炎の杖を携えて、真っ暗な洞窟に入っていった二人。
暗闇の中で、光り輝く何かが、蛇のようにうねって、洞窟の奥へと続いているのを目にして立ち止まります。
「これは…」
男の子は一人先に進んでいくと、かがみこんで、足元の輝く何かに手を浸します。「ソラ、大丈夫?」
「ああ、これはたぶん、希光石が溶け出した小川だと思う。このまま川沿いに登っていけば、洞窟の奥へと進めるはずだよ」二人は、願いにこたえて輝くという不思議な宝石の言い伝えをたよりに、この洞窟へとたどりつきました。この光り輝く水鏡の川は、その宝石の場所へと続く道しるべなのでしょう。
嬉しくなった女の子は、水鏡の川の中に立つ男の子のもとへ走り寄ろうとします。でも、何だか奇妙な感じがして立ち止まります。何か見落としていないでしょうか。…いえ、きっと気のせいでしょう。気を取り直して、女の子は男の子のもとに駆け寄り、洞窟の奥を目指します。
光り輝く水鏡の道しるべ奥へと続く洞窟を探検するソラとハナを描きました。
暗闇の中の光る道
全然、絵を描けないと言っておきながら、前作から一週間も経たずに新作を描きました(笑) このあたり、ムラっ気の多い、わたしの性格が出ていますね。
今回の絵は、前から描こうとしていた・・・というわけでもなく、突然降ってきて突然描いた一枚です。
なんでしょう、真っ暗な洞窟で、発光する道が奥へと続いている、というイメージがいきなり降ってきて、ソラとハナが冒険するのにぴったりなところだなー、と思いました。
もともとのイメージは発光する水面が虹色だったんですが、空花物語のほうの絵は、虹色に頼らないという縛りがあるので、空花物語のテーマ色である紫系統の色を中心にまとめました。虹色の水面は、またいつかゆめまな物語で描きたいです。
イメージの時点では、岩肌をどう描くかはまったく思い描けていなかったので、光る川の背景として、どんな洞窟がいいのか、ちょっと悩みました。最初は結晶洞窟みたいにしようかと思いましたが、地面が光っているのに、洞窟のカベも水晶で反射して輝いていたら、せっかくの暗がりの対比が意味をなさなくなってしまいます。
それで、鍾乳洞みたいな内壁にしようと思って描きはじめましたが…途中から、まるで絞め殺しの木みたいな岩肌に…。。たぶん曲線が多すぎたのだと思いますが、まぁ、そっちのほうが面白いかな、と割り切って描きました。洞窟を描くのは難しいですが、暗がりのなかのおどろおどろしい感じはちょっとは出せたかなと思います。
空花物語は初期のころから、渦巻く不安や未知なる恐怖に立ち向かうハナの勇気と、それを支えるソラの頼もしさを表現したいと思っているので、怖さと美しさの境目あたりを狙っていけたらいいなーと思って描いています。なかなか難しいですが…。
今回は、せっかくなので、ただ描くだけでなく、もともと考えていた空花物語のストーリーの伏線をちょっとだけ入れました。世界一高い塔を描いたとき以来ですね。でも、ちゃんとストーリーを最後まで書くかどうかは、やっぱり気まぐれなので、あまり期待しないでくださいね…。
もともとわたしは推理小説を書きたい人なので、本当は空花物語もしっかりストーリーを起こしたいんですが、がっつり書く余裕がないので、断片的な絵と物語だけにしています。さすがに絵も小説も両方かく時間はどこにもないので、どちらか選ぶなら絵のほうだなーと。
時間と体力が無限にあれば、無限に創作し続けられる根拠なき自信はあるのですが、現実はそうもいかないのが辛いところです。