東京シティ・フィルによる、交響組曲「ドラゴンクエスト」IV~VIベストセレクション天空シリーズに行ってきました! ドラクエのコンサートは、じつはこれが初めてて、今まで行きたいと思いつつ、機会を逸していたので嬉しい体験でした。
いつものごとくクラシック・オーケストラファンの相方を誘って楽しんできたので、感想を書きたいと思います。いつものごとくメモと記憶を頼りに書いているので、途中に出てくるトーク内容の表現などは正確ではなく、そういうニュアンスだった、という意味に受け取ってもらえたらと思います。
もくじ
滑り込みセーフで到着!
今回のコンサートは、ドラクエ30周年記念なのか、昼の部はロトシリーズ3部作、夜の部は天空シリーズ3部作という豪華な構成。わたしは両方行きたかったのですが、昼間は用事があったので、残念ながら、夜の部だけということに。
まあ個人的な思い入れとしても天空シリーズの特に5と6が強いので、そちらが聞けるといいかなと。今回もついてきてもらった相方のほうは、オーケストラのクラシックだからなんでもいいようですし。
しかしゼルダコンサートのときもそうでしたが、今回もまた強行スケジュールを決め込んだせいで、15分前にやっと会場につけるという、けっこうタイトな予定に。でも、なんとか予定の電車に乗れたので、「よかった、間に合う」と二人でほっとしていたのもつかの間。
新宿駅を過ぎて、すぐとなりの駅だと思っていたのに、次の駅が違う駅名。ん?怪しいぞ…まさか、と思って路線表を見たら、なんと乗り換えるのを忘れていた! 慌てて次の駅で降りて、Uターン。「こりゃダメかもしれない…」と言いつつ、相方には走らせてしまった。クラシックコンサートなので、もしかすると、途中入場できなくて、途中の休憩時間まで待たないとだめかもなーと頭を抱えました。
「新宿」と「東新宿」が別ルートなんて聞いてない! …いや、わたしの下調べ不足のせいですけどね。相方は「いつものことだからね」と平然としていたり。いつもごめんなさい。
しかし駅についてからのルートはちゃんと調べていたおかげでスムーズにいけて、なんとか開演3分前に滑り込めました。相方は、「ほんといっつもギリギリの人生だね…」と苦笑してました。返す言葉もございません。
昼の部は行けなかったけど、なぜかパンフレットが余っていたので、せっかくの記念に、ということで、両方もらってしまいました(笑)
前半の部(ドラクエ4)
いよいよ始まったドラクエコンサート。
序曲(IV)
最初はもちろんこの曲。ドラクエの序曲から。
といっても、今回は4バージョンとのことで、指揮者の井田さんによると、各作品で、少しずつ変更が加えられているとのこと。
確かに、1-3のロトシリーズ、4-6の天空シリーズ、そして10などでは、変更点がかなり目立って、曲の雰囲気がガラリと変わりましたよね。ロトシリーズのときは豪華な前奏があって高貴さを感じさせたり、10だと壮大な伝説の幕開けを感じさせる前奏があったり。
王宮のメヌエット
続いて4のお城の曲である「王宮のメヌエット」。ちょっと寂しげながら、気品が漂う曲。優雅な雰囲気は出ているけれど、この後の5の「王宮のトランペット」のような明るさがなく、どこか近寄りがたい雰囲気です。だいたい4はお城のイベントというのが滅んだり囚われたり魔物だらけだったりしたから、暗めの雰囲気でいいのかもしれませんが。
勇者の仲間たち
続いては、各章の登場人物の曲の詰め合わせである組曲「勇者の仲間たち」。最初はセーブファイルのセレクト画面の曲から始まり、ライアン、アリーナ、トルネコ、マーニャとミネアの曲が続きます。
最初はライアンの「戦士はひとり征く」、次はアリーナの「おてんば姫の行進」。このあたりは、わたしはあんまり思い入れがなかったり。
印象深いのはやっぱり「武器商人トルネコ」。本編ではたいして印象深いわけではなかったんですが、スピンオフの不思議のダンジョンでは延々とこの曲のアレンジを聞かされるので、一番長く聞いた4の曲といっても過言ではないはず。コントラバスの重低音が一番生きる曲でもあるかもしれない。
続く「ジプシーダンス」は、この中では唯一の戦闘曲。指揮者の井田さんが一番好きとおっしゃっていただけあって、全身を使った、まさにダンスを踊るような情熱的な指揮による演奏でした。オーケストラならではの生気がよく伝わってきましたね。カスタネット?みたいな打楽器の軽快なリズムがホールによく響いていました。
そして「ジプシーの旅」でしっとりと締め。父の仇を求めてあてどなくさまよう寂しさのこもった旅の曲です。最後はまたセーブファイルのセレクトの曲に戻ってユーモラスな演奏で終わり。
勇者の故郷~馬車のマーチ
続いては、満を持して、第五章、勇者のフィールド曲。故郷を滅ぼされて、たった一人で旅をする勇者の悲哀と決意が入り交じるような、ドラマチックな旋律です。なんとなく、1のフィールド曲の「広野を行く」のような寂しさがありますね。後半、テンポを落としてしっとりと奏でられる部分がまたしんみりします。
そのまま勇壮な行進曲に変わり、「馬車のマーチ」へと。馬車を手に入れて、仲間がそろったことで、意気揚々と魔王討伐への旅が始まる、という印象。途中で音が小さくなったかと思ったら、突然大音量で再開するという、緩急ありまくりで油断するとびっくりさせられる場面も。
エレジー~不思議のほこら
次は、4屈指の鬱場面であるアッテムト鉱山の曲「エレジー」。実際には全滅時とか、悲しいときには毎回流れるけれど、アッテムト鉱山の印象が強い。そして、いつ聞いても悲しい。ロザリーの死なども思い出させて、悲しみをかきたてます。よく7が鬱ゲーだとか言われますが、わたしとしては4のほうがストーリー全体が救いようのない鬱なイメージですね。リメイク版では救済要素が入ってますけれど。
このアッテムトの鬱音楽の後、「不思議のほこら」で浄化されるのは、この後の5のほうでもあるけれど、すぎやま先生お得意の鬱→浄化のメドレー。
海図を広げて
そして海の曲「海図を広げて」。
…なのですが全然印象に残ってない(笑) 4に限らず、海の曲はどれも雰囲気がよく似ているのと、船旅にマッチしすぎているせいなのか、わたしは無意識で聞き流しちゃうことが多いようで(笑)
のどかな気球のたび
次は、4の空移動用の乗り物である熱気球の曲。前奏の時点では、落ち着いた優雅な空の旅かと思いきや、次々に変化の激しいメロディ押し寄せてきて、テンポもころころ変わるわ、複雑極まりない構成だわで、あれほど長い間 気球で旅していたはずなのに、どうやっても、メロディを覚えられない難曲。気まぐれな気流に翻弄されて、てんやわんやしながら飛んでいるイメージです。オーケストラで聞いても、やっぱりどういうメロディなのかよくわからない…。
栄光への戦い
4の最後は、バトル曲メドレー。最初は通常戦闘曲の「戦闘―生か死か」。ドラムがバンバン打ち鳴らされて、金属音が鳴り響く、激しすぎる演奏がかなりかっこいい。ゲームで聞いているとただの戦闘曲ですが、オーケストラの迫力だと、熱狂的です。
そして、激しい疾走感あふれるメロディが一転、エスターク戦やデスピサロ戦で流れるラスボス曲、「邪悪なるもの」。激しいバトル曲というよりは、強大さを演出する重厚感ある曲。
これまで、この曲はどちらかというと平板なイメージで、3のラスボス曲「勇者の挑戦」などと比べると、微妙だと思っていたんですが、今回印象が一変。オーケストラで聞くと、重低音がものすごい迫力で、巨大な異形のデスピサロがズシンズシンと迫ってくる足音のように聴こえるんですね。ある意味ゴジラに合いそう。すぎやま先生といえば、ビオランテの作曲もされてましたが。
最後は最終形態の曲「悪の化身」。ジャーンというおどろおどろしいゴングの音が鳴り響き、さらに迫りくる生き生きとした迫力が増し加わります。退路を絶って圧倒的な力で追い詰めてくるような、まさにラスボスの脅威にふさわしい。しめくくりは、ついに勇者の剣がデスピサロを貫いて、巨体がズシーンと地に倒れ込んだかのような演奏。
すぎやま先生のバトル曲って、他のRPGと違って、クラシックの手法で作られていて、流れのあるメロディではなくて、モチーフの組み合わせで作曲されているので、舞台芸術的な感じがしますね。ときには不協和音のような単発的な音も組み入れて、勇者たちの混沌とした心境をうまく表現しているように感じます。
ここで15分の休憩。かなり濃厚な前半で、ラスボスを倒したかのような余韻にひたります。今回は物販での限定アイテムなどがあるライブではないので、席に座ったまま、相方に、ここに書いたような各曲の解説や感想を喋ってました。話半分に聞いていた様子なので、意味が伝わったのかどうかは知らない。
後半の部(ドラクエ5)
休憩後の後半は、まず、すぎやま先生が登場! 割れんばかりの拍手の中、「すぎやまこういちLV85です」と名乗るものだからさすがです。とても85歳には見えない、スラッとした姿勢に、滑舌のよさ、そしてユーモアセンス。リアルチートと呼ばれるだけはありますね。
「昼の部からずっとコンサートを聞いてるけど楽しいね―!」と感慨深くおっしゃって、「音楽は心の貯金」また「音楽は心のタイムマシーン」ですと、いつもの名言をご披露くださいました。本当に、音楽って、心が豊かにされるし、後でその感動から力を得たり、タイムマシーンのように思い出を取り戻したりできますもんね。
すぎやま先生が、「昼の部のロトシリーズのほうも聞いた人!」、と尋ねるとかなり大勢が手を挙げていました。うらやましいなー。わたしも時間あったら両方聞きに行ったのに。
それと、すぎやま先生が、指揮台の前に置かれているスライム二体に注目して、「これどうしたの?って聞いたら、井田さんのものなんだって!」と指揮者の井田さんのドラクエ愛を披露。ほんとドラクエが好きなんだな―と感じました。
王宮のトランペット
後半の最初の曲は、ドラクエ5から、お城の曲である「王宮のトランペット」。
お城ならどこでも流れる曲なのですが、わたしとしては、グランバニア城のイメージが強い。ドラクエの主人公は王族であることが多いですが、自分のお城に戻ってくるということはあまりなくて、ローレシア城のように最初の出発地点にすぎなかったり、レイドック城のように、なんか父子疎遠で居心地が悪かったり。
でも、ドラクエ5のグランバニア城だけは違って、実家そのものの安心感。主人公が苦労の果てにたどりついた後にようやく見つけた自分の家でもあり、ルイーダの酒場やタダ宿があるおかげで物語の中で何度も帰ってくる拠点というイメージがあります。
主人公が王様だし、子どもも王子と王女で、仲間は家臣だったりするから、アットホームなんですよね。だから「王宮のトランペット」は安心感があって好きな曲です。
街角のメロディ~地平の彼方へ~カジノ都市~街は生きている
次のメドレーは、町から町へと移動していくような感じ。「街角のメロディ」は街というよりは、妖精の村の曲ですが、子ども時代のファンタジーな冒険を思い出して、心がうきうきする曲。地平の彼方は、フィールド曲として延々聞きましたが、いつ聞いてもさすらいの旅路がよみがえる冒険心あふれる名曲。PS版の影響もあって、フィールドが美しく昼夜移り変わっていく様子が思い出されます。
途中でカジノをはさみますが、7のカジノ曲あたりは、どことなく背徳感があるのに対し、5のカジノ曲は純粋に楽しい感じ。といっても、5が歴代で一番カジノにお世話になって入り浸るドラクエだったりするんですが(笑) メタルキングの剣、グリンガムのムチ、エルフののみぐすりにはお世話になりました。
そして、歴代屈指の街BGM、「街は生きている」。この曲があるからこそ、けっこう重いストーリーなのに、5の全体的なイメージは明るいんだと思います。奴隷状態から解放されて、やっとたどり着いたオラクルベリーで、このBGMが流れていて、もう自由なのだ、という感慨がこみ上げてきて、本当に安心しました。
洞窟に魔物の影が~死の塔~暗黒の世界~
続いては、ダンジョン系BGMのメドレー。「洞窟に魔物の影が」は、グランバニア山の洞窟あたりのイメージが強いかな。全体を通して、さまざまなダンジョンで流れますが、あのチゾットの山道から続くあの険しい高地は、かなり厳しい起伏を感じさせるダンジョンで、延々とダンジョンBGMを聞き続けたように思います。ストーリー的にも山場ですからね。
「死の塔」は、そのすぐ後に行くことになる、グランバニア北のデモンズタワーのイメージが強い。あそこも、青年時代前半の最終章として、イベント含め、記憶に残る場所でした。キメーラとオーク、そしてジャミという強敵ボスたちが待ち受けている難所でした。特に小説版では、このデモンズタワーで、ずっと一緒だった仲間モンスターたちが次々に死んでいくんですよね。全ストーリーの中のハイライトとして描かれていて、あのときのスミスは最高にイケメンでした。
「暗黒の世界」は、イブールを倒したあとの、裏世界のフィールド曲。怖いというより、奇妙で怪しい、というイメージでしょうか。いかにも魔物がたむろしてそうな邪悪なモチーフが散りばめられた、まがまがしい雰囲気です。ザラキを連発してくるホークブリザードや、恐ろしい攻撃力のキラーマシン、グレイトドラゴンには苦戦しました。そのぶん、仲間にできたときがすごく嬉しかったり。
高貴なるレクイエム~聖
続いては、絶望感ただよう「高貴なるレクイエム」。4のアッテムト→ほこらに続く、鬱→浄化のメドレー。
ストーリーでは、ゲマに父を殺されて奴隷にされたり、石にされて何年も動けなくなったりという絶望的なシーンで流された印象的な曲。どうあがいても絶望、という言葉がぴったりです。「哀愁物語」とセットで、5のストーリーの悲壮さを象徴していますね。オーケストラで聞いても、重低音が重苦しさをかきたてます。
そして後半は「聖」(ひじり)という、ほこらなどで使われる曲に。ストーリーでも、奴隷状態から解放された後の海辺の修道院で流れるので、ようやくホッと一息つけて、心が浄化されるような神聖なイメージでした。
戦火を交えて~不死身の敵に挑む
5のメドレーの最後は、通常戦闘曲の「戦火を交えて」から。
歴代屈指のバトル曲で、バトルにふさわしいリズムのよさと、盛り上がりが印象的で、何度聞いても飽きません。オーケストラで聞くと、音が強くなったり弱くなったりしていて、ちょうどリメイク版5のバトルーンのように、敵が迫って攻撃してきて、そのあと遠ざかっていくような、緩急が感じられます。すぎやま先生のバトル曲全般にいえますが、音によって戦いの空間を立体的に描写しているなーと感じさせられます。
そしてトリを務めるのは、「不死身の敵に挑む」。ボス戦の曲ですが、しょっぱなからデンッと迫力ある音が鳴り響き、強烈な威圧感を感じさせます。とても倒せそうもない不死身のボスにふさわしい曲。特にゲマ戦の印象が強く、これほど恐ろしい敵に本当に勝てるのだろうか、という緊張感がよみがえります。ボス戦だけの演出の、攻撃したときのバシッというSEがしぜんと脳裏に再生されますね。
後半の部(ドラクエ6)
ここで5のメドレー終了。最後の6に入る前に小休止。さすがに全身をつかって踊るように指揮している井田さんは、かなり疲れている様子。昼の部からやってるんだから当然疲れがピークですよね。
しかし、ここでもドラクエ愛を披露してくださって、汗を拭おうと取り出したハンカチが、なんとステテコパンツ柄(笑) 会場の爆笑を誘います。
そして、演奏者の中のハカセさんと一緒にドラクエトーク…なのですが、お二人ともお疲れなのか、まったく冴えないグダグタトーク…。 「4-6の天空シリーズはつながりがわかりにくいですけど、お城が浮きますよね」、という何が言いたいのか分かるような分からないようなループにはまってました。
それでも、天空シリーズの思い出といえば!ということで、あの究極の呪文、「5では誰と結婚しましたか?」が発動。ビアンカ、フローラ、デボラとそれぞれ言われて会場内の観客が手を挙げる。さすがビアンカとフローラは同数くらい? デボラは後発なだけあって少なめか。わたしはビアンカですけれども。
面白かったのが、それぞれの質問に演奏者の方たちもちらほら手を挙げていたところ。井田さんが、「東京シティフィルは演奏者もドラクエに親しんでいるのがいいところ」だとか言ってましたよ。
そして、最後には、やっぱり「全員選んだ人!」と声がかかって、けっこうな数の人が手を挙げたました。いやー、わたしは何周もプレイしましたが、毎回ビアンカでしたよ。 浮気ができない性格なので! ( ̄ー ̄)
空飛ぶベッド
さて、いよいよ最後のドラクエ6編がスタート。…なのですが。
ドラクエ6からの曲はまさかのたった三曲だけという哀しみ…。いやー、今回のコンサート、じつは6に期待していたんですけどね。
それでも一曲目に「空飛ぶベッド」というのはなんとも素敵。ドラクエには数々の乗り物が出てきますが、その中でも特に異色なのがこのベッド。夢と現実を舞台にした6の世界観ならではの乗り物で、血なまぐさいファンタジーではなくメルヘン寄りのファンタジーであるドラクエだからこそ出てくる乗り物だと思います。乗り物の曲としては、9と10の汽車曲「箱舟に乗って」と同じくらい好き。
空飛ぶベッドに乗った時のBGMの「空飛ぶベッド」も、普通のベッドが突然浮き上がって飛びだしたときの驚きを感じさせる、木琴の音色が軽やかで楽しい曲。子ども心をくすぐるメロディ。惜しむらくは、空飛ぶベッドが森も山も越えられないせいで、乗る期間が短いことでしょうか。一応、曲のほうは魔法のじゅうたんのときも聞けるのでいいんですが、ベッドのほうはじゅうたんと違って持ち運べないこともあって、本当に一時期しか使えない。まあ、ひたすらベッドに乗って移動する勇者というのもあれなので、ちょっとの期間乗って夢心地になる、というくらいが丁度いいのでしょうね(笑)
エーゲ海に船出して
二番目は、定番の海の曲、「エーゲ海に船出して」。海の青さや広がりが想像できる雄大な曲です。途中で、街の曲のような軽快なメロディがはさまれて、波に揺られてゆったり進むかと思えば順風満帆に吹かれて勢い良く進んでいくようなメリハリのある船旅を感じさせますね。
しかし…6は乗り物が多くて、特に船が印象深いこともなかったような。4のときと同じく、特にこれといったシーンが頭に思い浮かばなくて(笑) 船だけでなく、ひょうたん島で移動したりもしたはずなんですが。6というと、馬車で移動しているマップBGMや天馬で空を駆けるBGMのほうが記憶に残ってますね。
時の子守唄
そして、プログラムの最後の曲は、6のエンディング曲、「時の子守唄」。壮大でありながら、哀愁ただよう不思議な曲。
6のエンディングは、あまりハッピーエンドという気がしなくて、夢の世界は消えてしまうし、バーバラとは離れ離れになってしまうしで、最初見たときは、納得のいかないものでした。あれだけ世界を救ってきて、最後、こんな結末なのか…と。そこで流れる曲がこの哀愁漂う「時の子守唄」なものだから、切なくて辛くて。
でも、DS版が発売されて、もう一度6をやってみたとき、いや、6のラストはこれでよかったんだろうな…と思ったり。6のテーマは夢で、夢はいつかは覚めるもの。
ちょうどゼルダの伝説夢をみる島とよく似ていて、あちらも夢の世界コホリントが崩壊する、切ない「かぜのさかな」の歌でエンディングを迎えます。そして、どちらのエンディング曲も、しんみりした前半と一転して、後半、勇ましく、力強く盛り上がってくるんですよね。この「時の子守唄」は特に、迫力あるドラムがドドドドと打ち鳴らされるようなシーンから、どんどん壮大になっていって哀愁を巻き込んで、それでも未来へと進んでいくような盛り上がりを見せます。
エンディングだと、バーバラがゼニス城で、大きなタマゴを見守って、未来が生まれる様子を見守っている場面へと続いていくんですよね。あのタマゴが何なのかは諸説あって、一説によると4や5の世界につながるマスタードラゴン誕生の物語なのだとか。なんであるにしても、夢の世界が失われて、それとは違う新しい未来が生まれて、歴史は続いていく、そんな時代の盛衰を感じさせる、哀しみと期待が交錯する壮大なエンディングだと、改めてプレイしたときに感じました。子ども心には理不尽に思えるけど、大人になって初めて良さのわかるメロディ。
ちなみに…この時の子守唄はもともとは科学忍者隊ガッチャマンのために作られた楽曲だったとか…。 えー…(笑)
すぎやま先生は、あまり報われなかった過去曲を流用して、表舞台に登場させることがよくあって、7と8のエンディング曲もそうやって作られたのだとか。さらに、9のラスボス曲は、途中でイメージが変更されて、もともとの曲は今後にとっておいたらしいので、もしかすると、11で使われたりするのかな。
そんな感動や哀愁が入り交じる中で、壮大に盛り上がった6のエンディング曲も終わり、会場内は万雷の拍手! …クラシックのお決まりだけど、指揮者が出たり入ったりしてる間ずっと拍手しているのはさすがにきつい(笑)
そして、井田さんが観客席に手を向けると、観客席から立ち上がったのはすぎやま先生。前のほうのブロックの席でちゃっかり観客にまぎれて、コンサートを堪能しておられたのでした(笑) いっそう大きくなる拍手。
アンコール : 序曲(X)
会場のそでから再びアンコールに現れた指揮者の井田さんは、なんと、上着を脱いで、スライムのベストを装備!(笑) アンコールならではの遊び心ですね。スライムの服、あの濃い水色が、楽団の真ん中に立つと浮きまくってる(笑)
そして、アンコールに答えた一曲は…
ドラクエ10の序曲でした! …あちゃー、天空編のコンサートだし、ここまで演奏されていない曲だと、5のエンディング曲の「結婚ワルツ」が来るか、とひそかに楽しみにしてたんですけどね…。途中で、だれと結婚したの?なんて話題を振るから、なおさらに期待したじゃないですか。あの曲をぜひオーケストラで聞きたかった。
でもまあ、序曲だったら納得せざるを得ないというか。正直4-6の天空編コンサートなのになんで10の序曲?と言いたいのは山々なのですが、序曲で締めなら、それでいいか、と思ってしまえるほどの魅力がありますね。原点にして頂点。
満喫した初のドラクエコンサート
こうして、コンサートは閉幕。最後また出たり入ったりして、拍手で手が痛くなりました。
終わった後で、さっそく、クラシックに詳しい相方に、「なんでコンサートの指揮者って出たり入ったりするん?」と聞いてみたら、幕引きとカーテンコールの代わりだとかなんとか言ってましたが忘れた。「前も聞いてたよね…」とか言われたけど覚えてない。たぶんまた聞くと思います。
今回は4-6の天空シリーズのコンサート、ということでしたが、4の曲が過半数で、5の曲が1/3ほど、そして6の曲はほんのちょっと、という割り振りでしたね。本音を言えば、わたしは4はあんまり思い入れがなくて、ドラクエは5、6、7が大好きなので、ちょっと選曲は残念でした。でも、オーケストラで聞いてみると、4の楽曲も思っていたより良く、特にバトル曲の迫力には目を見張りました。5は「結婚ワルツ」がなかったのは残念ですが、他の好きな曲はひととおり押さえてくれていましたし、6はエンディング曲が聞けたので、まあおおむね満足です。
コンサートでもらったパンフレットの中に、来年のドラクエ7のコンサートのチラシが入っていましたが、もちろんもうチケット購入済です! ドラクエの曲の中で一番7が好きなので楽しみ。
今回のコンサートのアンケート用紙にも、一番好きなのは?という欄でドラクエ7にマルしておきました。
帰り道は、ちょっとそのあたりを散歩していたら、スクエニの公式カフェ「アルトニア」とやらがあったので、中をのぞいてみました。コンサート後だったので、混み合いすぎていて、一休みというわけにはいきませんでしたが…。
相方は、ドラクエのオーケストラはクラシック好きとしてしっくりくるらしく、いい休日だったとのこと。特にゲームの思い出があるわけじゃないので、どれがよかったとまではわからないみたいですが、今後何度も行くうちに曲名覚えてくれるかも。また来年のコンサートが楽しみです。