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2022/08/17水
今日のキノコ。イロガワリ,ティラミステングタケ,ミネシメジ等
一昨日に森に行ったばかりで、まだ大量のキノコの写真の整理が終わっていませんでしたが、明日明後日と予定が入っていたので、今のうちにキノコを見に行くことにしました。
この決定のせいで後々苦労するとは知るよしも…、いや、十分予想できていたことですが仕方ない。
気温は26℃と今日も暑い中でしたが、しっかりヨモギの葉を揉んで手袋に入れておいたからか、15日のようなカの猛攻にさらされることはありませんでした。これほどまでに効果があるとは驚き。やはり面倒がらないほうがよい。
よく晴れた日でこもれびも差し込み、森の中の風景は絵画のよう。でもキノコを観察するには、光の反射や葉の影が厄介で、写真映りがよくありませんでした。
(1)アメリカウラベニイロガワリの近縁種
一昨日ほぼスルーした広葉樹林のほうのキノコ群生地をおもに探索。すぐに見つけたのは、この赤いイグチ。
傘は4-5cm程度と、過去に見たオオダイアシベニイグチやバライロウラベニイロガワリなどの赤いイグチに比べればかなり小型でした。もしかすると、これがかの有名な赤い食用キノコ、アメリカウラベニイロガワリでは?と期待が膨らみました。
傘も柄も、黄色、真紅、濃紺という、色の三原色のモザイクからなっていました。おそらく地色は黄色のほうで、その上にびっしり赤い鱗片がついているのではないかと思います。
柄には網目模様や条線はなく、バライロウラベニイロガワリやオオダイアシベニイグチの幼菌の可能性はなくなりました。
管孔の色は黄色で、その上にやはり赤い鱗片のようなものがあります。ルーペでうまく拡大して写真を撮れなかったので詳細は不明ですが、管孔が黄色、孔口が赤色なのかもしれません。
試しに管孔を傷つけてみると、一瞬で真っ黒に近い濃紺に変色しました。
そこからさらに歩いていくと、また同じキノコを発見。傘が小さめでしたが、柄の太さはほぼ同じくらい。
傘は真っ赤で、黄色い部分はありません。もう少し傘が成長すると表面がひび割れて地色が見えてくるのかもしれません。
やはり柄の地色は黄色で、赤い粒点に覆われいて、網目模様などはありませんでした。
わかりにくいものの、隙間から覗くと、やはり管孔は鮮やかな黄色でした。
周囲にはさらに同じ種類と思われるキノコが生えていましたが、十分に観察できる素材は集まったので、摂らずにそっとしておきました。
後で真っ二つに切ってみると、傘と柄の内部の肉は、鮮やかな黄色でしたが、またたく間に青く変色し、数分も経てば真っ黒になってしまいました。その様子は詳しくは動画に記録しました。
断面を拡大してみると、意外にも管孔部分は信じられないほど薄く、1mm程度しかないことがわかりました。他の赤いイグチとは全然違う特徴なので意外でした。また、管孔が柄に垂生していることもわかりました。
ここが最も気になるポイントで、今回採取したキノコは2つともやや垂生だったので偶然ではなさそうです。
アメリカウラベニイロガワリは(Boletus subvelutipes)上生~離生なので、ヒダの付き方が異なっていますし、断面の写真を見てもこれほど管孔が薄くはないようでした。
参考サイトによると、管孔が垂生するのは無印イロガワリ(Boletus pulverulentus)の特徴だそうです。極めて変色性が強いこともイロガワリらしいといえます。
しかし、イロガワリの掲載写真を見ても、これほど管孔が薄いことはありません。
そもそも図鑑によると、イロガワリの傘色は、オリーブ褐色~黒褐色とされていて、赤系統ではなく黄色系統の茶色と思われるので、このキノコほど赤いのはイロガワリらしくありません。
もしかすると、まだ幼菌だったので、これから管孔が膨らんでいくのかもしれません。だとしたら、現時点でやや垂生であることからして、管孔が膨らんだら反転して上生~離生になりそうです。
…と思ったのですが、学名で検索してみると、アメリカウラベニイロガワリはかなり若い幼菌でも、切断面では上生~離生に見えました。しかし、ほぼ直生と書いているサイトもあり、それなら当てはまらないこともない…かも。
それに、図鑑によると、イロガワリの管孔は黄色なのに対し、アメリカウラベニイロガワリは管孔は黄色、孔口は赤褐色とされていたので、やはりアメリカウラベニイロガワリのほうが近い気もします。
しかし、アメリカウラベニイロガワリの根元は黄色の菌糸と覆われるとされているのに対し、今回のキノコは、うまく根元から採取できたほうにも、そうした痕跡はみられません。
他の候補としては、アシベニイグチやウラベニイロガワリもありますが、どちらも柄の網目模様があるはずなので除外するしかありません。
アメリカウラベニイロガワリの仲間には不明種も多いそうなので、これもそうなのかも。いくら食用といっても、これほど特徴が安定せず、似ている猛毒菌もあるキノコは、ちょっと食べるのは無理でしょう。
(2)モリノカレバタケ?
傘にカサヒダタケのようなシワができているキノコを見つけたので、採取して調べてみました。
しかし、残念ながら、おそらく単なるモリノカレバタケのようです。傘のシワのようなものは小さな虫が中で食い荒らした跡だったのかもしれません。
枯れ葉から生えていて、傘は4cmくらい。
カサヒダタケのような傘の中央から規則的に伸びているシワではなく無秩序です。
裏側を見ると、見慣れた白い薄いヒダ、オレンジ色の中空の柄、ということで、モリノカレバタケだろうとみなしました。
(3)カラハツモドキ?
広葉樹林内のトドマツの根元に複数生えていた、環紋のあるベニタケ科キノコ。
非常にはっきりとした環紋で、この時点で候補がしぼられます。ハツタケ、ルリハツタケ、キチチタケ、チョウジチチタケ、ニオイワチチタケ、ウズハツ、カラマツチチタケ、カラハツタケ、キカラハツタケ、カラハツモドキ、キカラハツモドキ、アイバカラハツモドキあたりか。
ヒダは垂生。枯れてしまっているのか、量が少ないのか、乳液はぜんぜん出ませんでした。
こちらは近くに出ていた幼菌。傘に環紋はあれど毛はないので、カラハツタケ、キカラハツタケではなさそう。
色合いと環紋からすると、最も近いのはカラハツモドキ、キカラハツモドキ、アイバカラハツモドキのいずれかでしょう。
ヒダが垂生である点、乳液が少ない点も一致。細かい同定まではできないので、カラハツモドキ?としておきます。
カラハツモドキ系は、いずれも図鑑に載っていないにもかかわらず、(わたしの同定が間違っているのでなければ)、かなり頻繁に見かけるという謎の多いキノコです。
(4)ヒダが疎で柄の細いキノコ
広葉樹林に出ていた謎のキノコ。一見するとアシボソノボリリュウタケのように見える傘の形状ですが、単なる個体差レベルの変形と思われ、裏側は普通のヒダです。
傘の大きさは3cmくらいと小型。色はグレーがかった黄土色。条線はありませんが、ふちにシワが寄っているのが特徴。
ヒダはやや黄色みがかったクリーム色で疎。上生~離生と見せかけて、わずかに湾生。いわゆる上生湾入? とはいえ、このまま傘が開くのだとしたら、テングタケ科のような離生に見えるかもしれません。
柄は傘より薄いクリーム色で中空でした。
まったく候補の見当もつきません。
(5)サマツモドキ?
同じく広葉樹林にいくつか生えていた謎のキノコ。前述のとおり、木漏れ日が不安定で、写真がピンぼけなことも同定を妨げています。
傘はやや赤みを帯びていて、表面に条線はありません。しかし粒状の鱗片があってざらついているようには見えます。
ヒダは傷んでいましたが、おそらく黄色で、ヒダの付き方は湾生、密でした。
柄は色も質感も傘に似ていて、やや赤みを帯びてざらついてように見えました。
そばに生えていた同種と思われるキノコたち。
色と質感はサマツモドキに近いのですが、材上ではなく地面から生えていたので違うと考えました。
しかし、改めて調べてみると、針葉樹の埋もれた朽木からも生えるとあります。
広葉樹林と書いたものの、この場所は正確にはトドマツなどの針葉樹も混じって生えていて、写真にも針葉樹の落ち葉がたくさん写っています。そう考えると、埋もれ木から生えたサマツモドキだったのかもしれません。
(6)ティラミステングタケ(マクツバコナカブリテングタケ)
同じ広葉樹林の中で見つけた極めて美しいキノコ。近場同士に3本ずつ群生しているのが2箇所あり、合計6本、幼菌から成菌までもれなく観察できました。
何が美しいかというと、成菌の傘から垂れ下がったこの膜質のツバのようなもの。ドレスのすそのようにも見え、未だ見たことのないキヌガサタケを思い起こさせました。
緑豊かな森を背景にあまりに絵になるので、少しずつ角度を変えて三枚。
傘は黒褐色で、周辺部は細かくひび割れていて、白い地色が見え、モザイク模様のようになっています。
傘のサイズは11cmくらい。
傘のふちには条線のように放射状に黒褐色のイボが付着しています。
絵は太く、地色は白で、表面に褐色の繊維をまとっていて、内部は中実。
ヒダは白色で密、上生~離生、ふちは粉状。
柄の上部には白いクリームのような独特のツバがあり、そのねっとりした質感から、傘の外周部に垂れ下がっていた膜と同じものだとわかります。
すぐそばに出ていたもう少し若い個体たち。根元がボールのように球根状に膨らんでいて、ごま団子のようにイボイボで覆われていました。
さらに若い個体たち。根元の球根状の部分は非常に立派で、(実物を見たことはないですが)タマシロオニタケを思い起こさせます。根元が玉のように膨らむことが名前の由来になったキノコです。
さて、そんな数々の興味深い特徴をもつこのキノコは何者なのか。ヘビキノコモドキにやや似ている傘ですが、白い膜や粉で覆われている点が違います。調べてみると、コナカブリテングタケが近いことがわかりました。
コナカブリテングタケを画像検索すると個体差が非常に大きく、粉やイボの残存の程度で見た目が大きく変わるので、これもコナカブリテングタケで間違いないだろうと思いました。
しかし、調べているうちに、マクツバコナカブリテングタケ、通称ティラミステングタケという新種があることがわかり、名前どおり、膜質のツバが特徴的な種類なので、ぴったり当てはまることがわかります。
ティラミスを食べたことがないので、通称ティラミステングタケと言われてもピンときませんが、白い膜質のツバの質感が生クリームみたいなのは確かです。何より覚えやすいのはいいことです。
決して珍しい種類ではないそうで、各地から発見報告が挙がっているそうです。道北の果てにも出るということは、かなり普遍的なのでしょう。
(7)キハダチチタケ?
傘に不明瞭な環紋があり、傘がとても強くぬめっていたベニタケ科キノコ。
傘のサイズは5cmくらい。傘色はオレンジ色がかった褐色。柄はもっと薄いクリーム色。
ヒダは白~クリーム色でやや密、直生。ヒダが垂生でない点から、(3)のカラハツモドキの仲間でないことはわかります。
柄の内部は中空。
傘の環紋と強いぬめりから、ヌメリアカチチタケかと思ったのですが、乳液が出なかった点が違いますし、ヒダの付き方、柄の色も異なっています。ヌメリアカチチタケなら乳液の量が多いそうなので、必ず気づくでしょう。
乳液がなさそうに見えた以上、乳液が少量しか出ない種類ではないかと思いますが、それらしいものが見つかりませんでした。
(追記 : 傘色がくすんだような紫みのある褐色、ぬめりがあり、明瞭な環紋があるという特徴は、キハダチチタケと似ているようです。しかしキハダチチタケも乳液は出るそうなので、本当にそうかは不明です)
(8)カラハツモドキの仲間?
そこからしばらく歩いた場所に群生していたキノコ。傘は赤みを帯びていて不明瞭な環紋があり、サイズは大きいほうで7cmくらい。素手で触ると傘も柄も非常に強いぬめりがありました。
ヒダは直生、傘より薄いクリーム色で、乳液は確認できず。柄はヒダとほぼ同色で中空。
(7)のキノコとは少し離れた場所で見つけたのですが、特徴がほぼ同じなので、同種のキノコかもしれません。この若そうな個体でも乳液が出なかったことからすると、乳液が少ないというより全く出ない種類かもしれません。
もし同じキノコだとしたら、乳液が出ないということになるので、(7)のキノコはキハダチチタケではないということになります。
しかし、こちらのキノコは傘色がより橙色に近く、カラハツモドキの仲間っぽさも感じられます。
カラハツモドキならヒダが垂生であるはずなので、特徴が食い違っているのですが、ネットで写真を見る限り個体差の範疇の可能性もあります。乳液がわからなかった点も考慮するとアイバカラハツモドキが近いかもしれません。
(9)ミネシメジ?
やはり広葉樹林に生えていた黄土色の傘をもつシメジ系のキノコ。
傘の大きさは7cmくらい。傘の中央は黒っぽくやや尖っている個体もあれば、平坦に開いて、わずかに黒い鱗片が中央についているように見えるものもありました。
傘色に反して、ヒダは白。もしアイシメジならヒダの周囲がリング状に黄色く色づいているはずなので、このキノコはアイシメジではありません。
柄は地色はクリーム色ですが、部分的に黄色みが濃くなっています。拡大してみると、縦に条線が入っているようです。
断面をみると、ヒダは上生…に見えますが、拡大してみると、おそらく湾生のようです。
傘が黄色いシメジの仲間には、キシメジ、シモコシ、ニオイキシメジ、カラキシメジ、ハエトリシメジ、アイシメジ、ミネシメジなどがあります。
しかし、このうち、キシメジ、シモコシ、ニオイキシメジ、カラキシメジはヒダも黄色であるという特徴があるため、除外できます。すでに書いたようにアイシメジもヒダの一部が黄色くなるので除外できます。
残る2種であるミネシメジとハエトリシメジは互いによく似ていますが、ハエトリシメジは傘の中央部が突出するのが特徴で、老菌になって平らに開いても中央部の突出は変わらないそうです。
今回のキノコは、横から見た写真で、どう見ても中央の突出は確認できないので、ハエトリシメジの可能性はないでしょう。
ということで消去法でミネシメジとなります。ミネシメジの傘色はオリーブ色~灰褐色で変化に富むそうで、画像検索すれば、たまに黄色みが強いものもあるので、一応、今回のキノコのような色も個体差の範疇と思われます。
ただし、他にも私が知らないだけで、似たキノコがある可能性もあるので、確定的ではありません。
(10)傘がオレンジ色でヒダが黄色いキノコ
やはり広葉樹林に生えていた、傘に条線がなく、裏側のヒダが黄色いキノコ。
傘は5cmくらいで、平らに開いていて、オレンジ色の褐色。条線や鱗片はなし。
柄は茶色で基部は白く、中空、縦に繊維あり。
ヒダは鮮やかな黄色で、湾生、密。
さて、このキノコは何だろう? ヒダが明らかに黄色いキノコは珍しいので、それだけで種類が絞れそうなものです。
キシメジやシモコシの仲間は、傘の色からして違う、と言いたいところですが、ニオイキシメジの写真が妙に似ているような。傘の形の雰囲気、ヒダの色と付き方などそっくり、違うのは傘の色のみ。
案外、黄色いヒダをもつキシメジ科の代表種のうちの何かなのでしょうか。もし傘の色に幅がある種類があればそれかもしれません。
(11)ススケヤマドリタケ?
今日はショートカットできる位置に車を停めていたので、チチタケが出ていないか期待して、トドマツ・ミズナラ林のほうも軽く回ってみました。結論から言うと、ベニタケ科のキノコとドクツルタケ以外は、特になさそうでした。
その中で、唯一、特筆に値すると思えたキノコがこれです。
傘は茶色で8cmくらい。前に大型ニガイグチの群生を見つけた場所に生えていたので、てっきり同じ種類だと思いましたが、
横から見ると、柄の下方まで網目で覆われているように見えました。例の大型ニガイグチは網目が頂部のみか、あっても中部より上までだったので、違うキノコだと確信。
抜いてみると、予想どおり、まず管孔の色からして違いました。ニガイグチの管孔は白~ピンクでしたが、これは黄色なので、ポルチーニの仲間に近い可能性があります。管孔も離生ではなく、ほぼ直生。
裂いても管孔と肉の変色性はなし。
柄は上部にはやや白っぽい網目模様があり、下部にも柄と同じ色の隆起した網目がありました。
以上の特徴から、これは一昨日、森の入り口あたりで採取したススケヤマドリタケでは?と推測。一昨日のススケヤマドリタケは管孔が白でしたが、あれは菌糸にまだ覆われていたからで、本来の色は黄色だそうです。
また、管孔も若いうちは直生~上生だと書かれていたので、このキノコの特徴と一致しています。
今回のキノコは残念ながらもう肉に虫が入っていたため、持って帰ってきませんでしたが、この森でもススケヤマドリタケが採れるのかもしれません。もっとも、本当にススケヤマドリタケだったのか一昨日のを味見してからの話ですが。
2022/08/19金
ジャガイモの実、道路に飛び出してきたウサギ
今日は畑でニンニクの根っこ切りと、ジャガイモ堀り。ジャガイモの実がたくさんなっていたので、一粒どんなものか中を見てみました。
トマトと同じナス科だけあって、実の形はほぼ緑色のプチトマト。
中身は意外とジューシーで果物っぽい。トマトの仲間だと思えばそれも当然でしょうか。
英語のwikiに項目がありましたが、大量のソラニンを含むので食用に適さないとありました。広い世界のどこかにはこれを使ったレシピがあるのではとちょっと期待したのですが、英語で見つからないなら駄目かも。
「気候が十分に涼しく、花が受粉して成長するのに十分な雨が降る場合」に実がなるそうなので、じつはちょっとレアだったりして。
帰り道は、意外なことに、2度も別々の場所でエゾユキウサギが道路に飛び出してきました。右の茂みに入ったと思ったら、すぐ飛び出してきて反対側にいったりを繰り返し、おろおろしているように見えました。
幸い、わたしはゆっくり走る人なので、ウサギたちに危険が及ぶことはなく、慌てて右往左往している姿が可愛らしいだけでした。
2022/08/21日
ここ最近の困った体調不良について
去年の8月の日記を見て愕然としました。去年はあれほどの猛暑だったのにねわたしは今年よりずっと元気で、あちこち遊びに行っていたようです。少なくとも毎日欠かさず日記を書くに足る内容と、書く元気がありました。
それに比べて、今年は数日に一度、キノコの観察記録を書いているだけです。コロナ禍の制限が解除されて、色々忙しくなってしまったこと、そして体のあちこちに不調が頻発していることが原因です。
・両肩(二の腕)の痛み
4月初頭に痛めたのが全然治りません。ようやく左肩が治りかけ、あとは右肩が治れば元通りか、と回復が見えてきた矢先、8/19の作業の後、左腕の痛みが再発してしまい、今日は腕を上げることもままなりません。
まだ治りきっていない右腕のほうが症状がずっと軽いと思えるほど、左腕の再発は深刻でした。4月初頭の痛みに近いので、回復が本当に遠のきました。今週の畑仕事をどうしたらいいのだろう…。だましだましならやれるかもしれませんが、それでいいのか。
・脊椎の痛み
ニンニク掘りの重労働の後、脊椎の一部がひどく痛むようになりました。あまりに痛くて横になって回復に努めるしかない日もありました。
少し休むと回復するので、これもだましだまし付き合うことはできていますが、嫌な感じの痛みなので、なにか困ったことになっていないか心配です。今は前屈、後屈で痛み、特に腰をそらすと強く痛みます。
足のしびれなどはないので、ヘルニアではないはずですが、腰椎すべり症あたりは怪しいかもしれません。
試してみたかったエアウィーヴのマットレスが数日前に届きましたが、現時点ですでに、負担の軽減に役立っている感触があります。しかし、次項にアレルギー症状が急にひどくなってきたので、別の理由でぐっすり眠れません。
・アレルギー
ここ数日、特にひどくなっているアレルギー。原因がまったく不明で、手、足、頭などに湿疹が増えてかゆみが強かったり、鼻がつまりすぎたりして、寝られない日がちらほら出てきました。
空気清浄機、防ダニ布団など対策を色々しているにも関わらず非常にひどいので、いったい何が原因なのか困っています。毎年、草刈りが増える夏場は調子が悪いですが、ここまでひどいのは引っ越してこのかた経験したことがありません。
目下のところ、昔、睡眠外来で処方されていた第一世代の抗ヒスタミン薬レスタミンを薬局で買ってきて寝る前に服用しようかと考えています。湿疹のほうは、貨幣状湿疹の治療で処方された薬が残っているのでこまめに塗布します。
いずれの症状も治らないうちに次の症状が現れるのを繰り返していて、よくないループに入っています。何が原因なのか、どうやって治療すればいいのかもわからない。
病院に行くべきなのかもしれないけれど、これまでさんざん病院に行っても意味がないという経験を繰り返してきているし、コロナ禍なので、歯医者など最低限の通院以外はできれば行きたくありません。
もし都会で、慢性疲労症候群の主治医のところに通い続けていれば、もっと気軽にこうしたことも相談できたのかな、と思う時もあります。でも都会に住んでいたら、コロナ禍でもっと大変だったでしょうから、過去の選択に間違いはなかったはず。
今ないものをねだるより、今あるリソースを最大限に使って、工夫して乗り切ることを目指したいです。これまでもそうしてきたのだから。
2022/08/22月
森の様子。キツリフネ,シラネワラビ,様々な実など
予報では気温が32度まで上がるとなっていましたが、28℃がピークのようだったので森歩きに出かけました。ほぼ一週間ぶりだったので、ショートカットは使わず、正面から普通のルートで森全体の様子を見て回りました。
(1)ゲンノショウコ
森の入り口ではゲンノショウコが咲き始めていました。花期の長い花なので、もう少し涼しくなるのを待ってから、胃薬として採取しておきたいところです。
(2)ウシハコベ
毎年この時期に森の入り口周辺で咲く大きめのハコベ。ハコベは普通0.5mmとかの極小の花ですが、これは1cm以上あって大きい。
接写写真を撮ってみたら、やはり花柱が5個に分かれていました。これはウシハコベの特徴。他のハコベは花柱が3つ。
上のほうの葉は柄がありませんが、下のほうの葉っぱは卵型で、柄がついていました。
(3)スモモの実
そろそろ森のあちこちにるスモモの実が落ちている時期になりました。見上げてみると、まだ青い実がたわわに実っていました。自宅にスモモの木がある場合は、今ごろの時期に採って塩漬けなどに加工するそうです。
(4)オニグルミの実
オニグルミの実もそろそろあちこちに落ちているようになりました。オニグルミの葉は8月中旬くらいから黄葉が始まっているので、もう中の実はしっかり熟したのでしょう。9月初頭くらいに房を採ってきたいと思っています。
(5)ムカゴイラクサ
ムカゴイラクサの地味な花が満開。上に伸びる雄花、下にぶら下がる雌花、そして葉の付け根のムカゴが一堂に会した様子。
(6)キツリフネ
秋の花としての印象が強いキツリフネの第一号が咲き始めていました。まだつぼみしかついていない株もあったので、紛れもなく咲き始めの段階です。
(7)アキノキリンソウ
先週あたりから咲いているのが目につくようになったアキノキリンソウ。道端では近縁の外来種アワダチソウもよく咲いているのを見かけます。
(8)ウマノミツバに何かの虫の卵
ウマノミツバの葉についていた白い卵のようなもの。ちょっと気持ち悪かったですが、珍しいので撮ってみました。調べてみると、コマユバチの仲間の繭らしい?
(10)ミズナラのドングリ
キノコ観察していたミズナラ林に落ちていたドングリ。まだ茶色くなっていませんが、大量に落ちていました。熟する前に落ちるものなのでしょうか。
(11)シラネワラビ
キノコ観察していたトドマツ・ミズナラ林に生えていたシダ。形からして、もしかするとシラネワラビ?と直感。どこにでもある普通のシダらしいのに、地元で発見したのはこれが初だった気がします。
裂片にノギがあるので、形がやや似ているホソバナライシダを除外できます。
裏面に袋状の鱗片もないので、やはり形が少し似ているオクヤマシダも除外。ということで、シラネワラビと同定してよさそうです。
(12)ツバメオモトの実
最後に、ニガイグチモドキなどが群生していた茂みの奥に、倒れているツバメオモトの株を発見。実がとても美しい紺色に輝いていました。
今日のキノコ1。ウスムラサキ? クリタケモドキ?等
(1)ビロードベニヒダタケ?
落枝から生えていた材上生の小さなキノコ。
8/15(10)で見た、シラカバの落枝から生えていた謎のキノコと同じ種類と思われます。しかし、今回はシラカバの落枝ではないので別個体です。
暗くて見づらいですが、傘は3cmくらい。色は前回見たのと同じ灰褐色。傘のふちには非常に薄い短い条線。
撮った写真は全部、明るさやコントラストの編集をしているのですが、わたしが明るさ過敏だからか、どうも暗くしすぎていまいます。
ヒダはピンク色を帯びていて、離生~隔生に見えますが、よく見ると湾生のようななっている箇所もありました。
柄は傘と同じ灰褐色で、ねじれた縦の条線があり、たぶん中実?
ヒダの色がピンク色を帯びていたのは前回もそうだったので、このキノコの重要な特色のようです。おそらくウラベニガサ科かイッポンシメジ科。
傘色はウラベニガサに似ていますが、ウラベニガサは通常5cm以上なので、前回も今回も小型すぎます。
ウラベニガサ科のベニヒダタケはより小型ですが、傘が黄色。もし、傘が黄色でない種類があるとしたら、かなり似ているのでは?と思って調べてみると、以前も悩まされたビロードベニヒダタケが出てきました。
ビロードベニヒダタケは7/29(4)でも候補に挙がったキノコでしたが、色合いはやや異なっていました。とはいえ、傘の色には個体差があるようで、前回8/15の写真によく似た写真もありました。
そもそも日本に分布していないらしいキノコなので、それをこんなに頻繁に見かけるのは奇妙なので、別の種類の可能性が十分にありますが、今のところはビロードベニヒダタケ?と同定しておきます。
(2)イヌセンボンタケ
イヌセンボンタケのその後の様子。ひとつひとつの傘は1cmほどになり、おそらく最大サイズまで成長。
触ると非常にもろく、裏側のヒダは赤茶色、ヒダの付き方は上生~離生のようでした。この著しいもろさも、イヌセンボンタケを含むナヨタケ科のキノコの特徴だそうです。
(3)不明瞭な環紋があり乳液が褐変するチチタケ属
かなり進んで、奥のいつもキノコを観察しているミズナラ・トドマツ林に到達してから見つけたチチタケ属のキノコ。
傘は橙色で、サイズは6cmくらい。薄い環紋があり、傘のふちには条線はありません。
ヒダは肌色で密。柄も傘より薄い肌色で中空。
この大きいほうのキノコはもう乳液が出ず、乾いていました。しかし、そばにあった小さな幼菌は、傘の環紋もより明瞭で、ヒダからごくわずかながら乳液が出てきました。乳液は白色→褐色に、ゆっくりと変色するようでした。
傘に不明瞭な環紋があって、乳液に変色性のある橙色のチチタケ属、という条件で図鑑を探してみたのですが、いつものことながら正体不明に終わってしまいました。
(4)ウラムラサキ?
その近くの崩壊した壁面に生えていた紫色の鮮やかなキノコ。
傘の大きさは2cmくらいと小型。柄とヒダを含め、全体が薄紫色です。
傘の反り返り方に特徴があり、杯型に反っているのもあれば、ドーム型にかぶさっているのもありました。カヤタケ属にありそうな雰囲気。
しかし、ヒダが柄に長く垂生しているかというとそうでもなく、断面を見る限り、少し垂生している程度に見えました。やたらと曲がりくねった小さいキノコなので、形状の判別が難しいです。
柄の内部は、茶色い粉のようなものが詰まっていて中空でした。
紫色のキノコといえば、ムラサキシメジ、ウスムラサキシメジ、ウスムラサキフウセンタケ、ウスフジフウセンタケなど色々ありますが、いずれも、もっとがっしりとしたキノコだと記憶しています。
柄が長いなよっとした紫色のキノコだと、ウスムラサキアセタケがありましたが、傘の形状やヒダの付き方が違います。
ではなんだろう?と調べていたら、ウラムラサキという名のキノコがあるのを知りました。まるで植物かチョウのような名前で紛らわしい。
ウラムラサキ(Laccaria amethystina)は、キツネタケの紫色バージョンのキノコで、キツネタケだと思えば、この無秩序な傘の形や、柄の弱々しさも納得がいきます。学名で画像検索すると確かに似ているので可能性が高そうです。
(5)クリタケモドキ?
去年ムキタケを採った倒木に今年も生えてきたニガクリタケと思われたキノコ。
ヒダはほぼ直生(正確には湾生~上生らしい)で密、やや紫色を帯びていて、柄は橙色で、細く中空でした。
一応、確かめておくかと思ってきれいそうなのを噛んでみましたが、あまり苦味が分からず。噛み方が足りない?と思って強く噛むと、かけらが口の中でちぎれてしまい、飲み込んでしまわないかヒヤヒヤして吐き出しました。
苦かったように感じましたが、焦っていたので、思い込みだったかもしれません。毒見する時に飲み込んでしまう危険があるとは思わず、今後気をつけたいと思いました。
もし苦くなかったとしたら、クリタケモドキやニガクリタケモドキの可能性もあるのですが、しっかり味見してまで確かめようという気になれない…。
改めて見ると、傘の色も、ヒダの色も、ニガクリタケにしては黄色みが薄いような気もします。
傘は周辺部が紫色っぽく見えていて、図鑑ではクリタケモドキの外見に近いです。クリタケモドキは傘の周辺が淡色になるという特徴があります。
ヒダは少しだけ黄色がかっていますが、ニガクリタケのヒダはオリーブ色→紫褐色なのに対し、クリタケモドキは黄白色→肉色→紫褐色とされていて、ニガクリタケは黄色みが濃く、クリタケモドキは黄色みが薄いことがわかります。
他に、ニガクリタケは束生しないという特徴もあり、根元まで確認していたら、多少は手がかりが得られたかもしれません。
確定はできませんが、かじってみて瞬時に苦さを感じなかったこともあり、クリタケモドキかもしれない、としておきます。
ニガクリタケモドキのほうは、手持ちの北海道のキノコ図鑑2種に載っていませんし、ネットで調べても情報が少なく、よくわからなかったので、今回は検討していません。
(6)アケボノドクツルタケ?
いつものドクツルタケ地帯に生えていた、テングタケ科のキノコ。一見すると傘が赤みを帯びたアケボノドクツルタケかと思ったのですが、なんとなく色味が違うことに違和感。
根元を掘り返してみると、立派なタマゴタケ型のツボを持っていました。
傘の色は、アケボノドクツルタケのように白地に赤みを帯びているというより、全体に薄く褐色みを帯びていて、中央が特に濃いと言った感じ。
柄にはドクツルタケのようなササクレは見当たりません。代わりに、成長とともに裂けたと思われる柄の表面が、タコさんウインナーのように反り返っているという独特の形状。
傘のふちには条線は見当たらず、ヒダはまだ内被膜に覆われていて、これからそれが剥がれて、ツバが形成されるようでした。
色合いとしてはミヤマタマゴタケに近いのですが、傘の周囲に条線がないように見えるので、おそらく違います。
似た色合いで条線がないのは、タマゴテングタケやコテングタケモドキがありますが、傘の質感やツボの形など、他の特徴があまり似ていません。
となると、生えていた場所的にも、やっぱりアケボノドクツルタケか? アケボノドクツルタケなら無印ほど柄のササクレが強くないですし、画像検索してみると、それなりに似ているようにも見えました。
(7)タマゴタケモドキ
その近くに生えていたタマゴタケモドキ。真っ黄色の傘に、条線はなしというわかりやすい出で立ち。
(8)フチドリベニヒダタケ
8/15(20)でフチドリベニヒダタケ?らしきキノコを見つけたあたりに、また同じのが生えていました。明らかに同じキノコだとわかるので、採取せずに観察しました
材上生のキノコのはずですが、やっぱり地面から生えていたのが謎。腐朽木が埋まっているのかもしれませんが、かるく落ち葉をよけた程度では見つかりませんでした。
傘は赤褐色で、細かい黒いシワが中央から血管のように伸びています。
横から見たところ。前回見たのと同じように、柄には細かい粒点。
引っこ抜かなかったのでヒダの観察は難しかったですが、かろうじて写った感じでは、ヒダは白ではなく焦げ茶色に見えます。白っぽいヒダが黒く縁取られてるためでしょう。
(9)アケボノドクツルタケ
トドマツ・ミズナラ林を後にして、広葉樹林地帯のほうへ。おそらく8/15(24)と同じあたりの場所に、典型的なアケボノドクツルタケが発生していました。
(10)ワサビタケ
広葉樹林地帯の倒木から生えていた極小キノコ。チヂレタケかもしれない、と思いましたが、ヒダを観察すると連絡脈があったのでワサビタケでした。
(11)ミネシメジ?
広葉樹林の林道上に生えていた、やや黄土色を帯びたキノコ。
傘は5cmくらいで、黄土色の地に黒いかすれ模様が入っていて、光沢があります。
傘のふちのほうを拡大すると、細かい黒い鱗片が付着しているようにも見えます。
柄はクリーム色で、やや縦にささくれています。
ヒダは白で、やや密、形はかなり不揃いに見え、柄に対して湾生でした。
あまり自信がありませんが、最も特徴が似ているのはミネシメジです。中央が尖っていないのでネズミシメジではなく、ヒダの周囲が黄色くないのでアイシメジでもなく、晩秋ではないのでシモフリシメジでもありません。
一般にミネシメジは傘の中心付近に黒い鱗片が多いとされるのが今回観察したキノコと矛盾する点ですが、より傘が成長して開けば、2枚めの写真のように、中心付近のみ黒く、周辺部は黄土色になっていくのかもしれません。
また、ミネシメジは傷つくとピンクみを帯びた褐色に変色するという特徴があるそうで、上の写真で根元がピンク色を帯びているのは採取した時に傷ついたせいかもしれません。
(12)クサウラベニタケ
テカテカした光沢のある薄い黄土色の傘、波打つふち、ピンク色のヒダという、かなり分かりやすいクサウラベニタケ。サイズは8cm程度と最大級で見応えがありました。
ヒダはピンク色で、やや密。
ヒダの付き方は、一見わかりにくいものの、ヒダを取り除いた部分の柄に垂生の痕跡が残っていることから湾生。ヒダのふちがやたらと不規則で山あり谷ありに曲がりくねっていることも本種の特徴だそうです。
広葉樹林地帯ではもっと色々なキノコがあるかと思っていましたが、意外にも、ほとんど見当たりませんでした。
まとまった雨の後なのに全然出ていないのは不思議ですが、去年も雨の後だから出ていると思ってもハナイグチが全然なかったり、雨の直後に大量発生していたり法則がつかめなかったので、そういうものなのかもしれません。
今日はあまりキノコがなかったな、と思って、そのまま林道を通って帰ろうとしたら、この後イグチ科のキノコを大量に発見することになりました。次の副見出しへ続く。
(13)ガンタケ?
最後に公園に寄った時に発見したキノコ。この公園には秋になると大量にテングタケが発生するので、これもその一つと思われました。
しかし、裏返してみると、妙に赤みが強かったので、ガンタケかもしれないと思いました。傘の表面の様子も、wikiに載っている写真とよく似ています。ここでテングタケが大量発生するのはもう少し秋も深まってからなので、今ごろ散発的に出るのはガンタケだとしても不思議ではありません。
興味深ったのは、傘が開いているにも関わらず、なぜかヒダを覆っている内被膜が剥がれておらず、ツバが形成されていなかった点。普通はもっと早くにツバが形成されるので、かなり不可解です。
内被膜はすでに柄と分離してしまっているので、このままツバが形成されずに、ヒダが覆われて胞子を飛ばせないまま朽ちてしまいそうです。
どうしてツバが形成されないのか謎ですが、内被膜の内側のヒダを見ると、傷ついた箇所が褐色みを帯びているのは、ガンタケらしい点かなと思いました。
今日のキノコ2。謎イグチたち。そしてアカヤマドリを食べた
(14)ウツロイイグチ?
トドマツ・ミズナラ林の端のほう、先日ハナホウキタケを見つけたあたりの木の根元で見つけたイグチの仲間。すぐ近くの木を見上げると、エゾヤマザクラとイタヤカエデのように見えました。つまり広葉樹林生キノコ。
ハナイグチを思わせるどら焼きのようなのっぺりした傘。
裏側の管孔は薄い黄色。卵色といっても良いかも。
柄は茶色で網目模様はなし。柄全体に縦にかすれ模様があり、柄の上部と根元だけが顕著に白くなっています。これはウツロイイグチの特徴か?
管孔は変色性があり、卵色から茶色に変色。
断面の肉は傷んでいるために茶色っぽくなっているところもありましたが、基本的には白く変色性はないようでした。
管孔の付き方は、とてもはっきりとした離生。断面も黄色で、傷つくと濃い色に変色しました。
8/15(21)で見たウツロイイグチとはかなり色味が違って見えますが、柄だけはよく似ており、茶色で網目がなく、上部と根元が白いという特徴は、ウツロイイグチらしいといえます。
管孔を傷つけると茶色になり、肉は傷つけても変色しない、という点もウツロイイグチと一致する特徴です。
傘と管孔の色はかなり異なっていますが、これこそがウツロイイグチと名付けられたゆえんらしく、若菌と老菌とで、色味がかなり変化するそうです。
具体的には、
傘は帯赤褐色・暗褐色→帯黄褐色、つまり若い頃は、黒や赤みがかった褐色の傘で、老菌になると、黄色がかった褐色の傘になる。(傘色は薄くなっていく)
管孔は肌色→橙褐色。つまり若い頃は色が薄く、老菌になるにつれて橙色が濃くなる。(管孔の色は濃くなっていく)
と変化するようです。前回のウツロイイグチは比較的若く、今回のウツロイイグチは老菌だと考えれば、色の変化にぴったり当てはまっています。
成長とともに傘色が薄くなり、管孔の色が濃くなるというのは、同じイグチの仲間のシロヌメリイグチと同じなので、セットで覚えておきたいと思いました。
(15)コガネヤマドリ
トドマツ林で見つけたいつものコガネヤマドリ。傘は橙色、管孔は黄金色で、柄の上部にごくわずかながら網目を確認。
(16)コビチャニガイグチ?
広葉樹林のキノコ地帯からの帰り道の林道で、草むらの中に生えていた巨大イグチ。今日見つけたイグチの中では、アカヤマドリに次いで大きく、12cmくらいありました。
傘色はやや黄土色がかった茶色で、ふっくらした黒糖パンのよう。角度によっては、やや緑がかっているようにも見える不思議な色で、目を引き付けます。他のキノコだとミネシメジなどに似ている色合い。
管孔クリーム色で、ところどころ褐色に変色していました。
ということは、傷けると褐色になるのかと思いきや、薄めの赤紫色に変色。しかし、時間が経つと、褐色みが強くなって、他の染みと似たような色になりました。
柄は褐色で、頂部にのみ細かい網目模様があり、その下は不完全な網目模様、または縦線になっていました。
断面の肉は白で変色性なし。
管孔は上生。孔口はクリーム色だったのに、管孔の断面は薄いピンク色で、ニガイグチの仲間らしい雰囲気を醸し出していました。この孔口と管孔の色みが違うというのは重要な手がかりかもしれません。
傘の色が特徴的だったので、それを頼りに調べたところ、当初はコビチャニガイグチが一番近いようでした。黄色や緑色がかった茶色を媚茶色というそうです。
しかし、コビチャニガイグチは柄にまったく網目模様がなく、断面の管孔の色がピンクではなく、孔口と同色の薄い黄色のようだったので、どうも違うようです。
他に似た色合いのキノコとしては、ミドリニガイグチ(柄の上部が赤い)、オクヤマニガイグチ(管孔も変色しない)、クリイロニガイグチ(管孔が薄いピンク色、変色しない)、フモトニガイグチ(管孔が薄いピンク)、クリイロイグチモドキ(傘が微毛状)、などが出てきましたが、どれも特徴が食い違っていました。
今のところ、最も食い違った特徴が少ないのがコビチャニガイグチなのですが、もっとしっくりくる種類があるのではないかと思います。
(17)ニガイグチモドキ
さらに進むと、ジンヨウイチヤクソウが生えているあたりにうねうねと大量発生していたキノコ、下の写真の管孔が見えているのは抜きとったわけではなく最初から横向きに生えていました。
傘色はくすんだ黄土色~灰褐色。ビロード状なので、見る角度によってやや色味が変わります。
なんと管孔は美しい紫色! こんなイグチを見つけたのは初めてだったので嬉しくなりました。柄も赤紫色で、なかなか美しいキノコです。
管孔は傷つけても変色性はありませんでした。
紫色のイグチというと、とても美味とされるムラサキヤマドリタケを思い出しますが、あちらは柄がびっしり網目に覆われているので違うものだとわかりました。
このキノコは柄に網目がないように見えるのですが、柄の頂部をよく見ると、ごくわずかに、本当に微妙に網目が現れていました。しかし、これほど微妙なら、網目なしとみなしてもいいかも。
断面。驚いたことに、これほど紫色が鮮やかな孔口なのに、管孔はほとんど白で、前項と同じくこれも孔口と管孔の色が違うイグチだとわかりました。
孔口が紫色のイグチを調べたところ、わりとすぐにニガイグチモドキだと判明しました。管孔と孔口の色が違うのが特徴で、変色性はなく、柄の頂部に細かい網目があると解説されていたので、間違いありません。
とても美しいキノコだったのでレアなキノコかと期待したのですが、大量に生えるありふれたイグチで、しかも凄まじく苦いとのことで、少しがっかりしました。でも美しいキノコが頻繁に見られるのはいいことかも。
(18)ニガイグチモドキ
そこからもう少し進んだところに群生していたイグチ。管孔の色が、さっきのニガイグチモドキの鮮やかな紫色と比べると、もっと薄い紫色だったので、別の種類かと思ったのですが、普通に同種だったようです。
傘色がかなり濃い焦げ茶色で、ススケヤマドリタケなどを期待させる色合い。ネット上の大半のニガイグチモドキの写真の傘色よりかなり濃いのですが、若い時は傘色が濃いようです。
孔口の色は薄めの紫色。これも孔口は初め白でしだいに紫色に縁取られるとあったので、おそらく成長とともに濃い紫色に変色していくようです。つまるところ、ウツロイイグチと同じパターンで傘と管孔の色が変わるといえます。
管孔に変色性はなし。なんだか写真だと褐変しているようにも見えてしまいますが、へこんだ場所が影になっているだけかと思います。
やはり柄の頂部に、非常に薄い目立たない網目模様あり。
断面。肉は白色で変色性なし。孔口は薄紫色でしたが、管孔はやはり、ほぼ白といってよく、孔口と管孔の色の違いが観察できました。よってこのキノコも、おそらくニガイグチモドキで合ってるでしょう。
(19)隆起した網目が上部にだけある薄茶色のイグチ
もう少し進んで、出口付近にうじゃうじゃと群生していた、薄茶色の傘のイグチ。大きさも色合いもさっきのニガイグチモドキに似ていたので、これも同種かと思ったのですが…。
管孔は紫色ではなく薄茶色。(白い部分はカビているようです)
傷つけると少し濃い茶色に変色しました。
傘、柄、管孔がいずれもほぼ同じような薄茶色をしているのも特徴かもしれません。興味深いのは、柄の上部にのみ、隆起した粗い網目模様があったこと。
そして断面。肉はほぼ白で、ところどころ赤みを帯びていますが傷んでいるだけかもしれません。変色性はなし。
管孔は孔口と同じ薄茶色でした。
名前は見当もつかないので同定は保留。
今日見つけた謎めいたややこしいイグチたち。大きさは様々ですが、こうして一緒に撮ってみると、単なる個体差の範疇で、すべて同じキノコだと言ってもわからないかもしれません。
しかし管孔面を見てみると違いは歴然。どれも微妙に色が異なります。しかし管孔の色が違っていたら別物かというとそうでもなく、左下の2つの紫色のキノコは、こんなに濃淡の違いがあるのに、おそらく同種と思われます。かようにキノコは謎だらけ。
(20)アカヤマドリ
さて帰ろうかと車を停めてある場所まで戻ってきて、少しだけ付近を歩いていると、超巨大なひび割れた赤い傘が目に飛び込んできました。
思わず笑ってしまうほどの巨大さで、初めて見るにもかかわらず、ひと目で同定できました。アカヤマドリ以外に考えられません。
あたりを見ると、点々と複数が散生していて、ぜんぶで6本ほど見つかりました。どれも巨大で、最も小さいのでも20cmは超えていて、大きいのは30cmくらいありました。間違いなく今まで見たあらゆるキノコのうちで最大。
もう傘がひび割れていて、老菌に近く見えたので、これは採取しても虫だらけで食べられないだろう、と思いました。でも、せっかく見つけたのだし、意を決して根元から採取してみました。
重い!
わたしの腕と同じくらいかと思われる太さの柄に、ぎっしり詰まった肉。ずっしりと重量感があります。傘は素手で触ると非常にさわり心地がよく、蒸しパンのようで、ふかふかしていました。世の中にこんなキノコがあろうとは。
裏側を見ると、食べられるかどうか微妙なライン。試しに裂いてみると、かなりきれいな肉だったので、試しに2つだけ持って帰りました。
買い物かごに入れて持ち帰る写真。大きさがよくわかります。
重さを軽量すると、1kgを超えていました。
断面はこんな感じ。やはり部分的に虫が入り込んでいて、特に柄の内部は虫食いがひどく捨てざるを得ませんでした。
傘の内部の肉は、比較的きれいな場所が多かったものの、周辺部など赤く変色しているところがありました。
初アカヤマドリで経験がないので、なんとも言えませんが、白やクリーム色の肉は新鮮で、ピンクみがかっているところは傷んでいるのかもしれないと思ったので、解体時に取り除きました。
食べることができそうだったのは、2つ持って帰ったうちの小さいほうだけ。しかも、傷んでいるところや汚い管孔などを、かなり大胆に捨ててしまったので、量が少なくなりましたが、それでも食べられそうな部位がこれだけありました。去年採ったヤマドリタケモドキの総量より多いかもしれません。
煮汁をとると美味しいとあったので、鶏肉は使っていないアカ「ヤマドリ」だけの親子丼とパスタにしてみました。どちらもアカヤマドリの独特の煮汁のせいで、真っ黄色になってしまいました。
親子丼のほうはよくわからない味でしたが、アカヤマドリの肉が生麩のようにふわふわでした。
より美味かったのはパスタのほうで、去年食べたヤマドリタケモドキと同じような香ばしさがあり、アカヤマドリの食感も滑らかで、とろとろしたクリームパスタのようでした。まさかこんなに美味なキノコだったとは…。
前から夢見ていたアカヤマドリの初実食。ほぼ老菌になってから発見したので、食べることができたのは比較的少量でしたが、それでも素晴らしい体験でした。
こんなに巨大なキノコがそうそうポンポンと生えるわけはないだろう、と思いますが、意外にも大量発生の報告が多いキノコなので、またいつか出会えるのを楽しみにしたいと思います。
2022/08/23火
謎の発疹、全身に広がる
昨夜も、鼻づまりやムズムズ感がひどく、全身のかゆみにも悩まされ、なかなか眠ることができませんでした。ここまでひどくなったのは初めてです。
歯医者に定期検診に行くついでに薬局に寄って、抗ヒスタミン薬レスタミンを買ってきました。
それを眠る前に飲むことで、とりあえず寝ることはできるようになりましたが、数時間で薬が切れるなど、本質的な解決になっていません。
なんとか医者にいかずに治したいと思っていましたが、あまりに悪化しているので、一週間後に皮膚科の予約を取りました。それまでレスタミンでしのげたらいいのですが。
今まで体のかゆみが出たことはあれど、ここまでひどくなったことはありませんでした。いったい何が起こっているのか分からず不安です。
いつの間にか、あれよあれよと発疹も増え続け、両足だけで100近くあるのではないかというほどです。他の場所はまだ少ないものの、あらゆる場所にポツポツとでき始めていて、このままでは全身に広がるかもしれません。
10代の頃、慢性疲労症候群の発症直後に広がった貨幣状湿疹とよく似ていて、今回も6月に足首に貨幣状湿疹ができたのがことの発端でした。貨幣状湿疹から自家感作性湿疹に移行してしまった可能性があります。
しかし、一般に自家感作性湿疹は胴体や顔にできるとされているのに対し、今回の発疹はおもに手足にできているため正反対です。それに、今のところ貨幣状湿疹に発展している部分がひとつもないのも奇妙です。
個人的に調べた限りでは、最も特徴が近い皮膚疾患は、痒疹でした。平たく言えば、全身にできる原因不明のかゆい発疹のことで、結局はいつもどおり、原因不明の体調不良の一種なのかもしれません。
ただ、内臓疾患などが原因になっている可能性もあるそうなので、とりあえずは皮膚科を受診するのが良さそうでした。これからキノコ狩りの良い季節なのに、まさかこんなことになろうとは…。つくづく自分の体の脆弱さを思い知らされます。
もし原因不明だということになれば、最近の疲れすぎが原因だったかもしれません。限界を超えて無理しすぎる性格が、今もぜんぜん治っていないのを自分でも感じます。
正確にいえば、限界だと感じるポイントが少しずれているのです。普通の人は100%で限界だと感じるのに対し、120%くらいやって、やっと充実感を感じられるようになり、150%くらいにならないと限界だとみなせません。
前に書いたように、自分の体の声を聞く能力が弱いことによるズレだと思います。充実感がある=無理しすぎている、という自分なりの方程式を肝に銘じておかなければなりません。
もし皮膚科で治療することになり、ステロイド内服薬を出されたら、どうすべきか迷っています。短期間なら飲んでみるのも致し方なしかもしれません。
でも長引くようなら、豊富温泉に湯治に行くのもいいかと思っています。せっかく日本有数の皮膚疾患に効能のある温泉街がそこそこ近くにあるのですから、利用しない手はありません。
2022/08/24水
トリカブトやハエドクソウが咲いていた
前回の写真がまだ整理できていないので、これ以上、写真を撮っても困る状況なのですが、明日以降、しばらく森に出かけられなくなるかもしれないので、軽く様子を見に行きました。
ヒグマが出没したほうの森は、もう一ヶ月も入林禁止状態。去年の経験からして、そろそろ大丈夫かなと見に行きましたが、まだ閉鎖中でした。帰りに林道の脇に生えているのを見つけたトリカブト。
林道を出たところの狭い牧草地にいたエゾシカのオス。何か赤茶色の塊が見えたので、もしや?と思って止まったらやっぱりエゾシカでした。振り返って目が合うこと数秒間。カメラを構えるより早くお尻を向けて逃げ出しました。
すごい躍動感。
そこから少し、いつもの森に寄って歩きましたが、なんだか疲れていたので、奥まで行ってキノコを探すのはやめました。昨日の日記に書いたように、こういうところで無理をしてしまうのが良くないのだ…。せめて110%で我慢します。
知らないうちに咲き終わりかけて、実をつけていたハエドクソウ。
胞子嚢穂を伸ばしていたエゾフユノハナワラビ。
最高気温は24℃と、最近にしては涼しめの日だったのですが、いつもより暑く不快に感じられました。全身の掻痒感のせいか、かなり弱っているようです。これからいったいどうなってしまうのだろう。
今日のキノコ、タマゴタケ等。そしてギンリョウソウモドキ初発見!
でも、そんな中でも良いことがたくさんありました。森のほんの入口あたりをウロウロしただけでしたが、普段歩かない道を通ると、立派なキノコを発見。
(1)ツエタケの仲間?
10cm程度の大きな傘をした褐色のキノコ。傘の模様からすると、ツエタケでしょうか。傘がおそらく最大限まで開いているため、傘のシワは少なくなっていますが、それでもツエタケらしいシワの模様が見られます。
立派なキノコで引っこ抜くのは忍びなかったので、横から観察するだけにしました。じっくり観察しようという精神的気力に乏しかったこともあります。
横から見た感じでは、ヒダは離生で幅広く疎、ツバはなし、柄はまっすぐで微小な鱗片に覆われ、ややダンダラ模様をなしている、という特徴があり、ほぼツエタケで間違いなさそうでした。
(2)タマゴタケ
そして驚きの出会いが! 前にヒメコナカブリツルタケを見たあたりでの草むらをふと見ると、真っ赤なものが目に止まりました。まさかこれは…、と思って草をかき分けて掘り出してみると、
なんと若いタマゴタケでした! 今ごろ発生すること自体はまったく不思議ではなく、むしろ今立ち入り禁止状態のもう一つの森では大量発生しているでしょう。でも、こちらのほうの森で見つけたのは、この3年通して初めてでした。
そもそもタマゴタケは公園でさえ見かけるくらいで、ここの森以外では全スポットで発見したことがあったので、無いほうがおかしいキノコです。見つけられないだけで、草むらの中などにはもっと出ているのでしょう。
ということで、遠慮なく2本ともいただきました。ちょっとサイズが小さいですが、2本撮れたから十分です。もちろん傘のふちの条線と、柄が黄色みがかっていることを確認し、近縁の毒キノコとの区別は怠りませんでした。
2つに切って断面を見ても確かにタマゴタケで間違いありません。料理するのが楽しみです。
(3)ガンタケ
それから、先日ニガイグチモドキが大量発生していた林道を通り、広葉樹林のキノコ発生地帯をチラ見しにいきました。ちょっと歩いているうちに体調がよくなってしまったので、もっと何か探したいという誘惑が…。
相変わらずニガイグチモドキが大量に群生していて、その近くにあった、布をかぶったお化けのようなキノコ。あまり深く考えずに、なんだろう?と引っこ抜いてしまいました。
傘のサイズは5cmくらい。色合いからしてクサハツモドキ?と思ったのですが、上の写真にあるとおり、傘には平たい外被膜の破片がついていました。
裏返してみると正体が発覚。このヒダと柄の赤みがかった感じはガンタケでしょう。8/22(13)の公園で見つけたガンタケらしきキノコとよく似ています。
まだヒダ部分が内被膜に覆われていて、ツバが分離していません。傘が開いていないガンタケの幼菌を採ってしまったのでした。なんだか可哀想なことをしてしまった…。
この前の公園で見つけたテングタケもそうでしたが、テングタケ科は幼菌のころは、こうしてヒダが覆われているのですね。ヒダの上面は傘、下面はツバで覆われてラッピングされていて、下面の覆いがめくれて分離することでツバとなってぶら下がるのだとわかりました。
こうして見ると、本当に美しく整然としたデザインで感動します。しかも同じテングタケ科でも、種によってツバの形や位置が違うことからすると、ヒダの覆いが外れる様子もそれぞれ個性があるのでしょう。
そういう違いをいつかじっくり観察、研究して、すべてのキノコと親しくなれたらいいのになぁと思わずにいられません。ここ数年ですっかりキノコに夢中です。
(4)ギンリョウソウモドキ
野生のエゾシカを見れたし、タマゴタケまで発見できて、今日も素晴らしい一日だった、と満足していましたが、最後に広葉樹林のキノコ地帯をチラ見したら、予期しない驚きの出会いが待っていました。
キノコは全然生えていませんでしたが、広葉樹林地帯に生えでた白いものが目ら飛び込んできました。すぐに正体がわかり、思わず「わーっ!」と声をあげてしまったほどでした。
ギンリョウソウです! 図鑑などで見かけるたびに、一度は見てみたいのにどこにあるのかなぁ…とため息をついていた腐生植物(菌従属栄養植物)。
2年連続で目撃できていた腐生植物オニノヤガラも今年は見つけられないまま夏が過ぎ、残念に思っていたら、まさかのギンリョウソウと遭遇できるとは。
この広葉樹林地帯は、今年初めて観察を始めた場所なので、今まで見つからなかったのも納得です。
ギンリョウソウは、ベニタケ科に寄生し、姿もキノコに似ていて、別名ユウレイタケとも呼ばれるそうです。キノコが出る場所を探し、キノコ目になっているからこそ発見できたのは必然だったといえるでしょう。
帰ってから調べてみると、ギンリョウソウは夏前に出る植物で、秋に出るのはギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)だそうです。
まだ夏と秋の境目なので、どちらも生えている可能性はありますが、花の構造をネット上の写真と比較してみたところ、モドキで合っているようでした。もし無印が生えていても、ここ道北では8月には実になっていそうです。
せっかく見つけたギンリョウソウモドキなので、地面に這いつくばって、映える写真を頑張って撮りました。中国での名称「水晶兰(水晶蘭)」に名前負けしない可愛らしい姿が写せたのではないでしょうか。
さらに近くを探してみると、寄り固まって生えているところがありました。その周囲にも点々と生えていたので、全部で少なくとも15本以上はありました。
一番大きかった花。茎が透き通ってピンク色を帯びていて、茎がしっかり伸びているおかげで萼の部分が花弁と分離して、より花らしい出で立ちに見えました。
茎は意外と硬いのですが、折らないように気をつけてうまくねじって中の雄しべと雌しべを見ることができました。
希少植物かもしれないので、最初に3本だけ見つけた時は採取しなかったのですが、その後、たくさん見つけてしまったことで、1本だけ小さいのを摘んで、花の内部構造を解体してみることにしました。
帰ってから調べてみると、中国の一部地域で絶滅危惧種になっているとありましたが、日本では特にレッドリストに入っている植物ではないようでホッとしました。でも、モドキのほうは数が少ないらしいので、できるだけ保護したい植物ではあります。
無印ギンリョウソウの中心には青い縁取りのある柱頭があり、目玉おやじのようだと表現されるのですが、モドキのほうは星型の刻印が入った白い柱頭があるのみでした。
花びらの形のも無印とモドキでは違っていて、無印のほうはもっとツボのような整った形です。
雄しべの長さはそろっておらず、長いのと短いのが交互に並んでいます。これに対し、無印ギンリョウソウはすべての雄しべが同じ長さだそうです。
茎の内部は赤みがかっていました。一番大きいギンリョウソウが赤みがかっていたのは、この内部の赤みが透けて出ていたようです。このせいで、無印ギンリョウソウに比べてモドキは褐色がかっているという違いが出るようです。
断面。子房の付け根が最も赤く色づいていました。葉緑素を持たない真っ白な花なのに、この赤みはいったいどこから来ているものなのか不思議です。
群生地を発見できたことだし、また後日見に行って、実をつけている様子も観察できたらな、と思います。
これまでよく行っていたほうの森がヒグマ出没で通行止めになってがっかりしていましたが、おかげで違う場所を探検して新しい発見ができているのは喜ばしいことです。森に出かけるたびに興奮を誘う発見があり、底が見えません。
後はわたしの体さえ正常な状態であれば、手放しで喜べるのですが…。今もひどいかゆみや、その他のさまざまな症状と闘っています。
2022/08/26金
体調はギリギリながら、うまく乗り切れている
今日は来年のニンニクの畝作りの日で、かなりの重労働。でも、体調がうまく回復してくれていたおかげで、ほぼフルスペックで働くことができました。よかった!
懸念していた腰は、エアウィーヴの高反発マットレスを買ってから急速に回復し、かなり良い具合になっていました。深部を痛めていて長引きそうと思っていただけに、嬉しい誤算でした。
今まで寝ていたテンピュールの超低反発マットレスが、寝返りを打てないがためにいかに腰の負担になっていたかということ。でも、全身痛みが出る時はそっちのほうが心地よいので、両方をローテで使っていきたいです。
両肩(二の腕)は、相変わらず痛めたままですが、もともとの予定だった水曜が、天候の影響で金曜に延びたことにより少し回復し、今回の作業の姿勢には支障が出なくなっていました。
目下、最大の問題である全身の湿疹は、かなり状態が悪化していて、夜中に拷問のようなかゆみに悩まされています。今まで数々の苦しみを味わってきましたが、ここまでひどいかゆみは初めてでした。
夜中に眠いのに絶え間ないかゆみのせいで眠れず、逃げ場もなく、このままだと気が狂いそうだと感じるほどでした。しかし、痛みと同じくかゆみも一枚岩ではなく強まったり弱まったりする波があり、なんとか寝ることができました。
状態は全然よくありませんが、大事な仕事を果たせたのでホッとしています。ニンニクの畝作りだけでなく、喫緊の課題だったジャガイモ掘りもできたので、肩の荷が下りました。
次の仕事は日曜で、朝早く起きる必要があるので、どうにかして寝られるようにしたいです。
月曜に皮膚科の予約なので、そこまで頑張れば良い薬を出してもらえるはず。
写真は畑仕事に行った時に見かけた虫。見たことのないチョウ?と思って撮りましたが、ヒトリガというガでした。全国どこにでもいるありふれたガで嫌われ者らしいですが、今まで知りませんでした。
近隣では今年も大型のヤママユガの仲間クスサンが大発生。あちこちで街灯に群がっていたり、地面に羽が落ちていたり。家の前でキノコを干している網にも一頭くっついていました。
2022/08/29月
森の様子。ウド、マムシグサ、ルイヨウショウマの実など
全身のかゆみがきつく、あまり夜眠れていないこの頃。てっきり今日が病院だと思いこんでいましたが明日だったのでがっかり。あと一日この惨状に耐えなければなりません。気を取り直して、今日は森に出かけることに。
通行止めのほうの森が開通していないか見に行きましたが、残念ながらまだでした。
途中の林道を走行中に見つけた初めて見るチョウ。…と思ったら、羽を開いている姿を初めて見ただけで、じつはクロヒカゲだったようです。羽の表側を見たことがありませんでした。裏側は目玉模様がほとんどないのですね。
この林道は初夏にウドをたくさん採った場所ですが、花が終わって色とりどりの実をつけていました。
通行止めのほうの森から、湿地帯のほうの森へ到着。
ここしばらく雨が多かったので、ぬかるみ地帯を通らずに森を一周するルートを選びましたが、それでもキノコを大量に発見できました。秋が近くなって、発生量がいよいよ増加しているようです。
こちらの森の中はいつものようにヒョウモンチョウがたくさん飛んでいます。
森の中では、マムシグサの実がすっかり立派になって、テカテカと輝いているのを見つけました。
すっかり黒くなったルイヨウショウマの実。赤い果柄とのコントラストが奇抜です。
今日のキノコ。ナカグロモリノカサ,ヒメベニテングタケ,アカツムタケ等
(1)アカヤマドリ
まず、森の入り口の、先日アカヤマドリを見つけた地点。また新しいのが生えてきているのを見つけました。傘に脳状の立派なシワが刻まれています。
今ならまだ肉もきれいかもしれませんが、傘が開いておらず、柄と同じくらい幅しかありません。6cmくらいでしょうか。これでは傘の肉のボリュームが足りないので、また数日後に様子を見に来てから採ろうかなと思いました。
この時点ですでに柄は裂けて割れていたので、柄の内部には虫が入っていることが予想されます。柄の食感も味わってみたかったのですが、かなり小さい幼菌を採らねばならないようで、肉のボリュームとの両立は難しいのかもしれません。
(2)ヌメリツバタケ
入ってすぐの小道の落枝から生えていた白っぽいキノコ。正確には白というより、やや肌色がかっています。傘のサイズは5cmくらい。
裏側から見上げてみると、傘は平らに開いていて、柄にはツバがあるのがわかりました。この時点で、去年も見つけたヌメリツバタケではないかと感じました。
ヒダはやや疎。傘と同じ色のほぼ白。
ツバは柄を包み込むような筒状。傷んでいるため膨らみがなくなっていますが、タートルネックのセーターのような立派なツバです。
断面。ヒダは直生、柄は中実。
いずれも図鑑の特徴と一致しているので、思ったとおりヌメリツバタケで合っているようです。美味しいキノコだそうですが、まだ観察した経験が浅い種類なので食べるとしたら、次の発見以降のタイミングで。
(3)ヒロヒダタケのような幅広の極めて疎のヒダのキノコ
その近くの落枝から生えていたキノコ。傘は6cmくらい。傘に条線があるように見えますが、おそらく濡れてヒダが透けて見えているだけのようです。
裏側を見ると、ヒダは幅広で極めて疎。この特徴だけで、ヒロヒダタケかなと思いましたが、傘色が全然違いますし、過去に見たヒロヒダタケはもっと大型のキノコでした。
ヒダの付き方は湾生。
柄は粒点があるように見えましたが、粘液に覆われてゴミが付着しているだけ? このキノコそのものの特徴ではないのかもしれません。
わたしの見識が浅いために、このようなヒダのキノコはヒロヒダタケしか知らないのですが、たぶん似たような特徴をもつ別種でしょう。そのうち判明するかも。
(4)イッポンシメジ?
回り道した林道に生えていた、光沢のあるパリッとした傘のキノコ。傘は肌色で白い光沢があります。大きさは8cmくらいで縁が波打っています。
傘のふちには条線はありませんが、傘の全面に放射状のかすれ模様がありました。
横から見ると、傘の中央が少しだけ突き出ています。
ヒダは密で、ピンク色がかっていました。柄は傘と同じ肌色で、柄の頂部だけ白くなっています。波打つ傘の雰囲気からしても、イッポンシメジ科のキノコらしさを感じられます。
ヒダの付き方は直生。クサウラベニタケと同じく、ルーペでよく見れば微妙に湾生ともいえそうです。
一方、柄の頂部が白いのは、ルーペで拡大してみると、白い微細な毛が生えているからだったようです。
ヒダはルーペで観察すると、クサウラベニタケと同じく、ごく微細な鋸歯があり、ギザギザに波打っていました。
柄の内部は中実。
おそらく普通のイッポンシメジではないかと思われます。図鑑に載っているイッポンシメジはもっと傘色が濃いですが、このサイトの写真なら、よく似ています。傘が完全に開ききって間延びすると薄くなり、肌色に近くなるのかもしれません。
(5)ツチカブリ
いつものツチカブリ。裏側のヒダが乳液が出尽くして褐色に変色しているのもいつも通り。
(6)シロサカズキタケ?
森の奥の通路、カバノアナタケが出ているシラカバのあたりの地面に生えていたキノコ。
過去に何度も見かけている落ち葉から生える枯れ葉のような色合いのキノコで、暫定的にシロサカズキタケと同定していますが、今ひとつ確信が持てません。
傘は4cmくらいと小型ですが、8/10の(17)で見つけた7cmくらいが最大のようです。
ヒダは柄に長く垂生しているカヤタケ型。
(7)ナカグロモリノカサ
同じ通路のトドマツの木の根元に生えていた初めて見るキノコ。ですが、初対面でありながら、図鑑で見て印象深かったナカグロモリノカサというハラタケ科のキノコではないかと直感しました。
傘は7cmくらいで、白地に黒っぽいい斑点があり、特に中央に顕著に大きな黒丸があります。いかにも、ナカグロモリノカサという名前にぴったり。森の傘の部分が何を意味しているかは不明ですが、メルヘンチックで好きです。
横から見ると、とても立派な茶色いマントのようなヒダをなびかせていました。
傘の裏側。なんと真っ黒になって朽ちかけていました。腐っているように見えますが、ハラタケ科のキノコのヒダは淡紅色→紫褐色へと変色するので正常な変化です。ヒトヨタケと並んで、裏の真っ黒さは立派な特徴のひとつ。
そこからかなり進んだ、いつものトドマツ・ミズナラ林でも、同じキノコを発見しました。これまで一度も見かけていないのに、一日に2つも見かけるとは。何事もタイミングが肝心なのだと痛感します。
こちらのナカグロモリノカサは比較的若い成菌で、ハラタケ科らしい傘に、ナカグロモリノカサの名前の由来である中心の黒っぽさがはっきり目立っています。その周囲は細かい茶色の鱗片で覆われています。
傘の大きさは8cmくらい。
こちらもやはり、立派なマント状のツバをなびかせていました。両方ともツバは茶色でしたが、本来の地色は白のはずなので、後から降ってきた胞子の色と思われます。
傘の裏。とても美しいぎっしり密に詰まったチョコレート色のヒダでした。いかにもハラタケ科という雰囲気。美味しそうな色ですが、残念ながらナカグロモリノカサは毒キノコです。
また、柄のツバより上部は胞子をかぶってチョコレート色になっているのに対し、ツバより下は白いままです。ツバが傘のように胞子の雨を防いでいるのがわかります。これも去年公園で見た無印ハラタケにそっくりで懐かしい限り。
ヒダの付き方は隔生。柄との間に隙間が空いていました。
前から図鑑で知っていて、面白い名前のキノコだなぁと憧れていたので、こうして出会うことができて嬉しかったです。今年はすでに何度もありましたが、名前だけ知っているキノコと出会うのは有名人に会うみたいでわくわくします。
(8)カイメンタケ? (追記 : 別のキノコと思われる)
例の朽木のトドマツに出ているキノコ。カイメンタケかと思っていましたが、その後は成長する兆しがなく、また名称不明になりつつあります。
(9)ニガクリタケ
そのトドマツの朽木に出てきたニガクリタケ。去年もこの木に大量発生していました。そして去年もここで味見しましたが、今回も誤飲に注意しつつ味を見てみると苦かったので、ニガクリタケで間違いないでしょう。
この前のクリタケモドキ?と違い、ヒダははっきりと硫黄色です。
(10)コフキサルノコシカケの溢液現象
その近くの倒木の、過去にニ度、溢液現象を起こしていた謎のキノコ。雨上がりで倒木が水を吸収していたのか、また露玉にまみれていました。(追記 : これもコフキサルノコシカケと思われる)
その裏側に出ているコフキサルノコシカケらしきキノコも、量は少ないながら、また溢液現象を起こしていました。
そして、そこから離れた場所にある、広葉樹林に向かう林道の入り口、去年ムキタケが出ていた倒木に生えていた2枚のコフキサルノコシカケも、同じように溢液現象を起こしていて、きらめく露玉をまとっていました。
いつ見ても、見事な球体の露玉で、宝石で飾り付けられたかのようなきらめきです。かなりの頻度で見かけますし、一箇所だけでなく複数の場所で見かけることからすると、さほど珍しいものではないことがわかりました。
(11)ヒメベニテングタケ
場所は戻って、最初の倒木地帯、先日チチタケやウスムラサキなどを見つけたあたりで、タマゴタケのような赤いグラデーションながら、もっと小さいキノコが目に入りました。すぐにヒメベニテングタケでは?と思い当たりました。
傘は3cmくらいとテングタケ科なしては小型です。タマゴタケとほぼ同色の鮮やかな赤からオレンジのグラデーションで、ふちに条線がある点も同じ。しかし、傘と同じ色の鱗に覆われていることと、サイズが小さいことで区別は容易です。
傘のふちの条線(立体的なので溝線)の雰囲気は、拡大してみると色も質感もタマゴタケによく似ています。
柄が黄色なのもタマゴタケに似ていますが、傘だけでなく柄も鱗片に覆われていてふかふかした見た目なのは大きく異る点です。ツバはヒダに接している面が白色で、後述するようにヒダも白色なので、タマゴタケとはヒダの色でも見分けられます。
近くにたくさんヒメベニテングタケが出ていて、こんなに小さな幼菌もありました。思えばタマゴタケは大きさがニワトリの卵と同じくらいなのもネーミングに影響してそうです。ヒメベニテングタケほど小さいと、幼菌は卵に見えません。
傘が平らに開いているのがあったので、それだけ採取して詳細を観察してみました。傘の大きさは平らに開ききった状態でも3.5cmくらいにしかなりません。
裏側を見ると、柄は薄い黄色ですが、ヒダが白いことがわかりました。
柄の地色は淡黄色のようですが、ツバより上は、ヒダと同じ色の白い鱗片に覆われています。そして、ヒダより下の柄の鱗片は、傘と同じように黄色から赤にグラデーションしていたのも興味深い特徴でした。
2つ観察した限りでは、ツバの形も、タマゴタケのようなマント型にはならず、指輪のようなリング型らしいこともわかりました。
雨で傘の鱗片が流されていて、やや大型のがあれば、タマゴタケと間違う危険があるかもしれない、と去年考えていましたが、これほど違いがあれば間違うことはまずないでしょう。
(12)クサウラベニタケ
森の一番奥、トドマツ・ミズナラ林のふちの倒木の周辺に群生していたキノコ。
最初、倒木そのものから生えているように見えたので、ウラベニガサかと思ったのですが、傘の質感やヒダの付き方からするに、クサウラベニタケでした。
薄い黄土色の傘にかすれた繊維紋。波打つ傘のふち。
そして、裏側のやや赤みを帯びたヒダ。そのヒダの付け根はルーペで見るとわずかに湾生になっています。
柄は中身がもろく、つまむと簡単につぶれる。ということで典型的なクサウラベニタケのようでした。
その周囲に生えていた、もう少し若い個体。傘のふちには、かすかな条線がありました。今まで気にしたことがありませんでしたが、調べてみると、これもクサウラベニタケの特徴だそうです。
ヒダはウラベニの名を冠するにふさわしい美しい肉色。
これほど典型的なクサウラベニタケであるなら、生える場所は材上ではなく地面のはずです。倒木から生えていたことを確認したわけではなく、倒木と地面の境目のような場所に群生していたので、見分けにくいだけで地面かに生えていたということなのでしょう。
(13)茶色い大型イグチ
その付近に生えていた巨大イグチ。てっきり前もここで見た大型ニガイグチだと思って、詳しく観察しなかったのですが、改めて写真で見てみると、管孔がピンクっぽくないですね…。違うイグチだったのかも。
傘はふかふかの黒糖パンのようで、薄茶色。管孔は薄く黄色を帯びている系統で、クリーム色~灰褐色に見えます。
柄の上部にのみ黒い網目模様がありました。かなり傷んでいるようで、柄の下部は白いカビが発生していました。
管孔が黄色系統であることからして、ニガイグチの仲間ではない可能性があります。変色性など見なかったので、正確な同定は難しいかもしれません。
(14)クリイロムクエタケ?
トドマツ・ミズナラ林の端のほうの広葉樹林に出ていたキノコ。このタイプの傘が褐色で湿るとふちに条線が出る小さなキノコは苦手意識が強いです。
傘の大きさは2.5cm。傘の周囲に白いフチドリが出ている点からして、クリイロムクエタケでしょうか。
ヒダは薄茶色で、やや疎、ほぼ上生ですが、ルーペで見ると微妙に湾生しています。いわゆる湾入上生か。
断面の写真。ネットで検索したクリイロムクエタケの断面のヒダの写真と、ヒダの幅や付き方がよく似ていました。クリイロムクエタケかその近縁種ということでよいかなと思いますが、どうにも自信が持てません。
(15)カワリハツ
やたらと色の薄いベニタケ科キノコ。傘は4cmくらいと小型。ひと目見た印象は枯れ葉のよう。
ということはカレバハツ?と思ったのですが、調べてみると、カレバハツは中心部の色が濃く、柄が長いそうです。だとしたら、これはいったい何?
ヒダも柄も白。ヒダの密度は普通。何の変哲も無いベニタケ科。
近くに、もう少し大きく成長して虫に食われた同種とおぼしきキノコも生えていました。こちらの傘のサイズからすると少なくとも6cmくらいには成長するキノコのようです。
ヒダの付き方は直生~微妙に垂生。
持ち帰ってきて、外で眺めてみると、思ったより傘の色は濃かったかもしれません。写真を撮る環境によって、色の印象はかなり変わってきます。しかし、シュイロハツやドクベニタケほど濃くはなく、くすんだオレンジ色。
傘のふちをルーペで観察すると、一部分だけ条線がありましたが、ない場所もあって不規則。基本的には条線がなく、まれにわずかにあるキノコなのかもしれません。
ダメ元で硫酸第一鉄をかけてみたら、驚いたことに、柄がわずかに青みのある灰色に変色しました。この色合いは見たことがあります。カワリハツです。
まさか硫酸第一鉄で変色するとは思っていなかったので、探偵物で意外すぎる場所に指紋や血痕が浮き出てきた時のような衝撃を受けました。
しかし、確かにカレバハツでないとすれば、このような傘色のベニタケ科はカワリハツくらいしかないのも事実。
カワリハツは基本的には条線はないとされるものの、まれに条線があるという報告がある点も、このキノコの特徴と一致しているようです。ヒダの付き方が直生~垂生とされている点も一致。硫酸第一鉄のおかげで、つかみどころがなさすぎる忍者のようなカワリハツでも正体を突き止められるのはありがたい限りです。
(16)カバイロツルタケ
美味しそうなタレをつけて焼いたかのようなテカリまである、見事なカバイロツルタケ。
無印ツルタケが要注意とされるのに対し、こちらは普通に食用キノコと記載されていて、興味はあるものの手が出ません。タマゴタケほどわかりやすくなければ、テングタケ科は食べるのが怖い。カバイロツルタケも十分わかりやすいとは思うのですが…。
今回のように、傘と同色の樺色の袋状のツボが確認できれば、カバイロツルタケで間違いないと思うのですが…。食べてみる日が来るとしたら、毒のあるテングタケ科の仲間などにも詳しくなって、よほど顔馴染みになってからですね。
(17)ミヤマアワタケ
同じトドマツ・ミズナラ林の広葉樹林地帯に生えていた小さめのイグチ。木の根から出ているようにも見えましたが、境目くらいなので地面からだったかもしれません。
上から見た色合いでは、ハナイグチなどに近いどら焼きっぽい配色。褐色の傘に黄色いスポンジ。傘の大きさは4cmくらい。
横から見てみると、傘は平らに開いており、管孔の穴が大きく、縦に大きく膨らんでいることがわかります。
最大の特徴は、管孔に変色性があることで、触れるだけで明確に青く変色しました。はじめは青いですが、のちにほとんど黒くなります。
また柄は傘と同じ褐色で、根元のみ白く、網目模様はありません。
断面。管孔の付き方は上生(図鑑と照合してよく観察すると湾生)。肉は白く、管孔との境目は青く変色しましたが、基本的には変色性はないようでした。
ハナイグチっぽい配色で、管孔の穴が大きく、青変するという特徴から、アワタケかと思いましたが、アワタケの傘の色はもっと黄色っぽいようです。また、アワタケの管孔は直生~やや垂生とされるので全然違います。
さらに調べると、ミヤマアワタケという種類が図鑑に載っていました。こちらはサイズが3~5cm、傘は暗褐色、管孔は湾生で傷つくと青変する、とされていて特徴がぴったり。
また生える場所はミズナラの林地、腐朽木上とされていました。写真にもミズナラの落ち葉が写っている状況と一致していますし、最初に木の根の上に生えているように見えたこととも一致しているので間違いなさそうです。
(18)コガネテングタケ
同じトドマツ・ミズナラ林の広葉樹林地帯に生えていたコガネテングタケ。傘に外被膜の名残である黄色いイボが散在すること、傘のふちに条線がないことなどからして、間違いありません。(ウスキテングタケなら条線がある)
ヒダは白く、柄とツバは傘より薄く黄色みを帯びています。
根元は球根状に膨らんでいて、リング状のささくれが何段も残っていました。
(19)シュイロハツ?
トドマツ・ミズナラ林の広葉樹が多いあたりに生えていた真っ赤な鮮やかなキノコ。ベニタケ科の赤いキノコは食傷気味ですが、これほど鮮やかなのは立ち止まって調べたいと感じます。
傘のふちはシワが寄っていて、ツチカブリの赤バージョンのような質感でした。
柄が白いのに対し、ヒダがクリーム色だったので、よく見かけているシュイロハツではないかと考えました。ドクベニタケならヒダは白のはずです。
硫酸第一鉄を振りかけてみても、柄はまったく変色しませんでした。これは8/6にテストしたシュイロハツらしきキノコと同様です。前回のが本当にシュイロハツなのか確信が持てていませんが、同じキノコだと思われます。
(20)コガネヤマドリ
トドマツ林に生えていた、いつものコガネヤマドリ。これだけ見かけているのに、食べられそうなレベルのはひとつも見当たりません。
(21)ミヤマトンビマイ
トドマツの根元に出ていた裏側が管孔のキノコ。
イグチ以外の管孔のキノコが地上から出るのは珍しいですし、去年の9/26(13)に見たミヤマトンビマイの幼菌と考えて間違いなさそうです。全く同じトドマツかは不明ですが、去年の写真と比較するとツルアジサイの幹が写っているので違うトドマツかもしれません。
オレンジ色の貝殻のような傘。おそらくまだ幼菌だと思いますが、大型のキノコだけあって、それでも直径8cmくらいはあります。
傘は細かい茶色の粒点で覆われていて、特に周辺部は赤茶色の粒点が密について帯のような模様になっています。
採取せずに裏側を調べてみましたが、非常にきめ細かな白い管孔です。高さもそこそこあり、柄のような部分で立ち上がっていますが、そこも管孔に覆われています。
間違いなくミヤマトンビマイだと思ったのですが、似たようなキノコが色々あると書かれていたので、早合点は禁物かもしれません。
幼菌だと判断したのですが、ここのサイトの写真を見ると、発生した当初は傘部分が小さく、柄が太く見え、去年8/23(10)で見たアミヒラタケの幼菌のような形をしているようでした。下のほうの小さいのは幼菌扱いでいいと思います。
幼菌時なら食べられるそうですが、イカみたいと書いてあったので、イカ嫌いなわたしには向いていなさそうです。
そもそも無印トンビマイタケは美味だそうですが、ミヤマトンビマイは目も科も異なる似て非なるものだそうです。ただミヤマトンビマイ科のオオミヤマトンビマイを食べた人の感想では美味しかったそうなので、そのうち良さそうなのを見つけたらチャレンジしてもいいかも。
(22)ハエトリシメジ
そこから広葉樹林のほうのキノコ地帯に移動。その林地で、8/17(9)や8/22(11)などで、しばしば見ている黄色いキノコ。
過去のものはミネシメジだと同定しましたが、今日見たのは全て傘の中央が盛り上がっており、ハエトリシメジの可能性が高そうでした。
傘はいずれも黄色く、中央だけ黒みを帯びて盛り上がっています。サイズはどれも5cm程度と、さほど大きくありません。
横から見た姿。このとおり明確に中央が突出しています。
裏側のヒダはやや密で湾生、柄は白地で赤茶色を薄く帯びていました。ヒダの密度はハエトリシメジの場合、密から疎まで変化に富み、決め手にならないそうです。
今回はハエトリシメジでしたが、過去に観察したものは横から見て中央が突出していないのを確認した上でミネシメジと判断しています。詳しい人でも見分けにくいらしいので、よく似ているのも不思議ではないかもしれません。
ミネシメジは食用、ハエトリシメジは弱い毒性があるとはいえ、大量に食べなければ問題ないそうなので、間違って採取しても大きな問題がないのは幸い。
どちらも食べたことはありませんが、そのうち経験を積んで、注意すべき毒キノコなども頭に入れた後でなら、挑戦してみてもいいかもしれません。
(23)ティラミステングタケ(マクツバコナカブリテングタケ)
8/17(6)で見たティラミステングタケと思われるキノコ。前回見た群生に属するものかは不明ですが、同じ広葉樹林の同じあたり。まだ若い個体なので内被膜が破れておらず、ティラミスのクリーム状のヒダは垂れ下がっていませんでした。
根元には立派な球根のような塊。表面は白いイボで覆われています。
(24)ガンタケ
同じ広葉樹林の林に生えていた、久しぶりに大きめのガンタケ。全体的に赤みが強く、ヒダの傷ついた場所が赤褐色を帯びていることから、ガンタケだと確定できます。
(25)センボンクズタケ?
広葉樹林地帯の横の林道に放置されていた人為的に作られた丸太や角材に大量に生えていた小さなキノコ。
模様も色ムラもない茶色の傘で、柄も細く、ツバもなく、無個性なのが個性とでも言わんばかりの地味なキノコです。
傘は1-2.5cmくらい。山型から平らに開きます。
大きく成長した個体では白くなっていることもありますが、もともとの特徴的なのか傷んでいるのかは不明。材上に生え、根元には白い菌糸が見えます。
非常にわかりにくいですが、薄い条線があり、濡れると目立つようになるのかもしれません。
柄の頂部にはわずかながら白いささくれがあり、柄全体に白く光沢があります。
ヒダは茶色で密、柄に対して直生~やや上生。
柄が細く白い光沢があり、ヒダが茶色で、直生かつ密というのは、イタチタケを思わせる特徴です。その仲間かもしれないと思って調べたところ、センボンクズタケtが候補に上がりました。
腐朽木から生え、傘は2~5cm。名前のとおり時には千本群生することもあり、ヒダは直生、暗褐色、密。柄は白で基部に白色の菌糸をもつ、とあり、おおむね特徴が一致しています。
傘サイズだけかなり小さめですが、成長して傘が開いた個体は2.5cmくらいあったので、図鑑に記載されているサイズの範囲内ではあります。
なぜクズタケという名前がついているのかは不明で、傘がもろいことを指しているのかもしれませんが、廃材から生えている様子にはぴったりで、しっくり来る名称に思えました。
(26)アカツムタケ
同じく、森の林道に放置されていた丸太から生えていたキノコ。
タマゴタケに近い鮮やかな赤色、スライムのような中央が盛り上がった形。去年9/15(4)で見たアカツムタケだとすぐ気づきました。一度しか見たことのないキノコですが、それだけ印象的な形でした。
傘は赤みが強く、名前のとおり紡錘(つむ)のような形に盛り上がっています。完全に開いていないので、サイズは小さく、3cm程度。柄は白く、傘に比べるとかなりの長さです。
ヒダは薄い黄色で密。直生~上生。
去年も思いましたが、アカツムタケの断面は、きれいに縦に裂けるため、とてもつややかできれいです。あまり見かけず食用でもないですが、なんとなく印象深い思い入れのあるキノコです。
(27)コショウイグチ?
帰り道の林道に生えていたオレンジ色の小さなイグチ。傘のサイズは2.5cm程度。
8/15(28)で見つけた、詳しく観察しなかった小さなオレンジ色のキノコとほぼ同じあたりで見つけたので同種かもしれません。
前回は普通のオレンジ色の傘のキノコだと思っただけで裏側は確認しませんでした。今回は傘が反り返っていて裏側も見えたので、イグチの仲間だと判明しました。
傘と柄は同色。管孔はやや濃いオレンジ色で管孔は大きめ。というのが特徴。
半分に裂いても特に変色性はありませんでした。サイズからして、コショウイグチやハナガサイグチが候補になりますが、傘に細かい綿毛状の鱗片がついていないことからするとコショウイグチかなと思います。
(28)ニガイグチモドキ?
帰り道の林道に生えていた大量の大型イグチ。8/22(18)でニガイグチモドキの群生を見た場所なので、その成れの果てと思われます。
傘は薄い赤茶色で7cmくらい。全体に白カビが生じています。
管孔は傘と同じような薄い赤茶色。ニガイグチモドキの孔口は前に見た時は紫色でしたが、図鑑によると淡紅色~ワイン色とあり、成熟段階で濃さが変わるようだったので、最終的には赤茶色になるのかもしれません。
断面。前にニガイグチモドキの管孔を見た時、孔口は紫、管孔内部はほぼ白でしたが、今回は内部も赤茶色でした。
時間経過ともに変色したと思いたいのですが、もしかしたら別のキノコという可能性も無きにしもあらず。
8/22(19)の名称不明のキノコが傘色、管孔の色ともに似ているので、そちらの可能性もありますが、そのとき観察した柄の隆起した網目模様は、今回のキノコでは見られませんでした。
ほかにも周囲の白くカビたイグチの仲間が色々ありましたが、同じキノコか違うキノコかさえも判別しづらいので、掲載は見送ります。イグチのようなややこしいキノコは老菌になる前に観察するに限ります。
(29)アシグロタケ
場所は戻って、最初に通ったミツバなどが生えている林道を歩いている時、脇の茂みの中の倒木に、アシグロタケらしいキノコが出ているのが見えました。望遠レンズで撮ったので、実際にはもっと遠くです。
無理やり茂みに入っていけば採れないこともなさそうでしたが、足場が不安定ですし、それほど状態のよいアシグロタケではなさそうだったので、労力を割くほどの価値はないと判断してスルーしました。
しかし帰り道、森から出たあたりの茂みに、何かキノコが生えているのが見えて近づいてみたら、なんとまたアシグロタケでした。草むらに隠れて見えない倒木から、たくさん生えていたようです。
独特のラッパのような形の波打つ傘のおかげで、ひと目見ただけでアシグロタケだ、と気づくことができました。
手で探って抜いてこると、予想どおり、黒い足でした。柄の一部だけが黒いキアシグロタケと違って柄全体が黒く、傘のサイズもはるかに大きい、典型的なアシグロタケで間違えようがありません。
とてもきめ細かい管孔で、ゴムのような質感であることも特徴。良い香りがするとのことで、傘裏の匂いをかいでみると、爽やかなフルーツのような香りでした。近縁のアミヒラタケがスイカの香りがするのと似ています。
とても良い出汁がとれると有名なキノコなので、ぜひ前から採ってみたいと思っていたのですが、まさかこれほど大量に採れるとは、
さらに後2つくらい草むらに埋もれていましたが、初回なので、とりあえず3つだけ持って帰ってきました。
軽く水洗いしてから、一晩乾かし、その後レンジで1分くらい加熱して水分を飛ばし、屋外に干しておきました。しっかり乾燥したら出汁をとってみたいと思います。どんな風味がするのかとても楽しみです。
2022/08/30火
やっと皮膚科受診。初めてチチタケで料理してみた感想
今日は朝から皮膚科。この一週間、かゆすぎて眠れない夜を耐え抜き、やっとのことで、診察の日にこぎつけました。
若くてチャラいお兄さんで、あまり良い医者には思えませんでしたが、あらかじめ話す内容をよく練っておいたので、目当ての薬を出してもらうことができました。これでひとまずは乗り切れそうです。
病院の帰りは畑に寄って、ニンニクの皮むきや根切りなどの仕事を手伝いました。
8/15(19)で採取したチチタケが、しっかり乾燥したので味見してみることにしました。香りをかいでみると、しっかりニシンのような匂いがしました。老菌だったので肉質はあまりよくなさそうですが、良い出汁は出そうな雰囲気です。
ススケヤマドリタケの可能性があると思って採ったキノコは、ヤマドリタケ特有のよい香りがしなかったので、おそらく違うキノコだったようです。
かといって、いったい何のキノコだったのか不明。毒キノコでないことは確かめているので、今度味見してみて、もし苦ければニガイグチの仲間ということになるでしょう。
乾燥チチタケを入れた水を沸騰させ、一晩おいておくと、チチタケの傘色と似たオレンジ色の出汁がとれました。写真はとれた出汁の一部で、本当はもっとたくさんありました。
舐めてみても味は感じられませんでしたが、ニシンのような、魚でとった出汁らしい良い香りがありました。
出し殻になったチチタケの肉は、今回は老菌だったので捨ててしまいました。
後で調べたら、香り成分が主に肉に含まれているため捨ててはならない、とありましたが、今回は煮出して長い時間置いたのがよかったのか、肉を取り除いても十分な香りは抽出されていました。
今回はなんだかんだチチタケ初実食なので、コツがまだわからないのは当然のこと。次回からは説明にあるように冷凍してミキサーで粉砕するといいかもしれません。
そのだし汁を使ってラーメンを作ってみると、不思議なことに、今まで作っていたのとは別物の味に仕上がりました。何種類もの魚で出汁をとった老舗料理店の味のような深みがあり、とても気に入りました。
アカモミタケもそうですが、キノコを混ぜただけでこれほど旨味が出るなんて、お得感を感じられます。
キノコそのものの食感や旨味が魅力的なタマゴタケやノボリリュウなども好きですが、わたしは料理をグレードアップしてくれる相乗効果があるチチタケ系のキノコが、一番気に入っています。
惜しむらくは、ここ最近チチタケを見かけないこと。しかし図鑑によると9月末ごろまで出るそうなので、アカモミタケと同じくらい長く採れるはずです。これからも根気強く探してみたいです。
2022/08/31水
今年もトマトソースづくりで夏が終わる
8月最終日はミニトマトを大量に収穫して、トマトソースづくりをしました。買い物かごに二杯分のミニトマトは圧巻でした。完成したピン詰めトマトソースは、冬の間の貴重な食料です。
その後、5時間くらいかけてニンニクの皮むきや根切りを大量に仕上げました。力仕事で手先を傷めないか心配でしたが、全く大丈夫でした。昔から手先は器用だったので、体を使う仕事よりこちらのほうが向いているようです。
作業小屋に干してあった数千本のニンニクも残すところわずかとなり、夏の終わりを感じさせます。
8月のまとめ
8月もついに終わり、夏から秋に移ろい変わろうとしています。毎年、夏は厳しいですが、今年も苦労しました。
両肩(二の腕)は8月半ばにまた傷めてしまい、回復が遠のきました。最も痛みが悪化した時期は、仕事の日にちが2日延びて支障は出ませんでしたが、日常のふとした瞬間に痛みがあり、なかなか回復しそうにありません。
腰の痛みも一時期とてもひどくなりましたが、給料で高反発のベッドマットレスを買ったおかげで、回復するようになりました。悪化と回復を繰り返せるならそれでも構いません。
そして貨幣状湿疹からの自家感作性湿疹は、かつてないほど悪化してしまいました。どれほど眠くても全身のひどいかゆみのせいで眠れない、やっと眠っても痛みのような鋭いかゆみで叩き起こされる、というのは初めての体験で、こんな拷問のような辛さもあるんだと勉強になりました。
皮膚科にかかって、ステロイドと亜鉛の軟膏、および2種類の抗ヒスタミン薬を処方されたおかげで回復に向かっていますが、前回も回復したと思ったらリバウンドしたので予断を許さない状況です。
こうした様々な不調を抱えながら仕事をしなければならず、常に明日は大丈夫だろうかというストレスに追われていました。
それでも、特に予定をキャンセルすることもなく、繁忙期を乗り切れたので我ながらよくやったと思います。秋と冬は、もう少し余裕のある暮らしができればいいのですが。
自然観察は数日に一度、近所の森のキノコを定点観測するかたちになりました。去年のように海や山には行く余裕がありませんでしたが、それなりに楽しく有意義な自然観察ができたと思います。
今年は片方の森が閉鎖されているせいで、本格的な秋のキノコ狩りが楽しめるか不透明ですが、その中でもタマゴタケはちょくちょく発見できていますし、今まで知らなかったキノコとたくさん出会えているので、悪くありません。
とりわけ、初めてニカワジョウゴタケ、アカヤマドリ、チチタケを食べることができ、良い経験を積むことができました。いま干してあるアシグロタケも近いうちに味見できるでしょう。
植物観察では、友達と出かけた源流域で、エゾシロネやトリアシショウマなど珍しい山菜を発見できたのが嬉しかったです。残念ながら、その後お誘いはかかっていないので、再度観察には行けていませんが、今月の体調を考えればやむなしだったでしょう。
そして、ギンリョウソウモドキを発見できたのも素晴らしいことでした。4年目ともなれば、もうあらかた発見しつくしたかと思いきや、キノコを中心に新しい発見が今でも数え尽くせぬほどで、植物のほうでも印象深い出会いがあるのは驚きです。
いよいよ9月が始まります。これから何が起こるかわかりませんが、あるいは何も起こらないかもしれませんが、しっかり情勢を見守りつつ、自分の役割をしっかり果たして、日々の暮らしを堅実に過ごしていきたいです。
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