2022年7月の道北暮らし自然観察日記

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もくじ

2022/07/01金

海辺の鳥たち。ノゴマ、ノビタキ幼鳥など

6月は涼しかった道北ですが、7月に入って気温上昇傾向。最高気温は28℃くらいですが、それでも暑い。

一方、オホーツク海は最高気温がなんと18℃。明日は26℃くらいまで上がるそうなので、気持ちよく海岸で植物観察するには今日しかない、と思い原生花園に出かけました。

道中は海岸が近づくほどに涼しさを増し、しまいには窓を閉めないと寒いくらいになりました。夏の海岸は、残念なことに、やっぱり漂着ゴミが気になりましたが、細かい欠点に目をつぶれば、とてもすがすがしい空気でした。

さまざまな鳥たちが集まってきていて、野鳥写真家も幾人か、三脚カメラを構えていました。ただ、写真家はマナーが悪いとよく言われるように、人を寄せ付けない雰囲気で、あまりいい印象を受けませんでした。

編隊を組んで空を飛んでいく黒いカモのような鳥。逆行になって正体はわからずじまいでしたが、おそらくウミウでしょう。

初めて見たノゴマ。

変な名前ですが、野のコマドリという意味らしいです。英語では、rubythroat(ルビー色の喉)という的確に見た目を表した名がつけられています。

オスはルビー色の喉が美しいですが、メスは地味でわかりにくいようです。オス、メス共にホオジロのように目の上と下に白い線が入ることから見分けられるかもしれません。

遠かったですが、真っ赤なベニマシコも少しだけ見ることができました。ベニマシコのメスも地味なので見つけるのが難しい。結局ノゴマもベニマシコもオスしか撮れませんでした。

最も多かったのはノビタキの幼鳥です。成鳥もいましたが、それとは別に頭に縞模様の入った鳥がたくさんいて、調べてみると幼鳥の特徴だとのことでした。

全然警戒心がなく、人間のそばに寄ってきて、シシウドからシシウドへ飛び移っていました。

黒っぽいのもいましたが、Google Lensではこれもノビタキ幼鳥と出ました。目の上に白い線があったりして、本当にノビタキなのか疑問でしたが、調べてみると、そういう写真もありました。黒いのはオスの幼鳥なのかもしれません。

鳥の種類を見分けるのはなかなか難しい。成鳥オスはともかく、メスや幼鳥は、かなり惑わされるものが多いです。植物観察のほうが簡単だ、と思うのですが、皮肉なことに、原生花園なのに植物を見に来ている人は皆無でした。

道中ではいつもどおりエゾシカをたくさん見かけました。帰りは夕日の逆光がフロントガラスに反射して一瞬全然見えないような場面があり、その時に道路脇に一頭のエゾシカが立っていたのでびっくりしました。

幸いスピードをかなり落としていましたし、すぐさまエンジンブレーキをかけられるよう、常に安全運転をしているので問題ありませんでした。子ジカだったのか、かなり近づいてほぼ停車しても、ゆっくりと歩いて去っていっただけでした。

その後も家の近所で一頭だけのエゾシカが道路を歩いているのに出くわしました。とはいえ、道路で最も危険なのは動物ではなく、速度超過で飛ばしている無法者たちなので、後ろから車間距離を詰めてくる車に注意することのほうが重要です。

原生花園や砂浜海岸の植物

ここからは原生花園で見た植物。

(1)エゾスカシユリ
まずエゾスカシユリ。海岸砂地に生えるユリで、アイヌの人たちは鱗茎を食用に利用していたそうです。

オニユリ、コオニユリ、クルマユリとも似ていますが、花びらが大きく開き、隙間ができるので「透かし」ユリです。

葉の特徴が最も似ているのはむかごをつけないコオニユリですが、エゾスカシユリ以外は花が下向きに咲く点も違います。

(2)エゾノシシウド
海岸に咲く大型セリ科のひとつ、エゾノシシウド。去年も何度も見ました。大きさはオオハナウドくらい。

海岸に生える種類らしく、葉はハマナスのようにクチクラ層が発達していて、大型セリ科の中では珍しいつややかでシワの寄った外見をしています。葉の付き方は2回羽状複葉。

花は遠目には他の大型セリ科と変わらないこんもりした形。エゾノヨロイグサのようにドーム型に広がっているのもあれば、エゾニュウのように平らに開いているのもありました。

拡大してみると、花びらがくるくると巻いているのが見えました。これはシャクなど他の大型セリ科と大きく違う点。後で出てくるマルバトウキの花もそうだったので、海辺に適応した結果なのかな、と思ったり。

種になると、平らな面に驚くほどぎっしりと詰まった見た目になります。これも他の大型セリ科とかなり異なる点。

エゾノシシウドの花や実によくついていた赤と黒のストライプ模様のカメムシ。その名もアカスジカメムシといい、セリ科植物の花の密や種子の汁を食べているそうです。遠くから見るとセリ科の花にリボンがついているかのよう。

セリ科を見分ける時に重要な特徴となる総苞片について。まず複散形花序(大きな花束)の根元につく総苞片は、まったくないものがほとんどでしたが、たまに少しだけ生えているのもありました。調べると0~2個だそうです。

下の写真は2本だけあるバージョン。

次はまったくないバージョン。

対して小花序(小さな花束)の付け根にある小総苞片は、たくさんあって、よく目立ちます。総苞片がほぼなく、小総苞片があるのはシャク、オオバセンキュウ、オオハナウド、エゾニュウ等と同じ特徴ですが、エゾノシシウドの小総苞片はとりわけよく目立ちます。

(3)オオカサモチ
海岸をバックに大型セリ科がたくさんそびえていたので、きっとエゾニュウかエゾノシシウドだろう、と思っていました。

ところが近づいてみると、オオカサモチでした。ネットで調べる限り、オオカサモチとエゾノシシウドにスペック上の差はなく、どちらも1.5m程度までしか大きくならない、とされているのですが、ここではオオカサモチのほうがずっと巨大に思えました。

そろそろ海岸にエゾニュウが乱立していても不思議ではない時期なのですが、過去の日記を見てみると、エゾニュウが咲くのは7月半ば以降のようです。少し時期が早いからこそ、オオカサモチの偉容が際立っていたのかもしれません。

普段住んでいる地域ではオオカサモチを全然見ないのに、海岸では頻繁に見るのも不思議な点です。オオカサモチは別に海岸に適応したセリ科ではなく、草地に生えるとされているのに。

花は相変わらず驚くほど立派で、セリ科一族の王がエゾニュウなら、女王はオオカサモチではないでしょうか。総苞片も小総苞片も派手で、豪華絢爛なドレスを身にまとっているかのようです。

(4)テンキグサ
同じく海岸に乱立していた植物。巨大な穂をたくさんかがげ、潮風に涼しく揺れていました。

その大きな穂からすぐにイネ科のテンキグサ(ハマニンニク)だとわかりました。アイヌが葉を使ってテンキというカゴを編んだ植物です。

開花期はもっと早く、花はすでに実になっているようですが、まだ乾燥してカラカラになっているほどではなく、緑みの残った穂でした。

拡大写真。小穂は一節につき2つずつ付くとありましたが写真だと分かりません。

(5)ハマエンドウ
地面すれすれにたくさん咲いていたマメ科植物。いかにもマメ科らしい花。すみれ色で、旗弁(上の花びら)に脈のような模様が入っています。

偶数羽状複葉で、葉の先端に巻きひげがあり、紫色っぽい花ということで、海岸に生えるといえば、ヒロハクサフジかハマエンドウかどっちだろう?と思っていました。

帰ってから特徴を調べると、確実な見分け方がありました。それは葉の付け根の托葉。どちらも托葉はありますが、ヒロハクサフジは小さく目立たず、ハマエンドウは矢はず型の巨大な托葉がつきます。下の写真の右下に写っている白っぽいのがそれです。

それだけでなく、ヒロハクサフジの葉は「ヒロハ」といってもハマエンドウほど広くなりません。

そもそも花の付き方が全然違いました。どちらも総状花序ですが、ハマエンドウは大きめの花で3~6個くらい、ヒロハクサフジは小さい花で10~30個。しばらくクサフジを見ていないので忘れてしまっていました。

後で砂浜で見たこの花も同じハマエンドウ。花の色が違うように見えましたが、「旗弁ははじめ赤紫色、のちに青紫色に変わる」とあったので、咲いて間もない花だったのかもしれません。

葉の形も若干違うような気がしてしまったのですが、単に上の写真のは少ししなびていただけなのかも。

(6)エゾノカワラマツバ
薄い黄色のつぼみを大量につけていた植物。葉っぱがクルマムグラっぽいことから、去年もここで開花しているのを見たエゾノカワラマツバだとわかりました。

葉はムグラの仲間らしい輪生ですが、マツバという名を持っているだけあってとても細いです。

ごくまれに花が咲き始めているのもありました。極小の花ですが、正面から撮ると4枚の花弁で、クルマムグラとそっくりです。違いは数の多さと黄色っぽいところ。

花が白い場合はチョウセンカワラマツバや無印カワラマツバのようですが、外来種ではなさそう。

側面から見ると、漏斗形のクルマバソウではなく、クルマムグラと同じ平べったい形状だということがわかりました。

(7)ナワシロイチゴ
いかにもイチゴらしい三出複葉の葉に白いつぼみがたくさん。

まだ閉じているつぼみが9割以上でした。

葉は赤い縁取りがついていて、観葉植物のようです。

咲いているのがないか探してみたら、赤紫と薄いピンクの二種類の花色を発見できました。どちらも、萼が殻のように開き、その中にある花びらは開かないという面白い形状でした。

去年7/23にもナワシロイチゴを撮りましたが、その時はもう花が終わりかけていて、萼が閉じ始めていました。花びらの代わりに萼が開いたり閉じたりするのは面白い。

(8)センダイハギ
6/18にも見たセンダイハギ。その時は花が咲いているだけでしたが、今回は花と実を同時に見ることができました。しかし同時についているのを見ても、この花がどうやったらこんなに長い豆になるのか不思議な感じ。

(9)コウゾリナ
これも6/18に初めて見たコウゾリナ。その時はつぼみでしたが、今日はタンポポやニガナっぽい花が咲き始めていました。背丈がかなり高くなるのに驚きました。少なくとも1mくらいありましたが、ネットで調べると時に2mにもなるそうです。

前回観察した玉サボテンのような形のつぼみもたくさんついています。

(10)マツヨイセンノウ
たぶん普通のマツヨイセンノウですが、珍しいピンク色の花がありました。別名サクラマンテマと呼ばれているそうですが、園芸用に栽培されているものほど濃いピンクではないので、突然変異的なものなのかもしれません。

(11)エゾオオヤマハコベ
てっきりナデシコだと思った花。去年7/23にここでエゾノカワラナデシコを見たので、それかと思っていたら、あちにはピンク色の全然違う形の花でした。記憶があいまいすぎる。

これは近縁ではあるものの、ハコベに分類されるエゾオオヤマハコベだそうです。花が大きく2cmくらいあり、花弁もたくさん裂けているのでハコベらしくありません。ナデシコとハコベの中間的存在なのかも。

葉はナデシコやハコベの仲間らしく対生で細長い形です。

(12)オオヤマフスマ?
小さな白い5弁の花。茎は針金のように細く、葉は上のハコベと同じような細長い形で対生です。見たことのない種類かと思いましたが、ごく普通の近所にも生えているオオヤマフスマだったようです。

一見すると大きさも葉もミミナグサに似ていますが、花びらの先が2つに分かれるミミナグサと違って、オオヤマフスマはごく普通の5弁花です。意外にも白い小さな5弁花は他に見ないので、じつは見分けやすい花なのかもしれません。

萼片は花びらより小さく、茎には下向きのうぶ毛が生えています。

(13)アキカラマツ?
6/18にも岩礁海岸でこの葉を見つけました。カラマツソウかオダマキのようだと思いましたが、はっきりわかりませんでした。時期的にはアキカラマツではないかと思っていました。

探してみると、つぼみをつけているものがありました。

つぼみを拡大してみても、アキカラマツのつぼみらしさは全くありません。ネットで調べても、似た写真はありませんでした。でも咲くのはまだ一ヶ月後なので、もっと花茎が伸びてくれば、それらしくなるのかもしれません。

(14)アカネムグラ
クルマムグラっぽい雰囲気の葉や花の植物。まだ9割以上つぼみでしたが、探せば咲いているのを見つけることができました。

雰囲気はムグラっぽいのに、葉は4枚の輪生、花は5弁花と、微妙にムグラ一族とは特徴が違います。去年エゾノヨツバムグラを見ましたが、それはもっと短く丸い葉でした。

花はムグラと同じように平べったい形で、クルマバソウのような漏斗形ではありません。

調べてみると、アカネムグラという名だそうです。ムグラではなくアカネという植物の仲間だそうですが、やはりムグラに似た雰囲気なのでその名を冠しています。

アカネは本州以南のツル性多年草で、根が赤いことが名前の由来で、染料や薬用に使われたそうです。アカネムグラも根が赤いという記述もありましたが、写真はありませんでした。いつか野生のを見つけて根を見てみたいものです。

(15)ホザキシモツケ
何の植物か不明だったもの。たくさんつぼみがついていて、総状花序をつけるようです。わりと特徴的な葉の形ですし、花が咲いていれば間違いなくわかったでしょう。

(追記 : 後日見に行って、ホザキシモツケのつぼみだったとわかりました。本来は木なのに、若い枝なのか、地面から草のように生えていたせいで惑わされてしまいました)

 

(16)メマツヨイグサ
普通にメマツヨイグサと思われる葉。輪生に見えますが、横から見ると螺旋状につく互生でした。どこにでもある雑草ですが、たいて生えている場所と大雑把な特徴で区別しているせいで、原生花園に生えていると何だか分かりませんでした。

マツヨイグサの仲間には、無印マツヨイグサ、オオマツヨイグサ、メマツヨイグサ、コマツヨイグサといった一家がいるそうですが、葉が明らかに違うコマツヨイグサ以外は、見分けにくそうです。

特徴的なポイントとして、葉の付け根に托葉らしきものがついていましたが、解説しているサイトが少なく、本当にメマツヨイグサ?となっています。葉先が赤らむのもロゼット状態からの特徴? もっと身近な場所で観察して特徴を覚えるべきですね…。

(17)ハマナス
原生花園だけあって、ハマナスの花がたくさん咲いていました。別に原生花園でなくとも、海岸のあちこちに普通に野生の樹木として繁茂しているようにも見えました。

気になったのは、時々、葉の付け根などに、鮮やかなオレンジ色の何かがこびりついていること。菌類? 虫の卵?

拡大してみてもよくわかりません。

珍しい白花ハマナスも咲いていました。自然界でもまれに見られる変異種だそうです。

(18)マルバトウキ
岩礁海岸でおなじみの中型セリ科。今回は花が咲いている状態のをたくさん見ることができました。

総苞片はない、…のかと思いましたが、よくよく見ると、かなり目立たない上向きの細い総苞片があって、花茎に寄り添っているようです。

小総苞片も同じように、上向きであまり目立ちませんが、たくさんついていました。総苞片も小総苞片もどちらも上向きで花茎に沿うのが特徴のようです。

意外にも花びらは白だけでなくピンクが入っていました。セリ科にしては珍しい色合いです。また花びらの先がくるんと巻いているのはエゾノシシウドと似た特徴で、同じ海浜植物として共通しているのかなと思いました。

(19)シロヨモギ
それから砂浜へ降りていくと、いつもの真っ白なヨモギを発見。原生花園の外なので、葉っぱを千切ってもんでみると、普通にヨモギの香りがしました。このほかにハマオトコヨモギ?らしきのも生えていましたが、そちらはほとんど香りがしませんでした。

(20)ウンラン
多肉植物みたいな葉。去年も発見したウンランのようですが、花期が8月~9月なので、まだ花を見たことがありません。キノコ狩りが始まる前に見に来たいところですが…。

(21)エゾオオバコ
前回も見つけた海岸の在来オオバコ。

(22)エゾノコウボウムギ
トゲトゲした実をつける砂浜のカヤツリグサ科。去年もたくさん見ましたが、今年も無数に生えていました。砂浜のイガグリのよう。

カヤツリグサ科スゲ属ですが、普段見かけるカンスゲなどのスゲ属とは雰囲気が全然違うなと思っていたら、じつは雌雄異株なんだそうです。普通のスゲは雄花と雌花(実)が同じ穂につきますが、これは別なので雰囲気が違って見えます。

雄花は見当たりませんでしたが、花期が5-7月らしいので、まだ探せばあるのではないか、と思うのですが…。

そのコウボウムギのすぐ横に生えていた謎のカヤツリグサ科らしき草。コウボウムギのやや若い姿かな、と考えてよく観察もせず撮った写真。

しかし帰ってから見ると、スゲの仲間のような雄花が見えます。ということは、これがエゾノコウボウムギの雄花?と思いましたが、ネットで写真を調べる限りそうでもなさそう。

コウボウムギの場合、長い苞が目立つ雌花序があるらしいので、これもエゾノコウボウムギの雌花の一形態なのかもしれません。

海岸には他に、カヤツリグサ科スゲ属では、コウボウシバやシオクグといった種類が生えるそうですが、いずれも他のスゲ同様、雌雄同株でこの写真の見た目とは違うようでした。家のそばだったらもっと継続的に観察できるのに。

(24)オオバナノミミナグサ?
海岸に生えていたハコベっぽい花のつぼみ。道東のみで見られるエゾハコベかとも期待しましたが、葉に毛があるので違うようです。

まだ咲いていないので、花の形がはっきり分かりませんが、咲きかけの花を横から見ると、花びらの切れ込みが浅いようなので、ハコベではなくミミナグサか。

また、花びらが萼よりずっと長いことが確認できるので、無印ミミナグサ、オオミミナグサ、外来種オランダミミナグサは除外できます。

そして茎や葉を見ると、全体的に細かい毛に覆われています。これはオオバナノミミナグサの特徴。海岸近くに多い植物という点も一致しています。

オオバナノミミナグサは、名前のとおりミミナグサにしては花が大型だそうですが、それでも1.5cmくらいなので、一般的にはかなり小さな部類です。咲いている花がなかったので、大きさはわかりませんでした。

咲くと花びらに透明の筋が入る美しい花のようなので、見てみたかったなと思います。

(26)ハマボウフウ
砂浜の大型セリ科。去年初めて見た際は背の低さが衝撃的でしたが、今年もたくさん生えていました。

まだ咲いていないつぼみ? ルーペで撮るのを失念していました。

横から見ると、まるで白い毛に包まれた毛ガニのようです。

総苞片はないか一本だけついているように見えます。小総苞片は上向きにたくさんついています。小花序の花茎より長く、赤みを帯びていて、毛が短いのでよく目立ちます。

(27)ハマニガナ
最後に砂浜に咲くタンポポことハマニガナ。まず葉を見つけて、記憶にあるけど何だっけという状態でしたが、花が咲いているのも見つけて名前を思い出せました。

涼しい日を選んで海岸に行くのは大正解でした。ゆっくりとバードウォッチング&植物観察ができて、満足度が高かったです。

また近いうちに、最高気温が20℃未満の日を選んで行ってみたいです。道東の海沿いは道北より10℃くらい涼しい日も意外とあるものです。

ただ砂浜を歩くのは足腰に響いて痛く、かなり疲れました。普段なら森も雪原も歩いているので全然問題ないはずなのに、ここのところの農作業で体がガタガタです。

2022/07/02土

ハマナスの花びらでシロップづくり

昨日海沿いに出かけた時、売店でハマナスの花びらで作ったシロップが売っていたのを見つけました。それで友達の家のハマナスの花びらを採らせてもらって、早速作ってみることにしました。

ハマナスの葉にいたアマガエル。写真を撮ろうとしてスマホを近づけたら、ジャンブしてトゲだらけのハマナスの茎に飛び移っていたけれど、大丈夫だったのだろうか…。見た目には問題なく見えましたが…。

レシピを見ると、基本的には他のシロップと作り方は同じですが、レモン汁をかけて花びらを揉んで色を出したり、沸騰したお湯に花びらを入れて、それからさらに短時間加熱したりする独特な工程もありました。

できたシロップがこちら。すばらしいワイン色に染まりました。そのままでも、ほんのりとハマナスの香りがしますが、炭酸で割って飲むと、口の中に甘い香りが広がります。以前に作ったジャムよりこちらのほうが良いかも。

クルマバソウ、エゾマツ、ハリエンジュのシロップとはまた違う良さがあってどれも気に入りました。ハマナスだけでなく、ラベンダーのシロップも売っていたので、こんど自家製に挑戦してみたいです。

2022/07/04月

ガマの雄花ほか、公園で樹木観察

ニンニク畑の下見に行って、引き続きマルチ剥がし。かなりの重労働でしたが、全面剥がし終えて、掘れる状態になりました。今週の水、金、土の3日にわたって掘ることになり、かなり忙しそうです。

帰りに寄った公園の池のほとりにガマの穂が咲いていました。いつも茶色い実になってから気づきますが、今年はまだ咲いている状態で発見できました。

初めて雄花と雌花が咲いている状態のガマの穂がどんなものかを観察できました。下の黄緑色のところが雌花で、のちのち茶色い種の集合になる場所。一方、上の雄花は、まだ新しい花では脱落性の苞?らしきものに包まれていました。

その苞が落ちると、中から雄花の集合体が現れます。この蓑のようなモサモサしたのが雄花。いつも見る実の時期には、この部分は串のような棒になっていました。最初から串なのではなく、雄花が落ちた痕だったのですね。

去年の記録も見ると、7/15に雄花がまだ残っている花穂を確認してはいました。でも雄花がギリギリ残っているだけで、これほどしっかりとは咲いてませんでした。雌花もやや黒ずんでいました。

今後、花を見たいなら7月第一週に見に行くのが良さそうです。

今年もたくさんイヌエンジュのつぼみが現れていました。去年の日記だと、7/15にやはり撮っていますが、野生のイヌエンジュはその頃にもう咲いていたようです。

シナノキのつぼみ。過去の記録を見ると7月中旬くらいには咲くようです。

ウワミズザクラの実もたくさんなっていました。熟して色が緑→赤→黒に変化するのは8月末ごろです。

シラカバの実

ミズナラの実は探しても全然見つからないので、今年は不作なのか? クマは大丈夫か?と思いきや、冬芽とは別に虫の卵のようなのを発見。

よくよく見ると、非常に小さなドングリのはかまのようです。オニグルミやシラカバの実はすでに大きくなっている頃ですが、ドングリは意外と成長が遅いことを知りました。

小さな豆のようなカツラの実。枝から生える面白い位置につきます。

ズミの実。底に丸い模様があるのが目印。今年も豊作なので、冬鳥がたくさん訪れそう。

公園に植えられている植栽樹の実。五角形の萼の痕跡が残っていないので、ブルーベリーなどのツツジ科スノキ属ではないと思われるけれど、何なのか分かりません。

これも何か不明。Google Lensは意外と実には役に立たないし、わたしも園芸植物には疎くて全然わかりません。

ほかに公園にはたくさんキノコも出ていましたが、じっくり見る余裕さえありませんでした。また改めて自然観察に訪れたいです。

2022/07/05火

今日のキノコ。ウスヒラタケ、イタチタケ、ニカワホウキタケ等

今週はニンニク掘りで忙しくなるので、あまり余裕がない、ということで、久しぶりに森歩きに出かけました。すると、雨の後だからか、キノコがたくさん出ていました。

(1)ウスヒラタケ
まず、6/29にウスヒラタケ疑いのキノコを見つけた倒木に、またしても5つほど生えていた白い側生キノコ。前回は非常に傷んでいましたが、今回はとてもきれいな状態でした。

表面は白っぽいですが、やや褐色を帯びています。うっすらと条線が確認できます。

大きさは手のひらより少し小さいサイズ。4cmくらい。

下から見上げると太陽の光が透けるほど薄いので、ウスヒラタケらしさが感じられます。

裏側は、表と同じ色。ヒダは密。前回見たものと同様、柄はまったくありません。

断面。柄の場所に特に黒ずみのようなものはなく、柔らかく裂けるので、ツキヨタケではないでしょう。リング状の隆起がある柄とかもなかったですし。

陰に隠れるように倒木の下のほうについていたのも2枚ほど。表面の色の褐色みが強く、ふちが反り返っていました。スギヒラタケだったらほぼ純白らしいので、やはりこのキノコはウスヒラタケで合っているのだろうか…。

とてもきれいな状態だったので、食べてみるなら今回がベストでしたが、まだ確実に見分けられるとはいえないので、実行に移せませんでした。

軽く調べたところでは、幼菌がツキヨタケに酷似している(ただしツキヨタケは道北には分布していないことになっている)とか、最近毒性が知られるようになったスギヒラタケと似ているとかで、ややとっつきにくいキノコ。

もっと詳しく調べて、細かい特徴を把握してからのほうが良さそう。来年以降か。しかし、意外と見分けるための情報が少ないことからすると、上記2つと区別できさえすれば、他に似ているキノコはないのかもしれません。

(2)イタチタケ
落枝からあちこちで生えていた、そこそこ大きさのある見栄えのするキノコ。

他の特徴はともかく、傘のふちに膜の破片が多数残っていることからして、イタチタケかなぁと判断しました。

大きさは、傘のサイズが3cmくらい、柄の長さは10cmくらい。イタチタケは傘が3~7、柄が4~8とあったので、近いけれど違う可能性も無きにしもあらず。

ヒダは密で、赤みを帯びていました。イタチタケのヒダは白色→淡紅紫色→紫褐色と変化するようなので、傘が十分に開いたこの個体なら、赤紫色を帯びていても不思議ではありません。

断面。ヒダのつき方は直生、柄は空洞でした。いずれもイタチタケの特徴と一致。また上の写真だと柄の表面につぶつぶが見えますが、幼菌時に繊維状の短毛があるらしく、その名残かもしれません。

ほぼ特徴はイタチタケなのに、少し違和感があるのはどうしてだろう?と思って調べてみたら、イタチタケには下位分類が20種くらいあるそうです。確かに、イタチタケ、ムササビタケ、ムジナタケはそれっぽいけどよくわからないキノコが去年から多かったので納得。

イタチタケは、かつては食用キノコとされていたものの、今では微毒性があるとされているそうです。種類の多さも考えると食べないほうがいいのかも。キノコを食べるべきかどうかの判断はいつも難しいです。

(3)ニカワホウキタケ
去年8/12にニカワホウキタケを見たのと同じ倒木と思われる場所に、今年も出ていました。森のサンゴのようなとても美しいキノコですが、小さいので見落としがちです。ホウキタケの名ですが、キクラゲの仲間なのでニカワジョウゴタケのほうに近い。

まだ甘い分岐していない若い?小さな個体もぷっくりとして可愛らしいです。赤ちゃんの手みたい。

(4)キララタケ?
これも毎年よく見るキノコ。去年の調査では、キララタケかカバイロヒトヨタケではないか、としていたもの。

今回は、下の写真の若い個体(右)をよく見ると、傘に白い粉がわずかについているのが確認できるので、キララタケとしました。手持ちの図鑑にも、カバイロヒトヨタケは載っていないので、褐色のヒトヨタケはキララタケの可能性が高いのかもしれません。

イタチタケと違い、地面から生えていましたが、過去には倒木から生えているのも見ました。図鑑によると、切り株や埋もれた腐朽木に発生とされていて、ナメツムタケ系と同じく見かけ上地面に生えているように見えるだけのようです。

傘の表面は褐色。大きさは3cmくらい。キララタケの直径は図鑑によると2~3cmなので一致。

裏側のヒダは密で、真っ黒、柄の白さと好対照をなしています。ヒダが胞子で白→黒になってインクのように液化するのはヒトヨタケの仲間の特徴なので、キララタケで間違いないでしょう。柄が白く光沢があり、中空なのも一致。

(5)イヌセンボンタケ
これも毎年よく見るイヌセンボンタケ。本当に千本生えていそうな勢い。イタチタケ、キララタケ、イヌセンボンタケはいずれもヒトヨタケ科なので、この時期に多い親戚同士なのかもしれません。

傘の大きさは今日見た他の2種よりはるかに小さく、1cm程度。あまりに数が多いので、集合体恐怖症の人にとっては天敵かも。

真横から撮ってみた写真。なんと左上に知らないうちに2匹のホタルが写り込んでいました。このあたりで光り始めるのは7/20~月末ごろだそうです。今年はぜひ見に行ってみたいです。

イヌセンボンタケの肉はもろく、触るとすぐ崩れてしまいました。かろうじてヒダが直生で赤みを帯びているのを撮れました。図鑑によるとヒダは白→黒に変化するものの液化しないとのこと。この色は変色の途中なのかもしれません。

その後、森の奥まで行ってみましたが、6/29に見つけたウラベニガサと思われるキノコは跡形もなくなってしまっていました。誰かが採ったのかと思いましたが、朽ちて干からびて小さくなった残骸のようなものがあったので、それが成れの果てだったのかもしれません。ウラベニガサを採る人なんていなさそうだし。

動物が地面を掘った跡らしきものも途中で発見。見えている骨のようなのは横に走っているクマイザサの地下茎でしょうか。何を目当てに掘ったのかは謎。

エンレイソウの実がそろそろ熟しつつあり、触ると弾力性があったので、一粒持って帰ってきました。例年だと7月上旬~中旬ごろに食べているので、ちょうど今くらいの時期です。

持って帰った実を数日間、追熟させてから食べてみました。ものすごい量の種でしたが、ほのかに甘い果肉はとても美味しかったです。

エゾイチゴの花もたくさん咲いていました。

ジンヨウイチヤクソウはすっかり花が散って実になっていました。

さて、明日からは畑仕事に忙しくて、しばらく森とご無沙汰になってしまいますが、この時期は仕方ない。8月末にキノコ狩りを楽しめることを期待して頑張ります。

2022/07/06水

ニンニク掘り開始

今日から30℃超えの炎天下の中、恒例のニンニク掘りです、今年は7000本くらいあるそうで、3日にわたっての重労働になります。

泥炭地の畑は掘るだけならそんなに大変ではありませんでしたが、掘ったニンニクの土を落とすのが握力の要る仕事で疲れました。雨が多かったせいか、ニンニクは十分大きくなっていて、品質は良さそうです。

2022/07/07木

ヤナギラン満開

畑仕事休みですが、別の仕事があって忙しく、休む間もありません。

去年見つけた町なかのヤナギランが満開。畑仕事が一段落ついたら、お茶にするためのヤナギランをさらに摘みに行きたいです。

2022/07/08金

色づいてきたグーズベリー、オオウバユリ開花

今日はニンニク掘り二日目。不思議なことに、あれだけの重労働にも関わらず、筋肉痛は全然出ていないので、同じパフォーマンスを発揮できました。

まず泥炭地の畑のほうの4000本強は、終わらせることができました。残りは硬い畑に埋まっていて、今度は土落としは楽だけど穴掘りが大変という逆の状況に。そちらの畑の1/7ほどを終え、明日、最終日に終わりそうな目処が立ちました。

友人の家のグーズベリー。しだいに色づいてきました。ネットで見ると、緑の実を採っている人もいれば、赤紫に熟した実を採っている人もいて不思議だったのですが、緑のは酸っぱいのでジャムにして、熟した実は生食するそうです。

オオウバユリの花も咲いていました、友人がずっと前に堤防に転がっていた球根を持って帰ってきて庭に植えたそうです。オオウバユリは発芽から7年以上かかって花を咲かせて一生を終えるので、自分で育てていると感無量ですね。

2022/07/10日

ヤナギラン採りで見つけたイブキスズメの幼虫

昨日、無事にニンニク掘りは終了しました。さすがに週に4日も長時間働くのは疲れましたが、体力管理がうまくできてよかったです。筋肉痛も特に出ておらず、体力がついたのかな、と思います。

今日も今日で、朝から夕方まで忙しかったのですが、きっちりこなすことができました。先週、暑くなりはじめた頃はバテていましたが、すっかり真夏になって体も慣れてきたようです。

家の前で咲き始めたノラニンジンこと、クイーン・アンズ・レース。中心のやや左下に赤い花が一つ見えます。ノラニンジンは帰化植物ですが、美しい花なので、刈らずに何株か残してあります。

夕方にヤナギランを30本、また採りにいきました。場所によっては満開のヤナギランですが、いつも採るこの群生地は花期が遅いのが特徴で、お茶にする期間の余裕が長くて助かります。

意外に思ったのは、ここのヤナギランは、花穂が上に伸びるだけでなく、脇芽のように生えている個体もあることです。写真だとうまく撮りにくいのですが、小さなつぼみの花穂が輪生するように複数茎から出て周囲に広がっています。

たまに虫がついているので、気をつけて採るようにしていますが、その中に巨大なイモムシがいて、びっくりして飛び退きました。大きさは10cmはありました。驚いたけれど、美しさも感じたので、写真を撮ってみました。

調べてみると、ヤナギランを食草とするガはベニスズメやイブキスズメがいるそうですが、この模様はイブキスズメのようです。もっと黒っぽい幼虫が多いようですが、環境によって色の濃さは変わるそうです。

けっこう珍しい美しいガらしいので、好きな人は育ててみたいかもしれませんね。わたしは無事に育ってくれればいいなと願うだけですが。

ヤナギランを採っていた斜面の上でずっとこちらを見下ろしていたエゾシカの親子。距離があるので、チラチラと気にしながらも、逃げずに草をはんでいました。今年生まれの子鹿と思われますが、親の後をついて歩いて可愛かったです。

2022/07/11月

公園で植物観察。大雨で巣をたたむオニグモを目撃

うちの庭に生えていたギシギシ。せっかくだから、種類がはっきり分かるまでは、と思って、花が咲くまで放置していました。

花の形からわかったのは、エゾノギシギシだということ。花の内萼片のふちにトゲトゲの歯牙があるのがポイント。繁殖力旺盛な侵略的外来種なのでがっかり。嫌いな花ではないですが、増やさないためにも刈ったほうがいいでしょうね…。

同じく、うちの庭に勝手に生えてきて、今年も咲いてくれたヒヨドリバナ。邪魔にならない場所に生えていますし、貴重な在来種なので、これは残しておこうと思います。

公園で植物観察。おそらく6/19に見たものと同じ葉。ツリガネニンジンかと思っていましたが、よく見ると葉が輪生でなく互生でした。数も多かったのでツリガネニンジンではありえません。アキノキリンソウかセイタカアワダチソウでしょう。

ならツリガネニンジンはどこに? 毎年このあたりに少数が咲くのでどこかにあるはず。時間がなかったので軽く探しただけでは見つからず。

代わりに見つけた謎の葉。一見ツリガネニンジンに似ているように見えましたが、葉が大きめで対生。成長したエゾイラクサかと思いましたが、刺毛がないので違う。まだまだわからない草が多いと痛感しました。

(追記 : 7/19の観察からするとハタザオキキョウだったのかもしれません)

そろそろ良い大きさに膨らんできたオニグルミ。去年は8月に採取していました。

ミズナラのドングリの経過観察。7/4に見つけたとおり、まだまだ小さくハカマの部分しか見当たりません。

ところが、そこをルーペで拡大してみると、驚くほど色とりどりで美しかった!  カラマツの花のような、小さな世界に美しさを発見できて嬉しい限り。しかもこの超高層ビルまでアリが登ってきていることにも驚かされました。

ポプラ(セイヨウハコヤナギ)の葉柄にたくさんついていた虫こぶ。調べてみたら、記事にしている人がいましたが、虫こぶのぬしの名前の和訳は見つかりませんでした。もし今後虫こぶが赤く変色するようなら、そのコバエのようです。

ニシキギの花びらが散って、実になりはじめたところ。花の姿の名残はありますが、これがどうやってあの赤い実の形に変化するのかは不思議でなりません。できることなら毎日観察したいけれど、たまにしか見に来る体力がありません。

正面には十字のでっぱり。横から見るとUFOのよう。

レンゲツツジの花も実が膨らみつつありました。

ところで、今日は畑に行く予定があったのですが、異常なゲリラ豪雨が降ってきて、大雨洪水警報も出てしまったので、途中で引き返さざるを得ませんでした。

運転中もスコールで視界が真っ白になりかけて、かなり怖い思いをしました。去年も山のほうを走っている時に大雨と濃霧で視界が真っ白になり、ハザードランプをつけて走りましたが、それに次ぐ視界の悪さでした。

なんとか無事に家に帰ってくると、うちの軒先に巣を作っているオニグモが忙しく動き回っていました。

何をやっているのか見ていると、なんと巣を解体して畳んでいるところでした。その動きがとても整然としていて、中心から縦糸を伝って横糸を切りながら端に進み、するすると中心にまた戻ってを繰り返していて感心しました。

盲目的に片付けているようでは決してなく、あらかじめ動きをプログラミングされているように見えました。

巣には小さな獲物が引っかかっていたのでどうするのかと思ったら、その部分は片付けないまま放置して、するすると上に登って屋根の隙間に帰っていきました。

オニグモが巣を昼間はたたみ、夜にかけるという習性は知っていましたが、夕方にたたんでいるところを見れるとは思いませんでした。調べたら、「蜘蛛は大風吹く前に巣をたたむ」という諺があり、風雨に備えて巣をたたんでいたようです。

その証拠に、今、これを書いている23時半に家の外に出てみると、朧月が見えていました。オニグモは雨風が去ったからか、また巣を張り直して、巣の中心でスタンバイしていました。

うちの家のひさしには、複数のオニグモが住んでいるようですが、それらの行動をよく観察していれば、天気がこれからどうなるかわかったりするのでしょうか。

でも風雨が始まる前ではなく、始まってから巣をたたんでいたので、人間と同じタイミングで反応しているのかもしれません。

今日のキノコ。シュイロハツ、ヤマイグチ等

(1)シュイロハツ
前回7/4に来た時にも生えていましたが、時間がなくて撮影できなかったキノコたち。まずシラカバ林に生えていた赤いキノコですが、カラカラに干からびていました。ベニタケ科の何か。

傘のふちを拡大してよく見てみると、しわしわになって分かりにくいものの、短い条線があるのは確認できます。

ヒダはもう乾燥しているので密度がわかりづらいですが、やや密でしょうか。ヒダの色は薄い褐色。柄は白で中空。ヒダのふちに傘の赤色がはみ出てはいないので、ヤブレベニタケではなさそう、ということはわかります。

色々ベニタケ科のキノコを調べてみましたが、一番特徴が近いのはシュイロハツ。広葉樹林下に群生、ヒダはクリーム色で密、柄は白という点が一致。

ドクベニタケは、傘が赤く柄が白い点は似ていますが、ヒダは白色でやや疎、柄の内部は髄状であるとされるので除外。

チシオハツは、ヒダが密、白→クリーム色に変色することは似ていますが、マツ林に生えること、柄がやや赤みを帯びることが違うので除外。

ニシキタケは、傘もヒダも柄も黄色っぽく艶やかなので除外。

(2)ケショウハツ?
今回見つけたキノコは、傘の色は赤ですが、上の写真のようにふちまですべて赤いのと、下の写真のように中央だけ赤いのがありました。多分同じキノコだと思うけれど、違うものかも。

さっきのサイトによると、シュイロハツは中央部がやや淡い色で黄色みを帯びるとされているので、このキノコとは特徴が正反対に思えます。

だとしたら、このキノコは、ケショウハツかニオイコベニタケの可能性がありそうです。

ケショウハツは、桃のような濃淡のある傘の色合い、ヒダは離生で、白→クリーム色、絵は白かやや赤みを帯びるようです。裏返せば手がかりが得られたはずですが、現地では同じキノコと思って確認しませんでした。

ニオイコベニタケは特徴がほぼ同じですが、図鑑によると、ケショウハツより小さく、ケショウハツが7月から出るのに対し、ニオイコベニタケは8月からで、トドマツが混じる森に出るとあったので、除外できそうです。

(3)ヤマイグチ? キンチャヤマイグチ?
もうひとつはヤマイグチの仲間。去年もこのシラカバ林に出ていたので、すぐに分かりました。傘の色がキンチャと呼べるほど濃くないので、無印ヤマイグチかもしれませんが、キンチャヤマイグチの可能性も捨てきれません。

キンチャヤマイグチとヤマイグチを見分けるポイントの一つは、傘のふちが膜状にせり出しているかどうかです。この写真はもう老菌になって管孔が膨らんでいるので、判断つきかねます。

もう老菌なので、管孔は褐色~黒色に変色しています。若い時に発見できていれば薄いグレーだったはず。

白いカビらしきものも発生していました。去年、森の中で見つけた謎イグチの老菌も、白い管孔だったので肉が白いイグチかと惑わされましたが、単に古くなるとカビが生えるだけのように思えます。

柄にはヤマイグチの特徴である黒い鱗片がたくさん付着していました。

本来なら断面も見て変色を確認するとよかったのでしょうが、老菌すぎて虫の巣窟となっていたので断念しました。また若いヤマイグチを探したいです。

さて、7月に入ってから日記の更新が滞っていましたが、今日やっと時間ができて、追いつくことができました。写真の整理などまだ追いついていない部分もあるので、地道に生活のペースを取り戻していこうと思います。

2022/07/12火

イチヤクソウ群生地発見、ミヤマクワガタも見つけた

時間ができたので一週間ぶりに森へ行くことに。

ところが、天気予報だと降水確率は0~10%だったのに、みるみる天気が悪くなって雷が鳴り出して、まとまった雨が降り始め、濃い霧まで出てきました。

いったい今年はどうなっているのか。去年は降水確率60%でも雨マークがひたすら消えていく干ばつでしたが、今年は10%でも降ってしまいます。雨が多いのは別に構いませんが、反動でまたいつか干ばつが来そうなのが怖い。

行こうとしていた森は雨で入れませんでしたが、その後すぐ止んだので、もうひとつの森、一週間前に行ったのと同じ森に行ってみることにしました。

昨日も大雨だったので、さぞやぬかるんでいるだろうと思っていましたが、意外にもいつもとさほど変わらない様子でした。長雨続きに比べたら、短時間の局所的な豪雨など微々たるものなのかもしれません。

今の時期なら、オニノヤガラが出ているかもしれないと期待していましたが、今年は残念ながら見つかりませんでした。

(1)キツネノボタン
森の中には小さな花が色々咲いていました。トウバナやハイキンポウゲなどの他に気になったのが、黄色いキンポウゲ科の花。茎が直立しているため、ハイキンポウゲとはっきり区別できます。これはキツネノボタンの特徴。

2020年の6~7月頃にも、ここでキツネノボタンを見ているので、たぶん同じ種類でしょう。

花は黄色い5弁花で、遠目にはバラ科のダイコンソウ、キジムシロ、ヘビイチゴ、◯◯キンバイなどと似ています。近くで見ると花の中心部がニリンソウに似ていて、キンポウゲ科らしさを感じますが、それでもややこしいです。

キンポウゲ科だと分かっても、同じような黄色い小さな花を咲かせる種類は多いのが、また難しい点。キツネノボタンは花が1cmくらいと小さく、花弁に光沢があるのが特徴。

花びらに見える萼が落ちた後、中央の柱頭がボール状の実になります。現時点では、ダイコンソウのようにボール状の引っ付き虫になるのかな、というような見た目ですが、2020年8/29に見た実の形からすると、引っ付く時はボールまるごとではなく、トゲの一つずつが分離するようです。

大きな手がかりとなるのは葉の形ですが、どれもトリカブトみたいな葉をしています。特に注目すべきは根出葉で、切れ込みが大きいだけの単葉ならウマノアシガタや◯◯キンポウゲ、3出複葉ならハイキンポウゲか、キツネノボタンとなります。

ハイキンポウゲは地面を這っていて、花は2cmくらい。キツネノボタンは直立していて、花は1cmくらいであることで区別できます。

今回見たものは、直立していて3出複葉だったので、キツネノボタンだとみなしました。この名前は葉がボタンに似ているかららしく、言われてみれば、ボタンの葉も複葉で先端が3つに裂ける特徴があります。

茎の毛の有無などで、さらに細かく分類できるそうですが、茎は下のほうだけ毛がまばらに生えていました。ケキツネノボタンやヤマキツネノボタンほど毛深くはないので、ほとんど無毛とされる無印キツネノボタンのほうが近いのかな?

(2)エゾフユノハナワラビの芽
その近くの地面に生えていた山菜の芽のようなもの、こんな時期に芽が出るなんて不思議ですが、過去の記憶からすると、もしかしてエゾフユノハナワラビ?と思い当たりました。

芽が2本出ているのもそれらしい。大きい方は栄養葉、小さい方は胞子葉ではないでしょうか。山菜の芽っぽい雰囲気をまとっているのは、セリ科やタラの芽などの羽状複葉の芽に似ているから。

葉を接写レンズで見てみると、やはり羽状複葉らしい細かい裂片が見えました。

茎は意外としっかりしていて、部分的に赤みを帯び、白い薄い毛が生えていました。

はたして本当にエゾフユノハナワラビなのか。エゾフユノハナワラビの芽を撮っているような酔狂な人はいないかもと思いましたが、手持ちの図鑑にしっかり載っていました。

ネット上でも、盆栽として育てている人が載せている写真がよく似ていました。茎の写真も掲載しているサイトがあり、間違いなさそうです。

(3)クロヒカゲ
森の中を飛び回っていたチョウ。去年も見たジャノメチョウの仲間のクロヒカゲだとわかりました。暗い森の中を好むチョウとのことで生息域も一致しています。

ネットで写真を調べても、目玉模様の大きさや配置が同じなのが面白い。大きい目玉が2つ、中くらいのが3つ、小さいのが(前翅後翅合わせて)3つ。しかもこの並びで決まっているというのは、何か意味があるのだろうか…。

(4)ミヤマクワガタ
その後、森の一番奥まで行くと、足元に大量のきれいなミツバが生えているのを見つけて、ヒグマに注意して音を出しながら、ミツバ摘みをしました。その時、ミツバや他の草の間を歩いているクワガタムシを発見!

野生のクワガタを見つけたのは人生で初めてです。カブトムシは見たことがありませんし、夜に蜜でおびき寄せるなどしなければ出会えないものかと思っていました。調べてみると、ごく普通にいるミヤマクワガタらしいです。あつ森でも珍しくない虫でおなじみ。

観察していると、ハサミの間に枯れ草が挟まって悪戦苦闘しているようでした。助けてあげたい気はあったけれど、大型の虫なので、突然飛んだりしたら怖いので無理でした。自力でなんとかしてほしい。

それにしても動きは鈍重で、人間が近づいても逃げる様子はなく、地面と同化しているので、ミツバ採りでもしていなけれど、気づかないうちに踏んでしまっていたかもしれません…。

(5)イチヤクソウ
そのクワガタがいた場所のすぐとなりは、いつもキノコ狩りをしている広葉樹とトドマツの混交林です。なぜかササが生えておらず、下草があまり生えないので、キノコを見つけやすい場所です。

もしかして何かキノコが出ているかな、と見に行ってみると、驚いたことにイチヤクソウがたくさん生えていました。花茎を伸ばしているのは10株と少しくらい。ほとんどはつぼみ状態でしたが、咲かせているのも3株ほどありました。

去年見つけたイチヤクソウも、全然咲かない咲かないと思いつつ、足しげく通って、7/10に開花を確認したので、ちょうど同じ頃に開花しているということになります。

萼片は反り返っていますが長いので、無印イチヤクソウで間違いないでしょう。むしろ去年見たイチヤクソウは、葉が小さくてコバノイチヤクソウかと思っていたほどでしたが、ここのイチヤクソウは葉も立派で典型的です。

丸い形で光沢があり、白っぽい葉脈の線がよく目立つ、イチヤクソウらしい分かりやすい葉なので、花茎を伸ばしていない葉だけの株もそこそこあるのが確認できました。

立派な葉からすると、長年生き延びてきた群生地なのかもしれません。秋のキノコの時期にしかここは歩かないので、今まで気づかなかったということでしょうか。さすがに花茎がまったくない葉のみの時期にはわかりかねます。

もう満開になっている花茎。イチヤクソウらしい曲がった太い花柱や、黄色い雄しべが見応えあります。

これで、イチヤクソウ、ジンヨウイチヤクソウ、ウメガサソウは毎年安定して近所で見られることがわかったので、あとは風前の灯となっているベニバナイチヤクソウの安定した群生地を見つけたいです。

(6)ノリウツギ
帰り道、近所のノリウツギが咲きそうなのを確認。萼は開いているので、もう満開であるかに見えますが、小さな花の一つ一つは、まだ開花していないように見えました。しかし時間の問題でしょう。

(7)ウド
森の中や林道沿いに生えているウドは、花茎をかなり伸ばして、着々と咲く準備を整えていました。過去の日記からすると7月下旬には咲きそうです。

(8)ミツバ
ミヤマクワガタがいた森の奥のほうでたくさん採ったミツバ。草刈りされた後の第二弾が出てきていて、全然虫食いがなくきれいなのが多かったです。不思議と小葉もまったく裂けていない整った形の葉ばかりでした。

帰り道にもたくさん生えていて、別に森の一番奥で採らなくても、もっと手前でもたくさん生えていたことに気づきました。

(9)クマイザサの実
今年は開花しているクマイザサが多かったですが、そろそろ実になっている穂があったので持ち帰ってきました。

穂の中には、茶色くシワの寄った穀粒が入っていました。そのまま食べてみましたが、柔らかくて問題なく噛むことができます。とても粉っぽく、美味しくも不味くもありませんでした。

飢饉の時は煮るなり粉に挽くなりして食べていたようです。きっと貴重なでんぷん質だったのでしょう。しかし、いくらクマイザサの数が多いとはいえ、量を集めるのは大変そうだと思いました。

また、ササの実は麦角菌(LSDの原料)が寄生することがあり、戦時中にはササの実でパンを作って、妊婦が早産・流産したといった中毒も起こったそうです。よほどの食料不足でもない限り、食べないほうが良さそうです。

森歩きは楽しかったですが、雨上がりで霧が出ていたくらいなので湿気も高く、今までで一番汗をかいたかもしれません。気温は最高29℃だったようで、虫対策をしながら森歩きできる限界点のように感じました。

今日のキノコ。キクラゲ、ハナホウキタケ等

(1)キクラゲ
森に入ってすぐの枯れ木の幹に、去年も見つけて食べたキクラゲがまた生えていました。量が少ないので採りませんでしたが、雨の水分を吸って大きく傘が開いていました。

傘を拡大して撮ってみましたが、キクラゲの特徴である白い微細な毛は見当たりませんでした。奥のほうの付け根側になんとなく見えるのがそれかも。毛が目立つアラゲキクラゲと違って、無印キクラゲは傘が湿っている時はわかりにくなるのかもしれません。

(2)ニガクリタケ?
森の一番奥の、先日ウラベニガサを見つけた倒木かその近辺に生えていた謎のキノコ。このあたりはよくニガクリタケが生えるので、小さな黄色いキノコだしそれだろうと思いましたが、一応、抜きとって観察してみました。

傘は1.5cmほどと小型。傘の色は橙色で、中心部が濃くなっています。柄も傘と同じ黄色っぽい色なので、ニガクリタケらしい見た目。

しかし、裏側を見て驚きました。ニガクリタケなら黄色→オリーブ色→紫褐色のヒダですが、赤銅色という言葉がぴったりの、赤みを帯びた鉄さびのような色です。これは紫褐色の範疇に入る色合いなのでしょうか。

ヒダはおそらく密。細かい虫がたくさんくっついていて、かなり傷んだ老菌であろうことはうかがえます。

横から見た断面。びっくりするほどヒダの厚みが薄いことに気づきます。柄の内部は中空。去年10/5にこの付近で観察したニガクリタケの断面と比較してみると、ヒダの薄さなど酷似しているように見えました。

唯一腑に落ちないのは、ヒダの色だけなので、ニガクリタケが最終的にこんな色になることを示す写真があれば納得できるのですが、ネットで調べてみても、わたしのこれまでの観察でも、紫褐色とはもっと紫っぽいグレーに思えます。

(3)ハナホウキタケ
イチヤクソウ群生地にまばらに生えていたホウキタケの仲間。もしかして食べれるほうの無印ホウキタケかな、と期待しましたが、残念ながら毒性があるハナホウキタケのほうでした。

手の大きさと比較。高さは大きいものでも3cm程度です。

真横から見たところ。無印ホウキタケは柄の部分がとても大きいですが、ハナホウキタケは根元から分岐していて柄の部分が小さいことで区別できます。しかし食べられるかどうかはともかく、とても絵になる美しい森のサンゴです。

接写で撮ってみても、先端が赤ちゃんの手のように分かれていて、とても可愛らしいです。ホウキタケの仲間は、見つけるたびに、嬉しい気持ちにならせてくれます。

2022/07/13水

今年もハクセキレイ幼鳥来たる。ヤマグワの実をたくさん採った

(1)ハクセキレイ幼鳥
うちの庭で毎年見かけるハクセキレイ幼鳥。もちろん毎年違う幼鳥なのですが、近くに巣の定位置があるのかもしれません。

軒下に止まって、何時間も地鳴きを続けていました。すぐ手が届くような位置にいますが、網戸越しなので、室内からは写真が撮れず。家の外から望遠で撮った写真。

幼鳥だからか警戒心が全然なく、堂々と座り込んでいました。ネコやキツネが通りかかることもあるので危ないと思うのですが、親が屋根の上にいて、見張っているようで、時々降りてきてコミュニケーションを取っていました。

(2)コノテガシワの実
朝から用事があって、都市部に出かけ、そのついでに寄った友人の家で垣根に植えられていた謎の針葉樹。ヒバやヒノキの仲間だとは分かるのですが、見たことのない面白い形の実がついていました。

Google Lensで調べると、コノテガシワかカイヅカイブキと出ました。葉の形で見分けがつくようで、名前どおり子供の手のようで平べったいのがコノテガシワ。おそらくコノテガシワの園芸種センジュかな、と思いました。

この不思議な形のヒシの実のようなものが実。調べてみると、意外にも秋には割れて松ぼっくり型になるようです。カワラヒワなどが種子を食べに来るとか。樹木の花や実は面白いものが多いので興味が尽きません。

小さい花が残っていたので、てっきり雄花だと思ったのですが、調べたら実にならなかった雌花のようです。雄花はニオイヒバなどと同様、針葉の先っちょにたくさんつくようでした。今はもう残っていないのでしょう。

(3)シウリザクラの実
そろそろ実がついているかなと思って見に行ったシウリザクラ。確かに実はたくさんなっていましたが、ウワミズザクラほどぎっしりとならず、エゾノウワミズザクラと同じくまばらでした。もうかなり実が落ちてしまったのかもしれません。

手の大きさと比較。そこそこの大きさがある実です。しかし現時点でこれほど少なくなっていると、実が色づくころには一つも残っていないかもしれません…。

左下の葉を見ると、シウリザクラの特徴らしく葉の基部がハート型(心形)になっていること、そして赤い葉柄に蜜腺がついていることが確認できます。これはエゾノウワミズザクラと同様の特徴で、ウワミズザクラは葉に蜜腺があります。

その後、もう一箇所、春に芽吹きの紅葉を見たシウリザクラも見に行ってみたのですが、望遠レンズで確認する限り、立派な木なのに実がひとつも見当たりませんでした。花は咲いていたはずなのに奇妙です。

(4)ミズキの実
その実がついていないシウリザクラと一緒に生えているミズキには、たくさん実がついていました。どれも上を向いていて果柄に独特のうねりがあります。

(5)クサフジ
そのシウリザクラとミズキがある川沿いを橋の上から見下ろしていたら、オオウバユリやオニシモツケの他に、クサフジが咲いているのも見つけました。この時期には珍しい、鮮やかな紫のグラデーションが美しい彩りある花です。

(6)ヤマグワの実
それから、友人の山にクワの実の様子を見るために立ち寄りました。そろそろ実が黒く熟して採れるかもしれないと思っていました。森の入り口には少なくとも3本のヤマグワの雌株があり、それぞれ低い位置に実をならせていました。

どの実も思ったより小さく、大量に集めるのは大変でした。ものすごい量の虫がいましたが、全身を完全に覆っているので、怖がらずに実を採り続けることができました。

クワの実は非常にもろく、指で簡単につぶれてしまうし、小さくてつまむのが難しいので、手袋をはめたままの作業だと、かなりの量を落としてしまったのが悔やまれます。かといって素手で採っていたら虫刺されだらけになるでしょうから仕方ありません。

まだ赤い実も大量にあり、これから熟すようだったので、来週あたり来てみれば追加で採れるかもしれません。ジャムにしようかと思いますが、ひとつ食べてみたら、とても甘くてプチプチしていて、野生のベリーの中では別格の味です。

そのヤマグワの実で作ったマルベリージャム。種がたくさん入っていますが、プチプチした食感で悪くありません。果柄も取り除けなかったのですが、食べても食感に影響はなさそうでした。

(7)マタタビ
クワの木のすぐ近くで、白い花が咲いていたので、何だろう?と思ってよく見てみました。すでに実になりかけている姿と葉の特徴からして、おそらくマタタビだろうと考えました。

ツルが赤銅色でないこと、葉の柄が赤くなく、葉の基部がハート型でないことからして、サルナシとミヤママタタビは除外できます。子房が細長く膨らんでいることも、マタタビの実らしい特徴です。花から実になる中間状態を見たのは初めてです。

(8)クルマユリとバッタ
これもクワの木の近くに咲いていたクルマユリ。似た花にオニユリ、コオニユリがありますが、小ぶりな花の雰囲気から、たぶんクルマユリだろうと直感しました。

よく見ると、クルマユリの花の上に乗っているバッタがいました。こんな高いところまでよくジャンプしたものです。種類は何でしょうか。フキバッタの仲間のように思えます。

クルマユリとコオニユリは、葯の色で区別できるそうで、クルマユリはオレンジ色、コオニユリは茶色だそうです。

一番わかりやすい特徴は、クルマユリは葉が輪生になることですが、目視でわかる部分は互生になっていました。これはコオニユリの特徴に思えます。

しかし調べると、クルマユリも、輪生になる葉は下のほうに一箇所あるだけで、その上下は互生だそうです。もっと草むらをかき分けて下を見れば輪生の葉もあったと思いますが、そうまでして確かめる余力は残っていませんでした。

(9)ノシメトンボ
帰り道、窓を開けて走っていたら、車の中に飛び込んできて、しばらく休んでいたトンボ。おそらくノシメトンボのメス?

リスアカネのメスも似ているようですが、胸の黒い模様が完全に翅の付け根まで届かないことで区別できるようです。コノシメトンボも似ていますが、やはり胸の模様の違いで区別できます。難しいですが、ノシメトンボらしく見えます。

(10)カラスビシャク
最後に畑地に生えていた雑草のカラスビシャク。日本全国に生える雑草ですが、見つけたのは初めてです。マムシグサ似ですが、とても背が低く、意外と地味なので、気づかないままスルーしていたようです。

花はマムシグサと同じく蛇が鎌首をもたげたような形ですが、色が背景と同化しているため、あまり気づかないかもしれません。

たくさん生えている雑草なので、一度マムシグサでやってみたかった花の解剖をやってみました。といっても、仏炎苞をめくって中身を観察するだけですが。

すると、意外にも内部は2つの構造があり、上は雄花、下は雌花だとすぐわかりました。マムシグサと違って雌雄同株なのですね。

上部の雄花の部分。

下部の雌花のトゲトゲした部分。調べてみると、小型のマムシグサみたいな実をつけるようですが、マムシグサのように赤くはならず、緑に熟すようです。ほかにも茎の根元にむかごをつけるようですが、知らなかったので観察できませんでした。

葉は花茎とは別に根から伸びた葉柄があり、先端に三出複葉のプロペラみたいな葉がついていました。マムシグサと比べると面白みに欠ける葉で、いかにも廉価版マムシグサといった雰囲気です。

それでも、根っこは生薬の半夏として知られているそうで、わたしも慢性疲労症候群の時に半夏厚朴湯を飲んだ記憶があります。役に立たないという意味で「カラス」の名を冠していますが、意外とお世話になっていたのでした。

2022/07/15金

二週間ぶりの海

6/19に岩礁海岸、7/1に砂浜海岸に行って以来、2週間ぶりにオホーツク海に行ってきました。でも目的は海そのものではなく、涼しい場所で海浜植物の観察を楽しむためという、マニアックなもの。

でも岩礁海岸→砂浜海岸とはしごして、見たかったものはすべて発見できたので、とても楽しかったです。植物観察を趣味にしていれば、娯楽施設などなくても、どこでも退屈しないのがいいですね。

前は午前中に家を出ていましたが、わたしの体力だと数時間散策するのが限度なので、いっそ14時に家を出てみました。

すると、涼しい夕方の時間帯に、16時~18時くらいに自然観察し、夕日が沈んで視界が良好になってから帰宅できたので良かったです。来年からも、夏の暑い時期にオホーツク海に行く場合は、このスケジュールを覚えておきたいです。

天気予報だと内陸でも26℃と比較的涼しめの今日でしたが、海岸線はとても涼しく、風が寒いほどでした。しかし岩礁海岸はよく温められているからか、上着を着ると暑いので、薄着で散策しました。

今日も岩礁海岸を横切るウミウがたくさん。右から左へ、左から右へ、せっせと行ったりきたりしていました。

岩礁海岸にはたくさん潮溜まりができていて、黄色い藻で覆われていました。

よく見ると、小さな頭を持ったオタマジャクシを小さくしたような虫がたくさんうごめいていました。調べてみたら、どうやらボウフラのようです。ちょっと気持ち悪かった…。フナムシもいましたが、すばしっこくて撮れませんでした。

海岸の牧草地にいたエゾシカの群れ。ゆっくり停まれない場所だったので、ピンぼけになつてしまったのは残念。大人のオスのエゾシカもたくさんいる群れでした。

砂浜海岸のエゾノシシウドの葉にいたサッポロマイマイと思しきカタツムリ。

ハマナスの葉にもいました。

砂浜でオイスターリーフを探して放浪している時、ツリー、ツリー、ツリーという独特の鳴き声が聞こえました。あたりを見回してみると、すぐ近くに朱色の胸の鳥が止まっていました。ノゴマのオスです。

こんな鳴き声だったのか、と感慨深げに感じました。でも、その後2羽めの別のノゴマのオスを見た時には、ツグミのような連続した切れ目のない声でさえずっていました。

さっきのは地鳴きでこちらがさえずりのようです。名前の由来になっているコマドリみたいな美しい声というのはさえずりのほうなのでしょう。

植物メインで観察していたので、観察できた生き物はこれだけでしたが、またノゴマに再会できて嬉しかったです。ほかの鳥たちは、草やぶの中から声はするものの、ほとんど姿を見せてくれませんでした。

できることなら、潮溜まりの生き物や藻類ももっと観察したいのだけど、レイチェル・カーソンみたいなガイドがいないと難しいか。でも森だって最初はそうだったのだから、参考になる本を見つければいいのかもしれません。

岩礁海岸の植物いろいろ

(1)シナノキの花
まず家の近所のシナノキ。オオバボダイジュとともに満開を迎えていました。甘酸っぱい香りをもっと楽しめばよかった。

(2)エゾニュウ
海岸にたくさんそびえ立っていたエゾニュウの偉容。家の近所の川沿いや道路脇のエゾニュウもかっこいいですが、海を背景にそびえるのが一番似合います。

(3)ツリガネニンジン
一ヶ月前の6/19には、葉しか見当たらなかったツリガネニンジン。花がないので、本当にツリガネニンジンだろうか、と疑っていましたが、答え合わせができました。

記憶よりも小柄で、草丈は40~50cmくらい。岬に生えているから小型なのかもしれませんが、wikiでも40~100cmとあるので、小柄な個体も珍しくないようです。一方、近所の公園の林で見たものは1mくらいあったのかもしれません。

咲いているのも数多くありましたが、つぼみも目立ちました。

つぼみ~花まで、さまざまな成長過程が混在していました。

花も記憶よりもかなり小ぶりで、それぞれ2cmくらいしかありません。

今回、ツリガネニンジンをじっくり観察したかったのは、まだ花が咲く前の芽出しの頃に、山菜トトキとして見分けるためです。葉の特徴がうろ覚えなので、しっかり写真も撮って覚えようと思いました

まず手の大きさとの比較。これも思ったより小さく、5cmほど。もっと先が尖っている(披針形に近い)と思っていましたが、卵形だとわかりました。文字通りの卵と大きさもほぼ同じでしょう。

葉柄はなく、茎に直接くっついていて、ふちには目立つギザギザがあります。

そしてツリガネニンジンの葉の特徴といえば輪生であること。しかし、下の写真の上部(ぼやけている部分)の葉は互生になっています。それで必ずしもすべての葉が輪生ではありませんが、下のほうの葉は輪生になっているはずです。

上から見たところ。ロゼットのように重ならないように様々な方向に葉が出ています。

しかし、葉の特徴にはかなりの変異があるようです。6/19に観察したのは、この写真のように、葉のふちが赤かったり、主脈が赤みを帯びているものでした。葉の形も卵形といえるほど丸みがあります。

しかし、同じ岩礁海岸の別の場所で見つけたツリガネニンジンは、葉の雰囲気がかなり異なっています。

特に上部の葉は細く、卵形ではなく、いわゆる披針形です。葉のふちの赤みもありませんし、主脈も赤みを帯びておらず白色です。

 

横から見ると、葉はしっかり輪生していて、やはり葉柄がないことがわかります。また葉のふちのギザギザもあります。葉の赤みや形や個体差があるので、それ以外の特徴で見分ければいいのかなと思いました。

(4)ヒオウギアヤメ
花が散って、ずんぐりとした厳つい形の実をつけていたヒオウギアヤメ。

(5)キタノコギリソウ
一ヶ月前、ちらほらと咲き始めていたキタノコギリソウは最盛期。

(6)エゾノキリンソウ
一ヶ月前にたくさん咲いていたエゾノキリンソウは、すっかり黄色い花が散ってしまって地味な姿になり、星型の実をつけていました。

(7)エゾミソハギ
一方、前回、十字対生の葉が見られるだけだったエゾミソハギは、ちらほらと咲き始めているのがありました。雰囲気が似ているヤナギランより多少咲き始めるのが遅いですが、思ったより早く開花し、同時期に咲くことがわかりました。

穂状花序の花の一つ一つは近くで見るとヤナギランとはあまりにておらず、エゾムラサキツツジに似ています。

(8)マルバトウキ
7/1に砂浜海岸で咲き始めていたマルバトウキは、最盛期を迎えているものもあれば、すでに実をつけているのもありました。

マルバトウキの実。角が2本生えた黄色い帽子をかぶっています。同じセリ科でも、実の雰囲気は少しずつ違っていて面白いです。セリ科の実でキャラクターを作ったら人気が出るのでは?

前回の写真ではわかりにくかった小総苞片。果柄に沿うようにして、上向きのヒゲが伸びているのが見えます。上の写真では同じような形の総苞片も映っています。

(9)ウミミドリ
岩礁海岸のうち、潮溜まりがたくさんあるのは、潮間帯や波をかぶる場所だと思いますが、そのあたりにはほとんど植物がなくなります。

けれども、そこで唯一青々としているのがウミミドリだったので、名前のとおりだと感じました。調べてみると、やはり大潮の際には塩水につかるような塩性湿地にも生えるとありました。

ウミミドリも、前回見た時は満開で小さく可憐な花(といっても萼)が見頃を迎えていましたが、今回は、一つ残らず散ってしまっていました。今や茶色くしなびた萼が残っているだけです。

ルーペで見ると、その内側に、さくらんぼのような形の実が成長しているのが見えました。

(10)シバナ?
ウミミドリと同じ塩性湿地に生えていた数少ない植物。シバナかな?と思ったのですが、実?と思っていたものの形がなんだか違うようです。

これが花? 実? いずれにしてももっとしっかり観察すればよかった。

(11)エゾハマツメクサ?
前回ツメクサの仲間と同定した岩場の植物。一ヶ月前は花が咲きかけていたところでしたが、今回は花が散って実になっていたので、結局しっかり開いた花は見られないままでした。

実の形からして、ツメクサかその仲間であることは間違いないようです。これが乾燥すると、先が5つに割れて中の種が飛び散るそうです。北海道かつ海辺に生えていたことから安易にエゾハマツメクサ?としています。

(12)ドロイ?
同じく岩場に生えていたやや大型のイグサ科。前回ドロイなどを疑ったのと同じ草だと思いますが、詳細は不明。

(13)エゾオオバコ
海岸に生える在来種エゾオオバコはすっかり見分けがつくようになりましたが、すでに実をつけているのがありました。

より乾燥しているのは、手で触るとポロポロと落ちました。こういうパリッとした焼き菓子があったような…。

自前の約20倍ルーペでは構造がよくわからなかったのですが、もっと大きな写真を載せているサイトを見ると、フタが外れて中身が出た後のようでした。こんな小さな種も、容器とフタに入っていることに感動します。

(14)ナガボノシロワレモコウ
去年も見つけたナガボノシロワレモコウは咲き初め。花穂が短い気がしたので、ただのシロワレモコウかと思いましたが、そういう名の植物はないそうです。

小さな花が先端から順に咲くようです。白く見えるのは花びらではなく萼で、長い雄しべが目だっています。

(15)多肉質の葉の謎の植物
岩場の一角に群生していたロゼット状の葉の植物2種。

まず多肉植物っぽい葉植物。葉は分厚く、ふちがギザギザしています。

葉の裏側は薄い色。もしやオニハマダイコン?と思いましたが、オニハマダイコンの葉は表面の葉脈が目立たず、裏側も白くないので違うようです。オニハマダイコンなら深い根が垂直に伸びるはずですし、さすがに岩場は不向きか。

海岸に咲くというエゾオグルマというキク科にやや似ているようにも見えますが、柄の部分が長すぎる気がするので違うか。

(16)マルバトゲチシャ?
もうひとつ、そこに群生していた植物。こちらは葉は薄く、細長く、白い主脈が目立ちます。葉のふちには非常に細かいギザギザ。

家の周りに生えている雑草のマルバトゲチシャの葉によく似ています。海岸のような過酷な環境にも耐えうるのでしょうか。

(17)アキカラマツ
そういえば1ヶ月前は葉っぱだけだったアキカラマツと思われる植物はどうなっているだろうか、と岩場を伝って探し回ると、大岩の死角になっていた場所にたくさんの花が咲き乱れていました。

つぼみは丸い提灯のよう。

去年は8月半ばに花を見ていますが、まだ7月半ばなのに咲いているところを見ると、まるでナツカラマツです。花弁はなく、黄色い葯をつけた雄しべが目立ちます。カラマツソウほどの迫力はなく、夏の終わりの線香花火のようです。

(18)エゾノヨロイグサ
前回も岩場で見た大型セリ科。葉の雰囲気からオオバセンキュウだろうと思っていたのですが…。

下から花を見上げたところ。総苞片、小総苞片ともにありません。オオバセンキュウなら小総苞片はあるので予想外。両方ともない大型セリ科となると、エゾニュウやエゾノヨロイグサとなります。茎が華奢なことから明らかにエゾニュウではないので、エゾノヨロイグサか?

花弁の先が縮れていて、小さなU字型の切れ目があるかのように見えます。ここのサイトに花の接写写真がありましたが、雰囲気はよく似ています。(サイトの説明によると、必ずしも総苞片・小総苞片がないわけではなく数本みられることもあるそうです)

実は赤い帽子を被っていましたが、これもさっきのサイトの写真と一致していました。

エゾノヨロイグサはエゾニュウと共に海岸に生えることも多いそうなので、オオバセンキュウよりも納得できます。相変わらずセリ科は難しく、すぐに欺かれがちですが、細かい特徴から同定できることは進歩のしるしです。

(19)オグルマ?
たくさん岩場に生えていたキク科植物と思われるつぼみ。

つぼみの様子。小型のヒマワリのような立派な見た目。

葉は細長く、葉柄はなく、茎を抱くように付き、白い主脈が目立ちます。

調べたところ、海岸にも咲くというキク科オグルマの可能性がありそうでした。花期も7~10月なので、ちょうどこれから咲く花のようです。できれば、咲いているところを確認したいけれど、家から遠いのが難点。

原生花園~砂浜海岸の植物いろいろ

(1)エゾスカシユリ
原生花園に入ってすぐの場所に直立していた謎の実。2週間前の7/1にに来ていたおかげで、エゾスカシユリだとすぐにわかりました。花びらが散るとこうも地味なのか…。中央脈がはっきり刻まれた葉が意外と特徴的だと気づきました。

花柱だけが長く伸びていて、まだ小さな実がシリンダーのようについています。そういえばオニユリの実も、膨らむ前はこんな形だったな、と遠い記憶が呼び覚まされました。

(2)ナワシロイチゴ
前回、ほんの少ししか咲いていなかったナワシロイチゴは最盛期を迎えていて、赤紫色のユニークな形の花が、あちらでもこちらでも見頃でした。

(3)エゾノカワラマツバ
前回咲き始めていたエゾノカワラマツバは満開で、泡立つかのようにモクモクと咲き乱れていました。

(4)エゾカラワナデシコ
前回まったく咲いていなかったエゾノカラワナデシコが満開。一方、前回咲いていてナデシコと間違えたエゾオオヤマハコベは見当たらず。花の移ろいは本当に忙しく、できれば毎週見に来たいものです。

葉はハコベやナデシコの仲間らしく、細長い形で対生。

(5)オオカサモチ
一ヶ月前に咲き始め、2週間前に満開だったオオカサモチは花が散って実をつけていました。

大型セリ科の中でも大型だけあって、実の量は圧巻。

帽子は白色。

(6)ヒロハクサフジ
前回、ハマエンドウばかり見て、ヒロハクサフジはどこに行ったのだろうと不思議に思っていましたが、今回はすぐ見つかりました。似ているのかと思っていたら、葉の大きさがはるかに小さく、前回知った托葉がないので、見分けは難しくありません。

(7)ハマハタザオ
去年も見たハマハタザオの不思議な形の実。花を見たのは5月末だったので、7/1に来た時もすでに散っていたと思いますが、花も実も見つけられなかったのは残念でした。もう少し熟する前の実を見てみたかったです。

乾燥パスタのような果穂が目立ちますが、下のほうを探ってみると、地味な葉があります。コウリンタンポポの葉のロゼットによく似ています。

ロゼット(根生葉)だけではなく、茎と一緒に立ち上がっている葉(茎葉)もあります。葉は薄い毛が生えていて、茎を抱いています。一稔生多年草とあるので、花を咲かせる年だけ直立するのかも。

(8)ハマボウフウ
それから、砂浜を歩き回って、あちこちのハマボウフウを観察しました。

つぼみとこれから咲く花。

中心に雌しべが見えないので、両性花ではなく雄花のようです。

果実になりつつある花序。最終的に赤紫色に熟するそうですが、一度も見たことがありません。秋にもオホーツク海に来るべきか。

(9)エゾノコウボウムギ
エゾノコウボウムギの雌花序。

(10)シロバナシナガワハギ?
砂浜を歩いていたら、幹線道路のすぐ近くまで砂地が続いていることがわかりました。岩場やイタドリ林で遮られてはいるものの、ほんの数メートルしかありません。その道路際に咲いていたマメ科らしい白い花。

調べてみると、外来種のシロバナシナガワハギのようでした。スイートクローバーと呼ばれる牧草や緑肥の仲間だそうです。乾燥させるとクマリンの甘い香りがするとのこと。

無印シナガワハギもやはり外来種で、同じように海岸に生えていることがあるそうですが、花が黄色です。起源は古く、江戸時代末期に品川で見つかったことから、この和風な名前がつけられたとありました。

きっと近くの牧草地から逸出したものだと思ったのですが、スイートクローバーが発酵するとクマリンがジグマロールに変化し、出血が止まらなくなる症状を引き起こすそうです。

それがきっかけで、抗血液凝固剤ワーファリンが作られたという逸話がありますが、牧草としては好ましくないので、別ルートで広がったのかもしれません。

意外と背丈が高く、1m近くありました。

葉は三出複葉。

(11)ハマベンケイソウ(オイスターリーフ)
去年、オホーツク海の砂浜で2度見つけたハマベンケイソウことオイスターリーフですが、この原生花園近くの砂浜では見たことがありませんでした。

でも、同じオホーツク海岸なので、絶対どこかにはあるだろうと、ひたすら砂浜を歩いてみると、少し離れた場所で、やっと再会できました。

記憶ではシロヨモギに似ていたかも?と思っていたのですが、並んでいる姿を見るとかなり違います。シロヨモギほど白くないエメラルドグリーンの葉で、どことなくカキの形にも似ているような気がします。

一つ発見した後は、すぐに幾つも発見でき、決して珍しくない植物だとわかりました。砂浜をかなり歩く必要があるとはいえ、これだけあれば今後、観察するのは困らないでしょう。

葉を一枚ちぎって揉んでみたら、とても生臭いカキの香りがしました。

嬉しいことに、ちょうど花も咲いていました。もう花期は終わっているのでは?と思っていましたが、調べてみると去年見たのも7月中旬ごろでした。

花は総状花序で、面白いことにつぼみはピンク、咲きかけはすみれ色、咲くと水色に変化しています。

  

実の写真を調べてみたら、日本語では見つかりませんでしたが、英語ではありました。自分でも観察したいですが、9月かな?

2022/07/16土

アオミズが生え、イケマやキンミズヒキが咲き出した

かなり久しぶりに森歩きしました。12日に行こうとしたらゲリラ豪雨で行けなかったほうの森で、その前にさかのぼると6月28日以来です。

当時はまだ年に一度の草刈りが途中までしか入っていませんでしたが、今日行くと全部終わって歩きやすくなっていました。

(1)アオミズ
入り口付近には、たくさんのアオミズが出ていたので、ちょっと摘みました。なぜかミツバにそっくりの味がするイラクサの仲間です。

イラクサの仲間でも、山菜のミズと同じくトゲのないタイプなので安心して触ることができます。葉の青々しさや、真夏に生えることから、他のイラクサとは区別できるので、安全だという確信を持って茎に触れることができました。

かなり小さなアオミズも群生。過去のアオミズは、もっと大きくなってから気づいていた気がしましたが、それもそのはず、日記によると8月末ごろに発見しています。7月半ばから生えていたとはつゆ知らず。

芽生えたばかりの小さなアオミズの葉は、一見すると同じ時期に生えるシソ科トウバナの葉によく似ています。キツリフネ(毒草)にも似ているから注意が必要かも。でも、よく見れば葉がイラクサらしい三行脈なので、区別は可能です。

過去に採った8月や9月のアオミズは、茎が硬くて、柔らかそうな葉しか食べられませんでした。でも、この時期の7月末のアオミズなら大丈夫そう。

ということで、若いアオミズをいくつか採りましたが、すぐ葉がしおれてしまう欠点も発覚しました。家に帰るころにはしなしなでした。

しばらく進んだところで、まださほど深い森でないにも関わらず、ヒグマの巨大なフンが道の真ん中に落ちていてぎょっとしました。秋にハナイグチを採るあたりで、このあたりまでなら、わたし以外にも入る人は幾人かいるはずです。

見たところ、あまり古くなく、半日~1日前くらいのものかと思えました。かなり大きな大人のヒグマと思われます。ずっとこのあたりに住んでいるクマかもしれません。

どうすべきか迷いましたが、ニアミスするほど新しくはないだろう、と判断して、先に進むことにしました。しっかり音を出していれば大丈夫だろうという思いもありました。でも、後で考えれば、引き返すべきだったかもしれません。

(2)キバナオニグモ
ミヤマガマズミの実がなっているあたりで見かけた、クマイザサの葉の裏側にいたオニグモ。家の近辺にいるのよりカラフルです、キバナオニグモかもしれません。

しばらく進んで、最近よくミツバを採っていた場所に差し掛かりました。前に来た時は、そこから先が草刈りされていなかったですが、今日はもう草刈りが終わっていました。そして新しいミツバがたくさん生えてきていました。

きれいなミツバが多かったので、せっかくだからとミツバ摘みをしましたが、すぐにタマゴタケが生えていることに気づき、注意がそちらにシフト。詳しくはキノコのほうの副見出しに書きます。

気温は26℃くらいでしたが、かなり暑く、ヒグマの件で警戒もしていたので、あまり気持ちの余裕はありませんでした。それでミツバ摘みはそこそこにして、タマゴタケを3本採って、奥へ向かいました。

タマゴタケは全部で5本見つけ、そのうち4本採りましたが、まだ草が生い茂っていて森の中の見通しが悪いので、積極的に探す気にはなれませんでした。

(3)キンミズヒキの花
キンミズヒキの花が咲き始めていて、

(4)エゾイラクサの花
イラクサもたくさんの花を咲かせていました。そういえば、イラクサの実がなったら食べてみたいと思っていたのを思い出しました。

(5)タラノキのつぼみ
タラノキも花茎を伸ばしていました。そろそろウド、ハリギリ、タラノキのウコギ科御三家が咲く準備を整えています。

(6)エゾニワトコの実
今さらですが、ニワトコの真っ赤な実。二週間くらい前から、道路脇などでも普通に色づいていました。

前にヒグマと出会ってしまったポイントは、無事に何事もなく通過できました。そこから坂を上っていって森のさらに奥地へ。イチヤクソウなどが生えている地帯へ向かうのは6/21以来のようです。

(7)イケマの花
途中で見つけた、たくさんの花を咲かせているイケマ。和菓子のおまんじゅうのような白い集合花が可愛らしい、お気に入りの花です。

つぼみもまだたくさんあったので咲き始めのようです。つぼみは完全な球形なのもまた可愛い。

(8)ミヤマニガウリ
久しぶりに見た気がするミヤマニガウリの葉。花は見つかりませんでした。

このあたりでウシアブに指を刺されてしまいました。手袋はしていましたがメッシュのところを狙われました。指に鋭い傷みが走ったので、見ると大きなウシアブが止まっていて、慌てて振り払いました。

刺された場所を吸って毒を吸い出すようにしてみましたが、後で調べたら、吸血するだけで毒はないようです。すぐ反応したのがよかったのか、刺された跡はほとんど残りませんでした。

ウシアブは夏の暑い時期に車に体当たりしてくるなど、しばしば見かけるアブですが、血を吸われたのは初めてだったので驚きました。

それよりも、毒を吸い出すために、一瞬、顔網を少しめくったら、その隙に小さな虫に網の内側に進入されたりして大変でした。この時期は虫との戦いが熾烈を極めます。

さて、それからさらに登って、頂上にたどり着きましたが、幸いにもヒグマの気配や痕跡はありませんでした。

(9)イチヤクソウ
さすがにベニバナイチヤクソウは跡形もなくなっていましたが、仕方ありません。無印イチヤクソウは幾つか無事で、もう花が終わって、実をつけていました。

果実よりも長い萼と、果実から伸びる曲がった花柱。無印イチヤクソウの特徴。

まだ咲いている花も少ないながらありました。無印イチヤクソウに関しては、7/12に別の群生地を発見できたので、今後は観察に困らなさそうです。

(10)ウメガサソウ
ウメガサソウは、今年は花を見るまでもなく、もう実になってしまっていました。去年は7/11の時点でまだ花が咲いていたのに意外です。

ウメガサソウは下を向いて咲き、果実が熟すとともに上向きになるのが特徴。まだ下向きだったので、花が散ってすぐだということはわかります。

(11)クモキリソウ
その知覚に、花期がそろそろ終わりつつあるクモキリソウもありました。エゾスズランと共に大量に咲くイメージがあるのに、今年はこれが初目撃。エゾスズランに至っては、つぼみは見ましたが、花は見ずに終わりそう。

帰り道は、ぐるりと周って、来たのと同じ道に合流して帰ることにしました。途中、ヒグマがよく行き来してそうなコクワの木の地帯を通りましたが、まだ実がなっている時期ではないからか、痕跡は見当たりませんでした。

しかし、来た時に見たヒグマのフンを過ぎたあたりで、動物の足跡がたくさんあるのが気になりました。足跡そのものは来た時にもあったのですが、反対方向から歩いてくると、方向が合っているのか、とてもリアルに見えました。

そして、遊歩道脇の谷底へと、何かが草むらをなぎ倒して降りていった獣道があることにも気づきました。体の大きさと足跡からエゾシカだと思いましたが、エゾシカとは断定しきれない足跡があるのも気づいていました。

さらに進むと、なんと2つ目のフンが道端にあるのに気づきました。しかも数え切れない無数のハエがたかっているところでした。これは相当新しいのでは?

もう一つのより小さく、道のやや端寄りに落ちていたため、来た時には気づかなかったのでしょうか。その可能性も十分あります。でも、このハエのたかりようからすると、ついさっき、ヒグマがここにいたのでは?

妙にリアルに見えた足跡、谷底に下っていった獣道、そしてこの新しいフンの意味するところは?

正直ぞっとしました。またヒグマとニアミスしてしまったのかもしれません。ホラーゲームで振り返ったら、さっきまでなかったはずの血痕がそこにあるみたいなイメージ。

やっぱり来た時に比較的新しいヒグマの大きなフンを見つけた時点で引き返すべきだったかもしれません。次回からは賢明な判断をしたいです。

今日はとりあえずそのまま帰るしかなかったので、慎重に周囲を警戒しながら出口へ向かいました。

(12)ミヤマザクラの実
途中でミヤマザクラの実が赤く色づいているのを見つけたので撮りました。調べてみると、去年も7/11にここでミヤマザクラの赤い実を撮っていました。

(13)謎の葉
森の入り口付近にたくさん生えていた謎の葉。細長い特徴的な形に思えたので撮ってみました。いったい何だろう? 場所からして何かの木の苗か、外来種の雑草かもしれません。

思えば去年も7月中旬にこの近くでヒグマが目撃され、その後8月末まで立入禁止になってしまったのでした。もしかするとこの時期はヒグマが降りてきやすかったりするのでしょうか。気をつけたいです。

(追記 : そして4日後にこの付近でヒグマが目撃され、通行止めになってしまいました。残念ですが、それより前に森歩きできてタマゴタケを採れたこと、そして無事に戻ってこられたことを喜びたいと思います)

今日のキノコ。今季初タマゴタケ、そして初めて見たアカヤマドリ

今日見かけたキノコ色々。そろそろタマゴタケが出ている頃では? と少し期待していましたが、まさか本当にあるとは。

(1)クリイロムクエタケ
6/28以来のクリイロムクエタケ。同じような場所に点々と生えていました。おもに夏場に生えるキノコだったのですね。

今のところ、クリイロムクエタケの見分けは、この特徴的な傘に頼っています。ほぼこげ茶色で、ふちだけ色が薄くなっています。傘だけで見分けられるキノコはむしろ珍しい。

老菌なので傘がほぼ平らに開いていましたが、ネット上の資料では最初は円錐形のようです。円錐形の状態で発見したら、コガサタケなど別のキノコと判断してしまいそうです。もしかしたら過去の写真で間違っていたのがあるかも。

ヒダはクリーム色、密、上生。柄は傘と同じ茶褐色で中空。

…と見立てたのですが、図鑑や各サイトによると、この密度のヒダは、やや疎~やや密、つまり普通扱いのようでした。確かに隙間があるので、やや密とはみなせるけれど、やや疎とは思えないです。

また、資料によって、直生~垂生、直生~上生と2通りの記述があるのが謎。今回見たのは上生には当てはまりますが、どう見ても垂生ではありません。平らに開く前に見つけたら、垂生の時期もあるのでしょうか。よくわからない。

(2)アマタケ
林内の草地に生えていたキノコ。柄が長く白っぽいことから、アマタケかな?と直感しました。モリノカレバタケの仲間の落ち葉を分解するキノコで、柄に微毛が生えているのが特徴だったと記憶していました。

全体に肌色っぽい薄い褐色で、傘は内側にカールしています。ヒダは傘より薄い白色で、幅狭く密、垂生。柄は中空でした。ヒダの幅の狭さというか層の薄さはモリノカレバタケの仲間らしい点。

いずれの特徴もアマタケと合致しているので間違いないでしょう。モリノカレバタケのヒダは離生なのに対し、アマタケのヒダは直生~垂生なのもひとつの特徴ですね。(一部の資料によれば、アマタケも離生することがあるとされていましたが)

また、アマタケのヒダはどの図鑑でも密とされていました。でも、この下の写真のヒダが密で、さっきのクリイロムクエタケのヒダがやや疎と言われても、納得いきません…。

傘はもう少し開くと、ふちのカールはなくなって山型になり、やがて平らに開くそうです。

そして、最大の特徴である柄の微毛は、ルーペで拡大すれば、きちんと観察できました。

アマタケは食用になるキノコだそうで、名前のとおり少し甘みがあるそうです。モリノカレバタケと同様、食べれるというだけで特においしくはないそうなので、なかなか試そうという気になれません。

でも、間違いなく同定できているし、傘が開ききっていない若いアマタケだったので、採ってもよかったかな、とも思いました。そのうち、いつか、もっと顔なじみになってからなら、試してもいいも。

(3)タマゴタケ
そろそろタマゴタケが出ているかもな、とは思っていたものの、まだ若干早い気もしていました。ところが、いつもタマゴタケを採っている場所にすでに4本も生えていたので嬉しい驚き。

10分くらい前にヒグマのフンを見た後だったので、ちょっと怖くなっていましたが、斜面に登って、ほんの少し草やぶをかきわけるだけで採れそうだったので、4本中3本採りました。残りの1本はやや傘の傷みが強いので残しておきました。

それから、森の一番奥に登る坂道で、初夏にズダヤクシュが群生していたあたり、イケマの花が咲いていた場所の近くでも、道端にタマゴタケが一本生えていたので、それも採りました。

いずれのタマゴタケも大きさは、およそ5cmくらいでした。普通のキノコと比べれば大きめですが、タマゴタケとしては小型です。でも傘は平らに開いているので、これ以上大きくはならず、時期的に小型なのかもしれません。

柄の下のほうには大きな虫が入り込んでいたので、途中から折り取りました。

どれも、傘の赤みと条線、柄、ヒダ、ツバの薄い黄色を確認できたのでタマゴタケで間違いありません。

後で焼きうどんに入れて食べました。量が少なくて、ほとんどどこに入っているのかわからなくなりましたが、時々トゥルトゥルのタマゴタケの傘の食感が楽しめて美味しかったです。

(4)ニカワジョウゴタケ
ウメガサソウとイチヤクソウのあたりに無数に生え始めていたニカワジョウゴタケ。毎年たくさん見る顔なじみ。でも、生えはじめの、まだヘラ型になっていない状態は少し珍しいかも。

これもキクラゲの仲間なので食べられるキノコですが、まだ食べたことはなく。きれいなヘラ型になっているのを見つけたら今年は食べてみようかなぁ…。

(5)カレバハツ? キチャハツ?
ニカワジョウゴタケの近くに一本だけ生えていたキノコ。白系統のベニタケ科と思われる見た目です。

傘は薄い赤茶色。中央部は濃い色。よくよく見ると、ふちに薄い条線があります。大きさは3cm。

横から見ると、傘全体に薄い色がついていることがわかります。柄の白さと対照的。柄はやや長く4~5cmくらいで、下部が太くなっています。

裏側を見ると、柄もヒダも真っ白ではなく、やや薄い褐色が入っているのがわかりました。ヒダの拡大写真も撮ってみたのですが、特に乳液が出ているようには見えませんでした。

ヒダの密度は普通、直生。柄は縦に裂けにくく、内部は髄状。

さて、このキノコは何だろう? 白系統のベニタケ科で調べたところ、特徴が最も当てはまるのはカレバハツでした。しかし、手持ちの北海道のキノコ図鑑2種には出ておらず、道北にはないシイやカシの林に生えるとのこと。

他に色合いが似ているといえばキチャハツですが、明確な条線(粒状線)があるという点が当てはまりません。カレバハツはかなり薄い目立たない条線があるようなので、今回のキノコは、やはりそちらの方に近く感じます。

(6)アカヤマドリ
これもその近くにて、遠くから見つけてとても驚いたキノコ。トドマツの根元に生えていましたが、遠目にもわかる巨大な柄から、ヤマドリタケモドキことポルチーニでは?と色めき立ちました。

傘が凹んでいるのは、ちょうどそこに枯れ枝が挟まっていたからです。軽い枝ごときで変形してしまうなんて、幼菌の時はとても柔らかいのですね。これはもう間違いなくポルチーニだと思ったのですが…、

傘をちょっと引っ張たら、ポロッと落ちてしまい、柄だけになってしまいました。想像よりはるかにもろい。そしてポルチーニなら柄に網目模様があるはずですが、どこにも見当たりません。

ルーペで拡大もしてみましたが、網目模様はありません。コガネヤマドリやヤマドリタケのように傘との境目や上半分だけ網目模様があるといったこともありません。網目模様のないヤマドリタケは…毒?

ポロッと取れてしまった傘の様子。裏側の管孔はまだ開いておらず、幼菌に近いことがわかります。でも柄との接合部から虫食い穴がたくさん入っているので、中がきれいかどうかは微妙。

傘の表面はオレンジ色で、よく見ると脳のような凸凹があります。これはもしかすると、写真でだけ見たことがあったアカヤマドリでは?確かアカヤマドリも網目模様がなかったはず…。

詳しく調べてみたくなったので、柄も地面から抜き取ってみました。しっかり土に埋もれていて、もぎとるのは硬い感触でした。落ちてしまった傘をくっつけて、手に持ってみました。

キノコというより果物みたいな大きさと形。傘は5~6cmくらい、柄は直径5cmのボールのよう。もはや傘と区別がつかないほどの太さ。なんて不思議な形なのでしょう。

虫食いが気になったものの、幼菌だから食べられるかも?と思って持って帰ってみましたが、残念ながら内部はひどいありさまでした。キノコというより腐った果物にしか見えません。

切ったことで変色性も確認できました。傘の断面は、ほとんどが白い肉で、管孔の層は非常に薄いことがわかりました。

管孔面は肉よりもわずかに黄色みを帯びています。まだ幼菌に近いからか、管孔はルーペでも見えません。

管孔の一部、虫食いのある場所が青みを帯びていたので、これは変色性がある?と思ったのですが、切っても色は変わりませんでした。もし管孔や肉が青く変色するようならドクヤマドリです。

柄の断面は、白と褐色のまだら模様で、霜降り肉のようでした。これも虫食いだらけでしたが、青色への変色性はありませんでした。

変色性がおそらくないことからして、おそらくアカヤマドリで正しそうです。幼菌の傘が柄から外れやすいこともアカヤマドリの特徴とのこと。断面の絵を載せてくださっているサイトがありましたが、配色も合っています。

ただ、時期は本来8月末と書かれていたので、今の時期に発生しているのは不思議。ズナラ、コナラ林に生えるとされるのに、トドマツの根元に生えていたのも謎ですが、近くに広葉樹も生えているのは確認しています。

アカヤマドリは一度食べてみたいなぁと前から思っていたのですが、初めて実物を発見できたのは大きな一歩。しかし、たくさん発生するミズナラ林が近所にないので、次に見つけられるのはいつになることやら。

(7)テングタケ科?
アカヤマドリのすぐ近くに生えていた、傷みかけのキノコ。傘は黄土色で、表面にテングタケやベニテングタケのような、白い破片がついているのが特徴。しかし、傘の縁はひび割れているのみで、条線はありません。

手と比較した大きさは意外と小さく、傘は2~3cm、柄は5cm程度。

横から見た姿。ヒダは傘と同じ黄土色で、柄はもっと薄いクリーム色。柄の下のほうにツバがあります。テングタケの仲間らしい雰囲気ものの、ツバのついている位置が低いのが気になります。

裏返して見たところ。ヒダは古くなっていて判断づらいですが、やや密か。柄がくにゃっとなっていることから中空らしきことがわかります。

傷んでいたので、手で触るたびにボロボロになってしまって、断面を確認するのは困難でした。かろうじて分かるところではヒダは直生かもしれません。

これだけ特徴的なら、すぐ分かりそうなものですが、図鑑のテングタケ科のあたりを見ても特定できませんでした。

クロコタマゴテングタケがやや近く、ヒダは白→帯黄色に変色するようですが、ここまで黄色くはならないようです。またツバの位置やヒダのつき方も違うように見えます。

黄色系のテングタケは他にコガネテングタケ、ウスキテングタケ、ヒメコガネツルタケなどもあるようですが、いずれもヒダまで黄色なわけではないので違うようです。

(8)シュイロハツ?
これもすぐそばに生えていたキノコ。いつものベニタケ科の赤いキノコです。

傘は真っ赤ですが、ヒダのふちに傘の色が回り込んでいないので、ヤブレベニタケは除外できます。

すぐ近くにあった幼菌と思われるもの。まんじゅう型。

裏返すと、ヒダは白ではなくクリーム色、密。この角度からだと柄は白に見えますが…、

断面図。ヒダも柄も白ではなく、やや薄汚れた同じ色に見えます。ヒダは上生。柄の内部は中実。

ヒダも柄も黄色っぽいのなら、ニシキタケか?と思いますが、ニシキタケなら傘の色も黄色みを帯びるはずです。それにニシキタケにしては、ヒダや柄の黄色っぽさも足りない気がします。

断面の写真以外では、ヒダのほうが柄より黄色みが強く見えるので、前に公園で観察したのと同じシュイロハツかもしれません。

今日採ってきたキノコと山菜。アカヤマドリ、タマゴタケ、ミツバ、アオミズ。前述のとおり、アカヤマドリは内部が虫食いだらけで食べられませんでした。タマゴタケは焼きうどん、ミツバとアオミズは卵とじにして美味しかったです。

2022/07/17日

ニンニクの皮むき。エゾノウワミズザクラの実

朝早くから忙しい日でした。早起きせざるをえない日は、この世のすべてを呪いたくなるほど機嫌が悪いです。周りで起こっていることを何でもかんでもネガティブに受け止めがち。

道民の日だったので、博物館など公共施設が無料だったので、ちょっと立ち寄ってみましたが、余計に疲れただけだったかも。

途中で見かけたエゾノウワミズザクラの実。シウリザクラより少し早く咲くので、実も色づいていました。シウリザクラ同様、もう実がほとんど残っていませんでした。果柄からしてないということは、そもそも稔るのが少ない?

午後からはひたすらニンニクの皮むき。今年は雨が多くて、まだしっかり乾いていなかったので、初めのうちは剥きにくかったですが、次第に慣れて手早くなりました。下から4段目の葉のところから縦に剥くのがコツ。

ニンニクの赤い色が透けて見える程度に皮を剥いて、真珠のような光沢が出たら、三つ編みにまとめていきます。まだまだ大量に残っていて始まったばかり。

2022/07/19火

初めて見たカゲロウの卵。またクワの実を採る

昨日は連日の疲れを癒やすためにゆっくりしていました。今日はまた農作業で、アスパラ畑に猫車で土を運びました。普段あまり使わない上半身の筋肉をかなり使ったので、ニンニク掘りの時よりも筋肉痛がひどそうです。

(1)ハタザオキキョウ
道中で咲いていた紫色の花。今の時期ならハタザオキキョウかな?と思ったらやっぱりそうでした。大正時代に入ってきた歴史の古い外来種です。ほかに紫色の花といえばクサフジも咲いています。

ホタルブクロの仲間で、うつむき加減にたくさんつく釣り鐘状の花が豪華です。鑑賞用の園芸植物として入ってきて野生化してしまったのでしょう。

遠目には同時期に咲くツリガネニンジンとも似て見えますが、葉は輪生ではなく互生です。7/11にツリガネニンジンを探しに近所の公園に行った時、互生でイラクサっぽいシワのある謎の植物がありましたが、ハタザオキキョウだった可能性がありそうです。

(2)カゲロウの卵
農作業をしている時に見つけた、トマトにくっついている謎の白い毛のようなもの。コケの朔にも似ていますし、菌類のようにも見えました。しかし、正体を教えてもらって驚きましたが、なんとカゲロウの卵なのだそうです。

よもや昆虫の痕跡だとは思いませんでした。この糸のような柄は何のためにあるのだろう? かつても植物と誤認されていて、優曇華の花だと思われていたとか。

(3)サルナシの実
畑仕事が終わってから、クワの実を再度採りに森に行きました。幸いにも気温は涼しく、虫対策のために上着を着たままでも快適でした。

とても採りやすそうにところに実っていたサルナシの実。触ってみるとまだ硬く、熟すのは秋です。ジャムにするほどの量はなさそうですが、味見くらいはできるかもしれません。

(4)ヤマグワの実
13日よりもたくさん採れたクワの実。手袋をして採ると潰れたり落としたりしがちなので、指先は素手で採りました。涼しかったので虫が少ないのが良かったです。

まだまだ採れそうでしたが、ハチの巣が近くにあるのか威嚇されたので引き上げてきました。今回もジャムにしたいと思います。まだ赤い実もたくさんあったので、来週も採れるかもしれません。

2022/07/20水

ミツバやタニタデが咲き始めた森

とても涼しい日で、最高気温が22℃くらいと快適でした。曇っていましたが、降水確率も低かったので、森歩きに出かけました。

できれば2つの森をはしごして両方まわりたかったのですが、昨日の労働の筋肉痛の疲れ、思ったより暑く汗ばんだこと、そしてにわか雨が降ってきたことにより、片方だけしか行けず、夕方はヤナギラン採りに向かうことにしました。

(1)ミツバの花
森の入り口でミツバの若葉がまた生えてきていたので、ミツバ摘みをしました。よく見ると、花が咲いているのも確認できました。豪華な花をつける大型セリ科が多い中で、ミツバゼリの花の小さく奥ゆかしいことといったら!

手と比べるとこんなに小さいです。1mm~2mmしかなく、極端に小さいです。

しかしルーペで拡大してみると、セリの仲間らしい五弁花で、マルバトウキのように白地にピンクの差し色が入っていて、可憐さを感じます。

(3)タニタデの花
森の中を歩きながら、倒木地帯に差し掛かって、そろそろ咲いていそうだな、と思って地面を探していたら、やっぱりあったタニタデの花。毎年同じ場所に群生しているので、背の低い十字対生の葉で見分けられます。

過去の日記を見ると、例年は8月に入ってら発見していて、8月下旬でもまだ咲いているようです。今年は探すのが早かったので、珍しくつぼみばかりで、まだ花茎を出していない葉も少なからずありました。

水玉のように見える鉤爪に覆われたボールは子房ですが、花が咲く前につぼみの時点からずっとこの見た目なのだとわかりました。

まだ少ないものの、咲き初めている花も。クリオネのような姿でお気に入りなので、毎年撮っています。

森の奥まで行くと、そこはキノコの楽園と化していました。次から次に見つかる謎の大型キノコに圧倒されます。ヒグマがいそうな場所なので警戒しなければならないので、どんどん見つかるという悩ましさ。

そもそもアイヌの伝承だとクマが歩いたところに振動でキノコが生えるらしいので、そういうところにキノコが多いのは仕方のないことなのかもしれません。

そのあたりの木に止まっていたクロヒカゲ。黒っぽいチョウがよく飛んでいますが、だいたいはクロヒカゲなのかもしれません。

周囲に気を配りつつ、キノコを観察していると、雨が降ってきたので、引き返してきました。探せばまだまだ見つかったかもしれませんが、後で調べるのも大変になるので、これくらいが限度です。

(4)シナノキの花
夕方、ヤナギランを摘みに行くついでに立ち寄った公園で咲いていたシナノキ。運転していると、苞が目立つ満開のシナノキやオオバボダイジュの木を頻繁に見かけますが、手の届く位置でゆっくり観察できるのは公園ならでは。

顔を近づけてみると、噂のとおり、甘い香りがしました。これだけ香りが強いなら、セイヨウシナノキのように、普通にハーブのリンデンとして利用できそうなものですが、使用例がないのはなぜなのだろう…?

(5)イヌエンジュの花
イヌエンジュの花も咲き始めているのはドライブ中に何度も見かけて知っていましたが、ようやく近くで観察できました。運転中に見ると、白い穂をたくさんつけた白いブラシの木のような印象を受けます。

ヤナギランの群生地に行ってみると、ほとんどの場所で満開を迎えていて、最も遅く花が咲く最大の群生地でも、花がちらほらと咲き始めていました。

今回も30本採りましたが、採りながらいつもより茎が長い気がしていました。後で葉を選別しましたが、あまりの多さに疲れ果てました。あれから成長して葉が増えていたのですね。2倍近くあったかと思います。

ヤナギランを採る時は、時期によって本数を変えるべきだと学びました。6月の初期のころはまだ丈が低く葉が少ないので30本、花が咲いた7月末には15~20本くらいがよさそうです。

今日のキノコ。カバイロツルタケ、コウモリタケ、ニガイグチ、ヒロヒダタケ等

まだ7月なのに、雨のおかげかキノコが大量発生。これだけ出るのなら頻繁に見に来たいところだけど、畑仕事の忙しさと、森に入るにはまだ暑い日の多さで見逃してしまうのが残念。

(1)カワラタケ
倒木に生えていた普通のカワラタケ。黒い傘に白い縁のカラーリングは、画像検索してみると、かなりオーソドックスな種類のようです。去年の10月に公園の切り株に生えていたのもこのタイプでした。

まだ若い菌のようで、ペリッと気持ちよく剥がせます。

裏側はとてもきれいな目の細かい管孔でした。これだけはっきりカワラタケだと分かり、状態も良いものなので、採取して健康茶にしてみるのもありかもしれません。

(2)イタチタケ
今日もまた森のあちこちに生えていたイタチタケ。倒木から生えているものもあれば、地面から生えているものもありました。でも傘を見れば、なんとなくイタチタケだとわかるようになってきました。

傘がまだ開ききっていないのも発見。いずれの場合も、傘色が薄い黄土色(イタチの毛皮の色?)で、ふちが白く、白い破片がくっついているといった特徴は同じなので、見分けがつきます。

成菌の傘の大きさは3cmくらい。裏返してみると、赤みを帯びた褐色のヒダが、整然と密に並んでいて、イタチタケらしさを感じます。白い光沢のある細い柄とのコントラストも特徴的。

幼菌の傘は1.5cmくらい。やはりコントラストが特徴的で、白い柄が目立ちます。

ヒダは直生。まだ胞子が少ないのか、ヒダの色は成菌ほど褐色ではなく、ほんのりと赤みを帯びた肌色でした。

(3)ムジナタケ
地面からぽつんと一本だけ生えていたキノコ。遠目にはきつね色に見え、直立した、がっしりとしているキノコだったので、オオキツネタケかな?と思いました。

ところが、しゃがみ込んでよく見ると、毛深い傘だと気づきました。これはムジナタケでは? 同じ動物名でも、キツネではなくタヌキ(アナグマ?)だった…。

キノコにしては毛深すぎる、非常に動物の毛皮っぽい傘の表面は、美しさすら感じます。

ヒダは茶色で密。去年の10/11に撮った公園のムジナタケのヒダと酷似しています。

傘は3cm、柄は7cmくらい。柄の上部は白いささくれがあり、中程から下は茶褐色で、下部はダンダラ模様のささくれがあります。黒っぽいゴミのようなものは、ツバの名残で、胞子がついて黒くなったものだそうです。

ヒダは直生~上生。

柄は縦に割いてみると中空っぽく見えますが、輪切りにしてみると中実でした。図鑑には中空とも中実とも記載はなく、ネット上でも時々、中空としているサイトがあるくらいなので、個体差があるのかもしれません。

(4)ニガイグチの仲間?
森の奥のほうの、キノコが大量に発生するトドマツと広葉樹の混生地帯に生えていた謎のイグチの残骸。去年の9/19にも、ここで謎の巨大イグチの残骸を見ていて、やはり肉が白かったのを思い出しました。

傘と柄はどちらもこげ茶色。管孔は白く、部分的に茶色っぽく変色しています。試しに割いてみましたが、肉は白っぽい肌色でした。

つまり傘と柄は黒っぽく、管孔と肉は白っぽいイグチということになります。去年は柄にびっしり網目模様があったので、ススケヤマドリタケだろうか?と考えました。

しかし、今日は少し離れた場所に似たキノコが出ていて、ニガイグチの仲間だということがわかりました。この残骸も同じニガイグチの可能性が高いのではないかと思います。(10)を参照。

(5)カバイロツルタケ
同じくトドマツと広葉樹の混生地帯に一本だけ生えていた見栄えのよいキノコ。明らかにテングタケ科だとわかる見た目でしたが、傘の色が黄土色なのが珍しく感じました。

傘の大きさは6~7cm程度。テングタケ科らしく平らに開き、ふちに明瞭な条線(溝線?)があります。

横から見ると、ツバはないので、ツルタケの仲間だろうか、と推測できます。ツルタケはテングタケ科の中でもツルの首のように滑らかです。

柄は、よく見ると傘と同じ色のささくれがあり、薄くダンダラ模様になっていました。

そして、根元を掘り起こしてみたら、案の定ツボがありました。タマゴタケのような大きなツボではなく、小さな袋でした。

ツボごと掘り起こしてみたら、傘と同じく黄土色がかっていました。柄の長さは傘の2倍くらいなので、13cm程度です。

傘の裏側は、テングタケ科らしく整然とした白いヒダで、やや密。この角度から見ると、柄はあまり白っぽくなく、傘と同じ黄土色だと気づきました。

ヒダの付き方は離生で、いずれもテングタケ科らしい特徴です。

柄し中空ですが、タマゴタケと同じく、中に綿のような構造があり、やや髄状ともいえました。

これらの特徴に当てはまるテングタケ科は、カバイロツルタケでした。(図鑑に載っている範囲では)他に似ているキノコは特にないので確実でしょう。傘、柄ともに、最大サイズに近く、立派なカバイロツルタケでした。

一応、可食とはされていますが、諸説ありますし、未知の種も多いらしいので、手を出さないのが賢明です。タマゴタケくらい信頼と実績がなければ、テングタケ科は食べられません。

(6)ヒメスギタケ? ダイダイガサ?
これもその近くに生えていたものですが、地面ではなく落枝から生えていたキノコ。

傘は鮮やかなオレンジ色で、2cmくらい。傘のふちにイタチタケのような皮膜の破片が残っていますが、それもオレンジ色を帯びています。

傘の表面を拡大してみると、一面が細かい毛のような鱗片に覆われていました。

生えていた枝をひっくり返してみたところ。ヒダは白っぽく、密でも疎でもない感じ。

カキシメジ、エノキタケ、アシナガタケのように、ヒダに染みがあるように見えますが、染みではなくヒダが破れているだけにも見えます。倍率が足りなくてよくわかりません。

柄はオレンジ色で、やはり濃いオレンジ色のツバの痕跡が残っています。このツバの名残が傘のふちにも残っていたのでしょう。

断面をみると、ヒダの付き方は上生、柄は中実でした。

手の大きさとの比較。かなり小型のキノコです。

これだけ特徴があっても、わからない時はわからないのがキノコの世界。とりあえずGoogle Lensに頼って調べてみたら、複数の候補が見つかりました。

まずダイダイガサ。見た目も生える状況も、とてもよく似ていると思ったのですが、手持ちしの図鑑2種には載っていませんでした。調べてみると南方系のキノコらしく、北海道には分布していないそうです。

続いてシワカラカサタケ。去年10/3にそれっぽいのを見かけています。しかしシワカラカサタケやその仲間は地面から生えるようなので違うでしょう。

そして、モエギタケ科スギタケの仲間。傘の鱗片はチャナメツムタケなどスギタケ属の鱗片の形に似ているようにも思います。

そのうち、似ているのはまずヒメスギタケ。夏~秋に広葉樹の腐朽木に生えるとあるので状況は一致。しかし、画像検索で見る限り、傘の鱗片がもっと鋭く、ヒダの色も濃いようでした。

ハナガサタケも、もっと鱗片が鋭く、柄が太い、柄の鱗片も多いようです。図鑑によれば、これくらいのサイズもありうるようでしたが、そんなに似ていないような…。

ということで、結局のところ正体不明。ダイダイガサが一番似ていると思ったのですが、北海道に分布していないということなので、次点でヒメスギタケかな?としておきますが、たぶん違うでしょう。

(7)コウモリタケ
その近くの地面に生えていたマイタケっぽいキノコ。こういう形のキノコはめったに見ないので、もしかして食べられるキノコでは?と思いました。しかし、普通は木から生えるはずなので、地面から生えていることに違和感。

色は黄色。ふちは激しく波打っています。

多数が塊になっていますが、ひとつの傘の大きさは2~3cmくらい、全体の大きさは10cmくらいです。

表面は細かい鱗片で覆われ、シワが寄っています。

手で触ってみると、硬くはないものの意外と弾力性がなく、パキッと折れました。裏側は、白い管孔でした。

図鑑を調べてみると、木の根元ではない地面から生えるマイタケっぽいキノコには、コウモリタケやチョレイマイタケがあるそうです。チョレイマイタケなら可食でしたが、黄色っぽい色からしてコウモリタケでした。

コウモリタケはミズナラ林や針葉樹林に生えるとのことで状況は一致。発生時期は8~9月とされるのでやや早いのが気になりますが、特徴は合っています。辛くて美味しくないらしいのが残念です。

近縁種に柑橘類の捨てられた皮のような見た目のザボンタケがありますが、マイタケ型ではないとのことなので、違うと思います。

それにしても、なぜコウモリの名がつけられているのか。科もニンギョウタケモドキ科と意味不明な名前なので、謎多きキノコでした。

(8)シロオニタケの仲間(ハイイロオニタケと判明)
そのあたりのトドマツの幹の根元に出でいたテングタケ科幼菌。去年も見つけたイボテングタケやベニテングタケの幼菌かと思ったのですが、柄が伸びてきてなお、傘が茶色や赤になっていないことからすると違うようです。

ぜんぶで3本が固まって生えていました。どれも全体が白く、鈍い光沢のあるトゲで傘が覆われています。

トゲとトゲの間隔が開いてきても、傘が白いということは、もともと傘の地色が白だということを意味しているといえます。しかしトゲそのものは白くなく、鈍色を帯びているようです。

根元をみると、テングタケ科のよく見られるツボはなく、柄そのものが球根のように膨らんでいるのがわかります。傘によく似ていて、トゲに似た幾重ものささくれで覆われていました。

柄にもリング状のささくれがあり、根元はかなり大きく膨らんでいるようです。

傘の大きさはまだ小さく、2~3cm程度です。

調べてみたら、オニタケと呼ばれるタイプのテングタケの仲間だそうです。確かに白い地にこの大量のトゲは鬼の名がふさわしいでしょう。

傘の色からして、無印オニタケではなさそうで、シロオニタケやその仲間と思われます。ただ、シロオニタケ系にしては、イボの色が濃いような気もします。シロオニタケ系は広葉樹の林地に出るというのも、少し引っかかります。

もう少し成長しないことには細かい種類まで同定はできなさそうです。

(追記 : 7/24にハイイロオニタケと判明)

(9)ヒロヒダタケ?
もう少し進んで、広葉樹が多くなってきたあたりに出ていた大きなキノコ。

傘の大きさは10cmを超える大型。ミズナラなどの枯れ葉と同じ色で、保護色のようになっていました。

傘はほぼ平らに開き、放射状のかすれた繊維紋が入っていました。

抜いてみると、滑らかな白く太い柄。ツバはなく、柄の表面には繊維が縦に走っています。そして、非常に疎で間隔の空いた大きなヒダが目につきました。この特徴から、写真だけ見たことがあったヒロヒダタケでは?と考えました。

ヒダの付き方は上生や湾生。ヒダは古くなって褐色に変色しているようですが、もともとは白いらしいことがうかがえます。柄は中空。

すぐそばに、まだ傘が開ききっていない個体もありました。落枝から生えているのか、枝の下の地面から生えているのかは、よくわかりませんでした。

傘は開ききっていないので、さっきより小さいですが、それでも8~9cmくらいある大型。

傘の裏側や柄の特徴は先程と同じ。やはり、やたらと幅が広く、疎なヒダが目立ちます。

柄に縦の繊維が走っていることから分かるように、縦に裂けやすく、内部は空洞、ヒダは上生で、一部、湾生らしきのもあります。

図鑑やネットで調べてみましたが、やはりヒロヒダタケで正しそうです。ヒロヒダタケは広葉樹の腐朽木やその周囲に発生とあったので、枝と地面の両方から生えているように見えたこととも一致しています。

とても特徴的なキノコとして名前だけは知って覚えていたので、実物を見ることができ、嬉しかったです。サイズ感までは記憶していなかったので、まさかこんなに大型だとは思いませんでした。

(10)オオクロニガイグチ?
トドマツ林に隣接するミズナラなどの広葉樹林。そこと遊歩道の境目のあたりにたくさん巨大な黒い傘のキノコが見えました。

2年前のドクツルタケを見つけたあたりです。ドクツルタケは主に広葉樹林、時々、トドマツ林などに出るとされます。(9)のヒロヒダタケも広葉樹林生なので、ほぼ広葉樹林とみなして良い場所なのかもしれません。

そのキノコはふかふかしたマット仕上げの傘と太い柄を持っていたので、すぐにヤマドリタケ系のイグチではないか?と直感しました。しかもかなり新鮮そう。

早速手にとってみると、がっしりした立派なキノコ。管孔は白く、まだ虫が入っていないように見えます。しかも柄には網目模様があるではありませんか! これはポルチーニの仲間、もしかするとススケヤマドリタケでは?

さらに見回すと、その周辺にも同じ大型キノコがたくさん出ていて、傘が開いているのもありました。それでもまだ若く新しいように見え、傘はとてもきれいです。傘のサイズは10~15cmくらいあり、極めて大型です。

横から見た姿。管孔がまだ膨れ上がっておらず、この大きさでも、いかにも食べることができそうな美味しそうな見た目です。柄が細く見えますが、傘がやたらと大きいので、相対的に細く見えるだけです。

幼菌を手に持ってみるとこんな感じ。この時点で傘は5cmほどあります。もしポルチーニだとしたら、大収穫です。

しかし、引っかかる点もありました。柄の網目模様が上半分にしかないということです。下のほうもルーペで写真を撮ってみましたが、薄い網目模様があるということもなく、滑らかです。

去年調べたところによれば、網目模様が上部にしかないのは、コガネヤマドリか無印ヤマドリタケだったはず。これは全体の色合いからして、どちらとも違うように見えます。

この時点では、まだ食用イグチだと思っていたので、たくさん採って帰る気でいました。もうひとつ幼菌があったので抜いてみましたが、柄を見て困惑しました。なぜか網目模様がありません。

柄と傘の付け根をルーペで観察してみると、ごくわずかに網目模様があることはわかりました。しかしすぐに消えてしまっていて、柄全体や柄の上部が網目模様に覆われるという定義に当てはまりません。

さらに、傘が10cmくらいに開いたものも、ひとつひっくり返してみました。管孔は一見きれいですが、よくよく見ると無数の穴が開いていて、小さな虫がたくさん入っていそうでした。

また、成長すると共に管孔と柄の間に、陥没した大きな隙間ができて、管孔が柄に離生するという特徴があることがわかりました。

そして、こちらも同じく柄に網目模様がありません。ルーペで拡大すると、やはりほんのわずかな網目模様がありましたが、それだけです。

去年、大型イグチの同定に困ったのを思い出して嫌な予感がします。持って帰るのはいいけれど、食べられるキノコかどうか同定するのに手こずるのでは?

ここは自動車でも近くまで来れる場所なので、採りにくるのは正体を調べてからでも遅くありません。幼菌2本と、少し開いた1本だけを採取するにとどめて、様子を見ることにしました。

少し傘が開いている1本は、虫が入っている可能性があったので、これを解体して変色性を確認してみることにしました。

とりあえず傘を半分に割いたところ、中は思ったよりきれいでした。肉は白で、管孔は薄いピンクです。割く前は、管孔も白だと思っていたので、ピンク色がかっていたのは意外でした。

そのまま家に持って帰りましたが、半分に割いた部分の変色性はまったくありませんでした。青く変色しなかったことから、少なくともドクヤマドリでないことは分かってホッとしました。

それから図鑑で色々調べてみましたが、今ひとつ正体が分かりません。広義のヤマドリタケモドキやススケヤマドリタケの写真によく似ていると何度も思いましたが、柄の全面に網目がないという特徴だけが引っかかり続けました。

そして、調べるうちに、ニガイグチの仲間とも似ていることがわかりました。どうやったら見分けられるだろう、と悩んだ末、思いついたことが一つ。

そういえばネット上のイグチを観察している人たちは、管孔に文字を書いて、変色性を確かめていなかったっけ?

そこで、管孔にバツ印をつけてみたところ、見事に一瞬で焦げ茶色に変色! ポルチーニの仲間の多くは変色しないので、この瞬間、正体がわかりました。ニガイグチの仲間に違いない。

疲れていたので、一晩、塩水に浸けておいて、翌朝、テストをすることにしました。ひとかけら千切って、噛んでみるというテストです。ニガイグチなら強烈に苦いらしいので、確実に正体が判明します。

これでもし苦くなかったらどうしよう? ニガイグチの苦さは水溶性だとされていたけれど、苦さが抜けていたらわからないのでは?と心配になりましたが、それは苦くなかった場合に考えればいいこと。

意を決してひとかけらを洗って噛んでみると…

数秒後。苦い!

苦さを覚悟していたし、ほんの少し噛んで味をみただけだったので、悶絶するような苦さではありませんでしたが、はっきりと苦い。それも尾を引く苦さで、数分ほど苦みが抜けませんでした。間違いなくニガイグチでした。

せっかくの大型イグチで、ポルチーニかもしれないとぬか喜びしましたが、まさかの結末。

でも、ニガイグチとヤマドリタケモドキがこんなに似ているとは思っていなかったので、とてもよい勉強になりました。この教訓をキノコの記事に書き加えておかねばなりません。

後から調べると、管孔が黄系統ではなく、ピンク系統だった時点で、ニガイグチだと読み取れるそうです。肉が白色で、管孔が離生しているのも、ニガイグチの特徴だそうです。(食べられるイグチでもそうした特徴をもつものはあるが)

よく見れば管孔面が軽く泡立つようにデコボコしているのも、図鑑で見たニガイグチっぽい気もしました。

しかしながら、このニガイグチは何ニガイグチなのか。改めて図鑑をみると、ニガイグチといっても種類がかなり多いことがわかりました。

改めて鑑別に役立ちそうな特徴をみると、柄の上部に網目があること、肉の変色性はないこと、管孔は茶色く変色することの3点です。

最も容姿が似ていると思ったのはブドウニガイグチでしたが、網目がないそうなので違いました。ニガイグチモドキは管孔がもっと濃い色なので違います。

図鑑によると、柄の上にだけ網目模様があるのは、オオクロニガイグチのみです。大きさ、管孔の変色性なども一致しています。ミズナラとトドマツの混交林に生えるという点もぴったりです。

オオクロニガイグチにしては、柄の色が薄すぎる気もしますが、図鑑によると灰褐色と表現されていました。灰褐色といえばシロヌメリイグチの傘の色ですが、そう思えば、さほど外れてもいないように思えます。

ニガイグチは種類が多そうなので、手持ちの図鑑に載っていない種類かもしれませんが、今のところオオクロニガイグチと同定しておきます。

(11)タマゴタケモドキ
これもその近くに生えていたキノコ。ニガイグチは木からやや距離のある草地に生えていましたが、このキノコは木の根元に生えていました。

遠目にはキタマゴタケの可能性もあるかと思われましたが、そもそもキタマゴタケは見たことがありません。十中八九、猛毒のタマゴタケモドキだろうと思いました。だとすれば背後の木はおそらくミズナラなどの広葉樹だったのでしょう。

左の傘が十分に開いていないほうを観察しようとしたら、簡単に柄が折れてしまいました。近くで見ても、傘のふちに条線はないので、タマゴタケモドキです。

裏側を見ると、とても整然と並んだ美しい白いヒダ。きれいな見た目ですが、タマゴタケとは全然特徴が違うので、間違うことはありません。

傘が開いている大きいほうのも、やはり傘の周囲に条線はありませんでした。

下から見上げると、ツバが残っていました。

奥にさらにもう一本、目立たない幼菌も生えていました。

それにしても、このあたりの毒キノコ率が高い…。ドクツルタケ、ニガクリタケ、タマゴタケモドキなどの猛毒種に加え、ウスタケ、ニガイグチ、ヒロヒダタケなども出てきます。色々なキノコに出会えて楽しいですが、危険も多いです。

(12)テングタケ
その後、夕方に公園に行って見つけたテングタケ。イボが立体的でないので、無印テングタケでしょう。

発見したのはヨーロッパアカマツ林だったような気がします。写真にもマツの落ち葉が映っています。テングタケは広葉樹林生かと思っていましたが、この公園はテングタケが毎年たくさん発生するので、どこでも生えるのかも。

(13)ヤマドリタケモドキ?
同じく公園のヨーロッパアカマツ林のあたりで見つけた朽ちかけていたイグチ。傘がひび割れて亀の甲羅のようになっています。

それだけなら、スルーしてもいいかと思ったのですが、ヒダが管孔で、何らかの大型イグチのようです。残存している柄には、立派な網目模様が確認できました。肉は目立った変色性がないのか、白色のままです。

管孔はやや黄色みを帯びていました。写真だと傷ついたところは茶色っぽく変色しているように見えますが、単に陰になっているのかもしれません。自分で傷つけて変色性を見るのは忘れていました。

管孔の断面は、黄色みを帯びているので、ニガイグチの仲間ではない可能性が高いです。

このキノコの正体やいかに。網目模様や管孔の色からすると、去年この近くで見つけたヤマドリタケモドキの可能性があります。しかし、ヤマドリタケモドキにしては柄が細い気もしますし、違う別の種類かもしれません。

2022/07/24日

森が通行止めに。鳥の羽根のようなセジロナミシャク

近所でヒグマが出たとの一報で、もしやと思い見に行ったら、やっぱり森が通行止めになっていました。先日タマゴタケを採り、ヒグマとニアミスした可能性がある森です。

去年に引き続き、今年も通行止めとなってしまい残念です。なぜこの時期になると、あの森のあたりにヒグマが出るのだろう。でも、通行止めになる前にタマゴタケを採れたし、そもそも無事に帰ってこられたことを喜びたいと思います。

仕方ないので、もうひとつの森へ向かうことにしましたが、その道中で若いキツネに出くわしました。写真には一匹しか写せませんでしたが、同じくらいの大きさのキツネがもう一匹いたので、今年生まれのきょうだいなのかもしれません。

子ギツネらしく警戒心が薄く、なかなか逃げませんでした。車に轢かれなければいいのですが。

もう一つの森に到着。20日にたくさんキノコが出ていたので、その後の成長の様子など観察できればと思っていました。

キノコ地帯の近くまで車で行くことも可能でしたが、森の入り口を見ると、歩きたくなったので、吸い込まれるようにいつもの道へ。

森の中を歩いている時に見かけた白いガたち。

これはエダシャクの仲間? 翅の裏側しか見えない角度だったので、背中側の模様がわからず、特定できませんでした。腹側の模様はトンボエダシャクに似ていると思いましたが、よく見ると黒と白の波模様が逆ですね。

ほぼ同時に、その知覚のフキの葉に止まったガ。背中の模様が見えたので調べたら、セジロナミシャクというサクラの葉を食草にするガでした。翅の模様がまるで鳥の羽根のようなうろこ状で魅惑的でした。

わたしがあまり虫に興味がないだけで、意識して探せば、面白い虫がたくさんいるのでしょうね…。いつか虫ともっと親しめる時が来たらいいのですが…。

キノコ地帯に到着すると、思った以上に様々なキノコが出ていて、よりどりみどりでした。でも突然雨が振り始め、止むどころか次第にひどくなってきたので、見つけたキノコすべてを観察することはできませんでした。

今日は降水確率10%だったのに…。前にも書いたように、去年は降水確率70%でも雨が降らない干ばつでしたが、今年は10%でも降り出す年のようです。

今日のキノコ。モミジタケ、ハイイロオニタケ、カワリハツ?等

(1)オオツルタケ近縁種?
まず森のかなり入り口のほう、ヒトリシズカ群生地を抜けて、湿地に入る前に生えていた大型キノコ。傘は茶褐色で、中央部が濃い色です。

周囲に条線(溝線)が刻まれていて、ツルタケの仲間らしい雰囲気です。

手と比較すると、傘のサイズは10cm以上で、かなり巨大です。

横から見たところ。ツバのないすらりとした柄が、やはりツルタケらしく見えます。柄の下のほうには白いササクレがあるのも見て取れますが、ツルタケにササクレなんてあったっけ?

また、すっかり根元を掘り返すのを忘れていましたが、この写真では、かろうじて根元に袋型のツボが写っています。色は柄と同じように見えます。

ヒダと柄は同じ色で白っぽいクリーム色。ヒダはテングタケらしく、やや密で離生。柄をよく見ると、単にささくれているだけでなく、脱落したツバの名残りのようなものがぶら下がっていました。

柄は中空。

柄を手袋で触っていたら、細かい白い粉のようなものがたくさん付着しました。接写で見ると、柄の上のほうも、白い粉(綿くず状の鱗片?)のようなもので覆われていて、下のほうは量が多くてササクレ状に見えているようでした。

驚いたのはヒダの特徴で、肉眼では、細かい粉が付着しているように見えたのですが、

接写レンズで見ると、ふちがギザギザしていて、いわゆる鋸歯状になっていました。有名なところでは、マツオウジのヒダが鋸歯状ですが、ツルタケでもギザギザになったりするのだろうか?

観察している時も、ツルタケにしては大きくない?とは感じていましたが、図鑑によれば最大でも8cm、ネット上の情報では10cmでした。ということはツルタケではない?

大きさが当てはまるのは最大12cmになるオオツルタケですが、柄に暗灰色のダンダラ模様があり、ヒダのふちも暗灰色に縁取られるという特徴があるらしいので違います。

ツチイロオオツルタケも、13cmほどになるようですが、傘のふちの条線が「短い」とされているので違うでしょう。そもそもどちらも、ヒダに鋸歯があるとはされていません。

ツルタケの仲間では、先日見たカバイロツルタケが、ヒダが「やや鋸歯状」との情報がありましたが、今回のキノコは全く樺色ではありません。

シロウロコツルタケ類似種でも、ヒダが鋸歯状のものがあるとの情報もありました。柄が綿くず状の鱗片に覆われるという特徴も似ています。しかし、シロウロコツルタケは傘に条線がないので違います。

柄が白い粉や綿くずのようなものに覆われているという特徴は、前述のシロウロコツルタケで顕著ですが、無印ツルタケでも「上部は粉状、下部は綿毛状の鱗片に覆われて」いると説明しているサイトがありました。

また、カバイロツルタケの場合も、ヒダがやや鋸歯状であるというだけでなく、「傘より淡色の粉状鱗片が下部ほど濃く、だんだら模様となり、基部は白色」と説明されていました。

ということは、カバイロツルタケの、樺色でないタイプで、大型種があれば、ぴったり当てはまるということに…。でもそれって名前をつけるとしたらオオツルタケなのでは…という堂々巡り。

ツルタケの仲間は、図鑑に載っていない種類も多そうなので、もしかしたら、これらの特徴を併せ持つハイブリッドな種があるのかもしれませんが、現時点では同定できません。

(2)モミジタケ?
いつものキノコ大量発生エリアであるトドマツ林で見つけた謎のキノコ。

20日に地面から生えるマイタケ型のキノコを初めて見つけて、コウモリタケかタマチョレイタケくらいしかなさそうだから簡単かも、と思ったのもつかの間。さっそく未知のキノコに遭遇してしまいました。

なんとも形容しがたい外見で、なにこれとしか言いようがない。

手の大きさと比較、全体で4cmくらいと、先日見たコウモリタケよりずっと小型です。

一本だけ採取してみようとしたら、うまく千切れず、ごっそり半分以上抜けてしまいました。手に取ってみたけれど、やっぱりどういう構造なのか全然わからない。

横から見たこの写真が一番わかりやすいかも。根元ではつながっていて、そこから平たい指のような突起がたくさん生えています。

Google Lensにかけてみましたが、まったく役に立ちません。図鑑を見ても、それらしいのが見つからない。もしかすると何かの幼菌だったのでしょうか。たとえば、ハナウロコタケが広がる前の姿とか?

(追記 : 後日、図鑑を眺めていたら、モミジタケというよく似たキノコを見つけました。イボタケ科という仲間に属するようです。

広葉樹林、アカマツ林に出るとありましたが、わたしが見たのはトドマツ林でした。でも写真に写っているように広葉樹の落ち葉も堆積しています。

と思ったら北海道ではトドマツ林に出るという情報もありました。かなり似ているので、モミジタケかそれに近縁のイボタケ科で間違いなさそうです)

(3)ニシキベニハツ
ベニタケ科のキノコがたくさん生えていましたが、雨が降ってきたので、一部だけ観察。

そのうちの一つがこのキノコ。

すでにしなびていましたが、傘に明らかに黄色が入っていたので、目を惹かれました。まるでボタンの花のようですが、これはニシキタケでは?

傘のサイズは5~6cmと中型。傘の周囲には条線があり、ヒダは黄色みがかっていて、柄は白でした。

ニシキタケだと柄も黄色みがかっているらしいので、ちょっと違和感がありますがあります。

調べてみると、ニシキタケは、傘に黄色みが混ざりますが、中央だけ黄色いということはなく、むしろ周辺部が黄色い写真が多くありました。

また、ニシキタケの柄は幼菌時は白いようですが、次第に黄色みを帯びるようです。このキノコは明らかに老菌なのに柄が白いので食い違っています。

近縁のニシキベニハツは、ニシキタケと同じくミズナラ樹下に発生しますが、傘の中央部が黄色く周辺部がサーモンピンクになること、ヒダが黄色いこと、柄が白いことなど、特徴が一致していました。おそらくこちらでしょう。

(4)ハイイロオニタケ
20日に幼菌を見て、その後どうなるか気になっていたシロオニタケと思われたキノコ。シロオニタケにしてはイボが鉛色をしているのが気になっていましたが、そのまま成長していました。

傘の地色は白と思われましたが、やや褐色を帯びていることが判明。そこに鉛色のイボなので、シロオニタケではなさそうです。色の特徴は、無印オニタケとシロオニタケの中間あたり。

傘の表面のイボは非常に立体的で、角錐の形をしています。

横から見たところ。傘はすでに平らに開いていましたが、あまり大きくなく、4~5cm程度。柄もヒダも白で、ツバがありますが、すぐに脱落してしまうようです。

柄の根元には立体的なササクレが幾重にも輪をなしています。

根元の球根が見分けの手がかりになるようだったので、柄だけ折らないようにして掘りとってみました。

球根型というよりは、棍棒型という程度の膨らみに見えますかが、先端がさらに細長くなっており、地中に伸びていました。顕著に球根型に膨らむタマシロオニタケではなさそうです。

ヒダは上生。

柄は中実でした。

Google Lensで調べると、ハイイロオニタケという種類があって、傘のイボが灰色であること、ツバが取れやすいこと、根元が混紡型になって地中深く潜ること、根元にツボの名残りが帯状に残ることなど、特徴が完全に一致していました。

前回の幼菌時の写真では、Google Lensで正体が判明しなかったことを思うと、すぐに抜き取って観察したりせず、経過観察することも大事だなと思います。とはいっても、なかなか何度も観察に訪れて再発見する余裕はないのですが。

アカマツ、コナラ林に出るとありましたが、明らかにトドマツの根元に出ていました。図鑑にも記載のない種なので、未知の特徴があるのかもしれません。

(5)ツエタケの仲間
トドマツ林からミズナラ林に入ったあたりに、一本だけ生えていた小さなキノコ。面白い傘の見た目だったので、雨が降る中でも観察しようと思いました。

傘の大きさは、2~3cmほどと小型。特筆すべきは、中心が薄茶色で、そこから放射状に、薄茶色の隆起したシワが、ジグザグと伸びていることです。こんな傘のキノコは見たことがありません。

裏返してみると、ヒダも柄もまた特徴的。

ヒダは白ですが、整然と並んでおらず、頻繁に枝分かれして曲がりくねっています。

ヒダの付き方は直生。

柄の特徴も興味深く、上部は白ですが、中ほどから茶色いダンダラ模様が出現し、下部になるとまた消えて白くなります。

ルーペで見ると、このダンダラ模様は茶色い綿くず状の鱗片から作られているようです。

そして、柄の内部は中空。

これだ面白い特徴があるキノコでしたが、Google Lensでは正体がわかりませんでした。図鑑を見ている時にヒントが見つかるのを待つしかありません。

(追記 : 8/6に同じ森の別の場所でツエタケを見つけ、調べてみたことで、これもツエタケだったと気づきました。

柄に褐色の鱗片があるツエタケは、参考サイトによると、フキアゲマルミノツエタケ、カクミノツエタケ、フチドリツエタケなどがありましたが、どれもぴったり当てはまりません。

ツエタケ属はいまだ分かっていないことが多いので、広義のツエタケの仲間としておきたいと思います)

傘に放射状のシワがあるのがツエタケの特徴ですが、さらに柄の基部から根が伸びるという珍しい特徴もあります。根の部分は採取時に切れやすいと思いますが、幸いにも今回の写真〔上から3枚目〕ではそれがはっきり写っていました。)

(6)ヤマドリタケ?
いよいよ雨が激しくなってきて、これは帰らざるをえないと決断した直後に見つけてしまったイグチ。仕方ないので、持って帰って詳しく観察することにしました。

傘は焦げ茶色。5~6cmほどと中型。ふちが薄茶色になっているので、発見した時はクリイロムクエタケかと思ったのですが、全然違いました。

柄は傘より少し薄い赤茶色。

裏側は膨らんだ管孔でうっすら黄色を帯びていました。

そして、なんとまた柄に網目模様が…。それも全体ではなく、柄の上部だけを覆う網目模様でした。また同定が難航しそうな予感。

断面の様子。傘の肉は白、管孔の断面はやはり黄色みを帯びていました。

管孔を傷つけてみましたが変色性はなし。

柄の内部は虫食いがひどかったですが、おそらく傘の肉と同じ色。こちらも変色性はありませんでした。

ということで、おもな特徴は、肉は白、管孔は黄色みを帯びた白、どちらも変色性はない。そして柄の上部だけ網目模様がある、というものでした。あれ? この特徴は、ヤマドリタケ(ポルチーニ)の特徴では?

ヤマドリタケにしては傘の色が濃いですが、図鑑によると傘色は変化に富むとされます。傘のふちは色がやや淡く白色を呈する、という説明も、最初クリイロムクエタケと見間違えた特徴と一致しています。

また、見つけたのはトドマツ林でしたが、トドマツなど針葉樹林に発生すると書かれていました。

虫食いがひどかったので、特徴を確認した後、捨ててしまいましたが、初のヤマドリタケだったのだとしたら、嬉しいような、残念なような…。

(7)カワリハツ?
雨が強くなってきたので、慌てて引き返しましたが、道中にキノコの多いこと多いこと。もし雨降りでなければ、あと1時間は観察できるほど多種多様なキノコが生えていました。

仕方ないから明日また来ようと思いながら歩いていましたが、珍しい黄色いベニタケ科のキノコが大量発生しているのを見つけて、どうしてもそれだけは正体が知りたいと思ったので、これも持ち帰ってきました。

傘は最大6cmほど。やや黄色みを帯びていますが、去年見つけたヤマブキハツ?と思われるキノコほど黄色くなく、むしろ、なんとなく緑みも帯びています。

ふちには薄く条線が見えます。

ルーペで傘を拡大してみると色むらがあり、緑色に見えるところは、少しひび割れていました。

ヒダは密で、ヒダと柄は同色で白。

ヒダは直生。

柄は中実。

その他の特徴として、傘がかなりベトベトでした。雨が降っていたこともあり、濡れている時にぬめりが出るタイプのキノコだったようです。

また、周囲の樹木は広葉樹で、おもにケヤマハンノキ、ほかにミズナラやカツラがあったようです。

緑色みを帯びるベニタケ科は、以下の4つ。カワリハツ、クサイロハツ、アイタケ、モエギタケ。

あからさまに緑っぽくはない色みからすると、カワリハツの緑っぽいタイプの可能性が高いのかな?と思います。広葉樹林に出るところも一致。

いかんせんこのタイプのキノコに出会ったのは初めてなので、経験値不足です。

(8)シュイロハツ?
帰り際に美しかったので一枚だけ撮った写真。こんなところにタマゴタケ?と思って近づいたのですが、柄が白いので違うようです。ベニタケ科の幼菌かなと思います。雨に濡れてつややかさが増してりんご飴みたいですね。

翌日改めて観察したところ、もう少し成長していました。周囲に生えていた似たキノコからするとシュイロハツの可能性が高そうです。

2022/07/25月

改めて森歩き。エゾサンショウウオの親子、シデムシの幼虫?等

昨日は雨が降ってきて引き上げざるをえなかったので、改めてキノコ観察にでかけました。

入り口に着くと、珍しく知り合いが何組かの親子と一緒に来ていました。手に大きな袋を持っていたので、キノコ観察かな?と思ったら、トドマツの葉を集めていたようです。子どもたちはウドのつぼみを手に持って、「うどんかと思った!」と可愛らしげに話してくれました。

森に入るときは緊張するのですが、今日は先に入っていた人が大勢いたので、少し気が楽になりました。そうは言っても、わたしが入る場所はもっと奥なので、やっぱりヒグマの危険があるのですが。

森の中のキノコ地帯を歩いていると、何度も巨大なエゾアカガエルを見かけました。500円玉サイズの小さなカエルは愛嬌がありますが、テニスボール大に成長した大人のカエルは出くわすとぎょっとします。

調べてみると、エゾアカガエルはメスのほうが大きく、最大で7cmほどになるそうです。ちょうどテニスボールが6.5cmほどなので印象のとおりです。

森の中のエゾアカガエルは擬態能力が凄まじく、下の写真のはそのテニスボール大の大きさなのに、動かなければ気づくこともできません。

しかも、小さなエゾアカガエルは人間が近づくと逃げることが多いのですが、大きなカエルほど固まる反応に頼る傾向が強い気がします。

すぐ近くを杖でガサゴソとしても、置物のように固まって、微動だにしません。おかげで、歩いている時は誤ってカエルを踏みやしないか心配です。

森の一番奥の、キノコ群生地に何本か生えていたラン。過去にあちこちで見たのと同じものならオオヤマサギソウだと思います。

根元付近には、つややかな2枚の葉が互生しています。それより上の葉は小さくなります。

しかし、コバノトンボソウとかホソバノキソチドリなど、ツレサギソウ属の他のランの種類が非常に多く、区別がとてもややこしいです。

どの種類かは、葉の付き方や、花の距の剥き、苞の長さといった特徴で区別できます。

オオヤマサギソウは葉が互生、苞が花より少し長い、距は細長く下向きに伸び、茎を越えて反対側まで突き出る、といった特徴があり、下の写真はつぼみながらそれらが確認できます。

森の奥でまたミツバ摘みをしている時に見つけた、SF世界の住人のような造形の虫。乗っているのはツルアジサイの葉かなと思いますが、この体型でどうやって葉の上に登ったのか不思議でなりません。

拡大してみると、とてもかっこいい。Google Lensではシデムシの仲間の幼虫と出ましたが、この写真のように目のあたりが赤くなっている写真は見つからず、なぜなのかわかりません。この赤い部分がSFチックなのに。

ヒラタシデムシは森の中でよく見かけるので、その幼虫がいても不思議ではないですが、成虫とほぼ変わらぬ大きさなのに、見た目が全然違うのは面白いなと思いました。

帰りに森の入り口のエゾサンショウウオの様子を見に行ったら、ちょうど16時ごろの太陽の角度がよいのか、水面の照り返しがなく、とても観察しやすい状態でした。

水中に、エゾサンショウウオの親子がたくさんいるのが、肉眼でもわかりましたし、カメラにもしっかりと写りました。

手足のない小さな幼生は、今年生まれの子どもたちでしょう。去年の干ばつを乗り越えた世代が、また数を増やしているようで嬉しいです。

エゾサンショウウオの動画を撮っていると、池の上の木を登るアカゲラを見つけました。望遠で見ると、なんと巨大なイモムシをくわえて、叩きつけて殺して食べているようでした。貴重なシーンでしょうがショッキングです。

いつもは可愛らしく見えるアカゲラが、この時ばかりはグロテスクな捕食者の目に見えてなりませんでした。自然界の摂理といえども、巨大なイモムシも可愛らしいことを知っているだけに、複雑な気分でした。

採ってきたミツバとコガネヤマドリ。ミツバはいつもどおり卵とじにして美味しくいただきました。コガネヤマドリは残念ながら内部が虫食い状態でした。シーズンはまだこれからなので新鮮なのを探したいです。

今日のキノコ。ガンタケ、シワタケ、バライロウラベニイロガワリ等

(1)大型イグチの仲間
まず、森に入る前に、すぐ脇に草むらに生えていたキノコ。周囲の木はトドマツと広葉樹色々。

大型イグチの老菌で、傘の大きさは10cm以上。傘が真っ白でしたが、もともとその色なのかは不明。

管孔も白でしたが、白くない黄色~オレンジ色の部分もあるので、それが地色なのかもしれません。傘、管孔ともに、白の下に黄色い肉の色が透けているのが見えます。白く見えるのは老菌になって白カビに覆われたのかも。

柄も白みを帯びていますが、より黄色い地が見えています。網目模様はありません。太い柄の内部は黄色~オレンジ色で、スポンジが入っているような雰囲気。

傘の断面を見てみると、傘の肉はやはり黄色~オレンジ色、管孔は茶色だとわかりました。また傘の白い層の内側に茶色の薄い層が見えるので、それが傘の地色なのかも。

だとすれば、このキノコの本来の姿は、傘が茶色、管孔や柄は黄色、肉も黄色という、ヌメリイグチのようなよくあるカラーリングだということになります。ちょっと古すぎて同定するのは難しいかも。

(2)シュイロハツ
今の時期に大量に出ているベニタケ科キノコ。傘の大きさは大きいもので8cmくらい。

いずれも特徴が同じで、傘は赤色で、条線はあるものの目立ちません。ヒダはクリーム色でやや密、上生、下の写真だとヒダ同士の連絡脈のようなものも写っています。柄は白で中空~髄状、やや縦に条線が入っています。

幼菌もちらほらとありました。どこか一箇所に固まって生えるというより、数本ずつ生えている集団をあちこちで見かける感じ。写真の周囲に写っている落ち葉から分かるように、ここもトドマツや他の広葉樹の混生林です。

  

時々、傘の中心が黄色っぽいのも見かけますが、柄やヒダの特徴は同じように見えるので、個体差の範疇なのかもしれません。

やはりヒダはクリーム色でやや密、ヒダ同士の間に連絡脈のようなものが見えます。柄は白色で中空~髄状。

ドクベニタケはヒダが白、チシオハツやニオイコベニタケは柄が赤みを帯びる、ヤブレベニタケは傘の色がヒダに回り込む、ニシキタケはヒダだけでなく柄も黄色みを帯びる、ケショウハツは傘の色がまだらになる、といった点から違います。

それでいつもの如く、シュイロハツかとなります。

シュイロハツは「成熟すると中央から退色し、黄色ぽくなり、縁は不明瞭な条線を生じ」とあるので、中央部が黄色い個体があったり、傘のふちに薄い条線があったりする点と一致しています。

ヒダは離生とされていました。わたしが観察したのは上生としましたが、離生とみなしてもいいかなーという付き方なので、一致しているとみなせます。

また、連絡脈(脈絡)があると書かれている点にも当てはまります。脈絡はドクベニダマシでも見られるそうですが、そちらはヒダが白いはずです。

柄は「髄状、しわ状の条線が密にあり、白色」とされる点も観察した特徴とほぼ一致します。「しわ状の条線が密にある」という点は、老菌の写真の柄では不明瞭ですが、幼菌の写真の柄では確認できます。

この頃、公園でも森でもシュイロハツを見る頻度が高いですが、季節的なものなのか、このあたりは出やすいのか謎。

(3)チギレハツタケ?
同じように森の中にたくさん生えていたベニタケ科。シュイロハツよりも傘の彩度が低く、くすんだような赤紫色で、傘のサイズも10cmくらいと少し大きめなのが特徴。

傘のふちは中心よりも色が薄くなり、かなりはっきりとした粒状の条線が見られます。

ヒダはやや密。ヒダ、柄ともに白いですが、古くなると褐色に変色するようです。

柄の内部は髄状。

ヒダの付き方は直生。さっきのシュイロハツはヒダが上生~離生だったので、この点だけとっても、別のキノコであることは明らかです。

傘色がワイン色で、ふちに条線があり、ヒダや柄が白であることから、チギレハツタケや、その小型バージョンのウスムラサキハツかな、と思いました。大きさからすると、チギレハツタケの可能性が高いでしょう。

参考サイトではチギレハツタケのヒダは離生となっていますが、手持ちの図鑑では直生~垂生となっていたので、観察した特徴に必ずしも当てはまらないわけではありません。

(4)カワリハツ?
次のキノコも、現地では同じものだと思って写真を撮っていたのですが、改めて写真で見てみると、違うものかもしれません。傘の色合いは似ていますが、ふちに条線がないように見えます。

でも断面はよく似ていて、ヒダも柄も白く、ヒダは直生です。写真は省略しますが、柄の内部は髄状。

老菌になると、傘のふちがボロボロになって裂けてきます。チギレハツタケは老菌になると傘のふちが裂けるらしく、これがそうかもしれないと考えました。

そして、ヒダも変色が激しく、完全に褐色と化していました。上のキノコも変色しかけていたので、同じ種類の老菌かもしれませんが、確証がもてません。

(3)と同じ種類の老菌ならチギレハツタケなのですが、傘に条線が見られないのが一番の問題です。

くすんだ色で目立った条線がない場合、カワリハツの紫色タイプの可能性もあります。カワリハツも文献によってはヒダは離生とされますが、手持ちの図鑑だと直生と記載されているので、当てはまらないこともありません。

図鑑に、柄が「下方やや細り白色」と書かれている点も、今回観察した特徴と一致しています。カワリハツは柄ががっしりしているそうですが、確かに写真でもそう見えます。

カワリハツにしては大きすぎるのでは?とも感じましたが、図鑑によると5~15cmと個体差が大きいことがわかりました。

大きさも様々で、色も様々なのであれば、どうやってカワリハツと見分けるのか困ってしまいますが、ここの記事によると、夏に発生、紫系の色、ヒダは白くてやや密、白い柄がしっかり中実、シラカバの仲間の樹下に発生、というキノコはカワリハツらしいです。

他サイトによると、柄は髄状もあるようですし、縁部が巻くという特徴も書かれているので、今回のキノコはカワリハツに見えます。…が、自信はありません。

カワリハツは硫酸第一鉄で柄をこするとわずかに青変するという他にない特徴があるので、試薬の購入も視野に入れておきたいです。

(5)モリノカレバタケの仲間
森に入ってしばらく歩いたところに、なぜかササが全然生えていない広葉樹林があります。これまでも気になっていましたが、遊歩道から逸れるのは気味が悪くて、入ったことがありませんでした。

でも去年、そういった場所でさんざんキノコ狩りをしたので、音をしっかり立てるようにして注意しながら探索してみました。思ったとおり、キノコがたくさん発生する面白そうなところでした。

まず目についたのは、オレンジ色の傘の小さなキノコたち。傘の大きさは4cmくらい。褐色の小さなキノコはさんざん同定できずに苦労しているので、今回も難航しそうだと思いながら確認してみると、

あっけなく正体が判明。このヒダの密度、傘の薄さ、そしてオレンジ色の細い柄はモリノカレバタケの仲間です。

思ったとおり柄も中空でしたし、モリノカレバタケとみなして大丈夫でしょう。

幼菌も見つけましたが、柄の基部がやや膨らむという特徴がはっきり見られました。

(6)カワリハツ?
昨日来た時にたくさん見つけた緑みの混じった黄色っぽい傘のキノコ。(5)と同じ初めて入った広葉樹林の林地で見つけたものですが、前回見つけた場所と目と鼻の先です。

カワリハツかと思っていたのですが、改めて(4)のキノコでカワリハツについて調べたことで、より混乱する結果に。

傘の色は黄色~薄い緑色。傘のふちには薄く条線が見えます。傘の大きさは10cm弱とやや大型。カワリハツなら縁が内側に巻くとされていましたが、開ききった老菌だからか、その特徴は見られませんでした。

同じ緑色系キノコのうち、アイタケは傘がうろこ状にひび割れるはずなので違います。

裏側。ヒダは白で密。傷んだところが褐色になっている点はさっきの紫色のカワリハツ疑いキノコと同様。似ている緑色系キノコのウグイスハツはヒダが分岐するそうですが、その特徴は見られないので除外できます。

断面。ヒダの付き方はさっきのカワリハツ疑いのキノコと似ていますが、付け根のヒダが細いため上生~離生のようになっています。文献によって離生とされていたり、直生とされていたりバラつきがあるのはこのせいなのかも。

柄はなんと中空でしたが、虫に食われた跡があるので、中実~髄状でないとは言い切れません。現に昨日観察した同じキノコらしきものは中実でした。

その昨日調べたキノコがこちら。上のキノコがあった場所から20mくらいの場所です。傘の色からすると、まったく同じキノコで間違いないでしょう。昨日は新鮮に見えたのに、たった一日でここまで傷むとは思ってもみませんでした。

傘のサイズはさっきのより小型で6cmくらい。

裏側もやはり褐色に変色しつつあり、柄は髄状になっていました。

あまり自信はありませんが、この特徴的な色合いの傘からして、他に候補もありませんし、やはりカワリハツなのかもしれません。

(7)クサイロハツ?
さらに歩いているうちに、別の場所で見つけた類似キノコ。

場所はかなり離れていて、コウモリタケ、ヒロヒダタケ、ハナホウキタケなどを見つけたトドマツ・ミズナラ林です。何本か出ていましたが、特に緑みの強いものを選んで撮りました。

裏側をみると、やはり少し傷んで褐色を帯びてきた白い密なヒダ、柄は白くてがっしりしています。

ヒダに分岐はありませんが、連絡脈がみられました。

しかし、カワリハツに連絡脈がみられるという情報は見当たりません。緑色系キノコではクサイロハツに連絡脈があると記載されていました。脈絡があるとしているサイトもあります。

カワリハツとのカラムラサキハツの区別点として後者には連絡脈がある、としているサイトもあるので、連絡脈がないことがカワリハツの特徴の一つであるようにも思えます。

けれども、クサイロハツっぽい青みがかった緑色ではないし、これもカワリハツではないのだろうか…と思いましたが、今日観察したキノコのうちでは、最も緑色が強いことは確かです。

また、手持ちの図鑑2種では、カワリハツは「ミズナラ林やトドマツ林」または「ミズナラ・カンバ林等の広葉樹林」に出るのに対し、クサイロハツは「トドマツや広葉樹の林地」、「針・広混交林」に出るとありました。

ほぼ同じ条件に見えますが、若干クサイロハツのほうが見つけた場所の状況に近い気もします。連絡脈があることも考慮して、自信はないながらもクサイロハツと同定しておきます。

(8)ガンタケ
少し時を戻して、モリノカレバタケなどがあった広葉樹林の林地に生えていた巨大なせんべい。初めて入ってみた場所でしたが、これが見られただけでも価値がありました。

傘直径は15cm超。完全な平たい円形で、まるで胡麻せんべいがごとく、イボが散りばめられています。色も中央が焦げ茶色で、周辺に行くに従って赤から黃へグラデーションしていて、すばらしく見事なキノコでした。

横から見たところ。絵になります。傘の大きいせいで背丈がなく見えますが、傘の直径と同じくらいなので柄も15cmくらいあります。マントのような立派なツバをつけています。

こんなに美しいのに、ともったいなくも感じますが、絶対にわたし以外こない場所だし、成長しきって後は朽ちていくだけのキノコでしょうから、しっかり裏返して観察してみました。おかげで正体も判明しました。

まず傘についているイボですが、平面ではなく立体的なので、無印テングタケではなく、イボテングタケらしいと感じました。

次にヒダの特徴。なんとヒダの傷ついた場所が赤く変色しているので、イボテングタケとは異なる種類ではないかと感じました。

ヒダが赤いテングタケといえばアカハテングタケ(タマゴテングタケモドキ)ですが、これはもともと赤いのではなく変色しています。

次に柄の特徴です。これも全体に赤みがかっていました。イボテングタケも柄が白色~やや褐色がかることがありますが、こんなに赤みが強くはないはずです。

また、柄の基部ではなく、マントのようなツバよりも上部にダンダラ模様がありました。

同じテングタケ科のタマゴタケは柄のツバより下にダンダラ模様ができますし、ドクツルタケやミヤマタマゴタケは同じく柄の下にささくれができるので、かなり意外な特徴に思えました。

後で調べてみると、この特徴は、決して珍しいものではなく、近縁のテングタケ科でも見られるものだとありました。

確かにイボテングタケで画像検索してみると、それらしいダンダラ模様が写っている写真が多くありましたが、無色だからか目立たないようでした。

柄は中実~髄状でした。

そのすぐ近くに、同じ種類と思われる老菌がありました。傘はもっと褐色が濃くなって、まるでさっきのキノコを照り焼きにしたかのよう。記憶にあるイボテングタケよりもずっと赤みが強く、タレがかかっているかのようで美味しそうに見えます。

裏側。もともとのヒダは白色なのに、血がにじむかのように赤みを帯びています。柄の色はかなり変わってしまっていますが、上部にダンダラ模様がわずかに確認できます。

断面。ヒダは離生のようです。

この場所には、さらにもう一つ、幼菌が生えていましたが、別の場所でも見つけたため写真は省略します。

そこから30mくらい歩いて、昨日カワリハツらしきキノコを見た場所の奥にも、同じキノコがたくさん生えていました。成菌も幼菌もありました。

同じキノコであることは横から確認するとすぐわかりました。例の柄の上部のダンダラ模様が確認できます。やはり全体的に赤みが強いため、ダンダラ模様もよく目立ちます。

幼菌の姿。イボテングタケのような幼菌を想像していましたが、どちらかというとタマゴタケのような姿でした。外皮膜のかけらが傘に残るという点ではイボテングタケと同じですが、イボテングタケほどゴツゴツしていません。

ではこのキノコはなんなのか。調べるとすぐにわかりました。別名イロガワリテングタケとも呼ばれているガンタケです。

図鑑によると、最大18cmとあり、今まで見たキノコの中で最大規模だったのも納得です。

ガンタケは以前から図鑑で存在は知っていたものの、写真を見た限りではイボテングタケなどと見分けがつかず、違いがよくわからないため、あまり考えないようにしていたキノコでした。

今回、同定するために改めてネット上の情報なども調べましたが、文章での説明を読んでも、やはりピンとこないものばかりでした。

でも、実物を目で見ると、これは明らかにイボテングタケとは違う、絶対に近縁の別のキノコだ、とすぐ直感しました。ということは前から謎だったガンタケかな、と調べてみたら的中しました。

図鑑やネット上の写真という二次元情報では、どうしても違いがわかりにくいことが多いですが、実物を見れば納得がいくものだと実感しました。

ガンタケは食べる人もいるそうですが、あの悪名高いアマトキシン類を微量ながら含んでいるという情報を知ってしまうと、とてもじゃないけれど手を出すことはできません。確実に同定したという自信があってもです。

(9)オシロイタケ?
同じ広葉樹林の林地に落ちていた落枝から出ていた、白い小さな側生タイプのキノコ。傘のサイズは4cmくらい。

近くに落ちていた別の落枝にも、同じキノコが出ていました。

管孔は非常に小さく目立ちません。ルーペで撮っても、白飛びして穴が映らず苦労しました。よほど管孔が小さいようです。

調べると似たようなキノコが多いですが、環紋がないことからオシロイタケかな、と思います。広葉樹に生えること、小さいことも一致しています。

拡大すると、基部にうっすら短い毛をまとっていますが、オシロイタケには「微細な毛がありベルベット状であるが、すぐ無毛に」なると書かれている点に似ています。

シロアミタケならもっと大きく、クジラタケなら環紋があり、スジウチワタケなら管孔面が白ではなくクリーム色や褐色を帯びていて、オオオシロイタケならもっと目立つ毛が生えているはずです。でも、似たようなキノコが多いため、確実とはいえません。

(10)シワタケ
その近くの広葉樹の倒木の根元に生えていたキノコ。ひとつひとつの傘は1cmほどで、かなり小型ですが、群生しています。

拡大してみると、傘の表面には白い毛が密生していることがわかります。さらに目立つ特徴は、白とサーモンピンクのツートンカラーに色づいていることです。

傘のふちがピンクのもあれば、配色が逆転して、傘の根元のほうがピンクのもあります。珍しい配色で、とても可愛らしい見た目のキノコです。

裏側もユニークでした。ヒダは褐色で、網目状に入り組んでいます。割いて断面も撮りましたが、ヒダが網目状だからか横方向にも強く、弾力性がありました。

Google Lensに頼ってみたら、シワタケだとわかりました。白とピンクのツートンカラーで、配色が逆転するところも掲載写真と一致しています。裏側が肉色で、角張ったシワ穴を作るという点も合っています。

今回は広葉樹の倒木に出ていましたが、針葉樹にも出るキノコだそうです。

手持ちの図鑑2種の写真では、遠くから撮った管孔面が写っているだけだったので、全然違うキノコみたいでした。管孔面がシワっぽいことを伝える写真なのかもしれませんが、わかりにくすぎます。

遠くから見れば単なるシワに見えても、ルーペで見れば網目状の多角形になっているというのも、写真入りで説明されなければ、理解できません。図鑑だけでは決して同定に至らなかったでしょう。

(11)ハナウロコタケ
そこから少し離れて、2箇所目のガンタケ群生地あたりのミズナラの根元に生えていた極小キノコ。

どれくらい小さいかというと、このとおり。それぞれ背丈が1cmくらいです。

傘の部分は漏斗形になっていて、ふちは白く、中央部は茶色です。

横から見ると、傘の部分は白く、柄の部分は茶色です。

こんなに特徴的な外見なので、Google Lensですぐわかると期待していましたが、なかなか正体がつかめませんでした。

コチャダイゴケがよく候補に出ますが、全体の形も、小塊粒が入っていないことも異なっています。

ほかに英語名でpodoscyphaというキノコが出てきたので調べてみたら、その幼菌がかなり似ています。海外では通称ワイングラスロゼットと呼ばれて親しまれているそうです。

日本にある似ているキノコは…と探すと、シワタケ科ハナウロコタケだと判明しました。

図鑑によると、亜寒帯林内の崩壊した場所に発生する極めて普通のキノコだとされていて拍子抜けしました。硬質キノコなのに地面から生える点は珍しい特徴らしいです。

(12)ウスタケ
続いて、少し離れたトドマツ林。キノコ大量発生地域であるミズナラ・トドマツ林の端にて。毎年どこかしらで見るウスタケをここでも発見しました。

過去に見たものはイボが大きいフジウスタケかなと思いましたが、これはイボが大人しく、すなおに無印ウスタケかな、と雰囲気で察しました。針葉樹の菌根菌だそうです。

抜いてみると、意外と柄が長く、ラッパというよりアルペンホルンみたいな形状です。傘部分の経口は4cm、全体の長さは13cmくらいです。

内側は唐揚げの衣のような美味しそうな褐色。ウスタケらしく、火山のカルデラのように荒々しいですが、フジウスタケほど鱗片が隆起していないと感じます。

断面。とても底が深い漏斗形なことがわかります。色も相まって、ちくわみたいに見えます。昔は茹でこぼして食べられていたそうですが、残念ながら現在では毒キノコ扱いです。

そのすぐ近くに老菌らしいウスタケもありました。

傘の経口はずっと大きくなって、手のひらほどのサイズ。だいたい15cm弱でしょうか。

若い菌を見つけたからウスタケとわかったものを、老菌しかなければ、去年この近くで見たヒロハアンズタケを疑ってしまったかもしれません。でも、傘の内側のイボや、ヒダが白っぽいことから、ウスタケらしいことがわかります。

(13)バライロウラベニイロガワリ
そのトドマツ林に、一見するとベニタケ科らしい大きな赤っぽい傘がありました。ところが近づいてみると、どこか見覚えのあるふっくらしたパンのような雰囲気。これはもしや、とひっくり返してみると、

バライロウラベニイロガワリだった! 懐かしの再会。去年まったく同じ場所で出会ったことを思い出しました。しかしそれは9/17だったので、2ヶ月近くも早い出現です。

去年はたった1つだけでしたが、今年はすぐ近くにもう一つ老菌を見つけました。老菌だし、遠慮なくひっくり返して並べて写真を撮ってみました。

管孔は薔薇色というより、黄色みが入った緋色で、柄の根元に白い菌糸がまといついているのがわかります。傘のサイズは12cmくらい。

柄はもっと赤みが強く、紅色で、ほぼ全面に細かい赤の網目模様が張り巡らされています。

管孔は、バツ印をつけて傷つけると、一瞬で黒っぽく変色しました。わずかに青み成分を帯びている深い紺色なので、黒変というよりは青変です。

傷つけた管孔の拡大写真。傷つけていない部分は緋色の網目ですが、傷つけた部分は黒っぽいマーカーで塗りつぶしたかのように大胆に変色しているのがわかりまする

断面。肉色は薄い黄色、管孔の断面も黄色でした。管孔は柄に対して上生しています。

そして、ちょっと柄の部分も分解しているうちに、ここまで青く染まりました。管孔ほど濃い青ではなく、かなり薄い水色に青変します。

似ているキノコについて調べてみると、まず、食用になるアメリカウラベニイロガワリは、柄に網目模様がないので、違うと断定できます。

オオウラベニイロガワリは情報が非常に少ないですが、柄をルーペで見ると、「赤い粒点が縦に並び、時に網目様になる」とされています。このキノコは時にどころかはっきり網目模様なので、たぶん違うのでしょう。

無印ウラベニイロガワリも情報が少なく、しかも網目模様もあるとのことでわかりにくいです。しかし、手持ちの図鑑によると、柄の地色が黄色で、赤色の網目模様があり、何より広葉樹林に出るとされているので違うでしょう。

無印イロガワリは、管孔が黄色で、柄に対してやや湾生(または垂生)するのが特徴とありました。撮った写真を見るとまったく垂生や湾生ではなく、バライロウラベニイロガワリの解説どおり上生なので違います。

よって、改めて調べてみても、バライロウラベニイロガワリの可能性が高そうです。

バライロウラベニイロガワリにしては、管孔が薔薇色(真紅)ではなく、黃みがかった緋色である点は気になります。しかし、去年もそうでしたが、老菌になると黄みが強くなるようなので、成長段階の違いの範疇でしょう。

(14)オオダイアシベニイグチ
そこから少し進んだ場所で、もう一つ謎のイグチを見つけました。傘の色は黄色みが強かったので、少し手前で見つけたコガネヤマドリかと思いました。

ところが横から見ると、またバライロウラベニイロガワリっぽい。3本目?

傘のサイズはこれも12cmくらい。ひっくり返してみると、少し様子が違います。管孔は緋色よりもさらに黄色みが強く、ほぼオレンジ色。

最大の相違点は柄で、地色は赤ですが、網目模様がまったく見当たりません。よく見ると不完全な網目模様があるような気もしますが、単なる赤い筋にも思えます。

管孔の強い変色性は同じでした。傘を割いてみればよかったのですが、その場では網目の薄いバライロウラベニイロガワリかな、と思ったので詳しく観察しませんでした。

このキノコを、「網目模様がない」見れば、アメリカウラベニイロガワリなのかもしれません。

しかし、アメリカウラベニイロガワリは、柄に、黄色い地に細かい赤い点々が密生していて、「通常網状紋は認められない」とありました。写真の柄の模様を、細かい点とみなすのは無理があります。

逆に「不完全な網目模様がある」と見れば、バライロウラベニイロガワリか無印ウラベニイロガワリの可能性が浮上します。全体的に黄色っぽいことから、無印のほうに似ている気がします。

観察した場所はトドマツ林でしたが、写真の地面をみると周囲に広葉樹があることもわかるので、必ずしも無印ウラベニイロガワリが発生しないとは限らないでしょう。

ここまで、網目模様の有無で正体を考えてきましたが、サイトによっては、アメリカウラベニイロガワリでも網目模様が見られることもある、バライロウラベニイロガワリも網目には個体差があり、網目でなく細粒点になっているものもある、などととしている場合もあり、困惑します。

網目模様の有無ではなく、傘や管孔の赤みの強さで見分けるのだとしたら、ここで見ているのは全てアメリカウラベニイロガワリの可能性もあります。

調べれば調べるほど、可食であるアメリカウラベニイロガワリと、猛毒バライロウラベニイロガワリの違いがわからなくなってきます。

今のところは紙の図鑑を信用して、網目模様がある上記2つはバライロウラベニイロガワリ、3つ目の網目模様がないものは無印ウラベニイロガワリ?としておきます。

(追記 : 7/29の(12)のキノコの観察で、柄の赤いイグチについて詳しく調べたところ、オオダイアシベニイグチという種ではないかと判明しました。

オオダイアシベニイグチは、傘がオレンジ色系統。管孔は黄色→オリーブ色。柄は頂部のみ網目があり、ほかはかすれた条線のような不完全な網目模様がある。北海道ではアカエゾマツ、トドマツ林に発生する。といった特徴があり、観察した点と一致していました)

(15)コガネヤマドリ
最初のバライロウラベニイロガワリを見つけた付近のトドマツ林で見つけた大型イグチ。次から次に謎イグチが見つかるので、ややげんなりしながら観察しましたが、すぐに顔見知りだと分かって安心しました。

傘は黄土色で、亀甲状にひび割れていて、10cmくらい。

裏返してみると、管孔はオレンジ色、柄も黄土色と、黄色系トーンで統一。

そして柄の付け根をよくみると、明らかに上部だけに網目模様がついていました。この時点でコガネヤマドリだと気づきました。

断面を見ると、肉は黄色っぽい白、やはり変色性はありません。管孔は上生。

いずれの特徴もコガネヤマドリに合致。一般に広葉樹林に出るキノコとされますが、去年調べたように北海道ではトドマツ林にも出ます

少し進んだトドマツ・ミズナラ混生林でもコガネヤマドリが出ていて、そちらは傘がまだ開いていなかったので持って帰ってきました。

虫が入った形跡はあるので、ダメかなぁと思っていたら、やっぱり中は食い荒らされていました。残念ですが、たくさん出るキノコなので、引き続き新鮮なものを探したいと思います。

(16)ハチノスタケ?
そこから少し進んだあたりで見つけた、地衣類のたくさん付着した落枝についていたキノコ。白っぽいので何だろう、と思いましたが、枝をひっくり返して管孔を見たらハチノスタケ?

傘は、肌色の近い薄い褐色で、4cmくらい。目立たない鱗片に覆われているようにも見えるのは、ハチノスタケらしい特徴。

裏側。短い柄があり、管孔はクリーム色で、形は典型的なハチノスタケ。

今回は採取しませんでしたが、おそらくハチノスタケでしょう。初夏に採取したハチノスタケらしきキノコを乾燥させてストックしてあるのですが、色が薄いのが気になって、まだ出汁をとっていませんでした。

でも今回見たハチノスタケらしきキノコも色が薄いですし、図鑑等でも淡~濃橙色とあるので、淡いバージョンにあたったらこんな色なのかなーっと思います。

(17)ハイイロオニタケ
例のトドマツの根元のハイイロオニタケ。早くも老菌に差し掛かって、傘が傷んできたようにみえます。ちょっと柄の伸びた幼菌を発見したのが20日なので、ほんの一週間で現れては消えていくのですね。

(18)コウモリタケ
コウモリタケも再会しました。特に変化なし。相変わらず弾力性がなくてもろく、少し触るだけでボロボロ外れます。

(19)ハナホウキタケ
ハナホウキタケは、枝が伸びて褐色みが強くなり、老菌に差し掛かってきたようでした。

(20)ニガイグチの仲間
例の巨大なニガイグチの仲間。すっかり傘が開いて老菌になっています。傘のサイズは15cm弱。

もうそろそろひっくり返してもいいかな、と裏側も見てみる。

傘と柄の色からすると、やっぱりオオクロニガイグチではなさそうですが、他に網目のあるそれらしきニガイグチを知りません。

網目があるニガイグチ類を検索してみると、他にニガイグチモドキ、チャニガイグチ、クロニガイグチ、ミドリニガイグチなどがありましたが、どれも他の特徴が異なっています。

そもそも、いずれのイグチもさほど大型ではないようで、図鑑に乗っている10cm以上になる大型ニガイグチは、オオクロニガイグチしかありませんでした。

今回の個体には網目が一見ないようですが、おそらく前回同様、柄のつけ根をじっくり見ればかすかに網目があるでしょう。成長するにつれて、網目が薄くなる特徴があるのかもしれません。

(21)コガネテングタケ?
その付近のトドマツ樹下に生えていたキノコ。前回生えていたタマゴタケモドキを再発見したつもりで写真を撮りましたが、何か違和感が…。

傘の中央にベニテングタケのような破片がある…? それに傘の周囲に条線があるような…。もしかしてベニテングタケの黄色タイプ?

しかし、横から見てみると、タマゴタケのような黄色い柄とツバが見えました。ということはベニテングタケではない。だったら、まさかキタマゴタケ? でも傘に破片がつくなんて特徴あったっけ?

これらの特徴からすると、もしコガネテングタケという名前のキノコがあればしっくり来るな、と思って調べたら、本当にありました。

ほとんどの特徴は当てはまりますが、傘に条線はない、とされている点が一致しません。条線があるのはウスキテングタケだと書かれていますが、そちらは柄が白である点が異なります。

コガネテングタケとされている写真を見ると、傘のふちに少し線が入っているのもあります。条線と呼ぶほど彫りが深くないということなのかもしれません。今のところ、コガネテングタケ以外に当てはまる種はないように思えます。

(22)ウラベニガサ科
その近く、森の反対側の出口付近の、ハイキンポウゲ群生地で見つけたキノコ。一見、テングタケ科のようですが…。

傘は5cmくらい、柄は10cmくらい。柄にはツバがなく、一見するとツルタケに近いのですが、傘に条線がありません。傘の色は薄茶色、中央部だけ濃い色です。

ヒダは密で離生、ヒダの色は若干、赤みを帯びているようです。

柄は白く、縦に褐色のかすれ模様が入っています。

柄は縦に裂けやすく中空。この断面の写真でも、ヒダがやや赤いのがわかります。

テングタケ科に似ているけれど、条線がなく、ヒダが赤いということから、ウラベニガサ科だと推測。以前このすぐ近くで見たウラベニガサにも似ていますが、あちらはもっと丈が低く、何より倒木から生えていました。

ウラベニガサ科のシロフクロタケにも似ていますが、もっと大きなキノコのようです。ただ、シロフクロタケは地面から生えるウラベニガサ科ですし、最小サイズが5cmなので、絶対違うとも言いきれません。

(24)白い硬質キノコ?
クマゲラが食痕を残しているトドマツの枯れ木。その根元に、白いキノコの塊が複数生え出てきていました。

近くで見ると、もこもこした白い塊で、露のような水滴がついていました。これはキノコが「木材中の水分を調整して最適な繁殖条件を整える際、過剰な水分を排出している」ものだそうです。

この現象は「溢液」と呼ばれていて、水滴は「分解水」とか「代謝水」とも呼ばれていると書かれていました。「成長水」と呼んでいる人もいました。

溢液現象が見られることから、ツガサルノコシカケ科かその近辺の硬質キノコの幼菌であることは間違いないでしょう。

オシロイタケ、シロアミタケ、オオオシロイタケ、クジラタケは、主に広葉樹生なので、違うと思います。針葉樹に出るのはアオゾメタケで、幼菌時は青くないようです。でも、表面に毛が生えているとされるので違う気がします。

(25)チャミダレアミタケ?
地面に落ちていた何かの枝にたくさん生えていた黒い貝殻のようなキノコ。

大きさは3cmくらい。貝殻型のキノコは珍しくないですが、ここまで黒光りしているのは初めて見ました。カラスガイみたいで美しい。

裏側は大きめの管孔~迷路状のヒダでした。

断面。網目のようなヒダなので、やはり手で裂くと弾力性がありました。

傘が貝殻のようなので、安易にチャカイガラタケやキカイガラタケなどの仲間かと考えましたが、それなら裏側はヒダ、またはヒダ~迷路状のはずです。

あくまで管孔に見えるので、「管孔状~迷路状~ひだ状と変化が多い」とされるチャミダレアミタケのほうが近いでしょう。調べると、形や色の変化が多いらしく、かなり黒い傘の個体もあるようで、よく似ています。

(26)ツルタケ
帰り道に見つけた、典型的なツルタケ。場所は森の奥と林道を結ぶ連絡路。チャーガの生えたシラカバがある付近。おそらく2年前の8月にもツルタケを見た記憶があります。

傘は7cmくらい。褐色で、中央が濃い色。周囲に長い条線があります。

ヒダは白でやや密。柄はほんのり褐色を帯びていて、ツバはなく、すらりと長い。柄の表面に特に粉やささくれはありませんでした。

20日に見た謎の巨大ツルタケは、柄に白い粉やダンダラ模様のようなものがありましたが、やはり無印ツルタケではありえなかったようです。

謎の巨大ツルタケのヒダはギザギザ(鋸歯状)でしたが、このツルタケのヒダは滑らかでした。ルーペで見ても鋸歯があるとは言えないレベル。

ヒダは離生、柄は中空でした。

以上、今回見たキノコたち。まだ7月にも関わらず、大量発生していて、とても楽しめました。写真の整理と分析は大変ですが、新しいキノコとの出会いは嬉しいです。

植物と違って、調べても調べて初めて見る種類ばかり現れるので、いったいどれほど奥が深いのか底が見えません。それでも、去年出会った種などに再会できることも増えてきましたし、少しずつ顔なじみになれています。

2022/07/27水

ついに見たヘイケボタル

この3年間、森の中で何度かホタルを見つけました。でも、どれも昼間なので、光っているホタルを見ることはできませんでした。本州に住んでいた子供のころに観光地で見たことはありますが、それっきりです。

近所の川沿いにいた、という目撃談を聞いたので、一昨年だったか夏に自転車で探しに行ったこともありますが、見つかりませんでした。そもそも、あまり真剣に探していませんでした。

でも今年は、一度真剣に探してみることにしました。

まずホタルカレンダーなるものがあることを知りました。ホタルの見頃はたった1週間程度だと初めて知りました。夏ならいつでも良いのだと思っていました。

今年のホタルカレンダーによると、道北で見られるのは7/21~31くらいの期間でした。一説によると、羽化してからの日ごとの気温の積算で光る日が決まるとされているので、その年の気候によって多少時期が前後するようです。

また光る時間も、20時~21頃と限定的だと知りました。

それで、7/21ごろから、近所の川沿いを車で周ってみましたが、全然見つかりません。真っ暗な林道を真夜中に走るのは、肝試しアトラクションのようでしたが、それだけ森の中の川沿いに行っても気配がまったくありませんでした。

しかし、地元の友人に尋ねたり、SNSで調べたりしてみると、少なくとも2箇所、毎年ホタルが見られる場所があるとわかりました。片方は家からほんの10分なので、試しに行ってみることにしました。

そこは沼のようになっているエリアで、アオコでよどんだ池が点在しています。水の流れが悪いので、ここにはいないだろうとはなから決めつけていました。

ところが、その沼沿いの林道を森の中へ入って車を停め、明かりを消してみると、驚いたことにホタルがたくさん飛びかっていました。その数、少なくとも10羽はいます。

ホタルは淡い明滅を繰り返しながら、すいーっと優雅に右へ左へ移動して、車のまわりをあちこち飛び交っていました。

その後、もう少し手前の駐車場でも、数は少ないながらホタルがいることがわかりました。ここなら車から降りても平気です。地元の友人にも連絡して、しばし一緒にホタルの儚げなショータイムを楽しみました。

折しも空は快晴かつ新月に近い時期だったので、天の川もくっきり見える満天の星空でした。森のそばで見上げる星空はなんと柔らかで温かい輝きを放っているのでしょう。

改めてホタルの光を見ると、星々の光とほぼ同じ大きさと明度だと気づきました。だから、ふと見上げて木々の葉の間にホタルがいると思ったら星だったり、星だと思ったら動き回ったりすることがよくありました。

後で調べてみると、北海道にいる光るホタルはヘイケボタルのようで、本州にいるゲンジボタルより小型で光量が少なく、直線的に飛ぶことがわかりました。確かに今日見たホタルの飛び方は、記憶の中のイメージとは異なっていました。

何よりの違いとして、ゲンジボタルは流水域にいるのに対し、ヘイケボタルは止水域にいるそうです。だから川沿いではなく、池、湿原、水田などを探す必要があったのでした。道理で見つからなかったわけです。

現在は農薬などの関係で、水田にいることはまれと思われるので、池、沼、湿原などが狙い目です。この場所以外に、車で簡単にアクセスできる止水域があるだろうか?と考えてみましたが、まだ思いつきません。

候補がないわけでもないですが、どれも昼間ならともかく、夜に行くのは車でも怖い場所ばかり。ここが一番、お手頃でアクセスしやすい場所でしょうね。

前々から見たいと思っていたホタルをついに見ることができたのは、本当に嬉しい発見でした。来年から楽しみな夏のイベントがひとつ増えました。

ところで、そろそろ晩夏の虫が鳴き始めました。秋を代表するコオロギはまだですが、夜、窓を開けて寝ていると、キリギリスにやスズムシなど色々な虫の声が聞こえるようになりました。気温的には今が一番暑いですが、秋の足音を感じます。

2022/07/29金

最後のヤナギラン採り。オオクワガタも見た

昨日からひどい筋肉痛で、体中が悲鳴を上げています。というのは、7/26に最後のニンニク掘りの重労働をやってのけたからです。

商品にするニンニクはもう掘り終わりましたが、来年以降の種にするニンニクを掘る仕事がまだ残っていました。

これが思った以上の重労働で、今季のニンニク掘りの中で一番大変でした。気温が30℃まで上がったせいもあります。一畝掘るごとにもう限界と感じて、ペットボトル飲料一本を飲み干しては、また気力を振り絞る繰り返しでした。

翌日、ホタルを見に行った日は、ほとんど何事もなかったのですが、木曜の朝になって、全身の筋肉痛に見舞われました。遅筋を使っていたようです。慢性化している両肩の痛みも、かなり悪化してしまい、今日もそのままです。

それでも、今後の天気予報を見ると、明日はなんと32℃予報。明後日以降は予定が入っていることもあり、今日を逃せば森に行く時間が取れません。そこで急遽、28℃の中、キノコ観察に出かけました。

あまり体力を消耗したくなかったので、森の正面から歩いていくのではなく、途中の林道の待避所に停めてショートカット。そこからなら、キノコが発生しやすい2箇所のポイントが目と鼻の先です。

まず行ってみたのはトドマツ・ミズナラ林。そのトドマツの森の中に、見慣れない葉を発見。これはもしかしてエビネラン系の葉っぱでは?

花茎がないので正体不明ですが、場所は覚えておきたいです。個人的メモ : 遊歩道から坂で上がれるようになってすぐ、数本奥のトドマツの根元。

オオヤマサギソウは森のあちこちで咲き始めていました。改めて特徴を調べてみても、側萼片がクリオネの翼足のように広がること、距が下向きに長く伸びること、苞が花より長いことなど、特徴が合っているように見えます。

夏真っ盛りだけあって、森の中の虫の数は相当なもので、常に何十匹ものカやアブにたかられながら移動していました。キノコの写真を撮ろうと手を静止したわずか数秒の隙に、手袋の上から刺されてしまうので厄介でした。

でも、苦労した甲斐が十分にあるといえるほど、キノコをたくさん発見できました。秋のキノコだけでなく、夏のキノコにも詳しくなりたいので、頑張ります。

その後、夕方にヤナギランを採りに行きました。今が花の最盛期でした。もう十分イワンチャイを作りましたし、この暑さなので、今回がラストのつもりです。

背が高く成長して葉も多いので15本だけ撮りましたが、それでも葉の処理は中々大変でした。今季は全部で150本近くのヤナギランを採ったと思いますが、群生地にはまだまだ大量に生えていました。来年以降も採れるといいなと思います。

立ち並ぶヤナギランにガガイモのつるが絡みついていましたが…、

よく見るとその上にエゾマイマイがいました。木登りカタツムリではない地表性のエゾマイマイが高所にいるのは珍しい気がしました。

すぐそばの森のふちでタラノキが数本、花穂を伸ばしていました。

ウドはすでに咲き始めていますが、タラノキはやや遅いようです。ハリギリの花は、今年はまだ見かけていません。去年が豊作だったので、裏年の可能性がありそう。

その近くの歩道にいた謎の虫。小さな角があるので、もしかしたらクワガタ?と思って写真を撮りました。手との比較写真を忘れましたが、5cmくらいでした。

歩道にいてはわたしが踏みそうだったので、うまく誘導して草むらに逃がしてやりました。途中、誤ってひっくり返してしまい、ジタバタさせてしまいましたが、無事やり遂げました。

後で調べると、おそらくオオクワガタのメスだと思います。珍しい種類のようですし、夜行性とあったので、本当に正しいかはわかりません。野生のクワガタなんて見たこともなかったのに、この1ヶ月で2回も見るとは目が慣れてきたのでしょうか。帰り道、道路沿いに咲いていたクサレダマ。在来種でありながら、森の中や自然豊かな場所ではなく、道路脇の外来種が多い場所に普通に咲いている強い植物です。

そのせいで、毎年、じっくり観察することはなく、通りすがりにどこかで見かけるケースばかりですが、硫黄色の鮮やかな花が、夏の折り返し地点を過ぎたことを教えてくれます。

今日のキノコ。ニオイドクツルタケ、ヘビキノコモドキ、チチタケ等

(1)ガンタケ
今回は林道脇に自動車を停めたので、まず最初に、いつもの森の奥のトドマツ・ミズナラ林に直行できました。

その林の端のほぼトドマツ純林で見つけたキノコ。雰囲気からすると、前回さんざん見つけたガンタケでしょう。

大きく開いた傘、あまり尖っていない平たいイボ。赤褐色のグラデーション。

裏側を見ると、ヒダには赤い染みがあり、柄も赤みを帯びていて、ツバより上部にダンダラ模様があります。かなり傷んでいるので、前回25日の頃に生えた老菌と思われます。

(2)ニオイドクツルタケ?
同じトドマツ林に生えていた白いテングタケ科キノコ。少なくとも近辺に5本以上生えていましたが、すべて同じ特徴を持っていました。

いずれも全体が白っぽく、傘は平らに開き、ふちに条線はありません。傘の中央部、ヒダなどはや、や黄色系統の褐色を帯びているようにも見えました。傘の大きさは最大8cm。

どれも立派なジャボのようなツバがあり、ツバより下方の柄にはササクレがあります。生えてくる時は、卵型をしていますが、ツボはありません。

幼菌のほうが傘の褐色みが強いようで、タマゴタケモドキかと思うほど黄色っぽいのもありました。

地面を掘りとるように抜いてみると、根元はツボではなく、球根状に膨らんでいました。

ヒダはやや密で白色。角度によって、ややクリーム色を帯びて見えます。

ヒダのふちを拡大してみると、かすかに鋸歯があるように見えました。単にヒダが傷みつつあった可能性や、いわゆるヒダが粉状と呼ばれるタイプかもしれません。

テングタケ科らしく、ヒダの付き方は離生。

柄には縦の繊維質の模様が入っていて、ツバは少し褐色を帯びていました。柄の内部はちくわのように中空です。