世界50ヵ国以上で承認されていて、再発型の多発性硬化症(MS)の第一選択薬とされているコパキソン(グラチラマー酢酸塩)が日本でも製造販売が承認されたそうです。
武田薬品: 多発性硬化症治療剤「コパキソンR皮下注20mgシリンジ」の日本における製造販売承認取得について | Business Wire
再発予防薬のコパキソンが承認
コパキソンは、イスラエルのTeva社が開発した多発性硬化症の再発を予防する1日1回の皮下投与注射剤です。国内では医療上必要性の高い未承認薬として、承認が進められていました。
多発性硬化症は、日本では約18000人の患者がいて、
■一次性進行型…発病初期から慢性進行性の経過をたどる
■再発寛解型…再発・寛解を繰り返す
■二次性進行型…再発・寛解を経て進行型に転じ
といったタイプがあるそうですが、8割以上の患者が再発寛解型だといいます。コパキソンはこの再発寛解型の多発性硬化症の再発を抑え、再発したときでも重症化を防ぐ薬です。
コパキソンのペプチドコポリマーが免疫細胞の炎症反応を防ぐメカニズムについては、こちらのサイトに書かれていました。
多発性硬化症の再発予防薬としては、すでにインターフェロンベータ製剤であるアボネックスやベタフェロン、S1P1受容体調節薬のジレニア/イムセラ(フィンゴリモド塩酸塩)、モノクローナル抗体のタイサブリ(ナタリズマブ)などが使われています。
患者によって、どの薬が合うかは人それぞれそなので、治療薬の選択肢が増えるのは、望ましいことだと思います。改善する患者が一人でも多くなるよう願っています。
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多発性硬化症の人の寿命
多発性硬化症の人では寿命が短い傾向、一緒に存在する症状の改善が大切か | Medエッジ
悲しいことですが、多発性硬化症の人は、二次的に別の疾患を抱えやすいため、寿命が短くなる傾向があるとされています。調査では、一般の人の平均寿命が83歳だったのに対し、MS患者は76歳だったとのこと。
喫煙はMS発症、進行型への移行のリスク
多発性硬化症が見つかったあとでも禁煙したほうがいいのか? – MEDLEYニュース
喫煙は二次性進行型の多発性硬化症(SPMS)と関係があるというニュース。喫煙しているとMSを発症しやすくなるばかりか、再発寛解型から二次性進行型に移行しやすくなるようだとされています。
禁煙した人は、二次性進行型への移行の平均年齢が遅くなるとも書かれています。