幻覚や妄想、考えがまとまらないなどの統合失調症の症状は脳の海馬の異常が関わっているとする研究がありました。
脳内ネットワークの過剰な活動が統合失調症の症状に関与 | 理化学研究所ス
脳内ネットワークの過剰な活動が統合失調症の症状に関与している – 理研 | マイナビニュース
理研 統合失調症の症状に脳内ネットワークの過剰な活動が関与することを発見 – QLifePro医療ニュース
もともと、『自閉症や統合失調症などの精神疾患の患者は、前頭葉や海馬などの記憶に関わる脳の領域を含む「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼ばれる特定の脳の領域同士のつながり方に異常がある可能性が示唆されて』きたそうです。
デフォルト・モード・ネットワークは、何もしていないときの脳の内省的な働きを示す言葉で、記憶を呼び起こしたり、未来の行動の計画を立てたりするのに重要な役割を果たします。記憶が心の理論や計画性に関わっているという点はこのブログの過去記事でも取り上げました。
海馬は、脳に新しい情報が入ってこない休息中に、記憶を順序立てて整理しています。今回の研究の統合失調症モデルマウスでは、休息中に海馬の場所細胞(移動ルートを覚える)の活動の順番がまったく再現されず、代わりに過剰に高いレベルでほとんど同時に場所細胞が活動していました。
それで患者は海馬の働きが異常になり、記憶の整理ができなくなっている可能性が高く、休息中も海馬が激しく動き、「計画が立てられない」といった病的な症状が表れたり、妄想や幻覚、考えが止まらないなどの症状を引きおこしたりしているのではないかとされています。
最近、緩やかなうつ病でもパターン分離能力(小さな差異を区別する能力)が低下していて、「海馬(脳の中で記憶や情報の統制を司る部分)のサイズが小さいことと関係」があるのではないかという記事がありました。
「うつ」で記憶が低下してしまう? その理由とは : ライフハッカー[日本版]