大逆転裁判ストーリー感想2 次回作に残された大量の伏線 (第三話~最終話ネタバレあり)


  • 2015年7月29日
  • カスタムカテゴリー: 逆転裁判

逆転裁判、最終話までクリアしました。期待を裏切らない楽しさでした。同時に、次回作に向けて、たくさんの伏線を残した終わり方にもなりました。

第一話から第二話の感想は大逆転裁判ストーリー感想1 光るタクシュー脚本と魅力に溢れたホームズ像(第一話~第二話ネタバレあり) に書いたので、今回は第三話から第五話(最終話)の感想や、ゲーム全体の感想などを書きたいと思います。

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第三話 疾走する密室の冒険

あらすじ

大英帝国に着いた成歩堂たちは、ヴォルテックス首席判事に報告に行く。死んだ親友の亜双義の遺志を継いで弁護士になりたいと申し出ると、だれも弁護を引き受けないという裁判の弁護をするよう依頼された。事件は疾走する乗合馬車の中で生じ、馬車の扉には鍵がかかっていて、中には被告人のコゼニ―・メグンダルと被害者しかいなかったという。

今までにない絶望的な状況から始まる

逆転裁判は、いつも絶望的な状況ですが、この話は、ことさら絶望的な状況でスタート。というのも、疾走する馬車の中、被告人と被害者が二人っきりだったというわけなので、だれかが乗り込めるはずもなく、被告人が被害者を殺した以外の選択肢が見当たりません。

その被告人は、高利貸のコゼニ―・メグンダル氏。(名前がタクシューのセンス抜群ですね)。最初は慈善事業などをしている良い人に見えますが、じつは高利貸として、あくどいことをしていたことが徐々にわかり、聴衆を敵に回します。そして、被告人を信じたいと思っている成歩堂本人も、被告人の態度を見ているうちに信頼が揺らいできます。

発想はおもしろい群衆裁判と陪審員制度

この話は、今回の作品ではじめて導入された「群衆裁判」がお披露目です。多数の人を尋問するというのはレイトン×逆転裁判でも搭載されていた制度ですが、よりパワーアップしています。

具体的には、だれかが証言しているときに、別の証人が何か言いたげな反応を見せたところで、「といつめる」というもので、意外な情報を引き出せることがあります。「といつめる」ためには、別の証人が何か言いたげな反応を示すときを見計らう必要がありますが、声や音で知らせてくれるので、まず見逃すことはありません。ゲーム性としては特におもしろいわけではありませんが、ストーリーの深みや意外性を引き出すには役立っています。

「陪審員制度」は、一般人から選ばれた6人の人が評決をして、全員無罪・有罪になったときに裁判が終わるというものです。ただし、全員有罪の評決をしても、「最終弁論」がはじまり、そこで陪審員の意見同士を「ぶつける」ことで矛盾点をあばき、陪審員を説得することができれば、裁判が再開します。

この「陪審員制度」は、陪審員の中に、じつは裁判と関係がある人がいるという面白い設定で、(現実ではまずい)、陪審員の話を聞いているうちに思わぬ打開策が見つかります。今までの証人の尋問だけのやりとりでは、ピンチの連続で飽きてしまっていましたが、今作は「最終弁論」でピンチを打開するというのがおもしろく、バリエーションも豊かでした。

ホラーゲームのような怖さ

逆転裁判というのは、意外な真相が見えるときに、ホラーゲームのようなゾッとする怖さを感じることがあるシリーズです。特に、被害者と容疑者の二人しかいないと思っていた場所に正体不明の第三者がいた、なんてことがわかると、音楽の演出もあってゾクッとします。

前作の逆転裁判5でも、最終話で、ココネの母親を殺した犯人は夕神検事だと思われていましたが、そこに能面で顔を隠した第三者がいたと分かったときにはゾクッとしました。夕神検事が部屋に入っていくところが映っていたビデオを巻き戻して、本当にその人物が映っていると分かったときには震えましたね。

今回の第三話では、そのゾクゾクする怖さがいっそう引き立っています。最初に、密室で被告人と被害者しかいないと思われていた馬車の中に、さらにもう一人潜んでいた、ということがわかったときは、なかなか怖かっです。

しかしそのあとで、さらに今まで味わったことのない怖い瞬間がありました。というのは、証拠品かつ現場である乗合馬車があるのですが、最初にすべて調べつくして、もう何もないと思っていました。ところが、あとで、もう一度調べるために中に入って、天窓を調べてみると、さっきまで見つからなかった血が…。それどころか、さらにふと足元を見ると、さっきまで絶対になかった血だまりが…。

馬車に入るときにはドアを開けて入り、中で扉を閉めて調べるのですが、そんな閉鎖空間に、さっきまで無かったはずの血だまりが出現するなんてホラーすぎます。それも、その血だまりは、今まさに推理している内容を裏づけるものでした。つまり、犯行は馬車内で行われたのではなく、だれかが、死体を天窓から落とした、ということを示唆していたのですが…、でもその証拠はさっきまでは明らかになかったのです。いかにも、この証拠を使って被告人の無罪を証明したまえ、と言いたげな捏造の血だまりを見て、この裁判はだれかに操られている、ということがわかって怖くなりました。

そして、仕方なしに、その証拠を用いて、被告人の無罪を証明。相手の検事もおかしさに気づくものの、捏造だと証明できず。最後に無罪が確定した被告人コゼニ―・メグンダルの高笑いが響き渡るという、異様な雰囲気で裁判は終わります。このとき、プレイヤーの心理としては、おそらくこの裁判はやらせで、実は真犯人を無罪にしてしまったのだ…と気づくことになります。逆転裁判2の最終話のような展開ですね。

さらに追い打ちをかけるように衝撃的な結末が…。今回の検事であるバンジークスが扱う事件は、すべて、被告人が死ぬ、たとえ無罪になっても不慮の事故で死ぬ、という伝説があるのですが、その伝説どおり、コゼニ―・メグンダルは証拠品の馬車とともに炎上、死体となって発見されたのです。コゼニ―・メグンダルがこの事件の真犯人だったことがわかって愕然としていたところに、その無罪になった彼をだれかが殺したという結末に震え上がってしまう…それが第三話の怖さでした。

消化不良のストーリー

しかしながらこの結末のおかげで、ここまでの第一話から続く消化不良感が助長されることにもなりました。

第一話は、英国人の犯人を裁くことができず、動機もわからないため中途半端な終わり方

第二話は、犯人が可哀想なストーリーで爽快感がないという後味の悪さ。しかも裁判パートなし

第三話は、そもそも事件が解決せずに無罪になってしまうという投げっぱなし

続き物を意識した展開なのか、逆転裁判ならではの爽快さが感じられない事件が続きます。その鬱憤は、ようやく第四話で晴らされることになります。第四話からが大逆転裁判の本番といって差し支えありません。

第四話 吾輩と霧の夜の冒険

あらすじ

霧のロンドンを歩いていた古書店帰りの夏目漱石。突然前を歩いていた女性の背中に刃物が刺さって女性は倒れ、漱石は手に持った古本をぶちまけて慌てて逃げ出した。しかしホームズの推理で居場所を突き止められ、逮捕されてしまう。漱石と被害者しか存在しない犯行現場の謎に成歩堂が挑む。

探偵パートと裁判パート

第四話では、大逆転裁判では初めて、探偵パートと裁判パート両方が楽しめます。これまでは、第一話と第三話は裁判パートだけ、第二話は探偵パートだけで事件が解決していて、物足りなさがありました。

今回は、最初の探偵パートで、ホームズとの共同推理を楽しんで、漱石の下宿の大家さんのガリデブ夫妻の秘密を解き明かし、裁判パートで、その情報を用いて、意外な犯人をあぶりだす、という流れでした。

キーパーソンとなるガリデブ夫人が、裁判のとき、陪審員の中にいる、という混乱っぷりで、まさかの陪審員席から引きずり出して、証言台に立たせるというストーリー展開でした。

ようやく探偵パートと裁判パート両方からなる厚みのある話を楽しめて、大逆転裁判の本番といった感じです。

ついに登場したアイリスとホームズ

登場人物としてウェブサイトでも告知されていながら、今まで顔を見せなかったアイリス・ワトソンがようやく本格的に登場します。第一印象としては、微妙な感じでした。どの層にこびを売っているのかよくわからないキャラ設定、10歳なのに頭脳明晰な天才少女という、今までの逆転裁判には存在しないキャラで、正直なところ、世界観を崩している感じがしました。今までの女の子キャラといえぱ、春美ちゃんのような歳相応が普通だったのに…。

登場シーンから天才っぷりが強調されて、天才が専売特許だったはずのホームズがかすんで、どう住み分けしていくのかも不安になり、ホームズの相棒のワトソンのイメージも崩れてしまい、どうにも受け入れがたい出会いでした。

ホームズのほうは相変わらずで、本家ホームズとは一線を画すタクシュー版ホームズの本領発揮。スコットランドヤードの求めに応じて、夏目漱石の居場所を突き止めてしょっぴく手助けをしたものの、夏目漱石が犯人だとはだれも言っていない、というとぼけっぷりでした。以前も書いたとおり、ホームズの性格設定は好きですね。こちらは原作の完全無欠の天才っぷりから一転して、奇抜な発想で活路を見出だす、天才と脳天気が同居したような人間味のあるキャラクターになっていました。

文字通りの天才になったワトソンが気に入らなくて、浮き沈みの激しい天才になったホームズが気に入ったということからすると、わたしは完璧超人は嫌いなのかもしれませんね。

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弁護士として依頼人を信じられるか

第四話のテーマは、コゼニ―・メグンダルに裏切られて、自信をなくした成歩堂が、依頼人をもう一度信じることができるか、というものでした。なかなか煮え切らない成歩堂でしたが、異国の地で孤立無援に陥り、心細くなっている夏目漱石を見て、次第に心を動かされ、弁護を決意します。

どう考えても、漱石以外に犯人がいるとは思えない状況でしたが、なんとかかんとか、裁判をつなぎとめているうちに、探偵パートでホームズと一緒に発見した事実が意外なところで、陽の目を見ます。陪審員を証言台に引きずり出したり、目撃者の警察官の嘘を暴いたりして、現場に存在していなかった犯人をあぶりだします。

この話は、途中で、先が見えてしまったので、トリックとしては、単純であまりひねりがないと感じました。むしろ最初からわかっていたことを証明するのが大変だったという感じでしょうか。そんなわけで意外性はなく、第三話のような恐怖を感じる場面もありませんでした。

しかしようやく、ほぼハッピーエンドとなり、大逆転裁判を始めてやっと、満足のいく話をプレイできたと思いました。

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第五話 語られない物語の冒険

あらすじ

ホームズの家の近くの質屋で、スリの少女ジーナ・レストレードと再会した成歩堂たち。ジーナはあらぬ疑いをかけられるが、成歩堂はホームズとの共同推理で彼女を救出する。

その夜、ジーナと成歩堂、ホームズたちは夕食を共にするが、寿沙都の口からワトソンの未発表の原稿「バスカヴィル家の犬」の話が出て場が凍りつく。ホームズとワトソン以外知らないはずなのに…。その原稿は今は発表してはいけないという理由で質屋にあずけられているらしい。

真夜中、ジーナは真偽を確かめるため質屋に潜入。そこへ強盗が襲撃し、駆けつけたホームズは重傷を負う。そして成歩堂が現場で見つけたのは、密室の中で死んでいる質屋の店長と、銃を手に気絶しているジーナの姿だった。

弁護士の最高の強みは人を信じること

最終話となる第五話は、これまでの話の伏線回収と、新たなる伏線の登場によって織りなされています。これまでの話の伏線回収としては、第三話で被告人コゼニ―・メグンダルの無罪を立証する手助けをしたスリの少女、ジーナ・レストレードの再登場、そしてコゼニ―・メグンダルが事件後に質屋にあずけていたという上着、小箱、オルゴールのディスクの登場です。

現場や証拠品の捜査をしているうちに、成歩堂たちは、第三話の事件の真犯人はやはりコゼニ―・メグンダルだった、ということがはっきりわかります。成歩堂は、真犯人を無罪にしてしまったのです。しかし、成歩堂は第四話の事件で、被告人の夏目漱石を信じ抜くことで冤罪を防ぐこともできました。それで、だれも信じられない、という被告人ジーナ・レストレードを説得し、彼女が犯人ではないと信じ抜くことを約束します。

さまざまな面白い証拠品

今回の事件の解決には、ハードである3DSの立体視という機能が一役買います。当時のロンドンでは裸眼立体視(交差法)が流行っていたという設定で、より目をして二枚の写真を立体的に見るという手法を教えてもらえます。その方法を駆使して、一見同じように見える二枚の証拠品の写真の違いを見つけ出す、という面白いトリックが使われていました。

もちろん、裸眼立体視ができなくても、3Dボリュームを使って立体視のトリックは解けます。わたしは平行法しかできないので、3Dボリュームに頼りました。しかしながら、このトリック、片目が見えないなどで立体視できないプレイヤーがいたら自力で解けませんね。

また、成歩堂たちは、ホームズの開発した最先端の薬品を使って科学捜査し、真実にたどりつきますが、その薬品の効果はスコットランドヤードには信じてもらえません。犯人もそれをいいことに言い逃れをしようとします。

そんなときに寿沙都がホームズの手に託して成歩堂のもとに送り届けた最終手段、それが「自動ネコトビラ製造機」でした。犯行とトリックについてはだいたい想像がついていたのですが、最後に出てきたこの証拠品には、度肝を抜かれました。「自動ネコトビラ製造機」自体は探偵パートから登場していたので、何か意味はあるのだろうと思っていたのですが、まさかそういうことだったとは。予想の斜め上をいく展開でしたが、無理矢理感も否めず。

残された伏線

そうした証拠品や仲間の助けを借りて、なんとか、真犯人を突き止め、被告人を無罪にした成歩堂。とりあえずの大団円です。しかし話はさまざまな伏線を残したままで終わってしまいました。未解決の伏線には、次のようなものがありました。

■帰国した寿沙都さんとの再会
■極秘の政府間通信の日本語モールス信号にあった4つの名前の意味
■「バスカヴィル家の犬」の原稿が発表できなかった理由
■寿沙都さんが「バスカヴィル家の犬」について知っていた理由
■第一話で意味ありげに去っていき、裁くことができなかったワトソン教授殺害の犯人の動向
■第一話の被害者ジョン・H・ワトソンとアイリス・ワトソンの関係
■亜双義が果たそうとしていた使命
■バンジークス検事の裁判で被告人が次々と死んで、彼が「死神」と呼ばれるようになった理由
■一度だけ出てきたガリデブ夫妻のところのもう一人の下宿人
■ジーナ・レストレードと、原作ホームズのレストレード警部の関係

かなり多くのことが未解決のまま残っている感じです。旧作の逆転裁判シリーズと同様、三部作での完結なのでしょうか。そうだとしたら、間隔早めでのリリースを願いたいところです。

全体としての感想

わたしは、逆転裁判シリーズには、はずれがないと思っていますが、今作も、予想に違わぬ面白さでした。

よかったところとしては…

■親切なユーザーインターフェース
バックログも読めて、未読メッセージの高速送りもできる。逆転裁判はもともとインターフェースがひどいという特徴があったが、前作あたりからずいぶん改善されてきた。一度クリアすると、各話の途中のチャプターから開始できる機能も嬉しい。

■魅力的なキャラクター
成歩堂とヒロインの寿沙都さんは、ナルホドくんとマヨイちゃんにひけをとらない名コンビだと思う。発売前は学生服の成歩堂が地味そうだと感じていたが、いつものナルホドくんと大差なく、十分に主人公らしかった。ホームズとアイリスは、コナン・ドイルの原作の大幅な改変だが、特にホームズに関してはすごく気に入った。ホームズ登場で必ずかかるBGMも印象的。アイリスのほうは、次第に馴染んできたが、今後の展開次第なところはあるかも。

■深みのある新システム
群衆裁判と陪審員制度が加わったことで、裁判が単調でなくなり、結果的に関係する人の数が増えて、物語の人間ドラマに深みが生まれた。日本の法廷を舞台にした第一話の裁判は、従来の逆転裁判のシステムだったが、しつこいくらいに単調だった。新しいシステムになってだれなくなった。また、探偵パートのホームズとの共同推理もとても楽しかった。本作で一番楽しいところだったかもしれない。見事にぶっとんだ推理をして、成歩堂に誤りを正されても、悪びれるどころか、ちゃっかりと自分の手柄にしているホームズのキャラクター性が大好き。

悪かったところとしては…

トリック
逆転裁判としては意外性の少ないトリックが多いように感じてしまった。しかしおそらく、山崎シナリオと比べて、そう思ってしまうのだろうと思う。最近、逆転検事シリーズや逆転裁判5の山崎シナリオをプレイしたこともあって、あちらの論理的で大ドンデン返しなストーリーに慣れてしまっていたのかも。タクシューシナリオは、あちらほどの意外性はないが、掛け合いの軽妙さや語彙の豊富さといった表現力に定評がある感じ。

■後味の悪いシナリオ
一部のシナリオが、犯人が可哀想だったり、未解決のまま終わりすぎたりして、後味があまりよくない。最後に大量の伏線を残して終わったのも、人によってはマイナスポイントになりそう。しかし、わたしの場合は、大逆転裁判2が楽しみになった。ただし、シナリオのボリュームは物足りないような気もする。

といった感じでしょうか。いずれにしても、今作だけで完結する内容ではなく、大逆転裁判2、3と続いていきそうな終わり方でした。キャラクターの魅力もたっぷりあっただけに、続編が楽しみです。ホームズ、夏目漱石のようなキャラクターが出てきたことからすると、次回作でも、有名な人物が登場しそうですね。特にマイクロフト・ホームズやモリアーティ教授あたりは可能性が高そう。ポアロみたいな別の名探偵が出てきても面白いかも。

まだ追加コンテンツで追加のストーリーとかもあるのかもしれませんが、とりあえずはこんなところで感想を書き終えて、次回作を楽しみにしたいと思います。

2015-07-23 19.42.44

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