12月に読売新聞で連載されていた環境過敏症の記事が閲覧できるようになっていたので、リンクを載せておきます。公開当初はヨミドクターの購読が必要でしたが、現在は無料で読めるようになっています。
第五回の連載はそれぞれ、化学物質過敏症とはどんな病気でどう発症するのか、子どもの患者の抱える問題、医療上の配慮の必要性、漫画家あきやまひできさんの奥様の実体験、Q&Aという話題からなっています。
どの記事も情報豊かで、この一連の記事を読めば、化学物質過敏症を取り巻く状況が外観できるようになっていて、とても秀逸だと感じました。
化学物質過敏症(1)香水で頭痛や息苦しさ : 医療大全 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)
この病気についての詳しい調査が行われておらず、患者数は不明だが、重症患者を数万人と推定する医師もいる。農薬や有機溶剤にも反応し、においを感じないほど微量でも体調を崩す患者が目立つ。
うつ状態などの精神症状を合併する例もあり、この病気に詳しい医師たちは、化学物質過敏症によって精神症状が生じると指摘している。
だが、精神疾患が原因で化学物質を過度に恐れていると誤解されたり、「気のせい」と軽くみられたりする患者が多く、家族の理解も得られずに孤立する。精神科で薬を長期間処方され、症状が悪化する人もいる。
化学物質過敏症(2)「子ども甘やかし」誤解も : 医療大全 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)
化学物質過敏症の患者調査を続ける早稲田大学招聘研究員の北條祥子さん(生活環境学)は指摘する。「子どもの食物アレルギーも以前は周囲に信じてもらえず、『甘やかし過ぎ』と母親が非難されることが多かった。化学物質過敏症は、今もそんな状況にある」
化学物質過敏症(3)消毒薬や麻酔で体調悪化 : 医療大全 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)
名古屋市に住む脳神経外科医の前田茂さん(77)は、今年8月、甲状腺がんが見つかった。進行していたが、主治医は手術が可能と判断した。しかし、入院治療には高いハードルがあった。前田さんは化学物質過敏症を患い、消毒薬などでも体調を崩すため、通常の手順では手術や入院が難しい状態だったのだ。
化学物質過敏症(4)妻の闘病 漫画で紹介 : 医療大全 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)
今年2月、小学館の漫画雑誌「ビッグコミック スペリオール」で、漫画家のあきやまひできさん(50)が連載を開始した。タイトルは「かびんのつま」。化学物質過敏症や光線過敏症など、複数の過敏症に苦しむ妻、かおりさんの実体験を詳しく描いている。
化学物質過敏症(5)Q&A 環境変えて症状改善 : 医療大全 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)
「反応する化学物質は人それぞれですが、主な原因は空気中の化学物質ですので、肺から取り込まれ、脳に直接影響するのかもしれません。
免疫の一種であるIgE抗体によって引き起こされるアレルギーとは、発症の仕組みが異なります。化学物質が鼻の神経を伝わり、脳に直接達するという説もあります。
まだ研究が必要な病気ですが、患者さんが多く存在している以上、医師はできる限りの対応をしなければなりません」