全盲のNon24(非24時間型睡眠覚醒症候群)にHETLIOZ(タシメルテオン)が効果的

メリカの話ですが、全盲のNon24(非24時間型睡眠覚醒症候群)の治療薬として新しいメラトニン受容体作動薬のタシメルテオン:tasimelteon(商品名Hetlioz)が承認されたというニュースがありました。

tasimelteonは、松果体ホルモンであるメラトニンの2つの受容体(MT1、MT2)の作動薬です。メラトニン受容体作動薬は日本ではロゼレム(ラメルテオン)がすでに発売されています。

全盲の非24時間睡眠覚醒障害に対するtasimelteonを承認/米FDA:医師のための専門情報サイト[MT Pro]

米FDA 盲人の睡眠障害治療薬tasimelteonを承認 | 海外ニュース | ニュース | ミクスOnline

全盲者の55~70%に概日リズムの脱同調がみられるそうで、今回は全盲のNon24への効果が確かめられました。

全盲でないNon24にも効くのかどうかは不明ですが、Non24対象の薬というのは初めてだそうで、ちょっとメモしておこうと思いました。これまでは、ビタミンB12などが効くとされてきました。

ちなみにわたしはしばらくNon24でしたが、今は薬を服用すれば寝られるようになっています。Non24は一般的な睡眠薬は効かないので、こうした新薬が出てくるのは良いことだと思います。

▼2015/08/20追記
tasimelteonが非24時間睡眠覚醒障害の全盲者に、有効であることが、米国ブリガム&ウィメンズ病院のSteven W Lockley氏の研究で示されたという報告がありました。

全盲者の概日リズム調整に新規メラトニン受容体作動薬が有効/Lancet

概日リズム同調達成率は、tasimelteon継続群が90%(9/10例)、プラセボ群は20%(2/10例)であり、途中でプラセボに切り替えると効果が低下したそうです。そのため

この改善効果を維持するにはtasimelteonの継続投与が必要であった

とされています。

▼2015/11/10追記
上記と同様の研究ですが、全盲者の非24時間睡眠障害に新規メラトニン受容体作動薬としてタシメルテオンが有効だったと再度報道されていました。

全盲者の1日のリズムの障害にタシメルテオンが効果 | Medエッジ

18歳から75歳の非24時間型の概日リズム睡眠障害の成人の全盲者で、 
■1カ月で睡眠リズムを正常化できたのは、プラセボで3%、タシメルテオンで20%
■その後正しい睡眠リズムを保てたのは、タシメルテオンを継続したグループでは90%、中止したグループでは20%

ロゼレムに続く新規メラトニン受容体作動薬とのことで、全盲者以外の概日リズム睡眠障害にも使われるようになってほしいですね。