真夜中ぼくらを背に乗せて
ほしくずライオンどこいくの?丘を越えて野を超えて
ほしくずライオンひた走る夜のとばりを切り裂いて
虹のたてがみひるがえし山の斜面をかけのぼり
すっと空を見上げたらぼくらだけの特等席
ミュージカルのはじまりだきらめく衣装の星たちの
ほしくずシアター 上映中
ほしくずライオンと一緒に満天の星空を見上げている絵を描きました。
先が見えない製作記
今回の絵は、久々に ほしくずライオンに登場してもらって、満天の星空の絵を描きました。なんとなく、夜に輝くほしくずライオンの絵を描きたいなーと思ったので、特に考えもなく描き始めたのですが、これが予想以上に大変だった。
ほしくずライオンの絵はこれまでも何度も描いてますが、じつは夕方とか昼間が背景の絵ばっかりで、夜の暗がりの中のほしくずライオンを描いたのは、最初に描いた2014年以来でした。
まず最初にライオンが描けない。わりとよく描いているどうぶつなのに、今回は斜め後ろから見ているようなポーズに凝ったせいで、なかなかライオンらしい形にならない。下書きだけでかなり時間がかかってしまいました。
次にライオンのたてがみ。虹色の入り組んだたてがみなの流れをうまく表現できるよう頑張ってみましたが、色のグラデーションやなびき方が不自然になりがちで3回くらい書き直しました。
何より、夜を背景に虹色のたてがみがきらめいたらきれいだろうなーと思っていたんですが、いざ描いてみると、背景から激しく浮いてしまって、ああでもないこうでもないと修正し続けてもどこが悪いのかわからなくて途方にくれてしまいました。考えてみたら、虹色のライオンを真夜中に背景に置こうとしたら、色のバランスが難しくなるのも当然ですよね。
絵を描き始めた初期のころは、明らかに見た感じおかしくて違和感があるのに、どこがまずいのかわからなくて途方に暮れることがよくあったんですが、今回かなり久々にその状態になりました。
最初は背景が暗いのに、明るい色でたてがみを描いたのがまずかったのかな、と陰影を入れてディテールを細かくしてみたんですが、余計にほしくずライオンが目立ってしまって泥沼状態。
とりあえず一日寝かしてみた後で、色合いの問題かなー?とほしくずライオンの身体を赤紫色に塗ってみたら、これだ! と。夜だから色彩恒常の関係で、ほしくずライオンの色を青みがかった色にしないといけなかったのですが、赤紫色にするという発想がなくて苦労しました。
やっとこさほしくずライオンが描けたあとも、星空が自然に感じに描けないとか、ほしくずライオンと星空を目立ち方のバランスをとるのが難しいとかで、最終的にこのバランスの絵になるまで大変でした…。
路頭に迷っているうちは、久々に未完成品のまま終わるんじゃないかとか、完成してもかなり不満の残る作品になりそうとか思っていましたが、悩み抜いて描いたおかげで、納得のいく配色にたどりつけたと思います。
それにしてもこの絵、いつものことながら夜空を見上げているアオリの絵のはずが、ライオンがフカンの構図で描かれているのと、地平線が凹面に湾曲しているせいで、夜空を見上げているのではなく、池に映った星空を眺めているようにも見えますね。それはそれでファンタジックでおもしろいですが。