目の疲れを防ぐブルーライト対策。JINS PCを使ってみた感想

ソコンやスマートフォンから発せられるブルーライトにより、眼精疲労が生じやすいことはよく知られた事実です。このブログでも睡眠相後退症候群(DSPS)の記事の中で、ブルーライト対策の必要性について言及しました。

最近のニュースからブルーライトへの対策についてまとめておこうと思います。

パソコン、スマホ…目に有害な「青い光」、専用メガネで対策  :日本経済新聞

ブルーライト

ブルーライトとは、バックライトに発光ダイオード(LED)を使うディスプレーや照明などから出る青い光のことです。たとえば、パソコンやスマートフォンの画面から、大量に発せられています。

青い光は紫外線に次いでエネルギーが強く、目の水晶体を通過して網膜に影響を与えやすいといわれます。パソコンやスマートフォンの画面を毎日長時間見続ければ、以下のような悪影響が心配されます。

◆眼が疲れる:青い光は波長が短く散乱しやすいので、見ている対象がわずかにぼけます。そのため、ピントを合わせるために普通以上の緊張が強いられます。まぶしさやちらつきによって、ドライアイなどの症候性眼精疲労になる可能性もあります。

◆睡眠・覚醒リズム異常:眠りを促す本文であるメラトニンの分泌が妨げられたり、分泌のピークがずれ込んだりします。パソコンやスマホなどの機器を使うこと自体が脳を興奮させるという問題もあります。

◆うつ状態:睡眠の質が悪化することで誘発されやすくなります。

◆網膜の損傷:青い光は紫外線と違い、水晶体や角膜を通過して網膜に届きます。網膜の中心部には視力にとって最も大切な黄斑と呼ぶ部分があり、そこにエネルギーが大きい光が当たり続けると、活性酸素が発生して黄斑変性になる危険が高まります。特に子どもは大人より水晶体の濁りが少ないため、青い光が通り抜けやすく、より強く影響を受けます。

すでに紫外線の悪影響についてよく知っている人は多いですが、ブルーライトにも負けず劣らず悪影響があることが、実験により証明されています。

ブルーライトへの対策

このようにブルーライトには害が多いとはいえ、 今の時代パソコンやスマートフォンを使わないのは難しいことです。どのような対策ができるでしょうか。

◆使用する時間帯
ブルーライトはメラトニンに分泌を抑えます。寝る直前ではなく、朝にパソコンやスマートフォンを使えば、かえって睡眠・覚醒リズムにはメリハリがつくことになります。少なくとも寝る2時間前には液晶画面から離れ、必要な作業は朝するようにしましょう。

◆食事・サプリで予防
例えばブロッコリーやホウレンソウ、卵などに含まれるルテインには網膜の黄斑を保護する働きがあるそうです。

◆液晶画面のブルーライトをカットする
アプリを使って画面の色温度を変更したり、液晶画面に貼り付けて青い光を低減するフィルムを貼ったり、明るさを調整したり、グレア(反射)を抑えたりすることによりブルーライトをカットします。

JINS PCを使う

2011年9月にブルーライトをカットするメガネとしてJINS PCが登場したとき、そのキャッチコピーや価格に魅力を感じて、わたしもすぐに購入しました。

JINS PC | パソコン用メガネ(眼鏡・めがね)

当初はリーズナブルなので効果がなくても仕方ないと思い、興味本位で購入したのですが、不満点もあるとはいえ、以来手放せなくなっています。

マイクロソフト社との共同研究によると、「ぎらつき」「まぶしさ」「目の疲れ」「目の痛み」を軽減することが確かめられたそうです。

誠 Style:JINS PCは効果があるのか? 眼科医が日本マイクロソフトでの導入事例で検証した

わたし個人が感じている効果としては以下のようなものがあります。
◆ドライアイ:パソコン作業によるドライアイや、目のひりひりした感覚がなくなった
◆まぶしさ:ディスプレイのまぶしさを感じにくくなった
◆けいれん:疲れるとまぶたがピクピクする(強直性眼瞼けいれん)が少なくなった

不満点としては以下のようなものがあります。
◆デザイン:最初期モデルのため、人前で使えるようなデザインではない。現在販売されているものはフレームを自由に変えることができ、度付きレンズも使える。
◆レンズの色:レンズが黄色がかっているため、イラストを書くときなど色を間違えることがある。現在ではほぼ透明のレンズも発売されているが、ブルーライトカット率は劣る。しかしサングラスや競合メーカーのレンズと比べると十分すぎるほど透明に近い。
◆グレア:背部からの光がレンズに移りこむため、環境を調整しないとかえって目が疲れる
◆フレーム:紫外線99.9%カットを謳っているが、紫外線はふつう全方位から反射するものなので、目全体を覆うフレームを使わないと意味が無い。
◆カット率:結局のところ最大50%カットに過ぎないので、夕方以降はパソコンやスマートフォンを使わないという根本的な対策に変わるものではない。

正直なところ、目がとても楽になったというほどの劇的な効果はありませんが、ないと困る程度には効果を感じている現状です。ふとJINS PCを外して液晶画面を見ると、あまりの刺激に驚くので、かなりダメージは軽減されているのでしょう。

スマートフォンやパソコンではアプリを使ってブルーライトをカットできるのでメガネが必要ないと考える人もいますが、テレビやゲーム機を使用する場合はそうした機能がないことも多く、メガネの需要は十分あると思います。

ブルーライトは通常の照明にも含まれているため、記事には「青い光を遮断するメガネを寝る2時間ほど前からかけると、寝つきが悪くなりにくくなる」とも書かれています。

どのような対策を選ぶかは人それぞれですが、小概日リズム障害が根本にある病気の治療には、いずれかの方法によってメラトニン分泌を左右するブルーライトに対処することが不可欠だといえるでしょう。