慢性疲労症候群(CFS)の本は読みにくくてわかりにくい。
これはわたしたちCFS患者のほとんどが抱く率直な感想です。教科書とも言える危ない!「慢性疲労」 (生活人新書)はそれほど分厚い本ではありませんが、失読症のような症状に悩まされるCFS患者にとって、読んで理解するのは簡単ではありません。
そもそも、危ない!「慢性疲労」 (生活人新書)の内容のうちCFSの知識として必要なのはごくわずかです。第一回に紹介したそのツラさは、病気ですの中では、たった30ページほどで、すっきりまとめられています。
ではそのたった数十ページほどの情報だけを抽出した冊子はないのでしょうか。
あります。それこそが今回紹介する働き世代の疲労対策 疲れのメカニズムとセルフケアです。
“いいことずくめ”の本
「あまり知られていない」とは書きましたが、疲労外来の待合室に置かれていたこともあるので、ご存じの方は多いかもしれません。
わたしのあるCFSの友人は、この本を読んで、「あの新書のほう(危ない!「慢性疲労」)は読んでいてぜんぜん分からなかったけど、こっちはすっきりまとまっていて、はじめて自分がどんな状況にあるのか分かったよ」とおっしゃっていました。
以下にこの本の“いいことずくめ”な3つの特徴をご紹介しましょう。
簡単に読める:この本の第一の特徴は、なんといってもわずか46ページで必要な情報が網羅されていることです。
基本的には“疲労とは何か”を説明する本なのですが、疲労の研究は、健康な人とCFS患者の比較によって進められています。それゆえ、CFS患者はどのように一般の人と異なり、どんな異常があるのか、どんな対策が効果的なのかが書かれています。
内容が最新:この本の第二の特徴は出版されたのが2011年4月と比較的新しいことです。これに対し、危ない!「慢性疲労」は8年前の本で、情報は相当古くなっています。
この本では、慢性疲労症候群(CFS)の検査として、危ない!「慢性疲労」でおなじみのアクティグラフやアクティブトレーサーはもちろんのこと、指尖加速度脈波、ヘルペスウイルスによる疲労試験紙、酸化ストレスなど、このブログで取り上げた最新の情報が載せられています。
価格が手頃:注意すべき点として、この本は、一般の書店で売られているものではありません。財団法人 東京顕微鏡院から頒布されている小冊子です。価格は250円と手ごろなので、CFSを知る一冊としておすすめです。
東京顕微鏡院は1891年4月1日に細菌学者遠山椿吉博士が立ち上げた東京顕微鏡検査所ルーツとし、食品と環境の安全性に関する検査や公益活動等を通して社会に貢献している団体です。
【小冊子】シリーズ「働きざかりから始める、人生80年時代の健康づくり 7~9」 : 出版物 | 財団法人 東京顕微鏡院
このように働き世代の疲労対策 疲れのメカニズムとセルフケアは本を読むことが難しいCFS患者にとって“いいとこずくめ”の本です。とても重宝する小冊子ではないでしょうか。