一番好きなドラクエ7のコンサートに行ってきた!! 儚さと寂しさ漂う失われた世界に迷い込む


京シティフィルによる「交響組曲ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち」のコンサートに行ってきました。ドラクエ7の音楽は、数あるシリーズの中でも、わたしが一番好きなものなので、前々から、ドラクエ7のコンサートに行く機会を探していて、ようやく実現できました。

今回も、楽曲全体の感想を、ゲームの思い出を振り返りながら書いてみようと思います。

   

一番好きなドラクエ7のコンサート

わたしはドラクエは、5,6,7が特に好きなんですが、それぞれ思い入れの形は違っています。ストーリーなら5、世界観なら6、そして音楽なら7といったところでしょうか。

ドラクエ7は、今でこそ3DS版でリメイクされていますが、わたしが子どものころプレイしたのは初期のPS版。クリアまで100時間かかると言われた大作RPGでした。

ドラクエ7は、ムダに長くてかったるいとか、ストーリーが鬱だとか、石版集めがめんどくさいとかで、シリーズの中では賛否両論。Amazonレビューは、★1つから★5つまで、全部ほぼ均等に投票されての平均★3つだったり、とにかく人によって合う合わないが激しいゲーム。

わたしの友だちにも、石版を取り逃してしまってストーリーが詰んでしまい、毎度、石版の場所のヒントを聞きに行くのがめんどくさすぎてやめたという人がけっこういました。3DS版では、そこが改善ポイントとして宣伝されていましたね。

でもわたしはなんと、石版を一つも見逃さずに最後までプレイしたので、そんな悩みとは無縁。ドラクエ7になって「触れる世界」ということで、3Dスティックでアングルをぐるぐる回して探索するんですが、それが楽しくて、町もダンジョンもしらみつぶしに探索していたので、見逃しがありませんでした。

それだけじっくり探索してまわっているわけなので、当然、BGMは聞き飽きるほどに聞くわけですが、まったく聞き飽きることがなく、むしろ情感たっぷりのメロディーに本当に居心地よく感じた作品でした。ほかのドラクエ作品とは違って、寂寥感のある物悲しい音楽が多くて、雰囲気ゲー的な側面も持っているのがドラクエ7の音楽です。

当時、ドラクエのRTAなんてのも盛んで、あの100時間かかるドラクエ7を14時間くらいでクリアする人たちがいるというので、わたしが一時期RTA界隈にハマるきっかけにもなったゲームでした。

最近になって、本格的なリメイク作である3DS版が発売されたのですが…これは迷った末、プレイせず。あまりに遊び尽くして、思い出の中で完結してしまっているゲームなので、リメイク版で思い出を上書きしちゃうのはもったいないなと。

その代わり、ドラクエ7のオーケストラコンサートがあれば、オーケストラの音楽を通して、当時の思い出に浸りたいので、ぜひ行きたいと思っていました。ずっとアンテナを張ってはいたんですが、7はマイナーなので、なかなか機会がなく。

しかしついに! 今年の1月に7のオーケストラコンサートが行けそうな場所で開催されることを知ったので、twitterでお知らせが回ってくるや、即効でチケット購入して楽しみに待ちかねていたのでした。

今回も、最近、ゲームミュージックのオーケストラコンサートに誘いまくっている相方と一緒に行くことに。今回のは、わたしが一番好きな曲だよ! と期待を高めておきました。

場所は、この前の天空シリーズコンサートと同じ、新宿文化センター。

前回は、路線を間違えてあわや遅れそうになりましたが、今回は二回目だからと余裕をかまして、ゆっくり行きました

。…が、時間の見込みがあまく、やっぱり5分前にぎりぎり滑り込むことになって、「だからもう少し早めに行こうって行ったのに」「相変わらずすぎてもう」と相方には呆れられました…。でも間に合ったからいいんだ!

前半

今回の席は、真ん中あたりの端。コンサートで端の席が当たったのって、なにげに初めてかも。あまり気を使わなくていいので、ありがたいです。

客層は男女ともに半々くらいで20代から30代が多かったかな。意外と家族連れは少ない感じ。やっぱり7が好きな客層となるとそうなりますね。

序曲のマーチ

いよいよ始まったコンサート。最初はもちろん、7の序曲。ドラクエの序曲は、作品ごとにちょっと違うはずなんですが、そこまで詳しくわかるほどマニアではありません(^_^;)

指揮者の井田さんは、3DSをすれちがい石版のために持ってきたとのこと。あまりにすれちがい石版で遊びすぎてLv99まで上がってしまったというところで観客から拍手。会場の人にも、3DSとドラクエ7持ってきたか聞いていましたが、わたしも含めて、ほとんどの人は持ってきておらず(^_^;) 家族連れ少ないですもんね…。

エデンの朝

「エデンの朝」は、オープニングで流れる曲。アミット漁が行われている漁村フィッシュベルの、のどかで、すがすがしい朝を感じさせます。物語の幕開けを感じさせるゆったりとした曲調から、どこか楽しい朝が始まるようなコロコロとリズム感あるメロディーに。

このときはまだ、あれほどの冒険が始まるとは知るよしもなかった、まだ大海のさなかに浮かぶちっぽけな“エデンの園”の島の中の平和な日常しか知らなかった、そんな主人公にぴったりの曲です。

井田さんの解説によると、この曲はPS版の冒頭で使われていますが、3DS版では使われていないらしい。なんともったいない。 

封印されし城のサラバンド

ドラクエ7の物悲しい曲その1。

井田さんの解説によると、「サラバンド」というのは3拍子の荘厳な舞曲だそう。足を引きずるような重々しい舞踏のイメージだとか。

からくり兵の侵略されて悲壮感漂うフォロッド城や、子どもを魔物に変えられて絶望に包まれたコスタール城など、過去世界の哀しみに包まれたお城でで流れる曲です。

ずっしり重い哀しみを背負って、文字通り、足をひきずって打ちひしがれながら歩いているようなイメージ。でも、ひたすらどん底に突き落とすわけではなく、ところどころに、ちょっと落ち着いた旋律も挟まれていたりします。

もう将来には絶望しかないけれど、人生ってまあそんなものかな、というあきらめなのかもしれません。ある意味、哀しみを通り越して、もうそれが当たり前になってしまった、という達観がこもったような、ドラクエ7の過去世界を象徴する一曲です。

王宮のホルン

こちらは、いわゆる「王宮の◯◯」シリーズのひとつ。5だと「王宮のトランペット」、9だと「王宮のオーボエ」などがありますが、7は「ホルン」でした。

おもに現代世界の比較的平和なお城で流れる音楽。これまでのシリーズの城の曲と同様、荘厳さと栄光が感じられる立派な曲ですが、7の中では印象が薄め(笑)

憩いの街角~パラダイス~時の眠る園~うたげの広場

次は街関係の曲のメドレー。

「憩いの街角」は、平和な街でよく流れる音楽。きらきらした楽しげで明るいメロディーで始まって、後半はマリンバ?のシャララララという軽やかなリズムが印象的です。

こんなに明るい平和な曲なのですが、なぜか7で流れると、ドロドロしたものを感じてしまう。7の現代世界の街は、過去世界の哀しみとはまた違った、ドロドロした人間関係のドラマが描かれることが多いんですよね。それを思い出すから、平和な曲調の中にひそむ狂気が垣間見えてしまう。

ドラクエ7をやってると、「憩いの街角」が流れる街で、何か事件が起こって、一瞬この曲が止まり、不穏なイベントがはさまれ、それが終わると、まるで何事もなかったかのように町の人たちが解散して、「憩いの街角」が再開するというシーンがよくあった気がします。まるで事件などなかったかのように、いやむしろ、事件から意図的に目をそらして、うわべだけの楽しい日常を送っているかのような狂気を感じる曲です。

過去の荒廃した世界の人たちのほうが、純粋でまっすぐ、一致団結して哀しみに立ち向かっているのに対し、現代の一見平和な街は、心の中の魔物に侵食されているとでも言うべき、別のうすら怖さがあるのが、ドラクエ7だと思います。

続く「パラダイス」はカジノの曲。突然ドラムが入って、優美な街の曲から一転、迫力満点でビシビシ響いてきます。

ドラクエ7のカジノは、5みたいな稼ぎ技もなく、シャッフルカードで地道に稼ぐしかなかった覚えが。めんどくさいし、あんまりメリットもないしで、ほとんどやらなかった気がします。モンスター職に転職するためのモンスターの心が景品にあるので、そのためにちょっと稼がないといけなかったりもしましたが。

この「パラダイス」っていうカジノ曲は、5の純粋に楽しいカジノ曲と比べると、なんだか放蕩と退廃を感じさせる曲なんですよね、入るとタバコの煙が充満してそうな不健康なイメージ。7のダークな雰囲気に合ってるともいえますが。

ちなみに井田さんは、今回のドラクエ7はカジノをまったくやらず、すれちがい石版で稼いだマネーでカジノでしか手に入らない景品を無理やり手に入れてたそうです(笑)

「時の眠る園」は、謎の神殿のテーマ曲。石版パズルの曲でもある。PS版では、ここの謎解きが長いため、モンスターと戦うまで数時間かかるRPGということが語り草でしたが、3DS版では簡略化されたとか。あの、モンスターなんていない平和な現代世界を長く探索したあとで、いよいよ過去世界でモンスターと出会ってマリベルが騒ぎ立てるあたりが、7の世界観をよく表していたんですけどねー。

この曲は、ハープが大活躍の楽曲で、演奏後に改めて、ハープ単独のデモンストレーションをしてくれました。ハープって、ただ弦を弾いてるだけかと思いきや、じつは足元でシャープやフラットの操作をしてるんだとか。そしてすぎやま先生の楽曲はシャープやフラットが大量なので、「時の眠る園」の演奏はかなりのスキルが要るそうです。知らなかったー。足で操作しないといけないなんて、人魚姫とかハープ無理ですね(笑)

そして、「うたげの広場」は、アミット漁やエンゴウのほむら祭りなど、祭りの場面などで流れる曲で、「憩いの街角」よりも、もっと華々しくて、ちょっとドタバタしたハイテンションさを感じさせる曲。しかしこの曲もドラクエ7というだけで、どこか狂気が裏にあるように感じてしまう(^_^;)

のどかな家並

「のどかな家並」は、過去世界の村の曲。ドラクエ5の山奥の村などを感じさせる、あたたかでほんのりとした曲。どこか郷愁を誘う物寂しさがこもっていて、過ぎ去りし過去の世界だということを思い出させ、最後はおとぎ話の終わりのように優しく締めくくります。

他の街の曲とは異なり、奇妙な狂気がかいま見えるということもなく、本心から安らぎを感じられるほっとする曲です。

哀しみの日々

ドラクエ7の物悲しい曲その2。

過去世界の村や街では必ずかかっているともいえる、過去世界の城の「王宮のサラバンド」と双璧をなす哀しみの曲。あまりの悲惨な仕打ちに、もう何の望みもなく、ただ無気力に、命が尽きる日を待っているかのような、絶望しきった曲です。

特に、過去世界で最初に行き着くウッドパルナでいきなり流れているので、ドラクエ7のイメージを決定づけた一曲とも言えるかも。その後、過去世界に行くたびに毎度毎度流れていて、フィールドを歩けば「失われた世界」、街に入れば「哀しみの日々」と、絶望から抜け出せないループにはまりこんだような気になります。

でもそれがドラクエ7の魅力である。

失われた世界~足取りも軽やかに

そして、「失われた世界」。

ドラクエ7の物悲しい曲その3にして頂点!

わたしが数あるゲームミュージックの中でも、一番好きな曲ですね。ドラクエ7の曲はどれも好きだけど、ドラクエ7の曲がシリーズで一番好きと言えるのはも、この曲があるからと言っても過言ではない。

過去のフィールドで流れる、ドラクエ7の世界観を象徴するような寂しくセンチメンタルな曲ですが、どこか美しさも感じさせる旋律で、一日中聞き浸っていたくもなります。同じくノスタルジックな曲である聖剣伝説LoMの「ホームタウンドミナ」もそうですが、1ループはかなり短くて、それほど複雑な曲ではないはずなんですが、ずっと聞いていても飽きない完成されたメロディーだと思います。

壮大な盛り上がりの部分からは、哀しみの霧の中に閉ざされた世界に、意を決して分け入っていく主人公たちの勇気も感じられます。ドラクエのフィールド曲というと、1の初代の「広野を行く」が、物寂しい曲調ですが、そのコンセプトを踏襲した原点回帰ともいえる名曲ではないでしょうか。

そして現代世界のフィールド曲である「足取りも軽やかに」は、過去フィールドの「失われた世界」とはまったく違う、悲しくもなければ、勇ましくもなく、ごく普通の行進曲。この味付けの薄い曲を最初に聞いているせいで、超味付けの濃い「失われた世界」を初めて聞いたときの印象が刻み込まれるわけで、その後も現代と過去を行き来する中でよい対比になっていると思います。

迫り来る死の影

続く「迫り来る死の影」はダンジョン曲。幾つかバリエーションがあって、通常のダンジョンで流れるものは、心細い不気味さを演出し、ディスク1ラスダンの魔空間の神殿やディスク2ラスダンのダークパレス用のものは、不気味さを全開にして押し迫ってくるような、雰囲気の違いが演出されています。

いずれも同じ不気味なモチーフを使っているのに、そのほかの部分の旋律の違いで、ダンジョンに潜むモンスターたちの数や手強さの違いをうまく表現し分けているところがさすがの作曲技術です。

血路を開け~強き者ども

「血路を開け」は、通常のバトル曲。すぎやま先生のバトル曲はどれもそうですが、なぜかゲーム音源にすると、迫力が少し損なわれるのに、オーケストラで聞くと、屈指の名曲に変容することが多い気がします。

5のバトル曲あたりはゲームでも人気ですが、6以降のバトル曲は、ゲームで聞く限りは悪くないけど、それなりな感じなんですよね。

ところが、オーケストラで聞くと、激しいパーカッションが地響きのように迫ってきて、文字通り手に汗握るバトルのただ中に引きずり込まれたかのような興奮を感じます。

井田さんによると、この曲の後半のダダダ! ダダダ! ダダダ! ダダダ!と徐々に音階が上がっていくところが聞き所だとか。あまり意識してなかったですが、改めて聞いてみると、確かにすごく大胆な曲作りがされているのを感じました、井田さんいわく、すぎやま先生にしかできないとか。

「強き者ども」はボス戦の曲。ドラクエ7は過去世界にそれぞれ複数ボスがいるせいで、やたらとボス戦が多いドラクエなので、この曲はけっこう耳に残ります。ボスもそれぞれけっこう強敵なので、緊張感と切迫感を掻き立てるこの曲を聞くと、一気に集中力が高まりますね。特に過去ダーマのイノップ・ゴンズや、アントリア戦はストーリーの重さも含めて本当に強敵だった…。

地味に、謎の神殿を抜けたあと、ゲーム開始数時間して初めて戦うモンスターであるスライム戦でもこの曲なのだとか。平和な世界で生まれ育った主人公たちにとっては、はじめて出会うモンスターはたとえスライムであってもボス戦である、という世界観をよく表している選曲だと思いました。

ここで15分の休み、前半の感想を話し合いつつ、ちょっと物販を覗いたりしました。相方はけっこう感情が揺さぶられて疲れたとか。

後半

そして後半の部へ。

スフィンクス~大神殿

「スフィンクス」は、魔王像や大地の精霊像のピラミッド的なダンジョンで流れる曲。砂漠の民の威厳を感じさせる重厚かつ疾走感のあるメロディーが印象的で、限られたダンジョンで聞くだけなのはちょっともったいないほど、なかなかかっこいい。

「大神殿」はターマの神殿などで流れる荘厳で落ち着いた、どっしりと構えた曲。人によっては、フォズ大神官のテーマ曲かもしれない(笑)

小舟に揺られて~海原の王者

「小舟に揺られて」は初期の船の曲。なんとなく、ドラクエ2のフィールド曲を思わせるような、こじんまりとした懐かしさや楽しさを感じさせる曲。

どう見ても小舟ではない気もするんですが、後半手に入る軍艦マール・デ・ドラゴーンに比べれば、小舟ということで、そちらのテーマ曲である「海原の王者」は船とは思えない、英雄の凱旋を思わせるような、とても豪華な曲。ところどころ「小舟に揺られて」のメロディも感じられたり。

どちらの曲も、ドラクエの海の曲としては、いつものようなゆったりした寂寥感がない、珍しい部類に入るかもしれません。ドラクエ7は、フィールド曲や街の曲でさんざん寂しい曲を聞くことになるので、海の上くらいは明るく楽しい曲にしようということなのかもしれない。

愛する人へ

「愛する人へ」はキーファとの別れなど、要所要所で流れるしっとりとした優しい曲。淋しげな曲でありながら、ドラクエ7の他の物悲しい曲とは違った、後ろ髪が引かれる別れの中にも、明日への決意がこもっているかのような、どこか前向きな希望を感じさせる名曲です。

いろいろな思い出が走馬灯のように駆け巡って、もう二度とあの過去の日々には戻れない。でも、すべて振り返ってみると、ぜんぶ合わせてこれで良かったんだな、と目をとじて思い出に浸るかのような、満ち足りた気持ちが感じられます。

トゥーラの舞~復活のいのり

次の「トゥーラの舞」は、いわずとしれた、ドラクエ7を象徴する曲。何度もめぐりあうことになる、神の守り手の放浪民族ユバールの民の民族音楽。

ドラクエ7らしく物寂しいしっとりとした曲調ですが、過去世界を旅するうちに、ここにたどり着くと、いつもの「哀しみの日々」ではなくこの独特な民族音楽が流れているので、なんだか今までと違う重要地点にたどり着いたのだ、というのを身にしみて感じます。

そして、キーファとの別れ、神の復活、アイラとの出会いなど、この後も、ユバールの民を中心に、色々と印象深い出来事がたびたび生じるので、ドラクエ7としても印象深い曲ですね。

そして「復活のいのり」は…いわゆる恐怖のムービーです。終わり。

いや、ドラクエ4のジパングの流れを汲む、情熱的な民族音楽ではあるんですけどね。なにぶん、あのムービーの印象が強すぎて。

この曲の後での井田さんの語りでは、「トゥーラの舞」を聞くために今日はここに来た、というほど思い入れがあったそう。

そしてマーディラスで老楽師がヨハンに言った言葉、ちょっと細部があやふやですが、「ひとつの曲をひきこなすのには途方もない時間かかる。だが人の命は短い。この歳になって思うのは、もっとたくさんの曲をもっと演奏したい。一つひとつの曲との出会いをおろそかにしてほしくないのだ。お前はまだ間に合う」が音楽家として印象に残ったと語られていました。

魔塔の響き

塔のダンジョンで流れる曲。非常に落ち着いた神秘的な曲で、謎の神殿の曲にも通じるものがあります。前半はレイトン教授の謎解きの音楽と言われても納得してしまいそうな落ち着きが(笑) 後半は落ち着いている中に静まり返った不気味さが現れてきて、ようやくダンジョン曲だと感じさせます。それでも、激しい曲調だった6の塔の曲とはまったく違う、霧が漂うようなつかみどころのない雰囲気なのは、7の世界観によく合っている気がします。

哀しみを胸に~やすらぎの地

「哀しみを胸に」はドラクエ7の物悲しい曲その4。

壮大な哀しみを感じさせる出だしから、すべてが終わった後に残された者たちの言い尽くせない気持ちを物語るかのような曲調です。「哀しみの日々」などが、今現在進行中の哀しみのただ中にいる絶望の曲なら、こちらは、もう取り戻せない失われたものを哀悼する感じ

全滅時のほかには、ゼボットのからくり研究所のエリーのイベントなどで流れる曲です。というかあのイベントの印象が強すぎて、専用曲かと思えるほど。からくり兵のイベントは過去のフォロッド城を舞台にした血で血を洗うような凄惨な戦いのあと、現代世界で追い打ちをかけるようにエリーのその後を見せられるという、あの手この手で精神的に追い込んでくるドラクエ7屈指の鬱ストーリーでした。でも、ドラクエ7では、これに匹敵するストーリーがほかにもいくらでもあるという。

「やすらぎの地」は「のどかな家並」と似たような感じの、ドラクエ7の曲の中では珍しく安心できる曲。小さな小屋みたいなところで流れていたような気がします。たまにこうした安らげる場所が点在しているおかげで、ときどきほっと一息ついてドラクエ7のストーリーを完走できるといえるかもしれません。

魔法のじゅうたん

「魔法のじゅうたん」は、4の「のどかな熱気球の旅」や、6の「空飛ぶベッド」の系譜に連なる、楽しくリズミカルな空の旅の曲。複雑な構成でめまぐるしく変わるメロディーによる、夢のあるファンタジーらしい曲で、フィールド移動に彩りを添えてくれます。

遙かなる空の彼方へ

「遙かなる空の彼方へ」は空飛ぶじゃがいもの曲。別名を飛空石とも言う空飛ぶじゃがいもは見た目はこっけいですが、空を縦横無尽に移動できる便利なじゃがいも。この曲だけ聞くと今作の海の曲かと勘違いしてしまうほど、今までの海の曲に似たメロディーで、7はこれまでの海らしい曲がないのは、空飛ぶじゃがいものテーマ曲に流用されてしまったからなのではないかと勘ぐりたくなります。

オルゴ・デミーラ

「オルゴ・デミーラ」は満を持して流れるラスボス曲。

なのですが、ディスク1の最後のオルゴ・デミーラ戦でも流れるので、ラスボス曲というより、その名のとおり、オルゴ・デミーラのテーマ曲と言ったほうがふさわしい。

これまでのシリーズ作とは違って、最後の最後まで、新しい曲になることなく、ひたすらこの曲です。オルゴ・デミーラは、一回目の戦いで二段階、二回目は四段階も変身するのに、6形態ぜんぶが同じ曲という…。手抜きでは?と言ってしまいたくもなりますが、形態変化を繰り返し、いつ終わるともしれない粘着質がオルゴ・デミーラの特徴だとすれば、同じ曲のまま終わるのは、どこまでこの戦いが続くんだろう…と思わせる心理戦の一種かもしれません。

曲は、ラスボス曲の中でも、ゾーマ戦、ラプソーン戦のようなかっこよさはなく、4のデスピサロとよく似た雰囲気です。禍々しい脅威がじりじりと迫りよってくるような、まとわりつくような恐怖を感じさせます。すぎやま先生のバトル曲らしく、オーケストラで聞くと迫力が何倍にも跳ね上がるのもあって、地獄の沼にずぶずぶと沈み込んでいくような絶望感があります。

凱旋 そしてエピローグ

そして、まとわりつく絶望感から一転、最後の「凱旋 そしてエピローグ」はエンディングにふさわしい威風堂々たる曲。

数々の哀しみと絶望を乗り越えてたどり着いた者にしか見えない壮大な景色を目の前に描き出す、激しくも感慨深いメロディー。胸を張って勇ましく凱旋する主人公たち、その中で今までの冒険すべてがよみがえってきて、哀愁に誘われる、そんな勇ましさと哀愁とを交互に繰り返しながら、盛り上がっていきます。

100時間を越す長かった冒険、そして、数々のドラマティックなストーリー、それらを乗り越えて、ついに終わった、そんな達成感を感じさせる屈指のエンディング曲だといえるでしょう。

今はあまり、エンディングに力を入れていないゲームが多い気がしますが、昔のドラクエは、エンディングがイベント面でも音楽面でも本当に豪華で、これぞ冒険の終わり、という感慨がこみ上げてきたものです。9はクリア後の世界があるせいで、エンディングが中途半端でしたが…。

ちなみに、ドラクエ6のエンディング曲もそうでしたが、この曲も、すぎやま先生が過去に作った「サイボーグ009」の曲「悲哀・戦いの終わり」のアレンジなのだとか。あまりに世界観に馴染みすぎていて、まったくわからない(笑)

アンコール

万雷の拍手のあと、楽しみにしていたアンコール。

何が演奏されるんだろう、やっぱり序曲かなーと思っていたら、演奏されはじめたのは落ち着いた神秘的な曲。これは…8だ! 

7の次は8ということで、来年1月には8のコンサートをするらしく、それもあって、8の「神秘なる塔」だったのでしょうか。しっとりとしたメロディーに心が癒やされました。

最後はしっとりしめてくれてよかったなーと思ったら、井田さんがいつものスライムの服とステテコパンツのハンカチ装備で出てきて、もう一曲、ドラクエ10の「序曲」。二曲も演奏してくれるなんてさすが!

神秘的な曲でしっとりと終わるのもいいですが、やっぱり最後はこれじゃないと、ということでしょうか。序曲はまあ、これでもか、というほど聞いてきたわけですが、何度聞いても、無条件で納得させられる力がありますね。有無を言わさずコンサートよかったね!と言わせる力というか(笑)

そんなわけで、今回のドラクエ7コンサートはこれにて終了。

相方もすっかり聞き入っていて、ゲームそのものは遊んだことがないとはいえ、哀愁漂う曲調から、昔のことをいろいろと思い出したりしながら、心地よく聞き浸っていたそうです。学生時代の懐かしい友だちの顔とか思い出されて、どうしてるのかなと思ったとか。ドラクエ7の音楽は、特に琴線に触れるような旋律が多いですからね。

かくいうわたしも、ゲームのシーンを思い出すこともあれば、郷愁を誘う音楽などでは、自分の子どものころの思い出がふとよみがえってきたりもしましたね。記憶の箱を揺さぶる哀愁漂うメロディーが、ドラクエ7の醍醐味です。

本当はもっとここに書きたい感想がある気もするけれど、特に自分の個人的な思い出なんかは、胸がいっぱいになっちゃって、ここには書けないです(笑) なんにしても、念願だった7のコンサートにやっと行けて本当によかったです!

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