3DS版ラジアントヒストリアのクリア感想! 近年まれなストーリーとバトルの完成度!

DS版のころから名作と名高くて、いつかやってみたいと思いつつ、今まで手を付ける機会がなかったラジアントヒストリア。それがなんと3DS版でリメイクされるというので、ぜひやってみようということで発売日に買ってプレイしていました。

最初はレトロな雰囲気にちょっと戸惑いつつも、ああ、こういうゲームがやりたかったんだなーとのめり込んでしまって、一気にラストまでストーリーを駆け抜けてしまった。

なんだろう、最近、こんな熱中できるRPGってなかったんですよ。大好きなはずの世界樹もぼちぼち進めている感じだし、去年やった幻影異聞録とかポケモンも、一気に最後までやりたいとは思わなかったし、なんかもうゲームにのめり込めない年なのかなーっなんて思ってたんだけど(苦笑)

でも!  ラジアントヒストリアは全然違った! 熱中してたときの感じは、小学生のころにドラクエとかFFをプレイしてた感覚そのもの!  これってもしや、最近のゲームにのめり込めなかったのは、昔のRPGに並ぶ魅力を感じなかったせい? とか思いました。もちろん、ポケモンとかが面白くないわけじゃなくて、あくまで自分にはラジアントヒストリアが合ってたんでしょう。タイムトラベラー系のストーリーなんだけど、リアルで小学生のころにタイムスリップしたみたいな、そんなゲームでした。

とにかく、バトルのシステム、雰囲気、UI、ストーリーともに非の打ち所がなくて、ほんとに完成されたゲーム。細かいところを見ていくと矛盾があったり、世界観のスケールが小さいといった問題もあるけど、全体が驚異的にまとまっているので、欠点というより持ち味なんだろうなと思います。

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過去を変えるタイムトラベルな群像劇

このゲームは最初に書いたようにタイムトラベラー系のストーリーを煮詰めたもの。主人公のストックは、最初、上司のハイスから白示録という本をわたされて、その力で未来を予知する光景が見えるように。

このあたりゼノブレイドのモナド使って未来見するシュルクっぽいなーと思ったんだけど、あっちは主に戦闘シーンでの活用でしたが、こっちはストーリーでの活用。だけど、未来見はストーリーの中であんまり重要じゃなくて、未来が見えたのは最初の2回くらいだけかな? この部分は改めて思い返すとちょっとストーリー設定として中途半端な部分だ(笑)

ゼノブレイドのシュルクの場合は未来見して先に知ることで、未来を変えていく主人公だったけど、ラジアントヒストリアのストックは逆に、未来見できなくて、失敗してから、時間をさかのぼって過去を変えていく。似てるようで真逆の主人公。

イベントが発生すると、それに応じて選択肢が出る。そこで選んだ選択肢によって未来が変わる

ちなみに上のスクショのキャラは予約特典のキャラデフォルメパックです(笑) このおまけ機能、ナナドラっぽいキャラ絵自体はいいんだけど、はっきり言って中途半端すぎる。いっつもデフォルメされてるならいいのに、特定のイベントのときだけデフォルメされるし、敵勢力とかのキャラはデフォルメされないしで、統一感がまったくない。ラジアントヒストリアは完成度高いゲームだけど、この追加コンテンツは擁護できない。しかも予約特典でタダなのはいいけど、普通は有料販売されてるし。こんなのお金出して買った人怒るだろう。

それはともかく、こうして選択肢出たところで、間違った選択肢を選ぶと、すぐにバッドエンドになって、ヒストリアという時間のはざまに帰還して、直前のチェックポイントからやり直すことになる。

バッドエンド見たほうがセーブされるので、チェックポイントとして活用できる。初回は正しそうな選択肢選ぶより、バッドエンド見てセーブしたほうがいいような気も。コンプ率にも影響するし。

このバッドエンドは、間違った選択肢を選ぶと一瞬で終わって、昔のRPGのモノローグだけのエンディング (たとえば星をみるひととか) みたいなやつが多いので、なんか淡白なんだけど、内容はネタ成分多めで苦笑いするようなものもあるし、ストーリー本筋から注意をそがないためにも、これはこれでいいかな、と途中で思えるようになった。

失敗した未来を変えるためにもう一度チェックポイントから過去に飛ぶと、さっきと同じ選択肢を選ぶ場面に戻ってこれて、正しいほうを選ぶとストーリーを進められる。

もっと複雑なものだと、過去や別の時間軸の平行世界をめぐって、特定のアイテムを入手してきたり、フラグを立てたりしたことで、選べなかった選択肢が選べるようになって、未来が開けるというものも。このあたりは、歴史のどの部分に干渉すれば、打開策が見つかるだろう…?と考える推理っぽい要素も含んでいて楽しい。

こうやって、失敗するたびに時間をさかのぼって、歴史を変えていって世界が滅亡しない正しい歴史をつむいでいく、というのがラジアントヒストリアのストーリー。

タイムトラベル系のストーリーというと、一般的になりすぎて陳腐になったイメージもあるけど、異なる時間世界をめぐるっていうストーリーはあれど、過去に戻ってやり直すことが主軸のゲームってなかなか見ないような。ゲーム以外だと、知ってる範囲ではマンガのクロノアイズとかくらいかな? あちらも超名作だと思いますが。

過去を変えるために再体験するといっても、イベント自体が大きく変化していたり、同じイベントは簡単にスキップできるなど、プレイのわずらわしさはまったくなくサクサク進む。UIは本当にストレスないようよくできてる。

間違った歴史を体験してから過去を変えるというストーリー上、仲間の死や国の滅亡を何度も何度も手を変え品を変え経験することになる主人公のストックが、RPG史上まれに見る超過酷な主人公だなー、と苦笑いしてたんだけど、じつはそれがストーリー上すごく大事な伏線だったと、わかる最終盤の展開はよかった。ストーリーの完成度の高さに脱帽しましたよ。ただのゲームシステム上の仕組みじゃなくて、それが物語の一部だったんだなーと。

主人公だけじゃなくて、登場人物のほとんどが、かなり大きな使命を背負っていることが多くて、それぞれがそれぞれの役割を果たすことで、はじめて歴史が進んでいくという群像劇もすばらしい。

主人公以外のパーティーメンバーは、終盤まで主人公がタイムスリップして過去を変えているという苦労を知らないんだけど、何も知らない彼らをサポートして、正しい選択へ向かわせる、究極の根回しゲーム。ひたすら苦労する主人公だけど、それが楽しい。

惜しむらくは、もっと複雑な分岐があってもよかったんじゃないかなーということ。あえて間違った選択肢を選んで進めることでキーアイテムが手に入って正しい歴史で役立つとか、正しいと思って進めていた歴史がじつは大変なことを見落としていて、それを推理してやり直すとか。このあたりもっと時間移動が活かした次回作を作ってほしい。

9グリッドと入れ替えの革新的バトルシステム

このゲームの面白いところは、ストーリーもさることながら、バトルシステムの完成度の高さ。

近年のRPGはバトルシステムの基本が確立されすぎちゃってて、新しいシステムを入れようとしたらかえってもっさりになったり複雑になったりしがち。比較に出して悪いけど、ブレイブリーデフォルトはその典型で、ブレイブとデフォルトで行動ターンを前借りしたり先送りしたりすることで戦略性が高まったというウリだったけど、実際プレイしてみたら、ザコ戦では初手でブレイブしまくって16回もコマンド入力しなきゃいけないという破綻したシステムでがっかりしてしまった。

それに対してラジアントヒストリアのバトルシステムは完成度が高すぎて、終盤に行っても飽きないし、そこそこ頭使って楽しいし、いろいろと工夫しがいがある。コツをつかめばザコ戦は一瞬で終わるし、敵ターンに複数のザコが攻撃してくる場合、演出がまとめられていたり、味方の攻撃も昔のロマサガやFF6のようなシンプルな演出なので、アニメーションで時間がとられることもなく快適。非の打ち所がないので、このシステムを継承して続編作ってくれないかなと思うほど楽しい。

バトルシステムの特徴は以下の2つ

■グリッド
敵が9グリッドの上に配置されていて、位置移動系スキルで動かしてまとめて攻撃することができる。言葉だと説明しなくいけど、簡単に言えばうまく集め寄せれば一括で処理できるということ。例がアレだけど、机の上の消しゴムのカスを手で一箇所にまとめて捨てるみたいなシステム。これがひと目見ただけでわかりやすい上に奥深くて楽しい。

■入れ替え
もうひとつは入れ替え。10ターン先の味方や敵と行動順を入れ替えられる。行動を先送りできるところはなんとなくブレイブリーデフォルトと似ているけど、前借りはできず、あくまで入れ替えるだけ。でも入れ替えを駆使することで、敵の連続攻撃が発生する代わりに、味方の連続攻撃ターンもつくれる。グリッドが敵を位置的にまとめるシステムだとすれば、こっちは行動順をまとめるシステム。味方の行動順がまとまると、連続的にグリッド移動させて敵を一箇所にまとめて攻撃しやすかったり、コンボ回数をつなげてダメージを底上げしたりできる。しかし入れ替えをすると、次に行動するまでバロックという弱体化状態になるので、リスクリターンがしっかりしたシステム。

以下はラスボス戦のスクショだけど、入れ替えしまくることで、敵の攻撃をひたすら耐え抜いた後で、味方の10連続攻撃ターンを作れる。

この画像だと、10連続攻撃の最初のほうは、アトとガフカの複数回攻撃でコンボ回数を稼ぎまくり、そのあとでストックの高威力物理攻撃で殴ることで、攻撃力を上乗せしている。

下もラスボス戦のスクショだけど、見てもまあよくわからんと思うので(クリアしてもよくわからんし)まあネタバレ配慮はいいか(笑)

結果、56コンボもつないで、最後のストックの攻撃が267ダメージと通常の2倍以上の攻撃力になっている。

ちなみにこのパワーウェイブという技、序盤から使えるスキルなんですが、終盤になってもインフレしたりランクアップしたりせずそのまま使うんですよね。これがまたラジアントヒストリアのバトルシステムの面白いところ。他作品のRPGだと、終盤になるにつれ、破壊力の高い技を覚えて、序盤の技は使わなくなるんですよ。ドラクエで言えば、メラゾーマ覚えるからメラは用済みみたいな。

だけど、ラジアントヒストリアはそうならない。レベルが上がると覚えるのは特殊な位置移動スキルや特殊な範囲攻撃スキル。レベルが上がることで単純に強い攻撃を覚えるんじゃなくて、グリッドをうまく活用してまとめて攻撃したりする対応の幅が広がるということ。一応、レイニーやアトが覚える属性魔法やトラップは上位版があるけど、最初から使える下位のほうが燃費がいいので、場面によっては下位版を使ったほうがいい。そして下位版もちゃんとレベルが上がると攻撃力が上がっていくので、最後まで普通に使える。おかげでいらない用済みスキルというのが発生せず、どんなスキルもほとんどずっと状況に応じて使いどころがある、というバトルシステム。

終盤になってもダメージはインフレせず、上のラスボス戦でも、200そこらのダメージの積み重ねで十分。ダメージがインフレして終盤では4ケタが普通になって、ダメージ量で爽快さを演出しようというゲームが多いなか、最後まで全部のスキルが使えて、組み合わせと戦略で爽快さを引き出しているこのバトルシステムは本当に画期的で完成されすぎてると思う。これ一作のみで終わってしまうのはもったいなさすぎる。せっかく3DS版出したんだから、ぜひラジアントヒストリア2を作ってほしい。 

パーティメンバー感想

登場人物はみんな魅力的だけど、プレイしてて思ったのは、あっ、これクロノトリガーっぽいなーということ。クロノトリガーもタイムトラベル系ゲームの元祖というか金字塔ですが、雰囲気はけっこう似ていると思う。魔導システムのある中世を舞台にしてるのとか、個性さまざまな仲間とか、何よりゲーム画面のドット絵がよく似てる。

このゲーム、3DSのリメイクのくせして、なぜか3D立体視機能がないんですよね。最初は立体視なくて残念だったけど、かえってクロノトリガーみたいな雰囲気のおかげでのめり込めたような気も。デフォルメキャラの頭身とか、リアクションの可愛さとかがほんとよく似てるんですよ。クロノトリガーの正統続編って、クロノクロスじゃなくて、むしろラジアントヒストリアなんじゃないのって思うほどに。クロノクロスもいいゲームだけど。

3DS版になって、ボイスもついているんですが、私のいつものプレイスタイルでボイスはオフに設定しました。

声優さんたちには悪いけど、やっぱゲームにボイスついてると、想像する楽しみが失われるんですよ。特に初期のFCやSFCからRPGやってる私みたいな世代には、デフォルメされたドット絵と文字だけを頼りに、自分で想像をふくらませて楽しんでた人がたくさんいるはず。世代によってこのあたりの意見は変わるだろうから、ボイスなんていらないっていうつもりはないけど、個人的にはこのラジアントヒストリアのレトロなグラフィックとボイスなしの組み合わせは最適だと思いました。アトラス製ゲームって、世界樹もそうだけど、設定でちゃんとボイスオフにできる機能があって、配慮行き届いているなーといつも感心します。

パーティーキャラは一人ひとりどれも魅力的なので、それぞれの感想を書いておく。

■ストック…超苦労人の主人公。冷静で無口なところは、最初はスパロボのキョウスケっぽい雰囲気だな、と思ってたし、まあ似てるんだけど、終盤になるにつれ、どんどん重い使命が明らかになっていって、いたたまれなくなる。でも本人はいたってポジティブで、ものすごい強い意志力を持っている(というかタイムトラベルを繰り返して訓練された)ので、全然ブレなくて頼りになる。控えめにいってカッコイイし、今までプレイしたRPG全般の中でも1,2を争うほどカッコイイ気がする。後でネタバレ部分に書くけど、力が強い主人公じゃなくて、意志力が強い主人公っていう立ち位置が独特で魅力的。

バトルではメンバーから外すことができない代わりに、どんな状況でも対応できるオールラウンダー。ひととおりの回復魔法に加え、炎属性の攻撃魔法、相手の位置を移動させられるスキル色々、そして攻撃力が高めの剣技を持っていて、活躍できる。

どうでもいいけど、下のセリフ、スパロボのミストさんっぽいセリフだし、ストックの顔もどことなく似てるんだけど、ストックが言うとかっこいいし説得力ある。普段の行い大事(笑)

■ロッシュ…主人公の同僚の部隊長。最初登場したときは、いきなり主人公に死相が漂ってるみたいなことを言ってきて、なんかゴツい陰気なキャラ?と思ったんだけど、じつは熱くてまじめな戦士系キャラだった。…だけど過去の戦いで片手をやられてて、義手のガントレットを装備してるトラウマがあるので、やっぱストーリーでは陰気というか暗い側面を担当しがち。主人公を除けば、いちばん歴史に左右されて大変な目に遭うキャラ。戦争で死にかけるわ自国から命狙われるわ、主人公と一騎打ちすることになるわ、ガントレット破壊されて戦えなくなるわ波乱万丈。だけどそのおかげで、序盤の印象がどんどん変わって、終盤になるほど生きざまが素敵になる。ソニアのハートも射止めるし(笑)

バトルでは典型的な戦士系キャラで、HPと物防が高く、魔法は使えずに物理技だけで戦う。強いことは強いんだけど、問題はパーティー加入期間がばらけていて、最終盤にならないと安定しないせいで、一人だけレベルが10くらい遅れること。おかげで、ボス戦ではあまり役に立たず、パーティーから外されてしまうという不遇。

■レイニー…主人公のところに配属される部下その1。同僚のマルコと一緒に戦地を転々としてきたけど、所属部隊が炭鉱で壊滅して、マルコと二人だけで生き残っていたところをハイスに拾われ、主人公と引き合わされる…んだけど、じつはちょっと違う真相が明らかになったりもする。今作の仲間全員に言えることだけど、全員裏表がなく裏切ったりはしない純粋なキャラばかりで、レイニーやマルコも最後まで主人公にしっかりついてきてくれる。というかとあるクエストの結果、いつのまにか主人公の恋人ポジションに収まる(笑)

バトルでは魔法攻撃中心の槍職。槍で相手の位置を移動させる物理スキルを使えるけど、物理攻撃力には期待できない。その代わりに三色属性すべての魔法を上級まで覚えることができ、同僚のマルコのマジックライズでバフをかけられるので、魔法アタッカーとしての攻撃力の高さは随一。レイニーとマルコはほぼいつもスタメンに入っているので中核の戦力になる。あと貴重な毒付与系スキルを覚えるので、ボス戦や物理・魔法耐性持ちの敵には開幕いきなり毒を入れてスリップダメージを狙う役割も。ラジアントヒストリアは毒がターン経過で回復せず、延々と追加ダメージが入るので有用。

■マルコ…主人公のところに配属される部下その2。レイニーからはマルと呼ばれていて、見た目も丸っこいドワーフキャラなんだけど、特に別種族とかではないらしい。丸っこい見た目から初めはゼノブレイドのノポン族みたいな癒やしキャラかと思ったんだけど、真面目でしっかり者の好青年でした(笑)

レイニーと同様、パーティーメンバーに入ってることが多く、ほぼ主人公と同じペースでレベルが上がる。基本的に回復魔法担当…と思いきや、なぜか主人公のほうが有用な回復魔法を早く覚えるのでよくわからない。レイニーに魔法バフをかけるなど補助スキルを使えるので、回復と補助を担当するのが主な立ち回り。加えて、各地に散らばった秘伝書をしっかり見つけていけば、最終的には4方向すべてに敵を動かせる移動スキルを覚えられるので、後述のもう一人の魔法アタッカーであるアトとの相性がかなりいい。

■アト…中盤で仲間になる獣人のシャーマンの女の子。こちらが今作の癒し系キャラ。幼く見えて芯が強く、主人公の重い使命に早くから気づいた一人。ちっちゃな女の子が戦場についてくるとなると話がもめそうだし実際毎回もめるんだけど、わりとあっさり仕方ないな―となるのが本作の登場人物の会話が嫌味を感じないポイントのひとつ。

バトルでは、いちいち動作がかわいい上に、じつはパーティーで1番と思える超火力アタッカーなので、パーティーに加入しているときは積極的に使いたい。本作のバトルシステムを象徴するトラップ系スキルが鬼のように強い。まずトラップを設置して、それから敵を位置移動させてそこに叩き込むんだけど、そのあとコンボで同じ場所に何度もトラップを発動させることができて、発動するたびにダメージが怒涛のごとく増えていって超強力。マルコのマジックライズをかけているとさらに強力になるし、マルコは位置移動スキルを四方向すべて覚えられる(特に主人公が使えない手前に引き寄せるプルグラップがシナジが高い)ので役立つ。スパイダー系の大物ボスやラスボスでは、位置移動ができずトラップ自体の設置できないのでアタッカーとしては無力になってしまうが、ダンシングデスでコンボ回数を上げたり、味方で唯一状態異常を予防するポラリスや、マルコ以上に回復力の高い回復魔法を使えるのでどんな場面でも腐らない。

■ガフカ…獣人の気功使いの格闘家。同じく獣人であるアトとの絡みが多め。中盤レイニーとマルコが抜けて、アトとガフカでパーティーを組むことも。ガフカの仲間の獣人たちはゴリラみたいな見た目で、搾取しようとする人間たちとの確執があるが、ガフカは偏見にとらわれない広い心の持ち主。主人公たちを仲間に認めさせるために交渉もしてくれる。あれっ、こんなキャラどっかにいたぞ、と思ったらFF10のロンゾ族のキマリじゃないですか。ストーリーが心なしかFF10に似ているのもあって印象がダブる。こちらのほうが語彙力しっかりしてるけど(笑)

バトルでは、やたら強い物理アタッカー。ガフカがいるせいで、ロッシュの立場がなくなりやすい。素で強い気功波の一撃とか、コンボ回数を上げられる無双とか、敵全体を一度に中央に集められる風神拳とか、けっこうチートスキルが多い。敵を一箇所に集められる関係で、アトやレイニーのような単体魔法アタッカーとの相性が抜群。ガフカが優秀なおかげでマルコがスタメン落ちしやすい。ただガフカはMPが低い上に消費が激しいので、継戦能力でいえばマルコのほうが優れる。

■エルーカ…二丁拳銃で戦う敵国グランオルグの王女。最初は敵対勢力の王女で暗殺対象に指定されたりもするが、レジスタンスを率いていることから、主人公たちと共闘するようになる。ストーリー上、とても重要なカギを握る人物で、じつは主人公のストックとの関係も深い。主人公の重い使命を最初から知っていて、一緒に背負っている人物。主人公が使命を記憶喪失したまま冒険していたのに対し、こちらは最初から最後まで重責を担っているので、主人公に負けず劣らず苦労人のような気もする。それもまたストーリーの重要ポイントなんですが。

ポジション的には二丁拳銃なことも含めて、FF10のユウナに似ている。主人公のストックのほうはティーダに似ているし。だけど見た目の姿はユウナと違ってバリバリのお姫さまなので、ドレス姿で二丁拳銃振り回すギャップが萌える(笑) ストーリーからすると、どう見てもヒロインなんだけど、主人公との関係上、純粋なヒロインと言っていいのかよくわからない。

バトル面では、紙装甲超火力を地で行くキャラ。本作のウリである位置移動スキルに乏しい代わりに、強力な全体・列攻撃スキルを多数持つという、特にザコ戦で使いやすいキャラ。先制とってからの超火力で殲滅が得意。ただし紙装甲とガス欠のおかげで継戦能力は低い。相手の行動を一回休みにする強力なサポートスキル(控えメンバーだけがランダムで発動できるスキル)を使えるので、ボス戦ではスタメン落ちしているほうが役に立ってくれる。バトルの指示待ちのときに二丁拳銃くるくる回している立ち姿がかわいい(笑) 

問題はロッシュと同じでパーティに加入している期間にばらつきがあり、終盤にならないと安定して使えないところ。ロッシュほどではないが、レベルが低くなりがち。だけど3DS版では時の牢獄という追加要素があって、その時点までに仲間にしたキャラ全員で、レベル上げとアイテム集めができるので、そっちで経験値溜めるようにすれば、ロッシュやエルーカのレベルもわりと上がってくるので、たぶんDS版よりかは改善されているんでしょう。

以上が主要キャラの感想かな。実際にはもっと脇役キャラや敵キャラもいろいろいるんだけど、一見敵キャラだと思っていた奴が、異なる時間軸や過去を変えた後だと違う一面を見せてくれたり、主要キャラだけじゃなく脇役キャラの描写も巧み。だから最後までプレイしたときに、憎める敵が一人もおらず、みんな良い面も悪い面もあって、敵対しちゃったのは歴史の流れせいなんだなーと思えるのがリアル。あのとき歴史がああなっていなかったら、この人はこうならなかったんだろうなーと思う場面が何度もあって、実際にその異なる歴史を体験できるし。特に3DS版で追加された新要素の「亜伝」では、そんな場面を何度も体験できる。

そして、最高のストーリー

最後に肝心のストーリー部分を感想をば。ネタバレになってしまうので、折りたたんでおきます。はっきり書いておきますが、このゲームはネタバレを見ずにプレイしたほうが100倍おもしろい。私もストーリーを知らないまま3DS版リメイクを遊べてほんとによかったと実感しているので、ネタバレを見ちゃうのがもったいなさすきるゲーム。そんなわけで、ここまでで興味を持った未プレイの人は以下は開けないでゲームプレイしてください。

ストーリーとエンディングのネタバレ含むのでクリックで展開
ラジアントヒストリアのストーリーが特異なところは、いわゆる魔王を倒して世界を救うストーリーじゃないところ。なんか最近のゲームってほとんど、強大な悪とか偽善を倒して主人公サイドが俺ツエーで無双するのが多いんですよ。ワンパターンだし面白くない。あんまり他作品を挙げるのはアレだけど、同じアトラスの最新作のペルソナ5も結局はそんなストーリーだったし。

だけど、ラジアントヒストリアは、自己犠牲の物語なんですよね。主人公は、自分を犠牲にして世界を救うために戦う。ストーリーの流れ的には、何度も引き合いに出しているFF10とよく似ている。あれも、召喚士が自分の大切な人を召喚獣にして犠牲のもとに世界を救うという物語だった。

今作では、召喚士ユウナがエルーカ姫だとすると、召喚獣になるティーダはストックに当たる。ストックはエルーカの兄、つまりグランオルグ王家の一員だと終盤に発覚します。

ラジアントヒストリアの舞台になっている大陸は、古代の帝国の事故?のせいで命の源たるマナが不安定で、グランオルグ王族が、伝統的に、生まれた子どもの一人を犠牲のニエにすることで、大陸を安定させてきた歴史がある。その儀式をしないと大陸全体が砂漠化して滅んでしまう。

そして主人公のストックは、まだ記憶があったころ、自分が犠牲のニエになると決めたらしい。本当はエルーカがなるはずなんだけど、その身代わりにと。なんか妙に意志力が強くてカッコイイ主人公なんですが、もともとその片鱗はあったようだ。でもそれだけじゃ足りなくて、ニエになる人は、ただ自分の命を犠牲にするだけでなく、強い心を育てなければならない。つまり、年端のいかない子どもを一人犠牲にしたらすむような話ではなく、しっかり世界の結末を見て、世界中を旅して人々の生きざまを見て、その上でその人たちのために犠牲になろうと決めた強い心の持ち主だけが、大陸全体のマナを安定させるだけの力を発揮できる。

そのために用意されたのが、未来と過去を行きめぐることのできる白示録であり、主人公が膨大な苦労を通して、世界を旅して歴史を書き換えるというラジアントヒストリアの物語全体だったのだ。

さっきも書いたけど、ここの説明読んだとき、感動がものすごかった。ストーリーのそんな部分まで、しっかり考えられてあったんだなと、後付けか辻褄合わせにしたってよくできすぎている。しかも、主人公が最初記憶喪失で、ニエのことを知らず歴史を駆け回っていたのも、それを知ってしまうと、先入観ができて、人々の日常をニュートラルに体験できないからだったと。それはすごくわかる。

ストックは、歴史をめぐるうちに、かけがえのない仲間と巡り合い、悲惨な滅亡間近の世界の中でも、健気に生きる人たちの日常を見て、その人たちの日常を救うために戦ってきた。なんとかして、歴史を書き換えてこの人たちに未来をもたらしてあげたいと。そういう気持ちが育ったときに、エルーカたちとの触れ合いから、自分の使命を思い出す。自分の命を犠牲にするというとても重い使命。だけど、そうすることで、世界を救える、自分がずっと求めていた手段。

エンディングでは、ストックより前にニエになった過去の人物たちの記憶の回想シーンも出てきて、それがまた泣かせます。自分の運命を呪いながら犠牲になって死んでいったんじゃなくて、家族や町の人たちのごく普通の日常を見て、それを守りたいから、最後は笑顔になって、自分から進んで命を投げ打ってきた人たち。重い境遇を背負いながら、それを受け入れて乗り越えた人にしかない境地がそこにある。

それと同じように「だから、俺はやるんだ」とはっきり言ってのけるストック。

この「だから」が重い。だって、プレイヤーがストックと一緒に旅してきた時間のすべてが詰まっているから。プレイヤーがストックとともに、この世界の歴史を変えたいと思って、何度も何度も絶望の未来を経験して、そこから這い上がってきて、その中で守りたい人たちの笑顔を見てきたからこその「だから」なんですよ。もしここまでの冒険がなくて、いきなりニエになれ、だったら、そんな理不尽なことないわ!ってなってたはず。それに、ここまでの冒険がネガティブな内容だったら、FF10のティーダとユウナみたいに悲壮感漂ってたはず。だけど、ここまでのストーリーも積み重ねも本当に面白くて、楽しくて、仲間だけじゃなく、この世界の登場人物すべてが魅力的で愛おしいんですよ。それを経験してきたから、この命で世界を救えるのなら、みんなのために惜しくはない、と言ってしまえるストックの気持ちが痛いほどわかる。

しかも、ストックがまた前向きで全然意志がブレない。このゲームのラスボスのハイスは、先代のニエに選ばれたストックの叔父に当たるんですが、こっちはニエになることを受け入れられず、自分ひとりを犠牲にして世界を救おうなどという身勝手な人たちに復讐してやろうと考えていて、ストックにも自分たちだけ生き残って世界を滅ぼしてしまおうと持ちかけてきます。ある意味自分と同じ境遇のストックのことを思ってそう言ってくれている。

このゲームには根っからの悪人はいないんですが、ハイスもそう。ストックは、自分とハイスの違いは紙一重で、自分がハイスになっていた可能性もあると述べる。自分とハイスの違いは、時間軸をゆき巡って絶望したか、未来を見いだしたか、たったそれだけなんだと。そしてハイスを倒すことは、自分が犠牲になって死ぬことを意味している。ラスボスを倒すというのは、仲間たちの未来を守ると同時に、自分の命を犠牲にすることなんですよ。

だけど、そんな未来に、露ほども迷いを抱かず、勇敢に立ち向かっていくストックがあまりにも素敵すぎる。いまだかつてRPG史上、こんな素敵な主人公いたかしらって思うほどに。神をも超える強い力を手に入れて世界を滅亡から救うたくさんの主人公たちの何倍もかっこいい。

エンディングでガフカが言ってるけど、本当の強さってこれですよね。

悪を倒して終わりのRPGでいっつも思うのはラスボスの神や悪魔も超えるほどの力を手に入れた主人公たちって、そのあとどうなるのかなと。結局力で力をねじ伏せただけだし、より強い者が出てくることはありうるし、主人公たちのだれかが闇落ちして悪魔になることもできるんだしなーと。

だけど、ラジアントヒストリアのストックの強さは力じゃないんですよね。なんせラスボス戦で200ダメくらいなんだし(笑)  いろんな他のゲームに比べたら、ラジアントヒストリアってスケールが小さくて、小さな国家がいくつかしかない小さな大陸の中の出来事にすぎないんですよ。強大な神や悪魔が出てくるわけでもなく、人間同時の局地的な抗争の群像劇が繰り広げられるだけ。だから最後までストックたちは人間味があるし、取り立てて強力なわけではない。実際バッドエンドになると容赦なく全滅しますし。でもストックは、他のRPGの主人公のような力はなくても、みんなのために全てを差し出す勇気と覚悟という本当の強さを持っている。

そして、ラスボスを倒した後の、仲間たちへの別れの言葉もほんとすてき。

時間を行き巡って、ニエになることもいとわない強い心を育てたストックだからこそ言える言葉、そしてその様子をずっと見守ってきたプレイヤーだからこそ納得できる言葉。ラジアントヒストリアのすべてが詰まっている。

それに対して、ストックの決意の強さを受け入れて、笑顔で送り出す仲間たち。

ハイスの場合は、自分だけ犠牲にされて、のうのうと生き残ろうとする周りの王族たちは身勝手だと感じたみたいだし、実際彼の場合はそうだったみたいですが、ストックのほうは違う。

途中で、仲間との絆が何度も描かれていて、ストックの運命を知るエルーカとアトがどれほど悩んでいるかもたびたび描写されます。だから、自分を犠牲にして世界を守るストックだけじゃなく、ストック一人にそんな使命を負わせなければならない妹のエルーカや、何も力になれないことを知っている他の仲間たちの葛藤や辛さもひしひしと伝わってくる。笑顔で送り出すみんなの言葉は、それらをすべて踏まえた上での言葉なので、ストック本人だけじゃなく、仲間たちにも並々ならぬ意志の強さが感じられます。本当は泣き出したほど辛い、ストックだけにそんな使命を負わせたくない。だけど、一緒に冒険してきて、ストックの決意の強さを知っているから、ただ笑顔で送り出す。それがストックのために自分たちができる最高のことなんだと信じて。

このゲームはエンディングもおもしろくて、途中でクリアしたサブクエストにまつわる各キャラごとの追加スト―リーがエンディングにいくつも追加されていきます。サブクエストはやってもやらなくてもいいんだけど、やればやるほど、エンディングがハッピーエンドになっていくという仕組み。ストックが自分を犠牲にするという結末は変わらないけど、マナの暴走を止める糸口が見つかったり、死んだと思われていた仲間がストックに救われた描写が入るなど、どんどん希望を持てる内容に変わっていくのがすばらしい。

私も最初クリアしたときはまだ全部集めきれてなくて、まだ途中。やりこみ要素としても楽しい。昔のRPGのエンディングはこんなふうに賑やかでボリュームたっぷりだったなーと懐かしい。

また、3DS版では追加要素として第三の物語、平行世界の時間軸である「亜伝」がプレイできます。

とりあえず亜伝のクエスト全部やってみたけど、本編みたいながっつり遊べるストーリーではなく、おまけ要素に近い。だけどストーリーを補完して、特に古代にマナの事故起こして滅んだ帝国とはなんぞやという本編では語られなかった部分をクローズアップする内容なので、物語が奥深くなる。

一応亜伝のクエストはぜんぶ終わったはずなんだけど、まだ全部解放されてなくて、どうも亜伝をクリアして、全サブクエスト終わらせてエンディング見たら、3DS版の隠しエンドへの道が解放されるっぽい? なんか本編だけで完成されすぎちゃってて、隠しエンドが蛇足にならないか心配なんですが、せっかくだから、この後もプレイして、完全クリアを目指したいと思います。

現時点で言えるのは、このゲームに出会えて本当によかったということ。このストーリーと世界観はゲームの枠を超えて、心にのこるものだったし、ちょうど子どものころ遊んだドラクエとか読んだ物語が今に至るまで自分に影響してるように、きっと今後の人生の考え方とかに影響してくるんだろうなーと、大げさにではなく本当にそう思えるまれなる名作でした。

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投稿日2017.07.26
かてごりー: アトラス系ゲーム