30万人の患者より1人の悲劇のヒロインが心を動かす理由

「慢性疲労症候群の患者は30万人もいます」。これはよく見られる説明ですが、統計的事実は人の心を動かしません。感情を動かすのはたった一人のエピソードです。ダン・アリエリーの「お金と感情と意思決定の白熱教室: 楽しい行動経済学」という本から、なぜ多くの人が抱える問題より、たった一人の悲劇のヒロインのほうが注目されるのか、説明しています。

貼り絵師 山下清に学ぶ「自閉症とサヴァンな人たち」

貼り絵師 山下清の描画能力や、強い記憶能力はどこから来ていたのか。写真のような精密な風景を描ける画家の能力は何に支えられているのか。そうした疑問について「自閉症とサヴァンな人たち -自閉症にみられるさまざまな現象に関する考察‐」という本から考えています。

なぜ人はテロに強い不安と恐怖を感じるのか―「利用可能性カスケード」という錯覚

最近、テロのニュースが頻繁に報道されています。ノーベル経済学賞のダニエル・カーネマンの本「ファスト&スロー」によると、こうした報道は利用可能性という落とし穴につながるかもしれません。利用可能性カスケードとは何か、問題を置き換えるヒューリスティックとはなにかについて書いています。

不登校にも役立つ『「うつ?」と思ったら副腎疲労を疑いなさい』

慢性疲労症候群や線維筋痛症、不登校などにも関わっているとみられる副腎疲労。幸いにもメカニズムや治療法はある程度分かっており、自宅でできるセルフケアもあります。『「うつ?」と思ったら副腎疲労を疑いなさい 9割の医者が知らないストレス社会の新病』に基づいて、副腎疲労とはなにか、ほかの病気とどう関係しているのかを取り上げています。

絵の描き方から分かる自閉症スペクトラムの4つの特徴

アスペルガーを含め自閉症スペクトラムの芸術家は大勢います。その独特な認知特性は、絵を描くときにも表れるそうです。「芸術と脳: 絵画と文学、時間と空間の脳科学 」という本に基づいて、「窓やドアから描き始める」独特な描き方を紹介します。

アスペルガーから見たおかしな定型発達症候群

定型発達症候群(Neurotypical syndrome)は神経学的な障害である。「アスペルガー流人間関係 14人それぞれの経験と工夫」という本では、定型発達の人は、とても奇妙に思えると書かれています。多数派を占める定型発達と少数派のアスペルガー、その違いが、一方的にアスペルガーを「問題」としているのではないか、そんな疑問について書いています。

集中し没頭する幸せな時間「フロー体験」を味わう8つのポイント

「ゾーンに入った」「エクスタシー」「過集中」…。時間を忘れて何かに没頭した極度の集中状態は、古今東西、いろいろな言葉で表現されてきました。学問的には、特に「フロー体験」として、ミハイ・チクセントミハイによって研究されているそうです。「フロー体験入門」から、フローを見つけるのに大切なポイントを8つまとめてみました。

本当にいる空想の友だち「イマジナリーフレンドと生きるための存在証明」

イマジナリーフレンド(空想の友だち)という言葉を聞いたことがありますか? 通常は子どもが経験する現象ですが、中には大人になってからも経験する人たちがいます。この記事では、実際の体験記である「ここにいないと言わないで ―イマジナリーフレンドと生きるための存在証明―」を通して、その豊かな精神世界に迫ります。

大人の発達障害「自閉スペクトラム症/アスペルガー症候群」の5つの特徴と役立つリンク集

最近、大人の発達障害を疑って医療機関を受診する人が増えているといいます。その多くは、子どものときから困難を抱えながらも、なんとか学生生活には適応してきました。しかし社会人になると、生活が立ち行かなくなってしまった人たちです。大人の発達障害、特に自閉症スペクトラム障害にはどんな特徴があるのか、「図解 よくわかる大人の発達障害 」にもとづいて紹介します。

複雑に絡み合う「子どもの発達障害と情緒障害(愛着障害)」

杉山登志郎先生の本子どもの発達障害と情緒障害 (健康ライブラリーイラスト版)を読みました。近年、自閉症スペクトラムやADHDなどの発達障害はよく知られるようになりました。しかし、発達障害がもとで生じる、二次的な障害、つまり心の問題や愛着障害については、十分な注意が払われていません。本書で学んだ両者の関係について簡潔にまとめてみたいと思います。

治りにくい病気の背後にある大人の発達障害「重ね着症候群」とは

治りにくい精神科疾患や心身症の背後には、もしかすると軽度の大人の発達障害(アスペルガー症候群など)があるかもしれない。その概念は衣笠隆幸先生により「重ね着症候群」と名づけられました。このエントリでは「重ね着症候群」に当てはまるのはどんな人か、どんな特徴があるのか、という実態に迫りたいと思います。

「線維筋痛症がよくわかる本 」イラスト入りでわかりやすい良書!

「線維筋痛症がよくわかる本 全身を激しい痛みが襲う (健康ライブラリーイラスト版)」を読み終わりました。わかりやすさに定評のある「健康ライブラリーイラスト版」ですが、予想以上に良くまとめられていて、とても勉強になる本でした。 この本の内容や読んでよかった部分について簡単にまとめたいと思います