと同定できます。

シダを観察し始めたころは、どれがイヌガンソクなのか全然わかりませんでした。けれども、今となっては、これらの特徴を見ないでも、全体の雰囲気や色合いから、なんとなくイヌガンソクだとわかるほどで、かなり親しみやすいシダです。

2021/06/25金

エゾノウワミズザクラ、シウリザクラの実

午前中、いつも早く起きてしまって寝不足。睡眠麻痺が起こると、二度寝すれば何度も繰り返してひどいことになるので、一度起きてしまうしかありません。落ち着いてから寝ようにも、近所で工事が始まってしまい、騒音で寝られませんでした。

仕方ないので、この機会に、先日の健康診断で軽く引っかかった腎臓関係の問題について、病院を受診することにしました。かなり待たされましたが、特に大事もなく、少量の服薬で済みそうです。

午後からは、かなり疲れていたものの、畑仕事に。トマトのアーチのネット張りなどを手伝いました。

道中で確認してきたエゾノウワミズザクラの実。本来房状になっているはずですが、実がほとんど落ちてしまっていました。まだ熟してもいないのになぜ? しかしネットで写真を検索しても、まばらにしか残っていないのが多いのでそういうものなのかも。

葉はこんな形。シウリザクラと違って、葉の付け根はハート型にくぼみません。

下の写真がシウリザクラ。こちらは実がまだたくさんついていました。エゾノウワミズザクラと同様にすぐ減ってしまうのかは不明。花期が3週間くらい遅いので、実のなりはじめも遅れていたはずです。

葉の形は、付け根がハート型にくぼむことが多いが特徴で、写真に写っている数枚の葉も、右の1枚を除いてくぼみが確認できます。

こうして比較してみると、葉の形や色がかなり違うんですね。シウリザクラのほうが葉の緑色が濃く、形も長細いです。

ちなみに次の写真は、翌日に見たウワミズザクラの実。たくさん実が残っていますし、形も少し楕円形に見えます。全体的にサイズが小さく、特に葉は半分程度の大きさに感じました。

シウリザクラの近くに生えていたブドウのつるの雄花の写真も。

朝早く起きたまま病院と畑仕事で疲れて頭痛がするので今日はおとなしく早く寝ます。

2021/06/26土

ジンヨウイチヤクソウが実に。イヌエンジュはつぼみ

暑いせいか、疲れが出てるのか体調が悪いです。今日は無理せず、森の入り口でクルマバソウを摘んだだけでした。クルマバソウはもう実になっていて、引っ付き虫だらけになりました。

すぐそばのジンヨウイチヤクソウの群生地の様子を見に行ったら実になりつつありました。

他のベニバナイチヤクソウ、コバノイチヤクソウは安定した群生地を発見できていませんが、これは撹乱されにくい場所なので今後も見られるでしょう。

ツツジ科らしい長い柱頭が印象的です。去年見たものも、この柱頭のおかげで、イチヤクソウの仲間だと見分けられました。先日のコヨウラクツツジも同じような長い柱頭を持っていました。

公園で見かけたイヌエンジュのつぼみ。どの木にもつぼみがついていたので、今年はしっかり花が咲きそうです。開花は7~8月だそうです。

乾燥させたササの葉のお茶。かすかに黄色い色が出ます。味や香りは薄い緑茶のようでした。先日のトクサ茶と一緒に出されても注意しないと違いがわからないと思います。

とはいえ、トクサと比べると、ササのほうがまだ、少しは味と香りがしっかり出ていて、お茶らしい雰囲気があるように思いました。

ところで、今日、岩尾内湖を通りかかったら、キャンプ場が異常に人でごった返していて驚きました。旭川方面からのレジャーで集まっているのでしょうか。道北とは思えないほどの人出でした。

緊急事態宣言解除後はじめての週末だから、だと思いますが、人々はこれで安全になったとでも思っているのでしょうか。わたしはもちろん、人混みには加わらず、信じられないという思いで横目で見るだけでした。

2021/06/27日

ハシドイやバイカウツギが開花

暑すぎて辛いです。自転車で走るだけでうだるような灼熱。体感温度40℃くらいあるのではと感じます。でも気温は28℃くらい。いったい東京や大阪の40℃をどうやって過ごしていたのか、今となっては思い出せません。

うちの近所のエゾノギシギシの花。外来種の雑草なのですが、なんとなく憐れみをかけて刈らずにおいたのが咲きました。周りの雑草は刈っているのに一株だけ残しておくと、何か特別な園芸種を植えているように見えないこともない。

こちらはしばらく前から庭の雑草のひとつとして彩りをもたらしている同じタデ科のヒメスイバ。赤い穂が青々とした芝生に映えて意外と美しい。

どうせ家の付近には外来種しか咲かないので、徹底的に草刈りするよりは、少しは残して外来種の花を楽しむ方向性で刈ることにしています。唯一、国産代表としてイタドリも残していますが、あまり増えません。

夕方、立ち寄った公園を散歩していると、ハシドイの木が先初めているのを見つけました。確かにライラックから一ヶ月後。先月はまだリラ冷えだったのだなぁと思い出されます。

ハシドイの葉。対生である以外にさして特徴がない。かえって特徴がないのがハシドイだと覚えておくといいかも。

バイカウツギも咲き始めていました。普段あまり気に留めていませんが、三行脈が目立ち、わずかに鋸歯のある葉。樹木はできるなら葉や幹や冬芽だけで見分けたいです。

シャクヤクも。ボタンと似ていますが、ボタンは木なのに対し、シャクヤクは毎年枯れます。個人的には、ボタンの葉の形をルイヨウボタンで覚えた(先が裂ける)ので、葉の形が違ったらシャクヤクだとみなすのが簡単。

公園のプラタナス(モミジバスズカケノキ)の木は、今年は全然花をつけていません。樹木にはたいてい裏年があることを、今年ヤチダモなどを観察して初めて知りました。

コンフリー(ヒレハリソウ)の花。よく野生化していますが、近年毒性があることが判明したので食用にできず残念です。

公園をサイクリングしていたら、カラスが苛立たしそうに鳴いていて、嫌な予感がしました。次の瞬間、飛び立った二羽のカラスが追いかけてきて、すぐ上で大声を張り上げて威嚇してきます。公園の真ん中に巣があるようで、散歩もできません。

暑すぎて熱中症になりそうなので、これ以上の寄り道はせず、一目散に家に逃げ帰りました。辛い季節がやってきました。

2021/06/28月

イタドリのやぶにコムクドリの群れ

体調がかなり悪く、朝から弱り果てていました。でも、今日は畑仕事です。外で動いているうちに元気になるかも、と考えて、心を奮い立たせて出かけました。

建物の点検をしているときに、裏の川沿いから喧騒が聞こえてくるなと思い見に行ったら、イタドリのやぶにのコムクドリの群れがいました。もしかするとここに巣があるのでしょうか。

ほっぺにチークパッチがあるコムクドリのオス。

コムクドリのメスが二羽。…と思ったら、よく見たら、右下のほうの鳥はくちばしが黄色です。コムクドリは普通くちばしは黒なので不可思議。

さらに見ていると、くちばしが黄色のコムクドリは、なぜか口をずっと開けています。もしかすると幼鳥では?

調べてみたら、やっぱり幼鳥はくちばしが黄色だと記載がありました。ということは、オオイタドリにいたのはコムクドリのご家族だったようです。

しかし、調べてみると、コムクドリは樹洞などに巣を作るタイプのようでした。ということはイタドリの巣の中に住んでいるとは考えにくいか。ご一家で外出中だったのかも。

動画を見返していると、もうひとつ、ムクドリではなさそうな謎の鳥がいました。ムクドリより体がスマート。冠羽がぼさぼさしてヒヨドリに似ていますが、頬の模様はありません。

いったい何者? Google Lens先生に訊いてみたら、オオヨシキリとの回答が。いることは知っていましたが初めて見ました。

上のコムクドリの動画のほうを改めて聞いてみると、オオヨシキリのけたたましい鳴き声が入っています。

聞きなしとしては、古くから、「ギョギョシ」や「ケケス」という音が当てられているようです。小林一茶いわく「行々子口から先に生まれたか」。

文字だけだとまったくイメージがわかないので、とにかく聞いて覚えるのが一番ですね。非常に騒々しくけたたましいので、すぐ覚えてしまいそうな気がします。

同じウグイス科にコヨシキリもいますが、オオヨシキリより数が少なく、頭が逆だっておらず、声もオオヨシキリほど特徴的ではないようなので、見つけにくそうです。

畑仕事はぼかし肥料の袋詰め。体力仕事でしたが、そんなに力を使わないので楽でした。昔のわたしなら重労働だったでしょうけれど。とはいえ、粉塵マスクを装着しながらだったので、息苦しさが少々大変でした。

畑ではアスパラガスの花が開花していました。キジカクシ科らしい目の細かい茎葉を茂らせた草むらに変貌していて、目立たない小さなベル状の花がぶら下がっています。

ベニバナインゲンの花も咲き始めていて、いよいよ植物たちにとっては成長著しい時期です。

人間にとっては辛い夏ですが、この夏の暑さのおかげで、ニンニク、マメ、トマトなどが育つことを思えば辛抱するしかありません。

ところで、最近、自然界についてふと思う良いところがありました。それは「サービス終了」がないということ。

昨今の娯楽は、アニメだったら最終回があり、スマホアプリだったらサービス終了があり、有名なIPでもコンテンツとしての終了がいつかはやってきます。アイドルだったら引退もします。

でも、自然界に関してはそれがない。あるとしたら開発による自生地の破壊くらいでしょうか。それは確かにショックですが、自然界全体としては生き延びるし回復もします。

基本的に自然界は、わたしたちの寿命よりはるかに長いスパンで、永遠に時をつむいでいくもの。毎年同じように現れては繰り返す命の連鎖。常に変わらず姿を見せてくれるという安心感があります。

そのような決して絶えない、失われない、自分より先になくなってしまわないという安心感こそ、安全基地としての拠り所に必要なものだと思います。

人間が作った商業コンテンツにのめりこみ、それを心の拠り所としていると、いつかは必ず別れがやってきて喪失や不信感がつのりますが、自然界はその心配がないのが、優れている点だと思うのです。

2021/06/29火

ついに見れたウリノキの花! オオカギバもいた

今日こそ、ウリノキの花が見られると信じ、宮の森を訪れました。

つぼみを見つけたのは6/7でした6/19にも見に行きましたが、まだ咲いていませんでした。

図鑑に書かれていた5~6月が花期との説明が当てにならないことを学びました。ウリノキは日本全国で咲く樹木なので、本州一般での開花時期とこの北の最果てとでは著しくずれがあるのでしょう。

それだけでなく、念のため、Twitterでウリノキについて検索したら、各地でも開花が遅いことを確認できました。九州でも、6/20ごろにやっと見頃になってきたというような内容もありました。

本当は先週の土曜日(26日)に開花を見に行こうと思っていましたが、この情報を知ってもう少し延期しようと思いました。

そして、つぼみを見つけてから、じつに三週間以上後の今日。気温は22℃。かろうじてまだ森歩きを楽しめる気温です。うっそうと茂る森は神秘的な美しさでした。

さっそくウリノキを見に行ってみたら、なんと、まだつぼみだらけでした! 道北での花期は7月と訂正すべきです。

でも、わずかながら、ぽつんぽつんと咲き始めていました。本当にわずかで、たくさんウリノキがあったのに、全部あわせても10に満たない数でした。それでも確かに花を見れたのです。

初めて見るウリノキの花。当初想像したものよりはるかに小ぶりな花でしたが、図鑑の説明どおり、3cmくらいまでは成長していました。手の大きさとの比較。

昔見たことがあるフニーバオバブのように、花弁がくるんと巻いて反り返った花が可愛らしいです。バナナの皮をむいたかのよう、という表現は少し違う気がします。もっといいたとえが思いつけばいいのですが。

まだまだ9割以上がつぼみなので、すべて開花したころに来たら壮観かもしれません。7月半ばごろでしょうか。もし涼しい日があれば見に来るかもしれません。

その付近のイラクサの葉に、見慣れない大きな白いガが止まっていました。後で調べてみたら、オオカギバという名前で、なんとウリノキを食草とする種だとわかりました!

生き物が無秩序に生きているわけではなく、互いにつながりあい、生態系を構築していることを知ると感動します。人間は自然を切り離して庭に植えたり、植物園に飾ったりしますが、森の中では命は互いに絡み合い、支え合って生きているのです。

その近くの、前回見つけた絶滅危惧種のサルメンエビネ。もう花は枯れかかっていました。

ネットで検索してみたら、この花の付け根の緑色に膨らんでいる部分が実なのかもしれません。無事に生き延びて数を増やしてほしいです。

オオハナウド、クリンソウ、ミツバウツギの面白い形の実

道中で見つけた他の植物いろいろ。

森の入り口のオオハナウドは、びっしり詰まった実をつけていました。まだ緑色でつやつや光っていてみずみずしいです。セリ科特有の虫の触覚のような2本に裂けた柱頭が目立ちます。

あちこちに点々と、紫色のキク科の花が咲いているのも見つけました。Google Lensで調べてみたらシオンと出ますが、シオンは北海道には分布していません。

道北で咲く紫色のキクといえば、ノコンギクとユウゼンギクですが、どちらも夏の終わりと初秋を告げる花のイメージがあります。

花の色が濃いことと、葉っぱの形からすると、外来種であるユウゼンギクのほうが可能性が高そうに思えます。調べてみると、ユウゼンギクは6月から咲く早生種もあるらしいのでそれかもしれません。

自生地を保護されている絶滅危惧Ⅱ類のクリンソウは、面白い形の実になっていました。

花の付け根の子房が膨らみ、がくに包まれたさくらんぼのような形になります。さくらんぼと違って、花柄のように見える部分は雌しべです。

前回見つけたミツバウツギも実になっていました。道北にあるミツバウツギ科の唯一の木ですが、実もまた珍しいハート型でした。

2つセットで実になっているからか、カエデ科の近縁と考えられているとの説明も見かけました。そういえばカエデもネグンドカエデやメグスリノキなど三出複葉に変化しているものがありますね。

しばらく登るとギョウジャニンニクの群生地がいくつかあり、花を咲かせている株も2つほど見つかりました。

ネギ属(アリウム)の仲間らしいネギ坊主。ギョウジャニンニクの自生地が限られている上、花が咲くまで7年くらいかかるので、そんなに頻繁に野生の花を見ることはありません。

春先にはギョウジャニンニクといささか紛らわしいバイケイソウは、せっかく成長した茎葉を枯らしていました。早起きして早寝するタイプの植物です。今年は残念ながら花は見かけませんでした。

大きすぎてパノラマで撮るしかなかったため、上のほうがボケているカツラの巨木。

写真だとわかりにくいですが、もっと驚いたのはカツラの左の細い幹。カツラに吊り下がるようにして伸びていたツル性樹木です。

色からしてサルナシかその仲間だと思います。しかし、ツル性樹木とは思えないほど幹が太く、人のウエストくらいあります。写真だとカツラの太さが伝わらないので、ツルもさほど太くなく見えてしまうのですが。

北海道森林管理局のサイトによると、太さが20cm、長さが30m以上になるものもある、とされていて、ちょうどこのようなツルのことを言うのでしょう。最大級のサルナシです。

目の届く範囲には葉も花も確認できず、はるか頭上のカツラの樹冠とともに生い茂っているようです。このカツラとサルナシは、いったいどれくらいの歳月共生し続けてきたのでしょう。

意外なことに、もうサラシナショウマのつぼみがあちこちに生え出ていました。去年、全然つぼみも花も見つからず、非常に発生が遅く感じた記憶があります。

しかし、日記を再確認してみたら、7/3に見つけたとあったので、ちょうど同じころでした。

去年、サラシナショウマが咲くのがやたらと遅く感じられたのは、コロナ禍が始まって事態の進展が遅くもどかしく感じられていたからでした。もっと早く国際社会が動いて解決に向かうと信じていたからです。

人間の感じ方は、そのときの状況と主観で変化します。しかし自然は、わたしの記憶よりはるかに時間に忠実で信頼できます。

森のいろんなところに、大きめの500円玉大カタツムリがいるのも見つけました。北海道には梅雨はありませんが、ああ6月だなぁとなんとなく感じます。ツルアジサイも咲いていることですし。

ウルシ界最強のツタウルシが群生していた…

ちょっと登っていくと、見慣れない葉っぱが林床を這っているのを見つけました。でも、それが何なのかすぐわかりました。ツタウルシです。

ツタウルシはわたしが住んでいる道北では唯一の三出複葉のツル性樹木です。くっきりした葉脈も目立つので、経験がなくても簡単に見分けられます。

思えばツタウルシを初めて見たのは、去年の秋、ここの森を訪れたときでした。入り口付近で赤く紅葉した三出複葉のつる性植物を見つけ、おそらくツタウルシだと直感したのでした。

それ以降、ツタウルシを見ることはまったくありませんでした。まさかここの森にこんなに群生しているとは思いもしませんでした。

ツタウルシはなぜか、わたしが普段歩いている森ではめったに見かけません。かつて駆除されてしまったのでしょうか? しかし他の有毒植物は普通に存在しているので、たまたまな気もします。

調べてみたら、落葉樹林に多いとのことでした。わたしが普段歩いている森は針葉樹林がベースなので、ツタウルシがあまり存在していない可能性がありそうです。

ウルシというと、学生時代、京大のキャンパス見学に行ったとき、なぜかウルシの専門家の講義を聞くことになりました。なんとなく面白いと感じたので、当時から樹木好きの予兆はあったのでしょう。

ツタウルシがかぶれるということは知っていましたが、手袋をしているので大丈夫だと考え、少しだけ触って葉の裏などを見てしまいました。

幸い、かぶれはしませんでしたが、後で調べてみると早まったことをしたと感じました。なんでもツタウルシはウルシ属の中で最強で、近くを歩いただけで、またゴム手袋をしていてもかぶれる人もいるそうです。

成長したツタウルシは簡単に見分けられます。しかし、幼木のときは、葉の形が違っていて、わかりにくいそうです。

ネットで調べてみたら、ギザギザがあって、ツタの葉に似ていると書かれていました。道北にはツタは存在せず、同じブドウ科のヤマブドウがあるだけなので、見分けにくいという実感は湧きません。

見分けるポイントのひとつは、ウルシは葉がツルから立ち上がっていることだそうです。たまたまその様子を写真に撮っていました。確かにウルシの葉は葉柄が長くて立ち上がっています。

森歩きは楽しいですが、こうした危険な動植物が存在することは決して忘れるわけにはいきません。イラクサ、マムシグサ、トリカブト、ツタウルシなど。やはり全身防備は欠かせません。

夏の森の美味な黄金キノコ、タモギタケ発見!

今日歩いたのは、今まで行ったことのなかった、森を頂上までぐるりと一周する道でした。

前にヒグマらしい気配というか声がしたところも通るので、蚊取り線香も炊いて慎重に進みました。幸いにしてヒグマのフンも見ませんでしたし、気配もありませんでした。

尾根っぽい部分をしばらく歩いて、全然降りる道に着かないな、と不安になっていたところで、ふと道の脇の倒木に黄色いものが見えました。

見た瞬間、思わず声を出してしまいました。タモギタケだ!

タモギタケは幻のキノコでした。北海道ではよく生える有名な食用キノコなのですが、なぜか一度も見かけたことがなかったからです。

ハルニレ、ヤチダモ、カエデなど広葉樹の倒木に生えるため、わたしが普段歩く森では少ないのかもしれません。

真夏の暑い時期に発生するレモンイエローのキノコ、ということは覚えていて、どこかに生えていないものかとずっと探していました。まさかこんなところで出会えるとは!

しかも非常に状態のいいタモギタケ。タモギタケは足が早いと言われますが、今日みつけたのは幼菌から成菌の、まさに食べごろのものばかり。

サイズはどれも傘の直径が4cm程度でした。

初めて見つけたため、これが本当にタモギタケなのか9割くらいしか確信がありませんでした。でも、詳しくは帰ってから調べることにして、塊を3つほど採取してきました。

さっきまでヒグマに警戒していたのに、夢中になって写真を採り、多少茂みに入ってでも採取しました。でも後から知ったことですが、タモギタケはヒグマの好物らしい…。油断は禁物だと学びました。

たくさん写真を採っておいたので、帰ってから調べてみたら、画像検索で比較するだけで、タモギタケだと容易に確認できました。

さらに詳しく調べてみると、

・広葉樹の倒木に生える
・夏の暑い時期に発生
・傘はレモンイエロー
・傘の中心が凹む
・傘の裏と柄は白い
・傘の裏のひだが長く、柄まで伸びている
・傘の直径は2~6cm程度
・似ている毒キノコはない
・複数が集まって生え、基部で合着
・穀粉の匂いがする

といった特徴があり、全部一致していたので間違いないと考えました。穀粉臭については、穀粉らしいかと言われるとよくわかりませんでしたが、確かに刺激臭でも菌臭でもない穏やかな匂いがありました。

念願の天然タモギタケ。今や栽培品も広く売られていて、道北でも愛別産が有名なので、無理して野生のものを採ってくる必要はないのかもしれませんが、それでも嬉しいです。

調理する前に、まず塩水に10分ほど漬けて虫出し。それから、旨味が凝縮されているのでいい出し汁が取れるとのことだったので、鍋物やうどんに入れてみました。

残念ながら鮮やかな黄色は抜けてしまいますが、食べてると、しこしことした弾力性のある歯ごたえがかなり美味しい。味もしっかりと出ていて、美味なキノコでした。天ぷらなども美味しいとされるのでいつか試してみたいです。

やっぱり天然物のキノコを見つけて食べるのは格別。早く暑い夏が終わって秋にならないかな。でもまだ夏のうちにまたタモギタケを見つけたい気もします。ヒグマには気をつけつつ。

2021/06/30水

6月のまとめ

リラ冷えに始まり、ついに暑い夏が到来したことを実感した6月も終わりました。今年もこれで折り返し地点。思ったより時間が過ぎるのが早いです。

この6月は、友人が帯状疱疹に倒れるなどしたため、畑仕事が忙しかったです。でもおかげで、わたしが体力においても農業の経験においても、この3年で進歩できたことを知る機会が得られました。

体力的に充実し、非常に忙しく過ごせた時期もあれば、疲れや気温変化や草刈りアレルギーや工事の騒音のせいで低調な時期もありました。でも全体としては順調でした。

自然観察も順調でした。新たな経験をたくさん積めました。ミヤマカラスアゲハ、エゾサンショウウオ、ツツドリ、オオヨシキリなど、存在は知っていても観察したことのなかった生き物をついに写真に収めることができました。

ヤマブキショウマ、タチギボウシ、ヒトリシズカなどの新たな群生地を発見でき、来年につながる成果が得られました。

新たに味見してみた山菜類に、ウワミズザクラのつぼみ、ダイコンソウ、ヤマドリゼンマイ、エゾワサビの根が加わりました。そして何より、タモギタケをついに発見して味わうことができました。

去年わずかしか見ることのできなかったイチヤクソウの仲間をたくさん発見できました。ジンヨウイチヤクソウの群生地を見つけたのは特に嬉しかった点です。

クリンソウ、ミツバウツギ、ツタウルシ、ウリノキ、サルメンエビネなど新しい植物との出会いもたくさんありました。シダ好きとしては、シノブカグマ、ウサギシダを発見できたのが嬉しかったです。

道北に住んで3年目になり、ほとんど同じような場所ばかりうろうろしているのに、これほどの発見があります。どれもかけがえない出会いです。友達が増えたような気持ちになり、生活が豊かになっていると感じます。

ジョン・ミューアの本も1冊読めました。2冊目も1/3読みましたが、腰を据えて読む時間が元気は今のところまだありません。ともあれ無理はせずともマイペースでいいでしょう。

明日7/1はついにワクチンの申し込みです。指定日がいつになるのか気になります。おそらく7月後半から8月になるでしょう。

まだまだ大変な時期は続きますが、こうして充実した毎日を過ごせていれば、あっという間に日は過ぎるでしょう。

これから2ヶ月ほど暑い夏が続きますが、辛抱強く畑仕事に携わって、ときどき森に出かけ、一日一日着実に進んでいきたいです。

 

先月・翌月へのリンク

2021年5月の道北暮らし自然観察日記
2021年5月の自然観察を中心とした記録
2021年7月の道北暮らし自然観察日記
2021年7月の自然観察を中心とした記録

>道北暮らし自然観察日記の一覧に戻る

 

投稿日2021.06.02