2021年9月の道北暮らし自然観察日記(前半)

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2021/09/01水

涼しげな夕焼け。体調はほぼ回復か

ついに9月に入って、気温も涼しく、季節の区切り、新たな始まりを感じています。週間予報でも、最高23℃最低10℃くらいで安定しており、夏が戻ってくることはなさそうです。

早速規制が解除された森に遊びに行きたかったのですが、ワクチン副反応で長らく休んでいたこともあり、遊んでばかりはいられませんでした。でも、たぶん明日は時間を見つけて森に行けると思います。食用キノコが出てたらいいな。

夕方ごろ、やっと時間ができたのでサイクリング。夏の服装のままで出かけたら、少々寒かったです。

昨日は巨大な虹でしたが、今日は黄金色の夕焼けが空を彩っていました。

体調は、昨日の時点では軽い頭痛やまぶしさが気になりましたが、今日は正常に戻っているように感じました。

元が健康体ではないので、いろいろ不快な症状はありますが、ワクチン接種前に戻ったという意味では回復といっていいでしょう。ちょうど一週間かかったので、最悪の展開ではなかったけれど、楽ではない副反応でした。

2021/09/02木

黄色くなったツルウメモドキ、禍々しいコブシの実

友達と公園でビデオ通話した時に撮った写真。気候も涼しく、着実に秋らしくなっているのを感じます。

ツルウメモドキの実。かなり黄色く色づいてきて、遠目にも目立つようになってきました。この地域では黄色い実は本種だけです。

アメリカセンダングサのつぼみ。総苞片が開いて、エーデルワイスの仲間らしい姿になってきました。外来種の雑草ではあるものの、この花の形が好きです。

地面に落ちたコブシの実の殻が割れて、奇怪な怪物の目玉のよう。

さらに進行するとこの姿に。美しい花、美しい実の木なのに、地面に落ちた実のおどろおどろしさはホラー級です。ホオノキと同じように実をお茶にできれば印象が随分変わるのですが、使えるという情報はありません。

2ヶ月ぶりの森の植物と生き物たち

昨日の予告どおり、ついに規制が解除された近所の森に入ることができました。7/10にウメガサソウやコバノイチヤクソウを見に行って以来、およそ二ヶ月ぶりです。

ウメガサソウのその後も見に行きたかったですが、途中で大量のキノコを見つけてカゴが一杯になったので、今日は途中までで引き返してきました。

ヒグマの出没で規制されていたのて、歩くのと緊張するかも…、と昨晩イメージして心配していたのですが、行ってみると全然そんなことはなく、いつもどおりに楽しめました。

もちろん熊鈴や熊スプレーは完全装備で安全は意識していますが、危険地帯を歩いているというような緊張感はなく、普通に心地よい、いつものピクニック感覚でした。森の爽やかな空気と明るい木漏れ日のおかげかもしれません。

気温は25℃弱でしたが、レインウェアを着込んで歩いているので、汗だくになってしまいます。

そろそろ咲き始めた秋を告げるノコンギク。

地面を覆い尽くしていたアオミズ。この森にこんなに生えるなんて知りませんでした。そういえば去年、遅い時期に生える小型のエゾイラクサのような植物に気づいて、第二弾が生えるのか?と不思議に思っていましたが、どうやらアオミズだったようです。

アオミズはトゲがないから大丈夫、と思って油断していると、ムカゴイラクサやエゾイチゴなども混じって生えているので痛い思いをします。キノコを採ろうとして一度刺されました。

アオミズに混じって、第二弾の遅い時期のミツバもたくさん生えていました。アオミズを食べるくらいなら、実績のあるミツバを摘んで食べるほうがずっと楽なです。

これも結局、山菜として食べる出番のなかったノブキの実。先端についているのは腺毛で、実がなりたての頃はモウセンゴケの腺毛のようにツヤがあり、もっとネバネバしているそうです。

森の中の立派なネジバナ。Z巻き(右巻き)。今年はうちの庭で小さいのを一本しか見かけませんでしたが、森の中では、外来種が侵食しているような草地に行けば、大きいのが普通に生えています。

こんなに小さくても、ランの顔をしていて、白い唇弁が豪華です。

森の奥のほうのキノコ狩り地帯まで出向くと、誰一人入っている形跡はなく、地面は膝丈くらいまであるミゾソバに覆われていました。頭上にはオオイタドリのアーチ。

カエルやヘビがいそうなので、杖で薙ぎ払いながら進みました。ミゾソバは茎に下向きのトゲがあるので、薙ぎ払うと横のミゾソバに絡みついて草が寝ます。振り返ると、わたしの歩いたところだけ、はっきりと草丈が低くなって道ができています。

自分で作った道だからいいものの、誰かが作った道を知らずに見つけたら、獣道じゃないかと、おっかなびっくりになりそうな見た目です。でもどうせ、わたし以外にこんな場所を歩きに来る人はいません。

森の中で見かけた生き物たち。まずヒョウモンチョウの仲間。それぞれ別々の場所で見ました。種類の同定はもう面倒なので省略。ミドリヒョウモンかな?とは思いましたが…。

アカトンボ。美しい羽が煌めいていますが、胸部が見えないので、これも種類の同定は難しそう。

この森を出たところの渓流沿いにいつもいるキセキレイ。

今日のキノコ。サクラタケ、ヘラタケ、ホテイシメジ等

キノコは森の入り口付近から大量に出ていて、一つ一つ写真を撮っていたら、全然進めなかったので、途中でもう諦めました。きりがないので、1日に観察するのは20種類くらいを限度としたいです。

(1)アシボソムラサキハツ
入ってすぐのところに出ていたベニタケ科のキノコ。傘は真紅で、中央が黒っぽく盛り上がっているのが特徴。

横から見た姿。ひだは白く、柄は赤く色づいています。

このタイプのベニタケ科のキノコは似ているのが多くて見分けが難しいですが、柄に色がついている時点で、ドクベニタケやヤブレベニタケは除外できます。

チシオハツは柄が赤いので、可能性があるかと思って調べましたが、改めてドクベニタケの類似キノコを見てみると、傘の色がもう少し薄いような…。

それで、去年調べたことを思い出しました。この色は「ベニ」ではなく「ムラサキ」なのでは? 去年9/27の記録によると、アシボソムラサキハツというキノコがあり、同じものだと思います。

アシボソという名のとおり、ベニタケの仲間の写真と比較してみたら、ちょっと足が細いですね。中央が黒く盛り上がるのもアシボソムラサキハツの特徴らしいです。

(2)シロヌメリイグチ
そのすぐそばにさっそく今年初のシロヌメリイグチを発見!

傘の裏を見てみたら、管孔はもう開ききっていました。かろうじて食べようと思えば食べれるかもしれませんが、ちょっと遅かった。シロヌメリイグチは傷みが早くブヨブヨになりやすいので、できる限り傘が開く前の幼菌を食べたいです。

その後も、周囲の地面に点々とシロヌメリイグチらしき傘を見つけましたが、どれもブヨブヨしてる見た目で、食べれそうにはありませんでした。

(3)サクラタケ
まだまだ森の入り口付近。アシボソムラサキハツのすぐ近くに群生していた小さな桜色のキノコ。

傘のサイズは1cm~2cmくらいです。

傘はきれいな桜色なので、どうせサクラシメジとかそういう名前だろうと思ったら、サクラシメジはもっとがっしりした大きい別のキノコで、これはサクラタケという名前でした。

開いた傘には、スカシカシパンのような模様があるように見えますが、たまたまであるようです。

ひだは薄い紫。柄はもっと濃い紫。図鑑によると、ひだはシワ状の脈のようなものでつながっているとありますが、そこまで観察できていませんでした。

傘の断面。ひだは離生に見えますが、上の写真と比較すると上生だと思います。傘を割るときに、手前のひだはちぎれてしまったのでしょう。ひだの側面にある白い毛みたいなのが、ひだとひだを連絡するシワ状の脈かも。

柄の内部は中空。

茹でこぼせば食べられなくもないようですが、ムスカリンなどを含むため毒キノコとされていました。

(4)アセタケの仲間?
中央が盛り上がっているキノコ。傘の大きさは2~3cmくらい。

ひだは白。しっかり確認していないものの上生っぽく見えます。つばはなく、柄は白い。

柄の内部は中実のようでした。小さくてピントも合いづらくて観察が難しい。

傘の中央が盛り上がっているというだけで、アセタケの仲間かなぁ…という印象。図鑑を見る限り、似ているとしたらシラゲアセタケあたりですが、全然違う気も。

(5)イタチタケ?
シラカバの木の下に出ていた少し黄みがかった白いキノコ。傘の大きさは3~4cmくらい。

特徴が少ないキノコに見えましたが、傘のふちに皮膜の切れ端がギザギザに残っていたので、イタチタケの仲間だろうと思いました。

ひだは密で、胞子が出てきて変色した後なのか薄茶色。柄は傘と同じく白っぽい。

傘の断面。ひだは上生から直生。

柄の内部は完全な中空でした。

これらの特徴から、イタチタケの仲間であることは間違いないので、あとは何イタチタケか、というところ。傘の色からしてシンプルに無印イタチタケかもしれません。

(6)ヘラタケ
そのイタチタケのすぐ横に生えていた黄色いヘラのような形の小さなキノコ。道の向かい側にも別の群落が出ているのを確認しました。

奇妙な形をした子嚢菌類のキノコは、見つけるたびに面白くて興味をそそられます。図鑑で見たことがあったテングノメシガイという奇妙な名前のキノコの仲間ではないかと思いました。

拡大してみると、橙色の柄の上に、少し色が薄い黄色っぽい鞍のような傘がついているのがわかります。黄色いノボリリュウタケのような見た目。

でも大きさはこんなに小さい。全長1-2cmくらいしかありません。

ちょっとだけ採取して手の上で撮ってみた写真。

調べてみたところ、最初はシロソウメンタケ科カベンタケ、ヒメカンムリタケ科カベンタケモドキという名前が出てきて、それかと思いましたが、形が違いました。またテングノメシガイ科キシャモジタケも出てきましたが違うようでした。

改めて調べると、おそらくテングノメシガイ科のヘラタケという、ごくありふれたキノコのようです。トドマツ林に出るという点も状況と一致。

黄色いヘラのようなキノコを見たのは今回が初めてでしたが、調べてみると、実は相当ややこしい種類があるようで驚きました。奥が深すぎるキノコの世界。

(7)アマタケ?
ヘラタケのすぐそばの斜面に生えていた、よれよれっとした傘のキノコ。上から見ると、ただの白い傘のキノコなのですが、横から見ると、妙に細くて長い柄だと気づきます。

傘は山のように尖ってはおらず、てっぺんは平らで丸い模様がありました。

ヒダはかなり密で直生。

一本引き抜いてみると、あまりの長さに驚きます。傘のサイズは3cmくらいなのに、柄は10cm以上ありそうです。柄の色は傘より少し濃いめの褐色。

柄の内部には空洞がありました。

調べていくうちに、アマタケという候補が出てきて、モリノカレバタケの仲間だと知りました。言われてみれば、モリノカレバタケっぽい見た目です。色や柄が中空である点は一致しています。

柄の表面に微毛が生えるのが特徴とあったので、かろうじて判別できそうな1枚目の写真の軸を拡大してみたところ…、

確かに微毛が生えているような質感に見えます!  アマタケの可能性がかなり高そうです。

(8)ナラタケ
こちらの森でも、ちらほらとナラタケが出ていました。この地域に多いタイプの、クロゲナラタケではないかと思います。

無印ナラタケと違って。つばが消失しやすく、痕跡しか残っていません。

ギリギリ食べることもできるかな、という程度のはちらほらとありましたが、先日食べたので今日は採りませんでした。

(9)アキヤマタケ?
杏色のジャムのような光沢のある小さなキノコ。傘も柄も同色でした。

傘は1cmから2cmくらい。

Google Lensで調べたら、アカヤマタケと出ます。しかし、アカヤマタケは去年よく見たタマゴタケの傘みたいな配色のキノコで、こんな黄みの強い杏色ではありません。

でも調べてみたら、アカヤマタケにはかなりの色彩の幅があり、黄みが強い個体もあるようです。でも、アカヤマタケだったら、もっと傘の中央が盛り上がって山なりになっているはずではないのか。

さらに調べてみると、アカヤマタケの近縁のアキヤマタケが、黄色から橙色で、傘も尖っているのではなく、中央が少し凹むとありました。

美しいキノコでまだ若そうだったので、裏側を見るには忍びなく、ひだの付き方などはわかりません。

(10)シロアンズタケ?
混交林に出ていた少し大きめのラッパ状のキノコ。見た目の印象はラッパタケ科のウスタケに近いのですが、内部のイボイボがウスタケほど顕著ではありません。

横から見た姿。

調べたところ、たぶんラッパタケ科のシロアンズタケだと思います。8/30に見た、やはりラッパタケ科のヒロハアンズタケと形は似ていますが、色がもっと白っぽい肌色だったので、名前と雰囲気が一致しています。

(11)ハナイグチ
もしかしてそろそろ出ているかなぁ、と思ってカラマツ林を歩いてみたら、かなり出ていたハナイグチ。歩くうちに20~30個近く発見しましたが、食べれそうだったのは下の写真のひとつだけでした。来るのが数日遅かった。

目の細かな黄色のスポンジのような管孔だったら美味しそうに見えます。傘が開いておらず、つばの皮膜が残っている幼菌ならばなおさら美味しそう。

しかし、下の写真のように、はっきり傘が開いてしまって、ブヨブヨした見た目になっているものばかり。

裏返してみると、もう目の粗いスポンジになってしまっていました。でもきっと、これからのシーズンでまだまだ美味しそうな幼菌に出会う機会があるでしょう。

(12)ヒメホウキタケ?
トドマツ林で見つけたホウキタケっぽいキノコ。生えている姿がとても美しく、背景込みの写真を頑張って撮りました。

このホウキタケ?を撮ろうとして、笹ヤブ近くにしゃがみこんで悪戦苦闘していると、突然、すぐそばのヤブの中からガサゴソっという音がして、思わず叫び声を上げてしまいました。

たぶんリスやイタチくらいのサイズの小動物がいたようです。クマやシカでなくてよかった。対策はしているので、大きな動物は察知して逃げてくれるとは思うのですが、息を潜めてやり過ごそうとする場合もあるでしょうから、不用意にヤブに近づくものではありません。

にしても美しい。樹海の底のイソギンチャクのよう。

大きさは高さが4~5cmくらいでした。

拡大して見ると、先端が尖っていて色がついています。

上から見た姿。Google Lensではイソギンチャクと断定されてしまいました。

さて、このキノコはいったい何なのか。ホウキタケだろうと思っていたのですが、帰って調べてみると全然違います。

ラッパタケ科ホウキタケの仲間以外にも、けっこう似ているキノコがあるもので、カレエダタケ科とか、シロソウメンタケ科フサタケとかも候補に出てきました。

決め手になりそうなのは、先端が茶色く変色していること。しかし意外とそんな写真が見当たらず、簡単に名前がわかると思っていたのに、暗礁に乗り上げてしまい困りました。

色、形、大きさからは、ヒメホウキタケ(Ramaria flaccida)が近く、たまに先端が黒っぽいように見える写真もあったので、一番可能性が高そうです。トドマツを含む各種針葉樹林に出るという点も一致しています。

(13)キアシグロタケ
地面に落ちていた枯れ枝から出ていた、1cm程度しかない極小のタマチョレイタケ科らしきキノコ。

横から見た形。

ラッパのような形の傘で、裏面は管孔です。柄の付け根が黒くなっているのが重要な特徴のようです。

Google Lensで頑張って類似画像を探したところ、タマチョレイタケ科のキアシグロタケ(polyporus varius)というキノコの特徴が近いことがわかりました。

同じタマチョレイタケ科のアシグロタケの親戚ですが、アシグロタケの柄が全部黒いのに対し、キアシグロタケの柄は下半分だけ黒く、今回撮った写真と酷似しています。

英語のサイトには、傘の大きさは2cm~7cm程度と記載されていたので、今回見たのは小さすぎる気もしますが、ほかに候補がありません。

(14)モリノカレバタケ
ミツバがたくさん生えている地帯で見たキノコ。もう少ししたらノボリリュウタケが出てくる場所。

現地で見たときは謎のキノコだと思ったのですが、写真で見るとモリノカレバタケですね。モリノカレバタケはなぜか毎回、写真で見てようやく判別できます。

図鑑によると、モリノカレバタケのヒダはほぼ白色、幅が狭く密、上生から離生とされていました。

もうキノコに疲れていて観察が適当だったのですが、写真からなんとなくヒダと傘の間にくぼみがある(つまりヒダが上生から離生である)ことが確認でき、ヒダの他の特徴も一致しています。

また、柄の色は傘と同色とありましたが、ネットで画像を見るに傘より濃いオレンジ色なので、この点も一致しています。傘の中央部と同じ色、という意味でしょうか。

一番の特徴は、お寿司屋さんの甘酢生姜(ガリ)みたいな色であること。現地で見るより、写真で見たほうが、その印象が強くなるので、見分けやすくなります。

ちなみに枯れ葉に似ているからカレバタケではなく、落ち葉のあるところに生え、それを分解するキノコであることが由来のようです。

(15)ホテイシメジ
帰り際にカラマツ林で見つけたキノコ。傘のてっぺんしか見えていなかったので、はじめシロヌメリイグチの幼菌かと思って、ためらしなく引っこ抜いてしまいました。

ところが裏側を見ると管孔ではなくヒダでした。柄に長く垂生するカヤタケのような特徴的なヒダ。しかも、柄の根元がとっくりのように膨らんでいます。

あまり特徴的な形なので、キノコにしては珍しく、Google Lensで一発で正体が判明しました。ホテイシメジだそうです。

柄が布袋尊の腹のように膨らんでいるのが特徴ですが、ネットで調べたら、これほど典型的な形ばかりではないようでした。

あまりにも美しい形だったので、同じようなアングルの写真ですが、たくさん載せておきます。

ホテイシメジは優秀な食べられるキノコだそうです。でも、残念ながら現地では種類が判別できなかったので、持って帰ってきませんでした。

アルデヒド脱水素酵素の阻害物質を含んでいるため、アルコールと一緒に食べるのは禁忌ですが、わたしはお酒は飲まないので食べても問題ありません。

去年も9/13と10/8に観察した記録がありますが、これほど若い菌を見たのは初めてだったので、同一のものとわかりませんでした。カラマツ林に出るそうなので、次回からは見分けられるようになりたいです。

注意点としては、軽い毒を含むカヤタケや、その近縁の猛毒キノコであるドクササコと形が似ています。ドクササコは北海道には分布していないと思われますが、確実に見分けられるに越したことはありません。

調べてみると、大きさ、傘の形はそっくりなのですが、色がそれぞれ違います。

カヤタケとドクササコは黄色から赤褐色であるのに対し、ホテイシメジは白っぽい褐色です。そして名前のとおり、柄の根元が膨らんでいることが多いのが特徴。

柄の内部は、ホテイシメジは情報がなぜか少ないものの幾つかのサイトによると中実。カヤタケも中実。ドクササコは多くのサイトで中実から中空という謎な表記になっていますが、小学館のきのこ図鑑では空洞があることがカヤタケとの区別点だとされているので、中空の可能性が高そうです。

生える場所も、ホテイシメジがカラマツ林、カヤタケがエゾマツ・トドマツ・ダケカンバ・ミズナラなどの混交林、ドクササコはタケ・ササ・スギ林と違うのも手がかりになりそうです。(あくまで傾向なので断定はできない)

つまりホテイシメジをを見分ける時は以下の点を確認。

・カラマツ林である
・傘が漏斗型でひだが柄に長く垂生
・傘の色がシロヌメリイグチっぽい灰褐色
・柄の根元が膨らんでいる
・柄の内部は中実

見慣れると全然違うのでしょうが、経験が浅いため、まだ今ひとつよくわかりません。(追記 : 9/4の日記により詳しい見分け方を記載)

なお、「ウラベニ」ホテイシメジという別の食用キノコがあり、クサウラベニタケという毒キノコとの見分けが難しいことで知られています。でもそれらはイッポンシメジ科で、ヌメリガサ科のホテイシメジとはまったく無関係で、名前が似ているだけです。

(16)カヤタケ? (追記 : ホテイシメジでした)
ホテイシメジを見つけるより少し前に、タマゴタケ地帯の奥に発見した謎のキノコ。遠かったので望遠レンズで撮ったこの一枚のみです。

この場所はほぼトドマツ林なので、カラマツ林に生えるホテイシメジではないと思います。柄の根元が膨らんでいないことからしても、ホテイシメジらしくありません。

ということは、これがカヤタケでしょうか。去年も9/25にカヤタケらしいキノコを見たと記録しているので、普通に生えているはずです。

しかし、傘の色が白か肌色で、上に載せたホテイシメジよりはるかに白いです。ホテイシメジは白っぽいと書いた前提が早くも崩れ去ります。ネットでカヤタケを調べてみると、確かにこんな色に近いのもあるのですが…。

あるいは、これもホテイシメジかもしれません。図鑑には、これくらい柄の細いホテイシメジの写真もありました。この写真ではわからないだけで、土に隠れている根元がじつは膨らんでいるのかもしれません。

もう少しホテイシメジとカヤタケ(とドクササコ)についてよく調べて、観察経験も積んで、しっかり見分けられるようになったら食べてみたいですね。

(追記 : 翌々日に行ったら数が増えていたので、今度は頑張ってやぶの中に入って採取してみました。

柄の下のほうが心持ち膨らんでおり、傘の中央が黒っぽい、傘の凹みが浅い、そして同じ日に近くで採った、明らかにホテイシメジの形をしているキノコと、色合いや柄の表面の質感が完全一致したため、ホテイシメジと断定しました。

やはり白っぽいようならホテイシメジの可能性が高いでしょう)

(17)カラマツチチタケ?
最後にカラマツ林で発見したチチタケっぽいキノコ。表面には環紋が出ています。環紋が目立つチチタケは、ニオイワチチタケやチョウジチチタケであるとネット上には書いてあるのですが、どちらも北海道きのこ図鑑には載っていません。

ひだの様子。チチタケの仲間は、傷つけると乳液が出るのが特徴で、特にひだを傷つけることで判別しやすいのですが…、

ひだを割いてみても、何も出てきません! これは想定外。

乳液のでないチチタケとは何者?と思いましたが、帰って調べたところ、カラマツチチタケかもしれません。

カラマツ林に現れ、表面に環紋があり、乳液が非常に少ないそうです。北海道きのこ図鑑にも載っている種類なので、可能性が高そうです。残念ながら無印チチタケと違って食べるには適していないそうです。

(追記 : 翌々日、改めて見に行ったら幼菌も出ていたため、傘をもっと大胆に割いてみました。すると、ごく少量の白い乳液が出ましたが、幼菌でもルーペで確認しないと写真に写らないくらい少量でした。カラマツチチタケで正しそうです)

今シーズン初タマゴタケが豊作!

キノコを見ながら、森の奥のほうへ歩いていくうちに、去年、大量にさまざまなキノコを採った地帯に差し掛かりました。今年もここでキノコ狩りをしたかったので、来ることができて嬉しい!

そして早速、去年タマゴタケが次から次に出てきた場所に、今年も出ているのを見つけました! このマンゴーのような傘と黄色のダンダラ模様のある柄はたしかにタマゴタケ。

まだ傘が開いていない若い個体だったので、十分食べることができます。今シーズン初タマゴタケを採取! 傘の色と柄の色で確定的ではあるものの、念のため、猛毒タマゴタケモドキと間違わないよう、傘の条線の確認も忘れずに。

その周囲にもタマゴタケがないかと思って、じっくり見ると、トドマツの根元にひしゃげたタマゴタケが2つ。出た場所が悪くて頭を打ったようですね。傘の裏側はまだきれいそうでしたが、採りに行くのが面倒な位置だったので遠慮しました。

さらに進んでいくと、去年タマゴタケ、タマゴタケモドキ、アカモミタケなどが出ていた場所に、今年も立派なのが2本。完璧な形の傘とつばが残っていて、図鑑の表紙を飾れそうなほど立派なタマゴタケです。

傘の色のグラデーションも毒々しくて美しい。この見た目でなぜか毒がないのが不思議。

奥のタマゴタケのほうは、卵の殻のようなつぼも残っていました。

美しく立派なタマゴタケですが、どうせ他に誰も来ない森の奥だし、見逃している場所でたくさん出ているはずなので、遠慮なく採取させてもらいました。サイズはこんなに大きい。

もうひとつのほうは、さらに大きい傘。わたしの手のひらくらいなので、15cmものサイズです。ハイビスカスの花びらのような光沢。

しかも傘裏はこんなにきれい。虫たちが食べた形跡はありません。完璧なタマゴタケです。

歩いているとさらに見つかるタマゴタケ。見つけたそばから採ってしまうのはもったいないかな、と思いつつ、今日を逃すと食べごろを逸してしまうのは明らかなので惜しまず採取します。あまりに小さいのは残しましたが。

最終的に、6本のタマゴタケを採取しました。探せばもっとあったでしょうが、そんなに採っても食べ切れないですから。巨大タマゴタケ2つでほぼキノコかごが埋まってしまいましたし。落とさないように持って帰るのも一苦労。

今日の収穫。傘の開いたタマゴタケ3つ、開いていないタマゴタケ3つ。そしてハナイグチ1つ。

細かく切って、ホットプレートでバター炒め。タマゴタケは柄の内部が中空であるとされていますが、実際には中空の部分にスポンジ状の綿みたいなものが詰まっていることがよくあります。

卵スープならぬタマゴタケスープにしてみたり、

ホットプレートでそのまま焼きうどんに混ぜてみたりしました。どれもゆで卵のようなトゥルっとした食感と旨味が出ていて、とても美味しかったです。

でも、タマゴタケを食べる時は毎回緊張します。毒がないことは知っているし、傘の色、条線、柄の色も確認しているから間違いない。

それでも、近縁のテングタケ科は猛毒キノコばかりなので、どうしてタマゴタケだけ大丈夫なのか不思議すぎて、なんだか怖い。そもそもキノコって化学物質を処理しているブラックボックスを食べているようなものなので、どれを食べる時も緊張感があります。

心配なら食べなければいいじゃない、となりそうですが、せっかくの秋の恵みだから食べれるものは食べたいという葛藤もあります。あまり広範囲に手は出さず、確実に広く食されている数種類にとどめて食べるようにしたいです。

幸い、種の壁の安定生のおかげで、見た目がタマゴタケなのに、中身はタマゴタケモドキ、というような事態は自然界では生じないので、気をつけて観察している限り、秋の味覚を楽しめるでしょう。

森に出てくる、数え尽くせないキノコを見ると、なんて素晴らしく設計されているシステムなのだろう!と感動が湧き上がります。森は地球のエコリサイクルシステムの代表的部分ですが、無数の化学物質の代謝を担っているのがキノコなのです。

わたしは地元の森に生える植物については、かなりの確率で名前を知っています。コケやイネ科もあることを考えると5割程度かもしれませんが、それでも半分は答えられるでしょう。

しかし、キノコなど菌類については全然わかりません。もし数えることができたら、何百種類ものキノコがあることがわかるでしょう。その中には名前のついていないものもあります。

これほど科学が進歩しても、それぞれのキノコの働きについては全然わかっていません。キノコのような菌類や、目に見えない細菌が地球のシステムを支えていることを思えば、それらの複雑な仕組みを理解していない人間が地球を破壊してしまうのも当然です。

本当に人間が地球と共生したかったら、いずれすべてのキノコを研究しなければいけなくなるでしょう。プログラムを理解するために複雑なソースコードを読み解かなければならないのと同じように。

【気になったニュース】

日本原産フキノトウからがんの増殖・転移を強く抑制する物質を発見|研究成果・採択情報 | 国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学

フキノトウに抗がん成分が含まれているという岐阜大学の研究。案の定、広く話題になっていますが、確かフキノトウって発がん性のあるピロリジジンアルカロイド(フキノトキシン)が含まれていたはずでは?

このニュースで安易にフキノトウは体にいい!と信じ込んで、大量に乱獲して食べる人が出るに違いありません。乱獲されても大丈夫なほど大量に生える植物だったのが幸いですが、ピロリジジンアルカロイドによる健康被害が出るかも。

2021/09/03金

ハシドイの木を推理する

畑仕事の手伝いで、機材の片付けなどをしましたが、体調はもう完全に戻ったとみてよさそうです。

忙しかったため、特に自然観察はできていませんが、枯れそうになっている謎の木の名前を聞かれたとき、しっかり推理できたのが良かったです。

その木は春に大きな白い花を咲かせる、という情報だけ教えてもらいました。

樹皮を見るとまるで桜のようでした。望遠レンズで枝を観察すると、逆光でしたが、冬芽は対生。葉とは別にヤチダモのような細長い実がついていました。でも実は上を向いていました。

逆光で葉の形が見えませんでしたが、足元を見るとボロボロになったのが数枚落ちており、特に何の変哲もない楕円形をしていました。

さて、これは何か。白い大きな花で対生、という時点で相当限られるはずですが、思い当たる種類がありません。在来種かもしれませんが、庭の片隅の木なので、植栽された外来種の可能性もあります。

樹皮はサクラっぽいとはいえ、対生な時点でサクラの仲間ではありえません。

公園や庭で人気のバイカウツギ、オオデマリ、コデマリなどの可能性をまず考えましたが、実の形が違います。それにもっと大きな樹木でしたし、落ちていた葉の形も違いました。

ひとしきり悩んだ後、これほど大きな木で対生なら在来種のハシドイではないか?と感じました。ハシドイの実に注目したことがなかったので調べてみたら、細長く上向きの実!

ハシドイの花は小さな白い花の集合花なので、「大きな花」と言われて真っ先に除外してしまったのですが、詳しくない人から見れば、一つ一つが大きな花の房に見えるのかもしれない、と考えました。

さらに調べてみると、ハシドイの樹皮はサクラに似ている、とあったので、これにて同定完了。

よく見る在来種なので、もっとスムーズに同定できればよかったのですが、最終的に名前にたどり着けただけでも頑張ったほうでしょう。そもそもハシドイの実を知らなかったのでいい勉強になりました。

なぜ、ハシドイの木かずこんなに早く枯れていて葉を落としていたのかは不明。もともと早く落とす樹木なのか、この夏の暑さや他の理由で弱ったのかは、これからもっと他のハシドイを観察して学ばなければなりません。

2021/09/04土

ウメガサソウ、コバノイチヤクソウの実

朝からあまり体調はよくなかったのですが、今までの経験上、そんな時こそ森に行ったら元気になるもの。気温は25℃と少し暑そうでしたが、風があったので涼しめに感じられました。

今日の目的は、前回行けなかった森の奥まで出かけて、2ヶ月前に見つけたウメガサソウ、コバノイチヤクソウ、キンセイランと再会することでした。もうすでに実をつけているはずですが果たして。

森の入り口付近にたくさん落ちていた真紅の小型リンゴのような実。どうやら、そばに立っているのはスモモの木のようです。

おそらく食べることができるのだと思いますが、ジャムとかジュースにしようと思ったら、いったい何玉くらい必要なのでしょう。レシピを調べてみたらキログラム単位で書いてあるのがほとんどでした。

去年も8/29におそらく同じ場所でスモモの実を見たようで、やはり手の平に乗せている写真がありました。

少し森に入ったところに群生しているカラハナソウ。秋にホップをつけることは知っていますが、ふと見てみると、もっと小さな花がたくさん咲いていました。

いつもはホップができてからでないと気づかないのですが、これは雄花のようですね。よく探せばホップになる前の雌花もあったことでしょう。次回探してみます。

序盤から今日も大量のキノコに阻まれて、なかなか歩を進められませんでしたが、ようやく二ヶ月ぶりの地帯にまで差し掛かりました。キンセイランを探しながら歩きましたが、場所がうろ覚えだったので結局見当たりませんでした。

もしかしてキンセイラン?と感じたランの実も見つけましたが、葉の感じからして、これはありふれたエゾスズランです。キンセイランなら、すべての葉が根元から出ているはず。

この前、サイハイランの実を見つけたとき、エゾスズランだろうか?と一瞬考えましたが、いざ本物を見ると、実の形かなり違うのですね。サイハイランは紡錘形で、エゾスズランはほぼ球形に近いです。

キンセイランの株はあまり大きくなかったので、花がついていなければ見つけるのは難しいかもしれません。あちこちに生えているカンスゲの葉にまぎれてしまって目立ちません。

キンセイランを探し歩いているうちに、一番奥地までやってきました。初夏にウメガサソウとコバノイチヤクソウを見つけた草地です。どちらも10cmから15cmくらいしかない植物なので、探すのがとても骨が折れます。

熊よけ鈴を鳴らしながら、周囲にも警戒しつつ、足元をしらみつぶしに探します。花が無いと相当地味なはずなので、踏み潰してしまわないよう、一歩一歩、足を下ろす前に地面を確認します。

なかなか見つからないので、もう消えてしまったのかと不安になりかけたその時、

ありました! ウメガサソウです。一本見つけた後は、葉っぱの色や形を思い出し、特徴的な実も確認できたため、スムーズに合計4本発見できました。

もう花は終わって、こんな形の面白い実がなっていました。花びらは落ちても、クリスマスローズのような萼は健在です。花の時に目立っていた団子鼻のような大きな柱頭も、色は変われど面影が残っています。

花の時点では下向きでしたが、同じツツジ科のコヨウラクツツジなどと同じく、実がなると上を向きます。

真横から採った写真。

花茎の部分の茎は黄緑色ですが、それから下の茎は褐色を帯びています。こう見えて小低木の「木」なので、多少は木質化しているのかもしれません。

花茎が出ている葉の付け根を見ると、小さなつぼみのようなものがついていました。来年の冬芽なのでしょうか。

もう少し下を見てみると、茶色い皮のようなものがついていました。形からして、前回の冬芽が開いた後の芽鱗が残っているのかもしれません。こんなに小さくても草ではなく木なんだなと思わせる構造です。

別のウメガサソウは、実が2つなっている双子でした。確か花が咲いている時にも写真を撮っているはずですが、双子の花は珍しいそうです。

どちらの花も無事に実を結びました。木と言うにはあまりにか弱いため、無事かすどうか心配していましたが杞憂でした。動物たちは踏み荒らさずに歩けるのでしょう。わたし以外の人間は入っていないでしょうから、わたしが踏み潰さない限り、無事なはずです。

ウメガサソウは比較的早く見つかりましたが、一方、コバノイチヤクソウのほうは全然見つかりませんでした。

それでも、10株弱あったはずなので、必ず無事に生き延びた株があるに違いない、と信じて探し続けたところ、やっとのことで一つ発見。

ウメガサソウは葉がたくさん残っていましたが、コバノイチヤクソウは小さな葉が根元についているだけの棒きれと化していて、全然見つからないのも納得の地味さでした。こちらは木ではなく草本なので、その違いかもしれません。

細心の注意を払って歩いていましたが、想定よりもはるかに地味だったので、気づかず踏み潰してしまったかもしれません。イチヤクソウらしいユニークな実がついているおかげで判別ではできますが、色がないため見つけるのは至難の業。

実の大きさも、指先より小さくて、写真を撮るのも一苦労です。

でも、わたしはこのイチヤクソウのユニークな実の形が大好きです。さくらんぼを逆さにしたような丸みを帯びた実、長く伸びた花柱や、かぶっている萼の帽子がおしゃれです。

イチヤクソウはこの個体しか見つかりませんでしたが、きっと地味なだけで、ほかにも実を結んでいることでしょう。

気が済むまで観察して写真を撮り終えたので、ウメガサソウとイチヤクソウの地帯を後にして、一息つきます。やっと神経をすり減らさずに自由に歩くことができます。

他の場所にイチヤクソウやウメガサソウが生えていないという確証はありませんが、少なくとも初夏には発見できませんでした。花の咲いている時期にわからなければ、今さらいちから見つけるのは不可能です。

少し行ったところに咲いていた地味な花の株。花が小さすぎて、全体像の写真では何やら全然わかりませんが、去年の8/17にも見つけたオニルリソウのようです。

細長い葉っぱ。

花と実がたくさんついた花茎。

花の形はワスレナグサに似ています。調べてみたら、やはり同じムラサキ科に分類されていました。

花はもうほぼ散っていて、実が目立っていました。昔こんな形のくっつくおもちゃがあったな、と思って調べてみたら、その名も吸盤ボールという、そのままな名前でした。そんな形の実が3つか4つセットで集まっているのが面白い。

実を裏側から見たら、これまた特徴的な形の萼がついています。6つに分かれたアスタリスクのようですが、これはたまたまらしく、通常は花びらと同じく5つに分かれるようです。

実だけでなく茎も特徴的で、白い長い毛がびっしりと生えています。オニルリソウという名は近縁のオオルリソウより大きいことが由来だそうですが、この毛の印象はオニにふさわしいかもと感じました。なおルリソウは同じムラサキ科で似てはいるものの、属が違う花です。

ここも2ヶ月ぶりに訪れたタラノキ地帯。手前にウドの花、奥にタラノキの花が咲いています。

帰り道で電線に止まっていた鳥。なんだろう?と思いましたが、くちばしを見てモズだと気づきました。あまり経験値を積んでいないので、まだひと目でわかるレベルではありません。

こちらの記事を参考にして観察すると、お腹のうろこ状の模様がよく目立っていることや、目の横の過眼線が薄いことから、メスのようですね。ずっと尻尾をふりふりしていて、ご機嫌そうに見えました。

ホテイシメジを食べてみた

毎年のようにホテイシメジ「らしい」キノコは見つけて記録していましたが、一昨日初めて、ホテイシメジだと断定できるキノコを見つけました。それでも、まだ見分ける経験値が足りないので食べるのは無理だと書いていましたが…、

早くも今日、ホテイシメジを食べてしまいました。なんだかこの流れはアカモミタケの時に通った道な気がする…。

森の入り口付近。サクラタケやアシボソムラサキハツが群生している中に、白っぽい小さなキノコを発見。傘のサイズは2~3cmくらいです。

何だろうと思って採ってみると、なんと傘の裏が柄に長く垂生。あれ?これってホテイシメジでは?

改めて傘をまじまじと見てみる。確かに前回書いたように、シロヌメリイグチみたいな色をしています。

柄の形を見てみると、前回見つけたホテイシメジほど布袋尊の腹のような膨らみはありませんが、下に行くほどわずかに太くなっています。図鑑に載っているホテイシメジの柄はこの程度の膨らみだった気がします。

確信が持てないながら、森の中でもっと典型的なホテイシメジを見つけたら比較できるかもしれないと思い、キノコかごの中に入れました。

さらに歩いていると、前回ホテイシメジを見つけた場所で、また同じように生えているホテイシメジを見つけました。ちゃんと地面にくっついていたので、前回とは別物だとは思いますが、典型的な形をしていてよく似ています。

根元がぷっくりと球根状に膨らんでいるので、近縁の類似キノコではなくホテイシメジだとわかります。さっき採ったホテイシメジ疑いのキノコと比較してみると、明らかに同じキノコでした。

さらにもっと奥を歩いていると、一昨日カヤタケではないか?と思ったキノコを再発見しました。場所や見え方からして同じ個体と思われますが、さらに増えているのがわかりました。

それで今回は頑張って斜面を登り、やぶの中に多少分け入って、カヤタケ疑いのキノコの正体を確かめることにしました。

採取してみると、白いひだにたくさん黒い小さなハサミムシがくっついていましたが、息を吹きかけると飛んでいきました。全部で3本、同じ種類のキノコが生えていました。

手元で観察してみると、傘の色が白っぽく、柄の根元が少し膨らんでいたので、カヤタケではなくホテイシメジらしいと気づきました。

斜面を降りてから、振り返って見上げてみると、周囲がトドマツ林なので意外でしたが、真上の木はカラマツでした。ということはやはりホテイシメジだったのか。

森を出てから、採取した5本のキノコを並べて比較してみました。明らかにホテイシメジだと断定できる小さなキノコが一つあるので、それと同じものか違うものか観察すれば、ホテイシメジかどうかわかります。

傘の開き方は様々で、柄の膨らみも個体差がありましたが、いずれも傘の色は灰褐色、ひだは白、柄は傘より薄めの灰褐色。また柄の表面に縦にしわしわの線が入っているのが特徴的で、すべて同じキノコだと判別することができました。

これで、この5本はすべてホテイシメジだ。そう言いたいところですが、ホテイシメジだったら食べたいので、もっと慎重に判断する必要があります。帰宅後、ホテイシメジの特徴を詳しく調べました。

9/2にも書きましたが、ホテイシメジは、カヤタケ、ドクササコと似ています。

カヤタケは微毒の元食用キノコなので、間違ってもそんなに害はないでしょう。しかしドクササコは激痛を伴う猛毒キノコです。

ドクササコは九州や北海道では自生が確認されておらず、データ上は北海道に分布していないことになっていますが、油断はできません。ほとんど人がいない道北なんて調査が行き届いているとは思えませんから。

ではどうやって見分けるか。

これら3つのキノコは、外見はかなり似ていて、元は同じキシメジ科に分類されていましたが、現在ではホテイシメジのみヌメリガサ科に移されました。似ているようで近縁ではなかったようです。

違いを詳しく解説してくれているサイトがないので、少し手間取りましたが、さまざまな情報を寄せ集めれば、見分けるポイントがわかってきました。

(1)前提としての外見
まず前提として、ホテイシメジ、カヤタケ、ドクササコの3種に絞り込むための外見の特徴。

・傘が杯や漏斗のような形に広がっている
・白いヒダが柄に長く垂生している
・柄には傘と同じ色がついていて、白いヒダとの境目が明確
・柄の根元が膨らんでいるか、少し太くなっている

これらが当てはまれば、この3種の可能性を考えます。一番下の点がはっきり当てはまるようならホテイシメジの確率がかなり高いですが、必ずしも典型的な柄の形をしているとは限らないので、別の鑑別点が必要になります。

(2)カラマツ林に出やすい
9/2にも書いたように、それぞれ出やすい場所の傾向が違います。

ホテイシメジ…カラマツ林
カヤタケ…エゾマツ・トドマツ・ダケカンバ・ミズナラなどの混交林
ドクササコ…タケ・ササ・スギ林

わたしがホテイシメジを採った場所は今のところ全部カラマツ直下でした。でもカラマツだったら、カヤタケやドクササコが出ないというわけでもないようなので、あくまで参考程度に。

カラマツ林に出るホテイシメジは別種で毒性が弱いとの説もあるそうですが、よくわかりません。ホテイダマシのことでしょうか。

出る時期は、カヤタケが夏の7月ごろから出ることもあるそうですが、いずれも9月に出やすく、ドクササコは少し遅れて10月にも出るようです。

(3)色は白っぽい褐色
そもそも傘の色が全然違っていて、ホテイシメジは白っぽい灰褐色、カヤタケとドクササコは黄色や赤色がかった褐色なので、そう間違えそうはありません。

特にドクササコはチチタケのような色(9/2のカラマツチチタケの写真を参照)とされるので、もっと白っぽいホテイシメジと見間違えることはなさそうに思えます。

でもカヤタケは、少なくともネット上の写真では色の薄い個体もあるようでした。カヤタケが混じっていてもさほど害はないでしょうが、100%確実に見分けられるキノコしか食べないという意味では、色だけで見分けるのは不安です。

また、白っぽいとは言っても、ホテイシメジもあくまでも灰「褐色」です。あからさまに白みが強い場合は、シロノハイイロシメジ、コシロイヌシメジなど別のキノコを疑う必要があるかもしれません。

(4)傘の中央部が大きくくぼまない
かなり重要なポイント。この3種は全部、杯や漏斗のような形になると書きましたが、中央部がどれほどくぼむかに違いがあります。

資料を色々見比べると、カヤタケとドクササコは「漏斗状にくぼむ」とあるのに対し、ホテイシメジは「開くとほぼ平らになる」とありました。「北海道きのこ図鑑」には「開くとほぼろうと型」とはあるので、多少はくぼむようですが、かなり浅いくぼみ方のようです。

「くらべてわかるきのこ原寸大」図鑑には、その点がはっきり写真付きで比較されており、ドクササコは「傘の中央部は深くくぼむ」、ホテイシメジは「傘はドクササコほどくぼまない」とありました。(p34)

それを踏まえて、採ってきたホテイシメジたちを見てみると、傘が反り返って多少は漏斗型になってしますが、確かに中央部は凹んでおらず、平らになっているのが確認できました。

言い換えれば、傘の中央部が分厚く、漏斗型ではなく逆さにした円錐型である、ともいえます。

ネット上では、白っぽい色でも、中央部がもっと漏斗型にくぼんでいるなら、ホテイダマシかカヤタケではないか、と書いている人もいました。中央が平らかどうかが、ホテイシメジを見分ける大事なポイントである、ということです。

カヤタケの仲間のオオイヌシメジ(別名オオカヤタケ)は、ホテイシメジと似て円錐形に近い形に開くようです。しかし、色がカヤタケのように褐色を帯びること、ホテイシメジよりかなり大きいことなどから判別できそうです。

傘が反り返ったコカブイヌシメジは、中央があまり凹まず、色合いも白っぽいので、ホテイシメジに最も似ているかもしれません。たとえば、このサイトではホテイシメジに似たキノコとして、コカブイヌシメジのみを挙げています。

湿っていると傘のふちに条線が出る、柄が中空で基部は膨らまない、など他の多くの点で異なっているので、注意すれば見分けることは可能だと思います。手持ちの北海道のキノコ図鑑2種には掲載されていないので、北海道では身近でないキノコなのかもしれません。

コカブイヌシメジは元々は食菌扱いで、ムスカリンを含んでいることがわかってから毒菌扱いになりました。間違えても致命的な害はないはずですが、見分けられるに越したことはありません。

(5)柄の内部は中実だが、あまり硬くない
「くらべてわかるきのこ原寸大」図鑑では、柄の内部の違いも比較されていました。ホテイシメジとカヤタケは中実で、ドクササコは中空だと書かれています。(p34,47)

一方、「北海道きのこ図鑑」によると、ホテイシメジの柄については記載がなく、カヤタケは「中実、強靭」とありました。

「小学館の図鑑NEO きのこ」には、カヤタケについて、「ドクササコに似ていますが、柄の中には肉がつまっています」とあり、やはりホテイシメジについては特に記載がありません。

自分でホテイシメジの柄をさわってみたら、指でつまんだ限りでは、内部が中空でもおかしくない硬さでした。しかし割いてみると、空洞はなく中実でした。(しかしこちらのサイトの写真では空洞があるので、完璧な中実ではなさそう)

それで、おそらくカヤタケの柄は中実でかなりがっしりしているのに対し、ホテイシメジは中実でもそこまで強くはなく、ドクササコは内部に空洞がある中空である、という違いがあるようです。

(6)傘の中央の色が濃い
こちらのサイトに書かれていたホテイシメジの特徴。「ホテイシメジはグレーに近い茶色で、カサの中央の色が濃くなっている」とのこと。

確かに採ってきたホテイシメジ5本はすべて、傘の中央が黒くなっていました。ただし、一番大きく傘が開いていた個体はほとんど黒さはありませんでした。

これがカヤタケやドクササコとの区別点になるかどうかは不明ですが、ネット上の写真で見る限り、ドクササコにはそのような特徴はなさそうに見えます。

一方、カヤタケは、後日観察できたとき、傘の真ん中に濃い茶褐色の部分がありました。ネット上の写真でもそのような傾向がみられました

ですから、必ずしもカヤタケやドクササコとの区別の決め手にはなりませんが、採取するときにホテイシメジを見分ける多くの手がかりの一つとして覚えておくとよさそうです。

(7)ひだの密度
ドクササコとカヤタケのヒダは、はっきり「密」であると書かれていることが多いです。

写真で見る限り、ドクササコやカヤタケは、びっちりきめ細やかに詰まったひだに見えます。前にシロシメジを初めて見た時、ひだの密度にびっくりしましたが、ひだが「密」とされるキノコは、ひと目見てわかる密度だと思います。

一方、ホテイシメジは「やや疎」とされていることが多く、たまに「やや密」との記述もありますが、少なくとも「密」ではありません。実物を見ても、普通のキノコのよくある密度のひだです。

また、英語のwikiを読んでいたら、通常のひだの間に小さなひだがあり、ひだは柄の近くで時々分岐するという特徴も書かれていました。

 

以上、この7つのポイントをよく見れば、ホテイシメジを、カヤタケやドクササコと間違うことはないと思います。

(追記 : 9/6にカヤタケの実物を観察できたので、比較してみるとわかりやすそうです)

カヤタケとドクササコを見分けるのは難しそうですが、カヤタケも多少毒があるとわかった以上、どちらも食べないのがよいでしょう。

ほかに香りなども書いてありましたが、全部よい香りがするようなので、判別点にはなりそうにありませんでした。

こうして、どうやら本当にホテイシメジらしい、ということが分かったので、いよいよ食べてみることにしました。

ホテイシメジはアルデヒド脱水素酵素の働きを抑制する成分(コプリン)を含んでいるため、お酒を飲む人が食べるとひどい目に遭いますが、そうでない人にとっては美味しいキノコだとされます。

ホテイシメジを食べた場合、前後1日はアルコールを摂らないように、と書かれているサイトもあれば、向こう一週間はアルコールを控えるようにとするサイトもありました。

わたしはアルコールをまったく飲まないので関係ない、と言いたいところですが、料理用のみりんでも良くない、ということが書いてあるサイトを見つけて、少しためらいが生じました。

でも、大量に食べるわけでもなし、料理用のみりんも大量に使っているわけでもないので、多分大丈夫だろうとは思います。

ホテイシメジの食べ方は、一般には濃い味を出汁取りに使うべく乾燥保存するとありました。今回は5本採ってきたので、大きめの3本は乾燥させてみることにしました。

小さい2本はバター炒めにして食べてみました。すると、

まるで魚のカレイの肉を食べているような濃厚な味! 味が濃いとかエリンギのような食感だという体験記を読みましたがまさにそんな感じ。ほんのちょっと食べただけなのに、キノコらしからぬ味わいに驚きました。

図鑑によると、「癖がなく風味があり」とのことでしたが、相当強い風味ですね。美味しいことは美味しいのですが、キノコではなく魚を食べているような気分になって複雑です。

発生時期はせいぜい9月いっぱいのようなので、週に1,2本楽しむ程度なら、問題もなさそうです。食べれるキノコのレパートリーが増えてよかったです。

さっき写真に写っていたハナイグチとアカモミタケも、ついでにバター炒めにしてみましたが…

ぼそぼそして微妙でした。ハナイグチは味噌汁など、アカモミタケは炊き込みご飯など、もっとだし汁を活用できる料理がやっぱり向いていますね。

今日のキノコ。キツネタケ、アカモミタケ、イボテングタケ等

出会ったキノコの写真を地道に撮っていたら、ついに今回は20種類を超えてしまいました…。どこまで同定できるか分かりませんが、とりあえず整理してみます。

(1)カラマツチチタケの幼菌?
傘が簡単にぽろりと取れてしまったキノコ。チチタケなどの仲間の幼菌でしょう。傘のサイズは2cmくらい。

傘の内側はまるで果物のオレンジの断面のよう。

柄の内部は中空でした。

2日後のここを訪れたとき、同じようなキノコがまた出ていて、試しに割いてみたところ、ごくわずかな量の乳液が滲みました。付近はカラマツ林なので、(7)と同じカラマツチチタケの幼菌かもしれません。

(2)ナヨタケの仲間?
一本だけ斜面に生えていたキノコ。傘は2~3cm。傘の先端はとがるのではなく、お椀型に開いています。

柄がかなり細長く、傘よりも白く、光沢があります。拡大してみると、微妙にささくれがあるような? 柄の内部は空洞でした。

ひだは少し疎ら。直生から上生。つばはありません。

    

かなり悩んだキノコですが、色々調べてみて、一番近そうだと思ったのはナヨタケでした。

ナヨタケは写真によってかなり印象が違います。湿っている時には条線があってうっすら赤みのある傘が、乾くと白い傘になるようです。今回のキノコがナヨタケだとすれば乾いている状態ということになります。

ナヨタケはその名のとおりなよなよしいキノコで、肉が強くないため、傘の形がびしっと決まらないそうです。このキノコのいびつな傘もその現れかもしれません。

ナヨタケは、ひだが上生でやや疎、柄は白っぽく中空とされていて、このキノコの特徴と一致しています。

しかし、一般にナヨタケのひだは黒褐色とされている点が異なります。ナヨタケのひだは、若い時期は白く、やがて黒っぽく変化するようなので、必ずしも違うとは言い切れません。

でも、このキノコは若くなさそうに見えるので違和感があります。それに、たった一本だけ単生していたのもナヨタケらしくない点です。

(3)アキヤマタケ
前回アキヤマタケではないか、と書いたキノコのその後。2本生えていて、うち1本が折れてしまっていたので、それを抜いてよく観察してみました。

傘の形はアカヤマタケのように尖ってはおらず、てっぺんは平坦です。

折れていたほうを分解してみると。傘の裏側も柄もすべてオレンジ色です。

ひだは開ききっていないのでよくわかりませんが、上生っぽく見えます。柄はボロボロになっていたので、ちゃんと確認できませんでしたが中空のような気がしました。

観察できた手がかりはぜんぶアキヤマタケに当てはまっているので、たぶん正しそうです。図鑑にはまれなキノコと書いてあったので、本当に合っていたら嬉しいですね。

非常に似ているキノコに、キヤマタケ、ツキミタケがあります

キヤマタケはひだがやや垂生である点で見分けられ、このキノコは上生なので違います。

ツキミタケはアキヤマタケより大きく、柄にやや粘性があることで見分けられるとあります。わたしは手袋をして観察していることもあり、区別はかなり難しそうです。

(4)キツネタケ
草地に大量に生えていた細長い小さなキノコ。傘のサイズは1.5cmくらい。全体的に褐色で、傘の中央は白っぽい。後で気づきましたが、おそらく(6)と(15)も同じキノコで、ぜんぶキツネタケだと思います。

同じキノコを何度も別種と思って確認してしまったのは、傘の雰囲気が条件によってかなり違うため。このような真っ白のものもあります。乾燥していると白っぽくなるようです。

柄は細長く、全体がキツネ色です。

断面を見ると、ひだは多少湾生ぎみに見えます。キツネタケは図鑑では上生から直生とされていましたが、ネット上の文献によると湾生もあるとされているので問題ないでしょう。

柄は中空で、キツネタケの特徴と一致しています。

(6)と(15)に続く。

(5)コシロイヌシメジ?
かなり謎なキノコ。ホテイシメジがよく生えるカラマツ林のあたりで見つけました。傘は6cmくらい、隣にあった幼菌は1cmくらいでした。

傘は肌色。薄い褐色。傘の色だけ見ると、ホテイシメジもこれくらい薄いものはありそうです。しかし、成菌、幼菌ともに、傘の中央に黒い部分がないので、ホテイシメジではありません。

ひだは柄に長く垂生していて、傘は漏斗型に開いていて、ホテイシメジやカヤタケを思わせる形です。でも、ひだと柄が同じ色で、境目がはっきりとしないため、ホテイシメジでもカヤタケでもないように感じます。

また、ホテイシメジよりもずっとヒダがきめ細やかかつ密で、カヤタケのほうに近いキノコに思えました。

柄の内部は白く中実でした。

Google Lensで調べたら、まずはカヤタケと出るのですが、カヤタケではなさそうに見えるので、さらに調べてみました。すると、Infundibulicybe catinusというキノコの写真が非常に似ていました。

日本語ではコシロイヌシメジという名前で、文献が非常に少ないのですが、たくさん採っている人もいたので、日本で発生しないわけではないようです。英語wikiでも、二三言しか書かれていないのが不思議。

本当にコシロイヌシメジなのかはわかりませんが、ホテイシメジに似ているのはカヤタケとドクササコだけ、と安易に考えていたところで、まったくのダークホースが出てきました。

ホテイシメジのように思えても、色が白すぎて、ひだと柄が同じ色に近く、傘の中心に色の濃い部分もなければ、別のキノコです。

キノコの奥深さを感じ、改めて注意深くあるよう諭された気分です。

(追記 : もしコシロイヌシメジでないとすれば、他に図鑑に載っているキノコではコブミノカヤタケが似ていました。しかし一般にコブミノカヤタケの色はもっと濃い褐色なので、ウスイロコブミノカヤタケなどの近縁種を疑わねばならず、やはり同定に難航します)

(6)キツネタケ
ちょっと進んだ先にまたしても見つけたキツネ色の小さなキノコ。さっきより傘が茶色っぽくて、別のキノコかと思って観察していたのですが、

引っこ抜いてみると、やはり柄が細長く、全体がキツネ色で、

ひだは上生で、

柄は中空です。

周囲を見回してみると、同じようなキノコがたくさんあり、中には真っ白いのも混じっています。この時点で、おそらく同じキノコだと気づきます。

(15)に続く。

(7)カラマツチチタケ
前回多分カラマツチチタケ?としたキノコ。同じ場所に幼菌が何本か生えていたので、改めて乳液が出るか確認してみることにしました。

ちょっとヒダを傷つけたくらいでは出てこないので、大胆に傘を割いてみたら、ごくわずかに乳液が滲んでいるのがわかりました。接写レンズで撮らないとわからないくらい少ないです。

乳液は白で変色せず、量もごく少なく、場所はカラマツ林、ということで、やはりカラマツチチタケで間違いなさそうです。

(8)シロヌメリイグチ
今日もシロヌメリイグチは点々とありましたが、ぶよぶよになってしまっているのばかり。その中でもこれは、比較的きれいに見えました。

シロヌメリイグチは幼菌の時から管孔が多少開いて網目のようになっているので、ハナイグチより傷み度合いがわかりにくいです。この程度なら十分食用になると思うのですが、気持ち的には幼菌を見つけて食べたいですね。

(9)ハナイグチ
今日も見つけたハナイグチ。ぶよぶよになっているのはたくさん落ちていましたが、まだ傘が小さく、管孔が開いていないのはこの一本だけでした。

管孔はよく引き締まった美しいレモンイエローで、まだ穴が全然開いていません。ありがたくいただいて食べました。

(10)オオキヌハダトマヤタケ?
中央が突き出た印象的な外観のキノコ。傘の大きさは3cmくらい。ひと目見て、すぐに、去年調べたオオキヌハダトマヤタケでは?と思いました。中央が盛り上がるアセタケの仲間らしい見た目。

オオキヌハダトマヤタケとは、苫葺きの屋根の家のような外観のアセタケ科のキノコ。苫(とま)とはスゲやカヤで編んだむしろのことだそうです。実物を見たことはほとんどありませんが、なんとなくイメージできます。

ひだは白。柄は白っぽく見えるものの、やや褐色がかっています。

傘の断面をみると、ヒダは上生ぎみか。

柄の内部は中実。

どれも図鑑の説明と一致しているので、オオキヌハダトマヤタケかその親戚か、というあたりだと思います。

(11)カブベニチャ
黄色っぽいレモンイエローのキノコ。傘の外周部は濡れていたのか、黄色みを帯びて透けているように見えました。かなり面白いキノコなのですぐ名前もわかるだろうと踏んでいたのですが…、

傘の大きさは2cmくらい。柄は傘より濃いオレンジ色です。

断面。あまりきれいではないですが、直生に見えます。

ひだは密。

柄の内部は空洞。

Google Lensにかけるとニガクリタケと出るのですが、地面から生えていたし、ひだがニガクリタケよりもっと密に見えるので、違うでしょう。

さらに調べているとモリノカレバタケが出てきて、そんなまさかと思ったものの、ひだが密であることや、柄が中空なことなど、わりと特徴は似ています。柄が短めなのが気になりますが、必ずしも長いとは限らないようでした。

では黄色いモリノカレバタケはあるのだろうか、と調べてみたら、コガネカレバタケという種類があるそうです。日本にも少ないながら自生が確認されているらしいので、それかもしれません。

(追記 : その後、図鑑「北海道のキノコ」を眺めていたときに、モリノカレバタケの近縁のカブベニチャの写真にそっくりだと気づきました。

柄の下部ほど色が濃い点、柄の基部に白い綿毛がついている点も一致しているので、かなり正しそうです。

ネットの写真だと見た目にばらつきがありますが、湿っている時に、わたしが撮ったような黄色っぽい透明感のあるキノコになるようです。)

(12)キツネノカラカサ
傘が2cmくらいの小さなカラカサタケ。しっかり茶色い鱗片の模様が出ていて美しい。

ひだは離生。柄は少し色がついていて薄い肌色。つばはありません。

キツネノカラカサの柄は白としているサイトもありましたが、図鑑だと肉色になっていたので、キツネノカラカサで合っていると思います。もう少し赤みを帯びていて、柄にささくれがあればクリイロカラカサタケだそうです。

(13)チャカイガラタケ
落ちていた枝についていたレンガ色のキノコ。5cmくらい。これは間違いなくレンガタケだろう、と思っていたのですが…、

裏側は管孔ではなくひだでした! レンガタケは多孔菌のはずなので違います。

Google Lensで調べたところ、チャミダレアミタケというキノコが近そうだとわかりました。

おそらく、チャミダレアミタケ属のチャカイガラタケだと思います。現在のひだは白っぽいですが、老菌になると茶色っぽくなっていくそうです。

科はタマチョレイタケ科になるそうで、タマチョレイタケは管孔のキノコばかりかと思っていたので意外でした。

(14)ニカワジョウゴタケ
去年もたくさん見かけたニカワジョウゴタケ。オレンジ色のヘラ状の形で、とても見分けやすいです。

試しに割いてみると、ゼラチン質のゼリーのような断面がつややかで、美味しそうに見えます。ふつうに食べることができる食菌らしいのですが、なんとなく腰が引けて、まだ食べてみたことがありません。見た目ほど美味しいわけではないようです。

(15)キツネタケ
森のかなり深い場所の草地にたくさん生えていたキツネ色のキノコ。それぞ゛れ別種かと思って観察していましたが、しだいに同じものだと気づき、帰宅後、(4)や(6)とも同じキツネタケだとわかりました。

別種だと思ってしまったのは傘の雰囲気がかなり違うため。

下の写真は一見ナラタケっぽい模様にも見えます。サイズや柄の長さが全然違うのでナラタケと間違えることはありませんが、傘の中心に黒い鱗片があり、周囲に条線が出ている特徴はそっくりです。

後で図鑑を見たら、キツネタケは「中央部に細かいささくれ、周辺に溝線がある」と書かれていて、これもキツネタケの特徴なのかと驚かされました。

かと思えば、このように、中央部の鱗片もなく、条線もあまり目立たない単色っぽい傘をしている場合もあり、混乱させられます。

(4)や(6)と同じく、乾燥して白っぽくなっているのもありました。成長度合いが違うのかドーム状になっていて、中央が凹んでいるので、別のキノコに見えます。

横から見た姿。かなり違う姿に見えますが、去年見たキツネタケは反り返ってボサボサ頭みたいにもなっていたので、これくらいの変化はごく普通のことでしょう。

しかし、傘の表面は違う印象でも、相変わらず引き抜いて側面から見ると同じ姿なので、あれっ同じキノコだったのか…と気づきます。

やはり内部は中空。

何より、どのキノコも割いてみたら、ひだが直生、上生、湾生で、柄が縦にするりと裂けます。その感触があまりに似ているので、見かけは多少違っても同じキツネタケだとわかりました。

後で調べてみたら、キツネタケは「キノコの雑草」と呼ばれるほどたくさん生え、変幻自在でキツネのように人を化かすとのことでした。わたしもすっかり化かされてしまいました。

(16)アマタケ?
傘が白っぽい肌色のキノコ。傘は2cmくらい。

ひだは密。

断面。ひだは幅が狭く、直生か上生。柄が、ささくれか細かい毛のようなもので覆われているように見えます。

柄の内部はおそらく中空。

これらの特徴からすると、少し柄の色が薄すぎる気もしますが、モリノカレバタケの仲間のアマタケに似ています。

(17)タマゴタケ
今日見つけたタマゴタケはこれ一本だけ。じつは前回見つけたものなのですが、斜面の上にあったのと、あまりに小さな幼菌に見えたので、スルーしていました。今日はもう開いていたので、頑張って斜面に登って採取してみました。

しかし、もうすでに傘も柄もボロボロ。頑張れば食べられないこともないでしょうが、虫たちの食糧にしたほうがよいでしょう。幸い、この近くに次項のアカモミタケを見つけたので、無駄足にはなりませんでした。

(18)アカモミタケ
タマゴタケを採った場所の奥に生えていたチチタケ属っぽいキノコ。なんだろう?とついでに拾ってみたら、なんとアカモミタケで驚きました。まだまだ出ないだろうと思っていたので完全に予想外。

全体的にサーモンピンクであること、傘の環紋、柄のクレーター、何よりもひだが破れて自然に滲んでいたオレンジ色の乳液から確定的です。

去年より早い気がして二度見、三度見しましたが、どう見てもアカモミタケなので、ありがたく持って帰って食べました。やはりまだ早いのか、これ一本しか見当たりませんでした。

(19)(イボ)テングタケ
今年初のイボテングタケ! 去年ミヤマタマゴタケがたくさん出ていた場所の奥にあったので、遠目にはそれかと思いましたが、ちゃんとイボがたくさんついていました。

まだ傘は開いておらず、5cmくらい。でも背丈があるので、今日みたキノコの中では最大サイズです。

針葉樹林に生えていたので、無印テングタケではなくイボテングタケだと思われます。イボテングタケのほうが無印より、傘についている皮膜の破片が分厚く硬質だとされますが、比較したとがないのでわかりません。

またイボテングタケは、無印よりツバが取れやすいという特徴があるそうですが、この個体ではまだ残っていました。わたしの目では無印かイボかは断定できません。

他に似ているキノコにガンタケがありますが、柄が赤みを帯びるのが特徴なので違うと思います。

(20)ニセフウセンタケ?
トドマツの近くに発生していたフウセンタケ。遠く高い位置にあったので、望遠レンズで一枚撮っただけ。

傘の色は薄茶色で、柄にだんだら模様が見えるので、これだけでも判別できそうな気がしてしまいます。だんだら模様はツバフウセンタケと同じつばの跡かもしれません。

しかし、色がはっきりわからないので難しいかも。写真の色合いだと、ツバムラサキフウセンタケに近く感じますが、肉眼だと薄茶色に見えました。

去年は近くにニセフウセンタケがたくさん出ていましたが、違うキノコのようです。

(21)ホコリタケ
いつものホコリタケ(キツネノチャブクロ)。真ん中に穴が空いて、胞子を放出している真っ最中の群生を見つけたので、はたいて遊びました。

(22)キオビフウセンタケ(チャオビフウセンタケ)
シラカバ・トドマツ・ハリギリなどが生えている場所に発生していた、かなり特徴的なキノコ。前回イタチタケ(シラカバなど広葉樹生)とヘラタケ(トドマツ生)を見つけた場所の近くです。

傘はいかにもフウセンタケというまんじゅう形から、なだらかに開いています。サイズは5cmくらいあり、今日見かけたキノコの中では大きいです。

ひだは白っぽく、多少、紫がかっても見えます。ひだと柄の付け根にはっきり凹みがありますが、その奥にもひだが見えているので、湾生のようです。

最大の特徴は、このささくれだった柄。Google lensにかけると、一発で見分けてくれて、キオビフウセンタケだとわかりました。キノコの一発同定は非常に珍しい。

図鑑でもイタチタケと同じエリア(シラカバ等広葉樹林)に発生するとあったので間違いなさそうです。ひだも若い頃は淡紫、後に肉桂色とあり、一致しています。

柄のささくれはフウセンタケ科の外皮膜の破片で、数段になって残るという特徴があるそうです。

柄の内部は茶色っぽいものが詰まっていました。

ここまですんなりと同定できてしまうと、もし食用だったらな、と思ってしまいます。図鑑によると食毒不明とされているキノコですが、ネット上ではシチューにして食べている人がいました

英語のwikiを見ると、「Edibility」の項目があり、一部のガイドは食用としているものの、他の人たちは疑っていて、おそらく避けるのが最善とされていました。食べる人もいるという時点で多分大丈夫な気はしますが、キノコは「多分」で食べるべきではないので、確かに今は避けるのが最善でしょう。

(23)ドクベニタケ
アシボソムラサキハツの近くに生えていたキノコ。あちらと比べると、赤みがマイルドに見えます。傘の中央も尖っておらず、逆にくぼんでいます。傘の大きさは幼菌なので3cmくらい。

柄はかなり太く見え、確かにアシボソムラサキハツは「脚細」なのだとわかります。また柄は白いので、チシオハツではなさそうです。柄の内部は中実で茶色くなっていました。

傘の表面の赤い部分はぴろぴろと剥がすことができたので、ドクベニタケの可能性が高まります。

断面からするとひだは直生。ドクベニタケは直生から離生と書かれていたので一致しています。

(24)アカアザタケ
8/30に別の森で見たのと同じキノコっぽい。全体的に白く、傘は中央だけほんのりと褐色みがあるキノコ。柄も多少褐色がかっています。傘のサイズは3cmくらい。

裏面のヒダが非常に繊細かつ密で、前に別の森で見たシロシメジの仲間を思わせます。

ひだは幅が狭く、ほぼ直生。でも、前回同様、傘と柄の間に凹みがあるので、もっと成長したら、上生や湾生っぽくなるのかも。

柄は縦に裂けやすく、内部は空洞でした。これも前回と同じ特徴。

シロシメジは広葉樹林に生え、柄は中実とあります。しかし、このキノコはカラマツの根元に生えていて、柄は中空。

前回も柄が中空であることから、シロシメジとは別のキノコだろうと推測しましたが、結局なんなのかわかりませんでした。

(追記 : 9/9の(1)で成長した姿を観察したところ、傘に段差がついてオシロイシメジに似ています。しかし、傘の中心が肌色を帯びているのが不可解です。また、オシロイシメジは最初は中実、のちの中空ですが、このキノコは若い時から中空でした。

9/25の(1)で、のちに同じ場所を訪れてみると、同一かは分かりませんが、白っぽいキノコが見つかりました。調べてみると、モリノカレバタケの仲間のように思えました。

最初に観察した時点では、傘の厚みがそこそこそあり、柄もさほど長くないので、モリノカレバタケの仲間という考えは浮かびませんでした。

しかし、傘の中心がオレンジ色であること、ひだが非常に密であること、柄が中空であることなどの特徴は、今思えばモリノカレバタケらしいです。

時系列順に写真を並べてみると、

9/4

9/9

9/25

となります。改めて並べてみると、どれも同じキノコに見えます。最終段階を見るとモリノカレバタケっぽさが強いのですが、第2段階で傘に段差がついているのがらしくなく、柄も太めだったのが違和感があります。

図鑑のモリノカレバタケの周辺をパラパラめくっていると、それっぽいキノコを発見。アカアザタケという名前で、元モリノカレバタケ属、現アカアザタケ属です。針葉樹林・広葉樹林どちらにも出るとのこと。

最初白色で、古くなったり傷ついたりすると、やや赤みを帯びることが名の由来。特に傘の中心が赤みを帯びる。柄は白く中空。ひだは非常に密で湾生や上生など。ということで特徴は一致しています。

画像検索してみると、傘にオシロイシメジのような段差がついた写真もあり、かなり可能性が高そうです。

決め手となる特徴がなく、一見しただけで判別するのは難しいそうです。でも、ここで書いてきたような経緯をたどれば、オシロイシメジやモリノカレバタケなど特徴の似たキノコが微妙に当てはまらず、あちらを立てればこちらが立たず状態になるので、除外診断で判別できると思いました)

2021/09/06月

カラハナソウの雌花、イヌガンソクの巨大な葉と胞子葉

先日発見できなかったカラハナソウの雌花。雌雄異株なので、雌株を探す必要がありました。しかし、もう毬花になりつつあります。もう少し若い雌花が見れるかもしれないと思ったのですが…。

見つけた中ではこれが一番若かったかも。雌花が受粉したら毬花になるのか、というと別にそういうわけではなく、勝手に変化するようです。セイヨウカラハナソウの場合、毬花をビールの原料に使いますが、受粉すると香りが失われるため、雄株は取り除くそうです。

一昨日、ミヤマワラビにしては妙に大きいなと、不思議に思っていたシダがあったのですが、今日タマゴタケを採りに斜面のやぶに入った時に正体がわかりました。イヌガンソクだったんですね。

このイヌガンソクは超巨大で、その大きさから明らかにミヤマワラビではないとわかります。しかし、先日見たものはイヌガンソクにしては小さく、ミヤマワラビにしては大きい葉でした。次の写真がその時のシダ。

一番下の羽片がハの字になりやすい点や、裂片の形が似ています。特に下の写真のように、ハの字になる羽片が、付け根に近い部分で幅が狭くなる、という少し珍しい形になるのが、イヌガンソクとミヤマワラビで共通しています。

ほかにはそんなに似たところがないので、混同するようなシダではないはずなのですが、すっかり頭から抜けていました。

前回その謎のシダを見たとき、葉の先のほうが急に細くなっていて、イヌワラビのようだな、と感じました。下の写真は今回見たシダですが、同じ特徴がみられたので、大きさは違えど同じシダだと直感しました。

イヌガンソクの葉でもこのような特徴が見られるとは知りませんでしたが、ネットで調べたら確かにそうでした。一方、ミヤマワラビでは先が急に細くなることはありません。

大きさ、裂片の形、あまり毛深くないことなどから、この葉はイヌガンソクでは?と思って顔を上げると、目の前にまだ緑色をしたイヌガンソクの胞子葉が見えました。緑色の時期の胞子葉を見たのは初めてで新鮮でした。

このガンの足のような胞子葉さえあれば、クサソテツかイヌガンソクだと一発でわかります。しかし、一昨日見た小さなイヌガンソクは、胞子葉がなかったこともあって、別のシダに見えてしまったようです。

これまで、イヌガンソクの葉を大きさと質感だけを頼りに見分けていたので、小さい葉だと、いったい何のシダだろう?となってしまうようです。今回初めて注意深く観察したことで、イヌガンソクの特徴が色々わかってよかったです。

今日のキノコ。コガネヤマドリ、カヤタケ等

(1)モリノカレバタケの仲間
キノコを撮ったつもりが、傘の上にいるクモのほうが目立ってしまった写真。

Google Lensによると、「スベザトウムシ属」と出ました。クモガタ網ではあるものの、クモの仲間ではなくザトウムシの仲間だそうです。よく見る足の長いクモが、ザトウムシと呼ばれる種類だったことを初めて知りました。

キノコのほうは、白から肌色の傘で、肌色の長い柄。

割いてみると、ひだはごく狭く密で、上生ぎみ? 柄の内部は中空。

モリノカレバタケの仲間の何かだとは思いますが、モリノカレバタケなのかカブベニチャなのかアマタケなのか、さらに他の同類なのかよくわかりません。群生ではなく単体で生えていたのも奇妙な点。

(2)タマゴタケ
今日もタマゴタケ地帯を歩いていたら、やぶの奥のほうに、生えているのを見つけました。

採りに行くのが難しそうな場所でしたが、勢いをつけて斜面にジャンプして登って、トゲだらけのハリギリ、イチゴ、イラクサなどに注意しつつやぶをかき分けて、なんとか採れました。キノコ狩りはスポーツです。

このあとさらにもう一本見つけて、全部で3本のタマゴタケを収穫できました。どれも傘の裏側のひだの状態はよく、とても美味しそうでした。

3つ目のタマゴタケは、切り株の根の下から出ていて、頭を打ち付けてしまっていたので、傘の表面がかなり汚れてしましたが、裏面はとてもきれいでした。

(3)タマゴタケモドキ(or タマゴテングタケ)
しかし、そのタマゴタケ地帯に、今年もかの刺客が現れました。そう、猛毒タマゴタケモドキです。

モドキと言いつつ、酷似した外見でないのは幸いです。もし食べてしまったら恐ろしい症状に苦しみつつ死ぬことになりますから。

傘はタマゴタケと違ってレモンイエロー。傘のふちの条線はありません。柄とひだとつばも、タマゴタケのような黄色ではなく白です。つまり、一般的なタマゴタケとは特徴がことごとく異なります。

別の場所にも2つ出ていました。こちらはまだ傘が開いていませんが、やはり色が違うので容易に区別はできます。問題はキタマゴタケと似ていることですが、キタマゴタケは見たことがないので、採取したい誘惑に駆られることは今の所ありません。

同じく猛毒のタマゴテングタケにそっくりで、特徴もほぼ同じなので顕微鏡でしか見分けがつかないそうです。

図鑑によると、タマゴテングタケのほうが大きく傘が5~12cm、タマゴタケモドキは3~7cmとあり、わたしがよく見るのは小さめなので、タマゴタケモドキのほうだと考えています。

タマゴテングタケは「オオタマゴタケモドキ」のような名前のほうがわかりやすそうです。このあたりのキノコは名付けが錯綜していて、あまり似ていないのがモドキ呼ばわりだったり、そっくりなのが全然違う名前だったりするので、いつかまともな名前に整理してほしいところです。

(4)アカモミタケ
前回初アカモミタケを見つけましたが、やはりそろそろ出てくる時期らしく、今日は少なくとも5つ見つけました。

うち3個が成菌でしたが、1つは虫食いだったので2個採取。これもタマゴタケ同様、斜面の上に出るので、ジャンプして登るのが大変。

残りの2つは下の写真のように小さな幼菌でした。これくらいの幼菌は探せばまだまだありそうで、これからたくさん発生する予兆を感じさせました。

(5)(イボ)テングタケ
3つめのタマゴタケを採った場所は、二日前にイボテングタケを見つけた場所でした。でも、一見したところ、見つからなかったので記憶違いかなと思いましたが、粘り強く探していたら発見。

もう立派に傘が開いていて、つばは剥がれ落ちる寸前です。イボがかなり落ちてしまって、ツルタケなど別のキノコに似た雰囲気になってきました。

こんなに目立つキノコなのに、角度によっては草に阻まれて全然見つからないのが不思議でした。

(6)コガネヤマドリ
トドマツ林で見つけた茶色いつやのない大きなキノコ。

これまで見た記憶がなかったので、何だろう?と思って調べてみたら、なんと裏側は管孔。この形はまさか、ずっと憧れていたヤマドリタケ(ポルチーニ)では?

可食のヤマドリタケか、毒のドクヤマドリか見分ける方法は、柄に網目模様があるかどうかだと知っていたので、柄を確認。すると、柄の上のほうに網目がありました。上の写真ではかろうじて網目が判別できます。

柄の表面に虫食い跡が見えますが、これくらいならまだ食べれるかもしれない、と思い、持って帰ることにしました。

すぐ近くに、他に3本のヤマドリタケが出ていましたが、傘がかなり広がっていました。

試しに裏側を見てみましたが、もう管孔が黒っぽくなっていて、食べれそうにはありませんでした。

それでも初のヤマドリタケ。帰ったら念のため同定してから食べてみようと思っていました。ところが、図鑑を見てみると、無印ヤマドリタケとは全然色が違います。

他のヤマドリタケとも比べてみましたが、どれなのかわかりません。まさかこんなに同定が難航するとは思っていなかったので、思わぬ袋小路にはまってしまいました。

まず、ドクヤマドリでないのは確かです。そもそも色が全然違います。何よりも、柄には上部だけですが、はっきりと網目模様がありました。でも、接写レンズで見なければ判別できないほど見にくいです。

問題はどのヤマドリタケか分からないことでした。ドクヤマドリではないと分かっても、同定できなければ食べることはできません。

一般的に網目模様があるヤマドリタケは食べられるとされていますが、網目模様があっても毒性のあるイグチはいくつかあるらしいので、名前がわからなければリスクが存在します。

先に書いておくと、最終的に何のヤマドリタケかわからなかったので、半分に割ってみました。すると内部は虫食いがひどく、食べるのは無理でした。

半分に切ったことでわかったのは、肉色は薄い黄色だということです。また肉、ひだともに、時間が経っても変色しませんでした。やはり変色性のあるドクヤマドリでないのは確かです。

食べるのは無理でしたが、今後のために同定だけはしておきたいところです。

最初は茶褐色の色味から、ススケヤマドリタケの可能性を考えました。実物を触っている時は、この写真よりもずっと茶色く感じていたからです。トドマツ林に出るという点も一致します。

しかし、ススケヤマドリタケは、肉は白く不変、網目模様が柄全体にある、網目模様は白い、といった特徴がまったく一致しません。ネットで調べたら、柄の上のほうにだけ網目模様が見られる場合もあるようでしたが、どのみち他の特徴は一致しません。

ムラサキヤマドリタケはさすがに色が違いすぎます。

ヤマドリタケモドキは、ススケヤマドリタケと同じような色になることがあるそうです。しかし、柄の全面に網目模様がある点がやはり一致しません。また広葉樹林生である点も一致しません。

無印ヤマドリタケは、柄の上のほうにだけ網目模様があり、おもに針葉樹林に生える点が一致しています。でも、全然色が違いますし、傘に光沢があるという点がまるっきり違います。

最後に前も見つけたコガネヤマドリ。これも柄の上のほうだけ網目模様がある点が一致します。また管孔や肉が黄色いイグチでありながら、変色性がまったくない点も一致。

傘も柄も茶色すぎるから違うと考えていましたが、撮った写真で改めて見ると、ネット上の写真とそんなに変わらない気もします。ただしコガネヤマドリも広葉樹林生です。

結論として、色や編み物の特徴が最も似ているのはコガネヤマドリと思われます。でも、ほとんどトドマツばかりの場所に生えていたのが奇妙です。

と思っていたら、こちらのページに、コガネヤマドリは「広葉樹林のほか、トドマツ林内の地上に発生」とありました。理由についても注記されていて、これで問題点が解決されそうです。

せっかく採取したのに食べられずもったいなかったな、と思っていましたが、コガネヤマドリは味はポルチーニよりずっと劣るとされているので、あきらめもつくというものです。

(7)カヤタケ
そのコガネヤマドリの近くに出ていた謎の肌色のキノコ。近づいて見てみると中心が凹んでいます。

さらに、付近にひとつだけ、まだ形が整っている若い菌を発見しました。傘のサイズは3cmくらいです。傘の中央部に色の濃い部分があり、ホテイシメジっぽさも感じられます。

しかし、赤みが強いため違和感がありますし、上の写真の老菌の様子は、ホテイシメジとは全然違って見えます。

横から見たヒダの様子。ホテイシメジよりかなりきめ細かいヒダに見えます。シロシメジほど密ではありませんが、ホテイシメジよりは密です。

半分に割いてみた断面。案の定、ホテイシメジよりも傘の凹みが強く、漏斗状になっています。柄は白く中実。図鑑で見た断面の写真とそっくりなので、これはカヤタケでしょう。

周囲の森はトドマツ林なので、カラマツ林に出るホテイシメジではありません。一方カヤタケは、図鑑によると、エゾマツ・トドマツ・ダケカンバ・ミズナラなどの林に発生するとあったので一致しています。

ホテイシメジとカヤタケの区別について調べていて、安全にホテイシメジを採るにはぜひとも実物のカヤタケを見なければ…と思っていたので、観察できてよかったです。

実物を見た感じでは、確かに似ている部分はあるものの、やはり色がずっと赤や黄を帯びている、ひだが密、傘の凹みが深い、柄の質感が異なり光沢がある、など、違いは色々あることがわかりました。注意深くあれば見分けられそうです。

今日採ってきたもの色々。左からミツバ、スモモ、食べられなかったコガネヤマドリ、アカモミタケ、ホテイシメジ、タマゴタケです。

タマゴタケとアカモミタケはキノコご飯にしましたが、これは絶品ですね。出し汁が良いとされるアカモミタケの味が最大限に活かされて、ご飯が美味しいところに、タマゴタケのトゥルトゥルな食感が合わさって、完璧なバランスに思えました。

2021/09/08木

初めて見たアケボノシュスラン

昨日は畑仕事の片付けのお手伝いで、大量にトマトやら雑草やらを抜いて片付けました。けっこう力仕事で、若干腰が痛い…。でも、我ながら体力がついたと感じます。

今日はあまり時間がなかったのですが、少しだけ湿地帯の森のほうに散歩に行きました。雨降りではないものの、空が曇っていて、真昼なのに暗くて、いつもより薄気味悪い感じ。

キノコを観察しながら、ゆっくり歩いていきましたが、途中で雨が降ってきたかのような音がして、そこそこ近くの茂みがガサゴソと鳴りました。立ち止まって耳をすましてみたら、雨は降っていないようでした。

ぬかるみにエゾシカの群れの足跡があったので、シカが潜んでいたのかもしれませんが、クマの可能性もあります。少し距離があったので、本当に動物かどうかもわかりませんでしたが、動物だとしたらキツネ以上の大きさはありそうな音でした。

鈴をジャラジャラ鳴らしましたが、さらに少しガサゴソと音がしました。至近距離には感じませんでしたし、音がやんだので、念のため、熊スプレーをホルダーから取り出して、構えながら歩くことにしました。

その後しばらく、特に何の気配もありませんでしたが、森の奥のほうに差し掛かったところで、吐瀉物のようなものを見つけました。

気持ち悪かったので、小さな写真だけ載せますが、おそらく、デントコーンを食べたヒグマのフンではないか、と思いました。この時期、よくデントコーン畑にヒグマが出没したというニュースを聞きます。

デントコーンを食べているということは、人里近くに出没するクマで、あまり人間を恐れない可能性があります。今日の森は薄暗くて気味が悪いし、謎のガサゴソ音もしたし、あまり長居しないでおこうと思いました。

(追記 : その二日後、夕方の16:00ごろに付近でヒグマが目撃されました)

でも、せっかく森の奥まで来たことだし、一番奥の去年ドクツルタケが生えていた場所のキノコも確認してから引き返すことにしました。

残念ながらドクツルタケなど目立つ大型キノコは見当たりませんでしたが、ミゾソバ地帯の地面に、一本だけ見慣れない白い花を見つけました。

白いおちょぼ口の花をたくさんつけています。どこかで見たような…とは思いましたが思い出せません。後になって、たぶんハマハタザオの花を思い出したのかも?と考えましたが全然似てなかったですね。

調べてみたら、アケボノシュスランという初めて見るランでした。もう地元の花が咲く植物はほとんど見知っていると思っていましたが、今年は、サルメンエビネ、キンセイラン、そしてこのアケボノシュスランと新しいランをよく見つけます。

白い花と書きましたが、実際にはこのようにほんのりと赤みを帯びていて、これがアケボノという名の由来になっているそうです。

シュスランという名のほうは、葉が繻子織りの織物(サテン)に似ていることが由来だそうです。布に詳しくないので、そう言われてもよくわかりませんが、いい名付けをもらった花ですね。

シュスランの葉は中央に白線が入ることが特徴だそうですが、地味なので、花がなければ見つけるのは難しそうです。

小さな花で、接写レンズを使ってもピントが合いにくく、満足のいく写真は撮れませんでした。森の奥で、近くにヒグマのフンもあったので、熊鈴を鳴らす手を止めて、無防備にしゃがみ込んで、ゆっくり観察する気にはなれませんでした。

それから、その周囲に次項に載せるコガネヤマドリを何個か見つけましたが、これも手短に観察しただけで、引き返すことにしました。

帰りは違うルートで林道を経由しましたが、途中でガサゴソと音がした場所をぐるりと迂回する道なので、慎重に周囲を見回しながら歩きました。まだ14時なのに、来たときよりもっと暗くなっていて、気持ちが落ち着きませんでした。

帰り道に、ジンヨウイチヤクソウの群生地を通ったので横目にちらっと見ましたが、もう葉っぱばかりになっていて、実はないように見えました。

立ち止まってしっかり観察したわけではないので、確かなことは分かりませんが、花が咲くのもウメガサソウやコバノイチヤクソウより早かったので、実を落とすのも早いのかもしれません。

道路沿いのオニグルミはここまで黄葉していました。

公園のカツラの木もすっかり黄色くなっていて、トチノキは一部の葉が黄や赤に色づき、ハリエンジュやイヌエンジュの豆のさやは乾燥してパリパリになってきていました。

一日一日秋が深まっているので、意識して毎日を過ごさないと、最良の時期があっという間に過ぎ去ってしまいます。

今日のキノコ。ヒメコナカブリツルタケ、マツオウジ等

今日見つけたキノコたち。ほんの1時間弱で帰ってきたはずなのに、10種類を超えていました…。また同定に難航しそうな小さなキノコばっかり。

(1)カバイロヒトヨタケ?
前に同じところで見かけたカバイロヒトヨタケと思われるキノコ。傘は山型に盛り上がっていて、柄は白いヒトヨタケ科らしい姿。傘の大きさは2~3cm。

傘の裏側はまだ黒には変色しておらず、褐色でした。

前回と同様、すぐそばに幼菌もありました。

幼菌の姿からすると、白い鱗片がつくキララタケではありません。ヒメヒガサヒトヨタケの幼菌は似ていますが、成長した姿が違います。オオカバイロヒトヨタケの可能性はありますが、肉眼では区別できません。

(2)コクサウラベニタケ?
傘がテカテカと光沢のあるキノコ。イッポンシメジ科を思わせますが、傘のサイズは3cmほどと小型。

傘の中央が少し盛り上がって、ベレー帽のような形にくぼんでいます。

ひだは褐色を帯びていますが、もしコクサウラベニタケで正しいとすれば、ウラベニの名のとおり、赤みを帯びていると表現すべきかもしれません。もともと白いのが赤みを帯びてくるそうです。

ひだは上生に見えます。コクサウラベニタケは上生~離生らしいので当てはまっています。

柄は光沢があり、多少毛羽立っていました。このような特徴はコクサウラベニタケには見られません。たまたま菌糸がついていたのか、別のキノコなのか…。

柄が中空な点はコクサウラベニタケと一致しています。

(3)イタチタケの仲間?
とても小さな白い傘のキノコ。傘の大きさは1cm未満。

傘の周囲に内被膜の破片がついていることから、イタチタケっぽさを感じました。しかし柄が赤みを帯びているため、イタチタケではなく、その親類(ナヨタケ属)の何かだと思います。

傘は白っぽく、ほんのりと褐色を帯びています。

ひだは白っぽいクリーム色、柄は傘よりも濃い赤褐色。ひだがそんなに密ではない点がイタチタケと異なっています。

ひだは上生から離生、柄の内部は中空。

(4)ヒメコナカブリツルタケ?
ホテイシメジのように柄の根元が球根状に膨らんでいるキノコ。傘のサイズは2cmくらい。

たまたま図鑑で見かけたアカキツネガサ(ハラタケ科シロカラカサタケ属)も根元が膨らむようなので、そのような特徴を持つキノコはあるにはあるようですが…。

Google Lensに傘の写真をかけてみたら、キノコにしては珍しく、一発で「ヒメコナカブリツルタケ」(テングタケ科テングタケ属)という名前が出ました。

ツルタケの仲間で小型、つばはなく、ひだは離生、柄の基部が膨らむという特徴をもち、一致しているように感じます。

コナカブリの名のとおり、多少、白い粉をふいているようにも見えます。

裏側のひだは、たまたまだと思いますが、パーマを当てたかのように波打っていました。ひだと柄の間に隙間が空いていて、湾生か離生に見えます。

しかし断面を見てみると、上生か離生っぽいひだです。おそらくツルタケの仲間らしい離生としていいと思います。

柄は中空。根元が球根状に膨らんでいます。

(5)ホコリタケ
内部が白いホコリタケ幼菌が大量に生えていて、幼菌の割にはサイズも大きく食べごたえがありそうでした。触ると表面のつぶつぶが取れて散らばるのがゴマ団子っぽい。

でもホコリタケの料理は面倒くさいし、魚肉ソーセージのような食感が好きというわけでもないので、泣く泣く見逃してきました。どう料理すれば美味しいのだろう…。

(6)マツオウジ
地面に落ちている木から生えていたキノコ。傘は3cmくらい。

傘の中心が凹まない漏斗型(円錐型)でホテイシメジに似ています。しかし、傘の中央にささくれのような模様があります。

ひだもギザギザ、柄もささくれというやさぐれっぷり。

ひだは垂生で、柄の内部は中実。

最初、ホテイシメジやカヤタケの仲間を調べていたものの、全然名前がわかりませんでした。しかし、Google lensにかけたらキカイガラタケ科のマツオウジ(元ヒラタケ科)だと判明。

傘や柄のささくれ、ひだのギザギザ、マツの枯れ木に生える、と個性的な特徴が一致しているので間違いないでしょう。最初はまんじゅう型で、最終的にこの写真のように漏斗型に開くそうです。

あまり美味ではなく、軽い中毒もあるものの、食用キノコだということ。

(7)キツネノカラカサ
倒木でギャップができて太陽の光が差し込む草地。一帯がキツネノカラカサだらけになっていました。

ひだは白からクリーム色で離生、柄は肌色でした。間違いなくキツネノカラカサだとおもったので今回は確認はしていませんが、一般に柄の内部は中空です。

(8)アミヒラタケ
前に見たアミヒラタケ。もう崩壊してしまっていました。サルノコシカケみたいに長年残るものなのかと思っていたので、予想外でびっくり。次に幼菌を見つけたら食べてみたいものです。普通は春に出るキノコで秋はまれらしいです。

(9)ムジナタケ?
まったく見当のつかないキノコ。傘のサイズは1cmほど。傘のてっぺんは尖っておらず半球型。割いてしまいましたが、平らに開くキノコだったのかもしれません。

真上から見ると球体のようです。

ひだは傘と同じ茶色。柄は白い毛に覆われているため、角度によっては光沢があって白く見えますが、実際は傘と同じく茶色っぽいです。

割いてみると、柄が傘と同色であることがわかります。内部に空洞があるのに白い肉が詰まっているのが面白い点でした。

ひだは上生に見えます。

知っている中で一番近いのはムジナタケで、ネット上の写真でも似ているのがあります。しかしムジナタケは、柄が褐色の鱗片で覆われ、柄の内部が中空である、と表現されているので、このキノコの特徴と一致していません。

(10)ウラベニホテイシメジ? イッポンシメジ?  クサウラベニタケ?
今日見たキノコの中では最大サイズ。5cm~7cmくらい

ウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケ、イッポンシメジが思い浮かびましたが、写真で見た程度の知識しかないので調査が必要。肝心の柄の内部を撮り忘れてきたのが痛恨のミスです。

ひだは赤みがかっていて、「ウラベニ」らしい特徴が出ています。

ひだは上生から離生。イッポンシメジやクサウラベニタケは、ひだが直生や垂生と書いてあるので違うかも。老菌なのでよくわかりません。

ウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケ、イッポンシメジの中で唯一食用であるウラベニホテイシメジを見分ける方法の一つは、傘に親指で押したように跡があることだとされています。

もしかすると、一枚目の写真に写っている傘の模様のようなものがそれ? たとえそうだとしても、個人的にはウラベニホテイシメジは、その見分けにくさから決して食べたくない食用キノコの一つです。

(11)キカラハツモドキ
トドマツ林にて見つけたチチタケ属。傘は環紋があって、中心が凹み、肌色。傘のサイズは4cmくらい。

柄も同じ肌色で内部は中空。

乳液は白。変色性があるかどうかは確かめていませんが、もともと滲んでいた乳液が変色していなかったことからして、白いままなのでしょう。

そういえば去年も、ここのトドマツ林で、このような肌色のチチタケ属のキノコを大量に見たのでした。名前を特定したような記憶がありましたが何だったか…。日記を見返してみないとわかりません。

(追記 : 去年の10/18の日記によると、キハツダケかトビチャチチタケを疑っていたようです。しかし、両者ともに環紋がないとのことで、今回のキノコとは違うかもしれません。

調べて見たところ、白いチチタケ属には、シロハツ、シロハツモドキ、シロケハツ、シロケハツモドキ、ツチカブリ、ツチカブリモドキなどがあります。(ここの記事にはさらに詳しいフローチャートが載せられていました)

肌色から薄い褐色のチチタケ属はさらに多く、キハツダケ、カラハツタケ、キカラハツタケ、シロカラハツタケ、カラハツモドキ、キカラハツモドキ、キチチタケ、ウスキチチタケ、トビチャチチタケ、ススキチチタケ、ウズハツなどがありました。

このうち、環紋があり、乳液が白色で変色せず、中空で、針葉樹林に生えるのはどれか。ざっと調べた範囲ではキカラハツモドキが近いのですが、中実と書かれていました。

アイバカラハツモドキも似ていて、こちらは中空ですが、広葉樹林生です。どれも完璧には一致しません。

しかし、キカラハツモドキについて、ネット上のサイトでは、中実から中空に変化するとしているものもあります。それが正しいとすれば、一番近いのはキカラハツモドキです)

(12)コガネヤマドリ
たくさん出ていたコガネヤマドリ。やはりこの地域のコガネヤマドリはトドマツ林に出るという特徴がありそう。

傘裏が非常にきれいで新鮮なものもあったので、これなら食べられるかも、と思って採ってきました。しかし、ネットで調べたら、やたらと食毒不明と強調されているので及び腰になり、コンポスト行きになってしまいました…。可哀想なことをしてしまった。

捨てる前に割ってみたら、内部は本当にきれいで、これなら間違いなく食用になったはずなのですが…。

しかも、後で手持ちの図鑑3種(北海道きのこ図鑑、小学館の図鑑NEO、比べてわかるキノコ)を確認すると、すべて「食」扱いになっていて驚きました。特に小学館のは、間違えて食記載した時に回収騒ぎになったような本なのに…。

これらどれも新しめの図鑑で「食」扱いになっていることを思うと、ネットではなく紙媒体を信頼して食べてみてもよかったのになぁと思いました。この近辺では出やすいキノコみたいなのでまた機会があるでしょう。

(13)イボテングタケ
その後、自転車で行った公園に大量に出ていたイボテングタケ。

幼菌ですら穴だらけになるほど、虫たちには人気。

草地に出ていたので、本当にイボテングタケか?と思いましたが、サイズは普通に10cmくらいあって森の中で見たものと遜色ないですし、明らかに立体的なイボをつけていました。

じつはこの公園は毎年タマゴタケが出るので、それを探しに行きました。ひとつだけ残骸のようになったタマゴタケを見つけたので、出るには出るようですが、タイミングが悪かったです。

2021/09/09木

森の生き物たち。謎の黒いカエル

庭のムシトリナデシコの密を吸っていたキアゲハ。よくいるチョウですが、こんなにアップで撮れたのは初めて。精巧なつくりをしています。

朝から雨でしたが、明日明後日と森に行けそうになく、キノコごはんが食べたくなったので、森に行ってみることにしました。

雨がぱらついていて、森に入っても大丈夫か悩みました。一般に雨降りの日は音や匂いがかき消されるのでヒグマとの遭遇の危険性が増すからです。わずかに降っているだけだったので、とりあえず少し歩いてみようと思いました。

幸い、それから雨脚が強まることはなく、天気予報どおり雨は止んで晴れ間が除きました。レイチェル・カーソンが言っているとおり、雨上がりの森は色が鮮やかで、みずみずしく輝いていました。

時々カケスが鳴いたり、耳のそばをハチが飛んだりして、音に驚きましたが、滴る水音以外には静かな森でした。

まわりに誰も人間がいない、誰にも監視されることがない、そんな開放感を森の中では味わえます。ずっと都会で育ち、人目を気にして抑圧的に生きてきたわたしにとって、森で過ごす時間は、心底自由を感じられるひと時です。

森の中を飛び交っていたキリギリスのような虫。背中の色が違いますが、どちらも同じヒメギスかも。

今の時期は森の中はカエルだらけでわんさかいますが、キノコを採っているときに斜面にいたカエルが黒くて珍しかったので採ってみました。

エゾアカガエルって黒くなるのでしょうか? 調べたら本州産のツチガエルが黒くなるそうですが、北海道では外来種扱いで南西部のみ分布となっていました。

ツチガエルほどイボが多くなく見えるし、ツチガエルは平地など人里近くに多いようなので、普通にエゾアカガエルだろうなとは思います。

今日のキノコ。ヤマブキハツ? アカヒダササタケ等

午後から用事があったので、そんなに長居はできませんでしたが、いつもキノコを採集している地帯まで行って、道すがら、キノコの観察を楽しむことができました。

(1)アカアザタケ
9/4の(24)でカラマツの根元に生えていたキノコ。シロシメジに似ていますが、中空だったのでオシロイシメジかと考えました。

改めて見に行ってみると、少し成長していて、傘のふちが角ばっているのが確認できました。オシロイシメジの特徴です。しかし、傘の中心が赤みを帯びているのが不可解です。

詳しくは9/4に追記しましたが、おそらくアカアザタケだろうと考えました。

(2)ヤマブキハツ?
入り口付近に大量に出ているアシボソムラサキハツの近隣に出ていたベニタケ属と思われるキノコ。傘は3cmくらい。傘の色が薄い黄色なのが珍しい点です。

ひだと柄は真っ白です。

ひだは直生、柄の内部は中空でした。

調べてみたところ、黄色いベニタケ属は日本では珍しいらしく、イロガワリキイロハツ、ヤマブキハツ、キハツダケくらいしかないそうです。あまり鮮やかな黄色ではなく、環紋もないことからすると、ヤマブキハツかもしれません。

(3)チシオハツ?とカラマツチチタケ?
しばらく進んでカラマツ林に生えていたゼリーのような傘をしたベニタケ属。そしてその傘によりそうようにチチタケ属も。

雨上がりだからこそ見られるつややかなキノコ。赤いベニタケ属の見分け方について調べてみたら、赤いベニタケ系の見分け方 と、赤系統のベニタケ科の見分け方がトップに出てきました。

ポイントのひとつは柄の色。柄が赤みを帯びていることを確認すれば、ある程度しぼることができます。有名どころでしぼると、ヤブレベニタケかチシオハツでしょうか。

ヤブレベニタケは、外周部に近いひだが、傘と同じ赤色で縁取られているのが特徴だと言われています。(ここのサイトの写真がわかりやすいです)

でも、きれいすぎるキノコでひっくり返すのが忍びなかったので、そこまで確認しませんでした。上の写真ではひだ側面が写っていますが、傘が壊れていない右の方のひだを見る限り、赤い縁取りはないように見えます。

だとすればチシオハツでしょうか。ヤブレベニタケは広葉樹林に多く、チシオハツは針葉樹林に多いようなので、カラマツ林のど真ん中で見つけたことからしてもチシオハツの可能性が高そうです。

黄色いほうは、たぶんカラマツチチタケかと思います。前にそれらしいキノコを見た近くですし、周りにもぽつんぽつんと同じキノコが出ていました。

(4)タマゴタケモドキ
先日食べたアカモミタケとタマゴタケのキノコごはんがあまりにも美味だったので、今日はそれをぜひ見つけたかったのです。ところが、最初に目に入ったのは猛毒タマゴタケモドキの三兄弟。

タマゴタケは見つけ次第わたしが採ってしまうので、見える場所になくても仕方ないのですが、こんなに猛毒キノコが多いとげんなりします。猛毒だということを忘れて観察すれば立派な傘のキノコなのですが。

(5)アカヒダササタケ?
全然種類のわからなかったキノコ。てっぺんが少しだけ尖っていて、クリタケを思わせる形。しかし、おそらくフウセンタケ科のようです。

まだ幼菌に近いのか、傘1.5cmくらい。成長するまで様子を見ればよかったかもしれませんが、次回来るのがいつかわかりませんし、発見できる保証もない場所だったので採ってしまいました。

裏側のひだがかなり特徴的なオレンジ色で、Google Lensにかけたら、ササタケという聞き慣れないキノコの名が出ました。もう少し調べて、その近縁のアカタケ、アカササタケ、アカヒダササタケという種類が似ていると思いました。

手持ちの「北海道きのこ図鑑」には無印ササタケは載っていませんが、その3種は載っていました。

アカタケは針葉樹林、アカササタケ、アカヒダササタケは広葉樹林と針葉樹林の両方に出るようで、アカヒダササタケは特にダケカンバ林床に出るとのこと。(追記 : もう一つの図鑑「北海道のキノコ」によると、アカヒダササタケはトドマツ林に出るとありました)

裂いてみるとひだは上生でしたが、上の写真では左上のひだが明らかに湾生にら見えます。柄は縦に裂けやすく、ほぼ中実でした。

3種のうち、アカタケは肉をつぶすと赤い汁が出ることで区別できるとのことですが、割いても確認できなかったので除外できそう。

アカササタケやアカヒダササタケの柄の内部がどうなのかは資料がなくて不明。無印ササタケは一般に中空とされていますが、wikiだと「中実だが、次に中空で均等な小繊維で覆われ、非常に脆くなる」という謎の記述があり、幼菌時は中実ということなのかも?

(追記 : 後日10/3にアカヒダササタケらしきキノコを同じ場所で発見したときは中空でした)

他の特徴は一致しているので、美しい特徴的なひだの色からしても、フウセンタケ科のアカササタケか、アカヒダササタケの可能性が高いように思います。

色合いだけをとれば、アカササタケに近く思えますが、「北海道のキノコ」によると、アカササタケは直生、アカヒダササタケは上生~湾生なので、アカヒダササタケかと思います。

(6)キヌハダニセトマヤタケ?
現地で見たとき、オオキヌハダトマヤタケにしては色が薄いな、という印象でした。傘は2cmくらい。場所はトドマツ林でした。

図鑑によると、オオキヌハダトマヤタケは広葉樹林に発生するらしく、前回見た場所もそうでした。一方、キヌハダニセトマヤタケは広葉樹林だけでなく、エゾマツ、トドマツなどの針葉樹林にも出るとあったので、条件が合っています。

また、オオキヌハダトマヤタケが黄土色~帯褐色とされているのに対し、キヌハダニセトマヤタケは淡黄土色~帯白褐色となっていので、色が薄いという印象とも一致しています。

オオキヌハダトマヤタケは2~6cm、キヌハダニセトマヤタケは1.2~3cmとされているので、サイズの特徴も当てはまっていました。

ひだはほのかに褐色を帯びた白、上生、柄は中実でした。

こちらのサイトの説明によると、無印キヌハダトマヤタケ、キヌハダニセトマヤタケは柄の根元が膨らむのに対し、オオキヌハダトマヤタケの柄は膨らまない、という違いがあるようですが、そこまで観察はできませんでした。

(7)フウセンタケ科
9/4に遠くから写真を一枚だけ撮った、トドマツの根元に群生して生えていたフウセンタケ科のキノコ。(9/4の(20)参照) すっかり傘が開いていて、今日は体力に余裕があったので、斜面に身を乗り出してひとつだけ採ってみました。

遠くから見ると、傘は肌色に見えます。

手に取ってみると、中心付近はもう少し濃い橙色でした。傘のサイズは6cmくらい。傘と柄の色は同じです。

傘を真上から見ると、放射状の模様や染みがあります。

ひだは傘よりも少し濃い褐色。

9/4に見たときは、柄にツバフウセンタケのような帯がありましたが、それはなくなっていました。しかし、白い菌糸のようなものがところどころまとわりついています。

ひだはわかりにくいですが、直生だったのが、老菌になって離生になったのかも。柄の内部は中空。

フウセンタケ科であることは確定なのですが、似ている傘の模様が見つかりません。トドマツ林に生えること、柄につばがないこと、全体が褐色を帯びていることなど、手がかりは色々ありそうなのですが…。

前回書いたツバムラサキフウセンタケは、傘の色合いが近いですが、ひだの色が違いますし、つばも残っていません。去年このあたりに出ていたニセフウセンタケは柄の色が違います。

(8)アカモミタケ
一昨日ここに来たとき、アカモミタケ幼菌が2,3個あったので、きっと今日行けば食べごろだろう、と皮算用して森に出かけました。

しかしいざ到着してみると、幼菌のうち、食べごろサイズになっていたのは1つだけで、残りはまだ小さかった! アカモミタケの成長速度を理解していませんでした。ハナイグチやタマゴタケなら、2日で手遅れになりそうなものなのに。

とりあえず1つ採りましたが、これひとつだけではキノコごはんは食べられない…。いったいどうしよう?とあたりを見回していると、斜面の上のほうの茂みに何やら大きなサーモンピンクのキノコが見えます。

カメラの望遠レンズで確認してみたら、間違いなくアカモミタケ。ちょっと成長しすぎな感じもしましたが、あれに賭けるしかない。

勢いをつけて斜面にジャンプして上りましたが、登り切るのに失敗して一度飛び降りる。腰くらいの高さがあるところからジャンプして、一瞬しまった!と思いましたが、地面が柔らかいおかげで、腰に軽い衝撃があるくらいですみました。

気を取り直して、助走をつけてもう一度大ジャンプして登り、こんどこそ斜面の上まで到達して、成長しきったアカモミタケを2つ入手。かたわらに小さな小さな幼菌もくっついて、一緒に抜いてしまったのはもったいなかったかも。

ついでに周囲を軽く調べましたが、他にはアカモミタケが出ているのは見つかりませんでした。こんどは斜面から降りるとき、中間の足場を経由して安全に降りました。アクションゲームみたいな跳躍はほどほどにしなくては…。

傘が開ききったアカモミタケ2つと、その根元についていた極小の幼菌1つ、そして最初に採った食べごろの大きさのが1つ。これでなんとかキノコごはんは間に合いそうです。

ところが、帰り道のどこかで、この一番形のよい食べごろのアカモミタケを落としてきてしまいました…。他のアカモミタケが大きいから量は問題ありませんでしたが、一番おいしそうなのを落としてしまったのは残念。

(9)タマゴタケ
アカモミタケを見つけた時点で、最低限の目的に達したので、いったん引き返しかけました。でも雨が止んで空が晴れてきたので、もう少し奥まで行ってもいいか、という気持ちになりました。

いつもタマゴタケを採る場所を簡単に見て回ると、一本だけ、中くらいの大きさのが斜面に出ているのを発見しました。低い場所だったので、さほど苦労せずに採れました。

傘は裂けてしまっているけれど、虫食い跡は目立ちません。裏のひだもまずまずきれいで食べれそう。大きさにしても、傷み度合いにしても、ギリギリセーフの一本でした。

こうして、キノコごはんが食べたい!という食い意地に導かれた森歩きはなんとか成功。最低限のタマゴタケとアカモミタケを確保できたので、無事にキノコごはんにありつくことができました。

採りたてのアカモミタケ、タマゴタケ、そして先日採って乾燥させていたホテイシメジを加えた混ぜご飯。本当にびっくりするほど濃厚な味わいと食感で美味しいですね。苦労したかいがありました。

キノコが食べたいと願ってキノコ狩りに行く癖に、根が慎重なので、いざキノコ料理を食べる段になると、本当に食べて大丈夫か、間違えて毒キノコを採っていないか、と怖くなります。

でも、それくらい何度も念入りに確かめて、採ってきたキノコや写真の特徴を二度見、三度見するくらいでちょうどいいのだと思います。常に食べたいという気持ちより、慎重さのほうが勝っていなければキノコ狩りなんてできません。

しっかり確かめた上で、それでもちょっとドキドキしながら、絶品のキノコごはんを味わうくらいでないと。

2021/09/10金-2021/09/12日

サツマイモの葉柄を甘辛く煮る

ここ3日間は自然観察できなかったので、簡単にメモ。

金曜は畑仕事でじゃがいも掘りなど。さつまいものつる(葉柄)をもらってきて、甘辛く煮てご飯のお供にしました。

10年くらい前、知り合いが食べれるよと教えてくれて、美味しかったので、また試してみたいと思っていました。北海道でもサツマイモが問題なく茂るこの夏です。

土曜は自転車のメンテナンス。寒暖差の激しい場所なので傷みやすい。

今日は一日中大雨。キノコが育ちそうですが、来週も忙しいので、ちょうどよいタイミングで行けるかどうか…。

2021/09/13月

今日のキノコ。ナラタケ大量発生再び、今年初ノボリリュウタケ、シロヌメリイグチ幼菌など

昨日から大雨でした。これだけ降ればキノコがたくさん出ているだろうな、と思い、雨上がりの森に出かけてみました。

雨上がりの森はきらきらと輝いて美しく、よりいっそう魅力的でした。気温は涼しく、春以来久しぶりに、まったく汗をかかないで森を歩くことができました。

でも、雨上がりの森のキノコは、濡れて傘の色が変わっていることが多く、見知ったキノコも別の表情で、見分けづらく感じました。

(1)シロヌメリイグチ成菌・幼菌
森の入り口あたり、冬にしか足を踏み入れないトドマツ・カラマツ混成林に入ってみたら、謎のシメジのようなキノコが点々と生えているのを見つけました。

しかし、裏返してみると、イグチの管孔。そこでやっとシロヌメリイグチだと気づきました。雨で濡れたシロヌメリイグチは、表面のぬめりや光沢や強くなって、別物のように見えました。

その周囲に、次項のハナイグチとともに幾つか見つけましたが、どれも管孔がきれいで、生え出てまもないイグチに思えました。きれいなシロヌメリイグチを見つけるのは今年初めてなので食べるのが楽しみ。

その後、いつものルートに戻って、よくハナイグチやホテイシメジがたくさん発生する地帯を歩いていたら、マツタケみたいな謎のキノコを見つけました。本物のマツタケは見たことがありませんが…。

裏返してみると、膜状のつばに覆われていて、ひだを見ることができません。

美しい幼菌でしたが、もう引っこ抜いてしまったし、何のキノコか気になるので、膜を破ってひだを見てみることにしました。

すると、これもまさかの管孔。しかも白くて、網目が大きめ。これもまさかのシロヌメリイグチでした。初めて見た幼菌の姿。

すぐ隣に、大きめの傘が開いたシロヌメリイグチが出ていたので、この幼菌がシロヌメリイグチである確率は高そう。

でも初めてのことだったので、念のため、頭の中でイグチ科の毒キノコでないかシミュレートしました。

ここのサイトにイグチ科の毒キノコがリストアップされていますが、普通に生える要注意種としてはドクヤマドリとニガイグチくらいのはず。しかしどちらもつばがないから、膜質のつばのある幼菌と間違うことはありえません。管孔ももっと細かいはずです。

それで、きっとシロヌメリイグチだろうと考えて採取し、帰宅後に改めて調べてみました。画像検索してみると、確かに幼菌はこんな姿だと判明。ここのサイトの写真と説明がわかりやすいですが、「幼菌は褐色で傘が開くとかなり淡い色になる」と書かれています。

改めてシロヌメリイグチの特徴についてよく調べてみると、傘の色は、幼い時は暗褐色(黒)→成長すると白褐色(白)、一方、管孔の色は、幼い時は灰色(白)→成長すると褐色(黒)に変化するとわかりました。

去年調べたとおり、シロヌメリイグチは別名クロヌメリイグチと呼ばれるそうですが、実地観察によって、その理由がよくわかりました。

今まで個体差が大きく感じられ、見分けに自信が持てないキノコでしたが、法則性がわかったことで、安心して採れるようになりそうです。

(2)ハナイグチ
シロヌメリイグチのそばに点々と出ていたハナイグチ。こちらは全然間違いようがなく、簡単に見分けることができます。森の中に落ちているどら焼き。

一応、チチアワタケ、ヌメリイグチなど、軽い中毒を起こしうるキノコと似てはいます。しかし、チチアワタケとは柄が全然違いますし、ヌメリイグチはカラマツ林に生えません。そもそも、茹でれば普通に食べれるので、間違えると危険というほどではありません。

ハナイグチの幼菌もちらほらと出ていました。この大雨で出てきたのでしょうか。まだ大量発生ではありませんでしたが、明後日来たらまた生えているかも。

こうして見ると、幼菌の姿はハナイグチ、シロヌメリイグチ共にそっくりで、同じカラマツ林に生える色違いの食用キノコといった雰囲気です。これからはシロヌメリイグチの幼菌も目ざとく発見したいですね。

(3)チシオハツ?とカラマツチチタケ?
この前見かけたチシオハツとカラマツチチタケらしかったキノコ。今日も雨に濡れて目立っていたので、再会できました。どちらもかなり大きくなってキノコ生の曲がり角を過ぎたようでした。

(4)ナラタケ幼菌
もう少し森の奥まで進んで、いつもタマゴタケやアカモミタケを採る地帯を歩いたら、茂みの奥の倒木に、大量のナメコみたいなキノコが生えているのを見つけました。もしかしたら、猛毒ニガクリタケかも?と思って写真を撮っていましたが…、

よくよく見ると、傘の色はニガクリタケやクリタケらしい赤や黄のグラデーションではなく、褐色です。

何のキノコか気になったので、少し斜面を登って、茂みの中に手を差し入れて、もぎ取ってみました。

傘は平べったく、柄の根元が膨らんでいて、何より傘の裏側を覆っている繊維のようなツバが目立ちます。

そして上から傘を見てみると、雨に濡れてテカテカした雰囲気ながら、中央部分にささくれが…、これはもしかしてナラタケ?

そういえば、去年もここの倒木に、ナラタケらしきキノコが群生しているのを見つけた記憶があります。その時は、時期を過ぎていて、もう老菌にさしかかっていました。当時はナラタケの見分けも確実ではなかったので謎のままでした。

さらに歩いていると、あちこちに同じ幼菌があるわあるわ。これだけ大量に生えていることからしても、ナラタケの大量発生と見て間違いなさそう。

もう少し傘が開いているのも見つけましたが、傘の中心の黒いささくれだけでなく、傘の周囲の条線も確認できるので、やはりナラタケのようです。

手に取って確認してみると、ふちの条線は目立っていても、黒い鱗片は地味なものも多かったです。雨で濡れているせいで、目立たないのでしょうか。はっきり鱗片が見えるものならともかく、この程度で採るのはちょっと怖い。

無数の数え尽くせないナラタケの大量発生を見るのはこの秋二度目ですが、森の場所は異なります。先日別の森で見たのと同じように、茂みに隠れた森の奥のほうまでびっしりとナラタケが生えている倒木も見つけました。

帰り際に、森の出口付近のハルニレの木の根元にも、ナラタケらしきキノコが出ているのを見つけました。でも、これも色が独特で、ナラタケだと見分けて採る自信はないかも。

傘は二色に色分けされていますが、中心部には小さな黒いささくれが確認できます。成長したナラタケも、傘の色が二色に分かれたりするので、それと同じなのだろう、と思いますが、幼菌を見慣れていないのでわからない。

柄は一見、だんだら模様に見えますが、接写レンズで観察すると、黄色がかった綿のような菌糸がまとわりついているようです。

もう少し上を見てみると、この綿がつばになっていることがわかります。

途中で採取したのを、帰ってから、真っ二つに切ってみました。この付近のナラタケは、内部が中空ぎみのスポンジ状のことが多いのですが、幼菌の段階では中実なのだとわかりました。ひだは垂生ぎみです。

前に調べたように、ナラタケは一種類ではなく、複数種があります。おそらく、この付近では、ホテイナラタケ(キツブナラタケ)、クロゲナラタケ、ワタゲナラタケあたりが多いのではないかと考えています。

今日大量発生していたナラタケはいったい何なのでしょう? 最初に見た根元が太いのは、いかにもホテイナラタケという形をしています。でも、後で見たのは違う種類のような気もします。

各種ナラタケは、しっかり区別している人が少ないのか、幼菌の写真を調べてみあまり見つからないので、判別が難しいです。もしかしたら学名で検索したら出てくるかもしれませんが…。

せっかくナラタケが大量発生していましたが、幼菌を見るのは初めてなので、確実を期すために、今日はサンプルの2本以外は採ってきませんでした。ナラタケ名人には、なんともったいないことを、と言われてしまいそうです。

次回は水曜に行ける予定。ナラタケは成長が早いので、そのときにはもう老菌一歩手前かもしれませんが、見分けやすくはなっているでしょう。

ナラタケはたくさん食べると消化不良になると言われていますし、わたしが食べるぶんくらいなら、明後日でも確保できるかな、と思っています。

(5)マムシフウセンタケ?
その大量発生したナラタケのすぐそばに生えていたキノコ。大きさ、傘の色、柄のだんだら模様から、これもナラタケだろう、と感じたのですが、なぜか傘の表面がつるつるしていて、黒い鱗片が見当たりません。

さっきから、黒い鱗片があまり目立たないナラタケもあったので、これもその類かな、と感じました。手の届きやすい場所に生えていたので、採取してよく観察してみることにしました。

裏側はひだ状。膜で覆われていたようですが、すでにつばだけが残っています。現地では何も感じませんでしたが、写真で見ると、柄のだんだら模様が、ナラタケの場合とは違って、さやのように柄を覆っているのがわかります。

半分に割ってみました。ひだは少し上生ぎみの直生。柄の内部はぎっしりと詰まっていました。

帰ってから改めて写真を見ると、ナラタケではなさそうに見えたので、Google Lensで調べてみました。すると、この特徴的な柄の模様から、マムシフウセンタケだとわかりました。確かにマムシグサと似ている柄です。

傘の写真も改めて見てみると、中心部が少し盛り上がっているのがわかります。傘が平坦なナラタケとは違い、フウセンタケ科の特徴です。

マムシフウセンタケは、幼菌時はひだの色が紫がかっていて、成長すると肉桂色になるとのこと。このキノコのひだは肉桂色でしたが、もう幼菌ではないからなのかは不明。

とても良く似たツバアブラシメジ、ヌメリササタケという近縁種もあるようですが、柄の特徴から見るとマムシフウセンタケの可能性が高いかな、とは思います。これらはいずれも食用になるそうです。

たまたま大量発生したナラタケのそばに生えていて、たまたま大きさが同じくらいだったため、非常に紛らわしく、騙されそうになりました。こういうことがあるから、キノコ狩りは細心の注意が必要です。

傘に黒い鱗片がなかった時点で、ナラタケではない、と断定するべきでした。特に食用で採取する場合は、少しでも違和感があれば、避けるのが賢明ですね。

(6)ノボリリュウタケ
これもナラタケの近くに生えていた、言わずとしれたノボリリュウタケ。去年はノボリリュウタケが出たころからキノコ狩りを始めましたが、今年もついにその季節が来てしまったのですね…。

この森はノボリリュウタケの群生地で、最盛期にはボコボコと生えてきます。今日だけでも、別に探してもないのに8本も見つけました。

食感が美味しいキノコなので嬉しいですが、キノコシーズンが折り返し地点に差し掛かったのを感じてしまい、少し寂しいです。

(7)タマゴタケ
タマゴタケ地帯を歩いていると、今日も2本タマゴタケを見つけました。アカモミタケも見つけたので、これでまた美味しいキノコごはんを食べることができます。

(8)中心が黒くてとがるシメジっぽいキノコ
帰り道、トドマツ林のあたりで見かけたキノコ。茶色っぽい傘で中心部が盛り上がって黒くなっています。このようなキノコは去年から時々見るのですが、Google Lensにかけても一向に似ている写真が見つからない謎。

横から見た姿。傘の大きさは5cmくらい、ひだと柄は白く、つばはありません。

ひだは少し密。上生。

柄の内部は中実でした。

よく見かけるキノコだと思うので、なんとかして名前を知りたいのですが、時間がかかりそうです。

一番最初に思い当たったのは、〇〇シメジと名のつくキノコでしたが、調べてみたら、コザラミノシメジが近いかもしれません。公園、道端、林内などに生え、傘の中央が盛り上がり、ひだが密である点が一致。

しかし、コザラミノシメジは、ひだが直生~湾生で、柄の表面が繊維状の暗褐色の条線で覆われると書かれているので違うようです。

ツエタケの仲間のヒロヒダタケが、黒っぽく中心が盛り上がった傘の形になるようです。しかし、今回のキノコは断面から見る限り、ひだの幅が広い印象は受けません。またヒロヒダタケは、ひだが疎である点が異なっています。

シモフリヌメリガサや(マツノ)コケイロヌメリガサも、傘の見た目は似ている可能性があり、トドマツ林に生える点が一致しますが、それらは垂生なので違います。

ウラベニガサも傘の見た目が似ていて、ひだが密、白からピンク、柄が中実など多くの特徴で一致しています。しかし、ひだが離生であること、広葉樹林生であること、地面からではなく木から生えることが当てはまりません。

(9)タマムクエタケ?
これも帰り道にトドマツ林で見かけたキノコ。傘は真っ平らでせんべいのよう。そこから眺めの柄がまっすぐ伸びていて、柄にはつばも模様もありません。

あまりに特徴がなさすぎるのが特徴っぽい傘。大きさは4cmくらい。

傘の裏側。ひだは密に見えます。

ひだは上生か湾生。柄の内部は中実。空洞があるようにも見えるものの、繊維がつまっていました。

ツエタケかなと思いましたが、調べてみたら、ひだは疎、直生から上生、柄は中空と書かれていて、ちょっと当てはまらない気がしました。ツエタケの傘は中心にしわが寄って、少し膨らんでいるのも異なる点。

(追記 : 後日、他のキノコを調べている時に見かけた、タマムクエタケというキノコが似ていると思いました。モエギタケ科フミヅキタケ属のキノコで、ネット上に全然情報がなく、手持ちの図鑑にも載っていないので、確実な同定はできません。

属名になっているフミヅキタケも、ツバがあることを除けば似ているので、フミヅキタケ属の何かかもしれません)

(10)ワタカラカサタケ?
同じく帰り道にトドマツ林で見かけたキノコ。傘が開いた老菌と開いていない若菌が並んでいましたが、ピンぼけでした。中心にポッチがついている赤茶色のキノコということで、カラカサタケの仲間らしく見えます。

老菌のほうだけ採ってみて観察。傘のサイズは5cmくらい。

カラカサタケなら可動式のつばがあるはずですが、見当たりません。消失したのか、初めからない種類なのか。

ひだは隔生で疎。カラカサタケのひだは離生ですが、もっと密らしいのが異なっている点。

柄は中実。無印カラカサタケは中空なのでこれも異なっています。

ピンぼけの若菌の姿が手がかりになると思うのですが、カラカサタケ、ツエタケ共に調べても似た画像が出てきません。

もう少し調べたところ、「ワタカラカサタケ」で画像検索すると、似た姿の若菌がたくさん見つかりました。

ワタカラカサタケは、早落性のつばとされているので、可動式のつばがない点と一致します。また、柄の下のほうがささくれる特徴がありますが、写真でも若菌のほうで確認できます。

しかし、ワタカラカサタケのひだは密で、柄が中空とされている点が食い違います。観察したのが老菌だったのが悪かったのか…? 見た目は完全にワタカラカサタケだと思うのですが。

(11)カヤタケ?
針葉樹林の草地にたくさん並んで生えていたキノコ。もし菌環を作っていたのなら、相当大きな輪っかだと思います。

試しにひとつ採ってみると、傘は褐色で中心部の色が濃い。

横から見ると、傘は漏斗型。ひだが密で柄に長く垂生。柄の色は傘と同じ。この時点で、おそらくカヤタケだと気づきました。

断面。中心部がはっきりと凹んでいるので、カヤタケらしいです。カヤタケが菌環を作るのかは不明ですが、前回見つけたときも、針葉樹林に群生していました。

(12)ニセヒメチチタケ?
トドマツ・カラマツ林の小道によく生えているチチタケ属。去年も見ましたが、種類の同定が難しかったので、改めて観察。

傘は黄色から橙色で、環紋がなく、細かい黒い点々があるのが特徴。また、傘のふちが波打っているようにも見えます。

傘のサイズは2cmくらい。しかし、もう少し大きくなるもよう。

ひだは白っぽく、柄は傘と同色。密とも疎とも言い難い付き方。

乳液は白。

柄は中空?

トドマツ林に出る黄色系統で環紋のないチチタケ属という時点で、選択肢はさほど多くなく、ヒロハチチタケ、ニセヒメチチタケ、キハツダケ、コキハダチチタケの4つくらいです。

色合いからすると、ヒロハチチタケとニセヒメチチタケの二択。色はヒロハチチタケに近く、ひだがヒロハチチタケより密に見えます。釈然としないので、もっと観察するまで答えは保留。

(13)アミタケ?
夕方サイクリングで行った公園の草地に生えていたイグチその1。周囲の木は、カラマツ、イチイ、ヨーロッパアカマツなど。

全体的に褐色。

管孔は大きめの多角形で、柄につばはない。古くなっても肉の色は茶色っぽさが増すだけで、さほど変色はしていなさそう。

柄は中実。

管孔は直生かやや垂生。

以上の特徴からして、アミタケのように思えます。管孔が大きめであること、つばがないこと、ヨーロッパアカマツが近くにあることから判断できます。二針葉マツに出るキノコなので、公園くらいしか見る機会がありません。

(14)ヌメリイグチ?
公園の草地に生えていたイグチその2。場所もほぼ同じ。虫食い跡がかなり目立ちます。

ボロボロになっていますが、管孔は薄い黄色。穴は大きめにみえますが、老菌で開いてしまっただけかも。これもアミタケかな?と思いましたが、傘の色が濃く、管孔の色は薄く感じるので、ヌメリイグチなど別のキノコのようです。

今日採ってきたキノコを整理。さすが大雨の翌日だったからか、いろいろな食用キノコが大漁でした。これだけでかごが溢れそうだったので、どのみちナラタケを採る余裕はありませんでした。

ハナイグチ11本。幼菌多数だったので、明日以降まだまだ出そう。

シロヌメリイグチ5本。初の幼菌も。

アカモミタケ3本。あと1本見つけたのですが、やぶの奥の取りにくい場所でした。

タマゴタケ2本。

ノボリリュウタケ8本。

そのほか、ホコリタケ3本も採ってきたのですが、やはりうまく料理できませんでした…。今後採ることはなさそう。

ハナイグチとシロヌメリイグチの味噌汁、タマゴタケとアカモミタケの混ぜご飯、ホコリタケの山わさび和え。ホコリタケはともかく、他はとても美味しかったです。ノボリリュウタケは下処理だけして明日以降の料理に使います。

辛くて食べられないマタタビの実

帰り道、去年サルナシの実を採ってジャムにした場所を通りかかりましたが、今年はまったく実がなっていませんでした。花が咲いた形跡すらなかったので、不作だったよけでもなさそう。去年の時点から花芽を仕込んでなかったのかもしれません。

ここのサルナシだけが実をつけないお休みの年であるのなら、別に構わないのですが、もし異常気象で森全体のサルナシが不作だったら、ヒグマにとっては非常に可哀想なことになります。ヒグマがお腹いっぱいでないと、人間も困ったことになるので、杞憂であればいいのですが…。

その代わりに、今まで見たことのない場所で、マタタビの実を見つけました。これまでもマタタビを実を見たことがあると思っていましたが、印象とかなり違う形をしていたので、初め何の実かわかりませんでした。

まるで、何かの花のつぼみのような楕円形のふくらみ。一瞬ツルニンジンのつぼみかと思ったほどです。これまで見たマタタビだと思っていた実はもっと細くて小さいかったので、サルナシやミヤママタタビを勘違いしていたのかも。

山吹色に熟している実がなっていたのも、初めて見る光景でした。もう腐っているのかと思いましたが、緑色の実は硬く、山吹色の実は柔らかいことから、マタタビは熟すと色が変わることを知りました。

樹種も確かめてみましたが、マタタビの特徴である白く変色した葉がついていましたし、

冬芽を見れば、半隠芽が確認できたので、ミヤママタタビではなく無印マタタビであることが確定しました。

ひとつ山吹色に熟した実を持って帰ってみましたが、切ってみると、確かに内部はキウイのよう。味は最初は甘いですが、後から辛さが襲ってきて、食べられたものではありません。緑色の未熟果はもっと激辛だそうです。

マタタビは辛いと聞いてはいましたが、実際に味を知ると、「旅人が実を食べると美味しくてまた旅ができるから」マタタビと呼ばれるようになったという俗説が間違っていることがすぐわかりますね。

アイヌはマタタビを子供のおやつとした生食したそうですが、現代では、マタタビの果実を生食するような人はおらず、果実酒や漬物にしないと食べられないと思います。また、マタタビアブラムシやマタタビミタマバエが寄生した虫えい果が薬用に重宝されているそうです。

マタタビの語源はアイヌ語の「マタタンプ」(冬・吊り下がる/冬・亀の甲羅)であると言われていて、冬に残っている虫えい果のことだとする説を書いているサイトが多くありました。意味は確定的ではないものの、アイヌ語由来説には信ぴょう性がありそです。

小さな怪獣サッポロマイマイ

マタタビの実を見た場所すら少し歩いたあたり、木陰の葉っぱにくっついている立派なカタツムリを見かけました。雨が降ってすぐだからか、体を殻の外に出しています。こんなに姿が見えている大型カタツムリを見るのはエゾマイマイ以来。

手の大きさと比較するとさほど大きくないように見えますが、接写すると迫力があって怪獣みたいですね。

あとで種類を調べてみたら、サッポロマイマイという種類のようでした。写真に写っている殻は裏側。なんと準絶滅危惧種だそうです。

接写で写真や動画を撮っていると、反り返ってわたしのほうを見てきたので、可愛らしく感じて、時間を忘れて見入ってしまいました。

2021/09/15水

熟してきた実たち。オオウバユリ、コマユミ、マムシグサ

昼から予定がたくさん入っていて忙しい日でしたが、一昨日見つけたナラタケの群生が気になっていたので、少しだけ森に出かけてきました。

実がかなり大きくなってきたオオウバユリ。まだもう少し膨らみそう。

野生のコマユミの木。ニシキギと同じ実ですが、枝に板状の翼がないことで見分けがつきます。マユミに比べると葉の大きさは半分ほどしかありません。

2つの赤い殻が合わさっている形。やがて割れて中の朱色の実が吊り下がります。

今秋も毒々しい姿を披露してくれていたマムシグサ(コウライテンナンショウ)の実。鳥足状複葉も含めたアングル。

近くで実だけを写した姿。まだ下のほうの実は緑色で、熟している途上だとわかるグラデーション。

エゾフユノハナワラビもたくさん生えてきました。いつも撮っている気がしますが、ひときわ胞子嚢穂が豪華なものがあったので、今日も撮ってしまいました。

今日のキノコ。豊作のナラタケ、鮮やかなアカツムタケ?等

(1)ハナイグチ
森に入ってすぐのところの、トドマツ・カラマツの斜面を歩いてみると、たくさんハナイグチの幼菌が出てきていました。

傘の色が思ったよりぱらつきがあり、上の写真の標準カラーの茶色のものから、下の写真の焦げ茶色、

さらには、こんな黄金色まで。黄金色のハナイグチは、上から見下ろしただけでは、カラマツチチタケなど全然別のキノコだと思っていました。

あまりに鮮やかな黄金色なので、これは本当にハナイグチ?と不安になって調べてみました。すると、多くのサイトで、そういうハナイグチがあると解説されていたので一安心。

(2)ツチスギタケモドキ
傘に面白い模様のささくれがあるツチスギタケモドキ。Google Lensではコバヤシアセタケという候補も出てきたのですが、他の特徴が一致しないのでツチスギタケモドキでしょう。(以前はツチスギタケと呼ばれていたが名称変更されたらしい)

ひだ、柄は共に褐色で、柄もささくれに覆われています。

ひだは直生、柄は中実。コバヤシアセタケならひだが離生か湾生らしいので違うことがわかりました。

(3)ワタゲナラタケ(ヤワナラタケ)
今日の目的であるナラタケの群生。足の早いキノコなので、もしかすると、もう老菌になっているかと思いましたが、ちょうど一番良い時期だったかもしれません。でも2日でこれなので、4日もすれば傷んでしまうでしょうね。

傘もしっかり開いて、ふちにある条線が確認できるようになりました。ナラタケだろうと思っていても、中央の鱗片、ふちの条線、白いひだ、柄のつばの痕跡などを確認しないと採るには不安があります。

大量に群生していて、とても採りきれないので、夕食で食べるぶんくらいだけにしました。保存食にすればいいのかもしれませんが、今のところキノコは旬の時期に食べるだけで十分。

森の出口付近のハルニレの根元に生えていた、たぶんナラタケだろうけれど、外見からわかりにくかったキノコのその後。

相変わらず、特徴が弱いものの、中央の黒い鱗片も残っていて、ナラタケの特徴が確認できるようになっていました。

横から見た姿は、傘が平らで、つばがあり、つばより下の柄の色が濃い、というナラタケらしい特徴がよくわかりました。

それにしても、この群生するナラタケの種類は何なのでしょうか?

改めてよく観察してみると、傘表面の鱗片に見えていたものは、黒っぽい細かい毛のような形をしています。黒ではなく、ほぼ黄褐色に見える場合もあります。

つばは早く落ちてしまって痕跡だけが残っていることが多いです。柄は幼菌のころは中実で締まっていましたが、これくらいのサイズになると、柔くなって内部は髄状です。

こうした特徴から、おそらくワタゲナラタケ、別名ヤワナラタケではないかな、と思っています。

ここの写真によると、ワタゲナラタケも鱗片が黄色っぽい場合があるようです。鱗片は「細かい帯黄色の毛」と表現されており、「縁に白色の内被膜の残片がつく」点も一致しています。

また、このナラタケは、材木上のみならず、やたらと林内地上にも出現するのですが、それもワタゲナラタケの特徴と一致しています。

ナラタケは柄が中実で、ボリっと気持ち良い音を立てて折れることから通称「ボリボリ」と呼ばれています。

しかし、近所に多いこのナラタケの場合、柄が柔らかく、髄状でふにゃふにゃしています。折れることには折れますが、ボリボリっと気持ち良く折れるのではなく、かなり曲げてやっとポリッ(「ボ」ではなく「ポ」のイメージ)と折れる感触です。

ワタゲナラタケは別名ヤワナラタケとも呼ばれていますが、もし「ヤワ」というのが普通のナラタケより柔いという意味であるなら、よく特徴に当てはまっていると思います。

傘の鱗片が黄色いナラタケとしては、他にキツブナラタケが有名ですが、傘色がもっと黄色みが強く、鱗片も棘状になっているらしいので違うようです。

キツブナラタケの可能性もありますが、傘の鱗片がもっと尖るように思います。

(4)アカツムタケ?
カラマツ・トドマツ林の枯れ木から生えていた鮮やかなオレンジ色のキノコ。

傘の形からするとフウセンタケ科かモエギタケ科?

幼菌のほうは白い膜で覆われていました。

裏側のひだは黄色。柄は少し黄みがかった白色。

Google Lensだとクリタケと出ますが、2本だけ出ていて群生はしていません。また、発見した場所は針葉樹林なので、広葉樹林生のクリタケに似つかわしくありません。

さらに調べていると、同じモエギタケ科のアカツムタケが、外見がクリタケによく似ている上、トドマツなど針葉樹林内の倒木に単生・束生するとのこと。

また柄の表面に白い綿毛や繊維がつくとされていて、今日見たこのキノコも上の画像で白い繊維のようなものが縦に走っているのが確認できます。

ネット上の画像ではかなり似ていたので、これだ!と思ったのですが…

割いてみると、ひだは上生から離生。柄は中空。クリタケやアカツムタケのひだは直生から湾生なので、異なっています。まだ傘が開いていない状態で観察したため、ひだの付き方が違ってみえるだけでしょうか。

ここのサイトの説明によると、アカツムタケは、外周部付近のひだが赤色を帯びるとあります。上の真っ二つに割いた写真では、奥に見えているひだの先のほうだけ、赤みを帯びているのが確認できます。

ひだの付き方以外の条件は、すべてアカツムタケに当てはまっているので、今のところはそう同定しておきます。

(5)極小の群生する平らなキノコ
倒木の朽木に群生していた極小のキノコ。

傘の中心が褐色、周囲は白い。傘のサイズは1cm未満。

こんなに小さいのに、ちゃんとひだがあり、柄もついています。ひだは白で、柄は傘の中心と似た褐色。

手のひらとの比較。

今日採ってきたキノコ。かなりの本数が採れるようになってきましたね。

ホテイシメジ2本、アカモミタケ3本、シロヌメリイグチ7本、ハナイグチとナラタケは数えきれませんでした。森の恵みに感謝です。

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投稿日2021.09.01