近々引っ越す可能性が出てきまして、持ち物を大規模に整理しています。引っ越しはこれまでも数回やって、その都度、持ち物を減らしてきましたが、今回は持ち物をシンプルライフと呼ばれるくらいにまで減らす予定でいます。
下の写真は今回捨てることになった持ち物。 カオスすぎますね…。とりあえず一箇所に集めたときの写真なので乱雑ですが、ずさんに扱っているわけではなく、この後、きちんと詰めました。
ついつい持ち物があふれかえってしまう今の世の中。豊かなのはいいことですが、持ち物が多いからといって、充実した生活は送れません。むしろ、わたしのように物が散らかりやすく、カオスな状態になりやすい人にとっては、持ち物を必要最低限にしぼったほうが部屋も頭もすっきりします。
シンプルな生活を目指してこれまでやってきたことを5つのステップにまとめてみました。
1.持ち物の処分は段階的に
大々的に持ち物を処分していると言いましたが、これが初めてではありません。数年前にも、いったん、かなりの量を整理しました。
物を捨てる、というと楽に聞こえますが、実際にはけっこうエネルギーを使います。本当に必要かどうか見極めたり、愛着があるものを手放したり、電子化したりするのは大変。
もともと持ち物の多い人がシンプルライフを目指すには、一朝一夕で実践できるわけではなくて、順を追って段階的に持ち物を減らしていくことが大切です。
わたしは元々「片づけられない人」で、学生時代のノートから読んだ小説、マンガまで全部残してありました。しかし数年前に、とりあえず生活に必要でなさそうなものから処分し始め、特に紙類は必要なものだけスキャナで電子化してほとんど処分しました。
小説やマンガなど、もう二度と読まないと思うものは数百冊処分しましたが、それでも愛着があって手放せないものが100冊ほど。ゲームソフトも、捨てるには惜しく感じるものがちらほら。それらは無理に捨てようとはせず、ガレージに置いておきました。
最初に載せた写真は、部屋の中ではなく、ガレージに保管してあった持ち物です。数年前は、すぐに処分する気になれなかったので、捨てはしないものの、部屋からは追い出して保留状態にして、気持ちが整理できるのを待っていたんですね。
今になって、そのときの保留にした本やゲームを見ると、どうしても残しておきたいと感じた本は10冊ほどになっていましたし、手元に残しておきたいと感じるゲームはひとつもありませんでした。さらばプレイステーション2、ゲームボーイアドバンス…etc
懐かしいマンガもお別れです。
一回目の整理のとき以降、かさばる物はほとんど買わないようにしていて、たとえ何かを買っても、必要でなくなったら、旬のうちに友だちに譲ったり、下取りに出したりしています。おかげでこの数年間、持ち物の量がリバウンドすることもなく、晴れて今回、本物のシンプルライフに突入できるというわけです。
2.作品や書類は電子化してクラウドへ
シンプルライフのためのカギとなる重要な手段が、必要な情報の電子化。
■ファイルはDropboxとGoogleドライブに
昔のアナログ絵などの作品やノートなどは、前回の整理のときに、すべてスキャンして電子化しました。そのほか、友だちからもらった手紙、医療の検査結果など、あらゆる紙媒体の資料は、もらうと同時にスキャンして処分しています。
読んだ本も気になった部分だけ付箋を貼って、自炊して処分することが多いです。(自炊代行は違法なのでご注意) もともと電子書籍があるなら、そちらで手に入れるほうが取り扱いが楽です。
そうして電子化したファイルのうち、自分の作品やウェブサイトのデータのバックアップなど、特に大事なものは、クラウド上に二重、三重にバックアップしています。具体的には、GoogleドライブとDropboxを使用して、PCとクラウドを同期しています。
これらのサービスは、PC内の特定のフォルダにファイルを入れるだけで、勝手に同期してクラウドにアップロードしてくれるので手間がかかりません。また二段階認証を使っているのでセキュリティ面もある程度安心。個人情報が含まれるPDFファイルなどを同期する場合は、パスワードロックもかけています。
■文章はEvernoteに
こうした電子情報は、以前はEvernoteにぜんぶ入れてタグ分けしていました。しかしEvernoteのシステムが使いにくく、タグもあふれてカオスな状態になったので、Evernoteだけにすべてを記録するのはやめました。
絵のデータやPDFなどのファイルは、昔ながらのフォルダに管理して、ファイル単位で移動させられるほうが便利なんですよね。Evernoteは、日記などの文章を同期するためだけに使うようになってすっきりさせました。
Evernoteで日記をつける場合は、毎日新しいノートを作るより、1週間か1ヶ月ごとに1つのノートにまとめたほうが、あとで見やすいです。ノートのタイトルには日付も入れておき、一年ごとに1つのノートブックにまとめるようにします。
■写真はGoogleフォトなどに
写真類は、ずっと昔に撮った紙媒体の写真やアルバムは、まとめて高速スキャンして電子化してしまって、Googleフォトなどにアップロードしています。近年の写真はiPod touchで撮っているので、そのままGoogleフォトに保存して、iPod touch内のデータは消しています。
写真も、ただアップロードするだけでなく、どこどこに行ったときの写真、いつごろの写真など、アルバムを作って保存することが大事です。アルバムのタイトルには日付も含めておきます。そうやって整理しておかないと、何がなんだかわからなくなります。
写真類も、必要に応じて、別のクラウド(Amazonのフォト・プライムなど)に二重にバックアップしておくと一箇所のデータが失われても安全です。とはいっても、わたしは自分の作品と違って、写真には思い入れがなく、消えたら消えたでいいかなーという気もしているので、本当に大切なもの以外はバックアップは取っていません。
最近は、買った製品の説明書なども自由にネットからダウンロードできるようになったので、手元に保管しておかなければいけないような紙書類は本当に少なくなりました。
3.思い出の品は写真に撮って捨てる
ここまではわりと簡単なのですが、手強いのが、思い出の品の処分。
たとえば子どものときに買ってもらったおもちゃとか、ぬいぐるみ、学校の授業で作った作品、思い入れのある教科書、友だちからのプレゼントなど。
これらはつい取っておきたくなりますが、残しておいてもまず使いませんし、場所を取るばっかりです。
それで、妥協案として役立つのが、写真に撮って捨てるということ。
結局、思い出の品は、ふと見たときに郷愁を誘う懐かしいものなので、写真に撮っておきさえすれば、現物は捨てても、思い出は残せます。
手で触れられなってしまうというのは悲しい気もしますが、もし大地震や浸水や火事などの災害に見舞われたら、どのみちぜんぶ失われてしまうのです。
それを思えば、あらかじめ、今のうちに写真を撮って、ちゃんとお別れと感謝を告げて処分し、写真は安全なクラウド上に保存しておくほうが、後悔しなくてすむと思います。
大切だったぬいぐるみも…。
ただし、子ども時代の成績表とか、身体計測の結果などは、いずれ何かの機会に使うかもしれませんから、写真だけでなく、きちんとスキャンして残しておくべきです。たとえばわたしの場合、ADHDの診断に子ども時代のデータが必要でした。
4.必要な家具を厳選
ここまでのステップで細々とした持ち物が整理できたら、最後にやるのは、家電製品など、大型の持ち物の整理。
わたしの場合は引っ越しを控えていますので、必要なものだけを新居に持っていく予定です。
みんなが使っているものでも、意外といらないものがちらほら。
たとえば炊飯器。ごはんは圧力鍋で炊くほうがおいしいので、必要ありません。一家に一台と言われたテレビも、わたしはテレビを全く見ない人なので、すでに持っていません。
ベッドは、腰痛持ちのため、特殊なマットレスを使っていますが、すのこの上に敷いて、起きたら片付けているのでベッドフレームは必要ないです。
使わなくなった古い家電製品もこの機会に処分しました。
しばらく愛用していたペンタブのIntuos4。ラージサイズはやっぱりデカすぎたので、この機会に、10歳年下の絵描きのタマゴさんにお譲りしました。なんかすごく喜んでくれて嬉しかったです(笑)
以前使っていたタブレットPCも、親に譲りました。わたしが使うにはストレージが小さすぎたんですが、親が使うレベルなら、まだまだ現役です。ちなみに親もTumblrとEvernoteとDropboxでクラウド管理しまくっている人です(笑)
5.リバウンドを防ぐ
ここまでくれば、もう手元の持ち物は必要物だけ。今後はその生活を維持することが大切です。
わたし自身、数年前の一回目の整理以降続けていることですが…
■要らないものは買わない
まず要らないものは買わないが鉄則。たとえ買うとしてもできるだけ電子データなどかさばらないものにします。形のあるものを購入しても、使い終わったらすぐ処分するか、電子化するか、友だちにあげます。特に旬のうちに買って旬のうちにあげたら喜ばれるので一石二鳥。処分する前に写真に撮って、日記なりブログなりに感想でも書いておけば気持ちの整理もつきます。
■もらうたびに電子化して捨てる
手紙や書類をもらったら、後回しにせず、その日のうちにスキャンするか写真に撮るかして電子化します。現物は特に大事でないなら処分しますし、確定申告や医療費控除に必要なら保留ボックスにまとめておきます。
■定期的に部屋を整理して要らないものを見直す
注意していても、やはりちょっとずつ物は増えていくので、週に一回、掃除のときに、必要なさそうなものは潔く捨てます。以前は使っていたものの、いつの間にか使われなくなったものも結構あるものです。なにかが増えたということは、なにかが要らなくなったということなので。
■予備は買い込まない
消耗品など、つい安いときに沢山買い込みたくなりますが、無くなったらその都度買うほうが在庫置き場に困らなくていいです。「今後ずっと使うから」と思って買い込んだものに限って、生活が変化したり飽きたりして、結局使わないまま埃を被ることもしばしば。節約しようとしてまとめ買いすることが、かえってお金を無駄にします。
こうした点を意識しておけば、いったん物を減らした後、再び物が増えることはありません。
なぜシンプルライフを意識しているのか
わたしが持ち物の少ないシンプルな生活にこだわっているのは、もともとADHDのせいで散らかりやすく、きちんと意識しておかないとカオスな生活になりやすいからです。
物が増えると片付けられないし、頭の中もごちゃごちゃになって混乱します。そうなると、いざ片づけようとしてもめんどくさくて後回しばかり。
だったら片付け術や収納術を工夫すればいいと思われそうですが、あれはごく普通の人たちへのアドバイスです。わたしは他の多くの人みたいにバランスよく整理したり、要領よく持ち物管理したりはできません。
それならむしろ、ADHDらしい衝動性や行動の速さを活かせばいいのだ、とあるとき思いました。衝動的に新しいものに飛びつくなら、そのままの勢いで楽しみきってだれかにあげてしまえばいい。新しいデジタルサービスが大好きなら、それを活かして紙の書類をなくしてしまえばいい。物が多くなって混乱する前に、衝動性を活かして条件反射的にものを捨てればいい(笑)
そうしたら、カオスな状態になって頭がいっぱいいっぱいになったりすることが減り、だいぶ生活がすっきりしました。
それでも悩みごととかで頭が占領されてしまうときは、マインドマップに書きだして頭の中を整理します。これも持ち物の整理と同じ。
頭の中に色々貯めこんで覚えておこうとしたら溢れかえるので、マインドマップやEvernoteなどの外部記憶に書き出して、頭の中から情報を捨てます。思いついたアイデアはすぐメモに書いておけば、頭の中に残しておく必要がありません。あとで思い出す必要のあるものはGoogleカレンダーのリマインダーをセットしておいて、その時までほったらかしておきます。
そんな感じで、わたしがシンプルライフを意識しているのは、生活がカオスになって身動きが取れなくなるのを予防するためです。
自分が混乱しない程度の持ち物の量を保てたらそれでいいわけなので、シンプルライフを通り越して、ミニマリストを目指したりするつもりは全然ありません。
ここ数年間、わりとうまく行っているので、今回の引っ越しを契機に、押入れやガレージに眠っているものも処分してしまって、本当に身軽になれたらなーと思っています。
▽持ち物を整理した結果得られたもの
持ち物を整理したおかげで、過去の自分と向き合う機会が生まれ、もしかしたら死ぬまで見なかったかもしれない思い出の品に触れることができました。