2021年6月の道北暮らし自然観察日記

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2021年5月の道北暮らし自然観察日記
2021年5月の自然観察を中心とした記録

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もくじ

2021/06/01火

ウド採取、ギョウジャニンニクのつぼみなど

外出のついでに友人宅に寄って、去年から約束してあったウドを届けることにしたので、出かける前に森にウドを探しに行きました。

何人かに届けるので16本ほど採取しましたが、一箇所から採らないように、3分の1しか採らないように注意しました。

途中、ワラビの群生地を通りかかりましたが、なぜか一本だけしか見当たりませんでした。もう成長している頃なので、今年は生えないのでしょうか。ワラビは採取する気がないとはいえ不思議。

その近くに、去年クジャクシダを見た場所があるので、探してみたら、今年も小さなクジャクシダが生えてきていました。この調子で群生してくれると面白いのにな。(と考えていたこの頃は、翌日に巨大クジャクシダの群生を見つけるとは思いもしないのだった)

その同じ山肌に生えていた謎の葉っぱ。小さな単葉が密生していました。このような葉の植物がまったく思い当たらないので謎。後日また観察してみたいけれど、草が多くなってから再発見できるかどうか。

昨日謎のシダだと思っていたものは、改めて近くを調べてみたら大きいバージョンと思われるシダがあり、ソーラスもついていました。多分小型のエゾメシダだったようです。

森の中で見つけた小さなガ。Google Lens先生によるとニワトコドクガという名前のようです。確かにニワトコの木はたくさんあります。…ところが、調べてみると北海道には分布しない?

改めてもう一度Google Lensで調べてみたら、ミミモンエダシャクというのもそっくり。ハルニレやオヒョウニレが食草らしく、上の写真の背景にも写っています。たぶんこちらが正しい。

Google Lensが間違っていたというより、ミミモンエダシャクを間違ってニワトコドクガだと同定しているサイトがあるようですね。両者は似ているとはいえ、模様の位置が違います。

このガを撮ろうとしてカメラの電源をつけようとしたら軌道しない。もうバッテリーが切れたの?と思ったら、なんと底の蓋が開いて、バッテリーパックが消え去ってしました。森の中にバッテリーを落としてしまった!

さすがにもうこれは見つからないと思いました。歩いた道はわかっているとはいえ、森のうっそうと茂った葉の中に落ちた小さなバッテリーを発見できるのか。新しいのを注文して買うしかないのでは?

でも、一応引き返して探してみることにしました。時間がなかったので、早足で一度だけ見てみるつもりで。

考えられる場所としては、山肌の上のウドを採るためにジャンプしてよじ登ったところ。激しい動きをしたから、そのとき落ちたのかも。

しかしてウド地帯まで来たら、確かにそこに落ちていました! ジャンプした場所かまでは確かめなかったけれど、その周辺でした。本当に見つかるなんて驚きです。

今まで森では、タオル2枚、カメラ用接写レンズ、手袋、そして今回のバッテリーパックと何度も落とし物をしていますが、不思議なことに全部発見てできています。注意力があるのかないのか。

少なくとも森で何か捜し物をするときの観察力はかなりのものでしょう。落とし物であっても植物であっても。

急いで森を歩いたので汗をかきましたが、無事に時間どおり友人宅に行き、ウドも届けて回ることができました。ウドを食べるのは2年ぶりととても喜んでくれました。

友人宅のイチョウの葉が芽吹いていました。

ホオノキもつぼみが現れて、もうすぐ咲きそう。

ギョウジャニンニクのつぼみ。

ビニールハウスのルッコラの花。葉も花も食べれます。

レタスの葉にひそんでいたエゾアカガエル。

ヤマブキショウマの群生地を発見!

帰りに車でイラクサ採りなどした林道に寄って、ウドが生えていないか探しました。

秋にこの林道でたくさんウドの花を見た覚えがあるので、ウド採りのスポットとして目をつけていたのですが、これまで一本も混みつけていません。確実な場所を覚えていなかったこともあるけれど、周囲の草丈が高くてわからかないのだと思われます。

ここの林道には以前ガイドさんにウダイカンバだと教えてもらった木が生えています。確かに葉を見てみたらハート型をしています。

でも幹がシラカバっぽくて、わたしだったらウダイカンバだと気づかないでしょう。この写真の幹の下のほうはウダイカンバらしく見えますが、冬に森の中でウダイカンバだと思った木は全体がそのような樹皮でした。

林道脇はかなり自然度が高く、オオウバユリもタラノキもマムシグサも生えているのに、なぜかウドが見つからない。

目を皿のようにして、注意深く探しながら運転していると、林道の終わりあたりに、ついに見つけた! 道路脇の側溝の向こうの山肌のようなところに、数本が固まって生えていました。

よく見ると、その上の手の届かない場所にも何本かあるので、3分の1ということで2本もらいました。朝に16本も採ったのに、友達5人に配ってすっからかんになってしまって、わたしも食べたかったので嬉しかったです。

そして、驚いたのが、その周辺がヤマブキショウマの大群生地だったこと。

こんなに生えているのに今までノーマークでした。今まで渓流のそば、滝のそばなど群生地はたくさん見つけているけれど最大規模。

芽出しの時期に食べると非常に美味しい食感なので、ぜひ覚えておいて、来年春に探したいです。

個人的な場所のメモ。林道のシャクの群生地側から入って、右側に階段のような構造がある場所の手前の左側の山肌。イラクサを採る場所よりも手前。

サイクリングで見つけたヤマナラシのつぼみ、クロミサンザシの木

帰ってから、長時間の運転で疲れていたので、サイクリングしてエネルギーを発散。夏至が近いので、8時ごろまで明るいため、まだまだ自然観察を楽しめます。引っ越してきた当初は夜中ばかりサイクリングしていたのに、すっかり明るいうちに走る健康的生活になりました。

秋にキクイモを掘った河川敷の堤防を走っていると、河原でのんびりしていたキツネと目が合って、驚いて走って逃げていきました。

立ち止まって夕日を背に振り返るキツネの神々しいこと。

去年この道の地面に赤みを帯びたロゼットが生えていて、なんだろうと思ったら一年目のメマツヨイグサでした。二年目の今年はロゼットからたくさん花茎が立ち上がって、花を咲かせようとしています。

ヤマナラシの木の枝に止まっていたニュウナイスズメのオス。ヤマナラシの花のつぼみ?らしきものも写っています。初めて見るのでなんだろう?と思いましたが、樹皮を確認したらヤマナラシでした。

先月、イラクサ、オドリコソウ、オオアマドコロ、クサソテツなどを採取しまくった河川敷の様子。もはやとても入れない密林に。

クサソテツがたくさん葉を開いているのもわかります。わたしが採ったとき、こんなに見つからなかったことからすると、思ったより時期遅れの採取場所のようです。他で取り逃しても10日後くらいまで採れそう。

堤防の上は舗装されていないので草が生え放題。どうせやぶには入らないと思って上半身は軽装で、手袋もしていなかったので、ダニが大丈夫か心配でした。しかも左右に1m級に成長したエゾイラクサの壁があり、もしバランスを崩して突っ込んだら大変! かなりスリリングなサイクリングです。

堤防の上に茂っていた謎の葉。

よく見ると、葉先が三つ股に分かれていて、外来種オオハンゴンソウだとわかります。この河川敷はかなり原生植物が残っているのですが、それも春だけのこと。夏以降は外来種が繁茂する棲み分け方になっています。

河原のうっそうとした密林の木を見ながら走っていたら、シラカバ、ヤナギ、ニワトコに混じって、サクラのような花を咲かせている木が。

立ち止まって望遠で見ると、なんと絶滅危惧種のクロミサンザシでした。こんな河川敷にも普通に自生しているくらい、ここでは一般的な木なんですね。

帰り道、アカエゾマツの並木についに芽が出ていたので試しにひとつむしって味見してみました。

エゾマツにはあまり似ておらず、トドマツのような薬品味がして、苦みがありました。後味は爽やかでしたが、アカエゾマツはシロップに向いていないかも。そのうち葉っぱの味でマツが見分けられるようになったりして。

今日採ってきたウドの天ぷら。2本だけですが、十分美味しかった。自然の恵みに感謝です。

2021/06/02水

ルイヨウボタン、オオバタケシマランの花

もう絶対咲いているはずのルイヨウボタン。しかし、一番近い群生地が、湿地帯のぬかるみの先にあるので、見に行く気になれないでいました。

もう一つ知っている場所はウドの群生地の奥で遠いですが、またウドを食べたかったので、山菜採りをかねて見に行ってみることにしました。

森の中の獣道。熊鈴を目一杯鳴らしながら歩きます。

この道の途中が、去年、この森で唯一オオバタケシマランの実を見たところ。その時まで、オオバタケシマランはこの森にはないと考えていました。

しかし、今年、新芽の時期から観察したことで、意外と多いことが判明。特に、ユキザサのような形で、茎が葉を貫通しているような見た目の葉は全部オオバタケシマランだと分かってからは、すぐ見分けられるようになりました。

今日も発見したのでめくってみたら、すでにオオバタケシマランのつぼみが。

咲きかけているのもありました。

去年の時点では、オオバタケシマラン、ユキザサ、オオアマドコロ、ホウチャクソウを見分ける手段は花か実を見るしかなく、どちらもないものはお手上げでした。

でも今年は山菜採りで特徴を調べたおかげで、どの季節でも判別できます。食べることを目的に調べると、本当に詳しくなれますね。

道中、エンレイソウの花は、ほぼすべて実になっていました。まだ小さい実です。

普段と違う少しぬかるんでいるルートを通ってみました。エゾアカガエルが大量発生するところです。今日も何匹か見かけましたがまだ少ない。

周辺のシダを観察しながら歩いていると、道の真ん中にタラノキの幼木が生えていました。木質化した茎はあるので2年目? 立派な葉を開いています。場所的に生き残れそうにはないですが。

目当ての場所まで行くと、狙い通り、ルイヨウボタンの花が咲いていました。もう傷んでいる花びらもあるので、一週間くらい前から咲いていたのかな、と思いました。

この六角形の面白いデザインの花が好きです。なんとなくレンコンを思わせるような中央部の造形です。

前に調べたように、見た目がそっくりなアメリカルイヨウボタンは「ブルーコホシュ」と呼ばれ、ネイティブアメリカンのハーブとして利用されてきました。

しかしブルーコホシュは安全性に疑問点があること、アイヌはルイヨウボタンを利用していなかったことも考えると、近縁種だからといって利用はできなさそうです。

ネイティブアメリカンは、キンポウゲ科のブラックコホシュというハーブも利用していて、その近縁種がルイヨウショウマやサラシナショウマです。しかしこちらも、特にアイヌの利用例がないので、同じようには使えないと思っておくのが無難そうです。

今日は午後から予定がありましたが、2時間の余裕があったので、かなりの距離を歩いて、森の中を一周して帰ってきても、15分前に間に合いました。

今日のシダ。巨大クジャクシダ、イワイヌワラビ?、イワガネゼンマイ、ホソバナライシダ等

たくさんシダを観察したのでその観察記録。

秋にゼンマイの葉を見つけた場所だったので、芽がないか探しましたが、見つかりませんでした。数が少ないので仕方ない。その代わり、面白いものがたくさん。

まず、今年もまた出会ってしまったこの謎のシダ。去年10/3に見つけて、謎だった小型シダ。今回もサイズは10cmくらい。しかし、他の特徴をたくさん観察できました。

葉の形は羽片の先が尖っていない独特の形。この形状から、ホソバシケシダかイワイヌワラビではないか、という話になっていました。

しかし前回同様、一番下の羽片が短いので、ホソバシケシダは否定されそうです。

葉裏には特にソーラスはなし。茎の下のほうにはわずかに鱗片があります。

去年は撮りそこねていた裂片の拡大写真。去年の写真では、もしかすると超小型のホソイノデ?という疑惑が浮上しましたが、拡大写真を見ると、裂片にノギがないので疑惑は払拭されました。

これらを総合するに、やはりイワイヌワラビの可能性が高いように感じます。こちらのサイトの羽片の拡大写真とふちの形がそっくり。確認されていないだけで北海道各地に分布しているのでは?という見解もありました。

次は葉身が三角形で3回羽状複葉のシダ。背景と同化していてわかりにくいですが。

はじめサトメシダっぽいと思ったのですが、最下羽片(画像だと一番上)の基部の下向き小羽片がハの字になっていて大きく、葉身全体の形は三角形というより五角形です。サトメシダだとここが逆に小さくい。

裂片を見てみると、

裏側には袋状の鱗片が確認できました。この時点で、よく見るホソバナライシダだとわかりました。オクヤマシダもよく似た形状で袋状の鱗片もありますが、裂片の先がノギ状なはずだから違う。

ホソバナライシダはよく見かけますが、葉っぱがしっかり展開する前は、こんなにスカスカで隙間が空いているように見えるんだ、というのが意外でした。

次はイワガネゼンマイ。イワガネソウかもしれないけれど、めったにないそうなので、たぶんイワガネゼンマイのほう。

特徴的な葉っぱなのですぐ見分けがつきますが、これまでもっと奥地でしか見たことがなく、この森にはないと思っていたので、これもまた意外で嬉しい発見でした。

次のは胞子葉の近くから生えた大きなシダ。胞子葉の形からして、クサソテツ(ガンソク)かイヌガンソクなのですが、春にさんざん山菜採りしたクサソテツっぽい茎ではないので、イヌガンソク。

非常に立派で巨大な2回羽状複葉の葉。

軸に毛があるのが特徴。毛深いほうが「イヌ」ガンソクだと覚えることにしています。

一方こちらが本家ガンソクことクサソテツ。大きさは同じくらいの2回羽状複葉。すっかり大きく成長しました。

確かにイヌガンソクに似ていますが、茎を見ると、山菜コゴミの特徴たる凹みが確認できます。山菜のときも大きくなってからも、茎を見れば判別は容易だったのですね。

根元に近い側のほうが、凹みが強く、コゴミの時そのままの印象です。全体的に毛はなく、根元に鱗片をまとっているだけです。

その近くで巨大な漏斗を形成していた別のシダ。

ほぼ3回羽状複葉で、裂片の先は丸みを帯びています。つまり、メシダやミヤマメシダではなさそう。

軸は緑色で、下のほうに大きなかつお節っぽい鱗片。クサソテツに似た色合い。

おそらくオオメシダであろう、と思いました。メシダと似ているものの裂片の形が異なっていて、山菜採りの時期からコゴミ(クサソテツ)に似ている色ですが、軸にコゴミのようなくぼみがありません。

今日一番驚いたのがこれ。巨大なクジャクシダの群生。ぬかるみ地帯をぬける手前、コゴミを採った場所の少し手前に、コゴミやオオメシダに混じって生えていました。

今までクジャクシダといえば、この森では昨日見たような小型のものしか見ておらず、他の場所でもせいぜい手のひらサイズでした。なのにこの巨大さ。

シダ観察を初めたころ、クジャクシダが全然見つからず、なぜだろうと思っていたところで手のひらサイズのを見つけ、こんなに小型だったのか、どうりで見つからないはずだ、と思ったものでした。

しかしこのクジャクシダは、当初わたしがイメージがしていたレベルの大きさで、クサソテツやイヌガンソクとも引けを取らないレベルです。

その背丈も驚くべき高さで、下の写真のとおり、軸だけで40から50cmはあります。図鑑の写真だと軸は20cmくらいなので、異常に大きく感じました。

いったい何年物のクジャクシダの株なのだろう? これからも刈られたり枯れたりせずに生き続けてほしいです。

最後に帰り道で見つけたヤマイヌワラビ。ソーラスができていました。細長い三日月型のソーラスですが、メシダよりもスマートで曲線美が感じられます。

 

エゾスジグロシロチョウ、ミヤマカラスアゲハ

森の中で見た昆虫いろいろ。

非常にホタルっぽい虫。一瞬しか撮れず、解像度も甘いのでホタルなのかわかりませんでしたが…。近所にもホタルがいるはずですが、夜中にヒグマが出るような川沿いを歩く度胸はありません。

ゴミムシの仲間? 朽木を食べるキマワリにも似ているけれど、背中の上部(首?)が2つに割れているのでナガゴミムシのほうが見た目が近い? 北海道にも色々な種類がいるようです。

アザミの葉に止まっていたエゾハルゼミ。よくツルアジサイやアザミに止まっている気がするのは何か意味があるのでしょうか。どこにでも止まるだけ?

エゾスジグロシロチョウ。前に調べた覚えがあるなと思ったら、去年も6/3に見ていました。季節の正確さってすごい。モンシロチョウと競合し、比較的森などに住んでいるらしい。コンロンソウなどアブラナ科を食草にするようです。

ミヤマカラスアゲハ。引っ越してきた当時から同じ場所付近で見かけるのですが、今年は高性能望遠カメラのおかげで、初めて写真に残せました。ミカン科が食草らしいので、近くに知らないキハダの木がありそう。

ミズナラ雌花、エゾゼンテイカ、トチノキ、アズキナシの花など

夕方に近所の公園や川沿いをサイクリングしてきました。橋から見下ろした小川の様子。冬は川のすぐそばまで降りていけますが、今はジャングルのようで、ヘビがいそうな雰囲気。

ミズナラの雌花。初めて見ましたが、非常に小さくて目立たない花です。雄花は垂れ下がるので目に入りますが、雌花はどんぐりのできる枝の先端を意識して観察して、2度見してようやく気づくレベル。サイズが極小で花とは思えません。

数日前から咲いていることは知っていたけれど、やっと写真に撮れたトチノキの花。去年は下枝まで大量に花をつけていましたが、今年は裏年なのか、上のほうに少しだけでした。

エゾゼンテイカが開花。つぼみもそろそろ採取して食べていいかも。

アズキナシの花も咲いていました。クロミサンザシと似ているけれど、葉や樹皮が全然違います。別名「ハカリノメ」は葉っぱのくっきりした葉脈か、樹皮の白い点が由来のようですが、どちらも確認できました。

ハリエンジュも若葉が芽生えて、つぼみもつけていました。まだ若々しい小さな葉ですが、二週間後くらいには満開に。

ミズキは、葉は完全に展開して、つぼみが準備万端。

池のほとりで見つけたガマの葉? 花がない時期に見るのは初めてなので、葉だけでは区別がつきません。しかし触ってみると、ベルトのような厚みと質感で、様々な用途に使われてきたのも不思議ではありません。

もう池にカモなんていないだろう、と油断して近づいたら、5羽くらいいたようで、接近に気づいて飛び去ってしまいました。人間に狩猟されてきた鳥だからか、警戒心がとても強いです。

採取したウドとウワミズザクラのつぼみを食べる

サイクリングの途中で見つけたウワミズザクラのつぼみ。花がもう満開なので時期遅れかとも思いましたが、ギリギリつぼみが残っていたのでいくつか採取。

新潟などでは杏仁子と呼ばれ、ウワミズザクラのつぼみや未熟果が塩漬け、醤油漬け、天ぷらなどで食されているとのことで、食べてみたいと思っていました。花が先終わった後の未熟果でもいいので急ぐ必要もなかったのですが。

森の中で採ってきたウドと一緒に天ぷらに。

ウワミズザクラのつぼみは苦味があるものの、クマリン特有の桜餅の香りが楽しめました。ちょっとした料理のアクセントにいいかも。

2021/06/03木

キツネは夏毛に。ダイコンソウをお茶にできるか試す

20℃を超えて暑いです。暑すぎて体調不良になりかけたので、林道でダイコンソウを摘むだけで帰ってきました。都会にいるころはクーラーに頼っていたので、20℃を超えるともう辛いです。

なぜダイコンソウかというと、アイヌがダイコンソウを風呂に入れて神経痛の薬にしていたということを知って調べてみたら、なんと食用になり、ハーブとしても使えると知ったからでした。

「水楊梅」という生薬としても知られているそうで、腎臓病や膀胱炎に効くらしく、いつもそのへんが調子悪いわたしにうってつけかもしれません。

海外ではセイヨウダイコンソウが「ゲウム」というハーブで知られているようで、画像検索してみたら、ダイコンソウという名前から連想される田舎っぽいイメージとは正反対の、垢抜けたオシャレな花でした。

いま身近に咲いているのはカラフトダイコンソウなので、同じように使えるのかは分かりません。でも、特に毒もなさそうだし、アイヌが利用していたのは確かそうなので、一度ハーブティーにしてみることに。

森に行って採ってこようと思ったら、途中で通りかかった林道に普通に生えていたので、何本か採ってきました。乾燥させてからお茶にしてみる予定です。

茎の途中から切ったので、ダイコンのような根生葉は採るのを忘れました。そっちを探したほうがよかったのだろうか…。暑くてゆっくり考えられませんでした。

ダイコンソウは茎全体に粗い毛があり、手袋をしていても、採取するときにチクチクしました。痛みのあるトゲではないですが、たわしのように触り方によってはチクチクする感じ。

この林道は在来種が多くねかなり自然豊かな場所に見えますが、一部にキバナオドリコソウと、ラミウム・マクラツムが繁殖していました。どちらもここでしか見ないので、誰かが捨てたんでしょうか。困ったものです。

昨秋、この林道にたくさんウドが生えているのを見て、今年採ろうと思って、目を皿のようにして探していましたが、全然見つけられませんでした。でも今日、やっと見つけられた!

ウドを探せ?

写真で見ると本当にわかりづらい。現地で見てもわかりづらい。でも確かに生えていたのです。上の写真にはウドがたぶん5本くらい写っています。一部を拡大してみる。

相当じっくり探してたら見つかるけれど、たぶん、誰も気づいていない。

道北にはこのように、人知れずウドが群生して、夏以降花や実のころにようやくわかる場所がたくさんあります。スピード出しすぎで景色も見ない人が多いから、特に道路脇は気付かれにくいです。

道端でぼーっとしていたキタキツネ。止まって写真を撮っても逃げませんでした。ついに夏毛に生え変わったのか、スマートになって精悍な顔つきです。暑い夏がすぐそこまで来ています。

暑すぎるのでずっと家の窓を開けていましたが、夜になると10℃を下回るくらいに冷え込みます。日中暑くても、夜は涼しいのが道北のいいところです。夏場は以前のように夜のサイクリングを再開するのもいいかも。

2021/06/04金

「森の聖者 自然保護の父ジョン・ミューア」読書メモ

100%雨なので読書します。

■序章
世界一の容積のジャイアントセコイアや、世界一の樹高のレッドウッドはカリフォルニアにある。ジャイアントセコイアの容積は、5ルームの家が40軒建ち、運ぶには30連結の貨物列車が必要なサイズ。冬に国立公園をクロスカントリースキーで歩いて回れるというのが羨ましい。うちならスノーシューだ。(p13-15)

■第一章
父ダニエルと3人の子どもたちは、1949年2月、スコットランドの港町ダンバーから、新天地アメリカの「ウィルダネス」へ向かう船に乗った。父はディサイブル教会に改宗し、伝道するために急に決断した。母と数人はダンバーに残った。(p21-28)

ウィルダネスとは、人為のまったく及んでいない「手つかずの原生自然」という意味。(p116)

■ジョン・ミューアは1938年4月、長男として生まれ、ダンバーの自然の中で遊ぶのが大好きだった。父は狂信的で厳格で、学校も虐待的だったが、自然の中で遊ぶことで乗り切ることができた。(p29-33)

■45日もの航海の末、親子はニューヨークに到着し、ウィスコンシン州に入植した。ヒッコリーの林、草原、湖、湿原がある土地だった。

「突然、私たちは無垢な荒野に飛びこみ、心あたたかな自然の洗礼を受けたのだった。これ以上の幸せが果たしてあっただろうか。私たちは、実はこのウィスコンシンの地で、そのときは気づいていなかったが、ずっとすばらしい授業を受けていたのだ。それは、あらゆる野生の授業であり、愛の授業であり、私たちを魅惑する授業だった。そこには、鞭などなかった。ああ、素敵なウィスコンシンよ!」(p38-39)

■他の家族を呼んだ後、開墾、畑仕事、除雪などは重労働で、しかも父の狂信性のための問題があったが、ジョンは聖書から反論することができた。当時の入植者は考えなしに土地を開拓し破壊していたが、ジョンは10代のころでさえそれを守ろうとした。(p42-46)

■第二章
父は反対したが、ジョンは農業発明品の才能で一躍有名になり、ウィスコンシン大学で学ぶようになった。そこでジーン・カー夫人など重要な人脈を培ち、父の監視がある家では得られない知識や交友関係を得て、エマソンやソローの書籍も読んだ。地質学や植物学などを学び、博物学的知識を身に着けた。(p29,45,50-55)

■1860年、南北戦争が勃発。徴兵制度も始まったため、戦争に参加したくないミューアはカナダへの旅を計画し、植物採集の放浪を始めた。ウィスコンシン大学には2年在籍しただけで、「ウィルダネス大学」に転籍したと書いた。先にカナダに逃れていた弟のダンと合流し、オンタリオ州では宅ようになった。

ある意味、コロナ禍で社会の喧騒から離れて森に入り浸ったわたしと似ている。(p55-59)

■インディアナポリスで働いているとき、ヤスリの端が右目に入ってしまい、両目が見えなくなってしまった。しかし眼科医の懸命な治療で徐々に視力は回復した。

1867年、29歳のジョンは「残りの人生は、神が再び与えてくれた視力を無駄にせず、“神の発明による自然”のなかで送ろう、と決意した」

持ち物は、コンパス、地図、植物標本とガイドブック、着替え、新約聖書、ミルトンの失楽園、ロバート・バーンズ詩集、少々のお金と日誌。

以前にも何かの本で読んだエピソードだ。そのときは、ジョンがただの信心深い人だと感じたが、実際には、厳格な宗教に束縛された子ども時代を生き抜き、深く考えて自分なりの信仰を見いだした人だったのだ。(p61-63)

■ジョンは人手の入っていない原生林を歩き、野宿しながら1日40キロも旅した。戦争の被害を見たり、ゲリラの危険に直面したり、解放された奴隷と接したりした。インディアナポリスからフロリダ半島まで、1000マイルウォーキングルートだった。(p6,64-65)

■計画ではアマゾンへ向かうつもりだったが、メキシコ湾岸シーダーキーでマラリアにかかり、キューバより先に進めなかった。かえってそれによって命を救われた。南米を諦めざるをえなくなり、船で気候の良いカリフォルニアに向かって、シエラネバダ山脈と出会った。(p67-69)

■第三章
ジョン・ミューア初めての著書「はじめてのシエラの夏」によると、カリフォルニアの中央渓谷には春と秋、花のある季節とない季節という2つの季節しかない。(p71-74)

「私はその山中に10年間過ごして、荘厳な光の満ちあふれる中で喜び、驚き、身を浸し、氷の峰々のあいだに旭日の光を見、樹木と岩と雪に降りそそぐ真昼の陽光と茜色の夕映えの光を見、虹色のおびただしい水煙を上げて落下する無数の滝を見てきたが、〈光の山脈〉はなお依然として、私が見てきたどの山脈にも増して、荘厳な美しさを湛えていてるように思われる」。ー「山の博物誌」(p74)

■15万都市サンフランシスコに到着したミューアは、商業主義に塗り固められた醜悪な町に魅力を感じず、4月上旬の最も美しい時期にパチェコ峠に到達、ヨセミテ渓谷へ向かった。長らく山のない場所で過ごしてきたミューアにとって、予想を超える偉大な山々だった。

ヨセミテは1864年(ミューアが来る4年前)に世界最初の自然公園に指定されていて、のちの国立公園の前身となっていたが、まだ自然保護の重要さは理解されていなかった。

ヨセミテのマリポサグローブで、ジャイアントセコイアの森を発見し、そこを保護することが使命だと考えるようになったガレン・クラークと出会った。肺を患い、医者に六ヶ月の命だと宣告されていたが、山にこもったら常人よりはるかに健康になり、96歳まで公園監視官として生きた。

二人は一緒に山々を歩いて親交を深め、ミューアの健康もすっかり回復した。(p75-85)

■ミューアはスネリング村の畑で農作業や羊飼いの仕事に従事するようになった。夏には、シエラネバダの高原で放牧し、植物や地形を研究できた。このとき山脈が氷河でできた証拠も見つけた。

彼にとって一番幸せな時期で、「その山々に描かれた広大な原稿の一ページを解読するために、私は喜んで一生を捧げたい」と書いている。(p85-94)

■このキャラバンの旅を通してシエラネバダ山脈に魅了され、ときどき出会うインディアンからも自然との共生について多くを学んだ

「インディアンのように、私たちはシダ植物とユキノシタ属の植物の茎、ユリの鱗茎、マツの樹皮などから澱粉を抽出する方法を知るべきである。私たちのこういった分野での教育は多くの世代においてひどく軽視されてきた」(p97-99)

■第四章
1869年、ミューアは牧場を後にして、ヨセミテ渓谷のハッチングスホテルで働くことになった。ハッチングスはヨセミテ渓谷への最初の白人旅行者であり、探検記を広め、それに触発されてやってきた一人がガレン・クラークだった。

ハッチングスの妻エルビアとその母フローランサは、インディアンの文化に造詣が深く、伝承や自然観にも精通していた。(p108-114)

■ミューアは氷河説への確信を深めるようになり、カー夫人の励ましや、彼女の勧めでやってきた著名な人々との交流を経て、地殻変動説を主張するホイットニーと闘うことにした。

ミューアを支持したル・コンテ教授は「ミューアは……最も情熱的に自然を愛する男である。彼は、今の(ヨセミテでの)生活の自由の喜びに心から浸っているようである。おそらく彼は、町の生活や文明の利器に囲まれたいかなる種類の生活であっても、やつれ果ててしまうだろう」と書いている。

ミューアは65もの残存氷河も発見したが、反対勢力はかたくなで、生涯中には決着がつかなかった。(p117-132)

■第五章
1871年、33歳のミューアのもとに、哲学者また詩人でもある68歳のエマソンが訪れた。「人間は自然と緊密な関係を保っているときと、何ものにも頼らずに純粋に己の内なる本源によって立つときが最も崇高である」という思想家だった。

しかし、彼の弟子たちには自然の美しさがわからず、一緒にキャンプすることは叶わなかった。ミューアは自然を知らないばかりか好きでさえもないコンコード超絶主義者たちに幻滅したが、エマソンという人物には改めて尊敬の念を抱いた。(p138-144)

■ミューアのもとには、「常に必要なときに必要な人物がいて、必要なときに必要な状況があった」。時代が彼を求め、後押ししていた。

やがて書くことによって収入を得られるようになり、イギリスの著名な科学者ジョン・ティンダルから最新の測定機器も贈られ、調査に集中できるようになった。

登山道具もなかったが、標高4010メートルの最高峰、マウントリッターに頭頂した初めての人となった。山から山へと、谷から谷へと飛び移る仙人のようだった。(p145-155,186)

■親しくなった同年齢の画家ウィリアム・キースの勧めでついに4年ぶりに下山し、下界を案内されたが、固いアスファルトや、町の匂いや人ごみに疲れ果て、2週目には山に逃げ帰ってしまった。

そして、ガレン・クラーク、植物学者アルバート・ケロッグ、画家ビリー・サイムスとともに、シエラネバダ山脈全域踏破の1600キロの旅に出かけた。キングス川地区のセコイアの巨木の森に出会ったが、たいへんな勢いで破壊されていることに危機感を抱いた。(p153-161)

■第六章
ミューアは自然保護の本を書くために、自らの意思で下山した。カー夫人の紹介で、後の妻になるストレンゼル博士の娘ルイーと出会った。

ミューアは疲労感に襲われ、10ヶ月ぶりにヨセミテ渓谷に戻ったが、山が自分を呼んでおらず、よそ者のようだと感じられた。それで、自分自身のためではなく、人々に自然を知ってもらうために生涯をかけようと思うようになった。

冬のあいだはサンフランシスコのスウェット家に滞在するようになり、家族のような人間関係に恵まれ、文才も伸ばしてもらうことができた。自然破壊の現状について聞かされてショックを受け、自然保護の政治運動に乗り出すことになった。(p163-183)

自然を愛する人には政治嫌いが多いが、自然保護のために嫌いな分野に取り組むことを決意した。(p239,259)

■第七章
ミューアは40歳のときにルイーと結婚し、アラスカ探検にも出かけた。二度目の探検のときのキング牧師の飼い犬スティキーンとの決死の冒険は、アメリカでも最もポピュラーな犬物語として知られている。

父の死に目に会うために故郷に戻ったときは英雄として歓迎された。父も死の直前には優しくなっており、和解することができた。

結婚後はストレンゼル博士の農園経営に没頭し、執筆や自然保護活動から遠ざかり、げっそりしていった。しかし妻ルイーの配慮と励ましで、「美しいカリフォルニア」という自然研究書に寄稿する仕事に参加することにした。(p185-206,208)

■第八章
執筆のために13年ぶりに旅をすると、ヨセミテ渓谷はすっかり様変わりし、過去親しんだ森がもうなくなっていることにショックを受けた。

そして高級雑誌の編集長ロバート・アンダーウッド・ジョンソンの助力を得て、ヨセミテ渓谷を国立公園とする計画を練り始めた。

反響はとても大きく、内務長官ジョン・ノーブルがジョン・ミューアのファンだったこともあり、1890年にヨセミテ国立公園が発足した。制定はイエローストーン国立公園より遅いが、前出のように母体となった州立公園は早い。また自然保護ための国立公園としては初。森林保護区や国有林の制定も進展した。(p207-217)

■神経性胃炎とインフルエンザにかかり、医者から責任は自分でとってくださいと言われながらもアラスカに療養に向かったが、見事に回復してしまった。(p202)

■市民レベルの自然愛好家団体も次々と現れ、1892年にはシエラクラブが創設され、54歳のジョン・ミューアが初代会長となった。既得権益の林業、牧羊業などが国立公園を減らそうと画策したが、シエラクラブの奮闘で阻止された。(p218-219,230)

シエラクラブは、世界で初めての闘う自然保護団体だった。(p259)

奇しくも、イングランドのナショナル・トラスト運動は、1895年で、シエラクラブから3年遅れだった。(p264)

■ミューアは幸せな家庭を築き、2人の娘ワンダとヘレンに自然との関わり方について教える毎日だった。(p199-200、219-220)

はじめての著書も書き上げ、いつもルイーが最高の読者として出版前の点検を担った。(p222)

■ニューヨーク、スコットランドへの旅では生きた伝説の人として歓迎され、ラルフ・エマソン、ヘンリー・ソロー、ワーズワースなどの家・墓にも立ち寄った。そして44年ぶりのダンバーを訪れた。(p221)

■1901年、セオドア・ルーズベルトが大統領になった。彼はスポーツハンターで、自然破壊と共に鳥獣がいなくなっていくのを憂いていて、ブーンアンドクロケットクラブという自然保護活動をしていた。

大統領になると国立野生動物保護区を制定し、ジョン・ミューアに個人的な手紙を送って、ほとんど2人きりで、3泊4日、ヨセミテでキャンプした。深い友情で結ばれ、互いに尊敬し合う間柄になり、ルーズベルトは国立記念物を制定するなど自然保護に尽力した。(p228-235,241)

ルーズベルト大統領、カリフォルニア州知事パーディ、鉄道王ハリマンなどそうそうため面々がミューアとシエラクラブの味方についていたため、ヨセミテ渓谷とマリポサの森の国立公園への編入も成功した。(p237-239)

■65歳のミューアは、大統領とのキャンプを終えてすぐ世界一周に出かけ、1904年4月には日本も訪れているが、特に記録は残っていない。(p236)

74歳の時には、ずっと昔からの夢だったアマゾンとアフリカにも出かけて精力的に植物採集して歩いた。(p247-248)

■1905年の妻のルイー、1909年の親友のウィリアム・キース、1913年のジョン・スゥエットなど、大切な人を次々と失い、自身も衰え、ダム建設許可の法案にも敗れたミューアは、疲れをみせるようになった。

1914年、第一次世界大戦が始まり、娘たちの計画で出かけた鉄道旅行中に肺炎で亡くなった。7冊の著作のうち4冊は晩年に書かれたもので、「アラスカの旅」が遺稿になった。死後に日記や論文などがまとめられ、さらに5冊出版された。(p253-254)

■全体の感想
前から気になっていたジョン・ミューアについて、たまたまAmazonでこの本がおすすめに出てきたので読んでみました。本人が自伝を書いていれば一番よいのですが、なさそうだったので、日本人の方が書いた伝記ということに。

相当な才能と体力に満ち溢れたエネルギッシュな人で、不幸な少年時代を才覚によって乗り越え、時代の後押しもあって、成功した物語、という印象でした。単なる一人のナチュラリストではなく、自然保護の父とまで言われる理由がよくわかりました。

とはいえ、あまりに活動力に満ちあふれていること、子どものころから自然に親しんできたサラブレッドのような暮らしをしていたこと、政治活動にも活発に携わり、著名人との関係も深かったことなどから、あまり親近感は感じられませんでした。

自分とはかけ離れた聖人のようなイメージです。タイトルにもあるように、著者が「森の聖者」としてミューアをなかば偶像視しているせいだったのかもしれません。

彼の生涯のおおまかなストーリーはわかるものの、彼自身の人となりや考え方が今ひとつ伝わってこないため、共感しにくいところがあります。特に感銘を受けて記事にまとめたい、と思う部分もありませんでした。そのあたりを知るには、彼の著書を読むべきかもしれません。

レイチェル・カーソンやビアトリクス・ポターの伝記では、本人の肉筆が手紙などから頻繁に引用されていたのに、この伝記ではミューア本人の言葉はほとんど引用されていないので、彼の人間味がほとんど伝わってきませんでした。

ちょうどWikipediaを読んでいるような本。淡々として客観的で、情報は知れるけれど、心揺さぶるエピソードはありません。これまで色々な本でつまみ食いしてきたような魅力ある話を知りたいという面では肩透かし気味でした。

また、この本では、彼の政治活動がもたらしたものが称賛されていますが、著者の思惑とは裏腹に、読めば読むほど、むなしさや徒労感を感じます。彼ほどの偉大な人が自身の幸福を犠牲にして自然を守ろうとしても、その結果が今この世界なのであれば、果たして労苦の価値があったといえるのでしょうか。

総評として、ジョン・ミューアの生涯を概観したい場合にはとても役立つ本です。しかし、他の多くの伝記の例に漏れず、本人の肉筆ではないため、ある程度、後代の評価や解釈の影響を受けて物語化されている部分があるように感じました。

雨だからといって、家に引きこもっていたら、途端に慢性疲労症候群っぽい体調になってきて困りました。夜にサイクリングに行くと楽になりましたが、簡単に以前の状態に戻ってしまいます。明らかに体調の改善は外部環境に依存しています。

2021/06/06日

湿原付近の草花。ショウジョウバカマ、ヒメゴヨウイチゴ等。ツリバナも開花

美深の仁宇布に行って、植物観察したり、山菜採りしたり、滝を見たりしてきました。

なんの花だろう、と思ったけれど、葉っぱの形から、クローバーのような葉っぱから、ミヤマカタバミだとわかりました。正確には、北海道に分布しているのは葉が小型のコミヤマカタバミのようです。

まだ咲いていたエゾイチゲ(ヒロハノヒメイチゲ)。高度が高めの山奥なので、まだスプリングエフェメラルがあれこれ咲いていて、春にタイムスリップした気分になれます。

葉っぱが細いほうの無印ヒメイチゲも咲いていました。ほかにエゾノリュウキンカやエゾエンゴサクなども。

まだまだ小さいギョウジャニンニク。今年はもう十分採ったので、これ以上は採取しませんでした。でも後日来て葉っぱが大きくなったものがあったら欲しいかも。

こうして並べてみると、ギョウジャニンニクに似てないこともないオオバタケシマランの若葉。赤い斑点の入ったハカマがあるせいで、葉が開いていない場合は遠くかに見たら誤認するかもしれません。

でも、どちらかというと、オオバタケシマランの新芽は同じユリ科のオオアマドコロやユキザサに似ています。それなのに、山菜図鑑などで似ている植物として名前が挙がらない不思議。

オオバタケシマランには毒はないと思いますが、新芽を食べることができるという文献は見かけません。茎の毛がまばらだという特徴がわかっていれば間違うことはありませんが…。

ページが消えていたのでキャッシュですが、エキサイト辞書の「タケシマラン」に「ヨーロッパではオオバタケシマランの葉を咳止め用のうがい薬を作るのに用いる。また液果や若い根は食用とされる。漢方では中国産のS.simplexを竹林消(ちくりんしよう)と呼んで,滋養・健胃・鎮痛および止咳(しがい)剤に用いる」との記述はありました。

まだ残っていたツルリンドウの赤い実。雪の下から出てきたのでしょう。葉っぱが残っているので見分けがつきます。

まだほとんどがつぼみで、咲いているのはわずかだったサンカヨウ。

雨の翌日でしたが、期待していた透明花はありませんでした。そもそもほとんど降らなかった様子。来週も雨予報がないので、今年も透明花は難しそう。

ちらほらと咲き始めていたショウジョウバカマ。

そして、ショウジョウバカマに止まっていたルリシジミと思われるチョウ。

激流の滝付近など、複数の場所で見かけた5枚セットの葉っぱ。

じっくり中央部の茎を見ると、鳥足状複葉ではないのでアマチャヅルではない。(wikiには鳥足状と書いてありましたが、図鑑には掌状とありました。もし鳥足状だとしてもアマチャヅルやヤブガラシほど明確ではないと思います)

おそらくヒメゴヨウイチゴでは?と思って周囲を探してみたら、花を咲かせてみました。

申し訳程度に白い花びらがついているだけで、すぐに散ってしまい、中央の果実になる部分だけになっているのがほとんどでした。

同じく激流の滝付近で見たミヤマエンレイソウ。花期の終わりごろなのか、ピンクがかった雅やかな姿でした。

帰宅後、そろそろ時期的に咲いているかも、と思って見に行った家の近所のツリバナの花。まだつぼみばかりでしたが、ちらほらと咲いていました。

確か引っ越してきて一年目にツリバナの花を見たのもここでした。当時の写真はブログに上げていなかったかも。写真の撮り方も悪かったと思うので、今回新しく撮れてよかったです。

マユミの仲間なので、そっくりな花ですが、唯一5弁でほんのり赤みがかっているのが和菓子のようで可愛らしいと思います。(属が違うツルウメモドキも5弁ですが)

家のまわりでは帰化植物のコウリンタンポポも咲いていました。いよいよ夏です。

樹木いろいろ。ミヤマハンノキの花、キハダのつぼみ、アカミノイヌツゲの実等

上に載せたコヨウラクツツジやツルシキミ?やヒメゴヨウイチゴも分類としては樹木ですが、以下はより樹木らしいものをまとめておきます。

シラカバなどカバノキ属らしい花をつけていた謎の木。もしかすると、未だ見たことのないヤシャブシではないかと期待しました。 

上の写真の雄花の上にある小さな雌花の拡大。雄花は黄色っぽく、雌花は赤っぽい。

まだ残っていた冬芽の形状。先が尖っていて、ケヤマハンノキやシラカバ、ダケカンバなどではないことがわかります。

樹皮の様子。横に点々と木目が入っていてハンノキの若木に似た樹皮です。

出てきたばかりの若葉。ふちのギザギザは少なめ。

帰ってから調べてみたら、花の特徴からミヤマハンノキだとわかりました。そういえば去年もここで葉と実を見かけました。

花や冬芽を確認できたのは初めてです。地元に多いケヤマハンノキは赤みを帯びた花なので、随分と印象が違います。

今回は違いましたが、ヒメヤシャブシも黄色い雄花、尖った冬芽でよく似ています。ヒメヤシャブシは雌花の色が黄緑っぽいので違うとわかりました。

次は謎の冬芽と芽。赤い冬芽で2つに割れて芽が出ています。

中から出ているのは羽状複葉。ここで見たものを思い出す限り、おそらくホザキナナカマド。図鑑で見ると、無印ナナカマドとは違い、先が尖っていない丸い赤い芽である点も一致していました。

今年も咲いていたコヨウラクツツジ。仏像が身につけるヨウラクに似ているとあるが、調べても細かい意匠でよくわからない。

実のように見える壺型の花がとてもかわいい。近隣の花だとオクエゾサイシンの形にも似ています。実になるとメギの実のようなしずく型になるようです。

越冬したと思われる赤い実。葉っぱからするとツルシキミでしょうか。しかしツルシキミの葉はこんなに葉脈がはっきりしていないので違う気もする…。 でも他に候補が見つからない。

これも越冬したと思しき謎の赤い実。アカミノイヌツゲ? だとすれば初めて見ました。しっかり確認しませんでしたが、写真の右上につぼみが写っているようにも見えます。

葉の前方のふちにわずかに鋸歯が入るところがそれらしい。

高さ2mくらいに成長する低木とされますが、そこそこの大きさだったので合致しています。

オガラバナ(ホザキカエデ)の若葉とつぼみ。いつも咲いている時期以降しか見たことがない気がするのでつぼみは新鮮。

激流の滝の展望台のすぐ横にあった謎の木。葉を観察したところ、対生で羽状複葉だったので、ニワトコ、ヤチダモ、キハダのいずれかだと考えました。初めて見るキハダのつぼみ?

樹皮の様子。地衣類も多くついているためか、特にキハダっぽいとは感じません。

帰ってから調べてみると、たぶんキハダのつぼみで合っていたようです。そもそも道北には奇数羽状複葉の対生の木が上に挙げた3種類しかないので、消去法で考えればほかにありません。キハダの花は見たことがないので、今年こそ見てみたいものですが…。

次は家のすぐ近所のヤマナラシのつぼみ。先日ニュウナイスズメが止まっている枝とつぼみを撮りましたが、ここでもたくさん花が咲きそうです。

滝の風景、アオダイショウ、エゾシカの群れ

松山湿原もゲートが開いていたので途中まで登ってみましたが、雪渓に行く手を阻まれて登頂できませんでした。

昨冬が豪雪だったせいか、例年より雪解けがかなり遅く、ふもとまで雪が残っているほどでした。

ということは雪が残っている湿原が見れるかも?と思ったので、ぜひ登頂したかったのですが、雪渓を少し登ってみたら盛大に滑って滑落しそうな恐怖を味わったので、やめておきました。

杖をもっていたのでしっかり刺して固定しながら登ればいけたでしょうが、元慢性疲労症候群のわたしにそこまでの体力と自信はありません。ヒグマもいつ出るかわかりませんし。

仕方ないのでふもとの雨霧の滝を見に行きました。奥の女神の滝も見てみたかったのですが、車が停まっていて先客がいるようだったので遠慮しました。暑くてかなり疲れてきていたし。

雨霧の滝の前の大きなエゾニュウの葉が食べられた痕跡があって、このあたりにもきっとヒグマがいるんだろうなと思いました。

物足りないので、激流の滝に寄って帰ることにしました。今までタイミングが合わず、初めて訪問できました。車ですぐ目の前まで行けるので楽でした。ヒグマの心配なく気楽に楽しめるのがいいですね。

滝? といえば滝ですが、周囲の柱状節理のような岩盤の形が見応えがありました。またヒメゴヨウイチゴやヒトリシズカの群生、上に載せたキハダのつぼみなども見ることができたので、寄ってよかったです。

帰り道の道中で、道路に落ちていたアオダイショウ。轢かれなければいいのだけど。あるいはキツネに食べられそう。

キツネは道中で4匹ほど見ましたが、運転席に寄ってくるのが多くて辟易しました。マナーの悪いトラックの運転手などに餌付けされたのでしょうか、可哀想。わたしが住んでいる近所のキツネなら、すぐ逃げていくのに。

帰宅後、家の近くのツリバナの花を見に行った帰りに牧草地で見かけたメスのエゾシカ4頭の群れ。動きがシンクロしてこちらを見つめてくるのが面白かったです。道路を横断してて山へ消えていきました。

今日のシダと地衣類。シラネワラビ、ヨコワサルオガセ確認

全体が五角形ぽいシダ。少し縦に長いこと、裂片にノギがあること、裏側に袋状の鱗片がないことから、シラネワラビと思います。

裂片のノギがあるので、ホソバナライシダではありません。オクヤマシダかシラネワラビ。

裏側に袋状の鱗片がないので、ホソバナライシダとオクヤマシダではありません。ということで消去法でシラネワラビと同定しました。

軸には褐色の鱗片がたくさんついていました。

謎のシダ。ヘビノネゴザかと思ったものの、普通にエゾメシダかも。

ヘビノネゴザにしては裂片のギザギザが甘い。かといってエゾメシダならもっと3回羽状複葉のように切れ込んでいそうだけど…。

去年ヘビノネゴザかも、と思ってよく間違えていたミヤマベニシダは、裂片の先がノギ状になっていないから違うはず。

あまりはっきりしないソーラス。包膜の縁が細かく裂ける、という表現がこれを指すとしたら、やはりエゾメシダか。この写真の裂片は切れ込みが深いのもエゾメシダっぽい。

軸はわら色でまばらな鱗片。

次も謎のシダ。小型でしたが改めて見てみると上と同じものかも?

シダの見分けは未だに基本的なところが甘いわかっていません。数を重ねないことには経験値が貯まらないので、地道に頑張りたいです。

これはシダではなくオオバセンキュウ。てっきりセンキュウ風呂に使えるのだと思っていたら、センキュウはセリ科ハマゼリ属、オオバセンキュウはセリ科シシウド属で別物なのだそうです。残念。

存在は知っていましたが、初めて見つけた地衣類ヨコワサルオガセ。確か道東のほうに多いのだったか。

マツの木などに絡みついていました。空気中の水分に頼って生きている種で、霧の多い場所に着生するそうです。環境の変化に敏感な汚染の指標となる地衣類の一つ。

拡大してみると、タケのような節が入っており、ヨコワサルオガセだと確認できました。実際は節ではなくひび割れているだけだそうです。

エゾワサビ、チシマザサ、ヤマブキショウマ、ヤマドリゼンマイを食べる

今日採取してきた山菜は、エゾワサビ、チシマザサ(ネマガリダケ)、ヤマブキショウマ、エゾマツの芽。

仁宇布は季節が遅いので、エゾマツの芽はまだ出たばかりで、シロップ用に十分採取できました。ヤマブキショウマも同じく、新芽ではないものの、まだ若い葉をたくさん採れました。

地面を覆っていたエゾワサビ。カキドオシに似た、ふちにギザギザの入った腎形の葉っぱ。まだ咲いていませんが、多数の花が集まったつぼみがついていることで、アブラナ科のエゾワサビだとわかりました。

じっくり見ると、カキドオシの葉より、ふちのギザギザがかなり激しいです。

去年エゾワサビを採った時は、もう花が咲いていたので葉も茎も硬く、食べられませんでした。今回はまだ咲く前なので、その場で新鮮そうな葉をひとつ食べてみたら、柔らかく野菜と遜色ありませんでした。味は少し苦味がある程度。

ところで、エゾワサビは根っこがワサビのような味がしてピリッとくるそうです。前から一度試してみたかったので根茎を掘り出してみました。

頑張って掘る必要があるかと思いきや、意外にも根っこは非常に浅く、ゆっくり茎を引っ張って地面から剥がすようにするだけで、根茎までついてきました。

非常に小さい根っこ。小指くらいの太さで、緑色を帯びています。山菜図鑑の写真で見たことがなければ、違う植物と間違えたかと思ったことでしょう。

帰宅後茹でて食べてみましたが、ピリッとした辛さはわかりませんでした。かろうじて、ちょっと刺激があるかも?と感じるくらい。それより、カリコリした食感が美味しかったです。

そして、地面からにょっきり出ていたタケノコ…もといササノコ。松山湿原の近くの林道でタケノコ採りをしている地元の人たちがいたので、もう出ているのかなと探してみたらありました。

ちょっと探しただけでこんなにゲット! 食べることができるのは先端部分だけなので、大量に採らないとほんのちょっとになってしまうのですが、季節を味わうだけならこれで十分です。

家に帰ってから、急いでネマガリダケを下処理。皮を剥いてから茹でます。皮のまま焼いて食べてもよかったらしい。

しいたけと一緒にホットプレートで焼いて食べてみました。下のほうは硬くて筋がありましたが、先端部分はコリコリした食感で美味しかったです。

最後にヤマドリゼンマイ。

芽出しの状態は初めてだったので、何のシダだろう?と思いましたが、毛の特徴からすぐにヤマドリゼンマイだと直感しました。茎に生えている鱗片ではなく、茎を覆う綿毛なのがゼンマイの特徴で、指でこすると簡単に取れます。

初めてだったので、特に考えもなしに、コゴミと同じように採ってしまいましたが、男ゼンマイ(胞子葉)と女ゼンマイ(栄養葉)があり、女ゼンマイだけを採らなければなりませんでした。

先に長く伸びているのが胞子葉のことが多いので、背丈の低い芽を採るようにすれば、栄養葉が採れます。下の写真のように、毛を取り払ってみると、胞子葉(右)は黒くてもこもこしているという違いもあります。

茎の綿毛をすっかり取り除いてから、重曹を少し入れた水で茹で、軽く絞って水を切って干します。時々手で揉んで繊維を柔らかくすると良いそうです。

後日、ほんの数日でここまで乾燥してカラカラになりました。

2021/06/06

ミズキ、ホオノキ、シウリザクラが開花、シロオビクロナミシャクが蜜を吸う

隣の家が朝から電動草刈り機で騒音を立てていたので、あまりよい目覚めではありませんでした。

庭の草刈りなんて鎌で十分だし、そのほうが花を残して選別できるのに、機械で根こそぎ刈る人や、ひどい場合は除草剤を撒く人もいて嫌になります。手作業で刈ったうちの前だけ、トキシラズ(ヒナギク)の花畑になっています。

友人の畑にマメの支柱を作る手伝いにいきました。道中、湖の近くを通りすぎた、横目で見ると、大きめの鳥がいて、なんだろうと思った次の瞬間、子どもをたくさん連れているのが見えました!

子ども連れのカモだ! と思って、慌てて車を停めてバックしましたが、母ガモが警戒して逃げてしまって、子ガモたちも親を猛スピードで追って逃げていきました。逃げる子ガモたちの隊列をかろうじて動画に撮れましたが、決定的瞬間は逃してしまいました…。

茶色っぽいカモだったのは覚えていますが、親ガモの姿を撮れなかったので、何の種類かもわかりません。とても残念。

畑仕事はアーチを立てて網を張って、腕を高く上げての作業が多くて疲れました。それでも慢性疲労症候群がひどい時期はドライヤーで髪を乾かすことさえできなかったので、元気になったものです。

友人宅のホオノキは人知れず花を咲かせていました。とても高い位置にしか咲いていなかったので、葉の隙間から花びらが見えるだけでした。去年は手の届く高さに咲いていたのに。

去年、ミズキの開花を見つけたスポットに立ち寄ってみたら、今年も咲いていました。段々になった枝いっぱいにつぼみをつけて、順に咲きだしているところでした。

固まって咲く集合花なので、遠くから見ると、この時期に咲くナナカマド、アズキナシ、クロミサンザシと似た外見です。

驚いたことに、そのミズキのすぐ後ろに、隠れるようにしてシウリザクラが咲いているのを見つけました! 去年1本だけ見つけたので、これが2本目のシウリザクラ。

そのあと、もう一箇所、去年見つけた道路脇の森のシウリザクラも探しに行ってみたら、やはり咲いていました。こちらは柵を乗り越えれば手が届きます。

(個人的な場所のメモ : 右手に視界が開ける場所を通り過ぎてから、登り坂の途中、左カーブを曲がってすぐの右手。すぐ手前に下る脇道への分岐がある)

どちらも人家の庭先のような場所ではないため、自生のシウリザクラだと思われます。しかしエゾノウワミズザクラと同じく、本数がかなり少なく、めったに見つけられません。

すでにエゾノウワミズザクラとウワミズザクラが散った後の6月上旬に咲くことから、シウリザクラの花を区別できることがわかりました。まだ先のほうはつぼみのため、あと一週間くらいは咲くでしょう。

雄しべが長くていかにも「ブラシ」っぽく見えるウワミズザクラと、花が大きくて雄しべもまったく目立たないエゾノウワミズザクラとの中間の見た目です。

そして葉っぱの付け根がハート型にくぼむことが多いことも識別の参考になります。

2本目のシウリザクラには、シロオビクロナミシャクが何匹か寄ってきていました。蜜を吸っているようで、近くでたくさん動画が撮れました。

シロオビクロナミシャクは毎年見るガですが、いつも森の中で、ツルアジサイなどの近くに見かけるので、シウリザクラの蜜を吸っているのはとても意外でした。

近くにブドウの葉があって、花芽が出ているのを見つけました。開花は6月と図鑑にあるので、もうすぐ地味すぎる花が咲き始めそうですね。

帰りに家の近所の林道に寄って、この前発見したスポットでウドを4本採ってきました。もう背丈が伸びてきたので、そろそろ最後のウドかもしれません。写真を撮り忘れましたが、ウドは天ぷらそばにすると美味しかったです。

その近くの山肌に、大量のクジャクシダとヒトリシズカが生えているのを見つけてびっくりしました。

クジャクシダは、先日の巨大株よりは小さいですが、十分に大きいといえるサイズ。

ヒトリシズカは秋に下草が枯れてきて、まだ葉が残っているようならお茶にするために採取してもいいかも。

現状はまだ実が未熟ですし、背丈の高い草が多すぎて、かなり覚悟がなければ入れません。すぐ近くにヒグマの痕跡が多い場所なのもリスクが多いです。

2021/06/07火

ウリノキはつぼみ。クリンソウが満開

前からウリノキの花を見たいと思っているのですが、近所では発見できていません。植生調査によると自生はしているようなのですが、かなり奥山なのでしょうか。

仕方がないので、唯一自生を知っている西興部宮の森に行ってきました。開花時期は5-6月とされるので、そろそろ咲いているかもしれない、と想定しました。

森の入り口の神社の階段には、大量のリスのエビフライが落ちていました。植林されたヨーロッパトウヒの松ぼっくりのようです。

地面にはミツバが敷き詰められていて、ワスレナグサらしい花も白、水色、ピンクの三色が咲いていました。

試しに白花をアップで見てみると、なんとカギ状毛でした。ということは在来種のエゾムラサキかもしれません。

ピンク花のほうも、カギ状というほどではありませんが、毛が立ち上がっています。交雑種や園芸品種かもしれません。

今まで勘違いしていましたが、毛先がカギ状になっているかどうかで区別できるわけではないようです。ワスレナグサの毛はカギ状毛ではなく圧毛、伏毛、短毛だとされていて、おそらく毛が立ち上がっていないのだと思います。

神社の境内のそばにはホオノキが咲いていて、比較的低い枝を望遠で採ったら、中心部の花柱がうまく映りました。のちのち実になる部分です。

途中、ビビッドカラーな赤紫色の花がたくさん咲いていて、あまりの派手さから、てっきり園芸品種が野生化しているのだろう、と考えました。

しかし、さらに進んでいくと、クリンソウの生息地を保護しているとの立て看板がありました。これがクリンソウ! 最も大型のサクラソウ科らしく日本の野生の花とは思えない。

名前は知っていたけれど見たのは多分初めてです。明らかに9より多くの花が咲いていますが、ニリンソウのような一輪、二輪の意味ではなく、仏閣の「九輪」に似ているという意味だそうです。

登山道はきれいに草刈りしてありましたが、クリンソウだけは刈ってしまわないよう注意深く残されていました。

一方、一箇所だけ生えていたこの黄色い花は、園芸品種のプリムラ、通称プリムローズでした。

去年ウリノキ並木を見つけた場所を探しながら登ってみると、カツラの巨木の向かいに並んでいるのが見つかりました。葉っぱが特徴的なので、すぐにわかります。

しかし残念ながら、花はまったく咲いておらず、小さなつぼみがついているだけでした。明らかに来るのが早すぎたようです。

非常に小さいもつぼみなので、改めて花の大きさを調べてみたら、たった3cmくらいのようでした。もっと大きいフニーバオバブみたいな花だと思っていたから意外。写真だとサイズ感がわかりませんね。

今日見たつぼみはまだ1cmくらいでしたから、咲くのは1週間から2週間後くらいでしょうか。いつ見に来たらいいか迷います。

途中で見たコタニワタリの若葉。

アマチャヅルの芽出し。

おそらくミヤマオダマキのつぼみ。

シウリザクラの木も何本か見つけました。これまで2本しか見たことがありませんでしたが、この森には、確認できるだけで3本以上ありました。しかも相当な巨木で見事でした。

そのままてっぺんまで登っていったら、もう少しで展望台、というところで、茂みの中から、イノシシのような妙な唸り声が聞こえて驚いて後ずさりました。

頭上ではカラスが騒がしく鳴いていたので、一瞬カラスの巣に近づいて威嚇された?と思いましたが、いやいやカラスが唸り声を出すわけがないと思い直しました。

ヒグマの唸り声なんて聞いたこともないけれど、北海道にイノシシはいないし、この森は去年、同じころにヒグマが出没して閉鎖されていたのを覚えています。展望台は諦め、下手に刺激せず帰ることにしました。

今日、森の入る前に、わたしの知り合いの樺太から引き上げてきたおばあちゃんに聞いたことですが、子どものころは、森に入ると普通にヒグマの姿が見えていて、バケツを叩きながら歩いたそうです。

今の人たちは、ヒグマがいるかもしれない、というだけで異常に怖がって駆除しようとしますが、昔はヒグマはいてあたりまえ、しっかり対策していれば大丈夫、という認識だったんですね。

それもこれも、昔の人は森に入るのが普通だったのに、今の人は都市部で暮らして森に寄り付かず、森のこともヒグマのことも何も知らずに生きているからだと思いました。人種偏見もそうですが、人は知らないものを恐れるのです。

クルマバソウ、ヒトリシズカの葉、エゾカンゾウ(ゼンテイカ)のつぼみ採取

帰宅後、近くの森に行って、クルマバソウを採取しました。まだまだクルマバソウのシロップを作れます。今週は気温が30℃に迫る日もあるようで、暑い夏が来る前に美味しい飲み物を十分にストックしておきたいです。

森の風景はかなり鬱蒼として、原生林の密林のような近寄りがたい雰囲気になってきました。虫も多くてストレスですが、この時期の森の見た目はかなり好きです。

もうボロボロになっているオクエゾサイシンの葉。エゾヒメギフチョウの幼虫が食べた痕でしょうか。

そろそろ実がついているかと思い、花を探してみましたが、外見が大きく変化したようには見えませんでした。花びらのようなものは萼なので、形は変わらずとも内部に種ができているのでしょうか。

足元のニリンソウを丸々としたガの幼虫?が食べていました。うっかり踏んでしまいそうな場所にあったので、茎からちぎって、道の脇のニリンソウ地帯に移してやりました。

道中に生えているヒトリシズカの群生は、すでに花が終わって、なかには実が落ちてしまったものもありました。それで、実がついていないか軸しか残っていないものを選んで、葉をたくさん採取してきました。

アイヌの伝承では7~8月に採るとのことでしたが、もう実が終わったものなら構わなさそうだし、わたしの好きなお茶なので、ちょくちょく摘んで量を集めたいと思います。

ユキザサの群生が満開で、暑い初夏の森に清涼感をもたらしてくれています。

道にかぶさって遮る竿のようなオオアマドコロの茎には、かわいい花がたくさんぶら下がっていました。

やっと咲いていたエゾレイジンソウの花。つぼみから咲くまで長かった気がします。日記をたどってみたら5/18にはつぼみがあったのに、25日くらいかかって咲いたんですね。

いつの間にか、ムカゴイラクサの葉が大量に生えてきて、地面を覆っています。

かなり巨大なミツバの葉。もちろんもっち小さいミツバもたくさん生えていたので、採って帰って定番の卵とじにしました。

林道に生えていたキンポウゲ。ピンぼけ写真ですが、葉っぱが3裂の3出複葉に見えるので、こちらのサイトを参考にするにハイキンポウゲでしょう。

帰りに近所の堤防にエゾカンゾウ(エゾゼンテイカ)を探しに行ってみると、ちょうどたくさん咲いているところでした。

毎日少しずつ咲く花なので、食べごろのつぼみがたくさんあります。中華料理の高級食材の金針菜とほぼ同じものです。

いくらか採取してきて、茹でてサラダに混ぜるなどして食べました。やっぱり美味しい。でも茹ですぎると独特の食感がなくなるので注意。

もともと金針菜とはこれを茹でるか蒸すかして乾燥保存したものだそうなので、次回試してみたいです。

2021/06/08火

マダニの猛攻で森に入れず。ヤマブキショウマのつぼみ

雷雨予報でしたが、雨上がりに涼しかったので森に行ってみました。しかしスパッツを忘れてしまって、不安な気持ちで茂みの中に入っていきます。

そうしたら、マダニの猛攻! ほんの数歩歩くたびにマダニが1匹ズボンに付く始末。スパッツを履いているならまだしも、ズボンと長靴だけでは心もとない。10匹以上もの最多記録のマダニの前になすすべなく、入り口で引き返してきました。

なんとなく、今日の森は歓迎してくれていない感じ。マダニには大歓迎されていたのかもしれませんが…。

入り口でつぼみが膨らんだヤマブキショウマの写真だけ撮りました。

その後、近所の堤防をサイクリングしてみましたが、特にこれといった発見はありませんでした。河原に生えるイヌエンジュの白い若葉がよく目立っていました。この時期は本当に美麗。

あまり人が立ち入らない、原生植物が残っている河川敷で、なおかつアクセスのいい場所を開拓したいのだけど、なかなか見つかりません。

2021/06/09

エゾサンショウウオの群れを見つけた

7℃まで気温が下がった昨夜から一転、今日は25℃を超える夏日で、焼け付くような暑さでした。九州では猛暑日だったとか。今や20℃を超えるだけで暑いのに、昔のわたしはどうやって生き延びていたのだろう。

森に出かけるも、またもや帽子を忘れるというミス。いい加減持ち物チェックリストを再作成したほうがよさそうです。

一度家に取りに帰って、近所の湿地帯の森のほうへ。途中の道路で、茂みの向こうからキツネがこちらを覗いていました。

湿地帯の森のほうでは、林道を歩きながら、ユキザサの花を愛でたり、ヒトリシズカの葉を摘んだり。ここのところ毎日、去年採ったヒトリシズカの茶葉でお茶を淹れて飲んでいて底をつきそうなので補充できてありがたい。

去年チョウセンゴミシの実を摘んだ茂みを通りかかると、今年もよく咲いていました。実がたくさんなりそうです。

帰りに、森の入り口にある池を何気なく覗いてみたら、もうエゾサンショウウオの卵はなくなっていました。孵化したのが泳いでいないだろうか、と水面に近づいてみると…

いた! エゾサンショウウオがたくさん! 大人のエゾサンショウウオもいれば、

まだ手足の生えていないエゾサンショウウオの幼生も。

これまで3年、この池を何度も見ていたのに気づきませんでした。なんといってもサイズが小さい。遠くから見ると、小魚がいるようにしか見えません。望遠カメラが大活躍。動画も鮮明に撮れました。

すぐ近くにいても、気づいていないものってまだまだあるんだろうなぁと感じました。環境破壊が進む中でも、元気そうに健気に暮らしているエゾサンショウウオを見れて心が和みました。

金針菜を採りに行って、タチギボウシ群生地を発見

夕方ごろ、河川敷のエゾカンゾウ(エゾゼンテイカ)群生地に行って、かなり多めにつぼみを摘んできました。咲きかけなので黄色いですが、花も可食なので問題ないでしょう。

まだまだ一帯に咲いていますし、他に採る人もいないので大丈夫でしょう。中華料理の金針菜と同様、茹でて乾燥保存してみるつもりです。

エゾゼンテイカ群生地のやぶをかき分けて歩いていたら、思いがけないところに、見覚えのあるこんな葉っぱを発見。まさかギボウシでは?

これまで、野生のタチギボウシというと、採取不可の湿原でしか見たことがありませんでした。山菜としてよく採取されていることを思えば、もっと身近にあるはず、とは思っていましたが、そうか河川敷にあったのか。

ギボウシも自生種から園芸品種まで様々ですが、この葉っぱは自生種で合っているのでしょうか。それとも、どこかの庭から逸出したもの?

花の時期は7-8月らしいので、その時期に見に来ようと思います。もし自生種のタチギボウシであれば、来年春に、山菜ウルイとして採取してみたいですね。

周囲には、こんな小さな白い花がたくさん咲いていました。

何の花かわからなかったので調べてみたら、オオヤマフスマでした。そういえば、去年もウド採りの時期にたくさん見ましたね。地味な花なので忘れてしまっていました。

近くに咲いていた低木の花。

見慣れない黄色い花ですが、まだ残っている冬芽を確認したら、どこかで見たことあるような…。

おそらく去年河原で見たアキグミ? 砂防用に植栽されたもののようです。

河川敷は、去年ほとんど寄りつかなかった未知のフィールドなので、発見がたくさんあります。やはり草やぶになっていて、そうそう奥まで入っていけないので、探索は進みませんけれど。

夜はほぼ新月で快晴だったので、星空を見に行きました。雲やPM2.5がないことは確かめてありましたが、夏至が近いせいで、20:30ごろやっと一番星が出てくるほど暗くなるのが遅く、なかなか星が鮮明に見えませんでした。

山奥に車で向かって、いつもの星空スポットについてもまだ星がぼやけていましたが、しばらく待っていると満天の星空になりました。

西の空には春の大三角、東の空には夏の大三角。今が春と夏の境目であることを星座が物語っています。

ランタンを手に星を眺めていると、足元の暗闇の中をなにか白っぽいものが横切りました。

何かいる! ライトを向けるとキツネでした。夜目が利くからかいつもより強気で、なかなか逃げようとしません。音を立てたり、威嚇したりして、ようやく去ってもらうことができました。本当は野生動物と仲良くしたいけれど、そうもいかないのが残念です。

キツネとの遭遇ですっかり慌ててしまい、星空の写真は撮り忘れてしまいました。また新月に近い晴れた日を見つけて、星空を楽しみたいです。

2021/06/10木-2021/06/11金

炎天下30℃。ニンニクの芽摘みなど頑張る

連日の30℃超えという非常に暑い二日間。

最高気温が32℃、夜も気温が下がりきらず、最低気温が19℃、というのは、道北にしては一年で最も暑い気温に匹敵します。

6月の時点でこれほど酷暑なら、本格的な夏が到来するとどうなってしまうのでしょう?

さすがに30℃超えの日は森に入るのを躊躇します。明日からしばらくは、いったん気温が落ち着くので、天気が良ければまた森歩きを楽しめそうです。

木曜は仕事の割当があったので、昼間に出かけるのは最小限で、河川敷をサイクリング。金曜は炎天下でニンニクの芽摘みや土運びなど肉体労働。

ニンニク畑の一部を摘み終わっただけですが、それでも芽が何百本とありました。うちだけでは食べ切れないので、近隣の友人や隣の家に配りました。写真の芽は配ったものを別にしたうちの分。切って冷凍保存します。

今年は肉体労働がかなり多いので、持病の腰痛やアキレス腱の謎の痛みなど体のあちこちがきしんでいます。それでも、慢性疲労症候群の状態からこれほど動けるようになり、頼りにされるくらい働けることを喜ぶべきなのでしょう。

2021/06/12土

メギとツルウメモドキの花。コブシとフサスグリの実

雨が降ったり止んだり。止んでいる時に森に行けばよかったのだろうけれど、雨上がりはマダニが多そうで躊躇。それくらいでためらってしまうあたり、農作業の疲れなのだと思います。体のあちこちが痛い。

妥協案として近くの公園に散歩に。

去年の日記でも同じころに咲いて、散りかけていたメギの花。写真で見ると可愛らしい花ですが、実物は小さすぎます。

やはり同じ時期に咲いていたツルウメモドキ。満開なのにそうは見えない地味すぎる花。去年撮った写真と同じく、アリがたかっていました。地味でも問題ないのはアリが受粉するからなのかな。

エゾイラクサの花。…というかつぼみ? まだ垂れ下がっておらず、白い細かい花も見えません。

コブシの花はすっかり散って、まだ親指くらいの長さしかない実ができ始めていました。

野良フサスグリも花が散って実がたくさん。今年もカリンズを収穫できるかも。

 

 

投稿日2021.06.02