FF15ポケットエディションHDクリアレビュー。現代っ子がファンタジー主人公に成長していく物語

なんとなーくRPGがやりたくなって、ポケモンピカブイか、すばらしきこのせかいあたりかなー、とeShop見てたら、FF15ポケットエディションHDが安売りセールしてるの見かけて、血迷って買っちゃったよ。

FF15の評判が微妙なのは知ってるし、このポケットエディションのデフォルメ加減ひどいなーって感じたんだけど、レビューとか調べてみたら、本編にあるようなわずらわしさがなくて、ストーリーだけ手軽に体験できて、いい感じにまとまってるぽかったから、まあ最近のFFのストーリーやってみるのもいいかなって買っちゃった。

フレンドさんにドン引きされたよ(笑)

プレイしはじめて早々にこのセリフは、この先を暗示してるようで思いやられたな。

まあ最後までクリアしてみたら、プレイヤーに圧力かけるメタ的意味じゃなくて、純粋に主人公の行くすえを暗示してたってわかったんだけどね。いやそりゃ当然か。

世界観は徐々にファンタジーになっていく

ストーリーはね、いきなりクルマが出てきて、エンストしてガソリンスタンドみたいなところから始まるもんだから、ファンタジー感皆無。これほんとにファイナルファンタジーなの?、ファンタジーはもう終わっちゃったよって意味のファイナル? って言いたくなるような世界観。

街と街を幹線道路を運転して移動するので、兄ちゃん4人が観光旅行してるようにしか見えない。・・・なのだけど、まあ、ストーリー最後までやると、それがいい演出だったって気づくんだけどね。最初はあえてチャラい観光旅行ムード出してたんだなーと。現実に近い雰囲気から入って、徐々にファンタジー色強めていって没入させるのは、FF10ともよく似た感じだね。

ただ最後までやってストーリーはけっこう好きになったし、確かにファンタジーだったんだけど、乗り物をクルマにする必要があったのかは、最後まで釈然としなかったなー。あんな現代風のクルマじゃなくて、スチームパンク風のクルマとかなら世界観に合ってた気がするんだけど、あんなファンタジーな世界で、いくら工業が発達したからといって現実と同じようなデザインのクルマが開発されるとか不自然過ぎでしょ。魔導アーマーとか出てくるだけになおさら浮いてる。

途中で、お姫様を救出ならぬ、クルマを敵陣から救出するストーリーとか、ヒロインとの別れならぬクルマとの別れの演出とかが入るんだけど・・・

これさ、明らかにクルマ好きの人がストーリー制作に携わっているだけで、趣味をゴリ押ししすぎなのでは・・・。クルマに興味ないそれがしみたいな人からしたら、よくわからん演出すぎた。まあ亡き父親から託された大事な乗り物ってことはわかるんだけど、それでもやっぱバリバリの現代車みたいなデザインが浮きすぎている。

それ以外の要素は、ストーリー進めるとともに、かなりファンタジーらしくなっていって、まずは巨大な怪鳥が出てくるあたりからファンタジーを意識させられ、 

タイタンや、リヴァイアサン、バハムートなど、おなじみの召喚獣たちがストーリーの重要な役割を占めている。

召喚獣を「神々」として描き、強大な力を見せつけられる展開はかなり良かった。過去作だと、召喚獣は魔法の一環として「いるだけ」のことが多かった中、うまくストーリーにからめて、スポットが当てられてて、ファンタジーらしさが一気に増した感じ。

世間知らずのチャラい王子が、召喚獣たちとの出会いによって覚醒していき、徐々にファンタジーの主人公らしくなっていくのも、ストーリー展開としてとても魅力的だった。最初の数時間は没入できなくて辛いけど、そこを乗り越えたら、ああこれ確かに「ファイナルファンタジー」だよね、って引き込まれる。

あんまりネタバレできないけど(今さらなのかもしれないが)、ラスボスの出自とか、めっちゃファンタジーしてて好きだな―。

最初は現代風の世界観に見せかけながら、召喚獣たちという神々の復活や、主人公の力の目覚めによって神話の時代とのリンクを深めていく展開はほんとよかった。

よくある異世界召喚モノじゃなくて、もともと異世界なんだけど発展した結果現代と似た世界観になっちゃってるけど、神話時代のような戦乱に巻き込まれて、徐々に先祖返りしていくっていうアイデアはほんといいなー。FF15がいろいろ言われてるのは知ってるけど、少なくともポケットエディションプレイした限りでは、このストーリーいいよね、プレイしてよかったって思わされた。(まあもともと期待値が低かったことも影響してるだろうけど 笑)

だからこそ、本編のほうの追加コンテンツのストーリー開発が中止になっちゃったのは残念だよねー。エンディングは盛り上がるけど、救いがない感じの展開だったから、FF10におけるX-2のラストみたいな(X-2の雰囲気の問題とかはともかく)救済スト―リーがほしかったなーとは思う。

FF要素は評価に困る

今書いたような召喚獣の役割は、とてもうまくストーリーに落とし込んであって、それぞれの召喚獣と戦う山場のシーンとかめっちゃ好きなんだけど、その他のFF要素は取ってつけたファンサービスな感じがしてしまうくらいの扱い。

ご当地サボテンダー集めとか  、モーグリのお守りもらったりとかは、例えばFF6みたいな世界観だといい感じだろうけど、今作の世界観だと、なんか現実世界のグッズやぬいぐるみ的扱いで、ファンサービスとして出しました、みたいな感じになっちゃってるんだよね。

途中でチョコボも出てくるけど、

クルマがあるのに、今さらチョコボとか出されてもなーという。クルマが敵に奪われたからチョコボっていう設定ではあるけど、なんか無理やりチョコボの登場シーン作りましたって感じがしてしまう。どうしても世界観のちぐはぐさが目立つんだよね。これまでのファンタジーFF世界の未来のようなイメージなのだったら、やっぱそれに沿った発展をしててほしかったなぁ。後述するストーリー進行を実現するために無理やり調整した感じがする。

クリスタルとかメテオとか、今までのFFのキーワードもたくさん出てくるんだけど、もうそれクリスタルじゃなくていいんじゃ・・・って思ってしまう。ファンタジー世界が発展して現代風になったら、ファンタジー世界の用語は確かにこんな感じになっていくんだろうなーとは思えど、この独特な折衷感は慣れなかったなぁ・・・。

わりと魅力的なキャラクターたち

キャラクターたちについては評価にこまるんだけど、それがしとしてはけっこう好きになれたかな。

まずパーティーメンバーが男4人で旅というのは、なんか現代のゲームだと異色なんだけど、もともとのFFは光の四戦士とかみたいな男4人パーティーが普通だったから、伝統を踏襲して現代風に焼き直した感じでそれがしは好きだな。リアル調で見たらまた違うんだろうけど、ポケットエディションのほうのデフォルメされたグラフィックだと、わりと古き良きFFみたいな雰囲気だったよ。

四戦士の一人目、肉体派グラディオは頼りになるけど、主人公に対してイライラしがち(笑) でもまあそれも使命感ゆえなんだろうなー。ぶつかりあいながらも友情を深めていく様子が、昭和の殴り合い友情みたいだった。・・・まあ主人公がサバサバ系の性格だから、殴り合いにはならんのだが。

グラディオはヒロイン?の一人のイリスの兄貴としても存在感があったよね。イリスのほうはストーリー終盤でフェードアウトしてうわさしか聞かなくなっちゃうので、よくわからない扱いだったけど。このゲーム全体的に男臭い友情がメインで、ヒロイン系の扱いはすこぶる悪い(笑) だがそれがいい。

知的ポジション担当のイグニスは、序盤は料理で存在感を発揮し、後半は目が見えないのになぜか強いままの悟りポジション。傷で目が見えなくなって、仲間の衝突の原因になって、それでも乗り越えて復活するってのは、これまた昭和のアニメとかによくありそうな感じ。(主人公が失明するバクシンガーとかね) だけどそのぶん安直な感じかなぁ・・・実際目が見えなくなったらすぐエコーロケーションとか使えるわけじゃないから、なんかご都合主義だなーって気がする。ストーリー上は、デコボコ4戦士のまとめ役として重要だったよね。

最後のプロンプトは、それがし的には一番好きな子かなー(笑) ノーテンキに見えて、じつは一番気を使ってる苦労人だっていうね。現実にもいるよねー、こういう子。複雑な出自のせいで空気読めちゃうから、あえて道化を演じて場の空気をなごませてくれるっていう。プロンプトのおかげで、グラディオがキレても、イグニスが落ち込んでも、主人公がワンクッション置いて守られてた感じがあって、縁の下の力持ち的な苦労人だと思ったよー。ずっとパシャパシャ撮りまくってた写真が最後に生きるのもいいね。(ファンタジー世界にカメラが存在してるのは、クルマと同じく不自然さがあるからデザインとか考えてほしかったけど)

ヒロインのルナフレーナは・・・ストーリー演出としては見事だったけど、あくまで演出の一部的な感じがぬぐえんかったかな。結婚する予定だったけど、主人公がおちゃらけてるあいだに行方不明になってしまい、主人公が自覚が足りないうちにヒロインとしての使命を果たして、主人公に未来を託して死んでいく。唐突すぎる展開が続くから、プレイヤーは置いてけぼりになってしまい、ヒロインに対する愛着がわかない・・・。

ところどころ、過去の回想シーンとかは含まれるけど、どうもそれだけだと思い入れがわかないというか。

だけど、本当に思い入れを作りたかったら、過去編みたいなのを最初にやって、ノクトとルナフレーナの物語から始めるべきだったんだろうけど、それやってプレイヤーに愛着を持たれてしまうと、かえってルナフレーナ死んだときのショックがでかすぎて、このストーリーは受け入れられなさそうだからなー。似た展開のFF7のエアリスの死のときでさえあのショックなんだから。持ち上げて落とすよりは、描写不足にとどめることで、プレイヤーへのショックを小さくしたのかもしれない。

現代っ子がファンタジー主人公になるまでの成長物語

それに、最後までプレイすると、この唐突な展開で置いてけぼりになること自体が演出だったんだなーとわかる。

このゲームは主人公のノクトが、現代風チャラい王族の息子から、ファンタジーの主人公たる王へと成長する過程を描いた物語だから、最初はヘタレで、自覚に欠けていて、ヒロインも助けられなくて、置いてけぼりになるっていう要素がぜんぶ伏線になって最後につながるんだよね。

ずっとダルそうな言葉遣いのノクトが、終盤使命に目覚めて辛い経験をくぐり抜けた後に、先代の王様を思わせるしっかりした語り口調になっていくあたりもよくできてる。責任感に欠ける現代っ子が、もしファンタジー世界の主人公になろうと思ったら、それだけの自覚を育てて、試練を乗り越えていかなきゃいけないんだって。異世界召喚モノみたいに、転生したらいきなり勇者になれるわけじゃないんだって思わせてくれるリアルさがある。

最後にノクトが仲間に吐露するこのセリフがすべて物語ってるよね。さまざまな試練を乗り越えて、王たる自覚を持って、ついに使命に目覚めたノクト。やっとチャラい現代っ子から、本物のファンタジーの主人公になった。でもそれってやっぱ荷が重いし辛いことだ、って気持ちを、昔みたいな口調に一瞬だけ戻って仲間に打ち明けるんだよね。

平和な現代風社会で、クルマ乗り回して、美人のお嫁さんもらって、金持ちの親父の遺産継いで、へらへらしながら暮らすほうが幸せなのか、それとも、神話のファンタジー世界で、恋人も自分の未来も失って、それでも世界を救うために戦うほうが幸せなのか。なんか現代社会に生きてると、そんな冒険したくなるけど、実際そうなっちゃうと、やっぱ辛ぇんだろうなーって思わされるストーリーでした。

この現代社会から、召喚とかなしの地続きでファンタジー異世界に入っていく、ていうストーリー演出のためだけに、すべての要素が調整されたようなゲームだったかな、FF15は。

そのストーリーを実現するために、序盤はダルくなっちゃったし、クルマやカメラみたいなファンタジーらしくない現代社会っぽい小道具が出てくるし、ヒロインは唐突に退場するし、最後は救われないラストだし、っていう、ゲームとしては不満点が出てしまった気がする。やっぱ最近のFFって良くも悪くも映画向けストーリーなのね・・・。

不満点とか

そうだ、すっかり書くの忘れてたけど、ゲーム性は単調でした(笑) バトルとかテキトーにやってるだけで終わっちゃうので。本編のPS4版はもっと緊張感があるんだろうけど、こっちはあくまでスマホベースの移植だから、簡単すぎる操作で戦うだけ。でもその中でもFFCCみたいなアクション感をちょっと出してくれたのは好印象かな。テキトーにやっててクリアできるけど、単調すぎるというわけでもないので。

問題点を挙げるとしたら、なんかバグらしいのが多いこと。ときどきはさまれるイベントで、指示通りに操作してるのにボタンが利かなくなって成功しなくなって、リセットして直前のオートセーブから始めたら解決したことが数回。

スマホレベルのグラフィックなくせに、時々入るロード時間が超長いという奇妙な点も。

あとこのグラフィックのせいでキャラに愛着が持てない。目が死んでるし、表情変わらないし。せめてデフォルメするなら、もうちょっとかわいくとかやりようはあったと思うんだけど、センスなさすぎるデフォルメだよね。手が三本指とかなのも、どうしてこうなったって感じ。まだDS版FFCCのグラフィックのほうがよほどましじゃん。

まともなグラフィックで遊びたいならPS4版やってね、ということなのかもしれないが、それにしても極端すぎる。せっかくいいストーリーなんだから、ちゃんと感情移入できるようなデフォルメにしてほしい。ドラクエ11もPS4の高精細バージョンと3DSデフォルメバージョンの二種類発売されたけど、どっちもいい出来で、こんな手抜きじゃなかったよ。

とまあ、不満点はいろいろあるけど、セールで2000円以下で買ったそれがしとしては満足なゲームでした。定価だと知らんけど、この値段としては、海外製インディーのダウンロードゲームと同程度には楽しめたよ。FF15というビッグタイトルがその評価じゃいかんと思うけど(笑)

残念なのは、PS4版も追加コンテンツ開発中止されて、真のハッピーエンドがなくなっちゃったことだよね。唯一開発継続されるアーデン編でハッピーエンドになるとも思えないし、「悪い、やっぱ辛ぇわ」って感じだけど、まあ、ひとつのゲームとしては強引なエンディング含めそこそこまとまってたので達成感はありました。

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投稿日2018.11.26
かてごりー: ドラクエとか懐かしのJRPG