【11/7 NHKあさイチ!】CFSに似た低血糖症とはー「ちゃんと知りたい!糖質」まとめ

NHKのあさイチ!で「ちゃんと知りたい!糖質」という特集が組まれ、新宿溝口クリニックの溝口徹先生が、「うつ」と誤診されやすい、血糖の急昇降で起こる機能障害“反応性低血糖症”について解説されました。

低血糖症は慢性疲労症候群(CFS)と似た病気として、このブログでもときどき取り上げています。

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ちゃんと知りたい!糖質|NHK あさイチ

 

 

反応性低血糖症とは

今回のあさイチ!は見ることはできなかったのですが、ちゃんと知りたい!糖質|NHK あさイチから、溝口先生が解説された低血糖症の部分についてまとめておきたいと思います。

番組ホームページによると、反応性低血糖症とは、糖質のとり方と関係の深い病気です。

反応性低血糖症では、糖質を摂取した後、血糖値が通常より高い数値まで急激に上がり、その後一気に下がって、糖質を摂取した直後の血糖値よりはるかに低い数値まで落ちてしまいます。その結果、だるさや頭痛、イライラなど低血糖の症状が現れます

発症の原因は、空腹のときに炭水化物を大量にとったり、甘いお菓子を急に食べたりするような、糖質に偏った食習慣です。そうした食生活を続けるうちに血糖値をコントロールする機能が壊れます。

予防策として、久留米大学医学部の山岸昌一教授は血糖値コントロールの3箇条を勧めています。

◆食物繊維を先に食べる:腸でゆっくり消化されるため、血糖値がゆるやかに上がる。
◆ゆっくり食べる:上と同じく腸でゆっくり消化されるように調節できる。
◆食後に軽く運動する:筋肉で糖が使用されるため、血糖値が上がりにくくなる。

無反応性低血糖症と慢性疲労症候群(CFS)

このブログで低血糖症について取り上げるのは、慢性疲労症候群(CFS)と関係があるからです。新宿溝口クリニックの溝口先生は、ご自身のブログで、慢性疲労症候群(CFS)の一部は“無反応性低血糖症”ではないかと述べて、こう説明しておられます。

慢性疲労症候群 | 統合失調症、低血糖症、うつ病

『無反応性低血糖症=慢性疲労タイプ』
の場合には、糖質を摂取しても摂取しても、有効な血糖の上昇が得られません。そのために、甘いものを摂取し続けるようになってしまったり、あるいは重度に深刻な疲労感を覚え、あたかもうつ病のような症状を呈することになります。


このような病態では、基本的に糖質の代謝障害が存在しますので、タンパク質や脂質などの効率のわるい栄養素の代謝によってエネルギー(ATP)を産生するように栄養アプローチを組み立てます。

最近、慢性疲労症候群(CFS)の原因のひとつとして、ATP(アデノシン三リン酸)を造るミトコンドリアの機能が低下していることがメタボローム解析によってわかりましたが、それと同じ点を指摘しておられるのは興味深いことです。

おそらく、大阪市立大学医学部附属病院で慢性疲労症候群(CFS)との診断を受けた方の中にも、溝口クリニックで治療しておられる方がいるのではないかと思います。

わたしの場合も、以下の一連のエントリで書いたように、一時期食事療法として低血糖症の治療を受けようかと悩みましたが、個人的な治療方針に従って、甲田療法のほうを選択しました。

わたしが慢性疲労症候群(CFS)の治療として西式甲田療法を選んだ理由(上)―出会い

新宿溝口クリニックについて

溝口先生は、2000年から一般診療に栄養療法(オーソモレキュラー療法)を応用し始め、治療が難しい多くの患者を改善させました。2003年には栄養療法(オーソモレキュラー療法)を専門とする国内で初めてのクリニック、新宿溝口クリニックを開設しました。

栄養療法(オーソモレキュラー療法)とは血液検査を行うことで、人それぞれの栄養状態を分析し、その人に合った食事指導や、サプリメントの処方を行う根本的な治療法とされています。

1960 年代にカナダの医師 エイブラハム・ホッファー博士が栄養摂取の手法を精神疾患の治療に応用し、その後、ノーベル賞受賞者のライナス・ポーリング博士が、理論的に検証し、確立したそうです。

昨2011年に刊行された図解でわかる最新栄養医学 「うつ」は食べ物が原因だった!にはオーソモレキュラー療法についてこう書かれています。

 

分子整合栄養医学とは

オーソモレキュラー栄養療法(Orthomolecular Nutrition and Medicine)

生体内に正常にあるべき分子(molecule)を至適濃度に保つ(ortho)充分量の栄養素(nutrition)を摂取することによって生理機能が向上し、病態改善が得られる治療法。(medicine)

病気や老化は「細胞の栄養不足」からはじまる。私たちの体は60兆個の細胞で構成されている

体はすべて食べ物(栄養)という材料によって構成されている

病気・炎症・老化は栄養不足が原因

■病気=細胞の故障
■炎症=細胞が激しく壊れている状態
■老化=細胞の衰え、数の減少

至適な量の栄養をとることで、病気や炎症の改善、老化を防げる! (p13)

なお低血糖症について知るには以下の本も参考になります。p206には、慢性疲労症候群(CFS)との関係が書かれています。