雪融けの水たまり A Puddle of Snowmelt

真っ白だった草原に
大きな穴が空いてるよ

のぞき込めば青空が
ぼくらの前に広がった

きっとこの中飛び込めば
別の世界に行けるかも

それは新たな季節へと
道をつなげる青い窓

春の雪融け水でできた水たまりを描きました。

雪融け水が作る水たまり

今回の絵は、色合いからなんとなくわかるように、前回の絵の続き、というか片割れです。前回は絵心教室でしたが、今回はPainterだから、ちょっと表現は違うけれど。

前回の絵を描いている途中で、背景だけ軽く下塗りしたとき、ふと錯覚で、真ん中あたりの塗り残しが大きな穴に見えて、そこを水たまりに見立てた別バージョンの絵を描くのもおもしろいかな、と思いました。

北海道の豪雪地帯では、春になるにつれて、真っ白だった平原や牧草地などが、にわかに色づいてきます。あれほど厚く積もって、永久に溶けなさそうにも見える雪の層が溶けると、雪融け水が水たまりをつくります。

最近撮った写真の中にも、そんな風景がありました。写真では十分に伝わりませんが、この水たまりに映った空の青がラピスラズリみたいに輝いていて目を奪わます。

その水たまりに映っている春の空は、まるで地面に開いた別世界へのとびらみたい。なんとなくドラクエシリーズのワープゾーンの「旅の扉」を思い出します(笑)

水たまりに映り込んでいる顔の位置とか角度がおかしいしんですが、厳密に描けるわけでもないし、雰囲気が出ればそれでいいかなーって。楽しんで描けたから、まあいいでしょう。

季節のメリハリを楽しむ

あんなにたくさん積もっていた雪も、もう雪捨て場に積まれたものくらいしか残っておらず、真冬のあの美しさはもうありません。その代わり、あちこちで初めて見る花が咲き始め、まったく別世界のような景色になりました。

ここに移住して何年も経つ人たちに、住んでよかったことを聞いてみると、ほとんどの人が、季節のメリハリがはっきりしていて美しいことだと言います。移住した人だけでなく、ここで生まれ育った地元の人の中にもそう述べる人がいるほど。

夏は30℃、冬はマイナス30℃、年間の寒暖差60℃という、おそらく日本一変化の激しい地方なので、そのぶん四季の違いがはっきりとしていて、それぞれの季節ならではの楽しみがあります。都会育ちのわたしには新鮮な経験ばかりで飽きません。

はじめは、こんなに気候の変化が激しくて体調が大丈夫だろうか、と思っていましたが、引っ越して以来、そこそこ良い体調が続いています。引っ越し前には、半分死んでいるような体調だったことを思えば奇跡的なほど。

思えば、昔から自律神経を鍛えるのに温冷浴とか乾布摩擦とかがいいと言われたりしますが、たぶん変化の少ないメリハリのない環境にいたのが、かえって良くなかったんでしょうね。

一日中 明暗の変化がない環境にいたら睡眠がおかしくなってしまうように、一年中 四季の変化があまり感じられない大都市にいると、自律神経などの機能がうまく働かなくなってしまうんでしょう。自然の中のメリハリやゆらぎでスイッチが入るようになっているのかも。

確か高地で暮らすチベットの民族は特殊な適応遺伝子がオンになっているといった話もありますし。ちなみにモンゴルのゴビアルタイなどは“一日”の寒暖差が60℃なのだとか…それはさすがに無理!

わたしは今、このメリハリある環境をとても楽しんでいますが、地元の人の中には、そんなの最初だけですぐに飽きるよ、と言う人もいます。かと思えば、ここに生まれて60年以上になるのに、毎年毎年楽しくて、絶対都会には行きたくないという人もいます。

身の回りのものに慣れてしまって美しいものが見えなくなってしまうか、それとも楽しい発見にずっと心躍らせるかどうかは、最終的にはその人次第だと思います。

わたしはすぐに慣れてしまうのではなく、レイチェル・カーソンの言う「センス・オブワンダー」(不思議なことに感動する心)をずっと持っていたいと思います。

そのためにも、日々の生活の中で、刻一刻と起こる身の回りの自然の変化に目ざとくあって、ただちらっと見過ごすのではなく、観察したり、写真に撮ったり、絵に描いたりして、しっかり味わって楽しむ習慣を持ちたいと感じました。これからの季節の変化も楽しみです。

投稿日2019.05.03