子どもたちの「シックスクール症候群」同級生と別の避難教室で授業も

2010年に岩手県の学校でシックスクール症候群を発症した子どもたちのその後についての記事が掲載されました。シックスクール症候群とは特に学校で発症する化学物質過敏症のことで、のちに多種類化学物質過敏症(MCS)に発展することもあります。

ックスクール今も…「現状知って」保護者訴え : アラカルトニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

今も苦しんでいる子どもたちがいる」

2010年2月、岩手県奥州市立胆沢第一小学校で、校舎の老朽化に伴う工事中に、児童たち22人にシックスクール症候群が発症しました。そのうち4人は重症化し、まだ通院中だそうです。

その一人、本格的な化学物質過敏症(CS)に発展したある女の子について、次のような現状が書かれています。

中学に進学してからも、制汗剤や野焼きの煙などに接すると、強い頭痛や吐き気などを訴えている。症状が出ると早退し、酸素ボンベを付けるなどしながら、解毒のために病院で点滴をうつ。同級生と別の「避難教室」で授業を受け、体育や美術などは受けることができないという。

深刻な状況であることが読み取れますが、ここに書かれてあることは種々の苦痛を伴う症状や、ご家族の苦労のほんの一部に過ぎません。女の子のお父さんはこう述べています。

「問題はまだ終わっていない。今も苦しんでいる子どもたちがいることをしっかり認識してほしい」

化学物質過敏症(CS)は慢性疲労症候群(CFS)ととても似た症状を示す病気です。両方を発症し、境界があいまいなこともあります。どちらも外見は元気そうに見えるため、すぐ「元気に活動している」と誤解されがちです。

病気を理解しようとしなかったり、病気の存在そのものを疑ったりする人たちがいますが、今も子どもは苦しんでいる、ということは疑いようのない事実なのです。

記事では「第三者委による被害児童や保護者への聞き取りなどは行われておらず、実情が伝わっていない」と書かれていますが、周りにいる人たちには、ただ遠くから眺めているのではなく、苦しんでいる子どもとその家族に近づき、気持ちと実情を知ってほしいと思います。